JPH06327451A - 褐色種葉たばこ乾燥装置 - Google Patents

褐色種葉たばこ乾燥装置

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JPH06327451A
JPH06327451A JP14116493A JP14116493A JPH06327451A JP H06327451 A JPH06327451 A JP H06327451A JP 14116493 A JP14116493 A JP 14116493A JP 14116493 A JP14116493 A JP 14116493A JP H06327451 A JPH06327451 A JP H06327451A
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和博 原田
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則男 勝山
Seiya Kon
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 天井面1aを透明ビニールシート16で形成
し、正面1b,背面1c,側面1dを非透光性ビニール
シート17で形成し、内部に葉たばこTを吊り下げる上
段吊手18a及び下段吊手18bを設けると共に、背面
1c上部に吸気口22を設け、正面1b上部に排気口2
4及び換気扇25を設けた乾燥室1に、乾燥室1の上部
循環ダクト31から取り入れた乾燥室1内の空気を、下
部循環ダクト32から乾燥室1内に加熱送風する加熱送
風部3と、加熱送風部3と高湿度時に一部換気を行う換
気扇25により、設定範囲内の温湿度条件に制御した乾
燥室1内の空気を循環させる運転、換気扇25による換
気を行う休止を、交互行うように制御する制御部5とを
備えた。 【効果】 褐色種葉たばこの間欠乾燥を行なっても、品
種本来の良好な香喫味を持つ乾葉が得られ、乾葉の上下
段の品質差が見られず、空胴病菌の病徴の進行と伝染及
び結露水による被害の拡大を防ぐことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
【0002】本発明は褐色種葉たばこ乾燥装置に関し、
詳細には、褐色種の葉たばこを間欠乾燥するのに利用す
る褐色種葉たばこ乾燥装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
【0004】間欠乾燥は、慣行乾燥においての昼間の高
温低湿条件での乾燥と、夜間の低温高湿条件下での休乾
を、人工的に交互に繰り返すことで、高密度でしかも短
期間に喫味品質を維持しながら乾燥させるものである。
【0005】従来、褐色種葉たばこ乾燥装置としては、
例えば、特開平2−200172号公報に、断熱性を有
するパネルで製作した2つの葉たばこ収容室を設け、温
湿度制御された熱風を送り込む1つの加熱送風装置を設
け、各葉たばこ収容室の下部に設けた調圧室と加熱送風
装置とを送風管で接続し、いずれか一方の調圧室に熱風
を送り込む作用をする切り替えダンパーを設けたことを
特徴とする褐色種葉たばこ乾燥装置が開示されている。
【0006】上記装置は、各葉たばこ収容室に葉たばこ
を上下二段に吊り、通常温度35℃、相対湿度50〜8
0%の加熱空気が送風できるように温湿度を制御し、切
り替えダンパーの作用によって、2〜3時間間隔で加熱
空気を2つの収容室に交互に下から上へと送風して間欠
乾燥を行うものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】しかしながら、上記の褐色種葉たばこ乾燥
装置は、次のような問題点を有していた。
【0009】第1に、乾燥室が断熱性を有するパネルで
製作されているので、夜間の休止中に外気温が下がって
