JPH06329656A - クロマン類化合物の製造方法 - Google Patents

クロマン類化合物の製造方法

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JPH06329656A
JPH06329656A JP6049452A JP4945294A JPH06329656A JP H06329656 A JPH06329656 A JP H06329656A JP 6049452 A JP6049452 A JP 6049452A JP 4945294 A JP4945294 A JP 4945294A JP H06329656 A JPH06329656 A JP H06329656A
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JP
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general formula
polymer
formula
chroman
compound
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Application number
JP6049452A
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English (en)
Inventor
Yoshio Motoyama
吉夫 元山
Kazutaka Tsuru
和孝 津留
Kiyoaki Sugi
清明 杉
Noriaki Kihara
則昭 木原
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 レゾルシンと脂肪族ケトン及び所望により脂
肪族アルコール、又はレゾルシンと脂肪族ケトンのケタ
ールを酸触媒下で反応させて得られるクロマン骨格を有
する重合体、更に所望により高沸点有機溶媒を添加した
混合物を塩基の存在下に熱解重合して一般式(VII) で示
されるクロマン化合物及び/又は一般式(VIII)で示させ
るクロメン化合物を製造するクロマン類化合物の製造方
法。 【化1】 【化2】 (式中、R1 及びR2 は、同一又は相異なって、水素原
子又は低級の第一級アルキル基を表し、R3 は低級アル
キル基を表す。) 【効果】 重合体を効率的に熱解重合することにより高
収率でクロマン類化合物を得ることが可能になった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農薬又は医薬製造のた
めの中間体として有用なクロマン類化合物の工業的に有
利な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般式(VII)
【0003】
【化9】
【0004】(式中、R1 及びR2 は、同一又は相異な
って、水素原子又は低級の第一級アルキル基を表し、R
3 は低級アルキル基を表す。)で示されるクロマン化合
物及び一般式(VIII)
【0005】
【化10】
【0006】(式中、R1 及びR2 は前記と同義であ
る。)で示されるクロメン化合物は農薬又は医薬製造の
ための中間体として有用な既知化合物である。従来、前
記の既知クロマン類化合物は、例えば、特開平3−38
584号公報に記載されているようにレゾルシンと脂肪
族ケトン又は脂肪族ケトンのケタール及び所望により脂
肪族アルコールとを酸触媒下に反応させる方法が報告さ
れており、更に、特開平3−153678号公報では、
これらの方法で合成された反応混合物から、クロマン類
化合物を塩基の存在下に蒸留して、回収する方法が開示
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平3−38584
号公報記載の方法は、原料から一段階でクロマン類化合
物を得ることができるため、工業的製造法としては注目
される製造方法である。しかしながら、この方法は、ク
ロマン類化合物への選択率が反応に用いる溶媒量に影響
され、目的物であるクロマン類化合物を高収率で得るた
めには多量の溶媒を使用しなければならず、工業的製造
方法としては生産効率が低く不利である。また、この方
法では、目的物であるクロマン類化合物以外に種々の高
沸点重合物等が副生するため、特開平3−153678
号公報記載の方法によるクロマン類化合物の精製単離後
に多量の副生物の処理を行わなければならなかった。
