JPH07127473A - エンジンの過給装置 - Google Patents

エンジンの過給装置

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JPH07127473A
JPH07127473A JP27446693A JP27446693A JPH07127473A JP H07127473 A JPH07127473 A JP H07127473A JP 27446693 A JP27446693 A JP 27446693A JP 27446693 A JP27446693 A JP 27446693A JP H07127473 A JPH07127473 A JP H07127473A
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JP
Japan
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turbine
hydraulic
side shaft
compressor
shaft
Prior art date
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Application number
JP27446693A
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English (en)
Inventor
Hisanori Nakane
久典 中根
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ターボ回転軸をコンプレッサ側軸とタービン
側軸とに分割して過給効率及び加速性の向上を図るとと
もに、両軸連結及び切離し用の油圧クラッチに不都合な
く作動油を供給する。 【構成】 ターボ回転軸を、吸気側のコンプレッサが固
定されたコンプレッサ側軸36と、排気側のタービンが
固定されたタービン側軸38とに分割し、コンプレッサ
側軸36を油圧タービン43への作動油噴射で補助駆動
する。両軸36,38間を連結及び切離しするための油
圧クラッチ44を備え、その油圧室47をタービン側軸
38側に設ける。この油圧室への作動油供給油路74,
76,78をハウジング34,40及びタービン側軸3
8に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ターボチャージャーを
備えたエンジンの過給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ターボチャージャーを備えたエン
ジンの過給装置として、例えば特公昭59−51649
号公報に示されるものが知られている。この装置では、
吸気側に設けられるコンプレッサと排気側に設けられる
タービンとがターボ回転軸で連結され、このターボ回転
軸の途中に流体タービンが設けられるとともに、この流
体タービンにオイルが噴射されることにより、ターボ回
転軸の駆動が補助されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記ターボチャージャ
ーにおけるコンプレッサホイール及びタービンホイール
(特にタービンホイール)は大きな慣性モーメントを有
しているため、これに外部から補助駆動力を与えること
により十分な応答性を得るためには、非常に大きな補助
駆動力を要し、その分装置が大がかりとなる。このよう
な補助駆動力を低減する手段として、出願人は、上記タ
ーボ回転軸をコンプレッサ側軸とタービン側軸とに分割
し、タービン回転速度が低い状態では両軸を切り離して
コンプレッサ側軸のみを補助駆動し、タービン回転速度
がコンプレッサ回転速度にほぼ追い着いた時点で両軸を
連結して通常のターボチャージャーと同様に排気ガスエ
ネルギでコンプレッサを駆動するようにしたものを特願
平5−109295号明細書において先に提案している
が、この装置において、上記コンプレッサ側軸とタービ
ン側軸とを連結/切離しするために油圧クラッチを用い
る場合、この油圧クラッチはターボチャージャーのハウ
ジングに対してターボ回転軸とともに高速回転するた
