JPH06329872A - ポリオキシメチレン樹脂組成物 - Google Patents

ポリオキシメチレン樹脂組成物

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JPH06329872A
JPH06329872A JP11599593A JP11599593A JPH06329872A JP H06329872 A JPH06329872 A JP H06329872A JP 11599593 A JP11599593 A JP 11599593A JP 11599593 A JP11599593 A JP 11599593A JP H06329872 A JPH06329872 A JP H06329872A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリオキシメチレン樹脂100重量部に対し
て、固定炭素が95%以上であり、平均粒径が1〜20
μmであり、かつ結晶化度が80〜92%の範囲にある
人造黒鉛0.1〜200重量部を含有せしめてなるポリ
オキシメチレン樹脂組成物。 【効果】 本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物は、
寸法精度と耐摩擦摩耗性の優れた成形品を与え得るとと
もにその熱安定性にも優れるため、エンジニアリングプ
ラスチックとして有用な材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、寸法精度と耐摩擦摩耗
性の優れた成形品を与え得ると共にその熱安定性にも優
れたポリオキシメチレン樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリオキシメチレン樹脂は機械的強度と
耐衝撃性のバランスのとれたエンジニアリングプラスチ
ックとして知られ、電子機器用品、自動車部品として広
範な分野において使用されているが、特にその優れたク
リープ特性、耐疲労性、耐摩擦摩耗性を利用して、歯車
や軸受等の機構部品に多く用いられている。
【0003】このような耐摩擦摩耗性を必要とする機構
部品の中には、ポリオキシメチレン樹脂単体でも十分満
足のいくものもあるが、近年の機器の高性能化に対して
潤滑剤などの添加を必要とするものが増えてきている。
特に荷重のかかる部品には黒鉛などの固体潤滑剤を添加
したものが使用される。
【0004】例えば、特開昭50−117841号公
報、特開昭50−159539号公報、特公昭57−9
393号公報、特開昭62−267351号公報、特開
平3−91556号公報、特開平3−217448号公
報、特開平3−275764号公報には、ポリオキシメ
チレン樹脂と黒鉛、あるいはポリオレフィン樹脂などの
潤滑剤を併用してなるポリオキシメチレン樹脂組成物が
開示されている。特公昭57−9393号公報には、ポ
リオキシメチレン樹脂と平均粒径0.5〜20μmの鱗
状黒鉛からなるポリオキシメチレン樹脂組成物が開示さ
れている。また、特開平3−275764号公報では、
粒径が3〜300μmの黒鉛結晶が発達している天然黒
鉛が好ましいことが記載されている。また、特開平3−
217448号公報には、ポリオキシメチレン樹脂と5
倍量以上の潤滑油を含浸させた加熱処理膨張黒鉛からな
るポリオキシメチレン樹脂組成物が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭50−117841号公報、特開昭50−1595
39号公報、特公昭57−9393号公報、特開昭62
−267351号公報、特開平3−91556号公報、
特開平3−217448号公報、特開平3−27576
4号公報に開示されている組成物は、その黒鉛の純度、
粒径、形状、結晶化度が不適切であり、十分満足のいく
耐摩擦摩耗性が得られないばかりか、ポリオキシメチレ
ン樹脂を分解し熱安定性を低下させるという問題点があ
った。そこで本発明は、寸法精度と耐摩擦摩耗性の優れ
た成形品を与え得ると共にその熱安定性にも優れたポリ
オキシメチレン樹脂組成物の取得を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、ポリオキシメチレン樹脂
に対して特定の黒鉛を含有してなるポリオキシメチレン
樹脂組成物が、寸法精度と耐摩擦摩耗性の優れた成形品
を与え得ると共にその熱安定性にも優れることを見いだ
し、本発明に到達した。
【0007】即ち、本発明は、(A)ポリオキシメチレ
ン樹脂100重量部に対して(B)固定炭素が95%以
上であり、平均粒径が1〜20μmであり、かつ結晶化
