JPH06320617A - 二軸配向積層フィルム - Google Patents

二軸配向積層フィルム

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JPH06320617A
JPH06320617A JP11293593A JP11293593A JPH06320617A JP H06320617 A JPH06320617 A JP H06320617A JP 11293593 A JP11293593 A JP 11293593A JP 11293593 A JP11293593 A JP 11293593A JP H06320617 A JPH06320617 A JP H06320617A
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晃一 阿部
Shoji Nakajima
彰二 中島
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Abstract

(57)【要約】 【構成】粒径0.01〜3μmの単分散粒子を含有する
層Bと、一次粒径5〜100nmの凝集粒子を含有する
層Aとから少なくともなる二軸配向積層フィルムにおい
て、該凝集粒子の一次粒径dと該層Aの厚さtが 0.1d≦t≦50d、 該単分散粒子の粒径d1と該単分散粒子を含有する層B
の厚さt1が 0.1d1≦t1≦10d1、 であることを特徴とする二軸配向積層フィルム。 【効果】凝集粒子と単分散粒子を異なる層に含有し、か
つ、それぞれの層厚さを特定範囲としたので、特に、凝
集粒子を含有する層A面のフィルム表面が傷つきにく
く、また、特に、凝集粒子を含有する層Aが片面のみの
場合には、凝集粒子を含有する層Aと反対面に磁性層を
塗布して、磁気媒体用とした時に、優れた画質、ドロッ
プアウト特性を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二軸配向積層フィルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】二軸配向積層フィルムとしては、少なく
とも3層以上からなり、突起形成能を有する粒子含有層
に、突起形成能を有する粒子を含有しない層を複合した
フィルムが知られている。(例えば特開平5−3185
9号公報)。
【0003】しかしながら、上記従来の二軸配向フィル
ムでは、例えば、磁気媒体用途における磁性層塗布、カ
レンダー工程、あるいは、できたビデオテープ等をダビ
ングしてソフトテープ等を製造する工程等の工程速度の
増大に伴い、接触するロールやガイドでフィルム表面に
傷がつくという欠点があった。また、従来のものでは、
上記ダビング時の画質低下のために、ビデオテープにし
た時の画質、すなわち、S/N(シグナル/ノイズ比)
も不十分という欠点があった。本発明はかかる課題を解
決し、特に高速工程でフィルムに傷がつきにくく(以下
耐スクラッチ性に優れるという)、しかもダビング時の
画質低下の少ない(以下耐ダビング性に優れるという)
二軸配向積層フィルムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
二軸配向積層フィルムは、粒径0.01〜3μmの単分
散粒子を含有する層Bと、一次粒径5〜100nmの凝
集粒子を含有する層Aとから少なくともなる二軸配向積
層フィルムにおいて、該凝集粒子の一次粒径dと該層A
の厚さtが 0.1d≦t≦50d、 該単分散粒子の粒径d1と該単分散粒子を含有する層B
の厚さt1が 0.1d1≦t1≦10d1、 であることを特徴とする。
【0005】本発明の二軸配向積層フィルムを構成する
ポリマは、特に限定されないが、耐スクラッチ性、耐ダ
ビング性の点から、ポリエステルが好ましい。ポリエス
テルとしては特に限定されないが、エチレンテレフタレ
ート、エチレンα,β−ビス(2−クロルフェノキシ)
エタン−4,4′−ジカルボキシレート、エチレン2,
6−ナフタレート単位から選ばれた少なくとも1種の構
造単位を主要構成成分とする場合に耐スクラッチ性、耐
ダビング性がより良好となるので好ましい。なかでも、
エチレンテレフタレートを主要構成成分とするポリエス
テルの場合に耐ダビング性、耐スクラッチ性がより一層
良好となるので特に好ましい。なお、本発明を阻害しな
い範囲内で、2種以上のポリエステルを混合しても良い
し、共重合ポリマを用いても良い。
【0006】本発明の二軸配向積層フィルムは凝集粒子
