JPH06320448A - 関節型産業用ロボット - Google Patents

関節型産業用ロボット

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JPH06320448A
JPH06320448A JP8630594A JP8630594A JPH06320448A JP H06320448 A JPH06320448 A JP H06320448A JP 8630594 A JP8630594 A JP 8630594A JP 8630594 A JP8630594 A JP 8630594A JP H06320448 A JPH06320448 A JP H06320448A
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upper arm
shaft
lower arm
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Masaaki Todoroki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロボットの作動領域を後方側に大きく拡大さ
せる。 【構成】 ベース11上の固定リンク11aと、固定リ
ンク11aに回転可能に連結されたロアアーム12と、
このロアアーム12に回転可能に連結されたアッパーリ
ンク15と、固定リンク11aとアッパーリンク15と
を相互に連結するロアリンク14とで四節平行リンク機
構19を構成する。ロアアーム12とアッパーリンク1
5とを連結している軸と共通する単一の軸P12を介し
て、アッパーアーム13をアッパーリンク15に回転可
能に連結する。ロアアーム12の回転駆動とアッパーア
ーム13の回転駆動は、駆動モータ16と駆動モータ1
7とにより個別に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、四節平行リンク機構を
応用した関節型の産業用ロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の関節型の産業用ロボットとして
例えば図5および図6に示す構造のものが知られてい
る。
【0003】図5および図6に示すように、旋回ベース
1上のブラケット1aに支持されたロアアーム2は軸P
1を中心として矢印A方向に回転可能であり、またアッ
パーアーム3はロアアーム2に対し軸P2により支持さ
れていて矢印B方向に回転可能である。アッパーアーム
3の先端にはリスト部8が設けられている。
【0004】ロアアーム2の下端部には該ロアアーム2
と軸P1を同じくするリンク4があり、他方、アッパー
アーム3の端部にも軸P4を介してリンク5が連結され
ている。これらリンク4,5同士を軸P3を介して連結
することにより、ロアアーム2およびアッパーアーム3
を含めて四節平行リンク機構を構成している。
【0005】そして、ロアアーム2は駆動モータ6のは
たらきにより図示外の減速機構を介して矢印A方向に回
転する。この時、平行リンク機構の特性としてアッパー
アーム3とリンク4とは常に平行であるから、アッパー
アーム3はロアアーム駆動前と駆動後とでは平行状態を
維持する。
【0006】また、アッパーアーム3については、駆動
モータ7のはたらきにより軸P1を中心としてリンク4
を回転させることにより、そのリンク4の回転変位がリ
ンク5を介してアッパーアーム3に伝達される。その結
果としてアッパーアーム3が軸P2を中心として矢印B
方向に回転することになる。
【0007】ここで、駆動モータ6は、平行リンク機構
があるがためにアッパーアーム3の回転モーメントを直
接的には負担せず、したがって駆動モータ6が負担する
トルクとしては一般に平行リンク機構のない産業用ロボ
ットに比べ小さいものとされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の関
節型産業用ロボットにあっては、ロアアーム2とアッパ