【0008】即ち、本発明は、既知クロマン類化合物の
工業的に有利な製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(I)
【0010】
【化11】
【0011】[式中、R1 及びR2 は、同一又は相異な
って、水素原子又は低級の第一級アルキル基を表し、R
3 は低級アルキル基を表し、R4 は水素原子又は一般式
(II)
【0012】
【化12】
【0013】(式中、R1 、R2 及びR3 は前記と同義
である。)もしくは一般式(III)
【0014】
【化13】
【0015】(式中、R1 及びR2 は前記と同義であ
る。)で示される基を表し、nは1〜8の整数を表
す。]で示されるクロマン骨格を有する重合体、一般式
(IV)
【0016】
【化14】
【0017】(式中、R1 、R2 、R4 及びnは前記と
同義である。)で示されるクロマン骨格を有する重合
体、一般式(V)
【0018】
【化15】
【0019】(式中、R1 、R2 、R4 及びnは前記と
同義である。)で示されるクロマン骨格を有する重合体
及び一般式(VI)
【0020】
【化16】
【0021】(式中、R1 、R2 、R4 及びnは前記と
同義である。)で示されるクロマン骨格を有する重合体
からなる群から選ばれる少なくとも1種のクロマン骨格
を有する重合体もしくはこれを含む混合物、又はこれら
に高沸点有機溶媒を添加した混合物を塩基の存在下に熱
解重合させることを特徴とする一般式(VII)
【0022】
【化17】
【0023】(式中、R1 、R2 及びR3 は前記と同義
である。)で示されるクロマン化合物及び/又は一般式
(VIII)
【0024】
【化18】
【0025】(式中、R1 及びR2 は前記と同義であ
る。)で示されるクロメン化合物を製造するクロマン類
化合物の製造方法である。前記一般式(I)、(IV)、
(V)又は(VI)で示されるクロマン骨格を有する重合
体は、既知の製造方法で副生物として得られるものであ
る。前記クロマン骨格を有する重合体又はこれを含む混
合物は、例えば、レゾルシンと一般式(IX) R1 CH2 COCH2 2 (IX) (式中、R1 及びR2 は前記と同義である。)で示され
る脂肪族ケトン及び更に所望により一般式(X) R3 OH (X) (式中、R3 は前記と同義である。)で示される脂肪族
アルコールとを酸触媒の存在下で反応させる方法又はレ
ゾルシンと一般式(XI) R1 CH2 C(OR3 )(OR5 )CH2 2 (XI) (式中、R1 、R2 及びR3 は前記と同義であり、R5
は低級アルキル基を表す。)で示される脂肪族ケトンの
ケタールを酸触媒の存在下で反応させる方法により得る
ことができる。
【0026】前記一般式(I)〜(IX)及び(XI)にお
いて、R1 又はR2 で表される低級の第一級アルキル基
とは、炭素数1〜6の第一級アルキル基をいい、R1
はR 2 としては、水素原子又はメチル基、エチル基、n
ープロピル基、nーブチル基等の炭素数1〜4の第一級
アルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基が更に好
ましい。
【0027】一般式(I)、(II)、(VII) (X)及び
(XI)において、R3 又はR5 で表される低級アルキル
基とは、炭素数1〜6のアルキル基をいい、好ましくは
メチル基、エチル基、nープロピル基、イソプロピル
基、nーブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、 ter
t-ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基、更に好まし
くはメチル基が挙げられる。
【0028】一般式(IX)で示される脂肪族ケトンの具
体例としては、アセトン、ジエチルケトン、ジーnープ
ロピルケトン、ジーnーブチルケトン、メチルエチルケ
トン等を例示することができ、好ましくはアセトン、ジ
エチルケトン、更に好ましくはアセトンが挙げられる。
一般式(XI)で示される脂肪族ケトンのケタールの具体
例としては、アセトン、ジエチルケトン、ジーnープロ
ピルケトン、ジーnーブチルケトン、メチルエチルケト
ン等の脂肪族ケトンに由来するジメチルケタール、ジエ
チルケタール、メチルエチルケタール等が例示すること
ができ、好ましくはアセトンジメチルケタール、アセト
ンジエチルケタール、更に好ましくはアセトンジメチル
