JPH06327561A - 電気ポットの蒸気通路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 上蓋または上蓋に内設した部品の蒸気による
劣化を防止し、かつ上蓋を開けた時の蒸気しずくの垂れ
落ちを防止できる電気ポットの蒸気通路を提供する。 【構成】 ポット本体１の一端部に、外蓋８を開閉可能
に枢着するヒンジ９０の台部材９１を固定し、かつ台部
材９１に蒸気口３０を形成すると共に、広口開口部５０
を有するタンク５内で発生した蒸気を蒸気口３０に導く
蒸気通路１３を内設した内蓋５２をポット本体１側に固
定し、かつ外蓋８内に設けたポンプ２４によるタンク５
内に空気を圧送時に連動して蒸気通路１３を閉じる蒸気
弁６３を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電気エアポットや、電
気湯沸し器など、ポット本体内のタンク内に収容した水
などを、内蔵したヒータで加熱し、保温すると共に、そ
のタンク内の高温となった湯などをベローズポンプなど
のポンプによる空気の圧送により給湯口から排出する電
気ポットの蒸気通路に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】上記のごとき電気ポットにおいては、ポ
ット本体内のタンク内に収容した水等を、タンク底部に
設けたヒータで加熱し、保温するようになっており、ま
たポット本体の上部には外蓋を、開閉可能にヒンジなど
で枢着している。そして、タンク内で水等を加熱時に発
生した蒸気は蒸気通路経由、外部に開口した蒸気口から
外部に放出しているが、一方、タンク内で溜められた湯
などの排出時には、外蓋内に設けられた環状のくの字断
面のひだからなる蛇腹状のベローズポンプなどのポンプ
を押下げることにより、タンク内に空気を圧送してい
る。

【０００３】上記のようにタンク内に空気を圧送時に
は、ベローズポンプ内に蒸気が入らないように、ベロー
ズポンプの押下げに連動して蒸気通路を閉塞してベロー
ズポンプ側からタンク内に空気が圧送されるようにする
切替弁、または蒸気弁が設けられている。この種の電気
ポットの従来技術としては、湯沸しポットに関する特公
平１−４８７７６号、エアーポットに関する特公昭６０
−２０４５号、電気ポットに関する特公平４−４７５６
８号の各発明、及び電気貯湯容器の蓋装置に関する実公
平４−１５１３１号、電気湯沸器に関する実公平４−９
９５３号の各考案などが公知となっている。

【０００４】以上に列記した従来技術においては、ベロ
ーズポンプなどのポンプが高温蒸気にさらされて劣化す
るのを防止するため、電気ポットの加熱時に発生した蒸
気を外部に逃がす際に蒸気がポンプ内を通らないように
考慮しているが、蒸気通路は外蓋内に設けられており、
またその蒸気通路に通じ、その蒸気を外部に放出する蒸
気口が外蓋の一部または外蓋とポット本体との隙間に設
けられている。

【０００５】そのため、上蓋または上蓋に内設した部品
が高温蒸気によって劣化するという問題があると共に、
上蓋を開けた時に上蓋および上蓋内の部品に付着した蒸
気のしずくが周囲に垂れ落ち、やけどをするという問題
がある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
問題点を解決するためになされたものであり、上蓋また
は上蓋に内設した部品の蒸気による劣化を防止し、かつ
上蓋を開けた時の蒸気しずくの垂れ落ちを防止できる電
気ポットの蒸気通路を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の電気ポットの蒸気通路は、ポット本体の一
端部に、外蓋を開閉可能に枢着するヒンジの台部材を固
定し、かつ、台部材に蒸気口を形成すると共に、広口開
口部を有するタンク内で発生した蒸気を上記蒸気口に導
く蒸気通路を内設した内蓋を、ポット本体側に固定し、
かつ外蓋内に設けたポンプによるタンク内に空気を圧送
時に連動して上記蒸気通路を閉じる蒸気弁を設けること
により構成されるので、蒸気はポット本体側に固定した
内蓋内を通り、さらに、ポット本体側に固定したヒンジ
の台部材に形成された蒸気口から外部に排出されるの
で、上蓋または上蓋に内設した部品を蒸気から守り、か
つ上蓋を開けた時の蒸気しずくの垂れ落ちを防止でき
る。

【０００８】

【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を説明す
るが、図１は本発明の一実施例における電気エアポット
の外蓋を取外した状態の平面図、図２は図１の側断面
図、図３は図１のエアポットの側断面図、図４は図１の
エアポットの外蓋及びポット本体内それぞれの各部品の
組立前の状態の斜視図である。

【０００９】まず、図１、図２および図３に示すこの実
施例の電気エアポットは、ポット本体１内にタンク５が
収納されており、タンク５の底部に内設した電気ヒータ
１７によりタンク５内の水を加熱させ、そしてタンク５
内で保温するようになっており、加熱により沸騰した蒸
気は蒸気通路１３経由蒸気口３０から外部に排出される
ようになっているが、この蒸気通路１３にはこのポット
転倒時の止水用の安全弁として鋼球７が内設されてい
る。

