JPH06328448A - 樹脂タブレットの搬送装置およびそれを用いた搬送方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子部品の樹脂モールド工程において、生産
性を向上させ、また、装置上に設けられている部品の寿
命を向上させ、保全性、作業性を向上させる樹脂タブレ
ットの搬送装置および搬送方法を提供することを目的と
する。 【構成】 本発明の樹脂タブレットの搬送装置は、樹脂
タブレットを収納する収納部の移送口に配設されたベル
トにより前記樹脂タブレットを所定の位置まで搬送する
ベルト搬送手段と、前記ベルトの近傍部に少なくとも１
つ以上のエアー吸引により粉塵、樹脂カス等を除去させ
るエアークリーニング手段を設けたことを特徴とする樹
脂タブレットの搬送装置とそれを用いた樹脂タブレット
の搬送方法である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＩＣ等の電子部品の樹
脂モールド工程において、その電子部品を樹脂モールド
する際に用いられる樹脂タブレットを搬送する方法に関
する。

【０００２】

【従来の技術】ＩＣやＬＳＩ等の電子部品は、リードフ
レーム上にチップをボンディングするダイボンディング
工程、チップ上のパッドとリードとを結線するワイヤボ
ンディング工程を経た後、チップおよびワイヤ部を樹脂
パッケージ内に封止する樹脂モールド工程に送られる。
この樹脂モールド工程において、封止材として用いられ
る樹脂は、円柱型のタブレット状のものが多く、樹脂モ
ールド金型内への供給の容易化が図られている。これ
は、樹脂タブレットを搬送する際の保持しやすさ、また
個別の取り出しの容易さを考慮にいれたものである。こ
の樹脂タブレットを樹脂モールド金型内へ供給する工程
は、一般的に次のようなものである。

【０００３】すなわち、ワークを個別に列状に取り出す
ことのできる、例えばパーツフィーダのようなワーク収
納部に、多数の樹脂タブレットが投入される。そして、
この収納部からワーク搬送部へ移送された樹脂タブレッ
トは、ワーク搬送部上を列状に搬送され、前記ワーク搬
送部に設けられたストッパーにより所定の位置で停止す
る。そして、ワーク搬送部の側部に設けられた空圧式シ
リンダ駆動等で可動する押出しプッシャーが、所定の位
置に設けられた光学式センサーからのワーク有りの信号
を受けて、所定の位置に搬送された樹脂タブレットをワ
ーク搬送方向に対して垂直方向に排出させる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来、樹脂タブレット
の搬送装置におけるワーク搬送部として、直進フィーダ
が用いられていた。なぜならば、直進フィーダとパーツ
フィーダのつなぎが非常に容易であるために、直進フィ
ーダの駆動にパーツフィーダの振動を利用できるととも
に、装置を小型化させることができるという利点がある
からである。

【０００５】ところが、近年における装置の精密化や高
速化で、装置上には数多くの駆動部やセンサーが取り付
けられており、これら駆動部やセンサーは俊敏性のある
反応動作が求められている。このような技術の現状にお
いて、樹脂タブレットがワーク搬送部上で振動し、上記
樹脂タブレットがワーク搬送部の側壁に接触して、粉
塵、樹脂カス等の飛散が発生することは、解決すべき非
常に重要な問題となっている。

【０００６】そこで、ワーク搬送部上において、樹脂タ
ブレットから粉塵、樹脂カス等が飛散しにくくするべ
く、ワーク搬送部上で振動の起こらないベルト搬送を用
いることが提案された。

【０００７】しかしながら、ワーク収納部において樹脂
タブレットから発生する粉塵、樹脂カス等がワーク搬送
部のベルト上に移送されてしまい、ベルトの回転ととも
にワーク搬送部外へ飛散して、ワーク搬送部近傍に設け
られているシリンダーや電磁弁等の駆動部やセンサー等
に積もって、駆動部の誤動作の発生を起こし、機械が頻
繁に停止して機械稼動率が低下していた。

【０００８】また、粉塵、樹脂カス等がシリンダーや電
磁弁等の駆動部内部に侵入し、駆動動作不良を起こし、
ついには駆動機能を破壊させるといった部品寿命の低下
をもたらしていた。

