JPH06323151A - エンジンの過給装置 - Google Patents

エンジンの過給装置

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JPH06323151A
JPH06323151A JP5109297A JP10929793A JPH06323151A JP H06323151 A JPH06323151 A JP H06323151A JP 5109297 A JP5109297 A JP 5109297A JP 10929793 A JP10929793 A JP 10929793A JP H06323151 A JPH06323151 A JP H06323151A
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compressor
clutch
turbine
supercharging
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Hisanori Nakane
久典 中根
Keiji Araki
啓二 荒木
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Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 減速時のエンジンの放出エネルギを利用して
再加速の応答性を高める。 【構成】 ターボチャージャー24のコンプレッサ回転
軸に、エンジン10の補機である油圧ポンプ108の吐
出油で回転駆動される補助駆動用油圧タービンを設け
る。共通吸気管14には、上記ターボチャージャー24
の過給リリーフを行うバイパス通路17及び吸気バイパ
ス弁21を設ける。エンジン減速中の燃料カット領域内
では、ポンプクラッチ106をオンにして上記油圧ポン
プ108を作動させ、上記コンプレッサの回転軸を補助
駆動させるとともに、吸気バイパス弁21を開いて過給
リリーフを行わせる一方、再加速時には、上記吸気バイ
パス弁21を閉じて過給リリーフを停止させるように、
ECU120を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ターボチャージャーを
備えたエンジンの過給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ターボチャージャーが装備され
たエンジンは、ターボチャージャーを有しないエンジン
よりも発進加速性が劣る傾向がある。これは、発進時の
エンジン回転数が不足しているため、ターボチャージャ
ーのコンプレッサ及びタービンを所望の加速性が得られ
るトルクで駆動するだけの排気ガス量が得られず、ター
ボチャージャーによる過給の分だけエンジンの圧縮比が
低く設定されているために却って出力トルクが低下する
ことに起因する。
【0003】そこで従来は、例えば特開平3−2493
29号公報に示されるように、コンプレッサホイールと
タービンホイールとをつなぐシャフトに油圧タービンを
装着し、発進加速時等の所定の条件下で上記油圧ポンプ
から吐出した作動油を油圧タービンに向けてノズルを通
じ噴射することにより、上記油圧タービンと一体に上記
シャフトを補助的に駆動し、これによってターボチャー
ジャーの出力を高めるようにした過給装置が提案される
に至っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記エンジンでは、停
止状態や定速運転状態から加速を開始する時だけでな
く、減速状態から再加速する際にもその応答性の向上が
要求される。この場合、上記減速時にエンジンから放出
されるエネルギを回収してこれを再加速時の過給動力源
に充当すれば、より効率良く再加速時の加速性を高める
ことができるはずである。
【0005】本発明は、このような点に着目してなされ
たものであり、エンジン減速時のエネルギを回収し、こ
れを利用することにより、再加速時の加速性を効率良く
高めることができるエンジンの過給装置を提供すること
を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ターボチャー
ジャーにおいて吸気通路内に設けられるコンプレッサと
排気通路内に設けられるタービンとを相互連結する連結
軸に補助駆動用タービンを設け、この補助駆動用タービ
ンにエンジン補機から吐出される流体を供給することに
より上記連結軸を補助駆動するように構成したエンジン
の過給装置において、上記ターボチャージャーによる過
給気をリリーフするリリーフ状態とリリーフしない非リ
リーフ状態とに切換えられる過給リリーフ手段と、エン
ジンが減速しかつ所定の運転領域にある時に上記エンジ
ン補機の駆動による負荷を高めて上記連結軸を加速させ
るとともに上記過給リリーフ手段をリリーフ状態に切換
え、エンジン加速時に上記過給リリーフ手段を非リリー
フ状態に切換える過給制御手段とを備えたものである
(請求項1)。
【0007】上記所定領域としては、燃料カット領域が
望ましい(請求項2)。
【0008】また本発明は、上記過給装置において、上
記連結軸を互いに同軸状態で並ぶコンプレッサ側軸とタ
ービン側軸とに分割し、これらコンプレッサ側軸とター
ビン側軸とを互いに連動回転するように連結する連結状
態と互いに相対回転するように切り離す切離し状態とに
切換えられるクラッチ手段を備え、コンプレッサ側軸に
上記補助駆動用タービンを設けるとともに、このクラッ
チ手段をエンジンの運転状態に応じて切換えるように上