ーアーム3とのなす角度θが180度または0度に近付
くとそれぞれ上死点または下死点として限界となり、そ
れ以上の回転が不能となる。したがって実用上の作動領
域としては、θの値で30度〜120度程度の範囲に制
限されてしまうことになる。
【0009】すなわち、図7は従来の産業用ロボットの
作動領域を示したもので、同図に斜線で示す領域Qがリ
スト部8の中心P0の作動領域である。
【0010】軸P1を通る鉛直線をYとすると、鉛直線
Yとロアアーム2とのなす角度α1は、旋回ベース1と
ロアアーム2との干渉により制限され、図7では鉛直線
Yから反時計回り方向(マイナス方向)に60度程度で
時計回り方向(プラス方向)に45度程度の範囲とな
る。
【0011】また、ロアアーム2とアッパーアーム3と
のなす角θは、アーム2,3同士の干渉およびロアアー
ム2とリンク5との干渉により制限される。図7では理
論上45〜135度程度の範囲となる。
【0012】同様に、鉛直線Yとリンク4とのなす角度
α2については、リンク4と旋回ベース1との干渉、お
よびリンク4とロアアーム2との干渉により制限され、
図7では鉛直線Yから反時計回り方向(マイナス方向)
に15度程度で時計回り方向(プラス方向)に120度
程度の範囲となる。
【0013】以上のような制限のため図7では、旋回ベ
ース1を旋回動作させないかぎり鉛直線Yより左半分だ
けの作動領域Qに限定されてしまうことになる。すなわ
ち、従来の産業用ロボットの構造では、図7に実線で示
したアッパーアーム3を旋回ベース1の真上を通過させ
て後方側に回転させることが不可能であることから、例
えば図7の作動領域Q内にあるワークを把持した上で鉛
直線Yをはさんで作動領域Qと反対側の後方領域にハン
ドリングしようとする場合には、ワークを把持した後に
ロボット全体を旋回ベース1ごと旋回動作させる必要が
ある。その結果、ロボットとその周辺機器との干渉を防
止するためにロボットの周囲に充分な旋回用スペースを
確保しなければならず、特に複数のロボットを並設した
ロボット作業ラインではスペース効率の面で著しく不利
になる。
【0014】本発明は、従来の四節平行リンク機構タイ
プのロボットのもつ利点を生かしつつ作動領域の拡大化
を図るとともに、構造のコンパクト化を図りながら可搬
重量を大きくできる関節型産業用ロボットを提供しよう
とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の関節型産業用ロ
ボットは、ベース上に設けられた固定リンクと、この固
定リンクの一端側に回転可能に連結されたロアアーム
と、このロアアームの上端部にその一端部が回転可能に
連結されたアッパーリンクと、前記固定リンクの他端部
とアッパーリンクの他端部とを相互に連結するロアリン
クとで四節平行リンク機構を構成し、前記ロアアームと
アッパーリンクとを連結している軸もしくは前記アッパ
ーリンクとロアリンクとを連結している軸と共通する単
一の軸を介して、アッパーアームをアッパーリンクに回
転可能に連結するとともに、前記ロアアームを回転させ
るロア側の駆動手段と、前記アッパーアームを回転させ
るアッパー側の駆動手段とをそれぞれ個別に設けたこと
を特徴としている。
【0016】
【作用】本発明によれば、アッパーアームが四節平行リ
ンク機構に拘束されることなく自由に回転することがで
きてその回転自由度が大きいことから、実施例の図4か
ら明らかなようにロアアームとアッパーアームとなす角
度について45〜315度程度というきわめて大きな値
を確保することができ、また図7に示したα2によると
ころの制限がない。そのため、図4に斜線で示すような
きわめて大きな作動領域を確保することができる。
【0017】さらに、アッパーリンクの両端の軸のうち
のいずれか一方とアッパーアームの回転中心とを一致さ
せることにより、アッパーリンクの両端の軸のどちらか
と同一軸線上にアッパーアームを駆動させるための駆動
モータを設けることができるから、例えばアッパーリン
クのうち軸以外の部分に別個にアッパーアームの回転中
心を設定した場合のように部品点数の増加や構造の複雑
