JPH06325451A - フロッピーディスク駆動装置のチャッキング機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】フロッピーディスク駆動装置に用いられるチャ
ッキング装置において、ドライブピンがフロッピーディ
スクにより回転子に押し込まれてもチャッキング装置の
いずれの部分も、モータの固定子と接触することがない
新規なフロッピーディスク駆動装置のチャッキング機構
を提供すること。 【構成効果】ドライブピンを支持しているばね板には折
り目部が形成され、ドライブピンが押し込まれる方向と
反対方向にばね板が“く”字状に折曲げられているの
で、ドライブピンの頭部が回転円板の表面と同一面に迄
押し込まれた時、ばね板の折り目部から先端まで部分
は、軸受基体の上面とほぼ平行になる。このためフロッ
ピーディスク駆動装置に用いられる従来と同じ薄さの構
造を持つモータにおいて、ドライブピンがフロッピーデ
ィスクにより回転子に従来と同じ寸法だけ押し込まれて
もチャッキング装置のいずれの部分も、モータの固定子
と接触することがない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、フロッピーディスク駆
動装置のチャッキング機構に関し、特に薄型に形成され
たフロッピーディスク駆動装置に適用して好適なフロッ
ピーディスク駆動装置のチャッキング機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】

【０００３】フロッピーディスク駆動装置はフロッピー
ディスクの交換が自在で取扱も簡単なことから、コンピ
ュータの外部記憶装置として多用されている。最近のコ
ンピュータはダウンサイジングの傾向にあり、マイクロ
コンピュータに内挿されているフロッピーディスク駆動
装置もこの傾向に追従せざるを得ない状態になってい
る。特に、厚み方向に対するダウンサイジング化の要求
は厳しく、とりわけフロッピーディスクを回転させるモ
ータは数ミリメータの厚みしか許されない。

【０００４】ところで、上記のフロッピーディスクを回
転させるモータは、フロッピーディスク駆動装置の基板
上に、中心から外方に向かって複数本の凸極を設けた薄
い固定子磁極を貼り付け、該固定子磁極の中心に於いて
回転自在に軸承される薄い皿型の円板の外周縁に設けた
永久磁石を固定子磁極を構成する凸極の先端に望ませた
回転子を構成し、該複数の凸極に回転磁界を発生させて
回転子を回転させるように構成されている。

【０００５】上記回転子の表面には、この表面から内部
に押し込めることができるチャッキングピンが突出して
おり、フロッピーディスク駆動装置に３．５インチのフ
ロッピーディスクが挿入されると、該フロッピーディス
クは上記回転子の表面に突出しているドライブピンを押
し込めながら所定位置迄スライドし、フロッピーディス
クが定位置に納まるとモータは回転を始める。前記ドラ
イブピンはフロッピーディスク内に回転自在に設けられ
た媒体保持板により回転子の内部に押し込められなが
ら、フロッピーディスクの媒体保持板の表面を辷って行
き、フロッピーディスクの媒体保持板に明けられた係合
穴とドライブピンとが一致すると、該ドライブピンが回
転子の表面に突出して媒体保持板の係合穴に係合し、以
後ドライブピンがフロッピーディスクの媒体保持板と磁
気媒体を連れ回ってこれを回転させる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のフロッピー
ディスク駆動装置は、フロッピーディスクを回転させる
過度期にフロッピーディスクによりドライブピンが回転
子の内部に押し込まれるが、電動機が薄く構成されてい
るため、押し込まれたドライブピンを支えているばね板
がモータの固定子に接触して、固定子の端子部などを破
損させるという不都合なことが起こる。

【０００７】本発明は、上述のような従来の欠点を改善
しようとするものであり、その目的は、フロッピーディ
スク駆動装置に用いられる従来と同じ薄さの構造を持つ
モータにおいて、ドライブピンがフロッピーディスクに
より回転子に従来と同じ寸法だけ押し込まれてもチャッ
キング装置のいずれの部分も、モータの固定子部分と接
触することがない新規なフロッピーディスク駆動装置の
チャッキング機構を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記のような本発明の目
的を達成するために、本発明は、フロッピーディスク駆
動装置の基板に固定された固定子に対して回転自在に設
けられた回転子となる回転円板にばね板を介してドライ
ブピンが取付られ、該ドライブピンがばね力により回転
円板に設けられた穴から出入自在に突出しているフロッ
ピーディスク駆動装置のチャッキング機構において、ド
ライブピンを支持しているばね板には折り目部が形成さ
れ、ドライブピンが押し込まれる方向と反対方向にばね
板が“く”字状に折曲げられていることを特徴とするフ
ロッピーディスク駆動装置のチャッキング機構を提供す
るものである。

