JPH06328612A - ガスバリアフィルム - Google Patents

ガスバリアフィルム

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JPH06328612A
JPH06328612A JP5118617A JP11861793A JPH06328612A JP H06328612 A JPH06328612 A JP H06328612A JP 5118617 A JP5118617 A JP 5118617A JP 11861793 A JP11861793 A JP 11861793A JP H06328612 A JPH06328612 A JP H06328612A
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修成 松田
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芳治 森原
Seiji Izeki
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Toru Kotani
徹 小谷
Hiromi Goto
ひろみ 後藤
Noriko Takahashi
則子 高橋
Yozo Yamada
陽三 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 包装フィルムにおいて、屈曲性、ガスバリア
性に優れた酸化アルミニウム酸化硅素系ガスバリアフィ
ルムを提供することにある。 【構成】プラスチックフィルムの少なくとも片面に、酸
化アルミニウム酸化硅素系薄膜が形成されたガスバリア
フィルムにおいて、該薄膜の赤外吸収スペクトルのう
ち、1060cm-1付近のピーク強度P1 と1170c
-1付近のピーク強度P2 との比P2 /P1 が薄膜内の
酸化アルミニウム組成比率との関係をP2 /P1 =B−
0.00195W(W:薄膜中の酸化アルミニウムの重
量%、B:酸化アルミニウムを含まない薄膜のピーク強
度比)という関係式で表される時、B≦0.77、P2
/P1 ≧0であらわされる範囲内とすることによって、
ガスバリア性に優れ、また屈曲性をはじめとする機械特
性の高い総合的に実用特性のすぐれた酸化アルミニウム
酸化珪素系ガスバリアフィルムを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品、電子部品、医薬
品などの包装用フィルムに関するものであり、さらに詳
しくはガスバリア性、耐透湿性、耐芳香性などの諸特性
が改良され、またゲルボ特性をはじめとする機械特性に
優れた包装用フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガスバリア性のすぐれたフィルムとして
は、プラスチックフィルム上にアルミニウムを積層した
もの、塩化ビニリデンやエチレンビニールアルコール共
重合体をコーティングしたものが知られている。また、
無機薄膜を利用したものとしては、酸化珪素、酸化アル
ミニウム薄膜等を積層したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のガス
バリア性フィルムは、次のような課題を有していた。ア
ルミニウム積層品は、経済性、ガスバリア性の優れたも
のではあるが、不透明なため、包装時の内容物が見え
ず、また、マイクロ波を透過しないため電子レンジの使
用ができない等の不便さがある。塩化ビニリデンやエチ
レンビニールアルコール共重合体をコーティングしたも
のは、水蒸気、酸素等のガスバリア性が十分でなく、特
に高温処理においてその低下が著しい。また、塩化ビニ
リデン系については、焼却時の塩素ガスの発生等があ
り、地球環境への影響も懸念されている。一方、内容物
が見え、電子レンジの使用が可能なガスバリアフィルム
として、特公昭51−48511号に、合成樹脂体表面
にSix y (例えばSiO2 )を蒸着したガスバリア
フィルムが提案されているが、ガスバリア性の良好なS
iOx 系(x=1.3〜1.8)は、やや褐色を有して
おり、透明ガスバリアフィルムとしては、不十分なもの
である。
【0004】酸化アルミニウムを主体としたものとして
(特開昭62−101428)に見られるようなものも
あるが、酸素バリア性が不十分であり、機械特性が余り
高くないという問題がある。又、Al2 3 ・SiO2
系の例としては、(特開平2−194944)に提案さ