記過給制御手段を構成したものである(請求項3)。
【0009】その具体的な切換制御内容としては、エン
ジンが減速時でかつ所定の運転領域にある時に上記クラ
ッチ手段を切離し状態に切換えたり(請求項4)、エン
ジンが減速時でかつ所定の運転領域にある時に上記クラ
ッチ手段を連結状態に切換え、エンジン加速開始時に上
記クラッチ手段を切離し状態に切換えたり(請求項
5)、エンジンが減速時でかつ所定の運転領域に入った
時点から所定時間が経過するまでは上記クラッチ手段を
切離し状態に切換え、所定時間経過後はクラッチ手段を
連結状態に切換え、加速開始時にはクラッチ手段を切離
し状態に切換えたりする(請求項6)ものが好適であ
る。
【0010】また、上記クラッチ手段としては、上記エ
ンジン補機から吐出される流体により切換えられる流体
圧クラッチと、この流体圧クラッチに上記流体を導く状
態と遮断する状態とに切換えられるクラッチ切換手段と
を備えたものがより好ましい(請求項7)。
【0011】
【作用】請求項1記載の装置では、エンジンが減速時で
かつ所定の運転領域にある時(以下、「所定減速時」と
称する。)に、上記エンジン補機のためのエンジン負荷
を高めて上記連結軸を加速させるとともに過給気をリリ
ーフすることにより、過給圧が過度に上昇するのを避け
ながら減速時の放出エネルギをターボチャージャーの回
転エネルギとして蓄えることができる。そして、再加速
時には上記リリーフを止めることにより、蓄えた上記エ
ネルギを利用して過給圧を迅速に高め、応答性の高い加
速を行うことができる。また、上記エンジン補機の駆動
によりエンジン負荷が高まる分、減速時のエンジンブレ
ーキの効きが高まる。
【0012】特に、請求項2記載の装置では、上記所定
の運転領域として、エンジンの運転状態が予め設定され
た燃料カット領域にある時、すなわち走行負荷が極めて
低い時に上記エンジン補機の駆動による負荷を高めてい
るので、エンジンの燃費低下を伴うことなくターボチャ
ージャーを加速することができる。
【0013】請求項3記載の装置によれば、クラッチ手
段でコンプレッサ側軸とタービン側軸とを連結した状態
では、通常のターボチャージャーと同様に、タービンで
排気ガスエネルギを回収してこのエネルギでコンプレッ
サを駆動し、過給を行うことができる一方、上記クラッ
チ手段においてコンプレッサ側軸をタービン側軸から切
離し、このコンプレッサ側軸のみをエンジン補機及び補
助駆動用タービン及び補助駆動手段で駆動すれば、コン
プレッサ及びタービンの双方を補助駆動する場合よりも
高いコンプレッサ回転数を得ることが可能である。
【0014】上記装置における具体的な切換制御とし
て、請求項4記載の装置では、上記所定減速時に上記ク
ラッチ手段を切離し状態に切換えるように(すなわちコ
ンプレッサのみを補助駆動させるように)上記過給制御
手段を構成しているので、所定減速時にコンプレッサと
タービンとを連結して双方を補助駆動する場合に比べ、
この所定減速時でのコンプレッサ回転数をより高い回転
数に維持することができる。従って、上記所定減速時に
移行してから補助駆動を続行している期間内に加速を開
始する場合、過給気のリリーフを停止することにより、
上記コンプレッサによる本格的な過給をより高いコンプ
レッサ回転数から始めることができる。
【0015】また、所定減速時にコンプレッサのみを回
転駆動しているためにエンジン補機駆動によるエンジン
負荷の上昇が少なく、よってこのエンジン補機の駆動に
伴うエンジン負荷の急激な上昇が避けられる。
【0016】これに対し、請求項5記載の装置では、上
記所定減速時に上記クラッチ手段を連結状態に切換え
(すなわちコンプレッサとタービンの双方を駆動するよ
うにし)、エンジン加速開始時に上記クラッチ手段を切
離し状態に切換えるようにしているので、所定減速時に
コンプレッサとタービンとを切り離してコンプレッサの
みを補助駆動する場合に比べ、補助駆動の対象となる回
転体の慣性モーメントをより大きくすることができる。
従って、上記所定減速時に移行した後、運転状態が上記
所定領域を外れ、エンジン補機による補助駆動が中止さ
れもしくは補助駆動力が下げられた場合に、この補助駆
動中止または低下に伴うコンプレッサの回転数の低下を
抑制することができる。従って、その後の加速開始時
に、上記コンプレッサとタービンとを切離し、コンプレ
ッサのみをエンジン補機の動力で補助駆動することによ
り、コンプレッサの回転数をより高い回転数から所望の
回転数まで迅速に高めることができる。
【0017】さらに、請求項6記載の装置では、エンジ
ンが減速時でかつ所定の運転領域に入った時点から所定
時間が経過するまでは上記クラッチ手段を切離し状態に
切換え、所定時間経過後はクラッチ手段を連結状態に切
換え、加速開始時にはクラッチ手段を切離し状態に切換
えるようにしているので、上記所定減速時に移行してか
ら上記所定時間が経過する前であって補助駆動を続行し
ている比較的早い時点で加速が開始された場合には、上
記コンプレッサのみの補助駆動でコンプレッサ回転数を
高く維持した状態から過給リリーフを停止させることに
より、請求項4記載の装置と同様、上記コンプレッサに
よる過給圧をより迅速に高めることができる。
【0018】一方、上記所定減速時に移行してから上記
所定時間が経過し、コンプレッサとタービンとを連結し
てから運転状態が上記所定領域を外れ、エンジン補機に
よる補助駆動が中止されもしくは補助駆動力が下げられ
た際には、上記コンプレッサとタービンとの連結による
慣性モーメントの増大によってコンプレッサの回転数の