ケタールが挙げられる。
【0029】一般式(X)で示される脂肪族アルコール
の具体例としては、メタノール、エタノール、nープロ
パノール、イソプロパノール等を例示することができ、
好ましくはメタノール、エタノール、更に好ましくはメ
タノールが挙げられる。前記クロマン骨格を有する重合
体又はこれを含む混合物を得る際に用いる酸触媒として
は、例えば、硫酸、塩酸等の鉱酸、メタンスルホン酸、
p ートルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等の有機
酸、アンバーリスト15、アンバーリスト16、アンバ
ーリスト36(以上Rohm&Haas社製 陽イオン交換樹
脂)、Nafion-H(Du Pont 社製 陽イオン交換樹脂)等
の陽イオン交換樹脂、リンモリブデン酸、リンタングス
テン酸、ゼオライト触媒等の固体酸、塩化第二銅、臭化
第二銅等のルイス酸等が挙げられる。これらは単独又は
2種類以上を組み合わせることができる。これらの中で
好ましい触媒は、硫酸、塩酸等の鉱酸、アンバーリスト
16等の陽イオン交換樹脂及びゼオライト触媒等の固体
触媒が挙げられ、更に好ましくは硫酸、アンバーリスト
16等が挙げられる。
【0030】前記酸触媒の使用量はレゾルシンに対して
通常0. 01〜2倍モル、好ましくは0. 05〜1. 5
倍モル、更に好ましくは0.1〜1.0倍モルである。
一般式(IX)で示される脂肪族ケトン及び一般式(XI)
で示される脂肪族ケトンのケタールの使用量は通常レゾ
ルシンに対して通常0. 5〜10倍モル、好ましくは1
〜5倍モル、更に好ましくは2〜5倍モルである。一般
式(X)で示される脂肪族アルコールを使用する場合、
その使用量はレゾルシンに対して通常1〜100倍モ
ル、好ましくは1〜40倍モル、更に好ましくは5〜2
0倍モルである。
【0031】本反応は溶媒の不存在下又は不活性溶媒の
存在下のいずれでも行うことができる。不活性溶媒とし
ては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素、四塩化炭素、1,2ージクロロエタン等のハロゲン
化炭化水素、イソプロピルエーテル、nーブチルエーテ
ル等のエーテル類が例示でき、これらは単独でも混合し
て用いてもよく、好ましくはベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素溶媒である。溶媒の使用量はレ
ゾルシンに対して通常1〜50重量倍、好ましくは2〜
40重量倍、更に好ましくは3〜30重量倍である。
【0032】反応温度は通常25〜160℃、好ましく
は50〜130℃、更に好ましくは70〜110℃であ
り、反応時間は通常0. 1〜50時間、好ましくは0.
5〜20時間、更に好ましくは0.5〜6時間であり、
反応時に既知クロマン類化合物の生成を伴ってもよい。
本発明においては、前記クロマン骨格を有する重合体も
しくはこれを含む混合物、又はこれらに高沸点有機溶媒
を添加した混合物に、塩基を添加することにより該混合
物を塩基性にした後、熱解重合を180℃を越える温度
で行い、逐次解重合物を常圧又は減圧下において単離す
ることが好ましい。
【0033】本発明において、前記クロマン骨格を有す
る重合体を含む混合物として、前述のように酸触媒の存
在下で反応させて得られた反応混合物を用いる場合、得
られた反応混合物を冷却して酸触媒を除去した後に、塩
基を添加する。本発明で用いる塩基としては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、
炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金
属炭酸水素塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアル
カリ金属炭酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸マグネシウム、
炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩等、1,8
−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(D
BU)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)等の
