JPH06327420A - コンニャクの製造方法 - Google Patents
コンニャクの製造方法Info
- Publication number
- JPH06327420A JPH06327420A JP5123885A JP12388593A JPH06327420A JP H06327420 A JPH06327420 A JP H06327420A JP 5123885 A JP5123885 A JP 5123885A JP 12388593 A JP12388593 A JP 12388593A JP H06327420 A JPH06327420 A JP H06327420A
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- JP
- Japan
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- konjak
- organic acid
- water
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 製造工程に大幅な変更を加えずに、全体のp
Hを調整して中心部からアルカリ性を除くことができる
ようにし、食味の優れたコンニャクを製造する。 【構成】 膨潤工程において、コンニャク精粉に対し
水を加え軽く攪拌し、コンニャク精粉と水層が分離しな
くなるゾル化時に、常温で水不溶性でありアルカリ性物
質に侵されにくく加熱によって溶解するよう保護処理さ
れた有機酸を加え、攪拌して均一に分散させ、その後放
置してコンニャク精粉を十分に膨潤させる。次に、ア
ルカリ処理工程において、アルカリ性の凝固剤を加えて
良く練り合わせ、型箱に取って成形する。そして、加
熱工程において、熱水もしくは蒸し器で加熱する。この
際、加熱によって有機酸の保護膜が破壊され、有機酸が
コンニャク中に溶けだし、これにより、アルカリ性の凝
固剤との中和反応が行なわれ、コンニャクのpHが調整
される。
Hを調整して中心部からアルカリ性を除くことができる
ようにし、食味の優れたコンニャクを製造する。 【構成】 膨潤工程において、コンニャク精粉に対し
水を加え軽く攪拌し、コンニャク精粉と水層が分離しな
くなるゾル化時に、常温で水不溶性でありアルカリ性物
質に侵されにくく加熱によって溶解するよう保護処理さ
れた有機酸を加え、攪拌して均一に分散させ、その後放
置してコンニャク精粉を十分に膨潤させる。次に、ア
ルカリ処理工程において、アルカリ性の凝固剤を加えて
良く練り合わせ、型箱に取って成形する。そして、加
熱工程において、熱水もしくは蒸し器で加熱する。この
際、加熱によって有機酸の保護膜が破壊され、有機酸が
コンニャク中に溶けだし、これにより、アルカリ性の凝
固剤との中和反応が行なわれ、コンニャクのpHが調整
される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンニャクの製造方法
に係り、特に、工程を煩雑にすることなくpHを調整す
ることにより、コンニャクの食味の改善を図ったコンニ
ャクの製造方法に関する。
に係り、特に、工程を煩雑にすることなくpHを調整す
ることにより、コンニャクの食味の改善を図ったコンニ
ャクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンニャクの製造方法は、図3に
示すように、コンニャク芋またはコンニャク精粉中にあ
るグルコマンナンに水を加えて十分膨潤させる膨潤工程
と、膨潤したグルコマンナンにアルカリ性の凝固剤を加
えるアルカリ処理工程と、その後加熱する加熱工程とを
備えている。
示すように、コンニャク芋またはコンニャク精粉中にあ
るグルコマンナンに水を加えて十分膨潤させる膨潤工程
と、膨潤したグルコマンナンにアルカリ性の凝固剤を加
えるアルカリ処理工程と、その後加熱する加熱工程とを
備えている。
【0003】具体的には、コンニャク精粉を20〜50
倍の水に数時間浸漬し、膨潤したコンニャク精粉をゆっ
くり攪拌し糊状にし、攪拌しながら適当量の石灰水を徐