を含有する層、単分散粒子を含有する層を有するが、い
ずれの層を構成するポリマも、耐スクラッチ性、耐ダビ
ング性の点から、上記ポリマが好ましい。また、凝集粒
子または単分散粒子を含有しない層を有する場合におい
ても、耐スクラッチ性、耐ダビング性の点から、上記ポ
リマが好ましい。
【0007】本発明の二軸配向績層フィルムは、単分散
粒子を含有する層Bと凝集粒子を含有する層Aの少なく
とも2層構造からなる。層Bが単分散粒子を有しないか
または層Aが凝集粒子を有しない少なくとも2層構造か
らなる積層フィルム、または、単層フィルムでは耐ダビ
ング性、耐スクラッチ性を満足することができない。層
Bが、少なくとも1つの層に単分散粒子を含有する2層
構造以上、さらに、層Cの両側に単分散粒子を含有する
3層構造以上であってもよい。また、層Aが表裏両面に
設けられてもよい。
【0008】本発明の二軸配向積層フィルムの、層Aに
含有される凝集粒子の一次粒径は5〜100nm、好ま
しくは10〜80nm、さらに好ましくは10〜60n
mである。また、二次粒径は、特に限定されないが、2
0〜800nmが好ましく、さらに好ましくは25〜6
00nm、より好ましくは30〜500nmである。一
次粒径が上記範囲を外れると、耐スクラッチ性、耐ダビ
ング性がともに良好とならない。
【0009】凝集粒子の含有量は、特に限定されない
が、該凝集粒子を含有する層の0.01〜3重量%が好
ましく、さらに好ましくは0.05〜2重量%、より好
ましくは0.1〜1重量%である。
【0010】凝集粒子の種類は、特に限定されないが、
ジルコニア、鎖状シリカ、アルミナ等が好ましく用いら
れ、なかでもジルコニア、δ−アルミナ、θ−アルミナ
の場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性が特に良好とな
る。凝集粒子は種類、または、一次径の異なるものを2
種類以上併用してもよい。また、凝集粒子とポリマとの
接着性を向上させるため、凝集粒子に、スルホン酸化合
物(化学構造中にカルボキシル基とスルホン酸基を同時
に有する化合物)、ホスホン酸化合物(化学構造中にカ
ルボキシル基とホスホン酸基を同時に有する化合物)、
ポリアクリル酸化合物等で表面処理を行なってもよい。
【0011】本発明の二軸配向積層フィルムの、層Bに
含有される単分散粒子の粒径は0.01〜3μm、好ま
しくは0.05〜2μm、さらに好ましくは0.1〜1
μmである。粒径が上記範囲を外れると、耐スクラッチ
性、耐ダビング性がともに良好とならない。
【0012】単分散粒子の含有量は、特に限定されない
が、該単分散粒子を含有する層の0.01〜10重量%
が好ましく、さらに好ましくは0.05〜8重量%、よ
り好ましくは0.1〜6重量%である。
【0013】単分散粒子の種類は、特に限定されない
が、炭酸カルシウム粒子、シリカ、有機粒子、酸化チタ
ンから選ばれた少なくとも1種類以上、場合によっては
2種類以上が好ましい。なかでも、炭酸カルシウム粒
子、シリカ、有機粒子が好ましい。
【0014】炭酸カルシウムの結晶形態としては、特に
限定されないが、カルサイト型、バテライト型等が好ま
しく例示される。有機粒子としては、特に限定されない
が、ジビニルベンゼン共重合体粒子、または、シリコー
ン粒子の場合に、特に耐スクラッチ性、耐ダビング性が
良好となるので好ましい。ジビニルベンゼン共重合体粒
子の場合、架橋度が50%以上が好ましく、さらに好ま
しくは60%以上、より好ましくは75%以上である。
ここで、架橋度とは有機粒子組成中の架橋し得る組成分
の重量%であり、例えば、1つの化学構造中にビニル基
を2つ持つ化合物(ジビニル化合物)は架橋剤として作
用するが、架橋度は全組成物中のジビニル化合物の重量
%である。
【0015】本発明の二軸配向フィルムは、上記のポリ
マと凝集粒子、単分散粒子を主要成分とするが、本発明
の目的を阻害しない範囲内で他種ポリマをブレンドして
もよいし、また酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸
収剤などの有機、無機添加剤が通常添加される程度添加
されていてもよい。
【0016】本発明の二軸配向フィルムは、上記組成物
を二軸配向せしめたフィルムである。一軸あるいは無配
向フィルムでは耐スクラッチ性が不良となるので好まし
くない。この配向の程度は特に限定されないが、高分子
の分子配向の程度の目安であるヤング率が長手方向、幅