有機アミンを例示できる。これらの塩基は、単独又は2
種以上を混合することができる。これらの中で好ましい
ものは、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素
ナトリウムであり、更に好ましくは水酸化ナトリウム、
炭酸水素ナトリウムである。
【0034】塩基の添加量は通常反応混合物を中和して
更にレゾルシンに対して0. 001〜10倍モル、好ま
しくは0. 01〜2倍モル、更に好ましくは0.01〜
1倍モルであり、pHは通常7〜12、好ましくは7〜
9、更に好ましくは8.5〜9に調整する。未反応の脂
肪族ケトン又は脂肪族ケトンのケタール、脂肪族アルコ
ール及び反応により生成した水は通常120℃以下、好
ましくは110℃以下、更に好ましくは100℃以下の
温度で常圧又は減圧下で留去する。
【0035】次に、一般式(I)、(IV)、(V)又は
(VI)で示されるクロマン骨格を有する重合体の少なく
とも1種又はこれを含む混合物を塩基の存在下において
熱解重合を伴いながら目的とする一般式(VII) 及び/又
は(VIII)で示される既知クロマン類化合物を回収する方
法について詳しく説明する。一般式(I)、(IV)、
(V)又は(VI)で示されるクロマン骨格を有する重合
体の少なくとも1種又は前記の方法により得られた混合
物に、所望により常圧下の沸点が300℃以上の高沸点
有機溶媒を仕込みレゾルシンに対して通常5〜100重
量%、好ましくは5〜50重量%、更に好ましくは10
〜30重量%添加して反応混合物の粘度の低下に伴う操
作性の向上を図ることもできる。
【0036】高沸点有機溶媒としては、通常常圧下の沸
点が300〜550℃、好ましくは350〜500℃、
更に好ましくは400〜500℃であり、常温での粘度
が500センチポアズ以下、好ましくは300センチポ
アズ以下、更に好ましくは50センチポアズ以下である
ものを用いる。前記高沸点有機溶媒としては、例えば主
成分がパラフィン鎖、ナフテン環、芳香族環等の高分子
量炭化水素成分の石油系潤滑油、イオウ、窒素、酸素等
の非炭化水素成分を含む石油系潤滑油、2,4−ジベン
ジルトルエン等の芳香族炭化水素、ポリエチレングリコ
ール等のポリアルキレングリコール、コーン油、菜種
油、綿実油等の脂肪油等を挙げることができ、好ましく
は2,4−ジベンジルトルエン、ポリエチレングリコー
ル、コーン油、菜種油又は綿実油、更に好ましくはコー
ン油、菜種油又は綿実油を挙げることができる。これら
の高沸点有機溶媒は、単独でも、また2種以上を混合し
て用いてもよい。
【0037】一般式(I)、(IV)、(V)又は(VI)
で示されるクロマン骨格を有する重合体の少なくとも1
種又は前記の方法で得られた混合物を塩基の存在下に熱
解重合させ目的物を回収するために用いられる塩基とし
ては、前記の塩基等が挙げられる。前記の方法で得られ
た混合物を用いる場合、通常先に一旦低沸点物を留去す
る際に添加した塩基をそのまま兼用するが、更に前記の
塩基等を新たに添加することもできる。
【0038】これらの混合物から、所望により目的とす
る一般式(VII) 及び/又は一般式(VIII)で示される既知
クロマン類化合物を先に留去させることもでき、通常常
圧又は1〜300mmHgの減圧下、好ましくは3〜2
00mmHgの減圧下、更に好ましくは3〜100mm
Hgの減圧下、通常100〜350℃、好ましくは12
0〜200℃、更に好ましくは120〜180℃に昇温
して留去させる。
【0039】次に、一般式(I)、(IV)、(V)又は
(VI)で示されるクロマン骨格を有する重合体及び該重
合体を含む混合物について説明する。前記の混合物に
は、通常一般式(I)、(IV)、(V)又は(VI)で示
される重合体が複数混合されており、更に、nで示され
る重合率は1〜8の整数を示し、同一又は相異なった重
合率を示す重合体が混合されていてもよく、また一種の
重合体が単独で存在していてもよい。混合物の粘度を考
慮すると重合率が低い方が好ましいが、熱解重合後の目
的化合物の回収率の面からは、クロマン骨格の含有量の
高い重合体が好ましく、nは好ましくは2〜8、更に好
ましくは2〜6の整数である。
【0040】これらの塩基、及び一般式(I)、(I
V)、(V)又は(VI)で示されるクロマン骨格を有す
る重合体の少なくとも1種又はこれを含む混合物を通常
常圧又は1〜500mmHgの減圧下、好ましくは1〜
100mmHgの減圧下、更に好ましくは3〜50mm