も乾燥室内の温度が外気温まで下がらず、間欠乾燥の際
の条件となっている変温変湿が足りず、ややモロメの乾
葉に仕上がるので、品種本来の良好な香喫味が得られな
い。
【0010】第2に、下段の葉たばこについては、ほぼ
乾燥適条件がとれるが、上段の葉たばこでは、水分蒸発
に伴う温度降下により相対湿度が上昇して乾燥が遅延し
てくるために、湿度の設定が難しく、やや脱水不足傾向
となり、上下段で品質の異なるものとなる上に、下段の
葉たばこについてもやや脱水過多傾向となり、乾葉の品
質に影響を及ぼす。
【0011】第3に、上段の葉たばこでは、水分蒸発に
伴う温度降下により相対湿度が上昇するので、相対湿度
が飽和状態に近く、葉たばこ葉元部に空胴病菌が存在す
ると繁殖の適条件であるために、病徴の進行と伝染が著
しく進展し、吊っていた葉たばこが吊具より脱落して腐
敗し下段へも伝染して被害が拡大することもあり、その
上、外気温が乾燥室内より低い際に天井部に生じる結露
水が葉たばこ上に滴下することで、被害をさらに大きく
する傾向にあった。
【0012】したがって、葉たばこの間欠乾燥を行なっ
ても、品種本来の良好な香喫味が得られ、乾葉の上下段
の品質差が見られず、空胴病菌の病徴の進行と伝染及び
結露水による被害の拡大を防ぐことができる、褐色種葉
たばこ乾燥装置が望まれていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】
【0014】本発明の課題を解決するための手段は、下
記のとおりである。
【0015】第1に、天井面を透明素材のシート状物で
形成し、側面を非透明素材のシート状物で形成し、内部
に葉たばこを上下二段に吊り下げる吊手を設けると共
に、対向する一方の側面上部に外気取入用の開閉可能な
吸気口を設け、他方の側面上部に内部空気排出用の開閉
可能な排気口及び該排気口に組み合わせる換気扇を設け
た乾燥室に、乾燥室の上部循環ダクトから取り入れた乾
燥室内の空気を、乾燥室の下部循環ダクトから乾燥室内
に加熱送風する加熱送風部と、加熱送風部と高湿度時に
一部換気する換気扇により、設定範囲内の温湿度条件に
制御した乾燥室内の空気を循環させる運転、換気扇によ
る乾燥室内の換気を行う休止を、交互に行うように制御
する制御部とを備えた、褐色種葉たばこ乾燥装置。
【0016】第2に、乾燥室が、パイプの組み合わせに
よる骨組みに、シート状物を取り付けたものである、上
記第1記載の褐色種葉たばこ乾燥装置。
【0017】
【作用】
【0018】本発明の褐色種葉たばこ乾燥装置によれ
ば、加熱送風部と高湿度時に一部換気を行う換気扇によ
り設定範囲内の温湿度条件に制御された乾燥室内の空気
の循環を行う運転と換気扇による乾燥室上部の換気を行
う休止を、制御部によって制御しつつ、交互に行うこと
で、間欠乾燥を行う。
【0019】休止時は、加熱送風部による循環を停止
し、換気扇による換気を行うことで、上部の相対湿度が
低下し、特に、昼間は、上部の相対湿度が低下し上段の
葉たばこの葉元部より水分が蒸発して、上段の葉たばこ
の乾燥を促進すると共に、乾燥室上部が高温になること
を防止し、夜間は、乾燥室内に外気を導入することで、
乾燥室内の温度が低下して外気温に近づき、結露の発生
を防止する。さらに、湿度も外気に近づくため、適度な
吸湿効果が得られ、急乾の防止にもなる。
【0020】
【実施例】
【0021】以下、図面を参照しながら本発明の褐色種
葉たばこ乾燥装置の一実施例について説明する。
【0022】図1は本発明の褐色種葉たばこ乾燥装置の
一実施例の概略側面図、図2は本発明の褐色種葉たばこ
乾燥装置の一実施例の斜視図である。
【0023】本実施例の褐色種葉たばこ乾燥装置は、葉
たばこTを上下二段に吊り込む乾燥室1に、加熱送風部
3と制御部5とを備えたものである。好ましい床面積と
しては、作業効率等を勘案すると6.6m2 〜19.8
2 であるが、本実施例においては試験装置のため3.