方向ともに350kg/mm2 以上である場合に耐スク
ラッチ性がより一層良好となるので特に好ましい。分子
配向の程度の目安であるヤング率は通常、1500kg
/mm2 程度が製造上の限界である。
【0017】また、本発明フィルムは、ヤング率が上記
範囲内であっても、フィルムの厚さ方向の一部分、例え
ば表層付近のポリマ分子の配向が無配向、あるいは一軸
配向になっていない、すなわち厚さ方向の全部分の分子
配向が二軸配向である場合に耐スクラッチ性、耐ダビン
グ性がより一層良好となる。特にアッベ屈折率計、レー
ザーを用いた屈折率計、全反射レーザーラマン法などに
よって測定される分子配向が、表面、裏面ともに二軸配
向である場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一
層良好となる。
【0018】層Aに含有する凝集粒子の一次粒径dと層
Aの層厚さtの関係は、0.1d≦t≦50d、好まし
くは0.2d≦t≦40d、さらに好ましくは0.5d
≦t≦30dである。凝集粒子の一次粒径と層Aの層厚
さの関係が上記範囲を外れると、耐スクラッチ性、耐ダ
ビング性を良好とすることができない。
【0019】また、該単分散粒子の粒径d1と該単分散
粒子を含有する層Bの厚さt1の関係は、0.1d1≦
t1≦10d1、好ましくは、0.2d1≦t1≦8d
1、さらに好ましくは0.3d1≦t1≦5d1であ
る。単分散粒子の粒径と層Bの層厚さの関係が上記範囲
を外れると、耐スクラッチ性、耐ダビング性を良好とす
ることができない。
【0020】本発明の二軸配向績層フィルムの層Aの厚
さは、特に限定されないが、耐スクラッチ性、耐ダビン
グ性の点から、5〜500nmが好ましく、さらに好ま
しくは10〜300nm、より好ましくは10〜200
nmである。また、本発明の二軸配向績層フィルムの単
分散粒子を含有する層Bの厚さは、特に限定されない
が、耐スクラッチ性、耐ダビング性の点から、0.01
〜5μmが好ましく、さらに好ましくは0.05〜3μ
m、より好ましくは0.1〜1μmである。
【0021】さらに、本発明の二軸配向績層フィルムの
層A側の表面突起数は、特に限定されないが、耐スクラ
ッチ性、耐ダビング性の点から、2.0×103 〜1.
0×107 個/mm2 が好ましく、さらに好ましくは
5.0×103 〜5.0×106 個/mm2 、より好ま
しくは1.0×104 〜1.0×106 個/mm2 であ
る。
【0022】次に、本発明の二軸配向積層フィルムの製
造方法について説明する。
【0023】まず、ポリエステルに凝集粒子または単分
散粒子を含有せしめる方法としては、ジオール成分であ
るエチレングリコールにスラリーの形で分散せしめ、こ
のエチレングリコールを所定のジカルボン酸成分と重合
するのが好ましい。また粒子の水スラリーを直接所定の
ポリエステルペレットと混合し、ベント式の2軸混練押
出機を用いてポリエステルに練り込む方法も、本発明の
効果をより一層良好とするのに非常に有効である。
【0024】粒子の含有量を調節する方法としては、上
記方法で高濃度マスターを作っておき、それを製膜時に
粒子を実質的に含有しないポリエステルで希釈して粒子
の含有量を調節する方法が有効である。
【0025】次に、粒子を所定量含有するペレットを必
要に応じて乾燥したのち、公知の溶融積層用押出機に供
給し、スリット状のダイからシート状に押出し、キャス
ティングロール上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを
作る。すなわち、2または3台の押出し機、2または3
層のマニホールドまたは合流ブロックを用いて、溶融状
態のポリエステルを積層する。この場合、凝集粒子、単
分散粒子を含有するポリマ流路に、スタティックミキサ
ー、ギヤポンプを設置する方法は本発明の効果をより一
層良好とするのに有効である。
【0026】次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸
法を用い、長手方向の延伸を3段階以上に分けて、縦延
伸温度は80〜150℃、総縦延伸倍率3.0〜5.5
倍、縦延伸速度は5000〜50000%/分の範囲が
好ましい。幅方向の延伸方法としてはステンタを用いる
方法が好ましく、延伸温度は80〜160℃、幅方向延
伸倍率は縦倍率より大きく3.5〜6.5倍、幅方向の
延伸速度は1000〜20000%/分の範囲が好まし
い。
【0027】次にこの延伸フィルムを熱処理する。この