化を招くことがなく、駆動モータとして大容量のモータ
を採用することができるようになって構造のコンパクト
化を図りながら可搬重量を大きくすることができる。
【0018】言い換えれば、例えばアッパーリンクのう
ちいずれかの軸以外の部分に別個にアッパーアームの回
転中心を設定すると、その回転中心と同一軸線上に駆動
モータを配置することになって、必要とする軸および軸
受の数が増加するとともに、アッパーリンクの長さを大
きくして前記駆動モータの設置スペースを確保する必要
がある(特に大容量の径の大きいモータの場合に顕著)
が、本発明の場合にはそのような不具合を伴わないで済
むことになる。
【0019】加えて、上記のようにアッパーリンクの両
端の軸のうちのいずれか一方とアッパーアームの回転中
心とを一致させることにより、ロアアームとアッパーア
ームとを共に伸ばしきった時の最大の腕の長さを大きく
確保でき、作動領域のさらなる拡大化も併せて図れる。
【0020】
【実施例】図1および図2は本発明のより具体的な一実
施例を示す図で、さらに図3は図1のIII−III線
断面に相当する関節部の詳細について示している。
【0021】図1および図2に示すように、ロアアーム
12は旋回ベース11上に固定された固定リンクとして
のブラケット11aに対して軸P11を介して連結されて
おり、この軸P11上と同一軸線上に設けた駆動モータ1
6のはたらきにより図示外の減速機構を介してロアアー
ム12が矢印A方向に回転する。これら駆動モータ16
と減速機構とでロアアーム12を回転させるロア側の駆
動手段を構成している。旋回ベース11には軸P11と平
行で且つ同一水平面上に位置する別の軸P13があり、こ
の軸P13を介してロアリンク14がブラケット11aに
回転可能に連結されている。
【0022】また、ロアアーム12の上端には図3に示
すように軸P12が設けられており、この軸P12を介して
ロアアーム12にアッパーアーム13とアッパーリンク
15とがそれぞれに回転可能に連結され、さらに軸P12
と同一軸線上にアッパーアーム13を回転させるための
駆動モータ17が設けられている。
【0023】そして、ロアリンク14とアッパーリンク
15とは軸P14を介して相互に連結されており、これら
のロアリンク14とアッパーリンク15にブラケット1
1aとロアアーム12とを加えて四節平行リンク機構1
9を構成している。この場合、支点となる二つの軸
11,P13をもつブラケット11aが固定リンクとして
機能する。
【0024】また、アッパーアーム13と、四節平行リ
ンク機構19を構成しているロアアーム12とは、図2
に示すように軸P12の軸心方向にオフセットしており、
アッパーアーム13の回転平面と四節平行リンク機構1
9の回転平面とを互いに異ならせることによって、アッ
パーアーム13が回転しても四節平行リンク機構19と
干渉しないようになっているとともに、アッパーアーム
13の先端のいわゆる片持ちタイプのリスト部18のハ
ンド側先端18aとロアアーム12の軸心とがそれぞれ
旋回ベース11の旋回中心Oと同一の平面上に位置する
ようになっている。
【0025】駆動モータ17は図3に示すようにハウジ
ング20を介してアッパーアーム13に固定されてお
り、その出力軸21は減速機構22の入力部に連結され
ている。これら駆動モータ17と減速機構22とでアッ
パーアーム13を回転させるためのアッパー側の駆動手
段を構成している。
【0026】減速機構22(市販商品名:ハーモニック
ドライブ)は、楕円状のカムの外周にボールベアリング
を配した入力部としてのジェネレータ23と、外周にス
プラインを形成した弾性変形可能なカップ状のリングギ
ヤ24と、内周にスプラインを形成したリングギヤ25
とから構成される。本実施例ではリングギヤ24が軸P
12に固定され、もう一方のリングギヤ25がハウジング
20に固定されており、リングギヤ25の歯数はリング
ギヤ24のそれよりも2枚多く設定されている。したが
って、ジェネレータ23が1回転したときに歯数差2枚
分だけリングギヤ25つまりアッパーアーム13が回転
