JPH06324710A - 学習制御装置 - Google Patents

学習制御装置

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JPH06324710A
JPH06324710A JP5135469A JP13546993A JPH06324710A JP H06324710 A JPH06324710 A JP H06324710A JP 5135469 A JP5135469 A JP 5135469A JP 13546993 A JP13546993 A JP 13546993A JP H06324710 A JPH06324710 A JP H06324710A
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Yuji Nakamura
裕司 中村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】伝達関数モデルを直接利用することにより、演
算量の少ない学習制御装置を提供する。 【構成】1周期前の制御入力u(i')に補正量σ(i) を加
算してu(i) 求める手段と、目標指令を記憶して偏差e
(i-D) を求める手段と、学習制御用定数を記憶する手段
と、偏差、補正量、制御入力の時系列データを記憶する
手段と、前記時系列データと制御対象の伝達関数モデル
により、Mサンプリング未来までの偏差予測値e* と偏
差e(i-D) および補正量σ(i) に関する所定の評価関数
が最小となるように、現在時刻の補正量σ(i) を決定す
る手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工作機械、ロボット等
の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】繰り返し目標値に対する学習制御装置と
しては、本出願人が特開平1ー237701号公報、特願平03-1
77230 、および、特願平04-289431 において提案した装
置がある。これらの装置では、同じ目標値に対する動作
を繰り返し、偏差、補正量、制御入力、および、制御対
象のステップ応答をもとに未来偏差予測値が最小となる
ように制御入力が決定されるため、最終的には目標値と
出力が一致し、高精度な追従動作が実現される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来技術では、
未来偏差の予測の際に、制御対象の十分整定するまでの
ステップ応答が必要であり、制御対象の伝達関数モデル
が得られている場合、シミュレーション等によりステッ
プ応答を算出することも考えられるが、直接的でなく、
その分の手間がかかり、さらに、整定時間の増加やサン
プリング周期の短縮に伴って演算量が増加するなどの問
題があった。そこで本発明は、伝達関数モデルを直接利
用し、演算量の少ない学習制御装置を提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、本願第1の発明では、周期Lで同じパターンを繰り
返す目標指令に、伝達関数モデルが、 Gp(z) = (b1z -1 + … + bNbz -Nb ) / (1 - a1z-1
- … - aNaz -Na ) である制御対象の出力を追従させるよう、現在時刻iに
おいて、目標指令r(i)(= r(i') i'=i-L )と、D(D
≧0)サンプリング前の制御対象の出力y(i-D) を入力
し、制御入力u(i) を制御対象へ出力する学習制御装置
において、1周期前の制御入力u(i')に補正量σ(i) を
加算して、u(i) 求める手段と、目標指令を記憶し、偏
差e(i-D) を求める手段と、学習制御用定数を記憶する
手段と、偏差、補正量、制御入力の時系列データを記憶
する手段と、前記時系列データと制御対象の伝達関数モ
デルにより、Mサンプリング未来までの偏差予測値e*
と偏差e(i-D) および補正量σ(i) に関する評価関数
【0005】
【数23】
【0006】ただし、Δはサンプリング周期間の増分値
を表す(Δσ(i)=σ(i)-σ(i-1) )。が最小となるよう
に、現在時刻の補正量σ(i) を決定する手段とを備えた
ことを特徴とし、本願第2の発明では、周期Lで同じパ
ターンを繰り返す目標指令に、伝達関数モデルが、 Gp(z) = (b1z -1 + … + bNbz -Nb ) / (1 - a1z-1
- … - aNaz -Na ) である制御対象の出力を追従させるよう、現在時刻iに
おいて、目標指令増分値Δr(i) (= Δr(i') i'=i-L
)と、D(D ≧0)サンプリング前の制御対象の出力増分