【０００９】

【作用】ドライブピンの頭部が回転円板の表面と同一面
に迄押し込まれた時、ばね板の折り目部から先端まで部
分は、軸受基体の上面とほぼ平行になる。このためフロ
ッピーディスク駆動装置に用いられる従来と同じ薄さの
構造を持つモータにおいて、ドライブピンがフロッピー
ディスクにより回転子に従来と同じ寸法だけ押し込まれ
てもチャッキング装置のいずれの部分も、モータの固定
子と接触することがない。

【００１０】

【実施例】次に本発明の一実施例を、図面を用いて詳細
に説明する。図１は本発明に係るフロッピーディスク駆
動装置のチャッキング機構を備えた薄型モータの断面図
である。同図において、１はフロッピーディスク駆動装
置を構成する基板であり、鉄などの強磁性体からなる。
該基板１には円孔２が穿たれ、この円孔２内には軸受基
体３が嵌め込まれ、ねじ４により基板１に固定されてい
る。軸受基板４には２個のボールベアリング５、６が固
着されている。７は回転子を構成するとともにフロッピ
ーディスクを回転する回転円板であり、薄い円形の皿状
を呈している。回転円板７の外周８の内側にはリング状
の永久磁石からなる回転磁極９が固定されている。また
外周８の下部には、廻転円板７の回転位置を検出する位
置検出用永久磁石１０が固定されている。

【００１１】回転円板７の中心部には真ちゅう製の回転
軸取付板１１が固定されており、該回転軸取付板１１の
中心には、回転軸１２が固着されている。回転軸１２は
ボールベアリング１、６に回転自在に取付けられてい
る。回転円板７には穴１３が明けられており、図２にも
示すように、該穴１３からドライブピン１４が突出して
いる。該ドライブピン１４は、図３にも示すように、回
転円板７の裏面にその一端を固定されているばね板１５
の他方端に固定されている。図３に示すように、ばね板
１５は取付基部１６とこれに続くアーム部１７とその先
端にＵ字型をしたドライブピン取付部１８とを有し、該
ドライブピン取付部１８にドライブピン１４がかしめ付
けられている。取付基部１５は回転円板７の裏面にリベ
ット１９により固定されている。アーム部１７には折り
目部２０が形成されている。この折り目部２０により折
曲げられることにより、アーム部１７はく字型に折曲が
っている。なお、図１において、２１は固定子磁極であ
り、２２は固定子捲線、２３は合成樹脂製の固定子枠で
ある。回転円板７の表面には回転軸１２を中心として吸
引磁石２４が貼り付けられている。

【００１２】次に本発明の動作について説明する。図４
はフロッピーディスク駆動装置にフロッピーディスクが
挿入されていない状態を示す断面図である。この状態で
は、ドライブピン１４が回転円板７の穴１３から上部に
突出している状態を示している。なお、ここで、フロッ
ピーディスクがフロッピーディスク駆動装置に挿入され
ると、ドライブピン１４は挿入して来たフロッピーディ
スクに押されて図５に示す位置迄引き込められる。フロ
ッピーディスクが所定の位置に落ち着くと、回転円板７
の表面に貼着されている吸引磁石２４が強磁性体金属板
からなるフロッピーディスクの媒体保持板２５を軽く吸
引すると同時に回転円板７は回転を始める。

【００１３】吸引磁石２４の吸引力は弱いため、回転円
板７が廻転しても、これがフロッピーディスクの媒体を
回転させることはできず、従って、ドライブピン１４の
先端は媒体保持板２５の表面を辷る。このとき、ドライ
ブピン１４を支持しているばね板１５には折り目部２０
が形成され、ドライブピン１４が押し込まれる方向と反
対方向にばね板１５が“く”字状に折曲げられているの
で、ドライブピン１４の頭部１４’が回転円板の表面と
同一面に迄押し込まれた時、ばね板１５の折り目部２０
から先端までの部分は、軸受基体３の上面３’とほぼ平
行になる。なお図５において、点線で従来のドライブピ
ンが押し込まれたばね板の位置を示す。図５から明確に
分かるように、ばね板１５に折り目部２０を設けている
ので、ばね板１５の先端部が従来のものより距離“Ｄ”
だけ下方に下がらず、ばね板の先端が振動しても軸受基
体と接触することがない。