低下を抑制することができるため、この場合も、その後
加速が開始された際には、上記コンプレッサとタービン
とを切離し、コンプレッサのみをエンジン補機の動力で
補助駆動することにより、請求項5記載の装置と同様に
コンプレッサの回転数をより高い回転数から短時間で所
望の回転数まで引上げることができる。
【0019】また、上記各装置におけるクラッチ手段と
して、請求項7記載のように、上記エンジン補機から吐
出される流体により切換えられる流体圧クラッチと、こ
の流体圧クラッチに上記流体を導く状態と遮断する状態
とに切換えられるクラッチ切換手段とを備えたものによ
れば、上記補助駆動用流体を利用して、しかもクラッチ
切換手段による切換だけで、コンプレッサ側軸とタービ
ン側軸との連結・切離しを行うことができる。
【0020】
【実施例】本発明の第1実施例を図1〜図5に基づいて
説明する。
【0021】図3に示すエンジン10の各気筒には、吸
気マニホールド12を介して共通吸気管14が接続され
ている。この共通吸気管14の途中には、スロットル弁
15、インタクーラー16、ターボチャージャー(実際
には後述のように補助駆動を受けるスーパーチャージャ
ーとしての機能も兼ね備えたターボチャージャー)2
4、エアクリーナー18等が設けられている。この共通
吸気管14において、上記ターボチャージャー24の上
流側部分と下流側部分とは、同ターボチャージャー24
を迂回するバイパス通路17で接続されており、このバ
イパス通路17の途中に吸気バイパス弁(切換手段)2
1が設けられている。この吸気バイパス弁21は、電磁
切換弁等で構成され、外部からの信号を受けて上記バイ
パス通路17を開通する状態と遮断する状態とに切換え
られるように構成されている。
【0022】上記各気筒には、排気マニホールド19を
介して共通排気管20が接続されている。この共通排気
管20の途中には、上記ターボチャージャー24、排ガ
ス浄化用触媒22等が設けられており、上記ターボチャ
ージャー24の上流側部分と下流側部分とは同ターボチ
ャージャー24を迂回しながらウエストゲート23を介
して接続されている。
【0023】上記ターボチャージャー24の内部構造を
図1,2に示す。このターボチャージャー24は、通常
のターボチャージャーと同様、コンプレッサ26及びタ
ービン28を備えている。コンプレッサ26はコンプレ
ッサハウジング30に収容され、タービン28はタービ
ンハウジング32に収容されている。コンプレッサハウ
ジング30は上記共通吸気管14の途中に組み込まれ、
タービンハウジング32は上記共通排気管20の途中に
組み込まれており、両ハウジング30,32は略円筒状
の本体ハウジング34を介して連結されている。
【0024】なお、上記コンプレッサ26はアルミニウ
ム等の比較的軽量な材料で比較的薄肉に形成されている
のに対し、タービン28は、排気ガスの高熱に耐えるべ
く鉄系材料等の比較的重い材料で厚肉に形成されてい
る。従って、タービン28の慣性モーメントは上記コン
プレッサ26の慣性モーメントよりも大幅に大きくなっ
ている。
【0025】この本体ハウジング34内の中央には、こ
れと同軸状態でコンプレッサ側軸36及びタービン側軸
38が収容されている。そして、コンプレッサ側軸36
の外側端部(図1では右側端部)が上記コンプレッサ2
6の中心部に固定され、タービン側軸38の外側端部
(図1では左側端部)がタービン28の中心部に固定さ
れている。
【0026】上記コンプレッサ側軸36の内側端部(図
1では左側端部)は、先端に向かって開口する筒部37
とされ、タービン側軸38の内側端部(図1では右側端
部)は、上記筒部37内に相対回転可能に嵌入される小
径の嵌入部39とされている。
【0027】上記コンプレッサ側軸36の径方向外側に
は、これと一体に回転する状態で外筒41が外嵌され、
この外筒41において上記タービン側よりの部分(図1
では左側よりの部分;本体ハウジング34内において左
右方向略中央の部分)に、油圧タービン(補助駆動用タ
ービン)43が一体形成されている。この油圧タービン
43は、この実施例ではペルトンホイール状に形成さ
れ、その外周部に所定方向から作動油が吹き付けられる
ことにより、上記外筒41及びコンプレッサ側軸36と
一体に回転駆動されるように構成されている。
【0028】本体ハウジング34の内側には、その軸方
向略全域にわたって延びる筒状の軸受ハウジング40が
嵌挿されている。そして、この軸受ハウジング40に、
上記コンプレッサ側軸36外側の外筒41と、タービン
側軸38の双方が、軸受42を介して回転可能に支持さ
れている。また、各軸受42の傍らには油路形成リング
45が配設されている。
【0029】上記コンプレッサ側軸36とタービン側軸
38との間には、図2に示すような油圧クラッチ44が
設けられている。この油圧クラッチ44は、油路形成ブ
ロック46、スリーブ48、外側クラッチ部材50、内
側クラッチ部52、スプリング58等で構成されてい
る。
【0030】上記油路形成ブロック46は、後述の油圧
クラッチ作動油用油路が形成されたものであり、全体が
筒状をなしている。この油路形成ブロック46のタービ
ンよりの部分は上記軸受ハウジング40内周面にほぼ摺
接する大径部46aとされ、コンプレッサよりの部分は
上記大径部46aよりも小径の小径部46bとされてお
り、油路形成ブロック46全体がタービン側軸38に外
嵌、固定されている。また、この油路形成ブロック46
の大径部46aと小径部46bとの境界部分にはリング
55が固定されている。