度が80〜92%の範囲にある人造黒鉛0.1〜200
重量部を含有せしめてなるポリオキシメチレン樹脂組成
物である。
【0008】本発明で使用される(A)ポリオキシメチ
レン樹脂としては、オキシメチレン単独重合体、及び、
主としてオキシメチレン単位からなり、ポリマ主鎖中に
少なくとも1種の炭素数2〜8のオキシアルキレン単位
を含有するオキシメチレン共重合体などが使用できる。
【0009】オキシメチレン単独重合体としては、末端
の不安定なヒドロキシル基をエステル基またはエーテル
基等に置換し、安定化されたオキシメチレン・ホモポリ
マのなどが使用できる。例えば、実質的に無水のホルム
アルデヒドを有機アミン、有機あるいは無機の錫化合
物、金属水酸化物のような塩基性重合触媒を含有する有
機溶媒中に導入して重合し、重合体を濾別したのち、無
水酢酸中、酢酸ナトリウムの存在下で加熱して末端をア
セチル化して得られるオキシメチレン単独重合体などが
挙げられる。
【0010】オキシメチレン共重合体としては、例え
ば、実質的に無水のトリオキサン、あるいは、テトラオ
キサンのようなホルムアルデヒドの環状オリゴマと共重
合成分としての少なくとも1種の環状エーテルまたは環
状ホルマールとをシクロヘキサンやベンゼンのような有
機溶媒中に溶解、あるいは、懸濁したのち、三フッ化ホ
ウ素・ジエチルエーテラートのようなルイス酸触媒を添
加して重合し、不安定末端を分解除去して製造した共重
合体、あるいは、溶媒を全く使用せずにセルフクリーニ
ング型撹拌機の中へトリオキサンと共重合成分/触媒の
予備混合物を導入して塊状重合する。所望により、この
重合体から洗浄によって触媒を除去、あるいは、失活剤
によって触媒を失活させたのち、不安定末端を分解除去
して製造した共重合体などが挙げられる。
【0011】特に好ましいのは、トリオキサンと環状エ
ーテルまたは環状ホルマールとを、三フッ化ホウ素・ジ
エチルエーテラートのようなルイス酸触媒の存在下、塊
状重合させたのち、テトラメチルピペリジル基のような
立体障害の大きいアミノ基を有するヒンダードアミン化
合物を添加して重合反応を停止させ、更に不安定末端を
分解除去して得られた重合体である。
【0012】本発明で使用される(B)黒鉛は人造黒鉛
であることが必要である。黒鉛には、天然黒鉛と人造黒
鉛がある。天然黒鉛には、鱗片状黒鉛、鱗状黒鉛、土状
黒鉛が一般的に知られているが、これらの天然黒鉛をポ
リオキシメチレン樹脂に添加しても、その純度、粒径、
形状、結晶化度、樹脂との親和性などの理由から、動摩
擦係数を小さくすることはできても摩耗量が多くなった
り、摩耗量を小さくすることができても動摩擦係数が大
きくなってしまったり、あるいは、ポリオキシメチレン
樹脂を分解し熱安定性を低下させるなどの問題が生じ
る。
【0013】本発明で使用される(B)人造黒鉛は、石
油コークスまたは石炭コークスを原料とし、これにター
ル・ピッチなどを加えて、例えば、約800℃で一次焼
成し、更に約2400〜3000℃に加熱して黒鉛化し
たものが好ましく使用できる。
【0014】該人造黒鉛の固定炭素は、95%以上であ
ることが必要であり、好ましくは97%以上である。固
定炭素が95%未満では十分な摺動特性が得られない。
また、平均粒径は、1〜20μmであることが必要であ
り、好ましくは2〜10μmである。平均粒径が1μm
未満では凝集が生じ分散不良となり、20μmを越える
と機械物性の低下を生じ、いずれも好ましくない。
【0015】また、該人造黒鉛の結晶化度は80〜92
%の範囲内であることが必要であり、特に好ましくは8
3〜90%の範囲内である。結晶化度が80%未満では
寸法ばらつきが大きくなり、また、動摩擦係数の改良効
果が小さく好ましくない。また、結晶化度が92%を越
える場合は摺動時の摩耗量が増大するだけでなく、衝撃
強度が低下するため好ましくない。
【0016】なお、この結晶化度はX線回折法で黒鉛結
晶の2層間間隔の平均値(C0)を測定し、平均層間間
隔(d0)をd0=1/2C0として求め、ついで、W
ARRERの実験式(1)から結晶配列度(P1)を計
算し、P1を百分率で表わしたものである。
【0017】 d0=3.354・P1+3.44(1−P1) (1) 本発明で使用される(B)人造黒鉛の添加量は、ポリオ
キシメチレン樹脂100重量部に対して1〜200重量
部、好ましくは3〜100重量部、特に好ましくは5〜
80重量部の範囲である。添加量が1重量部未満では耐
摩耗性の改良効果が期待できず、200重量部を越える
と、成形品外観が損なわれるばかりか、機械物性が低下
するため好ましくない。
【0018】なお、本発明に使用する人造黒鉛は、その
