JPH06322664A - 積層材の製造方法 - Google Patents
積層材の製造方法Info
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- JPH06322664A JPH06322664A JP5135148A JP13514893A JPH06322664A JP H06322664 A JPH06322664 A JP H06322664A JP 5135148 A JP5135148 A JP 5135148A JP 13514893 A JP13514893 A JP 13514893A JP H06322664 A JPH06322664 A JP H06322664A
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- Japan
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- thermoplastic resin
- coating agent
- backing coating
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【構成】 最低造膜温度の比較的に低い熱可塑性樹脂エ
マルジョンaと平均粒径が0.01〜0.15mmの熱
可塑性樹脂粒子bを配合してなるバッキング塗工剤を塗
布してから、樹脂粒子bの軟化温度以上でかつ基布素材
が熱変形しない温度で積層材を製造する方法において、
樹脂aと樹脂bとの溶解性パラメータδ値の差が2.5
以下であり、かつ加熱時の溶融粘度が1×106 ポイズ
以下であるバッキング塗工剤を用いる。繊維基布として
は熱変形温度が130℃以上、樹脂aとしては最低造膜
温度が60℃以下のものが用いられ、バッキング塗工剤
の配合には樹脂a100重量部に対して樹脂b15〜2
00重量部の割合の配合が用いられる。 【効果】 賦形性に優れるとともに、曲げ強度、非透水
性、耐熱性、塗工剤塗工面のもろさ等の各物性がバラン
スよく改善された積層材を、比較的低温度で容易に製造
できる。
マルジョンaと平均粒径が0.01〜0.15mmの熱
可塑性樹脂粒子bを配合してなるバッキング塗工剤を塗
布してから、樹脂粒子bの軟化温度以上でかつ基布素材
が熱変形しない温度で積層材を製造する方法において、
樹脂aと樹脂bとの溶解性パラメータδ値の差が2.5
以下であり、かつ加熱時の溶融粘度が1×106 ポイズ
以下であるバッキング塗工剤を用いる。繊維基布として
は熱変形温度が130℃以上、樹脂aとしては最低造膜
温度が60℃以下のものが用いられ、バッキング塗工剤
の配合には樹脂a100重量部に対して樹脂b15〜2
00重量部の割合の配合が用いられる。 【効果】 賦形性に優れるとともに、曲げ強度、非透水
性、耐熱性、塗工剤塗工面のもろさ等の各物性がバラン
スよく改善された積層材を、比較的低温度で容易に製造
できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の天井材、ドア
トリム、リヤーシェル、シートバック、トランクまわり
の部材、フロア、建造物の天井材、壁材、化粧容器等の
種々の用途に用いられる積層材の製造方法に関する。
トリム、リヤーシェル、シートバック、トランクまわり
の部材、フロア、建造物の天井材、壁材、化粧容器等の
種々の用途に用いられる積層材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車内装材等としては、カーペ
ットにエマルジョンやラテックス等の樹脂を塗工したも
のが広く用いられてきた。すなわち、ニードルパンチ不
織布に、軟化温度が100〜130℃の熱可塑性樹脂の
エマルジョンを塗布または含浸させ、加熱乾燥して水分
を除去した後、加熱成形して自動車内装材とすることは
知られている。かかる方法で製造された内装材は成形性
に優れているが、遮蔽性に劣る欠点があり、かつ剛性が
充分でなかった。その欠点改良のため、加熱成形時に、
たとえばポリエチレンシートを張り合わせて溶融、接着
することも試みられているが、工程数の増加及び積層成
形体の重量増加が避けられなかった。
ットにエマルジョンやラテックス等の樹脂を塗工したも
のが広く用いられてきた。すなわち、ニードルパンチ不
織布に、軟化温度が100〜130℃の熱可塑性樹脂の
エマルジョンを塗布または含浸させ、加熱乾燥して水分
を除去した後、加熱成形して自動車内装材とすることは
知られている。かかる方法で製造された内装材は成形性
に優れているが、遮蔽性に劣る欠点があり、かつ剛性が
充分でなかった。その欠点改良のため、加熱成形時に、
たとえばポリエチレンシートを張り合わせて溶融、接着
することも試みられているが、工程数の増加及び積層成
形体の重量増加が避けられなかった。
【0003】また、ゴム系ラテックスにポリエチレンや
エチレン・酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂粉末
(ただしポリスチレン粒子を用いる記載がない)を配合
したバッキング塗布剤が提案されており(特公昭57−
34391号公報)、そのバッキング塗布剤をカーペッ
トに用いた場合には、得られるカーペットの繊維どおし
の固着性が向上し、かつカーペットに熱成形性を付与で
きる。しかしながら、同公報のそのバッキング塗布剤に
おける熱可塑性樹脂粉末の熱変形温度が80℃以下のも
のが望ましいとしている点において、かかるバッキング
塗布剤を施したカーペットは、成形後の耐熱保型性の点
で不充分で、かつ遮蔽性も不充分な場合があった。
エチレン・酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂粉末
(ただしポリスチレン粒子を用いる記載がない)を配合
したバッキング塗布剤が提案されており(特公昭57−
34391号公報)、そのバッキング塗布剤をカーペッ
トに用いた場合には、得られるカーペットの繊維どおし
の固着性が向上し、かつカーペットに熱成形性を付与で
きる。しかしながら、同公報のそのバッキング塗布剤に
おける熱可塑性樹脂粉末の熱変形温度が80℃以下のも
のが望ましいとしている点において、かかるバッキング
塗布剤を施したカーペットは、成形後の耐熱保型性の点
で不充分で、かつ遮蔽性も不充分な場合があった。
【0004】また、本発明者らは、先に、バッキング剤
に発泡性スチレン系樹脂粒子と樹脂エマルジョンの混合
物を用い、かつそのバッキング層を基布でサンドイッチ
した構造の積層材を提案した(特開昭63−13973
2号公報)。この積層材は成形性、剛性及び遮蔽性に優
れ、かつ、軽量性及び耐熱保型性に優れていた。しか
し、その方法は、エマルジョンの乾燥と発泡性スチレン
系樹脂粒子の発泡とを同時に行わせるため、乾燥炉内温
度の許容範囲が狭く、厳密な温度管理を行う必要があ
り、製造工程の管理が面倒で、生産性に劣る欠点があっ
た。
に発泡性スチレン系樹脂粒子と樹脂エマルジョンの混合
物を用い、かつそのバッキング層を基布でサンドイッチ
した構造の積層材を提案した(特開昭63−13973
2号公報)。この積層材は成形性、剛性及び遮蔽性に優
れ、かつ、軽量性及び耐熱保型性に優れていた。しか
し、その方法は、エマルジョンの乾燥と発泡性スチレン
系樹脂粒子の発泡とを同時に行わせるため、乾燥炉内温
度の許容範囲が狭く、厳密な温度管理を行う必要があ
り、製造工程の管理が面倒で、生産性に劣る欠点があっ
た。
【0005】さらに本発明者らは、バッキング剤に非発
泡性スチレン系重合体とスチレン系共重合体のエマルジ
ョンの混合物を用い、かつこのバッキング剤を熱溶融さ
せて積層材を製造する方法を提案した(特開平4−28
