JPH06323593A - 熱交換型換気扇 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱交換素子５を用いて排気Ａｅと吸気Ａｓの
間で熱交換を行う同時吸排型換気扇装置において、装置
全体としての見掛けの熱交換効率を向上すると共に、寒
冷地等においても熱交換素子５に結露の発生を防止する
ための手段を提供する。 【構成】 このため、熱交換後の吸気温度を検知するた
めの吸気温度センサＳｏと、熱交換前の排気温度を検知
するための室内空気温度センサＳｉと、この熱交換前の
吸気を加熱するための電気ヒータＨとを設け、外気温度
が所定値より低いとき、前記両センサＳｉ，Ｓｏの検知
信号を基に、ヒータＨにより吸気を加熱して、実質的に
前記室内温度と等しくなるよう構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、住宅等の室内空気を
換気するための同時吸排式の熱交換型換気扇に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】住宅の例えばキッチン等の室内を換気す
る場合、単に室内空気を排気するだけの従来の通常の換
気扇では、排出空気を補う新鮮な空気を取入れるための
吸気口が別途に必要であり、そのためこの吸気口からは
直接外気が導入され、例えば冬季など外気温が低い場
合、換気扇を運転すると室内の人が寒さを感じたり、ま
た空調の効率を悪化させたりする問題があった。

【０００３】これらの問題点を解決するために、換気扇
単体において、排気と吸気とを同時に行い、かつ、吸気
と排気との間で熱交換を行って吸気温度を室内温度に近
付ける目的で考案されたのが、いわゆる熱交換型換気扇
であり、吸／排気間の熱交換により、吸気による冬季の
寒さ等が軽減され、また空調効率の低下も抑制されて省
エネルギとなる。

【０００４】この種の換気扇は公知の技術であり、例え
ば商品名「三菱空調換気扇ロスナイ」等の各種の製品が
既に市販されていて、一般使用に供されている。

【０００５】図４に、従来のこの種の熱交換型換気扇装
置の一例の垂直断面側面図（ａ）及び室外側からの取付
け壁を除いた装置本体の斜視図（ｂ）を示す。Ｗは装置
の取付け開口部を有する住宅の室壁で、換気扇装置はこ
れを貫通するよう配設されている。１は排気口、２は吸
気口で、それぞれ内部に排気ファン３及び吸気ファン４
を備えている。

【０００６】５は、排気Ａｅと吸気Ａｓとの熱交換を行
うための熱交換素子、６は屋外側に設けられた雨水侵入
防止用のフードで、吸気側と排気側とに分割されて外部
での短絡を生じないように構成されている。なお、この
種の換気扇は、図例のように外壁Ｗでなく、天井面に配
設されダクトを介して外壁に接続される配設構成の場合
もある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来製品においては、いずれも熱交換効率が十分でな
く、また、図５に特性曲線例を示すように、排気による
換気量の増大と共に、熱交換効率も低下する傾向があ
る。

【０００８】また、例えば寒冷地など、室内温度と外気
温度との差が比較的大きい場合、熱交換素子５に結露が
発生したり、凍結による素子の目詰まりや素子破壊等を
生ずる可能性があった。

【０００９】この発明は、以上のような従来技術の問題
点にかんがみてなされたもので、冬季等の使用時におい
て、前記熱交換のみでなく、ヒータ手段による加熱によ
り、換気扇装置全体としての見掛け上の熱交換効率を向
上させると共に、この種の熱交換型換気扇装置の有効度
を高めると共に、寒冷地における熱交換素子の結露発生
を防止することのできる手段の提供を目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】このため、この発明にお
いては、熱交換素子を用いて排気と給気の間で熱交換を
行う同時吸排型換気扇において、この熱交換後の吸気温
度を検知するための吸気温度センサと、前記熱交換前の
排気温度を検知するための室内空気温度センサと、この
熱交換前の吸気を加熱するためのヒータ手段と、外気温
度が所定値より低い場合、前記吸気温度センサ及び室内
空気温度センサの各検知信号を基に、前記室内空気温度
と吸気温度とがほぼ等しくなるよう前記ヒータ手段の出
力を制御するための制御手段とを備えるよう構成するこ
とにより、前記目的を達成しようとするものである。

【００１１】

【作用】以上のような本発明構成により、同時吸排型換
気扇装置の見掛け上の熱交換効率が向上し、装置の有効
度が高まると共に、寒冷地における熱交換素子の結露発
生等を防止して凍結に起因する問題を解消することがで
きる。