値Δy(i-D) を入力し、制御入力u(i) を制御対象へ出
力する学習制御装置において、1周期前の制御入力増分
値Δu(i')に補正量増分値Δσ(i) を加算して、Δu
(i) 求める手段と、目標指令増分値を記憶し、偏差増分
値および偏差を求める手段と、補正量増分値より補正量
を求める手段と、学習制御用定数を記憶する手段と、偏
差増分値、補正量増分値、制御入力増分値の時系列デー
タを記憶する手段と、前記偏差と補正量と時系列データ
と制御対象の伝達関数モデルにより、Mサンプリング未
来までの偏差増分値の予測値Δe* と偏差eおよび補正
量に関する評価関数
【0007】
【数24】
【0008】(ただし、σ(i)=σ(i-1)+Δσ(i))が最小
となるように、現在時刻の補正量増分値Δσ(i) を決定
する手段と、制御入力増分値より制御入力を求める手段
とを備えたことを特徴とし、本願第3の発明では、周期
Lで同じパターンを繰り返す目標指令に、伝達関数モデ
ルが、 Gp(z) = (b1z -1 +…+bNbz -Nb ) / {(1-z-1 )(1-a1z
-1 -…-aNaz -Na ) } である制御対象の出力を追従させるよう、現在時刻iに
おいて、目標指令増分値Δr(i) (= Δr(i') i'=i-L
)と、D(D ≧0)サンプリング前の制御対象の出力増分
値Δy(i-D) を入力し、制御入力u(i) を制御対象へ出
力する学習制御装置において、1周期前の制御入力u
(i')に補正量σ(i) を加算して、u(i) を求める手段
と、目標指令増分値を記憶し、偏差増分値および偏差を
求める手段と、学習制御用定数を記憶する手段と、偏差
増分値、補正量、制御入力の時系列データを記憶する手
段と、前記偏差と時系列データと制御対象の伝達関数モ
デルにより、Mサンプリング未来までの偏差増分値の予
測値Δe* と偏差eおよび補正量に関する評価関数
【0009】
【数25】
【0010】が最小となるように、現在時刻の補正量σ
(i) を決定する手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
【作用】上記手段により、伝達関数モデルを直接利用
し、演算量の少ない学習制御装置が実現され、高精度な
追従動作が可能となる。
【0012】
【実施例】まず、本願第1の発明の具体的実施例を図1
に示して説明する。図中1は本発明の学習制御装置であ
り、現在時刻iにおいて、周期Lで同じパターンを繰り
返す目標指令の現在値r(i) (= r(i') i'=i-L )と、
D(D ≧0)サンプリング前の制御対象の出力y(i-D) を入
力し、制御入力u(i) を制御対象へ出力する。2は、目
標指令r(i),r(i-1),…, r(i-D) を記憶するメモリ、
8は、メモリ2に記憶された目標指令r(i-D) と、出力
y(i-D) との差e(i-D) を求める減算器である。3は、
定数E, qM1 ,…, qM , p0,…, pNa, g1,…, g
Nb+Dを記憶するメモリ、4は過去の偏差を記憶するメモ
リであり、減算器8の出力e(i-D) が新たに記憶され
る。5は過去の補正量を記憶するメモリ、6は1周期前
の時刻i'までの過去の制御入力を記憶するメモリであ
る。7は演算器であり、
【0013】
【数26】
【0014】なる演算によって補正量σ(i) を算出す
る。算出されたσ(i) は、加算器9に入力されるととも
にメモリ5に記憶される。加算器9は、演算器7の出力
σ(i) とメモリ6に記憶されたu(i')とを加算して制御
入力u(i) を算出する。得られた制御入力u(i) は、学
習制御装置1の出力として制御対象に出力されるととも
に、メモリ6に記憶される。ここで(1) 式の導出を行
う。時刻iにおいて、制御入力u(i) は、加算器9によ
り次式で決定される。 u(i) = u(i') + σ(i) (2) そこで、未来偏差予測値e* (i+m) (1≦M1≦m ≦M)が最
小となるように、現在時刻の補正量σ(i) を決定するこ
とを考える。いま制御対象の伝達関数モデルが、 Gp(z) = (b1z -1 + … + bNbz -Nb ) / (1 - a1z-1
- … - aNaz -Na ) の離散時間系で得られているとすると、その入出力間モ
デルは次式となる。
【0015】
【数27】
【0016】上式のモデルを用いれば、 δ(i) = y(i) - y(i') (4) で定義される出力変化分δ(i) のモデルは次式となる。
【0017】
【数28】
【0018】時刻iにおいては、時刻i-D までの出力変
化分実測値δ(i-n) (n≧D) が得られているため、それ
以降の
【0019】
【数29】
【0020】を、実測値を用いて表すと、
【0021】
【数30】
【0022】より、次式となる。