【0031】外側クラッチ部材50は、タービン側軸3
8の外径よりも大きな内径をもつ筒状部を有し、ナット
51と上記油路形成ブロック46との間に挾まれた状態
でタービン側軸38の途中部分に固定されている。上記
筒状部は、コンプレッサ側軸36に向かって開口してお
り、この開口端の周縁内周面は、筒状部の奥(図2では
左側)に向かうに従って縮径するテーパー状内周面53
とされている。
【0032】これに対し、内側クラッチ部52はコンプ
レッサ側軸36の筒部37の端部に一体形成されたもの
であり、筒状をなしている。そして、この内側クラッチ
部52の外周面は、上記外側クラッチ部材50のテーパ
ー状内周面53に内側から圧接可能なテーパー状外周面
54とされている。
【0033】スリーブ48は、上記外側クラッチ部材5
0の外周面に外側から摺接しており、そのコンプレッサ
側端部(図2右側端部)には、上記内側クラッチ部52
をコンプレッサ側から抱きかかえるリング56が固定さ
れている。また、このスリーブ48の適所からは内方の
油路形成ブロック46に向かって突出するつば部49が
形成されており、このつば部49と上記リング55との
間に油圧室59が形成されている。
【0034】上記つば部49と上記外側クラッチ部材5
0との間には、スプリング(圧接手段)58が圧入され
ている。このスプリング58は、その弾発力でスリーブ
48及び上記リング56をタービン側に付勢している。
この弾発力により、上記リング56にコンプレッサ側か
ら抱きかかえられるようにしてコンプレッサ側軸36が
タービン側に押圧され、この押圧により、通常は上記内
側クラッチ部52の外側テーパー面54が外側クラッチ
部材50の内側テーパー面53に内側から圧接し、これ
らテーパー面53,54の圧接により、コンプレッサ側
軸36とタービン側軸38とが同軸状態で相対回転不能
に連結されるようになっている。
【0035】次に、このターボチャージャー24に形成
されている作動油の油路を説明する。なお、この実施例
では上記作動油に軸受42の潤滑油の軸受とが共用され
ている。
【0036】本体ハウジング34の側壁適所には、作動
油供給ポート62が形成され、この作動油供給ポート6
2は作動油供給路64を介して軸受ハウジング40に連
通されている。軸受ハウジング40の側壁には、上記作
動油供給路64と通ずる溝65が全周にわたって形成さ
れている。この溝65と軸受ハウジング40内とを連通
する複数の作動油噴射口63が穿設されている。各作動
油噴射口63の位置は、該噴射口63から噴射された作
動油が上記油圧タービン43の外周部に吹き付けられ、
これによって油圧タービン43が回転駆動される位置に
形成されている。
【0037】本体ハウジング34側壁において、上記作
動油供給ポート62と異なる位置には作動油供給ポート
66が設けられ、この作動油供給ポート66は、軸受ハ
ウジング40において上記溝65と異なる位置に開口し
ている。軸受ハウジング40において上記開口に臨む部
分には、溝69が全周にわたって形成されるとともに、
この溝69と軸受ハウジング40内における上記油路形
成ブロック46の大径部46a外周面とを連通する複数
の作動油供給口67が形成されている。
【0038】タービン側軸38の中央には、その中心軸
に沿って作動油路70が形成されている。このタービン
側軸38及び油路形成ブロック46の大径部46aに
は、上記作動油供給口67と作動油路70とを径方向に
連通する作動油路71,68が形成されている。さら
に、上記タービン軸38において上記作動油路71より
もコンプレッサ側の部分及び油路形成ブロック46の小
径部46bには、上記作動油路70と前記油圧室59と
を径方向に連通する作動油路73,72が形成されてい
る。
【0039】そして、これらの作動油路73,72から
上記油圧室59内に作動油が供給されることにより、そ
の油圧でスリーブ48及びリング56がスプリング58
の弾発力に抗してコンプレッサ側に押され(図2二点鎖
線参照)、これにより両テーパー面53,54の圧接が
解除されてコンプレッサ側軸36とタービン側軸38と
が相対回転可能に切り離されるようになっている。
【0040】本体ハウジング34には、上記軸受ハウジ
ング40内に通ずる作動油回収路81,82が形成され
ており、これらは作動油排出ポート84に合流してい
る。
【0041】本体ハウジング34において、上記作動油
供給ポート62と異なる位置には、潤滑油供給ポート8
6が形成されている。この潤滑油供給ポート86は、本
体ハウジング34内に形成された潤滑油供給路88,9
4を通じて軸受ハウジング40の外周面に連通されてい
る。
【0042】軸受ハウジング40の外周面において、上
記潤滑油供給路88,94につながる位置には、全周に
わたって溝89,96が形成されており、さらに、この
軸受ハウジング40及び油路形成リング45には、上記
溝89,96に通ずる潤滑油路90,98が形成されて
いる。各油路形成リング45には、各潤滑油路90,9
8と通ずるオイルジェット92,99が形成されてお
り、各オイルジェット92,99の向きは、これらオイ
ルジェット92,99から噴射された潤滑油が各軸受4
2の滑動部分に供給されるように設定されている。
【0043】また、本体ハウジング34には、上記軸受
ハウジング40の両端開口と通ずる潤滑油回収路80,
83が形成されており、これらは上記作動油排出ポート
84に合流している。
【0044】なお、図2において78は通路確保用の栓
であり、100は本体ハウジング34に形成されたウォ
ータジャケットである。