場合の熱処理温度は170〜210℃、特に170〜2
00℃で時間は0.5〜60秒の範囲が好適である。
【0028】
【物性の測定方法ならびに効果の評価方法】本発明の特
性値の測定方法並びに効果の評価方法は次の通りであ
る。
【0029】(1)凝集粒子の一次粒径、二次粒径、単
分散粒子の平均粒径 フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、3
000〜100000倍で観察する。TEMの切片厚さ
は約100nmとし、場所を変えて100視野以上測定
する。凝集粒子の一次粒径は、凝集粒子の分割できない
粒子最小単位について、二次粒径は凝集体について、そ
れぞれ等価円相当径の数平均径、単分散粒子の粒径は該
粒子について、等価円相当径の体積平均径である。
【0030】(2)粒子の含有量 ポリエステルは溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択
し、粒子をポリエステルから遠心分離し、粒子の全体重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
場合によっては赤外分光法の併用も有効である。
【0031】(3)積層フィルムの積層厚さ 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層か
ら深さ10μmの範囲のフィルム中の粒子のうち最も高
濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元素の
濃度比(M+ /C- )を粒子濃度とし、表面から深さ1
0μmまで厚さ方向の分析を行なう。表層では表面とい
う界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざかるにつれ
て粒子濃度は高くなる。本発明フィルムの場合は、一旦
極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。この濃度
分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の1/2となる
深さ(この深さは極大値となる深さよりも深い)を求
め、これを積層厚さとした。条件は次の通り。
【0032】測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 独、ATOMI
KA社製 A−DIDA3000 測定条件 1次イオン種 02 + 1次イオン加速電圧 12kV 1次イオン電流 200nA ラスター領域 400μm□ 分析領域 ゲート30% 測定真空度 6.0×10−9 Torr E−GUN 0.5kV−3.0A なお、表層から深さ10μmの範囲に最も多く含有する
粒子が有機高分子粒子の場合は、SIMSでは測定が難
しいので、表層からエッチングしながらXPS(X線光
電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様のデ
プスプロファイルを測定し積層厚さを求めても良いし、
また、電子顕微鏡等による断面観察で粒子濃度の変化状
態やポリマの違いによるコントラストの差から界面を認
識し積層厚さを求めることもできる。さらには積層ポリ
マを剥離後、薄膜段差測定機を用いて積層厚さを求める
こともできる。
【0033】(4)フィルム表面の分子配向 ナトリウムD線(589nm)を光源として、アッベ屈
折率計を用いて測定した。マウント液にはヨウ化メチレ
ンを用い、25℃、65%RHにて測定した。ポリマの
二軸配向性は長手方向、幅方向、厚さ方向の屈折率をN
1 、N2 、N3とした時、(N1 −N2 )の絶対値が
0.07以下、かつ、N3 /[(N1 +N2 )/2]が
0.95以下であることをひとつの基準とできる。ま
た、レーザー型屈折率計を用いて屈折率を測定しても良
い。さらに、この方法では測定が難しい場合は全反射レ
ーザーラマン法を用いることもできる。レーザー全反射
ラマンの測定は、Jobin−Yvon社製Raman
orU−1000ラマンシステムにより、全反射ラマン
スペクトルを測定し、例えばPETの場合では、161
5cm−1 (ベンゼン環の骨格振動)と1730cm
−1 (カルボニル基の伸縮振動)のバンド強度比の偏光
測定比(YY/XX比など。ここでYY:レーザーの偏
光方向をYにしてYに対して平行なラマン光検出、X
X:レーザーの偏光方向をXにしてXに対して平行なラ
マン光検出)が分子配向と対応することを利用できる。