83号公報)。すなわち、この積層材の製造方法は、熱
変形温度が130℃以上の素材よりなる基布(A)上
に、最低造膜温度60℃以下のスチレン系共重合体のエ
マルジョン100重量部と、平均粒径が、0.05〜
0.5mmの非発泡性スチレン系重合体粒子を50〜7
00重量部の割合で配合されたバッキング塗工剤を塗布
し、次いで基布(A)の素材の熱変形温度より低い温度
で加熱・乾燥して樹脂塗工基布とし、次いで得られた樹
脂塗工基布を該非発泡性スチレン系重合体粒子の軟化温
度以上で、かつ基布(A)の素材が変形しない条件で加
熱する方法である。そして、この方法で得られる積層材
は、成形性、耐熱性、非透水性に優れ、かつ剛性の程度
も自由に設定できるなど、自動車内装材用として優れた
ものである。しかし、この方法は、その非発泡性スチレ
ン系重合体粒子として、成形温度(たとえば160℃)
での溶融粘度が2×106 ポイズ以上の高いものが用い
られ、またその粒子径も比較的に大きいために(平均粒
径が0.05〜0.5mmである)、加熱時に充分溶融
せず、そのためにバッキング塗工剤の塗工面がもろいと
いう欠点があった。この場合に、樹脂粒子を充分に溶融
させるために加熱温度を高くすることも考えられるが、
そのためには、たとえば180℃以上の高温加熱が必要
であり、基布の素材が損なわれるという問題があった。
泡性スチレン系重合体とスチレン系共重合体のエマルジ
ョンの混合物を用い、かつこのバッキング剤を熱溶融さ
せて積層材を製造する方法を提案した(特開平4−28
83号公報)。すなわち、この積層材の製造方法は、熱
変形温度が130℃以上の素材よりなる基布(A)上
に、最低造膜温度60℃以下のスチレン系共重合体のエ
マルジョン100重量部と、平均粒径が、0.05〜
0.5mmの非発泡性スチレン系重合体粒子を50〜7
00重量部の割合で配合されたバッキング塗工剤を塗布
し、次いで基布(A)の素材の熱変形温度より低い温度
で加熱・乾燥して樹脂塗工基布とし、次いで得られた樹
脂塗工基布を該非発泡性スチレン系重合体粒子の軟化温
度以上で、かつ基布(A)の素材が変形しない条件で加
熱する方法である。そして、この方法で得られる積層材
は、成形性、耐熱性、非透水性に優れ、かつ剛性の程度
も自由に設定できるなど、自動車内装材用として優れた
ものである。しかし、この方法は、その非発泡性スチレ
ン系重合体粒子として、成形温度(たとえば160℃)
での溶融粘度が2×106 ポイズ以上の高いものが用い
られ、またその粒子径も比較的に大きいために(平均粒
径が0.05〜0.5mmである)、加熱時に充分溶融
せず、そのためにバッキング塗工剤の塗工面がもろいと
いう欠点があった。この場合に、樹脂粒子を充分に溶融
させるために加熱温度を高くすることも考えられるが、
そのためには、たとえば180℃以上の高温加熱が必要
であり、基布の素材が損なわれるという問題があった。
【0006】本発明は、非透水性、成形性、耐熱性等の
物性に優れた積層材が得られ、かつ剛性の程度も自由に
設定でき、しかもバッキング塗工剤の塗工面のもろさも
改善され、曲げ等に対する抵抗力のある積層賦形物を比
較的低温で容易に製造できる積層材の製造方法を提供し
ようとするものである。
物性に優れた積層材が得られ、かつ剛性の程度も自由に
設定でき、しかもバッキング塗工剤の塗工面のもろさも
改善され、曲げ等に対する抵抗力のある積層賦形物を比
較的低温で容易に製造できる積層材の製造方法を提供し
ようとするものである。
【0007】すなわち、本発明の積層材の製造方法は、
熱変形温度が130℃以上の素材よりなる繊維基布
(A)上に、最低造膜温度が60℃以下の熱可塑性樹脂
エマルジョン(a)と平均粒径が0.01〜0.15m
mの熱可塑性樹脂粒子(b)とを樹脂固形分量で前者の
100重量部に対して後者を15〜200重量部配合し
てなるバッキング塗工剤を塗布し、得られたバッキング
塗工剤塗工繊維基布を該熱可塑性樹脂粒子(b)の軟化
温度以上でかつ該繊維基布(A)の素材が熱変形しない
温度条件下で加熱して積層材を製造する方法において、
前記のバッキング塗工剤として、前記の熱可塑性樹脂エ
マルジョン(a)と前記の熱可塑性樹脂粒子(b)との
両樹脂の溶解性パラメータ(δ値)の差が2.5以下で
あって、かつ前記のバッキング塗工剤の溶融粘度が前記
の加熱時の加熱温度において1×106 ポイズ以下であ
るバッキング塗工剤を使用することを特徴とする方法で
ある。
熱変形温度が130℃以上の素材よりなる繊維基布
(A)上に、最低造膜温度が60℃以下の熱可塑性樹脂
エマルジョン(a)と平均粒径が0.01〜0.15m
mの熱可塑性樹脂粒子(b)とを樹脂固形分量で前者の
100重量部に対して後者を15〜200重量部配合し
てなるバッキング塗工剤を塗布し、得られたバッキング
塗工剤塗工繊維基布を該熱可塑性樹脂粒子(b)の軟化
温度以上でかつ該繊維基布(A)の素材が熱変形しない
温度条件下で加熱して積層材を製造する方法において、
前記のバッキング塗工剤として、前記の熱可塑性樹脂エ
マルジョン(a)と前記の熱可塑性樹脂粒子(b)との
両樹脂の溶解性パラメータ(δ値)の差が2.5以下で
あって、かつ前記のバッキング塗工剤の溶融粘度が前記
の加熱時の加熱温度において1×106 ポイズ以下であ
るバッキング塗工剤を使用することを特徴とする方法で
ある。
【0008】一般に、溶解性パラメータ(δ値)とは、
分子蒸発熱の分子容に対する比の平方根で定義される高
分子物について規定されている物性値のことであり、共
重合物の溶解性パラメータ(δ値)は、ポリマー中に1
0重量%以上含まれるモノマー種iのホモポリマーの溶
解性パラメータを用いて下記式で容易に算出することが
できる。本明細書に記載の溶解性パラメータ(δ値)
は、共重合物の場合にはかかる方法による計算δ値をさ
すものとする。
分子蒸発熱の分子容に対する比の平方根で定義される高
分子物について規定されている物性値のことであり、共
重合物の溶解性パラメータ(δ値)は、ポリマー中に1
0重量%以上含まれるモノマー種iのホモポリマーの溶
解性パラメータを用いて下記式で容易に算出することが
できる。本明細書に記載の溶解性パラメータ(δ値)
は、共重合物の場合にはかかる方法による計算δ値をさ
すものとする。
【0009】
【数1】δ値 =Σ( Wi/Wt × δi )
【0010】上記式において、Wiはモノマー種iの重
量%を、Wtは10重量%以上含まれるモノマー種の重
量%の合計を、そしてδiはモノマー種iのホモポリマ
ーの溶解性パラメータをそれぞれ示す。
量%を、Wtは10重量%以上含まれるモノマー種の重
量%の合計を、そしてδiはモノマー種iのホモポリマ
ーの溶解性パラメータをそれぞれ示す。
【0011】また、本明細書に記載のバッキング塗工剤
の溶融粘度とは、バッキング塗工剤をキャピラリー式レ
オメータを用いて、所定の加熱温度でシリンダー圧力2
0Kgf/cm2 、ダイ径1mmφ×10mmLの条件
下で測定したときの粘度をさすものとする。
の溶融粘度とは、バッキング塗工剤をキャピラリー式レ
オメータを用いて、所定の加熱温度でシリンダー圧力2
0Kgf/cm2 、ダイ径1mmφ×10mmLの条件
下で測定したときの粘度をさすものとする。
【0012】本発明における熱変形温度が130℃以上
の素材よりなる繊維基布(A)は、製品積層材の表層材
になるものであり、化粧性を有するものが好ましく、そ
の例としてタフテッドカーペット、織布、ニードルパン
チカーペット、合成皮革等の不織布、不織布にスクリー
ン印刷して化粧したもの、これらの基布にバッキング処
理をしたもの等が挙げられる。
の素材よりなる繊維基布(A)は、製品積層材の表層材
になるものであり、化粧性を有するものが好ましく、そ