々に加えた後、型枠に入れ加熱凝固を行ない、弾力のあ
る熱不可逆性ゲルからなるコンニャクを得るようにして
いる。
倍の水に数時間浸漬し、膨潤したコンニャク精粉をゆっ
くり攪拌し糊状にし、攪拌しながら適当量の石灰水を徐
々に加えた後、型枠に入れ加熱凝固を行ない、弾力のあ
る熱不可逆性ゲルからなるコンニャクを得るようにして
いる。
【0004】アルカリ処理及び加熱による反応機構は、
分子中のわずかな側鎖に存在するアセチル基が強アルカ
リ性の作用で脱離し、残った鎖状のグルコマンナンが水
素結合により網目構造の会合体になることやカルシウム
の架橋によるとされている。
分子中のわずかな側鎖に存在するアセチル基が強アルカ
リ性の作用で脱離し、残った鎖状のグルコマンナンが水
素結合により網目構造の会合体になることやカルシウム
の架橋によるとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
して得られたコンニャクは保水性に富む強固なゲルを形
成しているが、アルカリ処理を行なうことから、コンニ
ャクの内部はpH11〜pH12のアルカリ性の範囲に
あり、そのため、コンニャクは弾性や堅さ等の食感が独
特のものとして好まれているが、一般的に好ましい食味
をもたらすpHとはなっていず、独特の収斂味があると
いう問題があった。
して得られたコンニャクは保水性に富む強固なゲルを形
成しているが、アルカリ処理を行なうことから、コンニ
ャクの内部はpH11〜pH12のアルカリ性の範囲に
あり、そのため、コンニャクは弾性や堅さ等の食感が独
特のものとして好まれているが、一般的に好ましい食味
をもたらすpHとはなっていず、独特の収斂味があると
いう問題があった。
【0006】このため、上記の収斂味を消すために、例
えば、おでん等の調理の際には、味噌や酢など緩衝作用
を持つ調味料を用いアルカリ性を中和するような調理法
を用いている。
えば、おでん等の調理の際には、味噌や酢など緩衝作用
を持つ調味料を用いアルカリ性を中和するような調理法
を用いている。
【0007】また、従来から、好ましい食味を得るため
に、伝統的に凝固後水さらしを行ない、アクぬきを行な
うことが行なわれているが、中心部からアルカリ性を除
くことは至難であり、効果的にpHを調整するに至って
いない。
に、伝統的に凝固後水さらしを行ない、アクぬきを行な
うことが行なわれているが、中心部からアルカリ性を除
くことは至難であり、効果的にpHを調整するに至って
いない。
【0008】近年コンニャクが、人間の消化管内では消
化吸収されずにそのまま排泄され栄養価が極めて低いこ
とや、便通を良くする整腸作用に注目され、その利用方
法や凝固方法が検討され、アク味のしない凝固剤等が工
夫されているが、凝固にはアルカリ性の凝固剤がなけれ
ばならず、加熱凝固過程で風味づけを行おうとしても、
酸性では凝固せず、醤油等での味付けはできない。その
ため新規食品への用途拡大には限界があった。
化吸収されずにそのまま排泄され栄養価が極めて低いこ
とや、便通を良くする整腸作用に注目され、その利用方
法や凝固方法が検討され、アク味のしない凝固剤等が工
夫されているが、凝固にはアルカリ性の凝固剤がなけれ
ばならず、加熱凝固過程で風味づけを行おうとしても、
酸性では凝固せず、醤油等での味付けはできない。その
ため新規食品への用途拡大には限界があった。
【0009】そこで、本発明の目的は、製造工程に大幅
な変更を加えずに、全体のpHを調整して中心部からア
ルカリ性を除くことができるようにし、食味の優れたコ
ンニャクの製造方法を提供することにある。
な変更を加えずに、全体のpHを調整して中心部からア
ルカリ性を除くことができるようにし、食味の優れたコ
ンニャクの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため、本発明は、グルコマンナンに水を加えて膨潤さ
せる膨潤工程と、膨潤したグルコマンナンにアルカリ性
の凝固剤を加えるアルカリ処理工程と、その後加熱する
加熱工程とを備えたコンニャクの製造方法において、上
記膨潤工程で、加熱によって溶解するよう保護処理され
