JP2839725B2 - 高純度結晶質シリカの製造方法 - Google Patents

高純度結晶質シリカの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高純度でシラノール基
含有量の少ない合成結晶質シリカの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融法による石英ガラスの原料として
は、従来より天然の水晶が用いられてきたが、近年にな
ってこの石英ガラスが電子部品等の材料として使用され
るようになり、より高純度の石英ガラスを得る必要か
ら、その原料として高純度の合成シリカの使用が検討さ
れている(特開昭51−77,612号公報、特開昭6
1−186,232号公報等)。
【0003】しかしながら、一般的に、合成的に製造さ
れたシリカは、その製造条件により数Åから数十Å程度
の細孔径を有し、加熱により脱水が始まり、更に1,1
00℃から1,300℃で数時間焼成すると封孔し、こ
の封孔するまでの焼成過程で吸着水や凝縮水が脱離し、
また、シラノール基の縮合反応等により脱水が起こる。
しかしながら、シリカ内部に孤立したシラノール基は、
この焼成過程で縮合反応を起こすことができず、水分と
して内部に残留したまま封孔されてしまう。そして、こ
のようにシラノール基が残留したままのシリカを石英ガ
ラスの原料として使用すると、優れた耐熱性を有する石
英ガラスが得られないという問題が生じる。
【0004】そこで、このシラノール基を除去する方法
として、シリカゲルをハロゲン系の脱OH基剤とキャリ
ヤーガスとの混合ガス気流中で焼成し、シラノール基を
ハロゲン原子に置換する反応を利用して除去する方法が
知られている(特開昭61−186,232号公報)
が、この方法においても、シラノー基に代わってハロゲ
ン基が残留することになり、石英ガラスにした時に残留
ハロゲンに起因する耐熱性の低下や腐食性等の問題が生
じる。
【0005】高純度の合成非晶質シリカ粉末を結晶化さ
せることによりシラノール基を除去することも考えられ
るが、全ての金属不純物含有量が1ppm以下の高純度
非晶質シリカは不純物欠陥が少なく結晶核発生が起こり
にくい為、高温焼成を行っても結晶化が起こる以前にシ
リカ粉末の焼結が生じてしまい、粉末状態を維持するこ
とができない。また、低温で結晶化する手段として結晶
化促進剤、例えばアルカリ金属炭酸塩を添加して焼成す
る方法もあるが、当然のことながら不純物を添加するこ
とになり、目的の高純度が維持できない。また、水熱合
成により合成水晶を得る方法もよく知られているが、こ
の方法は本目的には経済的に高価過ぎる手段である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、これら従来技術が有する問題を解決し、高純度の合
成無水シリカを効率よく安定的に製造することができる
方法を開発すべく鋭意研究を行った結果、非晶質合成シ
リカあるいは合成シリカゲル中に結晶核となる結晶微粉
末シリカを0.1重量%以上添加混合して好ましくは
1,200℃以上の温度で焼成するか、又は、シリコン
アルコキシドを加水分解ゲル化する際に予め結晶核とな
る結晶微粉末シリカを0.1重量%以上添加しておき、
得られたシリカゲルを乾燥し、次いで好ましくは1,1
00℃以上の温度で焼成することにより、高純度を維持
したままシリカ中に存在するシラノール基を結晶構造か
ら除去できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】従って、本発明の目的は、高純度溶融石英
ガラスの製造原料として好適な高純度でシラノール基含
有量の少ない合成結晶質シリカ及びその製造方法を提供
することにある。なお、本発明において、シリカ中のシ
ラノール基はシリカ中に含まれる水分と見なされる。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、合