【０００９】また、ベルト上の粉塵、樹脂カス等の上に
樹脂タブレットが乗って、粉塵、樹脂カス等がベルトに
こびりつき、樹脂タブレットの搬送詰まりが起きたり、
樹脂タブレットの搬送が不安定になるために、樹脂タブ
レットが搬送部上で倒れてしまう等の搬送不良を発生さ
せ生産性を著しく低下させていた。

【００１０】また、装置上に飛散した粉塵、樹脂カス等
を清掃する作業がかなりめんどうであった。

【００１１】本発明は以上のような事情のもとで考え出
されたもので、電子部品の樹脂モールド工程におけるワ
ーク搬送部で、樹脂タブレットから発生する粉塵、樹脂
カス等を確実に排出させながら樹脂タブレットを搬送さ
せることにより、生産性を向上させ、また装置上に設け
られている部品の寿命を向上させ、保全性、作業性を向
上させることを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成しようと鋭意研究を重ねた結果、樹脂タブレットか
ら飛散する粉塵、樹脂カス等を確実に排除しながら樹脂
タブレットを搬送できる樹脂タブレットの搬送装置を見
いだした。

【００１３】すなわち、本発明は、次のようなものであ
る。

【００１４】「樹脂タブレットを収納する収納部の移送
口に配設されたベルトにより前記樹脂タブレットを所定
の位置まで搬送するベルト搬送手段と、前記ベルトの近
傍部に少なくとも１つ以上のエアー吸引により粉塵、樹
脂カス等を除去させるエアークリーニング手段を設けた
ことを特徴とする樹脂タブレットの搬送装置。」また、
上記装置を用いて樹脂タブレットから飛散する粉塵、樹
脂カス等を確実に排除しながら樹脂タブレットを搬送さ
せる次のような方法が考え出された。

【００１５】「収納部に収納された樹脂タブレットをベ
ルト上に順次移送させ、前記ベルトにより前記樹脂タブ
レットを所定の位置まで搬送する樹脂タブレットの搬送
方法であって、前記ベルトの近傍部に設けた少なくとも
１つ以上のエアー吸引によるエアークリーニング手段で
粉塵、樹脂カス等を除去させながら樹脂タブレットを搬
送させることを特徴とする樹脂タブレットの搬送方
法。」さらに、樹脂タブレットを搬送させる際に、より
効率的に粉塵、樹脂カス等を排出させながら樹脂タブレ
ットを搬送させる次のような搬送装置を見いだした。

【００１６】「樹脂タブレットを収納する収納部の移送
路に少なくとも１つ以上の小孔とその小孔に連通するエ
アー吸引管を設けたことを特徴とする請求項１記載の樹
脂タブレットの搬送装置。」

【作用】収納部に投入された樹脂タブレットが、収納部
の移送口に配設されたベルトへ移送される。そして、樹
脂タブレットはベルトによって順次搬送される。ベルト
搬送の途中には、樹脂タブレットから発生する粉塵、樹
脂カス等が、ベルトの近傍部に設けられている少なくと
も１つ以上のエアー吸引のようなエアークリーニング手
段により除去される。以上のような工程を通過し、樹脂
タブレットは、所定の位置まで搬送される。

【００１７】また、樹脂タブレットを収納する収納部の
移送路に少なくとも１つ以上の小孔とその小孔に連通す
るエアー吸引管を設けると、樹脂タブレットをベルトに
移送する前に発生した粉塵、樹脂カス等が移送路に落下
し、収納部の移送路に設けた小孔に入り込み、小孔に連
通するエアー吸引管へと導かれ除去される。

【００１８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照しつ
つ説明する。

【００１９】図１及び図２は、本発明の樹脂タブレット
の搬送装置の側面図及び平面図を示し、図３は、本発明
の樹脂タブレットの搬送装置の断面図を示す。

【００２０】この樹脂タブレットの搬送装置は、樹脂タ
ブレット１を収納するカバー２付きの収納部３と、収納
部３の移送口４ａに配設されたモータ５駆動により可動
するベルト６により樹脂タブレット１を搬送するベルト
搬送手段と、収納部３の側部７とベルトの近傍部８に設
けたエアー吸引口９へ樹脂粉、粉塵を吸引させるクリー
ニング手段を有する。