表面を公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップ
リング剤、チタネート系カップリング剤)などで処理し
て用いることもできる。
【0019】更に本発明のポリオキシメチレン樹脂組成
物には、強化剤、充填剤を併用することが可能である。
強化剤、充填剤としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊
維、芳香族ポリアミド繊維、チタン酸カリウム繊維、石
膏繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セ
ラミック繊維、ボロンウイスカー繊維、アスベスト繊
維、マイカ、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、ガラス
ビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、ク
レー、ワラステナイト、酸化チタン、二硫化モリブデン
等の繊維状、粉状、粒状あるいは板状の無機または有機
フィラーが挙げられる。また、これらの充填剤、強化剤
についてもシラン系、チタネート系などのカップリング
剤、その他の表面処理剤で処理されたものを用いてもよ
い。
【0020】更に本発明のポリオキシメチレン樹脂組成
物には、潤滑剤を併用することも可能である。潤滑剤と
しては、例えば、各種の潤滑油、高密度ポリエチレン樹
脂などの各種ポリオレフィン樹脂あるいは変性ポリオレ
フィン樹脂、四弗化エチレン樹脂などの各種の弗素樹
脂、各種のシリコーン樹脂あるいはシリコーンオイル、
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルエ
ーテル樹脂、ポリエステルアミド樹脂などの各種エラス
トマーなどが挙げられる。
【0021】本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物の
製造方法としては、通常公知の方法が採用できる。例え
ば、ポリオキシメチレン樹脂と本発明で使用する人造黒
鉛をペレット状、粉状、または粒状で混合し、このまま
溶融加工してもよいが、バンバリーミキサー、ロール、
押出機等により溶融混練する方法も採用できる。特に1
軸ないしは2軸の押出機を使用して、150〜250℃
の温度で溶融混練する方法が好ましい。
【0022】また、本発明の樹脂組成物には本発明の効
果を損なわない範囲でヒンダードフェノール化合物のよ
うな酸化防止剤、トリアジン化合物、ポリアミド化合
物、ポリアクリルアミド化合物のようなホルムアルデヒ
ド捕捉剤、着色剤(顔料、染料)、核剤、可塑剤、脂肪
酸エステル、エチレンビスステアロアミド、ポリエチレ
ンワックスのような離型剤、カーボンブラックのような
導電剤、チオエーテル系化合物、ホスファイト系化合物
のような二次酸化防止剤、ベンゾフェノン系化合物、ベ
ンゾトリアゾール系化合物、ヒンダードアミン化合物の
ような光安定剤、粘着剤、金属石鹸のような滑剤、耐加
水分解改良剤、接着助剤などの添加剤を任意に含有させ
ることができる。
【0023】本発明により得られるポリオキシメチレン
樹脂は、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケッ
ト、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルホビン、
コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発信
子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基盤、チュ
ーナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、
小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、
半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、磁
気テープカセットリール、テープガイド装置、モーター
ブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピュータ
ー関連部品等に代表される電気・電子部品用途に好適に
用いられるが、その他の用途即ちVTR部品、VTRカ
メラ部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、
シェーバー、扇風機、ジューサー、炊飯器部品、電子レ
ンジ部品、ヘッドフォンステレオ、ラジカセ、オーディ
オ・レーザーディスク、コンパクトディスク等の音響機