ポリマの二軸配向性はラマン測定から得られたパラメー
タを長手方向、幅方向の屈折率に換算して、その絶対
値、差などから判定できる。またカルボニル基の伸縮振
動である1730cm−1 の半価幅をもって表面の全反
射ラマン結晶化指数とした。この場合の測定条件は次の
とおりである。
【0034】光源 アルゴンイオンレーザー(514
5A) 試料のセッティング フィルム表面を全反射プリズム
に圧着させ、レーザーのプリズムへの入射角(フィルム
厚さ方向との角度)は60゜とした。
【0035】検出器 PM:RCA31034/Ph
oton Counting System(Hama
matsu C1230)(supply 1600
V) 測定条件 SLIT 1000μm LASER 100mW GATE TIME 1.0sec SCAN SPEED 12cm−1 /min SAMPLING INTERVAL 0.2cm
−1 REPEAT TIME 6
【0036】(5)ヤング率 JIS−Z−1702に規定された方法にしたがって、
インストロンタイプの引っ張り試験機を用いて、25
℃、65%RHにて測定した。
【0037】(6)表面突起数 2検出器方式の走査型電子顕微鏡において、フィルム表
面の平坦面の高さを0として走査した時の突起の高さ測
定値を画像処理装置に送り、画像処理装置上にフィルム
表面突起画像を再構築する。次に、この2値化された個
々の突起部分の中で最も高い値をその突起高さとし、こ
れを個々の突起について求める。この測定を場所をかえ
て500回繰返し、20nm以上の高さのものを突起と
定義し、突起数を求めた。走査型電子顕微鏡の倍率は、
1000〜10万倍の間の値を選択する。なお、場合に
よっては高精度光干渉式3次元表面解析装置(WYKO
社製TOPO−3D、対物レンズ:40〜200倍)を
用いて得られる高さ情報を上記SEMの値に読み替えて
用いてもよい。
【0038】(7)耐スクラッチ性 フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行性試験機を使用して、ガイドピン(表面
粗度:Raで100nm)上を走行させる(走行速度2
50m/分、走行回数1パス、巻き付け角:60゜、走
行張力:90g)。この時、フィルムに入った傷を顕微
鏡で観察し、幅1μm以上の傷がテープ幅あたり2本未
満は優、2本以上10本未満は良、10本以上は不良と
判定した。優が望ましいが、良でも実用的には使用可能
である。凝集粒子を含有する層Aが存在するフィルムで
は、該面を評価した。
【0039】(8)耐ダビング性 フィルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダー装置(スチールロール/ナイロンロール、
5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカ
レンダー処理した後、70℃、48時間キュアリングす
る。上記テープ原反を1/2インチにスリットし、パン
ケーキを作成した。このパンケーキから長さ250mの
長さをVTRカセットに組み込みVTRカセットテープ
とした。
【0040】(磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄 :100重量部 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体:10重量部 ・ポリウレタンエラストマ :10重量部 ・ポリイソシアネート :5重量部 ・レシチン :1重量部 ・メチルエチルケトン :75重量部 ・メチルイソブチルケトン :75重量部 ・トルエン :75重量部 ・カーボンブラック :2重量部 ・ラウリン酸 :1.5重量部
【0041】このテープに家庭用VTRを用いてテレビ
試験波形発生器により100%クロマ信号を記録し、そ
の再生信号からカラービデオノイズ測定器でクロマS/
Nを測定しAとした。また上記と同じ信号を記録したマ
スターテープのパンケーキを磁界転写方式のビデオソフ
ト高速プリントシステム(スプリンタ)を用いてAを測
定したのと同じ試料テープ(未記録)のパンケーキへダ
ビングした後のテープのクロマS/Nを上記と同様にし
て測定し、Bとした。このダビングによるクロマS/N
の低下(A−B)が3dB未満の場合は耐ダビング性:
優、3dB以上5dB未満の場合は良、5dB以上は不
良と判定した。優が望ましいが、良でも実用的には使用
可能である。凝集粒子を含有する層Aを片面のみに有す