の例としてタフテッドカーペット、織布、ニードルパン
チカーペット、合成皮革等の不織布、不織布にスクリー
ン印刷して化粧したもの、これらの基布にバッキング処
理をしたもの等が挙げられる。
【0013】また、その繊維基布(A)の素材として
は、たとえば羊毛、絹等の天然繊維、ガラス繊維、ナイ
ロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、
ポリアクリロニトリル等の合成繊維等があげられる。
は、たとえば羊毛、絹等の天然繊維、ガラス繊維、ナイ
ロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、
ポリアクリロニトリル等の合成繊維等があげられる。
【0014】本発明の繊維基布(A)は、加熱プレス時
の熱変形を防ぐため、その素材の熱変形温度が、熱可塑
性樹脂粒子(b)の軟化温度より20℃以上高いものが
望ましい。また、その繊維基布(A)は、目付量が50
g以上、好ましくは、エマルジョンの表皮へのしみだし
を防ぐため80g以上である。
の熱変形を防ぐため、その素材の熱変形温度が、熱可塑
性樹脂粒子(b)の軟化温度より20℃以上高いものが
望ましい。また、その繊維基布(A)は、目付量が50
g以上、好ましくは、エマルジョンの表皮へのしみだし
を防ぐため80g以上である。
【0015】本発明におけるバッキング塗工剤は、最低
造膜温度が60℃以下の熱可塑性樹脂エマルジョン
(a)を樹脂固形分量で100重量部に対し、平均粒径
が0.01〜0.15mmの熱可塑性樹脂粒子(b)を
15〜200重量部、好ましくは20〜150重量部の
割合で配合してなるものである。
造膜温度が60℃以下の熱可塑性樹脂エマルジョン
(a)を樹脂固形分量で100重量部に対し、平均粒径
が0.01〜0.15mmの熱可塑性樹脂粒子(b)を
15〜200重量部、好ましくは20〜150重量部の
割合で配合してなるものである。
【0016】熱可塑性樹脂エマルジョンの造膜温度が6
0℃を越えると、加熱前(圧縮加熱前)の塗工層及び加
熱後の溶融層がもろくなり、かつ熱可塑性樹脂エマルジ
ョンと熱可塑性樹脂粒子の特定の割合の配合物であるバ
ッキング塗工剤の溶融粘度が高くなる結果として、圧縮
加熱後に均質な非透水性の層を形成しにくくなる。ま
た、熱可塑性樹脂粒子の平均粒径が0.01mm未満に
なると、繊維基布(A)に塗工する際に基布表面に留ま
ることができず、基布内部に浸透する結果、充分な遮蔽
性(非透水性)を発揮できなくなるし、逆にその平均粒
径が0.15mmを越えると、加熱前の塗工層及び加熱
後の溶融層がもろくなる。
0℃を越えると、加熱前(圧縮加熱前)の塗工層及び加
熱後の溶融層がもろくなり、かつ熱可塑性樹脂エマルジ
ョンと熱可塑性樹脂粒子の特定の割合の配合物であるバ
ッキング塗工剤の溶融粘度が高くなる結果として、圧縮
加熱後に均質な非透水性の層を形成しにくくなる。ま
た、熱可塑性樹脂粒子の平均粒径が0.01mm未満に
なると、繊維基布(A)に塗工する際に基布表面に留ま
ることができず、基布内部に浸透する結果、充分な遮蔽
性(非透水性)を発揮できなくなるし、逆にその平均粒
径が0.15mmを越えると、加熱前の塗工層及び加熱
後の溶融層がもろくなる。
【0017】また、熱可塑性樹脂エマルジョン(a)に
対し熱可塑性樹脂粒子(b)の量が多すぎると、得られ
る積層材の塗工層がもろくなるし、また、熱可塑性樹脂
粒子(b)の量が少なすぎると、同積層材の剛性及び耐
熱保型性が悪くなるし、かつ遮蔽性も悪くなる。
対し熱可塑性樹脂粒子(b)の量が多すぎると、得られ
る積層材の塗工層がもろくなるし、また、熱可塑性樹脂
粒子(b)の量が少なすぎると、同積層材の剛性及び耐
熱保型性が悪くなるし、かつ遮蔽性も悪くなる。
【0018】本発明の方法における最大の特徴点は、バ
ッキング塗工剤として、前記熱可塑性樹脂エマルジョン
(a)と前記熱可塑性樹脂粒子(b)との両樹脂の溶解
性パラメータ(δ値)の差が2.5以下、好ましくは
2.0以下であって、かつ前記のバッキング塗工剤の溶
融粘度が、前記の加熱時の加熱温度において1×106
ポイズ以下、好ましくは5×105 ポイズ以下のバッキ
ング塗工剤を用いる点にある。
ッキング塗工剤として、前記熱可塑性樹脂エマルジョン
(a)と前記熱可塑性樹脂粒子(b)との両樹脂の溶解
性パラメータ(δ値)の差が2.5以下、好ましくは
2.0以下であって、かつ前記のバッキング塗工剤の溶
融粘度が、前記の加熱時の加熱温度において1×106
ポイズ以下、好ましくは5×105 ポイズ以下のバッキ
ング塗工剤を用いる点にある。
【0019】前記両樹脂の溶解性パラメータ(δ値)の
差が2.5よりも大となると、加熱時に均質な溶融層を
形成させることができず、ひいては積層材の溶融層が極
めてもろいものとなったり、非透水性にも劣るものとな
りやすい。
差が2.5よりも大となると、加熱時に均質な溶融層を
形成させることができず、ひいては積層材の溶融層が極
めてもろいものとなったり、非透水性にも劣るものとな
りやすい。
【0020】また、バッキング塗工剤の溶融粘度が、加
熱時の加熱温度において1×106ポイズより大きくな
ると、加熱時に樹脂粒子(b)が充分に溶解せず、バッ
キング塗工剤塗工面の溶融層がもろくなり、積層材の非
透水性も悪くなるなどの問題が生じる。
熱時の加熱温度において1×106ポイズより大きくな
ると、加熱時に樹脂粒子(b)が充分に溶解せず、バッ
キング塗工剤塗工面の溶融層がもろくなり、積層材の非
透水性も悪くなるなどの問題が生じる。
【0021】本発明における熱可塑性樹脂エマルジョン
(a)としては、スチレン系樹脂エマルジョン、アクリ
ル酸エステル系樹脂エマルジョン、メタクリル酸エステ
ル系樹脂エマルジョン、スチレン/ブタジエンラテック
ス、天然ゴムラテックス、酢酸ビニル系共重合体樹脂エ
マルジョン、ポリ塩化ビニルエマルジョンなどがあげら
れるが、剛性の程度を自由に設定でき、かつ賦形性に優
れていることなどの点から、スチレン系又はメタクリル
酸メチル系(共)重合体樹脂エマルジョンが好ましい。
(a)としては、スチレン系樹脂エマルジョン、アクリ
ル酸エステル系樹脂エマルジョン、メタクリル酸エステ
ル系樹脂エマルジョン、スチレン/ブタジエンラテック
ス、天然ゴムラテックス、酢酸ビニル系共重合体樹脂エ
マルジョン、ポリ塩化ビニルエマルジョンなどがあげら
れるが、剛性の程度を自由に設定でき、かつ賦形性に優
れていることなどの点から、スチレン系又はメタクリル
酸メチル系(共)重合体樹脂エマルジョンが好ましい。
【0022】そのスチレン系又はメタクリル酸メチル系
樹脂エマルジョンの製造に例をとって詳述すると、乳化
剤を用いる乳化重合で行なわれるのが一般的である。単
量体としてはスチレン系樹脂エマルジョンの場合はスチ
レン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体が50
重量%以上、メタクリル酸メチル系樹脂エマルジョンの
場合はメタクリル酸メチルが50重量%以上の単量体が
用いられる。共重合体の場合には、他の単量体、たとえ
ばアクリル酸低級アルキルエステル(アルキル基の炭素
数1〜8)、メタクリル酸低級アルキルエステル(アル
キル基の炭素数1〜8)、ブタジエン、アクリロニトリ
ル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、アクリル酸、メタク
リル酸、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、メチロール(メ
タ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドが用い