することになる。
【0027】尚、ハウジング20はアッパーアーム13
に、軸P12はアッパーリンク15にそれぞれ固定されて
おり、ハウジング20と軸P12の間、およびロアアーム
12と軸P12の間にはそれぞれにベアリング26,27
が介装されている。また、上記減速機構22の構造は、
先に述べた駆動モータ16側の減速機構についても同様
である。
【0028】以上のように構成された産業用ロボットに
あっては、駆動モータ16のはたらきによりロアアーム
12が図1の矢印A方向に回転する。この時、アッパー
リンク15は、軸P11と軸P13とを結ぶ線と平行な状態
つまり水平状態を常に維持する。
【0029】また、アッパーアーム13は駆動モータ1
7のはたらきにより矢印B方向に回転する。詳しくは、
図3において駆動モータ17が起動すると、減速機構2
2のジェネレータ23を介してリングギヤ24が軸P12
とともに回転しようとする。ところが、リングギヤ24
が固定されている軸P12はアッパーリンク15とも固定
されているため、四節平行リンク機構19の拘束により
回転不能である。
【0030】したがって、逆にその回転反力を受けて駆
動モータ17およびハウジング20を含むアッパーアー
ム13が図1の矢印B方向のいずれかに回転することに
なる。つまり、アッパーアーム13は四節平行リンク機
構19の動きを伴わずに単独で回転する。
【0031】ここで、本実施例においては図4に示すよ
うに鉛直線Yとロアアーム12とのなす角度α1を反時
計回り方向(マイナス方向)に60度で時計回り方向
(プラス方向)45度の範囲とし、ロアアーム12とア
ッパーアーム13とのなす角度θを45〜315度の範
囲に設定している。その結果、リスト部18の中心点P
0での作動領域は斜線で示す領域Qとなる。したがっ
て、図7と比べ作動領域Qが特にロボットの後方側に著
しく拡大されることになる。
【0032】その上、ロアアーム12とアッパーアーム
13とを共に伸ばしきった時の最大の腕の長さを大きく
確保でき、旋回ベース11の旋回機能を併用した場合の
平面視での作動領域の拡大化も併せて図れる。
【0033】また、図4に示す作動領域Q内においてア
ッパーアーム13が旋回ベース11の真上を通過しなが
ら前方(図4に示す作動領域Qのうちの鉛直線Yよりも
左方)から後方(図4に示す作動領域Qのうち鉛直線Y
よりも右方)に大きく回転することができるため、図示
外のハンドが把持したワークを前方から後方に搬送する
場合にも従来のようにロボット全体を旋回ベース11ご
と旋回させる必要がなくなり、アッパーアーム13を旋
回ベース11の真上を通過させることによってハンドは
周辺機器と最も干渉しにくい軌跡をとることができるよ
うになって、ロボットと周辺機器との干渉回避のために
余分なスペースを必要としない。
【0034】次に、従来の構造と本実施例の構造とを比
較したときに、アッパーアームの重量によりロアアーム
駆動用モータが負担すべきモーメントが変化するかどう
かについて検討してみる。
【0035】従来の構造を摸式的に示したのが図8であ
り、アッパーアーム3(図5参照)の重量により駆動モ
ータ6が負担すべきモーメントをMAとし、MA=FM×
Sとする。モーメントのつり合いにより下記のようにF
Mを求める。
【0036】・重量Wによる回転を止めるためにはF1
の力が必要となる。
【0037】 W×S1=F1×S21=W×S1/S2 ・F1を分解するとF1a,F1bとなる。
【0038】 F1a=F1cosθ1+F1sinθ1tan(θ1−θ2) F1b=F1sinθ・{1/cos(θ1−θ2)} ・支点P2にはWとF1とを支えるためにF2=W+F1
力が必要となる。これをF2aとF2bとに分解する。
【0039】 F2a=F2cosθ12b=F2sinθ1 ・F1bをさらにF1baとF1bbとに分解する。
【0040】F1ba=F1bsin(θ1−θ2) F
1bb=F1bcos(θ1−θ2) ・ここでF2bとF1bbは逆方向の力であるためにその差
をFMとして求める。