た有機酸を加えたものである。
るため、本発明は、グルコマンナンに水を加えて膨潤さ
せる膨潤工程と、膨潤したグルコマンナンにアルカリ性
の凝固剤を加えるアルカリ処理工程と、その後加熱する
加熱工程とを備えたコンニャクの製造方法において、上
記膨潤工程で、加熱によって溶解するよう保護処理され
た有機酸を加えたものである。
【0011】そして、上記膨潤工程で、上記保護処理さ
れた有機酸を、グルコマンナンと水とが分離しなくなる
ゾル化時に加えることが有効である。
れた有機酸を、グルコマンナンと水とが分離しなくなる
ゾル化時に加えることが有効である。
【0012】原料としてのグルコマンナンは、コンニャ
ク芋からの調製物又はコンニャク精粉からのどちらでも
かまわない。有機酸の種類はクエン酸、フマル酸、リン
ゴ酸、酒石酸など食品添加物として許可されたもので、
天然、合成を問わない。但し、グルコマンナンゲル内の
中和反応速度を早めるためには分子量の小さい有機酸が
望ましい。有機酸の保護方法は、水温が常温程度ではそ
の形態が固体でありアルカリ性物質に侵されにくい性質
を持ち、60℃以上ではその形態が液化する物質を用い
て有機酸の保護膜を形成すれば良い。但し、グルコマン
ナン膨潤物内での分散を良くするためにはできるかぎり
微粒子化が望ましい。凝固剤としては、Ca(OH)
2 ,KOH,NaOH,CaCO3 ,K2 CO3 ,Na
2 CO3 ,NaHCO3 の単独又は混合したものであ
る。
ク芋からの調製物又はコンニャク精粉からのどちらでも
かまわない。有機酸の種類はクエン酸、フマル酸、リン
ゴ酸、酒石酸など食品添加物として許可されたもので、
天然、合成を問わない。但し、グルコマンナンゲル内の
中和反応速度を早めるためには分子量の小さい有機酸が
望ましい。有機酸の保護方法は、水温が常温程度ではそ
の形態が固体でありアルカリ性物質に侵されにくい性質
を持ち、60℃以上ではその形態が液化する物質を用い
て有機酸の保護膜を形成すれば良い。但し、グルコマン
ナン膨潤物内での分散を良くするためにはできるかぎり
微粒子化が望ましい。凝固剤としては、Ca(OH)
2 ,KOH,NaOH,CaCO3 ,K2 CO3 ,Na
2 CO3 ,NaHCO3 の単独又は混合したものであ
る。
【0013】
【作用】このような構成からなるコンニャクの製造方法
によれば、あらかじめグルコマンナン膨潤物内に、常温
で水に不溶なアルカリ性物質に侵されにくい物質で保護
処理を施した有機酸が分散され、アルカリ性の凝固剤を
加えた後加熱する際に、加熱によって保護処理された有
機酸の保護作用が失われ、この有機酸によりアルカリ性
の凝固剤との中和反応が行なわれていく。そのため、コ
ンニャクの弾性や堅さはそのままで、コンニャク内部ま
でpHが調整される。
によれば、あらかじめグルコマンナン膨潤物内に、常温
で水に不溶なアルカリ性物質に侵されにくい物質で保護
処理を施した有機酸が分散され、アルカリ性の凝固剤を
加えた後加熱する際に、加熱によって保護処理された有
機酸の保護作用が失われ、この有機酸によりアルカリ性
の凝固剤との中和反応が行なわれていく。そのため、コ
ンニャクの弾性や堅さはそのままで、コンニャク内部ま
でpHが調整される。
【0014】保護処理された有機酸を加えるに当たって
は、グルコマンナンに水を加えて膨潤させる膨潤工程に
おいて、軽く攪拌しながら水層とグルコマンナンが分離
しなくなるゾル化時に加えることが、グルコマンナン膨
潤物に悪影響を与えずに有機酸の均一な分散を得ること
ができ、有効である。即ち、十分に膨潤しきった粘度が
高まった時点から有機酸を加えて均一な分散を得ること
は、長時間の攪拌を要し、攪拌に依るグルコマンナン分
子の破壊を引き起こし品質に悪影響を与える。アルカリ
性の凝固剤を加える時点で同時に有機酸を加えた場合に
は、有機酸の保護膜が侵され易く、予め有機酸を均一に
分散させてから加えた場合に比べ良い結果は得られな
い。また、コンニャク精粉を用いて、保護された有機酸
とコンニャク精粉を最初に混合して膨潤させた場合、混
合に依って有機酸の保護膜が破壊され易い。したがって