るフィルムでは、該層Aの反対面を評価した。
【0042】
【実施例】次に実施例に基づき、本発明の実施態様を説
明する。
【0043】実施例1 一次粒径40nmのジルコニア(凝集粒子)をエチレン
グリコール中にて分散させ、このエチレングリコールス
ラリをテレフタル酸と重合し、凝集粒子含有ポリエチレ
ンテレフタレートペレットとした。また、粒径0.8μ
mの炭酸カルシウムをエチレングリコール中にて分散さ
せ、このエチレングリコールスラリをテレフタル酸と重
合し、単分散粒子含有ポリエチレンテレフタレートペレ
ットとした。また、粒子を含有しないポリエチレンテレ
フタレートペレットを得た。
【0044】これらのポリマ(ポリマA:ジルコニア粒
子含有ポリマ、ポリマB:炭酸カルシウム粒子含有ポリ
マ、ポリマC:無粒子)を180℃で8時間減圧乾燥
(3Torr)した後、それぞれ押出機1、押出機2、
押出機3に供給し285℃、280℃、280℃で溶融
した。これらのポリマをそれぞれ高精度瀘過した後、矩
形合流部にて合流比0.1/1/12/1/0.1で積
層させ5層積層とした(A/B/C/B/A)。
【0045】これを静電印加キャスト法を用いて表面温
度25℃のキャスティング・ドラムに巻きつけて冷却固
化し、未延伸フィルムを作った。この時、口金スリット
間隙/未延伸フィルム厚さの比を10とした。また、そ
れぞれの押出機の吐出量を調節し層A、層B、層C、総
厚さを調節した。
【0046】この未延伸フィルムを温度90℃にて長手
方向に3.5倍延伸した。この延伸は2組ずつのロール
の周速差で、4段階で行なった。この一軸延伸フィルム
をテンターを用いて延伸速度2000%/分で105℃
で幅方向に5.4倍延伸し、定長下で200℃にて5秒
間熱処理し、総厚さ14.2μmの二軸配向積層フィル
ムを得た。このフィルムの特性は表1に示したとおりで
あり、耐スクラッチ性、耐ダビング性が良好であった。
【0047】実施例2〜実施例6、比較例1、比較例2 実施例1と同様にして、凝集粒子の種類、一次粒径、単
分散粒子の種類、粒径、それぞれの層厚さ等を変更した
フィルムを得た。表1、表2に示すように本発明範囲の
フィルムは耐スクラッチ性、耐ダビング性が良好である
が、そうでないものは耐スクラッチ性、耐ダビング性を
両立することができない。
【0048】
【表1】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明の二軸配向フィルムによれば、凝
集粒子と単分散粒子を異なる層に含有し、かつ、それぞ
れの層厚さを特定範囲としたので、特に、凝集粒子を含
有する層A面のフィルム表面が傷つきにくく、また、特
に、凝集粒子を含有する層Aが片面のみの場合には、凝
集粒子を含有する層Aと反対面に、磁性層を塗布して、
磁気媒体用とした時に、優れた画質、ドロップアウト特
性を得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径0.01〜3μmの単分散粒子を含
    有する層Bと、一次粒径5〜100nmの凝集粒子を含
    有する層Aとから少なくともなる二軸配向積層フィルム
    において、該凝集粒子の一次粒径dと該層Aの厚さtが 0.1d≦t≦50d、 該単分散粒子の粒径d1と該単分散粒子を含有する層B
    の厚さt1が 0.1d1≦t1≦10d1、 であることを特徴とする二軸配向積層フィルム。
  2. 【請求項2】 層Aと層Bが隣接することを特徴とする
    請求項1に記載の二軸配向積層フィルム。
  3. 【請求項3】 層Cの両側に層Bが積層され、少なくと
    も一方の層Bが層Aと隣接することを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載の二軸配向積層フィルム。
  4. 【請求項4】 層Aが両面に設けられることを特徴とす
    る請求項1〜請求項3いずれかに記載の二軸配向積層フ
    ィルム。
  5. 【請求項5】 凝集粒子がジルコニア、δ−アルミナ、
    θ−アルミナから選ばれることを特徴とする請求項1〜
    請求項4のいずれかに記載の二軸配向積層フィルム。
  6. 【請求項6】 単分散粒子が炭酸カルシウム、シリカ、
    有機粒子から選ばれることを特徴とする請求項1〜請求
    項5のいずれかに記載の二軸配向積層フィルム。
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