3m2 で実施した。
【0024】乾燥室1は、傾斜を有する天井面1aと、
2条のファスナーを縫製して取り付け下から巻き上げる
ことで開閉自在な出入口を形成する正面1bと、加熱送
風部3を取り付ける背面1cと、両側面1dとからなる
ものである。
【0025】該乾燥室1は、防水シート11上に設置し
た四角枠状の鋼板製枠体12上に、直径10mm程度の
孔を面積比で10%程度開けた鋼板製多孔板13を取り
付け、天井面1aの中央から両端の側面1dに向けて下
り傾斜を有するように、スチールパイプ14と側面1d
の上下2箇所に設けたガード鋼板15との組み合わせる
による馬蹄形状の骨組みを形成した後、天井面1aに透
明ビニールシート16を取り付けると共に、正面1b、
背面1c及び側面1dに非透光性ビニールシート17を
取り付けることで組み立てる。
【0026】鋼板製枠体12は、4枚の長方形状の鋼板
を四角枠状に組み合わせたもので、両側面1dを形成す
る向かい合った2面の鋼板の外側に、スチールパイプ1
4を差し入れる筒が固定してある。
【0027】乾燥室1内には、褐色種の葉たばこTを上
下二段に吊り下げるために、上段吊手18a及び下段吊
手18bが取り付けられている。
【0028】なお、図1中、19は非透光性ビニールシ
ート17の内側面に取り付ける通気性を有する遮光幕を
示し、該遮光幕19によって、吊り込んだ葉たばこTが
壁面に密着することを防止している。
【0029】また、図示は省略するが、天井面1aの内
側に、結露水滴下防止用に無滴加工塩化ビニールを取り
付けることもできる。
【0030】乾燥室1の一側面でもある背面1cの上部
には、制御部5によって開閉動作が制御される電動シャ
ッター21を備えた吸気口22が、外気取入用に設けら
れている。
【0031】また、乾燥室1の一側面である正面1bの
上部には、制御部5によって開閉動作が制御される電動
シャッター23を備えた排気口24が、内部空気排出用
に設けられている。
【0032】該排気口24には、軸流型有圧タイプで1
9m3 /min程度の換気能力を有し、制御部5によっ
て動作が制御される換気扇25が組み合わせられてい
る。
【0033】なお、図1中、26は吸気口22に取り付
けるウェザーカバーを示し、27は排気口24に取り付
けるウェザーカバーを示している。
【0034】更に、乾燥室1の背面1cの上部には、加
熱送風部3の筒状の上部循環ダクト31が接続され、下
部には筒状の下部循環ダクト32が接続されている。
【0035】上部循環ダクト31及び下部循環ダクト3
2は、背面1c側に取り付ける非透光性ビニールシート
17に縫製によって接続されている。
【0036】そして、加熱送風部3の上部循環ダクト3
1と下部循環ダクト32との間には、軸流型で95m3
/min,15mmAq程度の能力を有し、制御部5に
よって動作が制御される送風機33と、熱交換器34
と、高圧式ガンタイプで0.85gal/h程度の能力
を有し、制御部5によって動作が制御される灯油バーナ
ー35とを収容したケース36が、取り外し可能に取り
付けられている。送風機33には、インバーター(図示
せず)を取り付け、周波数を調節して最適な風量に設定
することができる。
【0037】該ケース36には、図2に示すように、車
輪37が取り付けられており、該車輪37によって、ケ
ース36から上部循環ダクト31及び下部循環ダクト3
2を外した状態でケース36自体が移動可能となってい
る。なお、乾燥に使用しない時期には、乾燥室1及び加
熱送風部3とも分解して、保管場所に収納することがで
きる。
【0038】制御部5は、加熱送風部3と高湿時に一部
換気を行う換気扇25により設定範囲内の温湿度条件に
制御した乾燥室1内の空気の循環(運転時とする)、換
気扇25による乾燥室1内上部の換気(休止とする)
を、それぞれを2時間程度の間隔で交互に行うように、
温度、湿度、運転を制御するものである。
【0039】乾燥室1内の温度条件としては、褐変期ま
では運転時に30〜40℃で、好ましくは35℃程度に
設定し、褐変期以降は運転時に35〜60℃で、好まし
くは45℃程度に設定する。また、湿度条件は褐変期ま
では運転時に75〜90%で、好ましくは80%程度に
設定し、褐変期以降は運転時に30〜60%で、好まし
くは50%程度に設定することが望ましい。
【0040】制御部5による温度制御は、主に、乾燥室
1内の鋼板製多孔板13上に設置した温度検出端子(図