【0023】
【数31】
【0024】(ただし、 an =0 (n> Na ), bn =0 (n<1
およびn> Nb ) )で与えられる。またσ(j)=σ(i) (j>
i) とすると、(9b)式の
【0025】
【数32】
【0026】は次式となる。
【0027】
【数33】
【0028】そこで時刻i-D 以降の出力変化分を
【0029】
【数34】
【0030】で予測すると、出力変化分予測値δ* (i+
m) は、
【0031】
【数35】
【0032】で表され、係数 Amn, Bmnは、次式で与え
られる。
【0033】
【数36】
【0034】この場合、(11)式の係数 Amn,Bmnは、σ
(j)=0 (j>i) とすると、
【0035】
【数37】
【0036】(ただし、 an =0 (n> Na ), bn =0 (n<1
およびn> Nb ) )で与えられ、σ(j)=σ(i) (j>i) とす
ると、(14b) 式の Bm0は次式となる。
【0037】
【数38】
【0038】以上より、出力変化分予測値δ* (i+m) (m
≧-D+1) は(11)式で与えられ、その係数 Amn, Bmnは、
(8),(9),(12)式、あるいは(13),(14) 式で求められる。
したがって、未来偏差予測値e* (i+m) を、
【0039】
【数39】
【0040】で与え、評価関数
【0041】
【数40】
【0042】(ただし、Δσ(i)=σ(i)-σ(i-1) )が最
小となるように、補正量σ(i) を決定すると、∂J/ ∂
σ(i) = 0 より、前記(1) 式を得る。ただし各定数、q
m , pn , E, gn は、次式で与えられる。
【0043】
【数41】
【0044】ところで、偏差e(i-D) から制御入力u
(i) までの伝達関数Gu(z)は、p0+Eを改めてp0 と置
くと、(1),(2) 式より次式となる。
【0045】
【数42】
【0046】したがって、減算器8の出力信号e(i-D)
から制御入力u(i) までの伝達関数が(18)式となるよう
制御入力を決定する手段を備えていれば、図1の実施例
以外の構成でも、同様の効果を持つ学習制御器が実現さ
れる。さらに制御系の安定性を高めるために、上式のz
-L部分をF(z)z-Lとしても良い。ここでF(z) は、ロー
パスフィルタの伝達関数である。また、出力変化分予測
値δ* (i+m) を、(11)式の代わりに(5) 式と次式
【0047】
【数43】
【0048】(ただし Amn,Bmnは、(8),(9),(9')式でD=
0 としたときの
【0049】
【数44】
【0050】の値)によって与え、未来偏差予測値をe
* (i+m)=e(i'+m)- δ* (i+m) として、(16)式の評価関
数(ただしα=0)を最小とするよう補正量を決定すれ
ば、各試行を間欠的に行い各試行間に次回1試行分の補
正量を(5) 式と次式によりまとめて算出することもでき
る。
【0051】
【数45】
【0052】(ただし、qm , pn , gn は(17)式でD=
0 としたときの値である)つぎに、本願第2の発明の具
体的実施例を図2に示して説明する。図中21は本発明
の学習制御装置であり、現在時刻iにおいて、周期Lで
同じパターンを繰り返す目標指令の増分値Δr(i) (=
Δr(i') i'=i-L )と、D(D ≧0)サンプリング前の制御
対象の出力増分値Δy(i-D) を入力し、制御入力u(i)
を制御対象へ出力する。Δは、サンプリング周期間の増
分値を表す。22は、目標指令増分値Δr(i),…, Δr
(i-D) を記憶するメモリ、28は、メモリ22に記憶さ
れたΔr(i-D) と、Δy(i-D) との差Δe(i-D) を求め
る減算器であり、30はΔe(i-D) よりe(i-D) を求め
る積算器である。23は定数v-D+1 ,…, vM , p0,
…, pNa-1 ,E, g1,…, gNb+D-1 ,Sを記憶するメモ
リ、24は過去の偏差増分値を記憶するメモリであり、
減算器28の出力Δe(i-D) が新たに記憶される。25
は過去の補正量増分値を記憶するメモリ、31は補正量
σ(i-1) を求める積算器、26は1周期前の時刻i'まで
の過去の制御入力増分値を記憶するメモリである。27
は演算器であり、
【0053】
【数46】
【0054】なる演算により補正量増分値Δσ(i) を算
出する。算出されたΔσ(i) は、加算器29と積算器3
1に入力されるとともにメモリ25に記憶される。加算
器29は、演算器27の出力Δσ(i) とメモリ26に記
憶されたΔu(i')とを加算して制御入力増分値Δu(i)
を算出する。得られたΔu(i) は、積算器32に入力さ
れるとともに、メモリ26に記憶される。積算器32に