【0045】図3に示すように、エンジン10のクラン
ク軸102には、駆動伝達機構104、及びポンプクラ
ッチ106を介してエンジン補機である油圧ポンプ10
8が連結されている。油圧ポンプ108は調圧弁110
を介して上記作動油供給ポート62,66の双方に接続
されている。
【0046】上記ポンプクラッチ106は、上記駆動伝
達機構104と油圧ポンプ108とをつなぐオン状態
と、両者を切り離すオフ状態とに切換えられ、オン状態
で上記クランク軸102の駆動力を駆動伝達機構104
を介して油圧ポンプ108に伝達することにより、この
油圧ポンプ108を作動させるように構成されている。
油圧ポンプ108は、その作動により、上記エンジン1
0内の潤滑油を作動油として上記調圧弁110を介し作
動油供給ポート62,66に圧送するように構成されて
いる。
【0047】さらに、図4に示すように、上記調圧弁1
10の二次側と作動油供給ポート66との間には電磁式
のクラッチ弁(クラッチ切換手段)111が設けられて
いる。このクラッチ弁111は、外部からの信号入力に
よって、上記調圧弁110と作動油供給ポート66とを
連通する状態と遮断する状態とに切換えられるようにな
っている。
【0048】図3に示すように、このエンジンには、上
記コンプレッサ26の単位時間当りの回転数Ncを検出
するコンプレッサ回転数センサ112、上記タービン2
8の単位時間当りの回転数Ntを検出するタービン回転
数センサ114、スロットル弁15のスロットル開度θ
を検出するスロットルセンサ116、エンジン回転数N
eを検出するエンジン回転数センサ117、吸気管内圧
力を検出するエンジン吸気管ブーストセンサ118等を
備えており、これらのセンサ類がECU(コントロール
ユニット;駆動制御手段)120に接続されている。こ
のECU120は、各センサの検出信号に基づき、エン
ジン10内の燃料噴射制御、上記ポンプクラッチ106
のオンオフ制御、吸気バイパス弁21及びクラッチ弁1
11の開閉制御等を行うように構成されている。
【0049】次に、このECU120の行う制御動作並
びに装置全体の作用を図5のフローチャートを参照しな
がら説明する。
【0050】まず、ECU120は、スロットル開度θ
の時間変化量dθ/dtを監視し、現在、加減速操作が
行われているかを判別する。
【0051】ここで、減速操作が行われている場合(ス
テップS1でNOかつステップS2でYES)には、さ
らに、現在のエンジン回転数Ne及びエンジン負荷Pe
が予め設定された燃料カット領域(燃料噴射を行わない
領域;例えばエンジン回転数Neが一定値以上でエンジ
ン負荷Peが一定値以下の領域)にあるか否かを判別す
る(ステップS3)。
【0052】燃料カット領域にある場合には(ステップ
S3でYES)、燃料節減及びエミッション悪化防止を
図るべく、図略の燃料噴射弁による燃料噴射を停止させ
る。この際、ポンプクラッチ106をオンに切換えると
ともに、吸気バイパス弁21を開く(ステップS4)。
ポンプクラッチ106のオンにより、油圧ポンプ108
が作動し、エンジン10内の潤滑油が調圧弁110で一
定圧力に調圧された後にターボチャージャー24の作動
油供給ポート66に供給される。この作動油は、溝65
を通じて作動油噴射口63から外筒41の油圧タービン
43に噴射され、これにより上記外筒41と一体にコン
プレッサ軸36さらにはコンプレッサ26が補助回転駆
動され、加速される。一方、上記吸気バイパス弁21が
開くことにより、吸気の一部がコンプレッサ26をバイ
パスして直接エンジン10の気筒内に導入される(すな
わち過給リリーフされる)ので、上記コンプレッサ26
を加速しても、過給圧の過度の上昇は避けられる。
【0053】ここで、燃料カット領域に入ってから予め
設定された時間が経過するまでは(ステップS5でN
O)、ECU120はクラッチ弁111を開く(ステッ
プS6)。このため、上記調圧弁110からの作動油
は、溝69、作動油供給口67、作動油路68,71,
70,73,72を順に通って油圧室59内に導入さ
れ、スプリング58の弾発力に抗してスリーブ48をコ
ンプレッサ側(図2右側)に押し返す。これにより、そ
れまでスプリング58がその弾発力でリング56を介し
内側クラッチ部52を外側クラッチ部材50の内側に押
し込んでいた力が解除され、これに伴い、上記内側クラ
ッチ部52の外側テーパー面53と外側クラッチ部材5
0の内側テーパー面54との圧接も解除される。従っ
て、この圧接力に起因する摩擦力でそれまで連結されて
いたコンプレッサ側軸36とタービン側軸38とが、互
いに相対回転可能な状態に切り離される。
【0054】すなわち、上記作動油の供給により、油圧
タービン43の回転駆動とほぼ同時にコンプレッサ側軸
36とタービン側軸38との切離しが行われる。これに
より、慣性モーメントの小さいコンプレッサ26及びコ
ンプレッサ側軸36のみが補助回転駆動されるため、減
速時の放出エネルギがコンプレッサ26の回転エネルギ
として蓄えられるとともに、このコンプレッサ26が慣
性モーメントの大きなタービン28及びタービン側軸3
8と連結されている場合に比べ、コンプレッサ26の回
転数がより高められる。
【0055】このような燃料カット領域内での運転状態
が所定時間続いた後は(ステップS5でYES)、EC
U120は上記クラッチ弁111を閉じる(ステップS
7)。これにより、油圧室59内への作動油の供給が止
められるため、スプリング58の弾発力で内側クラッチ
部52のテーパー状外周面54が外側クラッチ部材50
のテーパー状内周面52に再び圧接し、この圧接による
