JPH0632948U - 局所冷房型空調機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 周囲の温度が高い場合でも十分な冷房効果を
得ることのできる局所冷房型空調機を提供する。 【構成】 空調機本体１に可撓性の吸込ダクト３を設け
るとともに、吸込ダクト３の吸込口３ａを空調位置に臨
んで位置させることにより、空調位置の近傍の比較的低
温の空気が空調機本体１内の蒸発器に給送され、蒸発器
を通過した空気の温度が空調機本体１の周囲から空気を
吸入する場合よりも低くなる。また、吸込ダクト３の空
気が空調機本体１内の凝縮器にも給送されるよう構成す
れば、凝縮器内の冷媒の凝縮率が高まり、冷房効果がよ
り向上する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば工場の作業場等のように熱負荷の大きい施設に設置され、所 望の位置に集中的に空調空気を送る局所冷房型空調機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の局所冷房型空調機に代表される天吊型スポットエアコン等にお いては、圧縮機、蒸発器及び凝縮器等からなる冷凍回路を備えた空調機本体を空 調位置の上部等に設置し、空調機本体から延びる可撓性の吹出ダクトの吹出口を 任意の位置に移動して吹出位置を調整することにより、所望の位置に集中的に空 調空気を送風できるようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、前記空調機では蒸発器で冷却された空気が吹出ダクトを介して空調 位置に吹出されるようになっているが、蒸発器には空調機本体周辺の空気が空調 機本体の吸込口を介して流入するため、真夏のように周囲の温度が高い場合には 蒸発器にて空気の温度を十分に低下させることができず、冷房効果が著しく低下 するという問題点があった。

【０００４】 本考案は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、 周囲の温度が高い場合でも十分な冷房効果を得ることのできる局所冷房型空調機 を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記目的を達成するために、請求項１では、圧縮機、蒸発器及び凝縮 器等からなる冷凍回路を備えた空調機本体を所定位置に設置するとともに、該空 調機本体には吹出口を任意の位置に移動し得る可撓性の吹出ダクトを設け、蒸発 器によって冷却された空気を吹出ダクトを介して任意の空調位置に送風するよう にした局所冷房型空調機において、前記空調機本体に吸込口を任意の位置に移動 し得る可撓性の吸込ダクトを設けるとともに、該吸込ダクトに吸入された空気を 前記蒸発器に給送するよう構成している。

【０００６】 また、請求項２では、前記吸込ダクトに吸入された空気を前記蒸発器及び凝縮 器の両者に給送するよう構成している。

【０００７】

【作用】

請求項１の局所冷房型空調機によれば、吸込ダクトの吸込口を空調位置に臨ん で位置させることにより、空調位置の近傍の空気が吸込ダクトに吸入され、空調 機本体内の蒸発器に給送される。その際、空調位置の近傍の空気は周囲に比べて 低温となっているため、蒸発器を通過した空気の温度が空調機本体の周囲から空 気を吸入する場合よりも低くなる。

【０００８】 また、請求項２の局所冷房型空調機によれば、請求項１の作用を有するととも に、吸込ダクトの空気が凝縮器にも給送されることから、凝縮器が比較的低温の 空気によって冷却され、凝縮器内の冷媒の凝縮率が高まる。