Hgの減圧下、通常160〜350℃、好ましくは18
0〜300℃、更に好ましくは180〜270℃に昇温
し、目的とする一般式(VII) 及び/又は一般式(VIII)で
示される既知クロマン類化合物を留去させながら回収す
る。
【0041】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
具体的に説明するが、本発明の範囲は以下の実施例に限
定されるものでははい。 (実施例1)1リットルのガラス製オートクレーブにレ
ゾルシン66g(0. 6mol)、アセトン174g
(3.0mol)及び陽イオン交換樹脂48g(アンバ
ーリスト16:乾燥品 5meq/g)を仕込み、80
℃に昇温して6時間反応させた。室温に冷却後、イオン
交換樹脂を濾去し、濾液に1重量%水酸化ナトリウム水
溶液6.0gを添加して、pHが8. 5〜9であること
を確認した。レゾルシンの転化率は99%、下記化合物
(1)の収率は1.1%(仕込みレゾルシン基準)であ
った。次いで、減圧下、90℃の温度で残存アセトン及
び水を留去した。濃縮液を10mmHgの減圧下、25
0℃に昇温して熱解重合により生成された化合物
(1)、レゾルシン及びレゾルシンとアセトンの縮合物
を含む留分73.1gを4時間かけて留出した。化合物
(1)の収率は39.3%(仕込みレゾルシン基準)、
純度は61.3重量%であった。
【0042】反応混合物のフィールドディソープション
質量分析(FDMS): 110(レゾルシン) 300、490、680、870、1060、1250 (化合物(V)、R1 =R2 =R4 =H、順にn=1〜
6の整数) 190(化合物(VIII)、R1 =R2 =H) 380、570、760、950、1140、1330 (化合物(IV)、R1 =R2 =R4 =H、順にn=1〜
6の整数) 340(化合物(VI)、R1 =R2 =R4 =H、n=
0) 530、720、910、1100、1290、148
0 (化合物(VI)、R1 =R2 =R4 =H、順にn=1〜
6の整数) 270(下記化合物(III')、R1 =R2 =H) 460、650 (化合物(IV)、R1 =R2 =H、R4 =基(III) 、順
にn=0,1) 蒸留物のFDMS: 110(レゾルシン) 190(化合物(VIII)、R1 =R2 =H) 270(下記化合物(III')、R1 =R2 =H) 300(化合物(V)、R1 =R2 =R4 =H、n=
1) 化合物(1)
【0043】
【化19】
【0044】化合物(III')
【0045】
【化20】
【0046】(実施例2)1リットルのガラス製オート
クレーブにレゾルシン66g(0.6mol)、アセト
ン174g(3mol)、メタノール192g(6mo
l)及び陽イオン交換樹脂48g(アンバーリスト1
6:乾燥品 5meq/g)を仕込み、110℃に昇温
して6時間反応させた。室温に冷却後、ろ過してイオン
交換樹脂を除き、これに1規定水酸化ナトリウム水溶液
2.4gを添加してpHを8.5から9に調整した。前
記化合物(1)及び下記化合物(2)の合計収率は4
0.5%(仕込みレゾルシン基準)であった。次いで、
100℃以下の温度で減圧下、残存アセトン、メタノー
ル及び水を留去した。濃縮液に高沸点有機溶媒として空
気圧縮機用潤滑油(注1)14gを添加し、10mmH
gの減圧下、200℃に昇温して目的とする下記化合物
(2)を主留とする留分を留出させた後、250℃に昇
温して目的とする前記化合物(1)を主留とする留分合
計99.2g(化合物(1)31.4g、化合物(2)
43.0g)を留出させた。化合物(1)及び(2)の
合計収率は59%(仕込みレゾルシン基準)であった。
また、純度は75重量%であった。反応で生成した化合
物(1)及び(2)基準の回収率は146%であった。 注1)商品名 ダフニー・エースパック、出光
興産株式会社製 主成分 石油系脂肪族炭化水素 沸点 430℃ 粘度(40℃) 68.5センチポアズ 化合物(2)
【0047】
【化21】
【0048】(実施例3〜5)高沸点有機溶媒として、
芳香族絶縁油(注2)、ポリエチレングリコール600
(注3)、コーン油(注4)を用いた以外は実施例2と
同様に実施した。結果を表1に示した。
【0049】
【表1】
【0050】 注2)商品名 Neo-SKoil-1400、綜研化学株式会社製 主成分 2,4−ジベンジルトルエン 沸点 390℃ 粘度(20℃) 50センチポアズ 注3)商品名 ポリエチレングリコール−600、和光