め、この油圧クラッチにどのようにして作動油を供給す
るかが課題となる。
【0004】本発明は、このような事情に鑑み、ターボ
回転軸をコンプレッサ側軸とタービン側軸とに分割して
過給効率及び加速性を高めるともに、油圧クラッチによ
って両軸の連結及び切離しを不都合なく行うことができ
るエンジンの過給装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は、コンプレッサとタービンとを
連結するターボ回転軸を備えたターボチャージャーと、
このターボチャージャーに設けられ、上記ターボ回転軸
の駆動を補助する補助駆動手段とを備えたエンジンの過
給装置において、上記ターボ回転軸をコンプレッサ側軸
とタービン側軸とに分割し、両軸が一体に回転するよう
に両軸を連結する状態と両軸が相対回転可能となるよう
に両軸を切り離す状態とに切換えられる油圧クラッチを
備え、コンプレッサ側軸を補助駆動するように上記補助
駆動手段を構成するとともに、上記油圧クラッチの油圧
室に作動油を供給するためのクラッチ用油路を上記ター
ボチャージャーのハウジングと上記コンプレッサ側軸、
タービン側軸のうち上記油圧室が設けられた側の軸とに
形成したものである(請求項1)。
【0006】より好ましくは、上記油圧クラッチの油圧
室をタービン側軸側に設け、この油圧室への油圧供給に
より上記コンプレッサ側軸とタービン側軸とを切り離す
方向の力が発生するように油圧クラッチを構成するとと
もに、上記タービン側軸に上記クラッチ用油路を形成す
るのがよい(請求項2)。
【0007】この装置では、上記補助駆動手段として、
ターボチャージャー外部から供給される作動油を補助駆
動用油路を通じてコンプレッサ側軸に噴射する作動油噴
射手段と、上記コンプレッサ側軸に設けられ、上記作動
油噴射手段から噴射される流体エネルギをコンプレッサ
側軸の回転エネルギに変換する流体タービンとを備える
とともに、上記補助駆動用油路とクラッチ用油路とを連
通したり(請求項3)、上記油圧クラッチに径方向に移
動可能な作動部材を設け、この作動部材に作用する遠心
力を上記コンプレッサ側軸とタービン側軸とを連結する
スラスト力に変換するようにしたりするのが(請求項
4)、より好ましい。ここで、上記油圧クラッチを、径
方向に移動可能な作動部材を備えてこの作動部材に作用
する遠心力を上記コンプレッサ側軸とタービン側軸とを
連結するスラスト力に変換する油圧クラッチとするとと
もに、上記作動部材の遠心力から変換される最大スラス
ト力が上記作動室への油圧供給によりコンプレッサ側軸
とタービン側軸とを切り離すスラスト力よりも高くなる
ように上記油圧クラッチを構成することにより、後述の
ようなより優れた効果が得られる(請求項5)。
【0008】
【作用】請求項1記載の装置によれば、タービン回転速
度が低い状態では、油圧クラッチでコンプレッサ側軸と
タービン側軸とを切り離して慣性モーメントの小さいコ
ンプレッサ側軸及びコンプレッサのみを補助駆動し、タ
ービン回転速度が高まった時点で上記油圧クラッチによ
りコンプレッサ側軸とタービン側軸とを連結して排気ガ
スエネルギを利用したターボ回転軸の駆動を開始するこ
とにより、少ない補助駆動力でターボ回転軸を効率良く
回転駆動することができる。
【0009】ここで、上記油圧クラッチはコンプレッサ
側軸やタービン側軸とともに高速回転することになる
が、これらコンプレッサ側軸とタービン側軸のうち上記
油圧クラッチの油圧室が設けられた側の軸にクラッチ用
油路が形成されているので、このクラッチ用油路を通じ
て上記油圧室に不都合なく作動油が供給される。
【0010】ここで、請求項2記載の装置では、上記作
動室に油圧を供給して両軸を切り離した状態で、補助駆
動を受けているコンプレッサ側軸よりも回転数の低いタ
ービン側軸に上記油圧クラッチの油圧室を設けて、この
タービン側軸にクラッチ用油路を形成しているので、コ
ンプレッサ側軸にクラッチ用油路を形成する場合に比
べ、軸側クラッチ用油路内の作動油に作用する逆流方向
の遠心力が小さく、よってクラッチ用作動油がより円滑
に油圧室に供給される。
【0011】さらに、請求項3記載の装置では、補助駆
動用油路を通じて作動油噴射手段から噴射される流体エ