成非晶質シリカ粉末あるいは合成シリカゲル粉末中に、
結晶核となる結晶微粉末シリカを0.1重量%以上添加
して焼成する高純度結晶質シリカの製造方法であり、ま
た、シリコンアルコキシドを加水分解ゲル化する際に結
晶核となる結晶微粉末シリカを予め0.1重量%以上添
加し、得られたシリカゲル粉末を乾燥後焼成する高純度
結晶質シリカの製造方法である。以下、本発明の合成結
晶質シリカの製造方法について具体的に説明する。
【0009】本発明において使用できる結晶核となる結
晶微粉末シリカとしては、天然品又は合成品の水晶、ク
リストバライト、トリジマイト等がある。結晶核の純度
が悪い場合には、結晶核を高純度合成非晶質シリカに添
加後焼成して高純度の合成結晶質シリカを製造する操作
を数回繰り返すことにより、目的の物を得ることができ
る。
【0010】本発明において、結晶核となる結晶微粉末
シリカの使用量は、合成非晶質シリカに対して0.1重
量%以上、より好ましくは0.5重量%以上である。結
晶核となる結晶質微粉末シリカの使用量が0.1重量%
に満たない場合は、非晶質シリカ又はシリカゲルの結晶
化が実質的に充分に進まず水分含有量の少ないシリカを
得ることができない。結晶核となる結晶微粉末シリカの
添加量が多くなるにともない実質的により低温で、より
短時間で完全に結晶質の高純度無水シリカを得ることが
できる傾向がある。
【0011】本発明において使用できる高純度非晶質シ
リカやシリカゲルは、シリコンアルコキシド又は四塩化
珪素を加水分解して得られるシリカ、珪酸ナトリウム法
による天然原料を精製して得られるシリカ等、高純度の
シリカやシリカゲルであれば任意のものを使用できる。
【0012】本発明の結晶化による無水シリカの製造
は、結晶核となる結晶微粉末シリカを高純度非晶質シリ
カ、あるいは、シリカゲルに0.1重量%以上添加混合
して好ましくは1,200℃以上の温度で焼成するか、
又は、シリコンアルコキシドを加水分解ゲル化する際に
予め結晶核となる結晶微粉末シリカを0.1重量%以上
添加しておき、得られたシリカゲルを乾燥し、次いで好
ましくは1,100℃以上の温度で焼成することにより
行うことができる。焼成温度が低すぎると結晶化速度が
遅くなり、実質的に完全に結晶化させることが困難であ
る。
【0013】具体的な製造方法としては、例えば、シリ
コンアルコキシドを原料として得られた高純度の非晶質
シリカ粉末100重量部に、天然の高純度水晶を平均粒
径数μm程度に粉砕した物を1重量部添加、混合し、大
気中、マッフル炉で1,300℃10時間焼成する方
法、また、テトラメチルオルソシリケート253重量部
に、水140重量部、メタノール53重量部、天然の高
純度水晶を平均粒径数μm程度に粉砕した物を1重量部
添加攪拌しゲル化した後乾燥及び、大気中、マッフル炉
で1,200℃10時間焼成する方法がある。このとき
のシリコンアルコキシドの加水分解、ゲル化反応は一般
に知られている方法(アグネ承風社発行「ゾル−ゲル法
の科学」第8〜13頁等)で行うことができる。また、
結晶核となる結晶質微粉末シリカの粒度は、より細かい
方が少量の添加でも結晶化させる効果が大きくなり、よ
り低温で結晶質の高純度合成無水シリカを得ることがで
きる。
【0014】この様にして得られた合成結晶シリカは、
溶融石英ガラス原料として用いる場合、高純度、低水分
含有と言う特徴を有するのみならず、他の方法で得られ
た同じ高純度、低水分含有の非晶質シリカと比べた場
合、非晶質のものでは溶融温度範囲が広いのに対し、結
晶質のものでは一定の融点を持つので溶融温度範囲が狭
く、瞬時に全体が溶融する。従って溶融時にガラス中に
泡となって残存する気泡の生成が少ないと言う特徴も有
する。
【0015】
【実施例】以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説
明する。
【0016】実施例1 高純度合成シリカに鉱化剤を添加し1,200℃で5時
間焼成してクリストバライト化した後、メノウ製の遊星