純薬工業株式会社製 主成分 分子量約600のポリエチレングリコール 沸点 400℃以上 注4)商品名 コーン油、味の素株式会社製 主成分 脂肪酸エステル 沸点 400℃以上 (実施例6)濃縮液に高沸点有機溶媒を添加しなかった
以外は実施例2と同様に実施した。目的とする化合物
(1)の収率は29%、化合物(2)の収率は30%で
あり、合計収率は59%(仕込みレゾルシン基準)、純
度は69重量%であった。反応で生成した化合物(1)
及び(2)基準の回収率は146%であった。
【0051】(比較例1)目的物の留出温度を180℃
に固定した以外は実施例2と同様に実施した。目的とす
る化合物(1)及び(2)を主留とする留分50. 4g
を留出した。化合物(1)の収率は17%、化合物
(2)の収率は23%であり、合計収率は40%(仕込
みレゾルシン基準)、純度は80重量%であった。反応
で生成した化合物(1)及び(2)基準の回収率は、9
9%であった。
【0052】(実施例7〜12)1リットルのガラス製オ
ートクレーブにレゾルシン66g(0. 6mol)、ア
セトン139g(2. 4mol)、メタノール96g
(3.0mol)、トルエン264g及び陽イオン交換
樹脂48g(アンバーリスト16:乾燥品 5meq/
g)を仕込み、110℃に昇温して6時間反応させた。
室温に冷却後、イオン交換樹脂を濾去した。濾液を分析
した結果、レゾルシン転化率は95%、化合物(1)及
び(2)の合計収率は41%(仕込みレゾルシン基準)
であった。次に、反応混合物に表1に示す塩基を添加し
て、減圧下、90℃の温度で残存アセトン、メタノール
及び水を留去し、10mmHgの減圧下、180℃に昇
温して目的とする化合物(1)及び(2)を主留とする
留分を留出させた。更に、250℃に昇温して熱解重合
により生成された化合物(1)及び(2)を含む留分を
4時間かけて留出した。結果を表2に示した。
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】従来、農薬中間体として有用な既知クロ
マン類化合物の製造方法において高収率及び高生産効率
で目的物を得ることは困難であったが、反応中に生成さ
れるクロマン骨格を有する重合体を効率的に熱解重合す
ることにより高収率でクロマン類化合物を得られるよう
になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木原 則昭 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 [式中、R1 及びR2 は、同一又は相異なって、水素原
    子又は低級の第一級アルキル基を表し、R3 は低級アル
    キル基を表し、R4 は水素原子又は一般式(II) 【化2】 (式中、R1 、R2 及びR3 は前記と同義である。)も
    しくは一般式(III) 【化3】 (式中、R1 及びR2 は前記と同義である。)で示され
    る基を表し、nは1〜8の整数を表す。]で示されるク
    ロマン骨格を有する重合体、一般式(IV) 【化4】 (式中、R1 、R2 、R4 及びnは前記と同義であ
    る。)で示されるクロマン骨格を有する重合体、一般式
    (V) 【化5】 (式中、R1 、R2 、R4 及びnは前記と同義であ
    る。)で示されるクロマン骨格を有する重合体及び一般
    式(VI) 【化6】 (式中、R1 、R2 、R4 及びnは前記と同義であ
    る。)で示されるクロマン骨格を有する重合体からなる
    群から選ばれる少なくとも1種のクロマン骨格を有する
    重合体もしくはこれを含む混合物、又はこれらに高沸点
    有機溶媒を添加した混合物を塩基の存在下に熱解重合さ
    せることを特徴とする一般式(VII) 【化7】 (式中、R1 、R2 及びR3 は前記と同義である。)で
    示されるクロマン化合物及び/又は一般式(VIII) 【化8】 (式中、R1 及びR2 は前記と同義である。)で示され
    るクロメン化合物を製造するクロマン類化合物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 クロマン骨格を有する重合体もしくはこ
    れを含む混合物がレゾルシンと一般式(IX) R1 CH2 COCH2 2 (IX) (式中、R1 及びR2 は前記と同義である。)で示され