ネルギがコンプレッサ側軸の回転エネルギに変換される
ことにより、コンプレッサ側軸の駆動が行われると同時
に、上記補助駆動用油路中の作動油がクラッチ用油路に
分流することにより油圧クラッチでの両軸切離しが行わ
れる。
【0012】また、請求項4記載の装置では、タービン
回転速度の上昇とともに作動部材に作用する遠心力も増
大するため、上記タービン回転速度がある程度高まった
時点で油圧クラッチにより上記コンプレッサ側軸とター
ビン側軸とが自動的に連結される。また、仮に油圧供給
に障害が生じても、タービン回転速度が降下した場合に
は、上記遠心力の低下によって両軸を切り離すことが可
能である。
【0013】ここで、請求項5記載の装置では、上記作
動部材の遠心力から変換される最大スラスト力が上記作
動室への油圧供給によりコンプレッサ側軸とタービン側
軸とを切り離すスラスト力よりも高いため、クラッチ用
油路を通じて油圧室に油圧が供給されていても、タービ
ン回転速度が一定以上高まれば上記油圧に抗して油圧ク
ラッチがコンプレッサ側軸とタービン側軸とを連結する
方向に作動する。従って、上記クラッチ用油路が補助駆
動用油路に連通されていても、この補助駆動用油路を通
じて両軸連結状態のまま作動油噴射手段から作動油を噴
射して補助駆動を続行することが可能である。
【0014】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0015】図6に示すエンジン10の各気筒には、吸
気マニホールド12を介して共通吸気管14が接続され
ており、その途中にスロットル弁15、インタクーラー
16、ターボチャージャー(実際には後述のように補助
駆動されるスーパーチャージャーとしての機能も兼ね備
えたターボチャージャー)24、エアクリーナー18等
が設けられている。上記各気筒には排気マニホールド1
9を介して共通排気管20が接続されており、その途中
に上記ターボチャージャー24、排ガス浄化用触媒22
等が設けられている。
【0016】上記ターボチャージャー24の内部構造を
図1,2に示す。このターボチャージャー24は、通常
のターボチャージャーと同様、コンプレッサ26及びタ
ービン28を備えている。コンプレッサ26はコンプレ
ッサハウジング30に収容され、タービン28はタービ
ンハウジング32に収容されている。コンプレッサハウ
ジング30は上記共通吸気管14の途中に組み込まれ、
タービンハウジング32は上記共通排気管20の途中に
組み込まれており、両ハウジング30,32は略円筒状
の本体ハウジング34を介して連結されている。
【0017】ここで、上記コンプレッサ26は、その回
転により新気を軸方向に吸入して径方向外側に吐出する
ように構成されているのに対し、タービン28は、その
回転により排気を径方向外側から吸入して軸方向に吐出
するように構成されている。
【0018】この本体ハウジング34内の中央には、こ
れと同軸状態でコンプレッサ側軸36及びタービン側軸
38が収容されている。そして、コンプレッサ側軸36
の外側端部(図1では右側端部)が上記コンプレッサ2
6の中心部に固定され、タービン側軸38の外側端部
(図1では左側端部)がタービン28の中心部に固定さ
れている。
【0019】上記コンプレッサ側軸36の内側端部(図
1では左側端部)は、先端に向かって開口する筒部37
とされ、タービン側軸38の内側端部(図1では右側端
部)に、上記筒部37内に相対回転可能に挿入される小
径の挿入部35が形成されており、この挿入部35と上
記筒部37との間に滑り軸受39が介設されている。
【0020】上記コンプレッサ側軸36の径方向外側に
は、これと一体に回転する状態で外筒41が外嵌され、
この外筒41の外周面の適当な位置に油圧タービン(流
体タービン)43が一体形成されている。この油圧ター
ビン43は、周方向成分をもつ作動油流がタービン側
(図1では左側)から吹き付けられることによりこのエ
ネルギをコンプレッサ側軸36の回転エネルギに変換す
る形状の羽根を有している。
【0021】本体ハウジング34の内側には、その軸方
向略全域にわたって延びる筒状の軸受ハウジング40が
嵌挿されている。図2に示すように、この軸受ハウジン
グ40の外周面には、全周にわたるリブ40aが軸方向