れているものがあるが、これはAl2 3 とSiO2
積層したものであり、製造装置が大がかりなものとなっ
てしまう。また、これらのガスバリアフィルムについて
も、その初期ガスバリア特性は、優れているものの取扱
いに注意を要するものであり、すなわち、ラミネ−トや
印刷等の後工程やラミネ−ト前の取扱いによるガスバリ
ア性の劣化が大きいことが問題になっている。このよう
に、充分な酸素バリア性と水蒸気バリア性を兼ね備え、
かつ、後工程や取扱い等による機械的変形に対するバリ
ア特性の劣化の少ない透明ガスバリアフィルムはないの
が現状である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガスバリア
性、かつ、耐屈曲性をはじめとする機械特性の優れたガ
スバリアフィルムを提供せんとするものである。すなわ
ち、本発明は、プラスチックフィルムの少なくとも片面
に、酸化アルミニウム酸化硅素薄膜を主たる成分とする
薄膜が形成されたガスバリアフィルムであって、該薄膜
の赤外吸収スペクトルにおける1060cm-1付近のピー
ク強度P1 と1170cm-1付近のピーク強度P2 の比P
2 /P1 が下式を満足することを特徴とするガスバリア
フィルム。 P2 /P1 =B−0.00195W 但し、P1 :薄膜の赤外吸収スペクトルの1060cm-1
付近のピーク強度 P2 :薄膜の赤外吸収スペクトルの1170cm-1付近の
ピーク強度 W :薄膜中の酸化アルミニウムの重量% B :酸化アルミニウムを含まない薄膜のピーク強度比 B≦0.77 P2 /P1 ≧0 また、薄膜層上に、さらにヒ−ト層が設けられている請
求項1記載のガスバリアフィルムであり、また、請求項
1または請求項2記載のガスバリアフィルムを用いた包
装用あるいはガス遮断性フィルムである。
【0006】本発明でいうプラスチックフィルムとは、
有機高分子を溶融押出しをして、必要に応じ、長手方
向、および、または、幅方向に延伸、冷却、熱固定を施
したフィルムであり、有機高分子としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタート、ポリ
エチレン−2、6−ナフタレート、ナイロン6、ナイロ
ン4、ナイロン66、ナイロン12、ポリ塩化ビニー
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニールアルコール、全
芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポ
リエーテルイミド、ポリスルフォン、ポリッフェニレン
スルフィド、ポリフェニレンオキサイドなどがあげられ
る。また、これらの(有機重合体)有機高分子は他の有
機重合体を少量共重合をしたり、ブレンドしたりしても
よい。
【0007】さらにこの有機高分子には、公知の添加
剤、例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑
剤、着色剤などが添加されていてもよく、その透明度は
特に限定するものではないが、透明ガスバリアフィルム
として使用する場合には、50%以上の透過率をもつも
のが好ましい。本発明のプラスチックフィルムは、本発
明の目的を損なわない限りにおいて、薄膜層を積層する
に先行して、該フィルムをコロナ放電処理、グロー放電
処理、その他の表面粗面化処理を施してもよく、また、
公知のアンカーコート処理、印刷、装飾が施されていて
もよい。本発明のプラスチックフィルムは、その厚さと
して5〜500μmの範囲が好ましく、さらに好ましく
は8〜300μmの範囲である。本発明品は、そのまま
で使用されてもよいが、他の有機高分子のフィルム、ま
たは薄層をラミネートまたはコーティングして使用して
もよい。
【0008】酸化アルミニウム酸化硅素薄膜は酸化アル
ミニウムと酸化硅素の混合物、あるいは化合物等とから
成り立っていると考えられる。ここでいう酸化アルミニ
ウムとは、Al,AlO,Al2 3 等の各種アルミニ
ウム酸化物の混合物から成り立ち、酸化アルミニウム内
での各々の含有率等は作成条件で異なる。酸化珪素と
は、Si,SiO,SiO2 等から成り立っていると考
えられ、これらの比率も作成条件で異なる。本発明にお
ける該薄膜の酸化アルミニウムの比率としては、特に規
定しないが、好ましくは1重量%以上、80重量%以
下、更に好ましくは3〜75重量%であり、より好まし
くは6〜65重量%である。また、この成分中に、特性
が損なわれない範囲で微量(全成分に対して高々2%ま