ボールミルで平均粒径2μmに粉砕してこれを結晶核と
した。次に、水分含有量が10%程度の高純度の合成非
晶質シリカを1,100℃で10時間焼成してOH基量
が760ppmの非晶質シリカを得た。
【0017】この非晶質シリカに対して結晶核を0.5
重量%添加し、1,300℃で10時間焼成して水分含
有量の少ない結晶質シリカを得た。得られた結晶質シリ
カを次の結晶核として上記の操作を2回繰返し高純度で
水分含有量の少ない結晶質シリカ(クリストバライト)
を得た。
【0018】得られたクリストバライトのOH基量を表
1に、また、純度の分析結果を表2にそれぞれ示す。な
お、OH基量の濃度は、石英チューブ内で吸着水を20
0℃減圧下で30分かけて脱着した後、真空状態でバー
ナー加熱を行いメルトし、冷却後試験片を切り出してF
T−IRで透過率を測定し、Lambert-Beerの法則から求
めた。
【0019】実施例2 シリコンアルコキシドを加水分解して水分含有量10%
程度の高純度合成シリカゲルを合成し、これを1,10
0℃で10時間焼成してOH基量が760ppmの非晶
質シリカを得た。
【0020】この非晶質シリカに対して実施例1で得た
結晶核を0.5重量%添加し、1,300℃で10時間
焼成して水分含有量の少ない結晶質シリカを得た。得ら
れた結晶質シリカを次の結晶核として上記の操作を2回
繰り返し高純度で水分含有量の少ない結晶質シリカ(ク
リストバライト)を得た。得られたクリストバライトの
OH基量を表1に、また、純度の分析結果を表2にそれ
ぞれ示す。
【0021】実施例3 テトラメチルオルソシリケート253重量部に、水24
0重量部、メタノール53重量部、実施例1で得られた
結晶核を0.5重量部添加攪拌しゲル化した後乾燥し
て、得られたシリカゲルを1,200℃で10時間焼成
して水分含有量の少ない結晶質シリカを得た。得られた
結晶質シリカを次の結晶核として上記の操作を2回繰り
返し高純度で水分含有量の少ない結晶質シリカ(クリス
トバライト)を得た。得られたクリストバライトのOH
基量を表1に、また、純度の分析結果を表2にそれぞれ
示す。
【0022】比較例1 結晶核を高純度非晶質シリカに添加した後の焼成を1,
100℃で行った以外は実施例1と同じ操作を行った。
得られた非晶質とクリストバライトの混合体のOH基量
を表3に示す。
【0023】比較例2 シリカゲルの焼成を1,000℃で行った以外は実施例
3と同じ操作を行った。得られた非晶質とクリストバラ
イトの混合体のOH基量を表3に示す。
【0024】比較例3 結晶核を添加していない高純度の合成非晶質シリカを
1,500℃で10時間焼成したところ、シリカは焼結
してしまった。得られた非晶質とクリストバライトの混
合体のOH基量を表3に示す。
【0025】比較例4 結晶核を添加しなかったこと以外は、実施例3と同様に
して得られたシリカゲルを1,300℃で10時間焼成
した。得られた非晶質シリカのOH基量を表3に示す。
【表1】
【表2】
【表3】
【発明の効果】本発明方法によれば、高純度でシラノー
ル基含有量の少ない合成結晶質シリカ粉末を効率よく安
定的に製造することができる。このような合成結晶質シ
リカ粉末は、高純度溶融石英ガラスの原料として特に有
用である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンアルコキシドを加水分解ゲル化
    する際に結晶核となる結晶微粉末シリカを予め0.1重
    量%以上添加し、得られたシリカゲル粉末を乾燥後焼成
    することを特徴とする高純度結晶質シリカの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法によって得られる結
    晶質シリカが、全ての金属不純物元素の含有量が1pp
    m以下で、かつシラノール基含有量が50ppm以下で
    ある製造方法。
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