示せず)の信号により、灯油バーナー35のON−OF
Fを制御することで行う。
【0041】即ち、設定温度より乾燥室1内の温度が低
かったら灯油バーナー35をONにして点火することで
加温し、設定温度を越えたら灯油バーナー35をOFF
にして消火する。
【0042】制御部5による湿度制御は、主に、乾燥室
1内の鋼板製多孔板13上に設置した湿度検出端子(図
示せず)の信号により、排気口24側の電動シャッター
23及び換気扇25と吸気口22側の電動シャッター2
1とのON−OFFを制御することで行う。
【0043】即ち、設定湿度より乾燥室1内の湿度が高
い場合には、電動シャッター23を開き、換気扇25を
回すと共に、吸気口22側の電動シャッター21を開く
ことで、乾燥室1内の高湿の空気を排気すると共に、低
湿の外気を導入して、乾燥室1内の湿度を下げ、設定よ
り湿度が下がれば、電動シャッター23と電動シャッタ
ー21とを閉じ、換気扇25を止める。
【0044】なお、制御部5で用いる湿度検出端子とし
ては、測温抵抗体にガーゼを巻き、これに水を含ませて
湿球温度を検出するもの(変換器により乾球温度と湿球
温度から相対湿度を検出するもの)、あるいは高分子膜
湿度計や多孔質セラミック焼結体湿度計を用いることが
できる。
【0045】制御部5による運転制御は、運転と休止の
時間を独立して設定できるタイマー(図示せず)により
行う。
【0046】即ち、運転の時間には、送風機33の運転
と温湿度の制御を行い、休止時間にはこれらの動作を停
止させるが、換気扇25と電動シャッター23と電動シ
ャッター21とにのみ通電し、休止中は連続して換気す
る。この運転と休止の動作は通常運転から始まり、交互
に繰り返して乾燥を行う。
【0047】次に、上記の褐色種葉たばこ乾燥装置の使
用例について説明する。
【0048】褐色種葉たばこ乾燥装置を組み立てた後、
乾燥室1内の上段吊手18a及び下段吊手18bに、葉
たばこTを挟んだ吊具を吊り込み、正面1bの出入口の
ファスナーを閉じ、メインスイッチを入れる。なお、乾
燥室1内に吊り込む生葉の密度は、60〜150kg/
2 が可能で、好ましくは80〜90kg/m2 程度を
吊り込むことが望ましい。
【0049】通常運転状態より始め、送風機33が回り
風を加熱送風部3の下部循環ダクト32を介して鋼板製
多孔板13下に送る。
【0050】この鋼板製多孔板13の抵抗で開孔部より
均一に葉たばこT間を風が抜け、上部循環ダクト31よ
り戻ってくる。
【0051】この循環空気は、鋼板製多孔板13上に設
置した温湿度検出端子で得られた温湿度が、設定範囲内
となるように灯油バーナー35と換気扇25の運転等を
制御する。
【0052】設定した運転時間が経過したら、温湿度の
制御を停止するとともに送風機33も停止する。
【0053】この状態で乾燥室1上部に取り付けた湿度
制御用の換気扇25を運転して、上段の葉たばこTの上
部空間の換気を行う。
【0054】換気扇25は、乾燥室1内が負圧となるよ
うに取り付けることで、吊り込んだ葉たばこT間にも僅
かな空気が流れていく。
【0055】さらに、設定した休止時間が経過したなら
運転を再開し、以降メインスイッチを切るまで上記の動
作を繰り返す。
【0056】上記の褐色種葉たばこ乾燥装置によれば、
次のような作用効果を有する。
【0057】 乾燥室を断熱性の低いシート状物にし
たことと、休止中に換気扇を運転して上段上部空間の換
気を行うことで、休止中の乾燥室内の温度を外気温に近
づけられるようになった。
【0058】この換気扇の運転により葉たばこの間を僅
かながら風が通り抜ける現象もおき、断熱性のある外壁
材に変えた場合も同様の効果が得られる。
【0059】褐色種の葉たばこ乾燥で必要な変温変湿条
件が得られたことにより、品種本来の香喫味がでるとと
もに、葉たばこが柔らかくなるなどの物理性の向上が見
られる。
【0060】 運転休止時に換気扇を運転することに
より、上段葉たばこの上部空間の換気が行われて、その
部分の空気の相対湿度が低下して、上段の葉たばこの葉
元部より水分が蒸発して乾燥を促進する効果が得られ
る。
【0061】結果的に上下段間の乾燥差が縮小して、乾
燥が仕上がった乾葉の上下段の品質差が見られなくな
る。
【0062】この効果は、外気の気温が高く相対湿度の
低い日中で著しく、天井面を透明にして太陽光を利用す
ることで、さらにこれらの効果が高まる。
【0063】また、夜間においては気温の低下とともに
乾燥室内の相対湿度が飽和状態まで高まり、それが長時
