JPH0659724U - 局所冷房型空調機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 周囲の温度が高い場合でも十分な冷房効果を
得ることのできる局所冷房型空調機を提供する。 【構成】 吹出ダクト２の内部と空気吸入口１ｅの一部
とを連通する空気再循環通路９を設けるとともに、蒸発
器７から流出した空気の一部を空気再循環通路９を通し
て蒸発器７の空気流入側に戻し、空気吸入口１ｅから吸
入された空気と混合させることにより、蒸発器７に流入
する空気の温度が低くなり、吹出ダクト２からは十分に
冷却された空気が吹出される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、工場の作業場等で使用されるスポットエアコン等のような局所冷房 型空調機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の局所冷房型空調機においては、圧縮機、蒸発器及び凝縮器等か らなる冷凍回路を備えた空調機本体に可撓性の吹出ダクトを設け、吹出ダクトの 吹出口を任意の位置に向けることにより、所望の位置に集中的に空調空気を送風 できるようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、前記空調機では蒸発器で冷却された空気が吹出ダクトを介して空調 位置に吹出されるようになっているが、蒸発器には空調機本体周辺の空気が空調 機本体の吸込口を介して流入するため、真夏のように周囲の温度が高い場合には 蒸発器で空気の温度を十分に低下させることができず、冷房効果が著しく低下す るという問題点があった。

【０００４】 本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、 周囲の温度が高い場合でも十分な冷房効果を得ることのできる局所冷房型空調機 を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記目的を達成するために、請求項１では、空調機本体の空気吸入口 から吸入した空気を冷凍回路の蒸発器によって冷却し、該空気を空調機本体に設 けた吹出ダクトを介して任意の空調位置に吹出す局所冷房型空調機において、前 記蒸発器から流出した空気の一部を蒸発器の空気流入側に戻す空気再循環通路を 設けている。

【０００６】 また、請求項２では、前記空気再循環通路を開閉するダンパを設けている。

【０００７】

【作用】

請求項１の局所冷房型空調機によれば、蒸発器から流出した温度の低い空気の 一部が空気再循環通路を通って蒸発器の空気流入側に戻され、空気吸入口から吸 入された空気と混合されることから、蒸発器に流入する空気の温度が低くなり、 蒸発器の空気流出側の温度も低下する。

【０００８】 また、請求項２の局所冷房型空調機によれば、請求項１の作用を有するととも に、ダンパを閉じているときは蒸発器から流出した空気の全てが吹出ダクトに流 入し、ダンパを開いているときは空気再循環通路に流入する空気の分だけ吹出ダ クトの風量が少なくなる。また、ダンパを開いているときは蒸発器から流出した 空気の一部が空気再循環通路に流入するため、ダンパを閉じているときよりも温 度の低い空気が吹出ダクトから吹出される。

【０００９】

【実施例】

図１は本考案の一実施例を示すもので、局所冷房型空調機の側面概略構成図で ある。

【００１０】 この空調機は、空調機本体１にキャスタ等を取付けることにより移動自在に構 成され、空調機本体１の上面には蛇腹状の筒等によって形成された可撓性の吹出 ダクト２が取付けられている。

【００１１】 空調機本体１内は上下に分割されるとともに、その上部は横方向略中央に配置 された仕切板３によって更に二つの機械室１ａ，１ｂに区画され、一方の機械室 １ａには凝縮器４、ファン５及びファンモータ６が収容され、他方の機械室１ｂ には蒸発器７及びシロッコファン８が収容されている。ファンモータ６は回転軸 の一端をファン５に連結するとともに、その他端は仕切板３を貫通して機械室１ ａ内のシロッコファン８に連結され、ファンモータ６によって各ファン５，８の 両者が回転するようになっている。機械室１ａの側面には空気吸入口１ｃが設け られ、凝縮器４はこの空気吸入口１ｃに臨んで配置されている。また、機械室１ ａの上面には排気口１ｄが設けられ、ファン５の回転によって空気吸入口１ｃか ら吸入された空気が凝縮器５に給送され、凝縮器４を冷却して排気口１ｄから排 出される。一方、機械室１ｂの側面には空気吸入口１ｅが設けられ、蒸発器７は この空気吸入口１ｅに臨んで配置されている。また、機械室１ｂの上面には吹出 ダクト２が連結され、シロッコファン８の回転によって空気吸入口１ｅから吸入 された空気が蒸発器７に給送され、蒸発器７で冷却されて吹出ダクト２に流入す る。更に、機械室１ｂの外側には吹出ダクト２の内部と空気吸入口１ｅの一部と を連通する空気再循環通路９が設けられ、蒸発器７から流出した空気の一部が蒸 発器７の空気流入側に戻されるようになっている。