よって求められた制御入力u(i) は、学習制御装置21
の出力として制御対象に出力される。ここで(21)式の導
出を行う。時刻iにおいて、制御入力増分値Δu(i)
は、加算器29により次式で決定される。 Δu(i) = Δu(i') + Δσ(i) (22) そこで、未来偏差予測値が最小となるように、現在時刻
の補正量増分値Δσ(i)を決定することを考える。 い
ま制御対象の伝達関数モデルが、 Gp(z) = (b1z -1 + … + bNbz -Nb ) / (1 - a1z-1
- … - aNaz -Na ) の離散時間系で得られているとすると、その入出力増分
値モデルは次式となる。
【0055】
【数47】
【0056】上式のモデルを用いれば、 Δδ(i) = Δy(i) - Δy(i') (24) で定義される出力増分値変化分Δδ(i) のモデルは次式
となる。
【0057】
【数48】
【0058】時刻iにおいては、時刻i-D までの変化分
実測値Δδ(i-n) (n≧D)が得られているため、それ以降
の変化分を実測値を用いて、
【0059】
【数49】
【0060】で予測すると、変化分予測値Δδ* (i+m)
は、次式となる。
【0061】
【数50】
【0062】ここで係数 Amn, Bmnは、未来の補正量増
分値をΔσ(j)=0 (j>i) とすると、
【0063】
【数51】
【0064】(ただし、 an =0 (n> Na ), bn =0 (n<1
およびn> Nb ) )で与えられる。したがって、偏差増分
値の予測値Δe* (i+m) を、(24),(27) 式より、
【0065】
【数52】
【0066】で与え、評価関数
【0067】
【数53】
【0068】(ただし、σ(i)=σ(i-1)+Δσ(i) )が最
小となるように、補正量増分値Δσ(i) を決定すると、
∂J/ ∂Δσ(i)=0より、前記(21)式を得る。ただし各
定数、vm , pn , E, gn , Sは次式で与えられる。
【0069】
【数54】
【0070】ところで、偏差Δe(i-D) から制御入力増
分値Δu(i) までの伝達関数Gu(z)は、(21),(22) 式よ
【0071】
【数55】
【0072】となるため、減算器28の出力信号Δe(i
-D) から制御入力増分値Δu(i) までの伝達関数が(33)
式となるよう制御入力増分値を決定し、積算して制御入
力を求める手段を備えていれば、図2の実施例以外の構
成でも、同様の効果を持つ学習制御器が実現される。さ
らに制御系の安定性を高めるために、上式のz -L部分を
F(z)z-Lとしても良い。ここでF(z) は、ローパスフィ
ルタの伝達関数である。また、変化分予測値Δδ* (i+
m) を、(27)式の代わりに(25)式と次式
【0073】
【数56】
【0074】(ただし Amn,Bmnは、(28),(29) 式でD=0
としたときの値)によって与え、偏差増分値の予測値を
Δe* (i+m)=Δe(i'+m)- Δδ* (i+m) として、評価関
【0075】
【数57】
【0076】を最小とするよう補正量増分値を決定すれ
ば、各試行を間欠的に行い各試行間に次回1試行分の補
正量増分値を(25),(34) 式と次式によりまとめて算出す
ることもできる。
【0077】
【数58】
【0078】ただし、vm , pn , E, gn , Sは(32)
式でD=0 としたときの値である。つぎに、本願第3の発
明の具体的実施例を図3に示して説明する。図中41は
本発明の学習制御装置であり、現在時刻iにおいて、周
期Lで同じパターンを繰り返す目標指令の増分値Δr
(i) (= Δr(i') i'=i-L )と、D(D ≧0)サンプリング
前の制御対象の出力増分値Δy(i-D) を入力し、制御入
力u(i) を制御対象へ出力する。Δは、サンプリング周
期間の増分値を表す。42は、目標指令増分値Δr(i),
…, Δr(i-D) を記憶するメモリ、48は、メモリ42
に記憶されたΔr(i-D) と、Δy(i-D) との差Δe(i-
D) を求める減算器であり、50はΔe(i-D) よりe(i-
D) を求める積算器である。43は定数v-D+1 ,…, v
M , p0,…, pNa-1 ,E, g1,…, gNb+D-1を記憶する
メモリ、44は過去の偏差増分値を記憶するメモリであ
り、減算器48の出力Δe(i-D) が新たに記憶される。
45は過去の補正量を記憶するメモリ、46は1周期前
の時刻i'までの過去の制御入力を記憶するメモリであ
る。47は演算器であり、
【0079】
【数59】
【0080】なる演算により補正量σ(i) を算出する。
算出されたσ(i) は、加算器49に入力されるとともに
メモリ45に記憶される。加算器49は、演算器47の