【００１２】

【実施例】以下に、この発明を実施例に基づいて説明す
る： （構成）図１に、本発明に係る熱交換型換気扇の一実施
例の前記従来例図４（ａ）相当図を示し、図４における
と同一（相当）構成要素は同一符号で表わす。Ｗは外
壁、１は排気口、２は吸気口、３は排気ファン、４は吸
気ファン、５は熱交換素子、６はフード、Ａｅ／Ａｓは
それぞれ排気／吸気を示し、これら個々の重複説明は省
略する。

【００１３】本発明実施例図１の特徴は、従来例図４
（ａ）に対比して、装置本体に、室内温度を検知するた
めの室内空気温度センサＳｉ，吸気温度を検知するため
の吸気温度センサＳｏ、ならびに吸気口２における吸気
Ａｓを加熱するための電気抵抗ヒータＨを備えたことに
あり、前記室内空気温度センサＳｉは、吸気温度の影響
を受けることなく、室内温度を正確に検知し得る位置に
配設されている。

【００１４】（吸排気動作）換気扇の運転を開始する
と、排気ファン３及び吸気ファン４がそれぞれ排気，吸
気のための気流を作る。吸／排気の熱交換の必要がない
単純換気の場合は、両方のファン３，４を用いるか、あ
るいは吸気ファン４を停止して通常の換気扇として作動
する。両方のファン３，４は１個のモータを用いて駆動
しても差支えない。この場合、ダンパ等を用いて熱交換
素子５を通過しないような空気経路を設けることにより
通常の換気扇として作動するよう構成してもよい。

【００１５】図２に本実施例の回路ブロック図を示す。
７は換気扇装置運転用の操作スイッチ、８はヒータＨ用
の出力制御回路、９は各ファン３，４用の回転制御回
路、１０はこれら各回路の制御手段としてのＣＰＵを示
す。

【００１６】１）吸／排気動作 ＣＰＵ１０は、操作スイッチ７の操作により、強／中／
弱等の風量切換え，熱交換換気／単純換気／停止の各切
換え等を行い、操作に応じてファン制御回路９を介して
ファンの回転を制御する。

【００１７】２）ヒータ制御動作 図３にヒータＨの制御動作シーケンスフローチャートを
示す。ステップＳ１で熱交換換気がスタートすると、各
ファン３，４の運転を連動して吸排気が開始される。つ
いで、ステップＳ２で吸気温度センサＳｏの出力が安定
するのを待ち、ステップＳ３で吸気温度が所定温度（例
えば１５℃）以下であれば、冬季であると判断してヒー
タＨによる吸気温度調節を行う。

【００１８】ここにおいて、ステップＳ４で室内空気温
度と吸気温度とを比較し、吸気温度＜室内空気温度の場
合には、ステップＳ５でヒータ制御回路によりその出力
を上げ、反対の場合にはステップＳ６でその出力を下げ
ることにより、吸気温度と室内温度とが実質的に等しく
なるようヒータ出力を制御する。なお、この制御にはフ
ァジィ制御等を用いても差支えない。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、前記１），２）の
動作により、冬季間においても室内温度にほぼ等しい温
度の空気が室内に導入されることになり、換気扇全体と
しての見掛け上の熱交換効率が向上すると同時に、熱交
換素子内での吸気温度と排気温度との差が小さくなっ
て、寒冷地等における結露発生を防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 一実施例の垂直断面側面図

【図２】 同上実施例の回路ブロック図

【図３】 ヒータ制御動作シーケンスフローチャート

【図４】 従来例の図１相当図及び本体斜視図

【図５】 従来例の換気量対熱交換効率特性曲線の一例

【符号の説明】

３ 排気ファン ４ 吸気ファン ５ 熱交換素子 ８ ヒータ制御回路 ９ ファン制御回路 １０ ＣＰＵ Ａｓ 吸気 Ａｅ 排気 Ｈ ヒータ Ｓｉ 室内空気温度センサ Ｓｏ 吸気温度センサ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱交換素子を用いて排気と給気の間で熱
   交換を行う同時吸排型換気扇において、この熱交換後の
   吸気温度を検知するための吸気温度センサと、前記熱交
   換前の排気温度を検知するための室内空気温度センサ
   と、この熱交換前の吸気を加熱するためのヒータ手段
   と、外気温度が所定値より低い場合、前記吸気温度セン
   サ及び室内空気温度センサの各検知信号を基に、前記室
   内空気温度と吸気温度とがほぼ等しくなるよう前記ヒー
   タ手段の出力を制御するための制御手段とを備えたこと
   を特徴とする熱交換型換気扇。