保護された有機酸を特定の時点で加えることによって問
題を有利に解決できるのである。
は、グルコマンナンに水を加えて膨潤させる膨潤工程に
おいて、軽く攪拌しながら水層とグルコマンナンが分離
しなくなるゾル化時に加えることが、グルコマンナン膨
潤物に悪影響を与えずに有機酸の均一な分散を得ること
ができ、有効である。即ち、十分に膨潤しきった粘度が
高まった時点から有機酸を加えて均一な分散を得ること
は、長時間の攪拌を要し、攪拌に依るグルコマンナン分
子の破壊を引き起こし品質に悪影響を与える。アルカリ
性の凝固剤を加える時点で同時に有機酸を加えた場合に
は、有機酸の保護膜が侵され易く、予め有機酸を均一に
分散させてから加えた場合に比べ良い結果は得られな
い。また、コンニャク精粉を用いて、保護された有機酸
とコンニャク精粉を最初に混合して膨潤させた場合、混
合に依って有機酸の保護膜が破壊され易い。したがって
保護された有機酸を特定の時点で加えることによって問
題を有利に解決できるのである。
【0015】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明の実施例に
ついて説明する。図1には、本発明の実施例に係るコン
ニャクの製造方法の工程図を示している。
ついて説明する。図1には、本発明の実施例に係るコン
ニャクの製造方法の工程図を示している。
【0016】膨潤工程 コンニャク精粉1重量部に対し水30〜50重量部を加
え軽く攪拌しながら、コンニャク精粉と水層が分離しな
くなった時点で、常温で水不溶性でありアルカリ性物質
に侵されにくいような保護処理を行なった有機酸を、ア
ルカリ性の凝固剤に対し等規定となるような割合で少量
の水に懸濁して加え攪拌し、均一に分散させる。その
後、常温ならば2〜3時間、40℃の温水ならば30〜
80分間放置してコンニャク精粉を十分に膨潤させる。
え軽く攪拌しながら、コンニャク精粉と水層が分離しな
くなった時点で、常温で水不溶性でありアルカリ性物質
に侵されにくいような保護処理を行なった有機酸を、ア
ルカリ性の凝固剤に対し等規定となるような割合で少量
の水に懸濁して加え攪拌し、均一に分散させる。その
後、常温ならば2〜3時間、40℃の温水ならば30〜
80分間放置してコンニャク精粉を十分に膨潤させる。
【0017】アルカリ処理工程 アルカリ性の凝固剤をコンニャク精粉に対して5〜10
%の範囲で少量の水に懸濁して加え、良く練り合わせた
ら、ただちに型箱に取って成形する。
%の範囲で少量の水に懸濁して加え、良く練り合わせた
ら、ただちに型箱に取って成形する。
【0018】加熱工程 その後、熱水で加熱、もしくは蒸し器で加熱する。この
際、加熱によって保護膜が破壊され、有機酸がコンニャ
ク中に溶けだし、アルカリ性の凝固剤と中和反応を行な
いコンニャクのpHを調整する。この様にして得られた
コンニャクは、好ましい食味を感ずるpHとなり、収斂
味のない優れた風味を持っている。
際、加熱によって保護膜が破壊され、有機酸がコンニャ
ク中に溶けだし、アルカリ性の凝固剤と中和反応を行な
いコンニャクのpHを調整する。この様にして得られた
コンニャクは、好ましい食味を感ずるpHとなり、収斂
味のない優れた風味を持っている。
【0019】尚、実施例においては、調味の効率化や物
性の改良等のために、澱粉、蛋白、油脂、香辛料等の食
品資材を単独又は併用で添加しコンニャクを調整しても
良い。即ち、従来では醤油等の味付けは困難であった
が、pHが調整されることから、調味料あるいは香辛料
あるいは色素などを加えて、味付けコンニャクを製造す
ることが可能になり、コンニャクの応用範囲の広がりが
大いに期待される。
性の改良等のために、澱粉、蛋白、油脂、香辛料等の食
品資材を単独又は併用で添加しコンニャクを調整しても
良い。即ち、従来では醤油等の味付けは困難であった
が、pHが調整されることから、調味料あるいは香辛料
あるいは色素などを加えて、味付けコンニャクを製造す
ることが可能になり、コンニャクの応用範囲の広がりが
大いに期待される。
【0020】次に、具体的な実施物を、従来法による対