られる。これらの単量体又は単量体混合物は乳化剤の存
在下で水性媒体中で乳化重合させる。その乳化重合で得
られる熱可塑性樹脂エマルジョンは、通常、樹脂固形分
濃度が30〜60重量%であり、分散樹脂の粒子径は通
常0.05〜1.0μmである。
樹脂エマルジョンの製造に例をとって詳述すると、乳化
剤を用いる乳化重合で行なわれるのが一般的である。単
量体としてはスチレン系樹脂エマルジョンの場合はスチ
レン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体が50
重量%以上、メタクリル酸メチル系樹脂エマルジョンの
場合はメタクリル酸メチルが50重量%以上の単量体が
用いられる。共重合体の場合には、他の単量体、たとえ
ばアクリル酸低級アルキルエステル(アルキル基の炭素
数1〜8)、メタクリル酸低級アルキルエステル(アル
キル基の炭素数1〜8)、ブタジエン、アクリロニトリ
ル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、アクリル酸、メタク
リル酸、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、メチロール(メ
タ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドが用い
られる。これらの単量体又は単量体混合物は乳化剤の存
在下で水性媒体中で乳化重合させる。その乳化重合で得
られる熱可塑性樹脂エマルジョンは、通常、樹脂固形分
濃度が30〜60重量%であり、分散樹脂の粒子径は通
常0.05〜1.0μmである。
【0023】また、本発明における熱可塑性樹脂粒子
(b)としては、ポリエチレン樹脂、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メタクリル酸
メチル(共)重合体樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン
・アクリル酸エステル共重合体樹脂、熱可塑性ポリエス
テル樹脂等の粒子があげられるが、積層材の耐熱性を高
めたり、溶解性パラメータ(δ値)の差を小さくするた
めなどの点からみて、スチレン系又はメタクリル酸メチ
ル系の(共)重合体樹脂粒子が好ましい。これらの重合
体樹脂粒子は、スチレン系又はメタクリル酸メチルを5
0重量%以上含有し、必要に応じて他の単量体、たとえ
ば(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル基の
炭素数1〜8)、アクリロニトリル、ヒドロキシ(メ
タ)アクリレートなどの単量体を共重合させたものであ
る。また、これらの樹脂粒子の軟化温度は80〜120
℃の範囲が好ましい。
(b)としては、ポリエチレン樹脂、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メタクリル酸
メチル(共)重合体樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン
・アクリル酸エステル共重合体樹脂、熱可塑性ポリエス
テル樹脂等の粒子があげられるが、積層材の耐熱性を高
めたり、溶解性パラメータ(δ値)の差を小さくするた
めなどの点からみて、スチレン系又はメタクリル酸メチ
ル系の(共)重合体樹脂粒子が好ましい。これらの重合
体樹脂粒子は、スチレン系又はメタクリル酸メチルを5
0重量%以上含有し、必要に応じて他の単量体、たとえ
ば(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル基の
炭素数1〜8)、アクリロニトリル、ヒドロキシ(メ
タ)アクリレートなどの単量体を共重合させたものであ
る。また、これらの樹脂粒子の軟化温度は80〜120
℃の範囲が好ましい。
【0024】本発明における熱可塑性樹脂粒子(b)
は、前述のように、その平均粒子径が0.01〜0.1
5mmのものであるが、かかる平均粒子径を有する重合
体粒子は、懸濁剤を含有する水性媒体中で懸濁(共)重
合させることによって得ることができるし、また適宜の
方法で得られた重合体樹脂を押出機で押出したものをカ
ッティングする方法等の方法で粒状化することによって
も容易に得られる。特に、懸濁重合法で得られた平均粒
子径が0.01〜0.15mmの範囲内にある重合体粒
子(b)とその重合媒体液(水性液)を含有する懸濁重
合生成物をそのまま用い、これと前記の乳化重合で得ら
れた分散樹脂粒子径が0.05〜1.0μmの熱可塑性
樹脂エマルジョン(a)とを、前記した所定の割合にな
るように混合すれば、本発明におけるバッキング塗工剤
を簡単にかつ容易に製造することができる。
は、前述のように、その平均粒子径が0.01〜0.1
5mmのものであるが、かかる平均粒子径を有する重合
体粒子は、懸濁剤を含有する水性媒体中で懸濁(共)重
合させることによって得ることができるし、また適宜の
方法で得られた重合体樹脂を押出機で押出したものをカ
ッティングする方法等の方法で粒状化することによって
も容易に得られる。特に、懸濁重合法で得られた平均粒
子径が0.01〜0.15mmの範囲内にある重合体粒
子(b)とその重合媒体液(水性液)を含有する懸濁重
合生成物をそのまま用い、これと前記の乳化重合で得ら
れた分散樹脂粒子径が0.05〜1.0μmの熱可塑性
樹脂エマルジョン(a)とを、前記した所定の割合にな
るように混合すれば、本発明におけるバッキング塗工剤
を簡単にかつ容易に製造することができる。
【0025】本発明におけるバッキング塗工剤は、前述
のとおり、バッキング塗工剤の溶融粘度が1×106 ポ
イズ以下、好ましくは5×105 ポイズ以下のものであ
り、その溶融粘度が比較的に低いのが特徴である。この
ように、バッキング塗工剤の溶融粘度を低下させる手段
としては、たとえば用いる熱可塑性樹脂粒子(b)とし
て、Tgの低い樹脂粒子を用いてもよいし、またTgの
高い樹脂粒子であっても、樹脂粒子(b)自体に、又は
バッキング塗工剤中に可塑剤を含有させることによって
も、その溶融粘度を低下させることができる。その可塑
剤としては、たとえば長鎖脂肪酸のアルキルエステル
(たとえばブチルステアレート、ブチルパルミテート、
ジオクチルフタレートなど)、白色鉱油、流動パラフィ
ンなどがあげられる。可塑剤を含有せしめる量は、熱可
塑性樹脂粒子(b)100重量部に対して10重量部以
下が好ましい。可塑剤の量が多くなりすぎると、バッキ
ング塗工剤の塗工面に可塑剤がブリード・アウトし、賦
形物の風合いなどを損ねることになる。可塑剤を含有せ
しめる手段としては、重合時に単量体中に添加しておい
てもよいし、樹脂エマルジョン(a)と樹脂粒子(b)
との混合時に添加してもよいが、前者の方が可塑剤の分
散性が向上するので好ましい。
のとおり、バッキング塗工剤の溶融粘度が1×106 ポ
イズ以下、好ましくは5×105 ポイズ以下のものであ
り、その溶融粘度が比較的に低いのが特徴である。この
ように、バッキング塗工剤の溶融粘度を低下させる手段
としては、たとえば用いる熱可塑性樹脂粒子(b)とし
て、Tgの低い樹脂粒子を用いてもよいし、またTgの
高い樹脂粒子であっても、樹脂粒子(b)自体に、又は
バッキング塗工剤中に可塑剤を含有させることによって
も、その溶融粘度を低下させることができる。その可塑
剤としては、たとえば長鎖脂肪酸のアルキルエステル
(たとえばブチルステアレート、ブチルパルミテート、
ジオクチルフタレートなど)、白色鉱油、流動パラフィ
ンなどがあげられる。可塑剤を含有せしめる量は、熱可
塑性樹脂粒子(b)100重量部に対して10重量部以
下が好ましい。可塑剤の量が多くなりすぎると、バッキ