で)の他成分を含んでもよい。該薄膜の厚さとしては、
特にこれを限定するものではないが、ガスバリア性及び
可尭性の点からは、50〜8000Åが好ましく、更に
好ましくは、70〜5000Åである。また、該薄膜の
結晶性についても、特性を損なわない限り、特に問わな
いが、非晶質状態である方がより望ましい。かかる酸化
アルミニウム・酸化硅素系薄膜の作成には、真空蒸着
法、スパッタ−法、イオンプレ−テイングなどのPVD
法(物理蒸着法)、あるいは、CVD法(化学蒸着法)
などが適宜用いられる。例えば、真空蒸着法において
は、蒸着源材料としてAl2 3 とSiO2 やAlとS
iO2 の混合物等が用いられ、また、加熱方式として
は、抵抗加熱、高周波誘導加熱、電子ビ−ム加熱等を用
いることができる。また、反応性ガスとして、酸素、窒
素、水蒸気等を導入したり、オゾン添加、イオンアシス
ト等の手段を用いた反応性蒸着を用いてもよい。また、
基板に直流電圧、交流電圧、高周波電圧を印加したり、
基板温度を上昇、あるいは、冷却したり等、本発明の目
的を損なわない限りに於て、作成条件を変更してもよ
い。例えば、該薄膜の赤外吸収スペクトルのピーク強度
比P2 /P1 を高くするには、基板温度を高くしたり、
基板印加高周波電圧を高くしたり、電子ビームのパワー
を大きくすること等が有効である。スパッタ−法やCV
D法等のほかの作成法でも同様である。
【0009】本発明における赤外吸収スペクトルとは、
400〜4000cm-1の赤外線に対する吸光度をい
い、赤外分光光度計によって測定することができる。測
定方法には、透過法、反射法、全反射法(ATR法)、
光音響分光法(PAS法)等があり、特に限定されない
が好ましくは反射法、ATR法である。また、薄膜層の
みの赤外吸収スペクトルを得るために、薄膜が形成され
ているフィルムと薄膜が形成されていない基材のみのも
のとの差スペクトルをとることによってスペクトルの観
測がより正確にできる。赤外吸収スペクトルから、原子
間の化学的結合状態を知ることができ、ここでは、ケイ
素、アルミニウル、酸素の結合状態を観察できる。10
60cm-1付近のピークはSi−O−Siの非対称伸縮
運動による吸収である。それに対し、1170cm-1
近のピークは、SiO2 網目構造の不均一性もしくは、
構造の歪み度合を示していると考えれる。また、117
0cm-1付近の吸収ピークは、酸化アルミニウムの比率
により、1190〜1150cm-1の範囲でシフトする
が、これはSi−O−Al結合の増加によるものと考え
られる。
【0010】このようにして得られた該薄膜の赤外吸収
スペクトルのうち、1060cm-1付近のピーク強度P
1 と1170cm-1付近のピーク強度P2 との比P2
1が、薄膜中の酸化アルミニウムの質量%との関係
を、P2 /P1 =B−aW(W:薄膜中の酸化アルミニ
ウムの質量%、B:酸化アルミニウムを含まない薄膜の
ピーク強度比)という式で示すときBの値が0.77よ
りも大きい領域のときには、薄膜中の歪が大きく、十分
なガスバリア性が得られない。ただし、B値が0.35
よりも小さい領域のときには、歪による構造緩和が少な
くなるため、ゲルボ特性をはじめとする機械特性が幾分
劣る傾向があるが、実用上問題になるレベルではない。
以上の理由により、ガスバリアフィルムとして好ましい
酸化アルミニウム、酸化硅素薄膜赤外吸収スペクトルの
うち1060cm-1付近のピーク強度P1 と1170c
-1付近のピーク強度P2 の比P2 /P1 は、薄膜内の
酸化アルミニウム組成比率との関係を P2 /P1 =B−0.00195W W:薄膜中の酸化アルミニウムの質量% B:酸化アルミニウムを含まない薄膜のピーク強度比 P2 /P1 ≧0 という関係式であらわす時、B値で0.77以下であ
り、より好ましくは、0.20〜0.77であり、更に
好ましくは0.35〜0.75である。本発明のガスバ
リアフィルムは、ゲルボ特性をはじめとする機械特性が
優れているため、ラミネート工程、印刷工程、製造工程
での劣下が少なく、袋化したのちも、その取り扱いに対
して必要以上に注意を要しない。本発明のガスバリアフ
ィルムの使用状態としては、袋、フタ材、カップ、チュ
ーブ、スタンディングバック、トレイ等があり、内容物
としては、スナック、せんべい、ふりかけ等の乾燥食品
類、漬物、醤油、マヨネーズ等の水物食品類、野菜、
魚、肉等の冷凍品類、カレー、ミートソース等のレトル
ト食品類、IC、LSI等の電子部品類、輸液バック等