【0041】 FM=F2b−F1bb =F2sinθ1−F1bcos(θ1−θ2) =(W×S1/S2+W)sinθ1−(W×S1/S2)・ cos(θ1−θ2)sinθ1・{1/cos(θ1−θ2)} =W・sinθ1 同様に本実施例構造についても図9をもとにFMを求め
る。
【0042】・重量Wによる回転を止めるためにはF1
の力が必要となる。
【0043】W×S1cosθ2=F1・S21
W×(S1/S2)cosθ2 ・F1をF1aとF1bとに分解する。
【0044】F1a=F1・(1/cosθ1) F1b
=F1tanθ1 ・支点P12にはWとF1とを支えるためにF2=W+F1
の力が必要となり、これをF2aとF2bとに分解する。
【0045】 F2a=F2cosθ12b=F2sinθ1 ・F1bをさらにF1baとF1bbとに分解する。
【0046】 F1ba=F1bsinθ11bb=F1bcosθ1 ・F2bとF1bbとの差をFMとして求める。
【0047】 FM=F2b−F1bb ={W+W×(S1/S2)・cosθ2}sinθ1− W×(S1/S2)cosθ2・tanθ1・cosθ1 =W・sinθ1+(W×S1/S2)・ cosθ2(sinθ1−sinθ1) =W・sinθ1 以上のように、アッパーアームの重量によって支点
1,P11に発生するモーメントは、W,S1,S2等の
条件が同一であれば双方ともに同一となる。
【0048】したがって、上記実施例の場合にも、駆動
モータ16が負担するトルクが小さくて済むという従来
の平行リンク機構タイプのロボットがもつ利点はそのま
ま活かされることになる。
【0049】また、本実施例によれば、図2から明らか
なように二つのモータ16,17を片側にそろえて配置
することができるので全幅が小さくなる。さらに、同図
に示すようにいわゆる片持ちタイプのリスト部18を採
用しているが、旋回ベース11の旋回中心Oからリスト
部18のハンド側先端18aまでのオフセット量が零に
してある。
【0050】ここで、本実施例では、ロアアーム12と
アッパーリンク15とを連結している軸と共通する軸P
12を介してアッパーアーム13をアッパーリンク15に
回転可能に連結している。これにより、旋回ベース11
が旋回してアッパーアーム13が捩り回されるとロアア
ーム12に捩りモーメントが作用するが、ロアアーム1
2は駆動モータ16の駆動力を四節平行リンク機構19
に伝えるため高剛性に製作されているので、特別な補強
をすることなく、前記捩りモーメントに耐えるのに適し
た構造となっている。ただし、これに代えて前記アッパ
ーリンク15とロアリンク14とを連結している軸と共
通する軸P14を介してアッパーアーム13をアッパーリ
ンク15に連結するようにしてもよい。
【0051】このように、アッパーリンク15の両端の
軸P12,P14のうちのいずれか一方とアッパーアーム1
3の回転中心とを一致させることにより、軸P12または
軸P14と同一軸線上にアッパーアーム13を駆動させる
ための駆動モータ17を設けることができるから、例え
ばアッパーリンク15のうち軸P12,P14以外の部分に
別個にアッパーアーム13の回転中心を設定した場合の
ように部品点数の増加や構造の複雑化を招くことがな
く、駆動モータ17として大容量のモータを採用するこ
とができるようになって構造のコンパクト化を図りなが
ら可搬重量を大きくすることができる。
【0052】言い換えれば、例えばアッパーリンク15
のうち軸P12,P14以外の部分に別個にアッパーアーム
13の回転中心を設定すると、その回転中心と同一軸線
上に駆動モータ17を配置することになって、必要とす
る軸および軸受の数が増加するとともに、アッパーリン
ク15の長さを大きくして前記駆動モータ17の設置ス
ペースを確保する必要があるが、上記実施例の場合には
そのような不具合を伴わないで済むことになる。
【0053】そのうえ、本実施例によれば、リスト部1
8のハンド側先端18aと旋回ベース11の旋回中心O
とがアッパーアーム13の回転平面と平行な同一の平面
