JPH0632419Y2 - 車両ウインド用ベルトモ−ル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、開閉するウインドガラスに接触するウェザス
トリップを備え、下端にボデー開口部の下縁水平面に当
接するプロテクタを装着されて、クリップによりボデー
開口部の下縁フランジに取付けられるように成った車両
ウインド用ベルトモールに関するものである。

〔従来の技術〕

第３図はこの種の従来のベルトモールを示すもので、開
閉するウインドガラス１に接触するウェザストリップ２
を組付けられる断面逆Ｕ字形のモール本体５と、基面6a
の下端から上向きにモール本体５の車室内側の側面5aを
ウェザストリップ２の脚部2aの縦溝に挿入させた状態で
共に係入させる第１の溝面6bがそして基面の上端から下
向きにボデー開口部の下縁のフランジ７を係入させる第
２の溝面6cが形成され、さらに基面6aにフランジ７の切
欠7aに係止される上向きの爪6dがそして第２の溝面6cに
フランジ７へ当接する上向きの爪6eが形成されたクリッ
プ６と、モール本体５の車室外側の側面5bの先端部にお
ける内側への折曲げ部分5cに係入することによりフラン
ジ下部から車室外方向へ延びるボデー水平面7bに当接す
るプロテクタ８とから構成されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このベルトモールにおいては、これにセ
ットされたクリップ６をフランジ７に押し込む際に、溝
面6cが開拡して側面5bに当りモール面に歪を発生させる
問題があった。一方、この欠点を解消するために溝面6c
の開拡度を小さめにしてスペースをもたせると、モール
面を指で押したとき等に、歪又はガタを発生させる欠点
につながっていた。さらに別の問題として、ドアガラス
１の開放時にウェザーストリップ２の下方への回動に連
動してモール本体５の側面5bが上方の点線位置に変位
し、プロテクタ８及びボデー水平部7b間に口開きＳを発
生させていた。

よって、本考案はこの類の車両ウインド用ベルトモール
において、クリップに当ることよるモール面の歪及びウ
ィンド開放時におけるボデー面での口開きＳを生じさせ
ないようにすることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、この目的を達成するために、第３図に記載し
た類のベルトモールにおいて、第１図に示すように、モ
ール本体(15)の折曲げ部分(15c)を鋭角に形成して、フ
ランジ(17)を係入させる下向きのクリップ溝面(16c)の
先端部両面を挟んだ状態で係入させる溝(15d)を構成さ
せた。そして、プロテクタ(18)を折曲げ部分(15c)から
溝(15d)に沿ってこの折曲げ部分に対面する位置までさ
らに上方へ延びた軟質材より形成した。尚、（）内の符
号は、後述する実施例のものを引用してある。

〔作用〕

モール本体(15)へ側方からスライドさせてセットされた
クリップ(16)をボデーへ装着する際に、折曲げ部分(15
c)により形成された溝(15d)に挟まれた状態で係入した
溝面(16c)は、フランジ(17)へ上向きの爪(16e)が当接し
た状態で開拡して軟質のプロテクタ(18)を介して側面(1
5b)に当たる。装着終了状態でも、溝面(16c)は、軟質の
プロテクタ(18)を介して側面(15b)の押圧に対抗する。
さらに、溝面(16c)の先端が、溝(15d)内でウィンド開放
時における側面(15b)の上方への変位を抑制する。

〔考案の実施例〕

第１図は本考案の一実施例を示す。同図において、15は
断面逆Ｕ字形のモール本体であり、その車室内側の側面
15aは開閉するウインドガラス11に接触するウェザスト
リップ12の脚部12aの縦溝に挿入される。16はモール本
体15をボデー開口部へ装着するクリップであり、その基
面16aの下端から上向きにモール側面15aをウェザストリ
ップ脚部12aと共に係入させる第１の溝を構成する溝面1
6bがそして基面16aの上端から下向きにウインド用ボデ
ー開口部の下縁のフランジ17を係入させる第２の溝を構
成する溝面16cが形成され、さらに基面16aにフランジ17
の切欠17aに係止される上向きの爪16dがそして第２の溝
面16cにフランジ17へ当接する上向きの爪16eが形成され
ている。18はモール本体15のプロテクタであり、モール
本体15の車室外側の側面15bの先端部における内側への
折曲げ部分15cに係合することによりフランジ下部から
車室外方向へ延びるボデー水平面17bに当接すると共
に、側面15bの下部外側をカバーしている。