に多数並設されており、これらリブ40aの外周面と本
体ハウジング34の内周面との間に微小隙間が確保され
ている。
【0022】この軸受ハウジング40の内側には、上記
コンプレッサ側軸36外側の外筒41とタービン側軸3
8とを回転可能に支持する3つの軸受(この実施例では
アンギュラ玉軸受)42I,42C,42Tが保持され
ている。より詳しくは、コンプレッサ側軸36において
筒部37の近傍部分を支持する位置に中間軸受42Iが
設けられ、軸受ハウジング40のコンプレッサ側端部
(図1では右側端部)の内側にコンプレッサ側軸受42
Cが設けられ、軸受ハウジング40のタービン側端部
(図1では左側端部)の内側にタービン側軸受42Tが
設けられており、軸受42I,42Cの間に上記油圧タ
ービン43が設けられている。
【0023】上記コンプレッサ側軸36とタービン側軸
38との間には、両軸36,38の連結/切離しを行う
ための油圧クラッチ44が設けられている。この油圧ク
ラッチ44は、図2に示すようなタービン側部材46,
48、コンプレッサ側部材50、スペーサリング52、
位置決めリング53、スリーブ54、ボール(作動部
材)56等で構成されている。
【0024】上記タービン側部材46,48は、タービ
ン側軸38に外嵌され、ナット58で固定されている。
タービン側部材46は、軸方向略中央部に鍔部46aを
有している。タービン側部材48は、タービン側からコ
ンプレッサ側に向かうに従って縮径する方向のテーパー
面48aをタービン28に近い側に有し、コンプレッサ
側からタービン側に向かうに従って縮径する方向のテー
パー面48bをコンプレッサ26に近い側に有してい
る。コンプレッサ側部材50は、上記コンプレッサ側軸
36の筒部37外周面にスプライン59を介して軸方向
にのみ相対移動可能に装着されており、その外周面は、
上記タービン側部材48のテーパー面48bと互いに面
圧接可能な形状のテーパー面50aとされている。
【0025】スリーブ54は、上記タービン側部材4
6,48及びコンプレッサ側部材50の外周面に軸方向
に摺動可能に嵌められている。このスリーブ54の内周
面には環状突出部54bが形成されており、この環状突
出部54bとタービン側部材46の鍔部46aとの間に
油圧室47が形成されている。環状突出部54bにおい
てタービン側部材48のテーパー面48aと対向する面
は、タービン側からコンプレッサ側に向かうに従って拡
径する方向のテーパー面54aとされており、両テーパ
ー面48a,54a同士の間に複数のボール56が挾み
込まれている。また、スリーブ54においてコンプレッ
サ26に近い側の端部内側には位置決めリング53が固
定され、この位置決めリング53と上記コンプレッサ側
部材50との間に上記スペーサリング52が挾み込まれ
ており、このスペーサリング52の内周縁部は上記筒部
37のコンプレッサ側端面(図2では右側端面)に直接
当たる状態となっている。
【0026】そして、上記ボール56が遠心力で両テー
パー面48a,54aの間に食い込んだ状態では、この
食い込みによりスリーブ54及び位置決めリング53が
タービン28に近づく方向(図2の左方向)に移動して
スペーサリング52を介しコンプレッサ側部材50をタ
ービン側に引込み、コンプレッサ側部材50のテーパー
面50aとタービン側部材48のテーパー面48bとが
圧接して両者が一体に回転するように連結される一方、
上記油圧室47に油圧が供給され、かつ上記ボール56
の遠心力及び食い込みが弱い状態では、スリーブ54が
強制的にコンプレッサ側に押し戻されて上記圧接及び連
結が解除されるようになっている。
【0027】次に、このターボチャージャー24に形成
されている作動油の油路を説明する。なお、この実施例
では上記作動油は軸受42の潤滑油と兼用されている。
【0028】軸受ハウジング40内において、上記油圧
タービン43に隣接する位置には、図3〜図5にも示す
ような作動油噴射ブロック60が設けられている。この
作動油噴射ブロック60の外周面には全周にわたる溝6
2が形成され、この溝62から周方向成分及び軸方向成
分を含む方向に複数の(図例では4つの)噴射孔66が
形成されており、この噴射孔66の出口すなわち噴射口