【００１４】上述のように回転円板７が回転し、ドライ
ブピン１４が媒体保持板２５を辷って行くと、図６に示
すように、媒体保持板２５に明けられたチャッキング穴
２６とドライブピン１４とが一致する。この時、ばね板
１５のばね力によりドライブピン１４がチャッキング穴
２６内に係合する。このため、フロッピーディスクの媒
体保持板２５は、ドライブピン１４により引きかけられ
て連れ回りをし、以後周知のように、フロッピーディス
クの媒体に情報の読み書きが行われる。

【００１５】図７は本発明の他の実施例を示すチャッキ
ング部の部分拡大断面図である。この実施例では、ばね
板１５のドライブピン取付部１８に対してドライブピン
１４が傾斜して固着されている。このようにドライブピ
ン取付部１８が傾斜している場合、ドライブピン１４が
回転円板７から突出している時、回転円板７に対して垂
直方向に突出する。このため、フロッピーディスクのチ
ャッキング穴２６の面と直交する位置で係合する。また
ドライブピンが媒体保持板２５により回転円板７内に押
し込まれた時、ドライブピン１４がドライブピン取付部
１８に対して傾斜しているので、ドライブピン１４と媒
体保持板２５との接触部分が点接触となり、摩擦が少な
くドライブピントチャッキング穴との係合時間が早ま
る。

【００１６】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明は、
ドライブピンを支持しているばね板には折り目部が形成
され、ドライブピンが押し込まれる方向と反対方向にば
ね板が“く”字状に折曲げられているので、ドライブピ
ンの頭部が回転円板の表面と同一面に迄押し込まれた
時、ばね板の折り目部から先端まで部分は、軸受基体の
上面とほぼ平行になる。このためフロッピーディスク駆
動装置に用いられる従来と同じ薄さの構造を持つモータ
において、ドライブピンがフロッピーディスクにより回
転子に従来と同じ寸法だけ押し込まれてもチャッキング
装置のいずれの部分も、モータの固定子と接触すること
がない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す断面図

【図２】回転円板の斜視図

【図３】回転円板の裏面図

【図４】動作説明のための部分断面図

【図５】動作説明のための部分断面図

【図６】動作説明のための部分断面図

【図７】本発明の他の実施例を示すチャッキング部の部
分拡大断面図

【符号の説明】

１・・・・・基板 ２・・・・・円孔 ３・・・・・軸受基体 ３’・・・・上面 ４・・・・・ねじ ５、６・・・ボールベアリング ７・・・・・回転円板 ８・・・・・外周 ９・・・・・回転磁極 １０・・・・・位置検出用永久磁石 １１・・・・・回転軸取付板 １２・・・・・回転軸 １３・・・・・穴 １４・・・・・ドライブピン １４’・・・・頭部 １５・・・・・ばね板 １６・・・・・取付基部 １７・・・・・アーム部 １８・・・・・ドライブピン取付部 １９・・・・・リベット ２０・・・・・折り目部 ２１・・・・・固定子磁極 ２２・・・・・固定子捲線 ２３・・・・・固定子枠 ２４・・・・・吸引磁石 ２５・・・・・媒体保持板 ２６・・・・・チャッキング穴

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】フロッピーディスク駆動装置の基板に固定
   された固定子に対して回転自在に設けられた回転子とな
   る回転円板にばね板を介してドライブピンが取付られ、
   該ドライブピンがばね力により回転円板に設けられた穴
   から出入自在に突出しているフロッピーディスク駆動装
   置のチャッキング機構において、ドライブピンを支持し
   ているばね板には折り目部が形成され、ドライブピンが
   押し込まれる方向と反対方向にばね板が“く”字状に折
   曲げられていることを特徴とするフロッピーディスク駆
   動装置のチャッキング機構。
2. 【請求項２】ドライブピンが回転円板内に押し込まれた
   位置でばね板の上記折り目部より先端が回転円板の表面
   とほぼ平行であることを特徴とする請求項１記載のフロ
   ッピーディスク駆動装置のチャッキング機構。