照物との比較において説明する。実施物を以下のように
製造した。即ち、コンニャク精粉1重量部に対し、水4
0重量部を加え、軽く攪拌しながらコンニャク精粉と水
層が良く混じり合った時点で保護処理された有機酸(コ
ートフマル酸)0.2重量部を水2重量部に懸濁して加
え、均一になるよう攪拌し常温(20℃)で2時間放置
した。なお、保護された有機酸として、上野製薬株式会
社のコートフマル酸FL−60を用いた。
照物との比較において説明する。実施物を以下のように
製造した。即ち、コンニャク精粉1重量部に対し、水4
0重量部を加え、軽く攪拌しながらコンニャク精粉と水
層が良く混じり合った時点で保護処理された有機酸(コ
ートフマル酸)0.2重量部を水2重量部に懸濁して加
え、均一になるよう攪拌し常温(20℃)で2時間放置
した。なお、保護された有機酸として、上野製薬株式会
社のコートフマル酸FL−60を用いた。
【0021】次いで水酸化カルシウムをコンニャク精粉
に対し0.1重量部を水8重量部に懸濁して膨潤物に加
え、良く練り合わせてから厚さ3cmとなるように型箱に
取り、常温で30分放置した。
に対し0.1重量部を水8重量部に懸濁して膨潤物に加
え、良く練り合わせてから厚さ3cmとなるように型箱に
取り、常温で30分放置した。
【0022】その後、90℃の熱水に移して30分間加
熱した後、取り出して水に放置した。
熱した後、取り出して水に放置した。
【0023】配合例 コンニャク精粉 5.0g 水 250.0ml コートフマル酸 1.0g 水酸化カルシウム 0.5g 合計 256.5g
【0024】この方法によるpHの変化は図2のとおり
である。膨潤時のpHは保護された有機酸を加えた時点
には、有機酸を加えない対照に比べて約0.4低下した
が、凝固剤(水酸化カルシウム)を加えた時点では、対
照に比べてほぼ変わりなかった。所期の目的である膨潤
時とアルカリ添加時での、有機酸の保護が達成されてい
ると思われる。加熱後のpHは明らかに差がでており、
加熱過程で保護皮膜が溶解し、有機酸による中和が起き
たと思われる。この様にして得られたコンニャクはアル
カリ性にともなう収斂味もなく、対照に比較して非常に
食味が良かった。
である。膨潤時のpHは保護された有機酸を加えた時点
には、有機酸を加えない対照に比べて約0.4低下した
が、凝固剤(水酸化カルシウム)を加えた時点では、対
照に比べてほぼ変わりなかった。所期の目的である膨潤
時とアルカリ添加時での、有機酸の保護が達成されてい
ると思われる。加熱後のpHは明らかに差がでており、
加熱過程で保護皮膜が溶解し、有機酸による中和が起き
たと思われる。この様にして得られたコンニャクはアル
カリ性にともなう収斂味もなく、対照に比較して非常に
食味が良かった。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のコンニャ
クの製造方法によれば、従来の製造工程を変えることな
く、加熱により機能する有機酸によりアルカリ性の凝固
剤との中和反応を行なわせることができるので、コンニ
ャクの弾性や堅さをそのまま維持しつつ、全体のpHを
調整して中心部からアルカリ性を除くことができ、その
ため、風味を向上させ食味の優れたコンニャクを提供す
ることができる。
クの製造方法によれば、従来の製造工程を変えることな
く、加熱により機能する有機酸によりアルカリ性の凝固
剤との中和反応を行なわせることができるので、コンニ
ャクの弾性や堅さをそのまま維持しつつ、全体のpHを
調整して中心部からアルカリ性を除くことができ、その
ため、風味を向上させ食味の優れたコンニャクを提供す
ることができる。
【0026】また、pHを調整することにより各種味付
けコンニャクの製造を可能にすることができ、コンニャ
クの利便性を向上させるだけでなく、製品上での付加価
値の向上につながるものであり経済的にも極めて有利に
なり、コンニャクの応用範囲の広がりを大いに期待でき
るようになる。このほか、pHを調整し、各種栄養素を
含んだ植物培地としての利用も考えられコンニャクの利
用方法を大きく展開させる製造方法となる。
