JPS624261Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電気ポツトの蒸気噴出防止装置に関す
るものである。

従来、電気ポツトにおいて、起立時には外気と
連通し、転倒時には止水ボールによつて閉鎖され
る蒸気口と、給湯口を開閉する給湯弁とを有する
密栓でポツト内部を密閉する構造のものが提案さ
れている。

ところが、この種の電気ポツトでは、湯沸し直
後やポツト内部に冷気を入れ密栓を閉じた直後
に、給湯弁を閉じた状態でポツトを傾けたり揺す
つたりすると、ポツト内部の圧力が急激に上昇
し、止水ボールが蒸気口を閉鎖する前に高圧蒸気
が蒸気口から激しく噴出し、非常に危険であつ
た。

本考案はかかる問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、ポツト内部の蒸気圧が非常に高
くなつた場合に、高圧蒸気を蒸気口から噴出させ
ずに密栓内部に流入させ、安全性を確保した電気
ポツトの蒸気噴出防止装置を提供することにあ
る。

以下、本考案を一実施例である添付図面にした
がつて説明する。

第１図、第２図は本考案にかかる電気ポツトを
示し、１は上方に至るに従い漸次小径となるテー
パ状の胴体、２は胴体１の上端部に載置固定さ
れ、注湯管３を形成した肩体、４は胴体１に上下
端部が固定されたハンドル、５は胴体１の内部に
断熱材６を介して収納固定され、下部にバンドヒ
ータ７を巻装した内容器で、この内容器５の上端
部はパツキン８を介して肩体２に密着固定されて
いる。なお、９はサーモスタツト、１０はサーマ
ルリードスイツチ、１１は電源接続用プラグであ
る。

１２は上記肩体２に開閉自在に取付けられた密
栓で、この密栓１２は大略栓本体１３と栓蓋１９
と栓下板２３とを一体化することにより構成され
ている。栓本体１３は注湯管３と連通する給湯口
１４を有し、内部に給湯口１４を開閉する給湯弁
１５を備えている。この給湯弁１５は栓本体１３
に対して挿通されたロツド１６により進退自在で
あり、このロツド１６はスプリング１７によつて
給湯口１４を閉鎖する方向に付勢されている。な
お、１８はロツド１６の挿通孔をシールするロツ
ドシールパツキンである。栓蓋１９には給湯レバ
ー２０がスライド自在に取付けられ、この給湯レ
バー２０を前方（第１図左方）へスライドさせる
ことにより、ロツド１６を押圧して給湯口１４を
開き、注湯が可能となる。栓蓋１９の前端部には
フツクレバー２１がスプリング２２により前方へ
付勢されて取付けられており、フツクレバー２１
の先端２１ａが肩体２の前端部内面に係合するこ
とにより、栓下板２３の外周部に取付けたパツキ
ン２４が内容器５の上端に圧着し、内容器５を密
閉する。

上記密栓１２には、第３図に示すごとく１個の
蒸気口２５が設けられている。この蒸気口２５の
下部には栓本体１３より一体に弁室２６が形成さ
れており、この弁室２６の内面には止水ボール２
８を通気状態で保持する複数のソブ２７が突設さ
れている。上記弁室２６の上部開口は、止水ボー
ル２８によつて閉鎖可能な蒸気通口３０を穿設し
た蒸気口パツキン２９で被覆されている。

一方、蒸気口２５の上部には、栓蓋１９に形成
された蒸気孔３１とこの蒸気孔を包囲するごとく
垂設された筒体３２とを有しており、この筒体３
２の下端部の一部には連通口３３が形成されてい
る。上記栓蓋１９は栓本体１３の上部にネジ３４
（第１図参照）にて締付固定され、このとき上記
筒体３２の下端部が弁室２６の上面に蒸気口パツ
キン２９を間にして接合し、この蒸気口パツキン
２９と筒体３２とで筒状空間３５が形成される。
この筒状空間３５には、下端が開口し、上端に上
記蒸気孔３１を閉鎖可能な天板３７を有し、かつ
上端部近傍に通気孔３８を穿設した筒状の蒸気通
口キヤツプ３６が上下動自在に収容されている。