上に位置していてそのオフセット量が零となるように設
定されているため、ロボットの座標変換式が簡素化され
るのに伴い、経路制御に際してその経路精度が向上し、
ロボットが狙い通りに極めて正確な作業を行うことがで
きるという作用効果を奏する。以下、その点について詳
しく説明する。
【0054】即ち、経路制御とはロボットをある点から
ある点まで移動させるにあたって、その経路を目標通り
にするために行う制御であり、目標とする経路と実際の
経路の差が小さいほど経路精度が高いことになる。
【0055】日本機械学会編「メカトロニクス」シリー
ズIV基礎編(3)産業用ロボットとその応用:84年1
2月5日 技報堂出版株式会社発行のP89、P90の
4.5.3座標変換の項に記載されているように、一般
的に、ロボットを制御する際に位置,角度を求めるとき
にはロボット固有の座標変換式による演算が用いられ、
この座標変換式から導かれる方程式に基づいて、ロボッ
トの各動作軸(アーム)の角度からリスト部の位置を算
出する方法や、逆にリスト部の位置から各動作軸の角度
を算出する方法が採られている。
【0056】そして、前者の方法では方程式における各
動作軸の角度θが与えられることでリスト部の位置x,
y,zが算出され、後者の方法では方程式におけるリス
ト部の位置x,y,zが与えられることで各動作軸の角
度θを算出するようになっている。
【0057】そして、これら方程式は、加減乗除、種々
の三角関数、平方根等の演算要素から構成され、ロボッ
ト制御装置はこれら個々の演算要素について順次演算し
て上記の算出を行う。従って、算出に必要な演算時間は
方程式の中の演算要素の数が少ないほど短いことにな
り、いわんや方程式の演算の数に影響を及ぼす座標変換
式の中の定数の数は少ないほど演算時間が短い。
【0058】ここで、この実施例では、リスト部18の
ハンド側先端18aと旋回ベース11の旋回中心Oとが
アッパーアーム13の回転平面と平行な同一の平面上に
位置していてそのオフセット量が零となるように設定さ
れているため、座標変換式の中の定数の数が少なく、結
果的に演算時間が短くなる。
【0059】また、日本機械学会編「メカトロニクス」
シリーズIV基礎編(3)産業用ロボットとその応用:8
4年12月5日 技報堂出版株式会社発行のP85〜P
91の4.5 プレイバックロボットの項に記載されて
いるように、ロボットの経路制御に際しては、予め定め
られた2点間の経路を生成する目的で補間演算が行われ
ることが知られている。この補間演算は、2点間の経路
をいくつかに分割した直線(直線補間)もしくは円弧
(円弧補間)等で繋いで生成し、目標とする経路に近似
させる手法であり、この分割の数が多いほど目標とする
経路と実際の経路の差が小さく経路精度が高いことにな
る。
【0060】そして、この補間演算には前述したロボッ
ト固有の座標変換式が用いられ、分割する位置の演算は
この座標変換式から導かれる方程式により行われる。
【0061】ここで、経路精度とロボットの動作速度と
の関係について説明する。
【0062】まずロボットをある点からある点まで移動
させる時の移動時間は動作速度によって決まる。仮に、
動作速度を低くすれば移動時間が長くなり、逆に動作速
度を高くすれば移動時間が短くなる。前者の場合、移動
時間内に方程式を演算できる回数は多く、逆に後者の場
合、移動時間内に方程式を演算できる回数は少ない。
【0063】ところで、先に分割の数が多いほど経路精
度が高いことを説明したが、このように動作速度を低く
すれば、方程式を演算できる回数が多く、分割の数が多
くなり結果として経路精度が高くなる。
【0064】しかしながら、動作速度は作業内容に応じ
た最適の値で設定されるため、動作速度により経路精度
が一義的に決まってしまう。
【0065】ところが、先にリスト部18のハンド側先
端と旋回ベース11の旋回中心Oとがアッパーアーム1
3の回転平面と平行な同一の平面上に位置していてその
オフセット量が零となるように設定されていると、座標
変換式の中の定数の数が少なく、演算時間が短くなるこ
とを説明したとおり、当然演算時間が短くできれば同一