【００２１】このような構成を用した本発明の樹脂タブ
レットの搬送装置である図１において、まず作業者によ
り多数の樹脂タブレット１がカバー２付きの収納部３に
投入される。このカバー２付きの収納部３は、樹脂タブ
レット１を整列させつつ移送することのできる、例えば
パーツフィーダのようなものである。また、樹脂タブレ
ット１を移送させる途中に飛散した樹脂粉、粉塵等は、
収納部３の側壁部７に設けたエアー吸引口９へ吸引させ
る。

【００２２】そして、この収納部３から整列させつつ移
送された樹脂タブレット１は、収納部３の移送口４ａに
配設されたベルト６上に順次送り出される。このベルト
６は、モータ５を駆動させることによりプーリー１０を
介して可動するものである。ここで使用されるベルト６
は平ベルトのほかに、ベルト６上に数多くの樹脂タブレ
ット１が乗った時に発生するプーリー１０に対するベル
ト６のすべりを防ぐためにタイミングベルトを使用する
場合もある。このタイミングベルトを使用した場合、樹
脂タブレット１の搬送位置決めミスを無くすことができ
る。

【００２３】また、ベルト６の両側部には、樹脂タブレ
ット１の直径よりわずかに大きな間隔をもたせてガイド
１１が設けられている。ガイド１１の材質として金属系
のものが使用されているが、樹脂系、ゴム系のものであ
ってもよい。加えて、ガイド１１には樹脂タブレット１
の搬送途中に発生する樹脂粉、粉塵を吸い込む、エアー
吸引口９が設けられている。

【００２４】さらに、樹脂タブレット１が所定の位置ま
でベルト搬送されると、ベルト６近傍部に設けられた、
例えば光学式の透過型センサー１２により樹脂タブレッ
ト１有無の確認を受けて、モータ５が停止する。また、
樹脂タブレット１をより正確な位置に停止させるため
に、ストッパー１３が搬送ベルト近傍部に設けられてい
る。ストッパー１３の材質は、金属系のものが使用され
ているが、樹脂系、ゴム系のものであってもよい。

【００２５】そして、ベルト６の側端部に設けられた、
空圧式シリンダ１４駆動による押出しプッシャー１５
が、前記光学式センサー１２からの樹脂タブレット１有
無の信号を受けて、ベルト６上の樹脂タブレット１搬送
方向に対して垂直方向へ押出される。ここで押出された
樹脂タブレット１は、ベルト６をはさんで押出しプッシ
ャー１５と対向して設けられている移動テーブル１６へ
収納される。（図２参照）なお、ベルト６上の樹脂タブ
レット１の取り出しは、空圧式シリンダ１４駆動による
押出しプッシャー１５に限定されるものではなく、エア
ー吸着搬送、メカチャック搬送等のものでもよい。

【００２６】以上のような工程を繰り返し順次樹脂タブ
レット１は搬送される。

【００２７】また、図４に示すように収納部３の移送路
下面４ｂには多数の小孔１７が設けられており、例えば
パーツフィーダのような振動を加えて樹脂タブレット１
を搬送する場合に、振動により飛散した樹脂粉、粉塵が
移送路下面４ｂに落ち、さらに振動が加えられ小孔１７
に抜けていき排出される。排出手段として、出し入れ可
能な排出箱や直接排出可能なエアー吸引によるエアー吸
引管１８等があり、これに限定されるものではない。ま
た、収納部３とベルトの近傍部に設けられるエアー吸引
口の数と位置は、これを限定するものではない。

【００２８】加えて、エアー吸引口とエアー吹き出し口
を同時に設けて、エアー吸引だけでは排出しきれない樹
脂粉、粉塵をエアーを吹きつけることにより、一旦樹脂
粉、粉塵を飛散させた後、エアー吸引させる手段も可能
である。