68が上記油圧タービン43に向かって開口している。
また、上記溝62の周縁部の適所には図2,3に示すよ
うなノズル挿入凹部64が形成されている。
【0029】一方、前記本体ハウジング34には、これ
を径方向に貫通する作動油供給ノズル70が固定されて
いる。この作動油供給ノズル70は小径先端部72を有
し、この小径先端部72が上記軸受ハウジング40にお
いて油圧クラッチ44よりもコンプレッサ26に近い部
分の側壁を貫通して上記作動油噴射ブロック60のノズ
ル挿入凹部64内に嵌着されている。この作動油供給ノ
ズル70と上記作動油噴射ブロック60とで作動油噴射
手段が構成されており、両者にわたって補助駆動用油路
が形成された状態となっている。
【0030】上記作動油供給ノズル70の側壁には貫通
孔73が形成されており、この貫通孔73、本体ハウジ
ング34に形成された油路74、軸受ハウジング40に
形成された油路76、タービン側部材46に全周にわた
って形成された油路77、タービン側軸38に形成され
た油路78、及びタービン側部材46に全周にわたって
形成された油路79を介して上記油圧室47に連通され
ている。ここで、上記油路78は、上記油路77から径
方向内側に延びる部分78aと、この部分と通じて軸中
心に沿って延びる部分78bと、この部分から上記油路
79に至るまで径方向外側に延びる部分78cとからな
っている。そして、以上の油路74,76〜79により
クラッチ用油路が構成され、このクラッチ用油路が上記
貫通孔73を介して上記補助駆動用油路に連通された状
態となっている。
【0031】なお、図1,2において80,82は、ハ
ウジング40,34内の油をそれぞれ適宜本体ハウジン
グ34外に排出するための油排出ポートである。
【0032】図6に戻って、エンジン10のクランク軸
102には、駆動伝達機構104、及びポンプクラッチ
106を介して油圧ポンプ108が連結され、油圧ポン
プ108は調圧弁110を介して上記作動油供給ノズル
70に接続されている。油圧ポンプ108は、上記クラ
ンク軸102の駆動力を受けて作動し、上記エンジン1
0内の潤滑油を作動油として上記調圧弁110を介し作
動油供給ノズル70に圧送するように構成されている。
【0033】このエンジンには、上記コンプレッサ26
の単位時間当り回転数Ncを検出するコンプレッサ回転
数センサ112、上記タービン28の単位時間当り回転
数Ntを検出するタービン回転数センサ114、スロッ
トル弁15のスロットル開度θを検出するスロットルセ
ンサ116、エンジン回転数Neを検出するエンジン回
転数センサ117、吸気管内圧力を検出するエンジン吸
気管ブーストセンサ118等を備え、これらのセンサ類
がECU(コントロールユニット)120に接続されて
いる。このECU120は、エンジンの回転数Neや加
速状態に応じて上記ポンプクラッチ106のオンオフ制
御を行うように構成されている。
【0034】次に、この装置の作用を説明する。
【0035】まず、エンジンが低回転領域にある状態か
ら加速が行われると、ECU120から制御信号が出力
されてポンプクラッチ106がオンに切換えられること
により、油圧ポンプ108が作動し、エンジン10内の
潤滑油が調圧弁110で一定圧力に調圧された後にター
ボチャージャー24の作動油供給ノズル70に供給され
る。この作動油は、作動油噴射ブロック60の溝62及
び各噴射孔66を通じて噴射口68から油圧タービン4
3に向かって周方向に噴射され、これにより上記外筒4
1と一体にコンプレッサ側軸36さらにはコンプレッサ
26が補助回転駆動される。
【0036】一方、上記作動油供給ノズル70から導入
された作動油は、貫通孔73、油路74,76,77,
78,79を順に通って油圧室47内に導入される。こ
こで、タービン回転数Ntが低い間は、ボール56に作
用する遠心力も弱いため、このボール56を両テーパー
面48a,54aで押し出すようにしながら上記油圧室
47の油圧を受けたスリーブ48及び位置決めリング5
3がコンプレッサ側(図2右側)に移動する。このた
め、コンプレッサ側部材50のテーパー面50aとター
ビン側部材48のテーパー面48bとは互いに軸方向に
離間してこれらの圧接が解除された状態となり、コンプ