ング塗工剤の塗工面に可塑剤がブリード・アウトし、賦
形物の風合いなどを損ねることになる。可塑剤を含有せ
しめる手段としては、重合時に単量体中に添加しておい
てもよいし、樹脂エマルジョン(a)と樹脂粒子(b)
との混合時に添加してもよいが、前者の方が可塑剤の分
散性が向上するので好ましい。
【0026】本発明におけるバッキング塗工剤には、さ
らに必要に応じて造膜助剤、乾燥促進剤、有機溶剤、分
散剤、湿潤剤、消泡剤、発泡剤、感熱剤、難燃剤、着色
剤、充填剤等の種々の添加剤を添加することができる。
これらの添加剤は、場合によっては、熱可塑性樹脂エマ
ルジョン(a)又は熱可塑性樹脂粒子(b)の製造時
に、樹脂中に、又は樹脂以外の相中に予め添加しておく
方法により添加してもよい。
らに必要に応じて造膜助剤、乾燥促進剤、有機溶剤、分
散剤、湿潤剤、消泡剤、発泡剤、感熱剤、難燃剤、着色
剤、充填剤等の種々の添加剤を添加することができる。
これらの添加剤は、場合によっては、熱可塑性樹脂エマ
ルジョン(a)又は熱可塑性樹脂粒子(b)の製造時
に、樹脂中に、又は樹脂以外の相中に予め添加しておく
方法により添加してもよい。
【0027】次に、以上詳述した繊維基布(A)及びバ
ッキング塗工剤を用いて積層材を製造する方法について
さらに詳述すると、まず、繊維基布(A)上にバッキン
グ塗工剤を塗布し、繊維基布(A)の表面に熱可塑性樹
脂層を形成せしめるとともに、熱可塑性樹脂エマルジョ
ン(a)の分散樹脂のみを繊維基布(A)の層内に含浸
せしめる。次いで、そのバッキング塗工剤の塗布された
繊維基布(A)を、熱可塑性樹脂粒子(b)の軟化温度
以上で、かつ繊維基布(A)の素材が熱変形しない温度
条件下で加熱賦形すると、熱可塑性樹脂エマルジョン
(a)の樹脂と熱可塑性樹脂粒子(b)とが充分に熱融
合して基布表面にバッキング層が形成される。と同時
に、繊維層の内部にまで含浸して分散した熱可塑性樹脂
エマルジョン(a)の樹脂粒子によって繊維が相互に結
合された繊維基布(A)が形成され、その表面バッキン
グ層と繊維基布層とがラミネート状に積層接着された積
層材となるのである。なお、バッキング塗工剤の塗布さ
れた繊維基布(A)は、その加熱工程前に、予め基布の
素材の熱変形温度よりも低い温度で加熱するなどの方法
で乾燥させておくのが望ましい。
ッキング塗工剤を用いて積層材を製造する方法について
さらに詳述すると、まず、繊維基布(A)上にバッキン
グ塗工剤を塗布し、繊維基布(A)の表面に熱可塑性樹
脂層を形成せしめるとともに、熱可塑性樹脂エマルジョ
ン(a)の分散樹脂のみを繊維基布(A)の層内に含浸
せしめる。次いで、そのバッキング塗工剤の塗布された
繊維基布(A)を、熱可塑性樹脂粒子(b)の軟化温度
以上で、かつ繊維基布(A)の素材が熱変形しない温度
条件下で加熱賦形すると、熱可塑性樹脂エマルジョン
(a)の樹脂と熱可塑性樹脂粒子(b)とが充分に熱融
合して基布表面にバッキング層が形成される。と同時
に、繊維層の内部にまで含浸して分散した熱可塑性樹脂
エマルジョン(a)の樹脂粒子によって繊維が相互に結
合された繊維基布(A)が形成され、その表面バッキン
グ層と繊維基布層とがラミネート状に積層接着された積
層材となるのである。なお、バッキング塗工剤の塗布さ
れた繊維基布(A)は、その加熱工程前に、予め基布の
素材の熱変形温度よりも低い温度で加熱するなどの方法
で乾燥させておくのが望ましい。
【0028】前記のバッキング塗工剤の塗布方法として
は、スプレー、はけ、フォーム塗工機、ロールなどを用
いて行なうことができ、その塗布量は、固形分量で50
〜1000g/m2 である。塗工作業性、塗工量や塗工
厚さの調節の容易性等の点からして、フォーム塗工法が
特に好ましい。
は、スプレー、はけ、フォーム塗工機、ロールなどを用
いて行なうことができ、その塗布量は、固形分量で50
〜1000g/m2 である。塗工作業性、塗工量や塗工
厚さの調節の容易性等の点からして、フォーム塗工法が
特に好ましい。
【0029】前記の任意工程としての、バッキング塗工
剤の乾燥は、任意の方法で行なうことができる。たとえ
ば、加熱シリンダー、赤外線加熱機、熱風乾燥機、サク
ションドライヤーなどを用いる等の種々の乾燥方法があ
るが、熱風乾燥機を用いる方法が一般的である。
剤の乾燥は、任意の方法で行なうことができる。たとえ
ば、加熱シリンダー、赤外線加熱機、熱風乾燥機、サク
ションドライヤーなどを用いる等の種々の乾燥方法があ
るが、熱風乾燥機を用いる方法が一般的である。
【0030】バッキング塗工剤が塗布され、好ましくは
予め乾燥した繊維基布(A)を加熱、好ましくは同時に
賦形するには、種々の方法を用いることができるが、通
常は、赤外線加熱機等を用いて加熱し、引続いてプレス
して賦形する二段法、又は加熱ロールを用いて加熱と圧
縮賦形とを同時に行なう一段法が用いられる。しかし、
バッキング塗工剤の塗布から、バッキング塗工剤塗布基
布の乾燥工程を経て、加熱賦形までの全工程を連続的に
行なう連続法も用いることができる。
予め乾燥した繊維基布(A)を加熱、好ましくは同時に
賦形するには、種々の方法を用いることができるが、通
常は、赤外線加熱機等を用いて加熱し、引続いてプレス
して賦形する二段法、又は加熱ロールを用いて加熱と圧
縮賦形とを同時に行なう一段法が用いられる。しかし、
バッキング塗工剤の塗布から、バッキング塗工剤塗布基
布の乾燥工程を経て、加熱賦形までの全工程を連続的に
行なう連続法も用いることができる。
【0031】
【実施例】以下に実施例及び比較例をあげてさらに詳述
する。
する。
【0032】実施例1 ポリエステル繊維(熱変形温度180℃)80重量%及
びポリプロピレン繊維(熱変形温度140℃)20重量
%からなるニードルパンチカーペット(目付量200g
/m2 、熱変形温度170℃)に、下記のようにして調
製したバッキング塗工剤を固形樹脂分量で150g/m
2 になるように、フォーム塗工した。
びポリプロピレン繊維(熱変形温度140℃)20重量
%からなるニードルパンチカーペット(目付量200g
/m2 、熱変形温度170℃)に、下記のようにして調
製したバッキング塗工剤を固形樹脂分量で150g/m
2 になるように、フォーム塗工した。
【0033】そのバッキング塗工剤は、スチレン(35
重量%、ホモポリマーのδ値=8.6)/アクリロニト
リル(15重量%、ホモポリマーのδ値=15.4)/
アクリル酸ブチル(45重量%、ホモポリマーのδ値=
8.8)/アクリル酸(3重量%)/アクリルアミド
(2重量%)共重合体(計算δ値=9.8)の樹脂固形
分50重量%のエマルジョン(最低造膜温度30℃)
と、平均粒径が0.035mm、重量平均分子量10万
のポリスチレン粒子(δ値=8.6)とを、樹脂固形分
量で前者の100重量部に対して、後者を50重量部配
合してバッキング塗工剤を調製した。
重量%、ホモポリマーのδ値=8.6)/アクリロニト
リル(15重量%、ホモポリマーのδ値=15.4)/
アクリル酸ブチル(45重量%、ホモポリマーのδ値=
8.8)/アクリル酸(3重量%)/アクリルアミド
(2重量%)共重合体(計算δ値=9.8)の樹脂固形
分50重量%のエマルジョン(最低造膜温度30℃)
と、平均粒径が0.035mm、重量平均分子量10万
のポリスチレン粒子(δ値=8.6)とを、樹脂固形分
量で前者の100重量部に対して、後者を50重量部配
合してバッキング塗工剤を調製した。
【0034】次いで、前記のバッキング塗工剤の塗工さ
れたニードルパンチカーペットを、両面より130℃の
熱風で15分間加熱乾燥して水分を除去し、樹脂塗工布
とした。この樹脂塗工布は、ニードルパンチカーペット
の肉厚が約2mm、バッキング塗工剤層の肉厚が約0.