【００２９】さらに、ベルト上に飛散されエアー吸引、
エアー吹き出しだけでは樹脂粉、粉塵を排出しきれない
場合、ベルト近傍部に図示しないブラシ付きのエアー吸
引管を設けて、ベルト６上の樹脂粉、粉塵をブラシで取
りながらエアー吸引管へ吸引させることもできる。

【００３０】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように、樹脂タ
ブレットを収納する収納部の移送口に配設されたベルト
により前記樹脂タブレットを所定の位置まで搬送するベ
ルト搬送手段と、前記ベルトの近傍部に少なくとも１つ
以上のエアー吸引により粉塵、樹脂カス等を除去させる
エアークリーニング手段を設けたことを特徴とする樹脂
タブレットの搬送装置と、またそれを用いた樹脂タブレ
ットの搬送方法であり、加えて、樹脂タブレットを収納
する収納部の移送路に少なくとも１つ以上の小孔とその
小孔に連通するエアー吸引管を設けたことを特徴とする
前記本発明の樹脂タブレットの搬送装置であるので、樹
脂タブレット搬送時に樹脂タブレットに振動を与える必
要がなく、粉塵や樹脂カスの発生を極力低減できる外、
仮に粉塵や樹脂カスが発生してもエアー吸引により排出
させるので以下に記載されるような効果を奏する。

【００３１】(a)粉塵や樹脂カスがワーク搬送部近傍に
設けられているシリンダーや電磁弁等の駆動部に積もる
ことがないので、駆動動作ミスが起きて機械が停止する
といったことがなく、機械可動率が向上し、かつ粉塵や
樹脂カスがシリンダーや電磁弁等の駆動部内部に侵入す
ることもないので、駆動部品の寿命が向上し、駆動部品
の取り替え作業等が減り保全性も向上する。

【００３２】(b)粉塵や樹脂カスが例えば透過型の光学
式センサーに積もることがないので、誤動作が起きて装
置が停止するといったことがなく、機械可動率が向上す
る。

【００３３】(c)粉塵や樹脂カスが搬送ベルト上に積も
ることがないので樹脂タブレットの搬送詰まりや樹脂タ
ブレットが搬送台上で倒れてしまうといった搬送不良が
発生することがなく、歩留まりが向上する。

【００３４】(d)装置上に飛散した粉塵や樹脂カス等を
清掃する作業が非常に容易であり、作業性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明における実施例を示す側面図である。

【図２】本発明における実施例を示す正面図である。

【図３】本発明における実施例を示す部分図である。

【図４】本発明における実施例を示す部分図である。

【符号の説明】

１ 樹脂タブレット ２ カバー ３ 収納部 ４ａ 移送口 ４ｂ 移送路 ５ モータ ６ ベルト ７ 収納部側壁部 ８ ベルト近傍部 ９ エアー吸引口 １０ プーリー １１ ガイド １２ センサー １３ ストッパー １４ シリンダー １５ 押し出しプッシャー １６ 移動テーブル １７ 小孔 １８ エアー吸引管 １９ ブラシ付き吸引管

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 樹脂タブレットを収納する収納部の移送
   口に配設されたベルトにより前記樹脂タブレットを所定
   の位置まで搬送するベルト搬送手段と、前記ベルトの近
   傍部に少なくとも１つ以上のエアー吸引による粉塵、樹
   脂カス等を除去させるエアークリーニング手段を設けた
   ことを特徴とする樹脂タブレットの搬送装置。
2. 【請求項２】 収納部に収納された樹脂タブレットをベ
   ルト上に順次移送させ、前記ベルトにより前記樹脂タブ
   レットを所定の位置まで搬送する樹脂タブレットの搬送
   方法であって、 前記ベルトの近傍部に設けた少なくとも１つ以上のエア
   ー吸引によるエアークリーニング手段で粉塵、樹脂カス
   等を除去させながら樹脂タブレットを搬送させることを
   特徴とする樹脂タブレットの搬送方法。
3. 【請求項３】 樹脂タブレットを収納する収納部の移送
   路に少なくとも１つ以上の小孔とその小孔に連通するエ
   アー吸引管を設けたことを特徴とする請求項１記載の樹
   脂タブレットの搬送装置。