摩擦力で、コンプレッサ側軸36とタービン側軸38と
が同軸の状態で相対回転不能に相互連結される。従っ
て、コンプレッサ26はタービン28と一体に回転する
こととなり、コンプレッサ26単独で回転する場合に比
べて回転体全体の慣性モーメントは大幅に増大する。
【0056】以上のように燃料カット領域内でコンプレ
ッサ側軸36とタービン側軸38とが連結あるいは切り
離されながらコンプレッサ26が補助駆動されている状
態で、加速操作が行われると(ステップS1でYE
S)、ECU120はポンプクラッチ106をオンにし
たままクラッチ弁111及び吸気バイパス弁21を閉じ
る(ステップS8)。これにより、コンプレッサ側軸3
6とタービン側軸38とが連結された状態でバイパス通
路17を通じての過給リリーフが停止されることとな
る。この時点で、それまで補助回転駆動を受けて高い回
転数を保持していたコンプレッサ26が過給圧を素早く
高め、高い応答性をもった加速を実現する。
【0057】なお、このような加速操作が得られる前
に、エンジンの運転状態が上記燃料カット領域から外れ
た場合には(ステップS2でNOまたはステップS3で
NO)、ECU120は、ポンプクラッチ106をオフ
に切換えるとともに吸気バイパス弁21を閉じる(ステ
ップS9)。このポンプクラッチ106のオフにより、
油圧ポンプ108の作動が停止し、作動油供給ポート6
2,66への作動油供給が止められるため、コンプレッ
サ側軸36の補助駆動が停止されるとともに、コンプレ
ッサ側軸36とタービン側軸38とがスプリング58の
弾発力で連結されることとなる。その後、加速操作が行
われた場合には(ステップS1でYES)、上記と同様
にポンプクラッチ106が再びオンに切換えられ(ステ
ップS8)、コンプレッサ26がタービン28とともに
再駆動される。
【0058】このような装置によれば、次の効果を得る
ことができる。
【0059】(a) エンジン減速時における燃料カット領
域内で、エンジン補機である油圧ポンプ108を作動さ
せてターボチャージャー24のコンプレッサ側軸36を
補助駆動し、かつ吸気バイパス弁21を開いて過給気を
リリーフしているので(ステップS4)、過給圧が過度
に上昇するのを避けながらエンジン減速時の放出エネル
ギをターボチャージャー24における回転エネルギとし
て蓄えることができる。従って、再加速時に上記吸気バ
イパス弁21を閉じてリリーフを止めることにより(ス
テップS8)、蓄えた上記エネルギを利用して(減速時
に予め補助駆動されているコンプレッサ26の回転によ
って)過給圧を迅速に高め、応答性の高い加速を効率良
く行うことができる。また、上記油圧ポンプ108の作
動によってエンジン負荷が高められるため、その分、減
速時のエンジンブレーキの効きが高まる。
【0060】(b) 走行負荷の極めて低い燃料カット領域
内(ステップS3でYES)で、エンジン補機である油
圧ポンプ108を作動させているので、エンジンの燃費
低下を伴うことなくターボチャージャー24を加速させ
ることができる。
【0061】(c) 燃料カット領域に入ってから所定時間
が経過するまでは(ステップS5でNO)、クラッチ弁
111を開いてコンプレッサ側軸36とタービン側軸3
8とを相対回転可能に切り離し(ステップS6)、コン
プレッサ26のみを単独で駆動しているので、両軸3
6,38を連結してコンプレッサ26と慣性モーメント
の大きいタービン28とを一体的に補助駆動する場合に
比べ、同じ駆動負荷でコンプレッサ回転数をより高い回
転数に維持することができる。従って、上記燃料カット
領域に入ってから比較的短時間のうちに(すなわち燃料
カット領域に入ってから同領域を外れて補助駆動が中止
される前に)加速が開始された場合には、コンプレッサ
26とタービン28とを連結している場合よりもコンプ
レッサ26の回転数がより高い状態から本格的な過給を
開始することができ、その分、過給応答性を高めること
ができる。
【0062】一方、燃料カット領域に入ってから所定時
間経過後は(ステップS5でYES)、クラッチ弁11
1を閉じて両軸36,38を連結し(ステップS7)、
コンプレッサ26とタービン28とを一体的に補助回転
駆動しているので、上記のようにコンプレッサ26のみ
を単独で補助回転駆動する場合に比べ、補助駆動の対象
となる回転体全体の慣性モーメントをより大きくするこ
とができる。従って、上記燃料カット領域に入ってから
比較的長い時間が経過し、その間にエンジンの運転状態
が燃料カット領域から外れてエンジン補機による補助駆
動が中止された場合に、この補助駆動中止に伴うコンプ
レッサ回転数の低下を抑制することができる。よって、
その後の加速開始時(ステップS1でYES)における
コンプレッサ回転数をより高く維持することができ、こ
の加速開始時にコンプレッサ26とタービン28とを切
離してコンプレッサ26のみを補助駆動することにより
(ステップS8)、コンプレッサ回転数をより短時間で
所定回転数まで高めることができる。
【0063】(d) 上記油圧ポンプ108を作動油供給ポ
ート62,66の双方につなぎ、作動油供給ポート62
と油圧ポンプ108との間にクラッチ弁111を設けて
いるので、共通の作動油を利用して補助駆動とクラッチ
作動の双方を行うことができる。しかも、上記クラッチ
弁111の開閉だけでコンプレッサ側軸36とタービン
側軸38との連結・切離しの切換を行うことができる。
【0064】なお、本発明はこのような実施例に限定さ
れるものではなく、例として次のような態様を採ること
も可能である。