間続くと葉たばこが悪変するが、換気を行うことで、高
湿の空気が滞留しなくなり、葉たばこの悪変を防止する
上に、反対に乾燥が進み過ぎた場合は、夜間の適度に湿
った空気で葉たばこが吸湿して乾燥の進みすぎを防止す
る。
【0064】 空胴病菌の増殖にともなう吊腐れの防
止についても、運転休止中の換気扇の運転による換気に
ともない、発病を著しく抑制できるとともに、発病して
いた葉たばこを吊り込んだ場合でも、その病徴の進行が
停止して品質に影響を与えることがなくなる。
【0065】また、天井面の内側に傾斜をつけて無滴タ
イプのビニールシートを取り付けることで、結露水が葉
たばこ上に滴下しなくなり、空胴病菌の増殖を助長する
ことがなくなる。
【0066】 乾燥室内側の壁面と葉たばことの間
に、通気性のあるシート状のものを設置することによ
り、葉たばこと壁面が密着することがなくなり、その部
分の悪変が見られなくなる。
【0067】
【試験例1】
【0068】発明区として上記実施例に記載の褐色種葉
たばこ乾燥装置を用い、褐色種葉たばこの乾燥を行った
試験例について説明する。
【0069】なお、対照区として、従来最も香喫味の優
れた乾葉が得られるとされている、パイプハウスと木造
乾燥室を併用した自然乾燥法により乾燥した。
【0070】試験に使用した本発明に係る褐色種葉たば
こ乾燥装置の仕様は、実施例に記載のとおりである。
【0071】また、乾燥条件は以下の設定で行った。
【0072】・設定温度:35℃ ・設定湿度:80%(相対湿度) ・乾燥室内の風速:0.25m/sec ・葉たばこ吊込み密度:生葉80kg/m2 ,2段吊り ・運転と休止時間:2時間運転で2時間休止
【0073】・その他:乾燥開始から3日間程度は、透
明ビニールの天井面から太陽光を取り入れ、太陽熱を利
用する。その後は、透明部分に遮光幕を外張りして太陽
光を遮断する。なお、遮光幕は自動開閉も可能であり、
乾燥室1内に内張りすることもできる。これは、脱水量
の減少とともに換気回数が減少し、温度の上昇を防止す
るためである。本発明に係る乾燥装置内で褐変終了まで
処理し、以後パイプハウスへ吊り替えた。
【0074】以上の条件で葉たばこを乾燥した結果を、
表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】表1から、本発明に係る乾燥装置により乾
燥期間の短縮効果は3日程度と少ないものの、乾葉の品
質については対照区より優れた結果が得られた。
【0077】これは、本発明の装置が乾葉の品質に影響
の大きい褐変期を安定した条件下で乾燥できたことによ
ると言える。
【0078】
【試験例2】
【0079】本試験例では、発明区として本発明に係る
乾燥装置を用いて、本発明に係る乾燥装置内で乾燥終了
まで乾燥を行った試験について説明する。
【0080】対照区については、前記の試験例1と同様
に、従来最も香喫味の優れた乾葉が得られるとされてい
る、パイプハウスと木造乾燥を併用した自然乾燥法によ
り乾燥した。
【0081】また、乾燥条件については、褐変終了まで
は試験例1と同様であるが、それ以降については以下の
とおりとした。
【0082】・設定温度:45℃ ・設定湿度:50%(相対湿度) ・乾燥室内の風速:0.15m/sec ・運転と休止時間:日中は2時間運転で2時間休止、日
没以降は休止
【0083】・その他:天井面に外張りした遮光幕を外
し、透明ビニールの天井面から太陽光を取り入れ、太陽
熱を利用する。
【0084】以上の条件で葉たばこを乾燥した結果を、
表2に示す。
【0085】
【表2】
【0086】表2から、本発明に係る乾燥装置により乾
燥期間が対照区の半分に短縮されたほか、乾葉の品質に
ついては対照区とほぼ同等の結果が得られた。
【0087】また、気温の低くなる夜間を休止している
ことと太陽熱を利用しているため燃料の消費量も少なく
て済んだ。
【0088】
【試験例3】
【0089】実施例1に記載した本発明に係る褐色種葉
たばこ乾燥装置と、25mm厚の発泡ウレタンボードを
カラー鉄板で挟んで製作したパネルを、天井面と各側面
の計5面に使用した従来のパネル型の乾燥装置とを用い
て、前述の試験例2に示した設定条件と同一条件下で間
欠乾燥を行ない、試験中の乾燥室内の温度とその時の外
気温を調べた。
【0090】図3に、従来のパネル型の乾燥装置での温
度経過をグラフで示し、図4に、本発明に係る装置での
温度経過をグラフで示した。
