JPH06329424A - 合成石英ガラスの製造方法 - Google Patents
合成石英ガラスの製造方法Info
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Abstract
時に粉飛び現象が生じない合成石英ガラスの製造方法を
提供することを目的とする。 【構成】 合成結晶質シリカを溶融して合成石英ガラス
を製造するに際し、結晶化率が10パーセント以上、7
0パーセント以下に調整されたシリカ粉を原料として、
溶融過程の熱処理で減圧下において非晶質部分を結晶化
した後に溶融することによる合成石英ガラスの製造方法
である。
Description
純物拡散工程などにおいて使用される熱処理部材として
使用される高耐熱性、高純度合成石英ガラスの製造方法
に関するものである。
ス拡散プロセスチューブ、ウエハーバスケット、ウエハ
ーボート等には、天然水晶を粉砕、精製したものを原料
とした石英ガラス材が使われてきたが、半導体の集積度
の向上につれ、より高純度の合成シリカ原料の使用が検
討されている。
シリカは一般的に水酸基を100ppm程度以上含んで
おり、これを溶融して得られる石英ガラスは充分な高温
粘性が得れないという問題点がある。真空溶融による脱
水酸基も可能であるが、原料が非晶質であるためシリカ
のネットワーク構造が結晶質シリカと比べて弱く、天然
水晶を原料とする石英ガラスと比べ高温粘性がかなり低
く高温用石英ガラス部材としては不適である。
クリストバライト結晶質の合成シリカを原料として、こ
れを溶融して合成石英ガラスを得る方法も検討されてい
るが、天然水晶を原料としたものに比べて高温粘性がや
や劣るという問題点がある。また、合成シリカをクリス
トバライト結晶質とするためには、高温での長時間の結
晶化焼成を必要とするため、コストが高いという問題が
ある。また、クリストバライトには低温型と高温型の変
態点が250℃付近にあり、変態点における急激な体積
変化のため、昇温時に粉飛び現象が問題となる。
まず高温粘性に優れ、しかも製造時に粉飛び現象が生じ
ない合成石英ガラスの製造方法を提供することにある。
ライトへの結晶化率が10パーセントから70パーセン
トの合成シリカを加熱溶融すると、クリストバライトの
結晶変態温度である250℃で粉飛びが発生せず、しか
も溶融温度までの昇温過程で非晶質部分が結晶化される
際に減圧下で脱水、脱ガスを行うことから、シリカ中の
水酸基が完全に除去され、高温粘性に非常に優れた合成
石英ガラスを製造し得ることを見いだした。
溶融して合成石英ガラスを製造するに際し、結晶化率が
10パーセント以上、70パーセント以下に調整された
シリカ粉を原料として、溶融過程の熱処理で減圧下にお
いて非晶質部分を結晶化した後に溶融することによる合
成石英ガラスの製造方法である。この方法によれば、あ
らかじめ常圧焼成で70パーセント以上結晶化されたシ
リカ粉を減圧化で溶融して無水石英ガラスとした場合よ
り、結晶化率が70パーセント以下のシリカ粉を石英ガ
ラス溶融用真空炉で減圧下で結晶化脱水、脱ガス、溶融
して無水石英ガラスとした方がより高い高温粘度が得ら
れる。また、クリストバライト粉体の製造においては、
結晶化率が10パーセントから70パーセントの範囲で
あるため、70パーセント以上とするより結晶化のため
の焼成コストが安いという利点もある。以下に本発明に
よる合成石英ガラスの製造方法について具体的に説明す
る。
好適な具体例を示す。まず、微粉砕された合成クリスト
バライト粉、アルコキシシラン、水、アルコールを混合
し、アルコキシシランの加水分解、ゲル化、乾燥を行う
ことにより、クリストバライト微粒子を多数内包するシ
リカゲルを得る。これをメノウ製の粉砕機で目的粒径ま
で粉砕した後、焼成することにより結晶化が進みクリス
トバライト粉が得られる。焼成の際、その温度、時間、
等の条件を調整することで結晶化率を調整することがで
きる。このようにして得られた、結晶化率が調整された
クリストバライト粉を黒鉛容器に充填し高周波誘導加熱
炉、もしくは抵抗加熱炉で減圧下で加熱する。その際、
溶融温度まで昇温される過程で結晶化が進行し脱水、脱
ガスが起こる。結晶化の際の脱水、脱ガスは常圧下で起
こるより、減圧下で起こる方がより完全に反応が進む。
完全に脱水、脱ガスを終了した結晶質シリカ粉を、さら
に高温で溶融し、その後冷却して石英ガラスを得る。
気泡が少なく、天然水晶を原料として製造された無水石
英ガラス並の高い高温粘度を有するという高温部材とし
て望まれる特性と合成品であるために高純度という特性
を合わせ持つものである。
細に説明する。 実施例1 メノウ製ボールミルで平均粒径2.5μmに粉砕したク
リストバライト1重量部、テトラメトキシシラン250
重量部、水250重量部、及びメタノール50重量部を
混合し加水分解、ゲル化反応を行わせた後、200℃減
圧下で充分乾燥させて、2.5μmクリストバライト結
晶核を内包するシリカゲルを得た。これを更にメノウ製
ロールミルを用い平均粒径100μmに粉砕した。次に
このシリカゲルを1200℃で10時間焼成することに
より、結晶化率50%のクリストバライト粉を得た。こ