の医薬品類であり、また、これらに制限されるものでは
ない。 次に実施例をあげて本発明を説明する。
【0011】(実施例1)蒸着源として、3〜5mm程
度の大きさの粒子状のAl23(純度99.9%)とS
iO2(純度99.9%)を用い、電子ビ−ム蒸着法
で、12μm厚のPETフィルム(東洋紡績(株):E
5007)上に酸化アルミニウムを含む酸化珪素ガスバ
リア薄膜の形成を行った。蒸着材料は、混合せずに、2
つの水冷ハースに別々に入れ、加熱源として一台の電子
銃(以下EB銃)を用い、Al2 3とSiO2 のそれ
ぞれを時分割で加熱した。その時のEB銃のエミッショ
ン電流は3.0Aとし、Al2 3 とSiO2 への加熱
比を10:10〜80:10と変え、組成を変化させ
た。更に、チルロ−ルに−200Vの直流電圧を印加し
た。チルロールの温度は+10℃とした。膜厚は600
Åで一定とした。((表1)実施例1−1〜5) このようにして得られた膜の赤外吸収スペクトルを赤外
分光光度計で測定した。更に、このPET上の複合膜に
対し、また、厚さ40μmの未延伸ポリプロピレンフィ
ルム(OPPフィルム)を二液硬化型ポリウレタン系接
着剤(厚さ3μm)を用いて、ドライラミネ−トして、
本発明応用の包装用プラスチックフィルムを得た。この
包装用フィルムに対して、レトルト処理(120度x3
0分)、または、ゲルボ処理を施したのち、酸素バリア
性を測定した。
【0012】次に測定方法及び処理方法を示す。 ・酸素透過率の測定方法 作成したガスバリアフィルムの酸素透過率を酸素透過率
測定装置(モダンコントロールズ社製 OX−TRAN
100)を用いて測定した。 ・水蒸気透過率の測定方法 作成したガスバリアフィルムの水蒸気透過率を水蒸気透
過度テスタ−(リッシ−社製 L80−4000型)を
用いて測定した。 ・赤外吸収スペクトルの測定方法 赤外分光光度計(バイオラッド社製 FTS−80)を
用いて、ATR法により400〜4000cm-1の赤外
吸収スペクトルを測定した。また、できるだけ表層部の
測定を行うために、試料への赤外光の侵入長が比較的短
いゲルマニウムを高屈折材料として用いた。この時入射
角は45°とした。
【0013】 ・耐屈曲疲労性(以下ゲルボ特性)のテスト方法 耐屈曲疲労性は、いわゆるゲルボフレックステスター
(理学工業(株)社製)を用いて評価した。条件として
は(MIL−B131H)で11.2inch×8in
chの試料片を直径3(1/2)inchの円筒状と
し、両端を保持し、初期把持間隔7inchとし、スト
ロークの3(1/2)inchで、400度のひねりを
加えるものでこの動作の繰り返し往復運動を40回/m
inの速さで、20℃、相対湿度65%の条件下で行っ
た。このようにして測定した酸素透過率は、1cc程度
と非常に優秀であった。レトルト、ゲルボテスト後の結
果も、1cc前後の上昇に留まり、総合特性の優れたガ
スバリアフィルムが得られた。 (比較例1)EB蒸着法でSiO材料を蒸着して作成し
た酸化珪素系ガスバリアフィルムを実施例1と同様にし
て、包装用フィルムを作り、酸素バリア性を測定した。
同時にPETフィルム基材も測定した。(比較例1−1
〜5)酸化珪素系ガスバリアフィルムは、ガスバリア性
は優れているものの褐色を呈しており、無色透明ではな
かった。
【0014】(実施例2)蒸着源として、3〜5mm程
度の大きさの粒子状のAl2 3 (純度99.9%)と
SiO2 (純度99.9%)を用い、電子ビ−ム蒸着法
で、12μm厚のPETフィルム(東洋紡績(株):E
5007)上に酸化アルミニウムを含む酸化珪素ガスバ
リア薄膜の形成を行った。蒸着材料は、混合せずに、加
熱源として各々に一台のEB銃を用い、加熱した。エミ
ッション電流はそれぞれ0.2〜3.5Aとし、加熱パ
ワー比を1:1〜10:1と変えた。更に、チルロ−ル
に200Vの交流電圧を印加し、チルロール温度は+5
〜+50℃とした。フィルム送り速度を60〜210m
/minと変化させ、150〜2000Å厚の膜を作っ
た((表2)実施例2−1〜4、(図1))。得られた
膜の赤外吸収スペクトルのピーク強度比とバリア性を実
施例1と同様に測定した。このようにして測定した酸素
透過率は、1cc以下と非常に優秀であった。さらにレ
トルト、ゲルボテスト後の結果も、2cc前後に留ま
り、総合特性の優れたガスバリアフィルムが得られた。
【0015】(比較例2)実施例2と同様にEB加熱蒸
着法で酸化アルミニウム酸化珪素系ガスバリア薄膜の形
成を行った。この時のEB銃のエミッション電流は0.