【0091】なお、図3及び図4中、破線は乾燥室内の
温度を示し、実線は外気温を示しており、縦軸が温度を
表し、横軸が乾燥開始からの経過時間を表している。
【0092】また、図3中の上段に、運転中を太実線で
表し、休乾(休止)中を細実線で表した。
【0093】図3を見ると、外気の温度が低くなって
も、運転休止中の乾燥室内の温度はあまり変化せず、自
然乾燥での変温条件が取れていない。
【0094】これに対して、図4を見ると、運転休止時
後半には外気の温度近くまで乾燥室内の温度が下がり、
自然乾燥を行った場合の変温現象が乾燥装置内で再現で
きている。
【0095】
【試験例4】
【0096】実施例1に記載した本発明に係る褐色種葉
たばこ乾燥装置と、25mm厚の発泡ウレタンボードを
カラー鉄板で挟んで製作したパネルを、天井面と各側面
の計5面に使用した従来のパネル型の乾燥装置とを用い
て、前述の試験例2に示した設定条件と同一条件下で間
欠乾燥を行ない、各々について、乾燥した時の葉重比の
上下段差を求め、図5に示した。
【0097】ここで、葉重比とは、乾燥開始時点の生葉
の重さを100とした時の乾燥中のたばこ葉の重さの比
を求めたもので、脱水の程度を表す。
【0098】また、上下段差とは、2段吊りした葉たば
この葉重比を求めて、上段の葉重比から下段の葉重比を
差し引いた値を示す。
【0099】図5中、縦軸は葉重比の上下段差を表し、
横軸は乾燥開始からの経過日数を表している。
【0100】図5を見ると、従来のパネル型の乾燥装置
を用いて間欠乾燥を行った場合は、最大で13%と上下
段差が大きいのに対して、本発明に係る乾燥装置を用い
て間欠乾燥を行った場合は、最大でも3%と上下段差が
僅かであった。
【0101】
【発明の効果】
【0102】本発明の褐色種葉たばこ乾燥装置で、葉た
ばこの間欠乾燥を行なっても、品種本来の良好な香喫味
を持つ乾葉が得られる。吊り込み位置による乾葉の上下
段の品質差が見られず、さらに空胴病菌の病徴の進行と
伝染及び結露水による被害の拡大を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の褐色種葉たばこ乾燥装置の一実施例の
概略側面図
【図2】本発明の褐色種葉たばこ乾燥装置の一実施例の
斜視図
【図3】従来のパネル型の乾燥装置での温度経過を示す
グラフ
【図4】本発明に係る乾燥装置での温度経過を示すグラ
【図5】従来のパネル型の乾燥装置及び本発明に係る乾
燥装置での乾燥した時の葉重比の上下段差を示すグラフ
【符号の説明】
T 葉たばこ 1 乾燥室 1a 天井面 1b 正面 1c 背面 1d 側面 3 加熱送風部 5 制御部 11 防水シート 12 鋼板製枠体 13 鋼板製多孔板 14 スチールパイプ 15 ガード鋼板 16 透明ビニールシート 17 非透光性ビニールシート 18a 上段吊手 18b 下段吊手 19 遮光幕 21 電動シャッター 22 吸気口 23 電動シャッター 24 排気口 25 換気扇 26 ウェザーカバー 27 ウェザーカバー 31 上部循環ダクト 32 下部循環ダクト 33 送風機 34 熱交換器 35 灯油バーナー 36 ケース 37 車輪

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天井面を透明素材のシート状物で形成
    し、側面を非透明素材のシート状物で形成し、内部に葉
    たばこを上下二段に吊り下げる吊手を設けると共に、対
    向する一方の側面上部に外気取入用の開閉可能な吸気口
    を設け、他方の側面上部に内部空気排出用の開閉可能な
    排気口及び該排気口に組み合わせる換気扇を設けた乾燥
    室に、 乾燥室の上部循環ダクトから取り入れた乾燥室内の空気
    を、乾燥室の下部循環ダクトから乾燥室内に加熱送風す
    る加熱送風部と、 加熱送風部と高湿度時に一部換気する換気扇により、設
    定範囲内の温湿度条件に制御した乾燥室内の空気を循環
    させる運転、換気扇による乾燥室内の換気を行う休止
    を、交互に行うように制御する制御部とを備えた、褐色
    種葉たばこ乾燥装置。
  2. 【請求項2】 乾燥室が、パイプの組み合わせによる骨
    組みに、シート状物を取り付けたものである、請求項1
    記載の褐色種葉たばこ乾燥装置。
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