【0065】(1) エンジン減速時において油圧ポンプ1
08を作動させる領域は、必ずしも上記燃料カット領域
に限られず、その他の領域を適宜設定してもよい。ただ
し、上記のように燃料カット領域に設定すれば、エンジ
ンの燃費を下げることなく油圧ポンプ108を駆動する
ことができる利点がある。
【0066】(2) 上記燃料カット領域等の所定領域で
は、終始クラッチ弁111を開いてコンプレッサ側軸3
6とタービン側軸38とを切り離しても良いし、終始ク
ラッチ弁111を閉じてコンプレッサ側軸36とタービ
ン側軸38とを連結してもよい。前者の場合には、燃料
カット領域に入ってからこの燃料カット領域を外れるま
での比較的短時間のうちに加速が開始された時に、後者
の場合には、燃料カット領域に入ってから比較的長時間
が経過し、燃料カット領域を外れて補助駆動が停止され
た後に加速が開始された時に、それぞれ加速開始時にお
けるコンプレッサ回転数をより高めることができる利点
がある。
【0067】(3) 上記実施例では、加速時でなくかつ燃
料カット領域でない状態(例えば通常の等速運転状態;
ステップS2,S3でNO)で、油圧ポンプ108の補
助駆動を全く停止させるものを示したが、これに代え、
油圧ポンプ108による補助駆動力を一定値以下まで低
下させるようにしてもよい。
【0068】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば次の効果
を得ることができる。
【0069】請求項1記載の装置では、所定減速時にエ
ンジン補機の駆動による負荷を高めてターボチャージャ
ーの連結軸を加速させるとともに過給気をリリーフし、
再加速時に上記リリーフを止めるようにしたものである
ので、上記所定減速時には過給圧が過度に上昇するのを
避けながら減速時のエンジンの放出エネルギをターボチ
ャージャーの回転エネルギとして蓄え、その後の加速時
に、蓄えた上記エネルギを利用することにより、効率良
く加速応答性を高めることができる効果がある。また、
上記エンジン補機の駆動による負荷の上昇で、エンジン
ブレーキの効きをより高めることができる。
【0070】特に、請求項2記載の装置では、上記所定
の運転領域として、エンジンの運転状態が予め設定され
た燃料カット領域にある時、すなわち走行のためのエン
ジン負荷が極めて低い時に上記エンジン補機の駆動のた
めの負荷を高めているので、エンジンの燃費低下を伴う
ことなくターボチャージャーを加速することができる効
果がある。
【0071】さらに、請求項3記載の装置によれば、ク
ラッチ手段でコンプレッサ側軸とタービン側軸との連結
/切離しを切換えることにより、エンジンの運転状態に
応じて、上記コンプレッサのみを補助駆動する状態と、
上記コンプレッサにタービンを連結して排気エネルギに
よりコンプレッサを駆動する状態とに自由に切換えるこ
とができる。
【0072】その具体的な切換制御として、請求項4記
載の装置では、上記所定減速時にコンプレッサをタービ
ンから切り離してコンプレッサのみを補助駆動している
ので、所定減速時にコンプレッサとタービンとを連結し
て双方を補助駆動する場合に比べ、この所定減速時での
コンプレッサ回転数をより高い回転数に維持することが
できる。従って、上記所定減速時に移行してから補助駆
動を続行している間に加速を開始し、これに伴い過給気
リリーフを停止させた際に、上記コンプレッサによる本
格的な過給をより高いコンプレッサ回転数でもって開始
することができ、その分加速応答性をより高めることが
できる効果がある。
【0073】また、所定減速時にコンプレッサのみを回
転駆動しているため、エンジン補機駆動によるエンジン
負荷の上昇が少なく、よって上記駆動に伴うエンジン負
荷の急激な上昇を避けることができる。
【0074】これに対し、請求項5記載の装置では、上
記所定減速時にコンプレッサとタービンとを連結して補
助駆動対象の慣性モーメントを増大させ、エンジン加速
開始時に両者を切り離して慣性モーメントの小さいコン
プレッサのみを補助駆動するようにしているので、上記
所定減速時に移行してから比較的長い時間が経過し、運
転状態が上記所定領域を外れた時、すなわちエンジン補
機による補助駆動が中止されもしくは補助駆動力が下げ
られた時のコンプレッサの回転数の低下を抑制すること
ができる。従って、その後の加速開始時にコンプレッサ
のみを補助駆動する際、より高いコンプレッサ回転数で
本格的な過給を開始することができ、その分加速応答性
をさらに高めることができる効果がある。
【0075】さらに、請求項6記載の装置では、エンジ
ンが減速時でかつ所定の運転領域内にある所定減速時に
入った時点から所定時間が経過するまでは上記クラッチ
手段を切離し状態に切換え、所定時間経過後はクラッチ
手段を連結状態に切換え、加速開始時にはクラッチ手段
を切離し状態に切換えるようにしているので、上記所定
減速時に移行してから上記所定時間が経過する前であっ
て補助駆動を続行している比較的早い時点で加速が開始
された場合には、上記請求項4記載の装置と同様にコン
プレッサのみの補助駆動で加速応答性を高めることがで
きる一方、上記所定減速時に移行してから上記所定時間
が経過後、運転状態が上記所定領域を外れ、エンジン補
機による補助駆動が中止されもしくは補助駆動力が下げ
られた後に加速が開始された場合には、上記請求項5記
載の装置と同様にして加速応答性を高めることができる
効果がある。
【0076】また、請求項7記載の装置では、クラッチ
手段として、上記エンジン補機から吐出される流体によ