レッサ側軸36とタービン側軸38とは互いに相対回転
可能に切り離される。
【0037】すなわち、上記作動油の供給により、油圧
タービン43の回転駆動が行われ、コンプレッサ側軸3
6とタービン側軸38とは切離される。これにより、コ
ンプレッサ側軸36及びコンプレッサ26のみが補助回
転駆動され、この回転によりエンジン10に対して過給
が行われる。
【0038】このようにして加速が進むうち、タービン
回転数Ntが一定以上上昇すると、ボール56に作用す
る遠心力も高まるために、このボール56が油圧室47
内の圧力に抗して両テーパー面48a,54aの間に食
い込み、スリーブ54及び位置決めリング53をコンプ
レッサ26に近づく方向(図2の左方向)に移動させ、
スペーサリング52を介してコンプレッサ側部材50を
タービン側に引込ませる。これにより、コンプレッサ側
部材50のテーパー面50aとタービン側部材48のテ
ーパー面48bとが圧接し、この圧接による摩擦力で、
コンプレッサ側軸36とタービン側軸38とが同軸の状
態で相対回転不能に相互連結される。
【0039】従ってこの状態では、従来のターボチャー
ジャーと同様、排気ガスのエネルギによるタービン28
の回転が連結軸である両軸38,36を介して吸気側の
コンプレッサ26に伝達され、このコンプレッサ26の
回転により、エンジン各気筒に対して過給が行われる。
そして、加速が終了した段階でポンプクラッチ106が
オフに切換えられ、作動油噴射による補助駆動が止めら
れる。
【0040】以上のように、この装置では、ターボ回転
軸をコンプレッサ側軸36とタービン側軸38とに分割
するとともに、タービン回転数Ntが低い状態では、コ
ンプレッサ側軸36とタービン側軸38とを油圧クラッ
チ44で切り離して慣性モーメントの小さいコンプレッ
サ26及びコンプレッサ側軸36のみを補助駆動し、タ
ービン回転数Ntが高まった時点でコンプレッサ側軸3
6とタービン側軸38とを油圧クラッチ44で連結して
排気ガスエネルギを利用したターボ回転軸の駆動を開始
することにより、少ない補助駆動力でターボ回転軸を効
率良く回転駆動し、過給効率及び加速性の大幅な向上を
図ることができる。
【0041】そして、上記油圧クラッチ44の油圧室4
7に軸切離し用の油圧を供給する際、その油路を上記油
圧室47とともに回転するタービン側軸36に形成して
いる(図2の油路78)ので、上記油圧室47が高速回
転していても、これに不都合なく油圧を供給できる。
【0042】さらに、上記油圧クラッチ44は、タービ
ン回転数Ntとともに上昇する遠心力でボール56を両
テーパー面48a,54a間に食い込ませ、その力で両
テーパー面(クラッチ面)50a,48bを圧接させる
ものであるので、特別な制御を行うことなく簡単な構造
で自動的に両軸36,38の連結及び切離しを行うこと
ができる。また、この実施例では、油路74等からなる
クラッチ用油路を作動油供給ノズル70内の補助駆動用
油路に連通することにより、補助駆動用油とクラッチ用
油を兼用して同時供給しているので、これにより構造を
簡略化するとともに、補助駆動を開始するタイミングと
油圧クラッチ44に軸切離し用の油圧を供給するタイミ
ングとを正確に同期させることができる。
【0043】しかも、この実施例では、ボール56の遠
心力から変換される軸連結方向のスラスト力の最大力を
上記油圧によるスラスト力よりも大きく設定し、作動室
47内の油圧に抗して油圧クラッチ44が軸連結方向に
作動するようにしているので、上記のように補助駆動油
路とクラッチ用油路とが連通されていても、軸連結状態
のまま作動油供給を続けて補助駆動を続行することが可
能であり、これにより加速応答性をさらに高めることが
可能となっている。
【0044】なお、この実施例では、油圧クラッチ44
を用いて自動的に両軸36,38の連結及び切離しを行
うものを示したが、上記油圧クラッチ44に代えて通常
の油圧クラッチ、すなわち油圧の供給の有無によりオン
オフ切換が行われる油圧クラッチを設け、タービン回転
速度が低い領域では油圧クラッチをオフにし、タービン
回転速度が高い領域では油圧クラッチをオンにするよう
に油圧制御を行ってもよい。この場合、油圧クラッチ及
びクラッチ用油路はコンプレッサ側軸36に形成しても