2mmであった。
れたニードルパンチカーペットを、両面より130℃の
熱風で15分間加熱乾燥して水分を除去し、樹脂塗工布
とした。この樹脂塗工布は、ニードルパンチカーペット
の肉厚が約2mm、バッキング塗工剤層の肉厚が約0.
2mmであった。
【0035】次いで、この樹脂塗工布を160℃の遠赤
外線炉で60秒間加熱してバッキング塗工剤層の共重合
体樹脂及びポリスチレン樹脂粒子を充分に軟化させた
後、冷却プレス金型を用いて、20Kg/cm2 の圧力
で1分間加圧して賦形し、自動車内床用カーペットを製
造した。
外線炉で60秒間加熱してバッキング塗工剤層の共重合
体樹脂及びポリスチレン樹脂粒子を充分に軟化させた
後、冷却プレス金型を用いて、20Kg/cm2 の圧力
で1分間加圧して賦形し、自動車内床用カーペットを製
造した。
【0036】なお、このバッキング塗工剤は、エマルジ
ョンの共重合体樹脂とポリスチレン樹脂粒子との溶解性
パラメーター(δ値)の差は1.2であり、かつこのバ
ッキング塗工剤の乾燥物の160℃における溶融粘度は
4.2×104 ポイズであった(なお、以下に記載の実
施例2〜5、及び比較例1〜5におけるバッキング塗工
剤のδ値の差、及び加熱賦形温度における溶融粘度は表
1にまとめて記載した。)。
ョンの共重合体樹脂とポリスチレン樹脂粒子との溶解性
パラメーター(δ値)の差は1.2であり、かつこのバ
ッキング塗工剤の乾燥物の160℃における溶融粘度は
4.2×104 ポイズであった(なお、以下に記載の実
施例2〜5、及び比較例1〜5におけるバッキング塗工
剤のδ値の差、及び加熱賦形温度における溶融粘度は表
1にまとめて記載した。)。
【0037】比較例1 バッキング塗工剤として、実施例1のバッキング塗工剤
の調製において用いたのと同一のスチレン/アクリロニ
トリル/アクリル酸ブチル/アクリル酸/アクリルアミ
ド共重合体の樹脂固形分50重量%の水性エマルジョン
のみを用い、そのほかは実施例1の方法に準じて自動車
内床用カーペットを製造した。
の調製において用いたのと同一のスチレン/アクリロニ
トリル/アクリル酸ブチル/アクリル酸/アクリルアミ
ド共重合体の樹脂固形分50重量%の水性エマルジョン
のみを用い、そのほかは実施例1の方法に準じて自動車
内床用カーペットを製造した。
【0038】比較例2 実施例1におけるバッキング塗工剤の調製時に用いた平
均粒径0.035mmのポリスチレン粒子の代りに、平
均粒径が0.50mm、重量平均分子量が10万のポリ
スチレン粒子を用い、そのほかは実施例1の方法に準じ
て自動車内床用カーペットを製造した。
均粒径0.035mmのポリスチレン粒子の代りに、平
均粒径が0.50mm、重量平均分子量が10万のポリ
スチレン粒子を用い、そのほかは実施例1の方法に準じ
て自動車内床用カーペットを製造した。
【0039】比較例3 実施例1におけるバッキング塗工剤の調製時に用いた平
均粒径0.035mmのポリスチレン粒子の代りに、平
均粒径が0.005mm、重量平均分子量が10万のポ
リスチレン粒子を用い、そのほかは実施例1の方法に準
じて自動車内床用カーペットを製造した。
均粒径0.035mmのポリスチレン粒子の代りに、平
均粒径が0.005mm、重量平均分子量が10万のポ
リスチレン粒子を用い、そのほかは実施例1の方法に準
じて自動車内床用カーペットを製造した。
【0040】比較例4 実施例1におけるバッキング塗工剤の調製時に用いた平
均粒径0.035mmのポリスチレン粒子の代りに、平
均粒径が0.03mm、重量平均分子量が40万のポリ
スチレン粒子を用い、そのほかは実施例1の方法に準じ
て自動車内床用カーペットを製造した。
均粒径0.035mmのポリスチレン粒子の代りに、平
均粒径が0.03mm、重量平均分子量が40万のポリ
スチレン粒子を用い、そのほかは実施例1の方法に準じ
て自動車内床用カーペットを製造した。
【0041】実施例2 実施例1におけるバッキング塗工剤の調製時に用いた平
均粒径0.035mmのポリスチレン粒子の代りに、平
均粒径が0.015mm、重量平均分子量が8万のスチ
レン(75重量%、ホモポリマーのδ値=8.6)/α
−メチルスチレン(8重量%)/アクリルニトリル(1
7重量%、ホモポリマーのδ値=15.4)共重合体
(計算δ値=9.9)を用い、そのほかは実施例1の方
法に準じて自動車内床用カーペットを製造した。
均粒径0.035mmのポリスチレン粒子の代りに、平
均粒径が0.015mm、重量平均分子量が8万のスチ
レン(75重量%、ホモポリマーのδ値=8.6)/α
−メチルスチレン(8重量%)/アクリルニトリル(1
7重量%、ホモポリマーのδ値=15.4)共重合体
(計算δ値=9.9)を用い、そのほかは実施例1の方
法に準じて自動車内床用カーペットを製造した。
【0042】実施例3 実施例1におけるバッキング塗工剤の調製時に用いた平
均粒径0.035mmのポリスチレン粒子の代りに、平
均粒径が0.10mmのメタクリル酸メチル(90重量
%、ホモポリマーのδ値=9.4)/アクリル酸ブチル
(10重量%、ホモポリマーのδ値=8.8)共重合体
粒子(計算δ値=9.3)を用い、そのほかは実施例1
の方法に準じて自動車内床用カーペットを製造した。
均粒径0.035mmのポリスチレン粒子の代りに、平
均粒径が0.10mmのメタクリル酸メチル(90重量
%、ホモポリマーのδ値=9.4)/アクリル酸ブチル
(10重量%、ホモポリマーのδ値=8.8)共重合体
粒子(計算δ値=9.3)を用い、そのほかは実施例1
の方法に準じて自動車内床用カーペットを製造した。
【0043】比較例5 実施例1におけるバッキング塗工剤の調製時に用いた平
均粒径0.035mmのポリスチレン粒子の代りに、平
均粒径が0.030mmのアクリロニトリル(60重量
%、ホモポリマーのδ値=15.4)/スチレン(30
重量%、ホモポリマーのδ値=8.6)/アクリル酸エ
チル(10重量%、ホモポリマーのδ値=9.8)共重
合体粒子(計算δ値=12.8)を用い、そのほかは実
施例1の方法に準じて自動車内床用カーペットを製造し
た。
均粒径0.035mmのポリスチレン粒子の代りに、平
均粒径が0.030mmのアクリロニトリル(60重量
%、ホモポリマーのδ値=15.4)/スチレン(30
重量%、ホモポリマーのδ値=8.6)/アクリル酸エ
チル(10重量%、ホモポリマーのδ値=9.8)共重
合体粒子(計算δ値=12.8)を用い、そのほかは実
施例1の方法に準じて自動車内床用カーペットを製造し