出力σ(i) とメモリ46に記憶されたu(i')とを加算し
て制御入力u(i) を算出する。得られたu(i) は、学習
制御装置41の出力として制御対象に出力されるととも
に、メモリ46に記憶される。ここで(41)式の導出を行
う。時刻iにおいて、制御入力u(i) は、加算器49に
より次式で決定される。 u(i) = u(i') + σ(i) (42) そこで、未来偏差予測値が最小となるように、現在時刻
の補正量σ(i) を決定することを考える。いま制御対象
の伝達関数モデルが、 Gp(z) = (b1z -1 +…+bNbz -Nb ) / {(1-z-1 )(1-a1z
-1 -…-aNaz -Na ) } の離散時間系で得られているとすると、その入出力モデ
ルは次式となる。
【0081】
【数60】
【0082】上式のモデルを用いれば、 Δδ(i) = Δy(i) - Δy(i') (44) で定義される出力増分値変化分Δδ(i) のモデルは次式
となる。
【0083】
【数61】
【0084】時刻iにおいては、時刻i-D までの変化分
実測値Δδ(i-n) (n≧D)が得られているため、それ以降
の変化分を実測値を用いて、
【0085】
【数62】
【0086】で予測すると、変化分予測値Δδ* (i+m)
は、次式となる。
【0087】
【数63】
【0088】ここで係数 Amn, Bmnは、未来の補正量を
σ(j)=0 (j>i) とすると、
【0089】
【数64】
【0090】(ただし、 an =0 (n> Na ), bn =0 (n<1
およびn> Nb ) )で与えられる。またσ(j)=σ(i) (j>
i) とすると、(49b) 式の Bm0は次式となる。
【0091】
【数65】
【0092】したがって、偏差増分値の予測値Δe* (i
+m) を、(44),(47) 式より、
【0093】
【数66】
【0094】で与え、評価関数
【0095】
【数67】
【0096】が最小となるように、補正量σ(i) を決定
すると、∂J/ ∂σ(i)=0 より、前記(41)式を得る。た
だし各定数、vm , pn , E, gn は次式で与えられ
る。
【0097】
【数68】
【0098】(41)式は、補正量増分値Δσを用いて、
【0099】
【数69】
【0100】と書き直すこともできる。ただし、Gn
(52)式のgn より次式で与えられる。
【0101】
【数70】
【0102】ところで、偏差Δe(i-D) から制御入力u
(i) までの伝達関数Gu(z)は、(41),(42) 式より
【0103】
【数71】
【0104】となるため、減算器48の出力信号Δe(i
-D) から制御入力u(i) までの伝達関数が(53)式となる
よう制御入力を決定する手段を備えていれば、図3の実
施例以外の構成でも、同様の効果を持つ学習制御器が実
現される。さらに制御系の安定性を高めるために、上式
のz -L部分をF(z)z-Lとしても良い。ここでF(z) は、
ローパスフィルタの伝達関数である。また、変化分予測
値Δδ* (i+m) を、(47)式の代わりに(45)式と次式
【0105】
【数72】
【0106】(ただし Amn,Bmnは、(48),(49),(49b) 式
でD=0 としたときの値)によって与え、偏差増分値の予
測値をΔe* (i+m)=Δe(i'+m)- Δδ* (i+m) として、
評価関数
【0107】
【数73】
【0108】を最小とするよう補正量を決定すれば、各
試行を間欠的に行い各試行間に次回1試行分の補正量を
(45),(54) 式と次式によりまとめて算出することもでき
る。
【0109】
【数74】
【0110】ただし、vm , pn , E, gn は(52)式で
D=0 としたときの値である。
【0111】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、伝達
関数モデルを直接利用し、演算量の少ない学習制御装置
が実現され、高精度な追従動作が可能となるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願第1の発明の具体的実施例を示す図
【図2】本願第2の発明の具体的実施例を示す図
【図3】本願第3の発明の具体的実施例を示す図
【符号の説明】
1 学習制御装置 2 目標指令を記憶するメモリ 3 定数を記憶するメモリ 4 偏差を記憶するメモリ 5 補正量を記憶するメモリ 6 制御入力を記憶するメモリ 7 演算器 8 減算器 9 加算器

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期Lで同じパターンを繰り返す目標指
    令に、伝達関数モデルが、 Gp(z) = (b1z -1 + … + bNbz -Nb ) / (1 - a1z-1