良いが、このコンプレッサ側軸36は軸切離し状態でタ
ービン側軸38よりも回転速度が高いので、上記実施例
のようにタービン側軸36に油路78を形成した方が、
この油路78内の作動油に作用する逆流方向の遠心力が
少なくなり、その分作動油をより効率良く油圧室47内
に供給することができる。また、タービン側部材44の
油路77において径方向に延びる部分と軸受ハウジング
40の油路76との相対速度はより低くなり、よって両
油路76〜77が対向する時間を長くすることにより両
油路76〜77間の作動油の流れをより円滑にすること
ができる利点が得られる。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明は、ターボ回転軸
をコンプレッサ側軸とタービン側軸とに分割し、両者を
連結状態と切離し状態とに切換える油圧クラッチを備え
たものであるので、タービン回転速度が低い状態では、
コンプレッサ側軸とタービン側軸とを切り離して慣性モ
ーメントの小さいコンプレッサ側軸及びコンプレッサの
みを補助駆動し、タービン回転速度が高まった時点でコ
ンプレッサ側軸とタービン側軸とを連結して排気ガスエ
ネルギを利用したターボ回転軸の駆動を開始することに
より、少ない補助駆動力でターボ回転軸を効率良く回転
駆動し、過給効率及び加速性を向上させることができ
る。しかも、上記油圧クラッチの油圧室へ油圧を供給す
るための油路を、ターボチャージャーのハウジング及び
ターボ回転軸において上記油圧クラッチが設けられてい
る側の軸に形成しているので、上記油圧クラッチが高速
回転していても、これとともに回転するコンプレッサ側
軸あるいはタービン側軸の油路を通じて不都合なく油圧
を供給することができる。
【0046】ここで、請求項2記載の装置では、上記作
動室に油圧を供給して両軸を切り離した状態で、補助駆
動を受けているコンプレッサ側軸よりも回転数の低いタ
ービン側軸に上記油圧クラッチの油圧室を設けて、この
タービン側軸にクラッチ用油路を形成しているので、コ
ンプレッサ側軸にクラッチ用油路を形成する場合に比
べ、この軸側クラッチ用油路内の作動油に逆流方向に作
用する遠心力を小さくでき、これによりクラッチ用作動
油をより円滑に供給することができる効果がある。
【0047】さらに、請求項3記載の装置では、補助駆
動用油路を通じて作動油噴射手段から流体タービンに作
動油を噴射することにより、コンプレッサ側軸の補助駆
動を行うと同時に、上記補助駆動用油路中の作動油をク
ラッチ用油路に分流するようにしているので、作動油の
共通化によって構造の簡略化を図るとともに、上記補助
駆動を行うタイミングと油圧クラッチに軸切離しのため
の油圧を供給するタイミングとを確実に同期させること
ができる効果がある。
【0048】また、請求項4記載の装置では、上記油圧
クラッチとして、タービン側軸にその回転速度の上昇に
伴って作動部材の遠心力が増大する油圧クラッチを設け
ているので、特別な制御を行うことなく、タービン回転
速度がある程度高まった時点で自動的に上記コンプレッ
サ側軸とタービン側軸とを連結することができ、また、
仮に油圧供給に障害が生じても、タービン回転速度が降
下した際に上記遠心力の低下によって両軸を切り離すこ
とができる効果がある。
【0049】ここで、請求項5記載の装置では、上記作
動部材の遠心力から変換される最大スラスト力を上記作
動室への油圧供給によりコンプレッサ側軸とタービン側
軸とを切り離すスラスト力よりも高くし、クラッチ用油
路を通じて油圧室に油圧が供給されていてもタービン回
転速度が一定以上高まればコンプレッサ側軸とタービン
側軸とが連結されるようにしているので、上記クラッチ
用油路が補助駆動用油路に連通されていても、この補助
駆動用油路を通じて両軸連結後も作動油噴射手段から作
動油を噴射することによって補助駆動を続行することが
可能であり、これにより加速応答性をさらに高めること
ができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるターボチャージャー
の全体断面図である。
【図2】図1の一部拡大図である。
【図3】上記ターボチャージャーに設けられる作動油噴
射ブロックの断面側面図である。