り切換えられる流体圧クラッチと、この流体圧クラッチ
に上記流体を導く状態と遮断する状態とに切換えられる
クラッチ切換手段とを備えているので、上記補助駆動用
流体を利用した低コストの構造で、しかもクラッチ切換
手段を切換えるだけの簡単な操作で、コンプレッサ側軸
とタービン側軸との連結・切離しを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるターボチャージャ
ーの全体断面図である。
【図2】図1の一部拡大図である。
【図3】上記ターボチャージャーを備えたエンジンの全
体構成図である。
【図4】上記エンジンにおける調圧弁と両作動油供給ポ
ートとの接続状態を示した図である。
【図5】上記エンジンに設けられたECUの制御動作を
示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 エンジン 14 共通吸気管 17 バイパス通路(過給リリーフ手段を構成) 20 共通排気管 21 吸気バイパス弁(過給リリーフ手段を構成) 24 ターボチャージャー 26 コンプレッサ 28 タービン 36 コンプレッサ側軸 38 タービン側軸 43 油圧タービン(補助駆動用タービン) 44 油圧クラッチ(流体圧クラッチ) 62,66 作動油供給ポート 102 クランク軸(エンジン出力軸) 106 ポンプクラッチ(ポンプクラッチ手段) 108 油圧ポンプ(エンジン補機) 111 クラッチ弁(クラッチ切換手段) 120 ECU(過給制御手段)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ターボチャージャーにおいて吸気通路内
    に設けられるコンプレッサと排気通路内に設けられるタ
    ービンとを相互連結する連結軸に補助駆動用タービンを
    設け、この補助駆動用タービンにエンジン補機から吐出
    される流体を供給することにより上記連結軸を補助駆動
    するように構成したエンジンの過給装置において、上記
    ターボチャージャーによる過給気をリリーフするリリー
    フ状態とリリーフしない非リリーフ状態とに切換えられ
    る過給リリーフ手段と、エンジンが減速しかつ所定の運
    転領域にある時に上記エンジン補機の駆動による負荷を
    高めて上記連結軸を加速させるとともに上記過給リリー
    フ手段をリリーフ状態に切換え、エンジン加速時に上記
    過給リリーフ手段を非リリーフ状態に切換える過給制御
    手段とを備えたことを特徴とするエンジンの過給装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエンジンの過給装置にお
    いて、エンジンの運転状態が予め設定された燃料カット
    領域にあるときに上記エンジン補機の駆動による負荷を
    高めるように上記過給制御手段を構成したことを特徴と
    するエンジンの過給装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のエンジンの過給
    装置において、上記連結軸を互いに同軸状態で並ぶコン
    プレッサ側軸とタービン側軸とに分割し、これらコンプ
    レッサ側軸とタービン側軸とを互いに連動回転するよう
    に連結する連結状態と互いに相対回転するように切り離
    す切離し状態とに切換えられるクラッチ手段を備え、コ
    ンプレッサ側軸に上記補助駆動用タービンを設けるとと
    もに、このクラッチ手段をエンジンの運転状態に応じて
    切換えるように上記過給制御手段を構成したことを特徴
    とするエンジンの過給装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のエンジンの過給装置にお
    いて、エンジンが減速時でかつ所定の運転領域にある時
    に上記クラッチ手段を切離し状態に切換えるように上記
    過給制御手段を構成したことを特徴とするエンジンの過
    給装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のエンジンの過給装置にお
    いて、エンジンが減速時でかつ所定の運転領域にある時
    に上記クラッチ手段を連結状態に切換え、エンジン加速
    開始時に上記クラッチ手段を切離し状態に切換えるよう
    に上記過給制御手段を構成したことを特徴とするエンジ
    ンの過給装置。
  6. 【請求項6】 請求項3記載のエンジンの過給装置にお
    いて、エンジンが減速時でかつ所定の運転領域に入った
    時点から所定時間が経過するまでは上記クラッチ手段を
    切離し状態に切換え、所定時間経過後はクラッチ手段を
    連結状態に切換え、加速開始時にはクラッチ手段を切離
    し状態に切換えるように上記過給制御手段を構成したこ
    とを特徴とするエンジンの過給装置。
  7. 【請求項7】 請求項3〜6のいずれかに記載のエンジ
    ンの過給装置において、上記クラッチ手段として、上記
    エンジン補機から吐出される流体により切換えられる流
    体圧クラッチと、この流体圧クラッチに上記流体を導く
    状態と遮断する状態とに切換えられるクラッチ切換手段
    とを備えたことを特徴とするエンジンの過給装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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