うして得られた結晶化率50%のクリストバライト粉を
黒鉛坩堝に充填し、減圧下で1分間に5℃の速度で18
00℃迄昇温し、そのまま20分保持した後冷却した。
冷却後に得られた石英ガラスは気泡が少ないクリーンな
ガラスであり、IRでOH基濃度を測定したが、検出さ
れなかった。1300℃での粘度を測定したところ、対
数粘度で11.9ポイズであり、天然品の無水石英ガラ
スと同等であった。
結晶核を内包する平均粒径100μmのシリカゲルを得
た。これを1200℃で20時間焼成することにより結
晶化率90%のクリストバライト粉を得た。こうして得
られた結晶化率90%のクリストバライト粉を黒鉛坩堝
に充填し、減圧下で1分間に5℃の速度で1800℃迄
昇温し、そのまま20分保持した後冷却した。冷却後に
得られた石英ガラスは少々気泡を含むガラスであり、I
RでOH基濃度を測定したが検出されなかった。また、
昇温過程での粉飛びのため、黒鉛坩堝から粉の吹きこぼ
れが起こった。1300℃での粘度を測定したところ、
対数粘度で11.7ポイズであり、天然品の無水石英ガ
ラスよりやや低い値であった。
せず、他の操作は実施例1と同様にして2.5μmクリ
ストバライト結晶核を内包しない平均粒径100μmの
シリカゲルを得た。これを1200℃で10時間乾燥ガ
スを坩堝内に吹き込みながら焼成して、OH基量100
ppmの非晶質シリカ粉とした。こうして得られた微粒
クリストバライト結晶核を含まない非晶質シリカを黒鉛
坩堝に充填し減圧下で1分間に5℃の速度で1800℃
迄昇温し、そのまま20分間保持した後冷却した。冷却
後に得られた。石英ガラスは気泡が少ないクリーンなガ
ラスであり、IRでOH基を測定したところ10ppm
含まれていた。1300℃での粘度を測定したところ、
対数粘度で11.5ポイズであり、天然品の無水石英ガ
ラスよりかなり低い値であった。
晶を原料として製造された無水石英ガラス並の高い高温
粘度を有する高純度合成石英ガラスを製造することが可
能であり、高耐熱性、高純度石英ガラスは半導体製造プ
ロセスに用いられる石英ガラスチューブ、ウエハーバス
ケット、ウエハーボート等に最適の素材を得ることがで
きる。
Claims (2)
- 【請求項1】 合成結晶質シリカを溶融して合成石英ガ
ラスを製造するに際し、結晶化率が10パーセント以
上、70パーセント以下に調整されたシリカ粉を原料と
して、溶融過程の熱処理で減圧下において非晶質部分を
結晶化した後に溶融することによる合成石英ガラスの製
造方法。 - 【請求項2】 請求項1の結晶化率10パーセント以
上、70パーセント以下に調整されたシリカ粉として、
結晶質シリカ種微粒子をシリカゲルに内包する粒子を1
100℃以上の温度で焼成することにより結晶化率を調
製したものを用いることを特徴とする請求項1記載の合
成石英ガラスの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14537993A JP3526591B2 (ja) | 1993-05-26 | 1993-05-26 | 合成石英ガラスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14537993A JP3526591B2 (ja) | 1993-05-26 | 1993-05-26 | 合成石英ガラスの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06329424A true JPH06329424A (ja) | 1994-11-29 |
JP3526591B2 JP3526591B2 (ja) | 2004-05-17 |
Family
ID=15383883
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14537993A Expired - Fee Related JP3526591B2 (ja) | 1993-05-26 | 1993-05-26 | 合成石英ガラスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3526591B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11209132A (ja) * | 1998-01-23 | 1999-08-03 | Tosoh Corp | 高純度透明シリカガラスの製造方法 |
-
1993
- 1993-05-26 JP JP14537993A patent/JP3526591B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH11209132A (ja) * | 1998-01-23 | 1999-08-03 | Tosoh Corp | 高純度透明シリカガラスの製造方法 |
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---|---|
JP3526591B2 (ja) | 2004-05-17 |
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