このような構造自体は、第３図のものを前提にしている
が、本考案により折曲げ部分15cが鋭角をなして第２の
溝面16cの先端部がその両面でほぼ接触状態で係入する
溝15dを構成している。また、プロテクタ18は、折曲げ
部分15cから鋭角に沿ってさらにこの折曲げ部分15cとの
対面位置、即ち溝15dの反対面まで延びる延長部18aを備
え、かつ軟質材例えば軟質塩化ビニルより形成されてい
る。

サイドモール本体15の折曲げ部分15cには、途中に切欠
部15eを形成されることにより、クリップ16の溝面16cの
先端部を鋭角の溝15dにセットするのに全てサイドモー
ル本体15の端部からスライドさせて行うのでなく、途中
から行えるようにしている。ちなみに、従来の折曲げ部
分5cは第３図に示すように水平状であり、クリップ６は
単にモール本体５へ向けて下方から押し込むことにより
セットできた。切欠部15eは、クリップ16のセット位置
の近辺にそれぞれ形成するのが作業能率上好ましい。

このように数個のクリップ16の溝面16bを切欠部15dにお
いてモール側面15aの挿入されたウェザストリップ脚部1
2aにそれぞれ係合させ、スライドさせて溝面16cの先端
部を溝15dにプロテクタ18を介して挟んだ状態で係入さ
せる。そして、クリップ16の爪16dをフランジ17の切欠1
7aに係止させて、フランジ17へモール本体15を装着させ
る（第１図に示す状態）。クリップ16のフランジ17への
打ち込みに際して、溝面16cが開拡して側面15bを外方へ
押そうとするが軟質のプロテクタ延長部18aが介在する
ためにモール面に歪を発生させることはない。さらに、
溝面16cの先端部が延長部18aを介して側面15bに当接し
ているために、モール面を指で押しても弾性的に対抗し
て歪を生じさせることもない。ドアガラス11の開放時に
は、溝面16cの先端部が溝15dの壁面に当ってモール本体
15の側面15bの上方への変位を阻止することにより、プ
ロテクタ18及びボデー水平面17b間の口開きも抑制す
る。

〔考案の効果〕 以上、本考案によればモールをボデーに取付ける時にク
リップが軟質のプロテクタを介してモール面に当たるこ
とにより、衝撃を吸収してモール表面に歪が発生するの
を防止し、取付け後にモール表面が押されても変形しな
い。モール下端部に形成された溝にクリップを挟んで係
入させることにより、モールを確実に保持すると共に、
ガラス開放時におけるモールの上方への回動を抑制して
ボデーとの間に隙が発生するのを確実に防止する。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案の一実施例によるベルトモールの断面
図、第２図ａはその組付け方法を説明する分解斜視図、
第２図ｂは第２図ａにおけるＡ−Ａ線断面図及び第３図
は従来のベルトモールの断面図を示す。 15……モール本体、15a、15b……モール本体の側面 15c……モール本体の折曲げ部分 16……クリップ、16b、16c……クリップの溝面 18……プロテクタ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】開閉するウインドガラスに接触するウェザ
   ストリップを備えた断面逆Ｕ字形のモール本体と、基面
   の下端から上向きにモール本体の車室内側の側面を係入
   させる第１の溝面がそして基面の上端から下向きにボデ
   ー開口部の下縁のフランジを係入させる第２の溝面が形
   成され、さらに基面にフランジの切欠に係止される上向
   きの爪がそして第２の溝面にフランジへ当接する上向き
   の爪が形成されたクリップと、モール本体の車室外側の
   側面の先端部における内側への折曲げ部分に係合するこ
   とによりフランジ下部から車室外方向へ延びるボデー水
   平面に当接するプロテクタとから構成されて成る車両ウ
   インド用ベルトモールにおいて、 折曲げ部分が、第２の溝面の先端部両面を挟んだ状態で
   係入させるように鋭角の溝を構成し、 プロテクタは、前記折曲げ部分から前記溝に沿って前記
   折曲げ部分に対面するように、さらに上方へ延びる軟質
   材より形成されたことを特徴とする車両ウインド用ベル
   トモール。