けコンニャクの製造を可能にすることができ、コンニャ
クの利便性を向上させるだけでなく、製品上での付加価
値の向上につながるものであり経済的にも極めて有利に
なり、コンニャクの応用範囲の広がりを大いに期待でき
るようになる。このほか、pHを調整し、各種栄養素を
含んだ植物培地としての利用も考えられコンニャクの利
用方法を大きく展開させる製造方法となる。
【0027】また、膨潤工程で、保護処理された有機酸
を、グルコマンナンと水とが分離しなくなるゾル化時に
加えた場合には、混合による有機酸の保護膜を破壊しに
くくするとともに、グルコマンナン膨潤物に悪影響を与
えずに有機酸の均一な分散を得ることができ、確実に全
体のpHを調整して中心部からアルカリ性を除くことが
できるという効果がある。
を、グルコマンナンと水とが分離しなくなるゾル化時に
加えた場合には、混合による有機酸の保護膜を破壊しに
くくするとともに、グルコマンナン膨潤物に悪影響を与
えずに有機酸の均一な分散を得ることができ、確実に全
体のpHを調整して中心部からアルカリ性を除くことが
できるという効果がある。
【図1】本発明の実施例に係るコンニャクの製造方法を
示す工程図である。
示す工程図である。
【図2】本発明の実施物と従来法による対照物とのpH
の変化の比較を示す表である。
の変化の比較を示す表である。
【図3】従来のコンニャクの製造方法の一例を示す工程
図である。
図である。
【符号の説明】 膨潤工程 アルカリ処理工程 加熱工程
Claims (2)
- 【請求項1】 グルコマンナンに水を加えて膨潤させる
膨潤工程と、膨潤したグルコマンナンにアルカリ性の凝
固剤を加えるアルカリ処理工程と、その後加熱する加熱
工程とを備えたコンニャクの製造方法において、上記膨
潤工程で、加熱によって溶解するよう保護処理された有
機酸を加えたことを特徴とするコンニャクの製造方法。 - 【請求項2】 上記保護処理された有機酸を、グルコマ
ンナンと水とが分離しなくなるゾル化時に加えることを
特徴とする請求項1記載のコンニャクの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5123885A JPH06327420A (ja) | 1993-05-26 | 1993-05-26 | コンニャクの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5123885A JPH06327420A (ja) | 1993-05-26 | 1993-05-26 | コンニャクの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06327420A true JPH06327420A (ja) | 1994-11-29 |
Family
ID=14871780
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5123885A Pending JPH06327420A (ja) | 1993-05-26 | 1993-05-26 | コンニャクの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06327420A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11215958A (ja) * | 1997-11-21 | 1999-08-10 | Sono Kosakusho:Kk | こんにゃく食品及びその製造方法 |
-
1993
- 1993-05-26 JP JP5123885A patent/JPH06327420A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11215958A (ja) * | 1997-11-21 | 1999-08-10 | Sono Kosakusho:Kk | こんにゃく食品及びその製造方法 |
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