た。
【0044】実施例4 スチレン(64重量%、ホモポリマーのδ値=8.6)
/アクリル酸−2−エチルヘキシル(30重量%、ホモ
ポリマーのδ値=7.8)/アクリル酸(2重量%)/
ジアセトンアクリルアミド(3重量%)/アクリルアミ
ド(1重量%)共重合体(計算δ値=8.3)の樹脂固
形分50重量%水性エマルジョン(最低造膜温度40
℃)と、平均粒径が0.035mm、重量平均分子量が
10万のポリスチレン粒子(δ値=8.6)を30重量
%含有する懸濁重合生成物スラリーを、樹脂固形分量で
前者の100重量部に対して後者を50重量部配合し
て、バッキング塗工剤を調製した。
/アクリル酸−2−エチルヘキシル(30重量%、ホモ
ポリマーのδ値=7.8)/アクリル酸(2重量%)/
ジアセトンアクリルアミド(3重量%)/アクリルアミ
ド(1重量%)共重合体(計算δ値=8.3)の樹脂固
形分50重量%水性エマルジョン(最低造膜温度40
℃)と、平均粒径が0.035mm、重量平均分子量が
10万のポリスチレン粒子(δ値=8.6)を30重量
%含有する懸濁重合生成物スラリーを、樹脂固形分量で
前者の100重量部に対して後者を50重量部配合し
て、バッキング塗工剤を調製した。
【0045】実施例1において用いたバッキング塗工剤
の代りに、前記のとおりに調製したバッキング塗工剤を
用い、そのほかは実施例1の方法に準じて自動車内床用
カーペットを製造した。
の代りに、前記のとおりに調製したバッキング塗工剤を
用い、そのほかは実施例1の方法に準じて自動車内床用
カーペットを製造した。
【0046】実施例5 平均粒径が0.025mm、重量平均分子量が30万の
ポリスチレン粒子(δ値=8.6)を100重量部に、
流動パラフィン(松村石油株式会社商品名 モレスコホ
ワイトP−200)2重量部を含有せしめて、流動バラ
フィン2重量%を含有する流動パラフィン含有ポリスチ
レン粒子とした。
ポリスチレン粒子(δ値=8.6)を100重量部に、
流動パラフィン(松村石油株式会社商品名 モレスコホ
ワイトP−200)2重量部を含有せしめて、流動バラ
フィン2重量%を含有する流動パラフィン含有ポリスチ
レン粒子とした。
【0047】実施例1におけるバッキング塗工剤の調製
時に用いたポリスチレン粒子の代りに、前記のようにし
て製造した流動パラフィン含有ポリスチレン粒子を用
い、そのほかは実施例1に準じてバッキング塗工剤を調
製した。このバッキング塗工剤は、両樹脂の計算δ値が
1.2であり、かつバッキング塗工剤乾燥物の145℃
における溶融粘度が3.3×105 ポイズであった。
時に用いたポリスチレン粒子の代りに、前記のようにし
て製造した流動パラフィン含有ポリスチレン粒子を用
い、そのほかは実施例1に準じてバッキング塗工剤を調
製した。このバッキング塗工剤は、両樹脂の計算δ値が
1.2であり、かつバッキング塗工剤乾燥物の145℃
における溶融粘度が3.3×105 ポイズであった。
【0048】次いで、このバッキング塗工剤を用いて実
施例1と同様の方法で樹脂塗工布を製造した。さらに、
その樹脂塗工布を用い、かつ遠赤外線炉での加熱条件を
145℃での60秒間の加熱に変更し、そのほかは実施
例1に準じて自動車内床用カーペットを製造した。
施例1と同様の方法で樹脂塗工布を製造した。さらに、
その樹脂塗工布を用い、かつ遠赤外線炉での加熱条件を
145℃での60秒間の加熱に変更し、そのほかは実施
例1に準じて自動車内床用カーペットを製造した。
【0049】上記の実施例1〜5、及び比較例1〜5に
おいて得られた各カーペットについて、下記の試験方法
による物性試験を行なった。その結果は表1に示すとお
りであった。
おいて得られた各カーペットについて、下記の試験方法
による物性試験を行なった。その結果は表1に示すとお
りであった。
【0050】試験方法: 三点曲げ強度 試験片(縦150mm、横50mm)をスパン100m
mにて支持し、試料の中心点の個所にインストロン型試
験機を用いて50mm/分の割合で試験片に垂直に変形
荷重を負荷した際の最大屈曲抵抗値を測定した。
mにて支持し、試料の中心点の個所にインストロン型試
験機を用いて50mm/分の割合で試験片に垂直に変形
荷重を負荷した際の最大屈曲抵抗値を測定した。
【0051】 非透水性 JIS A−6910の透水性試験に準じる。水頭は2
50mmとし、12時間後に下記の基準により判定し
た。 ×: 水が裏面に浸透して残存していたもの。 △: 裏面に水のにじみが認められるもの。 ○: 裏面に水のにじみが全く認められないもの。
50mmとし、12時間後に下記の基準により判定し
た。 ×: 水が裏面に浸透して残存していたもの。 △: 裏面に水のにじみが認められるもの。 ○: 裏面に水のにじみが全く認められないもの。
【0052】 耐熱性 プレス成形して得た自動車内床用カーペットを85℃で
48時間保持したときのカーペットの変形度合を、下記
の基準で評価した。 ×: 変形大 △: 若干変形 ○: 変形なし
48時間保持したときのカーペットの変形度合を、下記
の基準で評価した。 ×: 変形大 △: 若干変形 ○: 変形なし
【0053】 バッキング塗工剤塗工面のもろさ カーペットを巻き径50mmφで巻いたのち、荷重を除
き、元の形状に戻すときの各状態により、下記の基準で
評価した。 ×: 巻くときに折れる。 △: 折れずに巻けるが、戻りが悪い。 ○: 折れずに巻け、元の状態に戻る。
き、元の形状に戻すときの各状態により、下記の基準で
評価した。 ×: 巻くときに折れる。 △: 折れずに巻けるが、戻りが悪い。 ○: 折れずに巻け、元の状態に戻る。
【0054】
【表1】
【0055】表1の注: *1・・・ 加熱温度は、実施例1〜4、及び比較例1〜5
が160℃であり、実施例5は145℃であった。
が160℃であり、実施例5は145℃であった。
【0056】実施例6〜7 比較例6〜7 実施例1におけるバッキング塗工剤の調製時に用いたの
と同一の共重合体のエマルジョン、及び同一のポリスチ
レン粒子を用い、それらの配合割合を表2に示すように
種々に変更して、各種のバッキング塗工剤を調製した。
と同一の共重合体のエマルジョン、及び同一のポリスチ
レン粒子を用い、それらの配合割合を表2に示すように
種々に変更して、各種のバッキング塗工剤を調製した。
【0057】各バッキング塗工剤の160℃における溶
融粘度は、比較例6が2.5×104 ポイズであり、実
施例6が3.2×104 ポイズであり、実施例7が9.