    - … - aNaz -Na ) である制御対象の出力を追従させるよう、現在時刻iに
    おいて、目標指令r(i)(= r(i') i'=i-L )と、D(D
    ≧0)サンプリング前の制御対象の出力y(i-D) を入力
    し、制御入力u(i) を制御対象へ出力する学習制御装置
    において、 1周期前の制御入力u(i')に補正量σ(i) を加算してu
    (i) を求める手段と、 目標指令を記憶して偏差e(i-D) を求める手段と、 学習制御用定数を記憶する手段と、 偏差、補正量、制御入力の時系列データを記憶する手段
    と、 前記時系列データと制御対象の伝達関数モデルにより、
    Mサンプリング未来までの偏差予測値e* と偏差e(i-
    D) および補正量σ(i) に関する評価関数 【数1】 (ただし、Δはサンプリング周期間の増分値を表す(Δ
    σ(i)=σ(i)-σ(i-1) ))が最小となるように、現在時
    刻の補正量σ(i) を決定する手段とを備えたことを特徴
    とする学習制御装置。
  2. 【請求項2】 現在時刻の補正量σ(i) を 【数2】 (ここで、qm , pn , E, gn は学習制御用定数)と
    して決定する手段を備えたことを特徴とする請求項1記
    載の学習制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1のu(i) を求める手段に代え
    て、偏差e(i-D) から制御入力u(i) までの伝達関数が 【数3】 (ここで、qm , pn , gn は学習制御用定数、F(z)
    はローパスフィルタの伝達関数または1)となるよう制
    御入力u(i) を決定する手段を備えたことを特徴とする
    請求項1記載の学習制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1のu(i) を求める手段に代え
    て、1周期ごとの各試行を間欠的に行い、各試行間に前
    記伝達関数モデルにより、制御対象出力の前回試行時か
    らの変化分 【数4】 を算出し記憶する手段と、 次回試行分の制御入力を u(i) = u(i') + σ(i) 【数5】 (ここでqm , pn , gn は学習制御用定数)により1
    試行分まとめて決定する手段とを備えることを特徴とす
    る請求項1記載の学習制御装置。
  5. 【請求項5】 周期Lで同じパターンを繰り返す目標指
    令に、伝達関数モデルが、 Gp(z) = (b1z -1 + … + bNbz -Nb ) / (1 - a1z-1
    - … - aNaz -Na ) である制御対象の出力を追従させるよう、現在時刻iに
    おいて、目標指令増分値Δr(i) (= Δr(i') i'=i-L
    )と、D(D ≧0)サンプリング前の制御対象の出力増分
    値Δy(i-D) を入力し、制御入力u(i) を制御対象へ出
    力する学習制御装置において、 1周期前の制御入力増分値Δu(i')に補正量増分値Δσ
    (i) を加算してΔu(i) を求める手段と、 目標指令増分値を記憶して偏差増分値および偏差を求め
    る手段と、 補正量増分値より補正量を求める手段と、 学習制御用定数を記憶する手段と、 偏差増分値、補正量増分値、制御入力増分値の時系列デ
    ータを記憶する手段と、 前記偏差と補正量と時系列データと制御対象の伝達関数
    モデルにより、Mサンプリング未来までの偏差増分値の
    予測値Δe* と偏差eおよび補正量に関する評価関数 【数6】 (ただし、σ(i)=σ(i-1)+Δσ(i) )が最小となるよう
    に、現在時刻の補正量増分値Δσ(i) を決定する手段
    と、 制御入力増分値より制御入力を求める手段とを備えたこ
    とを特徴とする学習制御装置。
  6. 【請求項6】 現在時刻の補正量増分値Δσ(i) を 【数7】 (ここで、vm , pn , E, gn , Sは学習制御用定
    数)として決定する手段を備えたことを特徴とする請求
    項5記載の学習制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項5の制御入力増分値Δu(i) を決
    定する手段に代えて、偏差増分値Δe(i-D) から制御入
    力増分値Δu(i) までの伝達関数が 【数8】 (ここで、vm , pn , E, gn , Sは学習制御用定
    数、F(z) はローパスフィルタの伝達関数または1)と
    なるよう制御入力増分値Δu(i) を決定する手段を備え