の移動時間内に方程式を演算できる回数を多くすること
ができ、分割の数が多くなって経路精度も向上すること
ができる。
【0066】かかる構造の本実施例のロボットによる
と、演算時間が短くなるため、同一の動作速度の条件下
において経路制御における分割の数を増やすことがで
き、経路精度を高めることができる。
【0067】従って、本実施例のロボットによれば、同
一の動作速度の条件下において目標通りの経路に極めて
近い経路で作業を行うことができ、ロボットが狙い通り
に極めて正確な作業を行うことができるものである。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、ベース上に設けられた
固定リンクと、この固定リンクの一端側に回転可能に連
結されたロアアームと、このロアアームの上端部にその
一端部が回転可能に連結されたアッパーリンクと、前記
固定リンクの他端部とアッパーリンクの他端部とを相互
に連結するロアリンクとで四節平行リンク機構を構成
し、前記ロアアームとアッパーリンクとを連結している
軸もしくは前記アッパーリンクとロアリンクとを連結し
ている軸と共通する単一の軸を介して、アッパーアーム
をアッパーリンクに回転可能に連結するとともに、前記
ロアアームを回転させるロア側の駆動手段と、前記アッ
パーアームを回転させるアッパー側の駆動手段とをそれ
ぞれ個別に設けた構造としたものである。
【0069】したがって、四節平行リンク機構とアッパ
ーアームとは互いに異なった回転平面を有していて、ア
ッパーアームが回転しても四節平行リンク機構を構成し
ているロアアームやロアリンク等と干渉しないため、ロ
アアーム用駆動モータの負荷トルクおよび形状を小さく
できるとする従来の四節平行リンク機構タイプのロボッ
トのもつ利点をそのまま活かすことができることはもち
ろんのこと、四節平行リンク機構がアッパーアームの回
転自由度に与える制限がきわめて少ないためにアッパー
アームの回転自由度が飛躍的に大きくなり、従来のもの
と比べて特にロボットの後方側に作動領域を拡大してロ
ボット全体の作動領域を著しく大きく確保することがで
きる。
【0070】また、アッパーアームが旋回ベースの真上
を通過しながら前方から上方,後方に大きく回転するこ
とができるため、例えばハンドが把持したワークを前方
側から後方側に搬送する場合にも従来のようにロボット
全体を旋回ベースごと旋回させる必要がなくなり、アッ
パーアームを旋回ベースの真上を通過させることによっ
て周辺設備と最も干渉しにくい軌跡をとることができる
ようになって、ロボットと周辺設備との干渉を回避する
ために余分なスペースを必要とせず、スペース効率が著
しく向上する。したがって、特に複数台のロボットを並
設してロボット作業ラインを編成する場合にそのライン
編成の上でのスペース的な制約が大幅に緩和される。
【0071】さらに、リスト部(手首)駆動用のアクチ
ュエータ等を例えばそのリスト部と反対側のアッパーア
ームの端部に設けた上で、アッパーアーム内に配置され
る伝達部材を介してリスト部を動かすことも可能である
ことから、可搬重量に占めるリスト部駆動用アクチュエ
ータ等の重量が少なくなって正味可搬重量についても大
きく確保できるようになって、上記の作動領域の拡大化
とも相俟ってロボットの基本性能の向上に大きく貢献で
きる効果がある。
【0072】また、ロアアームとアッパーリンクとを連
結している軸と共通する軸、もしくはアッパーリンクと
ロアリンクとを連結している軸と共通する単一の軸を介
して、アッパーアームをアッパーリンクに回転可能に連
結して、アッパーリンクの両端の軸のうちのいずれか一
方とアッパーアームの回転中心とを一致させているの
で、その単一の軸と同一軸線上にアッパーアームを駆動
させるためのアッパー側の駆動手段を設けることができ
るから、例えばアッパーリンクのうち両端の軸以外の部
分に別個にアッパーアームの回転中心を設定した場合の
ように部品点数の増加や構造の複雑化を招くことがな
く、アッパー側の駆動手段として大容量のモータを採用