【図4】図3のA矢視図である。
【図5】図4のB−B線断面図である。
【図6】上記ターボチャージャーを備えたエンジンの全
体構成図である。
【符号の説明】
10 エンジン 24 ターボチャージャー 26 コンプレッサ 28 タービン 36 コンプレッサ側軸 38 タービン側軸 43 油圧タービン(流体タービン) 44 油圧クラッチ 47 油圧室 60 作動油噴射ブロック(作動油噴射手段) 70 作動油供給ノズル(作動油噴射手段) 74,76 油路(ターボチャージャーハウジングに形
成された油路) 78 油路(タービン側軸に形成された油路)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンプレッサとタービンとを連結するタ
    ーボ回転軸を備えたターボチャージャーと、このターボ
    チャージャーに設けられ、上記ターボ回転軸の駆動を補
    助する補助駆動手段とを備えたエンジンの過給装置にお
    いて、上記ターボ回転軸をコンプレッサ側軸とタービン
    側軸とに分割し、両軸が一体に回転するように両軸を連
    結する状態と両軸が相対回転可能となるように両軸を切
    り離す状態とに切換えられる油圧クラッチを備え、コン
    プレッサ側軸を補助駆動するように上記補助駆動手段を
    構成するとともに、上記油圧クラッチの油圧室に作動油
    を供給するためのクラッチ用油路を上記ターボチャージ
    ャーのハウジングと上記コンプレッサ側軸、タービン側
    軸のうち上記油圧室が設けられた側の軸とに形成したこ
    とを特徴とするエンジンの過給装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエンジンの過給装置にお
    いて、上記油圧クラッチの油圧室をタービン側軸側に設
    け、この油圧室への油圧供給により上記コンプレッサ側
    軸とタービン側軸とを切り離す方向の力が発生するよう
    に油圧クラッチを構成するとともに、上記タービン側軸
    に上記クラッチ用油路を形成したことを特徴とするエン
    ジンの過給装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のエンジンの過給装置にお
    いて、上記補助駆動手段として、ターボチャージャー外
    部から供給される作動油を補助駆動用油路を通じてコン
    プレッサ側軸に噴射する作動油噴射手段と、上記コンプ
    レッサ側軸に設けられ、上記作動油噴射手段から噴射さ
    れる流体エネルギをコンプレッサ側軸の回転エネルギに
    変換する流体タービンとを備えるとともに、上記補助駆
    動用油路とクラッチ用油路とを連通したことを特徴とす
    るエンジンの過給装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載のエンジンの過給
    装置において、上記油圧クラッチを、径方向に移動可能
    な作動部材を設け、この作動部材に作用する遠心力を上
    記コンプレッサ側軸とタービン側軸とを連結するスラス
    ト力に変換するように油圧クラッチを構成したことを特
    徴とするエンジンの過給装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のエンジンの過給装置にお
    いて、上記油圧クラッチを、径方向に移動可能な作動部
    材を備えてこの作動部材に作用する遠心力を上記コンプ
    レッサ側軸とタービン側軸とを連結するスラスト力に変
    換する遠心クラッチとするとともに、上記作動部材の遠
    心力から変換される最大スラスト力が上記作動室への油
    圧供給によりコンプレッサ側軸とタービン側軸とを切り
    離すスラスト力よりも高くなるように上記油圧クラッチ
    を構成したことを特徴とするエンジンの過給装置。
JP27446693A 1993-11-02 1993-11-02 エンジンの過給装置 Pending JPH07127473A (ja)

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