2×104 ポイズであり、比較例7が6.8×105 ポ
イズであった。
融粘度は、比較例6が2.5×104 ポイズであり、実
施例6が3.2×104 ポイズであり、実施例7が9.
2×104 ポイズであり、比較例7が6.8×105 ポ
イズであった。
【0058】得られた各バッキング塗工剤をそれぞれ用
い、そのほかは実施例1と同様にして種々の自動車内床
用カーペットを製造した。得られた各カーペットの実施
例1と同様の物性試験をした結果は表2に示すとおりで
あった。
い、そのほかは実施例1と同様にして種々の自動車内床
用カーペットを製造した。得られた各カーペットの実施
例1と同様の物性試験をした結果は表2に示すとおりで
あった。
【0059】
【表2】
【0060】表1及び表2に記載された生成カーペット
の物性試験結果から明らかなように、各実施例で得られ
たカーペットは、比較例で得られたカーペットと較べ
て、曲げ強度、非透水性、耐熱性及び塗工剤塗工面のも
ろさ等の各物性がバランスよく優れている。
の物性試験結果から明らかなように、各実施例で得られ
たカーペットは、比較例で得られたカーペットと較べ
て、曲げ強度、非透水性、耐熱性及び塗工剤塗工面のも
ろさ等の各物性がバランスよく優れている。
【0061】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、賦形性に優
れ、曲げ強度、非透水性、耐熱性、塗工剤塗工面のもろ
さ等の物性がバランスよく優れた積層賦形物が得られる
積層材を、面倒な工程管理を必要とせずに、かつ比較的
低温の温度条件を用いて容易に製造できる。
れ、曲げ強度、非透水性、耐熱性、塗工剤塗工面のもろ
さ等の物性がバランスよく優れた積層賦形物が得られる
積層材を、面倒な工程管理を必要とせずに、かつ比較的
低温の温度条件を用いて容易に製造できる。
Claims (5)
- 【請求項1】 熱変形温度が130℃以上の素材よりな
る繊維基布(A)上に、最低造膜温度が60℃以下の熱
可塑性樹脂エマルジョン(a)と平均粒径が0.01〜
0.15mmの熱可塑性樹脂粒子(b)とを樹脂固形分
量で前者の100重量部に対して後者を15〜200重
量部配合してなるバッキング塗工剤を塗布し、得られた
バッキング塗工剤塗工繊維基布を該熱可塑性樹脂粒子
(b)の軟化温度以上でかつ該繊維基布(A)の素材が
熱変形しない温度条件下で加熱して積層材を製造する方
法において、前記のバッキング塗工剤として、前記の熱
可塑性樹脂エマルジョン(a)と前記の熱可塑性樹脂粒
子(b)との両樹脂の溶解性パラメータ(δ値)の差が
2.5以下であって、かつ前記のバッキング塗工剤の溶
融粘度が前記の加熱時の加熱温度において1×106 ポ
イズ以下であるバッキング塗工剤を使用することを特徴
とする積層材の製造方法。 - 【請求項2】 熱可塑性樹脂エマルジョン(a)が、ス
チレン系又はメタクリル酸メチル系樹脂エマルジョンで
ある請求項1に記載の製造方法。 - 【請求項3】 熱可塑性樹脂粒子(b)が、スチレン系
又はメタクリル酸メチル系樹脂粒子である請求項1又は
請求項2に記載の製造方法。 - 【請求項4】 バッキング塗工剤が、熱可塑性樹脂エマ
ルジョン(a)と、懸濁重合で得られた熱可塑性樹脂粒
子(b)と懸濁媒体水性液を含有する懸濁重合生成物と
の配合で得られたものである請求項1〜請求項3の各項
のいずれかに記載の製造方法。 - 【請求項5】 バッキング塗工剤が、熱可塑性樹脂粒子
(b)中に又はバッキング塗工剤中に熱可塑性樹脂粒子
(b)100重量部当り10重量部以下の可塑剤を含有
するものである請求項1〜請求項4の各項のいずれかに
記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5135148A JPH06322664A (ja) | 1993-05-14 | 1993-05-14 | 積層材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5135148A JPH06322664A (ja) | 1993-05-14 | 1993-05-14 | 積層材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06322664A true JPH06322664A (ja) | 1994-11-22 |
Family
ID=15144937
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5135148A Pending JPH06322664A (ja) | 1993-05-14 | 1993-05-14 | 積層材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06322664A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003097924A1 (fr) * | 2002-05-20 | 2003-11-27 | Kuraray Co.,Ltd. | Article sous forme de nappe et procede de preparation de cet article |
JP2014166751A (ja) * | 2013-01-29 | 2014-09-11 | Kuramae Sangyo Kk | 布容器の製造方法及び布容器 |
EP3315660A1 (en) * | 2016-11-01 | 2018-05-02 | Textile Rubber & Chemical Company, Inc. | A method of applying a thermoplastic polymer coating |
EP3382091A1 (en) * | 2017-03-27 | 2018-10-03 | Textile Rubber & Chemical Company, Inc. | Novel aqueous polymer dispersion composition and method of adhering textile materials |
-
1993
- 1993-05-14 JP JP5135148A patent/JPH06322664A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003097924A1 (fr) * | 2002-05-20 | 2003-11-27 | Kuraray Co.,Ltd. | Article sous forme de nappe et procede de preparation de cet article |
CN100359088C (zh) * | 2002-05-20 | 2008-01-02 | 可乐丽股份有限公司 | 片状物及其制造方法 |
US8007890B2 (en) | 2002-05-20 | 2011-08-30 | Kuraray Co., Ltd. | Article in a sheet form and method for preparation thereof |
JP2014166751A (ja) * | 2013-01-29 | 2014-09-11 | Kuramae Sangyo Kk | 布容器の製造方法及び布容器 |
EP3315660A1 (en) * | 2016-11-01 | 2018-05-02 | Textile Rubber & Chemical Company, Inc. | A method of applying a thermoplastic polymer coating |
US10202722B2 (en) | 2016-11-01 | 2019-02-12 | Larry E Mashburn | Method of applying a theromplastic polymer coating |
EP3382091A1 (en) * | 2017-03-27 | 2018-10-03 | Textile Rubber & Chemical Company, Inc. | Novel aqueous polymer dispersion composition and method of adhering textile materials |
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