することができるようになって構造のコンパクト化を図
りながら可搬重量を大きくすることができる。
【0073】さらに、アッパーリンクの両端の軸のうち
のいずれか一方とアッパーアームの回転中心とを一致さ
せることにより、アッパーリンクの両端の軸のどちらか
と同一軸線上にアッパーアームを駆動させるための駆動
モータを設けることができるから、例えばアッパーリン
クのうち軸以外の部分に別個にアッパーアームの回転中
心を設定した場合のように部品点数の増加や構造の複雑
化を招くことがなく、駆動モータとして大容量のモータ
を採用することができるようになって構造のコンパクト
化を図りながら可搬重量を大きくすることができる。
【0074】言い換えれば、例えばアッパーリンクのう
ちいずれかの軸以外の部分に別個にアッパーアームの回
転中心を設定すると、その回転中心と同一軸線上に駆動
モータを配置することになって、必要とする軸および軸
受の数が増加するとともに、アッパーリンクの長さを大
きくして前記駆動モータの設置スペースを確保する必要
があるが、上記実施例の場合にはそのような不具合を伴
わないで済むことになる。
【0075】加えて、上記のようにアッパーリンクの両
端の軸のうちのいずれか一方とアッパーアームの回転中
心とを一致させることにより、ロアアームとアッパーア
ームとを共に伸ばしきった時の最大の腕の長さを大きく
確保でき、作動領域のさらなる拡大化も併せて図れると
いう利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す正面図。
【図2】図1の右側面図。
【図3】図1のIII−III線に沿う断面図。
【図4】図1に示すロボットの作動領域を示す説明図。
【図5】従来の関節型産業用ロボットの正面図。
【図6】図11の右側面図。
【図7】図11に示すロボットの作動領域を示す説明
図。
【図8】図11に示すロボットのアームモーメントの説
明図。
【図9】図1に示すロボットのアームモーメントの説明
図。
【符号の説明】
11…旋回ベース 11a…固定リンクとしてのブラケット 12…ロアアーム 13…アッパーアーム 14…ロアリンク 15…アッパーリンク 16,17…駆動モータ 18…リスト部 19…四節平行リンク機構 22…減速機構 O…旋回中心 P11,P12,P13,P14…軸。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベース(11)上に設けられた固定リン
    ク(11a)と、この固定リンク(11a)の一端側に
    回転可能に連結されたロアアーム(12)と、このロア
    アーム(12)の上端部にその一端部が回転可能に連結
    されたアッパーリンク(15)と、前記固定リンク(1
    1a)の他端部とアッパーリンク(15)の他端部とを
    相互に連結するロアリンク(14)とで四節平行リンク
    機構(19)を構成し、 前記ロアアーム(12)とアッパーリンク(15)とを
    連結している軸もしくは前記アッパーリンク(15)と
    ロアリンク(14)とを連結している軸と共通する単一
    の軸(P12もしくはP14)を介して、アッパーアーム
    (13)をアッパーリンク(15)に回転可能に連結す
    るとともに、 前記ロアアーム(12)を回転させるロア側の駆動手段
    (16)と、前記アッパーアーム(13)を回転させる
    アッパー側の駆動手段(17)とをそれぞれ個別に設け
    たことを特徴とする関節型産業用ロボット。
  2. 【請求項2】 前記ロアアーム(12)とアッパーリン
    ク(15)とを連結している軸と共通する単一の軸(P
    12)を介して前記アッパーアーム(13)をアッパーリ
    ンク(15)に回転可能に連結したことを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の関節型産業用ロボット。
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