5〜3.0Aとし、チルロールに200Vの交流電圧を
印加し、チルロール温度は−15℃とした。得られたサ
ンプル((表2)比較例2−1〜4、(図2))に対し
て、実施例2と同様に赤外吸収スペクトルのピーク強度
比と酸素透過率を測った。その結果、酸素バリア性、レ
トルトあるいは、ゲルボ特性のいずれかが不十分なもの
になった。
【0016】
【発明の効果】プラスチックフィルムの少なくとも片面
に、酸化アルミニウム酸化硅素系薄膜が形成されたガス
バリアフィルムにおいて、該薄膜の赤外吸収スペクトル
のうち、1060cm-1付近のピーク強度P1 と117
0cm-1付近のピーク強度P2との比P2 /P1 が薄膜
内の酸化アルミニウムの質量%との関係をP2 /P1
B−0.00195W(W:薄膜中の酸化アルミニウム
の重量%、B:酸化アルミニウムを含まない薄膜のピー
ク強度比)という関係式で表される時、B≦0.77、
2 /P1 ≧0であらわされる範囲内とすることによっ
て、ガスバリア性に優れ、屈曲性をはじめとする機械特
性の高い総合的に実用特性のすぐれた酸化アルミニウム
酸化珪素系ガスバリアフィルムを提供できる。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例2で得られた薄膜の赤外吸
収スペクトルの一例である。本試料の酸化アルミニウム
の比率は40重量%である。
【図2】比較例2で得られた薄膜の赤外吸収スペクトル
の一例である。本試料酸化アルミニウムの比率は40重
量%である。
【符号の説明】
1 は1060cm-1付近のピーク強度である。P2
1170cm-1付近のピーク強度である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊関 清司 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 小谷 徹 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 後藤 ひろみ 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 高橋 則子 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 山田 陽三 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルムの少なくとも片面
    に、酸化アルミニウム酸化硅素薄膜を主たる成分とする
    薄膜が形成されたガスバリアフィルムであって、該薄膜
    の赤外吸収スペクトルにおける、1060cm-1付近のピ
    ーク強度P1と1170cm-1付近のピーク強度P2 の比
    2 /P1 が下式を満足することを特徴とするガスバリ
    アフィルム。 P2 /P1 =B−0.00195W 但し、P1 :薄膜の赤外吸収スペクトルの1060cm-1
    付近のピーク強度 P2 :薄膜の赤外吸収スペクトルの1170cm-1付近の
    ピーク強度 W :薄膜中の酸化アルミニウムの重量% B :酸化アルミニウムを含まない薄膜のピーク強度比 B≦0.77 P2 /P1 ≧0
  2. 【請求項2】 請求項1記載の薄膜層上に、ヒ−トシ−
    ル層が設けられていることを特徴とするガスバリアフィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 請求項1または、請求項2記載のガスバ
    リアフィルムを用いた包装用あるいは、ガス遮断用フィ
    ルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6106933A (en) * 1997-04-03 2000-08-22 Toray Industries, Inc. Transparent gas barrier biaxially oriented polypropylene film, a laminate film, and a production method thereof
JP2002520820A (ja) * 1998-07-03 2002-07-09 イソボルタ・エスターライヒツシエ・イゾリールシユトツフベルケ・アクチエンゲゼルシヤフト 光起電モジユールとその製造方法

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