    たことを特徴とする請求項5記載の学習制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項5の補正量増分値Δσ(i) を決定
    する手段および制御入力増分値Δu(i) を決定する手段
    に代えて、1周期ごとの各試行を間欠的に行い、各試行
    間に前記伝達関数モデルにより制御対象出力増分値の前
    回試行時からの変化分 【数9】 を算出し記憶する手段と、 変化分 【数10】 と前回試行時の偏差増分値より偏差 【数11】 を求め記憶する手段と、 評価関数 【数12】 を最小とするよう次回試行分の制御入力を u(i) = u(i-1) + Δu(i) Δu(i) = Δu(i') + Δσ(i) 【数13】 (ここでvm , pn , E, gn , Sは学習制御用定数)
    により1試行分まとめて決定する手段とを備えることを
    特徴とする請求項5記載の学習制御装置。
  9. 【請求項9】 周期Lで同じパターンを繰り返す目標指
    令に、伝達関数モデルが、 Gp(z) = (b1z -1 +…+bNbz -Nb ) / {(1-z-1 )(1-a1z
    -1 -…-aNaz -Na ) } である制御対象の出力を追従させるよう、現在時刻iに
    おいて、目標指令増分値Δr(i) (= Δr(i') i'=i-L
    )と、D(D ≧0)サンプリング前の制御対象の出力増分
    値Δy(i-D) を入力し、制御入力u(i) を制御対象へ出
    力する学習制御装置において、 1周期前の制御入力u(i')に補正量σ(i) を加算してu
    (i) を求める手段と、 目標指令増分値を記憶して偏差増分値および偏差を求め
    る手段と、 学習制御用定数を記憶する手段と、 偏差増分値、補正量、制御入力の時系列データを記憶す
    る手段と、 前記偏差と時系列データと制御対象の伝達関数モデルに
    より、Mサンプリング未来までの偏差増分値の予測値Δ
    * と偏差eおよび補正量に関する評価関数 【数14】 が最小となるように、現在時刻の補正量σ(i) を決定す
    る手段とを備えたことを特徴とする学習制御装置。
  10. 【請求項10】 現在時刻の補正量σ(i) を 【数15】 (ここで、vm , pn , E, gn は学習制御用定数)と
    して決定する手段を備えたことを特徴とする請求項9記
    載の学習制御装置。
  11. 【請求項11】 補正量増分値の時系列データを記憶す
    る手段と、現在時刻の補正量σ(i) を 【数16】 (ここで、vm , pn , E, Gn は学習制御用定数)と
    して決定する手段とを備えたことを特徴とする請求項9
    記載の学習制御装置。
  12. 【請求項12】 請求項9の制御入力u(i) を決定する
    手段に代えて、偏差増分値Δe(i-D) から制御入力u
    (i) までの伝達関数が 【数17】 (ここで、vm , pn , E, gn は学習制御用定数、F
    (z) はローパスフィルタの伝達関数または1)となるよ
    う制御入力u(i) を決定する手段を備えたことを特徴と
    する請求項9記載の学習制御装置。
  13. 【請求項13】 請求項9の現在時刻の補正量σ(i) を
    決定する手段および制御入力u(i) を決定する手段に代
    えて、1周期ごとの各試行を間欠的に行い、各試行間に
    前記伝達関数モデルにより制御対象出力増分値の前回試
    行時からの変化分 【数18】 を算出し記憶する手段と、 変化分 【数19】 と前回試行時の偏差増分値より偏差 【数20】 を求め記憶する手段と、 評価関数 【数21】 を最小とするよう次回試行分の制御入力を u(i) = u(i') + σ(i) 【数22】 (ここでvm , pn , E, gn は学習制御用定数)によ
    り1試行分まとめて決定する手段とを備えることを特徴
    とする請求項9記載の学習制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000010098A1 (fr) * 1998-08-12 2000-02-24 Sony Corporation Machine de traitement des donnees, technique de traitement des donnees et support correspondant
JP2019160017A (ja) * 2018-03-15 2019-09-19 オムロン株式会社 学習装置、学習方法、及びそのプログラム

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