【００１０】また、外蓋８内には、図３に示すプッシュ
ボタン２とポンプベース２２との間にくの字状断面の環
状のひだを有する蛇腹状の合成樹脂薄膜のベローズから
なるポンプ２４を設けており、プッシュボタン２を押し
下げることでベローズの縮少により空気をタンク５内に
圧送して、タンク５内の液を給湯管４２から上昇させ、
止水弁４３をリフトしながら給湯口４４から排出するも
のである。

【００１１】なお、図３の４５はこのエアポットの持運
び用のハンドルで、４６はロックボタン、そして４７は
プッシュボタン２用のストッパーである。次に、図１お
よび図２に示すように、ポット本体１内のタンク５の上
部は広口開口部に形成されており、この広口開口部に、
このタンク５内の洗浄が可能な程度の開口５０を有し、
かつその開口５０の周囲の一端に排液ガイド部５１を形
成した内蓋５２を、ポット本体１側の部材に固定してい
る。

【００１２】また、ポット本体１の一端には、外蓋８を
開閉可能に枢着するヒンジ９０の台部材９１を内蓋５２
とタンク支え８０と共に、ポット本体１側に固定し、こ
の台部材９１に蒸気口３０を形成している。次に、図４
の矢印Ｘ方向に示す部品は外蓋８内に取付けられるもの
であり、プッシュボタン２、プッシュボタン２の下にポ
ンプ２４、ポンプ２４の上部を貫設した弁ホルダー
(２) １８、そして弁ホルダー (２) １８の下端に上端
で係合し、かつポンプベース２２を貫設した弁ホルダー
(１) ２０、弁ホルダー (１) ２０により開閉され、か
つ中蓋３に設けられた蒸気弁 (１) ２１などがあるが、
この中蓋３は中蓋パッキン４を介してポンプベース２２
の部材に対しビス６で固定されるようになっている。

【００１３】さらに、プッシュボタン２の側端部には切
替スプリング６０を介して切替弁棒６１がプッシュナッ
ト６２で取付けられているので、切替弁棒６１の下端
が、ポット本体１側に固定された内蓋５２に設けられた
蒸気弁 (２) ６３を開閉するようになっている。すなわ
ち、タンク５内の水を加熱時には、蒸気弁 (１) ２１は
閉じられ、タンク５内で発生した蒸気はポンプ２４内に
は流入せずに、内蓋５２に内設した蒸気通路１３経由蒸
気口３０に導かれるが、タンク５内の湯を給湯口４４か
ら排出するためにプッシュボタン２を押下げると、プッ
シュボタン２に取付けられた切替弁棒６１も同時に押下
げられて蒸気弁 (２) ６３をまず閉塞し、その後直ちに
弁ホルダー (２) １８と弁ホルダー (１) ２０がポンプ
２４の頂部と一体に下降することで、蒸気弁 (１) ２１
を開けて、ポンプ２４内の空気をタンク５内に圧送し、
タンク５内の湯を外部に排出する。

【００１４】すなわち、ポンプ２４によりタンク５内に
空気を圧送時に連動してこの蒸気弁(２) ６３を閉じ、
蒸気通路１３を閉塞するようになっている。一方、矢印
Ｙで示すポット本体１側の部品としては、上記蒸気弁
(２) ６３の他、蒸気通路１３および蒸気口３０を形成
したヒンジ９０の台部材９１が内蓋５２と一体に取付け
られ、その下に、タンク蓋 (２) ７０、タンク蓋パッキ
ン７１、タンク蓋 (１) ７２、タンクパッキン７３の順
にタンク５の上部のタンク支え８０を介してポット本体
１に固定されるが、その際、蒸気パッキン (１) ７５、
蒸気パッキン (３) ７６および蒸気パッキン (２) ７７
が介装される。

【００１５】なお、図４の８１で示すのは図１の給湯口
４４の給湯口カバーである。以上の構成から電気ポット
の蒸気通路は、タンクの広口開口部に固定した内蓋５２
内に設けられてあり、上蓋８内に蒸気が全く通らない構
造になっている。

【００１６】

【発明の効果】以上に説明した本発明の蒸気通路を適用
した電気ポットによれば、上蓋または上蓋に内設された
各部品を蒸気から守ることができ、上蓋および上蓋内部
品の劣化防止がてきる。また、上蓋を開けた時の蒸気の
しずくの垂れ落ちがなくなり、上蓋操作時のやけどの防
止をはかることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における電気エアポットの外
蓋を取外した状態の平面図である。

【図２】図１の側断面図である。

【図３】図１のエアポットの側断面図である。

【図４】図１のエアポットの外蓋及びポット本体内それ
ぞれの各部品の組立前の状態の斜視図である。

【符号の説明】

１ ポット本体 ５ タンク ８ 外蓋 １３ 蒸気通路 ２４ ポンプ ３０ 蒸気口 ５０ 広口開口 ５２ 内蓋 ６３ 蒸気弁 ９０ ヒンジ ９１ 台部材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ポット本体の一端部に、外蓋を開閉可能
   に枢着するヒンジの台部材を固定し、かつ該台部材に蒸
   気口を形成すると共に、広口開口部を有するタンク内で
   発生した蒸気を該蒸気口に導く蒸気通路を内設した内蓋
   をポット本体側に固定し、かつ外蓋内に設けたポンプに
   よるタンク内に空気を圧送時に連動して該蒸気通路を閉
   じる蒸気弁を設けた電気ポットの蒸気通路。