器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプ
ライター部品、電卓、ワードプロセッサー部品等に代表
される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピュータ
ー関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、
複写機関連部品、洗浄用冶具、モーター部品、ライタ
ー、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕
微鏡、双眼鏡、カメラ、時計等に代表される光学機器、
精密機械関連部品、オルタネーターターミナル、オルタ
ネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディ
ヤー用ポテンシオメーターベース、排気ガスバルブ等の
各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エ
アーインテークノズルスノーケル、インテークマニホー
ルド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブ
レターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気
ガスセンサー、冷却水センサー、湯温センサー、ブレー
キパッドウェアセンサー、スロットルポジションセンサ
ー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフロ
ーメーター、ブレーキパッド摩耗センサー、エアコン用
サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバ
ルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウ
オーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパー
モーター関係部品、デュストリビューター、スターター
スイッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワ
イヤーハーネス、エアコンパネルスイッチ基盤、燃料関
係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンタ
ーミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターロータ
ー、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウ
ジング、ブレーキピストン、ソレノイドホビン、エンジ
ンオイルフィルター、ラジエータードレーンコック、イ
ンタンクフュエルポンプ、ダイヤフラム弁、オートアン
テナギアケース、ドアロック、ウィンカースイッチ、ワ
イパーギア、ワイパーピポットベアリング、スピードメ
ーターギア、パーツ、ハウジング、ウインドウガラスボ
トムチャネル、シートベルトハウジング、シートベルト
リトラクターパーツ、ヒーターコントロールレバー、イ
ンサイドドアハンドル、レギュレーターハンドル、アウ
タードアハンドル、サンバイザーブラケット、コラプシ
ブルルームミラーステー、シートフック、フェンダーミ
ラーケース、フューエルキャップ、ウインドウウォッシ
ャーノズル、点火装置等の自動車・車両関連部品、自転
車、芝刈機、間仕切りコーナーピース、カーテンライナ
ー、ブラインドギア、戸車、オフィス家具パーツ、各種
ファスナー、配管システム、ホースジョイント、バル
ブ、ビンディング、アジャスト、各種止め具、メータ
ー、シューズ部品、玩具、オルゴール、くし等の美容部
品、キャスターブラケット、ローラー、キャップ、、メ
ジャー部品、ライター、エアゾールボトル、スポーツ用
具等、その他各種一般機器部品などに用いることも可能
である。
【0024】以下実施例を挙げて説明するが、本発明
は、これらに限定されるものではない。
【0025】
【実施例】以下実施例によって本発明を説明する。な
お、実施例中の%及び部はすべて重量基準である。
【0026】また、実施例及び比較例中に示される成形
品の耐摩擦摩耗試験、寸法精度、樹脂組成物の熱安定性
は次のようにして行った。
【0027】・成形:型締力60tを有する射出成形機
を用いて、シリンダ温度190℃、金型温度60℃、成
形サイクル30秒に設定して、30×30×3t(m
m)の角板を射出成形した。
【0028】・耐摩擦摩耗試験:上記角板と相手材とし
てφ22.8×2t(mm)の鋼(S45C)製摺動リ