【００１２】 空調機本体１の下部は横方向略中央に配置された仕切板１０によって二つの機 械室１ｆ，１ｇに区画され、一方の機械室１ｆには圧縮機１１等が収容され、他 方の機械室１ｇにはドレンタンク１２が収納されている。ドレンタンク１２の上 面開口は、蒸発器７の下方に配置されたドレンパン１３の排水口に臨んでおり、 蒸発器７で発生したドレン水がドレンパン１３を介してドレンタンク１２内に収 容されるようになっている。

【００１３】 この空調機においては、空調機本体１を適当な場所に移動するとともに、吹出 ダクト２の吹出口を任意の位置に向けることにより、空調機本体１で冷却された 空気が吹出ダクト２から空調位置に向かって吹出され、空調位置の近傍が局所冷 房される。その際、蒸発器７から流出した低温空気の一部が空気再循環通路９を 通って蒸発器７の空気流入側に戻り、空気吸入口１ｅから吸入された空気と混合 されることから、蒸発器７に流入する空気の温度が低くなり、蒸発器７の空気流 出側の温度も低下する。

【００１４】 このように、本実施例の局所冷房型空調機によれば、蒸発器７から流出した低 温空気の一部を空気再循環通路９を通して蒸発器７の空気流入側に戻し、空気吸 入口１ｅから吸入された空気と混合させることにより、蒸発器７に流入する空気 の温度を低くするようにしたので、吹出ダクト２からは十分に冷却された空気が 吹出され、周囲の温度が高い場合でも十分な冷房効果を得ることができる。

【００１５】 また、図２は本考案の他の実施例を示すもので、前記空気再循環通路９の空気 流入口を開閉するダンパ１４を設けたものである。

【００１６】 即ち、ダンパ１４を閉じているときは蒸発器７から流出した空気の全てが吹出 ダクト２に流入し、シロッコファン８の送風量に等しい空気が吹出ダクト２から 吹出され、ダンパ１４を開いているときは空気再循環通路９に流入する空気の分 だけ吹出ダクト２の風量が少なくなる。従って、ダンパ１４を開閉することによ り、シロッコファン８の回転数を変えずに吹出ダクト２の風量を変えることがで きる。また、ダンパ１４を開いているときは前記実施例と同様の状態になるので 、ダンパ１４を閉じているときよりも温度の低い空気が吹出ダクト２から吹出さ れる。従って、ダンパ１４を開閉することにより、吹出空気の温度を変えること もできる。更に、ダンパ１４の開度を任意の中間位置にすることにより、吹出ダ クト２の風量及び吹出温度を無段階に変化させることができるし、ダンパ１４を モータ等によって連続的に揺動させることにより、ランダムな風を吹出すことも 可能である。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように、請求項１の局所冷房型空調機によれば、周囲の温度が高 い場合でも十分な冷房効果を得ることができるので、真夏期等には特に有利であ る。

【００１８】 また、請求項２の局所冷房型空調機によれば、請求項１の効果を達成し得ると ともに、ダンパを開閉することにより、吹出ダクトの風量及び吹出空気の温度を 変えることができるので、所望の吹出状態を容易に得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す局所冷房型空調機の側
面概略構成図

【図２】本考案の他の実施例を示す局所冷房型空調機の
側面概略構成図

【符号の説明】

１…空調機本体、１ｅ…空気吸入口、２…吹出ダクト、
７…蒸発器、９…空気再循環通路、１４…ダンパ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 空調機本体の空気吸入口から吸入した空
   気を冷凍回路の蒸発器によって冷却し、該空気を空調機
   本体に設けた吹出ダクトを介して任意の空調位置に吹出
   す局所冷房型空調機において、 前記蒸発器から流出した空気の一部を蒸発器の空気流入
   側に戻す空気再循環通路を設けたことを特徴とする局所
   冷房型空調機。
2. 【請求項２】 前記空気再循環通路を開閉するダンパを
   設けたことを特徴とする請求項１記載の局所冷房型空調
   機。