つぎに、上記構成からなる蒸気口２５の作動を
説明する。

保温時などのように、内容器５内部の蒸気圧が
低い場合には、止水ボール２８と蒸気通口キヤツ
プ３６とは下方に位置しており、蒸気は弁室２
６、蒸気通口３０、蒸気通口キヤツプ３６の通気
孔３８および蒸気孔３１を介して外気に排出され
る。

いま、湯沸し直後などのように内容器５内部の
蒸気圧が非常に高い場合に、給湯弁１５を閉じた
状態で電気ポツトを傾けたり揺つたりすると、止
水ボール２８が上方へ移動し、蒸気の大部分は止
水ボール２８と蒸気口パツキン２９とで止められ
るが、高圧蒸気の一部は蒸気通口３０から上方へ
噴出する。この蒸気の圧力で蒸気通口キヤツプ３
６は押し上げられ、外気へ通じる蒸気孔３１は蒸
気通口キヤツプ３６の天板３７によつて塞がれ
る。そのため、蒸気は外気へは噴出せず、蒸気通
口キヤツプ３６の下端から筒体３２下端の連通口
３３を通つて密栓１２の内部に流入する。すなわ
ち、密栓自体が蒸気溜まりとなり、外気への噴出
がなく、安全である。なお、密栓１２内部に流入
した蒸気が凝結して、密栓内部には水が溜まるこ
とになるが、この水は密栓１２の適宜箇所に設け
た排水孔より排出すればよい。

内容器５内の湯を注出する場合には、給湯レバ
ー２０を操作して給湯弁１５を開き、ハンドル４
を持つて電気ポツトを傾けることにより、湯は給
湯口１４および注湯管３を介して注出される。こ
のとき、外気は蒸気孔３１、通気孔３８、蒸気通
口３０および弁室２６を介して内容器５内に流入
するため、湯はスムーズに注出される。

また、給湯弁１５を閉鎖した状態で誤つて電気
ポツトを転倒させた場合には、従来と同様に止水
ボール２８が蒸気口パツキン２９の蒸気通口３０
を閉鎖し、蒸気口２５からの湯の流出を阻止す
る。

以上の説明で明らかなように、本考案によれ
ば、電気ポツト内部の蒸気圧が非常に高くなつた
とき、蒸気を密栓内部に逃がすようにしたので、
蒸気が外気へ噴出せず、火傷等の心配がなく安全
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる電気ポツトの一部断面
側面図、第２図はその平面図、第３図は第２図の
−線拡大断面図である。 １２……密栓、１３……栓本体、１４……給湯
口、１５……給湯弁、１９……栓蓋、２５……蒸
気口、２６……弁室、２８……止水ボール、２９
……蒸気口パツキン、３０……蒸気通口、３１…
…蒸気孔、３２……筒体、３３……連通口、３５
……筒状空間、３６……蒸気通口キヤツプ、３７
……天板、３８……通気孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 起立時には外気と連通し、転倒時には止水ボー
   ルにより閉鎖される蒸気口と、給湯口を開閉する
   給湯弁とを備えた密栓で密閉してなる電気ポツト
   において、止水ボールを収容した弁室の上部開口
   を、止水ボールにより閉鎖可能な蒸気通口を穿設
   した蒸気口パツキンで被覆した栓本体と、蒸気孔
   と該蒸気孔を包囲する如く垂設され、下端部の一
   部に連通口を設けた筒体とを有する栓蓋とを、上
   記蒸気口パツキンを間にして接合することにより
   密栓を構成し、上記筒体と蒸気口パツキンとで形
   成された筒状空間内に、下端が開口し、上端に上
   記蒸気孔を閉鎖可能な天板を有し、かつ上端部近
   傍に通気孔を穿設した筒状の蒸気通口キヤツプを
   上下動自在に収容したことを特徴とする電気ポツ
   トの蒸気噴出防止装置。