ングを用いて、下記条件で試験を行い、動摩擦係数及び
比摩耗量を測定した。
【0029】P=10kgf/cm2 V=30m/min 動摩擦係数:摩擦力(kg)/荷重(kg) 比摩耗量:摩耗量(mm3)/(荷重(kg)×距離
(km)) ・寸法精度:型締力40tを有する射出成形機を用い
て、シリンダー温度200℃、金型温度60℃、成形サ
イクル20秒に設定して、外径60mm、穴径4mmの
ギアを成形した。ギアの穴径が4.02mm以上4.0
3mm以下のものを良品、それ以外のものを不良品と
し、規格内に合わせ50ショットを捨てた後、サンプル
を500コ取り、その中の不良品率を求めた。
【0030】・熱安定性:ペレット20.0gをアルミ
ホイル製容器に入れ、240℃オーブン中で1時間溶融
滞留させた。試験後、室温で固化したサンプルの重量を
測定した。
【0031】実施例および比較例では、(A)ポリオキ
シメチレン樹脂として、下記の方法で製造したオキシメ
チレン共重合体(P−1)を使用した。
【0032】・オキシメチレン共重合体(P−1)の製
造方法 2軸押出機型重合機(100mmφ、シリンダー長
(L)/シリンダー径(D)=10.2)にトリオキサ
ン(30kg/h),1,3−ジオキソラン(1150
g/h),また、トリオキサンに対して触媒として12
0ppmの三フッ化ホウ素・ジブチルエーテラート
(2.5%ベンゼン溶液)、分子量調節剤として733
ppmのメチラールをそれぞれ供給し、連続重合を行っ
た。重合は外部ジャケットを58℃にコントロールし、
回転数は40rpmで行った。メチラールはトリオキサ
ン中に溶解した。また、1,3−ジオキソランと触媒溶
液は重合機へ供給する直前に予備混合されるように予備
混合ゾーンを設けた。重合体は白色微粉末として28.
3kg/hで得られた。
【0033】このようにして得られた微粉末5kgに対
して、9.0gの”サノール”LS765[三共、ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート]を50mlのベンゼンに溶解した溶液
を添加し、ヘンシェルミキサー中で3分間撹拌して触媒
失活を行った。さらに”イルガノックス”245[チバ
ガイギー、トリエチレングリコール−ビス{3−(3−
t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート}]25g、12−ヒドロキシステアリン
酸カルシウム5g、メラミン5gを添加したのち、ベン
ト付40mmφ2軸押出機を用いて230℃/10mm
torrで加熱溶融し、P−1を得た。
【0034】実施例1〜17・比較例1〜8 ポリオキシメチレン樹脂P−1に対して表1に示す割合
で表1に示す各種黒鉛をドライブレンドした後、池貝鉄
工所製ベント付2軸30mmφ押出機を用いて200〜
210℃で溶融押出混練した。
【0035】得られた組成物はストランドとして押出さ
れ、カッタによってペレタイズされた。このペレットを
熱風循環オーブン中、80℃で3時間乾燥したのち、成
形を行い、耐摩擦摩耗試験、寸法精度の測定に供した。
また、乾燥したペレットを用いて熱安定性の評価を行っ
た。これらの結果を表1にまとめた。
【0036】
【表1】
【0037】これらの結果から本発明のポリオキシメチ
レン樹脂組成物が寸法精度と耐摩擦摩耗性の優れた成形
品を与え得るとともにその熱安定性にも優れていること
が明らかである。
【0038】
【発明の効果】本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物
は、寸法精度と耐摩擦摩耗性の優れた成形品を与え得る
とともにその熱安定性にも優れていることから、成形が
非常にしやすく、大量生産に適しているため、高い寸法
精度と優れた耐摩擦摩耗性を必要とする電気・電子分
野、自動車分野などの機械機構部品として広範囲に使用
することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリオキシメチレン樹脂100重
    量部に対して(B)固定炭素が95%以上であり、平均
    粒径が1〜20μmであり、かつ結晶化度が80〜92
    %の範囲にある人造黒鉛0.1〜200重量部を含有せ
    しめてなるポリオキシメチレン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (B)人造黒鉛の結晶化度が83〜90
    %である請求項1記載のポリオキシメチレン樹脂組成
    物。
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