    る脂肪族ケトン及び更に所望により一般式(X) R3 OH (X) (式中、R3 は前記と同義である。)で示される脂肪族
    アルコールとを酸触媒の存在下で反応させる方法又はレ
    ゾルシンと一般式(XI) R1 CH2 C(OR3 )(OR5 )CH2 2 (XI) (式中、R1 、R2 及びR3 は前記と同義であり、R5
    は低級アルキル基を表す。)で示される脂肪族ケトンの
    ケタールを酸触媒の存在下で反応させる方法により得ら
    れることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 クロマン骨格を有する重合体もしくはこ
    れを含む混合物がレゾルシンとアセトン及び更に所望に
    よりメタノールとを酸触媒の存在下で反応させる方法又
    はレゾルシンと一般式(XI') CH3 C(OR3 )(OR5 )CH3 (XI') (式中、R3 及びR5 は前記と同義である。)で示され
    る脂肪族ケトンのケタールを酸触媒の存在下で反応させ
    る方法により得られることを特徴とする請求項1記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 クロマン骨格を有する重合体もしくはこ
    れを含む混合物、又はこれらに高沸点有機溶媒を添加し
    た混合物に、塩基を添加することにより該混合物を塩基
    性にした後、熱解重合を180℃を越える温度で行い、
    逐次解重合物を常圧又は減圧下において単離することを
    特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  5. 【請求項5】 塩基がアルカリ金属水酸化物、アルカリ
    金属炭酸水素塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金
    属水酸化物、アルカリ土類金属炭酸塩及び有機アミンか
    らなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特
    徴とする請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 クロマン骨格を有する重合体もしくはこ
    れを含む混合物に常圧下の沸点が300℃以上の高沸点
    有機溶媒を添加した後、熱解重合することを特徴とする
    請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 高沸点有機溶媒の常圧下の沸点が300
    〜550℃であることを特徴とする請求項6記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 高沸点有機溶媒が石油系潤滑油、芳香族
    炭化水素、ポリアルキレングリコール及び脂肪油からな
    る群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴と
    する請求項6又は7記載の方法。
  9. 【請求項9】 高沸点有機溶媒が2,4−ジベンジルト
    ルエン、ポリエチレングリコール、コーン油、菜種油及
    び綿実油からなる群から選ばれる1種又は2種以上であ
    ることを特徴とする請求項6又は7記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0700959A1 (en) * 1994-09-07 1996-03-13 Sumitomo Chemical Company, Limited A rubber composition and a vulcanizing adhesion method using the same
KR100833652B1 (ko) * 2006-12-28 2008-05-29 한국화학연구원 Bace-1의 활성을 저해하는 파고지 종자 추출물 또는이로부터 분리된 활성물질을 포함하는 퇴행성 뇌질환의예방 또는 치료용 조성물
US8191589B2 (en) 2005-09-29 2012-06-05 Olympus Corporation Method of processing wood and compressed wood product

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