【０００９】

【実施例】

図１及び図２は本考案の一実施例を示すもので、図１は工場の作業場に設置さ れた局所冷房型空調機の側面図、図２はその平面概略構成図である。

【００１０】 この空調機は、天井から吊り下げられた空調機本体１と、空調機本体１から延 びる吹出ダクト２及び吸込ダクト３とを備え、吹出ダクト２及び吸込ダクト３は 可撓性を有する蛇腹状の筒等によって形成されている。空調機本体１内には、図 ２に示すように圧縮機４、蒸発器５、凝縮器６及び送風機７等からなる冷凍機器 が収容され、吹出ダクト２及び吸込ダクト３は空調機本体１の対向する二側面に それぞれ連結されている。蒸発器５及び送風機７はそれぞれ吹出ダクト２及び吸 込ダクト３に臨んで配置され、凝縮器６は空調機本体１の一側面に設けた排気口 １ａに臨んで配置されている。また、空調機本体１内には送風機７の風下側を蒸 発器５側と凝縮器６側とに仕切る仕切板８が設けられ、送風機７によって空調機 本体１内に吸入された吸込ダクト３内の空気が仕切板８の両側にそれぞれ分流し 、一方は蒸発器５に冷却されて吹出ダクト２内に流入し、他方は凝縮器６を冷却 して排気口１ａから外部に排出されるようになっている。

【００１１】 この空調機においては、図１に示すように吹出ダクト２の吹出口２ａを空調位 置、即ち作業者Ａに臨んで位置させることにより、空調機本体１で冷却された空 気が吹出ダクト２から作業者Ａに向かって吹出され、作業者Ａの近傍が局所冷房 される。また、吸込ダクト３の吸込口３ａを作業者Ａに臨んで位置させることに より、作業者Ａの近傍の空気が吸込ダクト３に吸入され、空調機本体１内の蒸発 器５及び凝縮器６に給送される。その際、作業者Ａの近傍の空気は周囲に比べて 低温となっているため、蒸発器５を通過した空気の温度が空調機本体１の周囲か ら空気を吸入する場合よりも低くなる。また、凝縮器６にも周囲に比べて低温の 空気が給送されるため、凝縮器６内の冷媒の凝縮率が高まる。

【００１２】 このように、本実施例の局所冷房型空調機によれば、空調機本体１に可撓性の 吸込ダクト３を設けるとともに、吸込ダクト３の吸込口３ａを空調位置に臨んで 位置させることにより、空調位置の近傍の比較的低温の空気を蒸発器５に給送す るようにしたので、蒸発器５を通過した空気の温度が空調機本体１の周囲から空 気を吸入する場合よりも低くなり、周囲の温度が高い場合でも十分な冷房効果を 得ることができる。また、吸込ダクト３の空気を凝縮器６にも給送するようにし たので、凝縮器６内の冷媒の凝縮率が高まり、冷房効果をより向上させることが できる。

【００１３】 尚、前記実施例ではゴルフ練習場等のように周囲の温度が明らかに空調位置よ りも高い場合について説明したが、例えば屋内コンサートホール等のように空調 位置の温度が屋外よりも高くなる場合には、前記吸込ダクト３の吸込口３ａを屋 外に配置するなど、吸込口３ａの位置を適宜移動することが可能である。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したように、請求項１の局所冷房型空調機によれば、周囲の温度が高 い場合でも十分な冷房効果を得ることができるので、真夏期等には特に有利であ る。

【００１５】 また、請求項２の局所冷房型空調機によれば、請求項１の効果を達成し得ると ともに、冷房効果をより向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す局所冷房型空調機の側
面図

【図２】局所冷房型空調機の平面概略構成図

【符号の説明】

１…空調機本体、２…吹出ダクト、２ａ…吹出口、３…
吸込ダクト、３ａ…吸込口、４…圧縮機、５…蒸発器、
６…凝縮器。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 圧縮機、蒸発器及び凝縮器等からなる冷
   凍回路を備えた空調機本体を所定位置に設置するととも
   に、該空調機本体には吹出口を任意の位置に移動し得る
   可撓性の吹出ダクトを設け、蒸発器によって冷却された
   空気を吹出ダクトを介して任意の空調位置に送風するよ
   うにした局所冷房型空調機において、 前記空調機本体に吸込口を任意の位置に移動し得る可撓
   性の吸込ダクトを設けるとともに、該吸込ダクトに吸入
   された空気を前記蒸発器に給送するよう構成したことを
   特徴とする局所冷房型空調機。
2. 【請求項２】 前記吸込ダクトに吸入された空気を前記
   蒸発器及び凝縮器の両者に給送するよう構成したことを
   特徴とする請求項１記載の局所冷房型空調機。