JPH0631867Y2

JPH0631867Y2 - 脱穀装置

Info

Publication number: JPH0631867Y2
Application number: JP16743588U
Authority: JP
Inventors: 孝夫庄村; 彰三宅; 輝夫耳野; 芳忠中村; 勝安藤
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1988-12-24
Filing date: 1988-12-24
Publication date: 1994-08-24
Anticipated expiration: 2003-12-24
Also published as: JPH0287428U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、扱胴を軸架した上部扱胴ケースを下部扱胴ケ
ースに対して開閉揺動自在に支持してある脱穀装置に関
する。

〔従来の技術〕

従来における上記脱穀装置としては、例えば実開昭63-1
51720号公報に開示してあるように、受網を二分割して
夫々の分割受網を扱室中心側に取外し自在に取付け固定
する構造のものがあった。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記従来構造は、扱胴を上方に向けて揺動開放したと
き、受網も容易に取外し可能となるよう構成したもので
あるが、上記したように、受網は脱穀作業時は位置固定
状態で設けられるので、脱穀処理物が網目に絡み付き始
めると、次々と処理物が堆積して付着しがちになる。従
って、扱室内での詰まりに起因する清掃等のメンテナン
ス作業を頻繁に行わねばならない欠点があった。

そこで上記課題を解消する方法として、脱穀作業中にお
いて受網を振動させて処理物の付着を少なくさせる構造
が考えられるが、受網を振動させるには、円弧状両端に
おいて、受網を厚さ方向すなわち上下方向に挟み込むた
めのコの字のレールを設ける必要があり、受網の取外し
をレールの円弧に沿って行わねばならず作業性が悪くな
る難点がある。

本考案は、このような不具合点を解決し、受網に対する
処理物の目詰りを極力少なくさせ、かつ、清掃等のメン
テナンス作業を容易に行えるようにする点にある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の特徴は、前記脱穀装置において、前記下部扱胴
ケースに、受網の前後縁部を厚さ方向から挟み込む上部
ガイド部材と下部ガイド部材とを配備し、受網を扱胴の
周方向に沿って往復移動自在に支持するとともに、前記
上部ガイド部材を、受網を支持する作用位置と上方に開
放する非作用位置とに切換自在に設け、かつ、上部ガイ
ド部材を断面が略Ｌ字形状となるよう成形して受網の挟
み込み部の反対側端縁から延設した舌片を、下部ガイド
部材に形成した貫通孔に抜差自在に嵌め込み貫通させ、
舌片の貫通先端部を、側壁部に抜止め固定してある点に
あり、その作用・効果は次の通りである。

〔作用〕

つまり、受網を扱胴の周方向に沿って往復移動するの
で、脱穀作業時に処理物が網目に絡み付こうとした場合
であっても、その振動作用によって絡み付きが阻止さ
れ、処理物が堆積しにくくなり、その結果、長期に亘り
目詰りを防止できる。又、目詰りが生じて清掃作業を行
う場合には、前記上部ガイド部材の舌片の先端部と側壁
部との間の抜止めを解除すれば、容易に該部材を抜き出
し取外すことができ、従って受網も取外し可能となる。
受網を装着する場合には、受網を下部ガイド部材の上面
に沿わせた状態で上部ガイド部材を差込み装着して抜止
めすればよく、極めて容易に着脱作業を行える。

〔考案の効果〕

従って、本考案によれば、受網への処理物の目詰りを可
及的に減少させて、メンテナンス作業の頻度を小さなも
のにでき、しかも、メンテナンス作業を、例えば多数箇
所のボルト連結作業を行う等の煩わしさなく簡易に行え
るものを提供できることとなった。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第６図に本考案に係る脱穀装置を示している。この脱穀
装置は、脱穀フィードチェーン(1)により挾持される穀
稈を、扱室(2)内に軸架し軸心(P₁)回りに回転する扱胴
(3)により扱処理するよう構成するとともに、扱胴(3)の
下方に周方向に沿って張設した受網(4)を漏下した処理
物を、下方の選別部(5)により選別するよう構成してあ
る。

前記選別部(5)は、漏下処理物を揺動移送しながら選別
する揺動選別装置(6)、選別漏下した穀粒を回収する一
番スクリュー(7)、枝付き籾等の二番物を横一側まで搬
送する二番スクリュー(8)、細かな排ワラ屑を吹き飛ば
す唐箕(9)、排塵を機外に排出する排塵ファン(10)等を
備えてあり、二番スクリュー(8)の終端には搬送された
二番物を単粒化する処理機構(11)を設け、搬送コンベア
(12)により揺動選別装置(6)上に還元するよう構成して
ある。

第２図にも示すように、扱胴(3)を軸架した上部扱胴ケ
ース(13)を、扱胴軸心(P₁)と平行な軸心(P₂)周りに開閉
揺動自在に下部扱胴ケース(14)に支持してある。このよ
うにして通常の脱穀作用位置と扱胴(3)を上方開放させ
て扱室(2)内の清掃を容易に行えるメンテナンス姿勢位
置に切換自在に設けてある。

前記受網(4)は、耐摩耗性、撥水性に優れた超高分子量
ポリエチレンを一体成形して構成してあり、かつ、扱胴
(4)の周方向に沿って強制往復振動するよう構成してあ
る。つまり、下部扱胴ケース(14)側に、受網(4)の前後
縁部夫々において厚さ方向から挟み込む上部ガイド部材
(15)，(15)と下部ガイド部材(16)，(16)とを配備し、受
網(4)をそれらの間において往復移動自在に支持してあ
る。そして、内奥側上部に設けた強制振動機構(17)によ
り受網(4)を強制振動させるように構成してある。

前記強制振動機構(17)は、次のように構成される。第２
図及び第５図に示すように、扱胴軸に取付けた出力プー
リ(18)、伝動ベルト(19)及び入力プーリ(20)を介して回
転駆動される回転軸(21)に、一対の偏芯部材(22)，(22)
を取付け、各偏芯部材(22)と、一端を側壁に枢支した揺
動アーム(23)の途中部位とをプレート(24)を介して連結
してある。そして、揺動アーム(23)の揺動端には、受網
(4)の端部外面側に支承したローラ(25)に両側から摺接
係合する係合部(26)を設けてある。

次に、受網(4)の支持構造について説明する。第１図に
示すように、半円弧状の受網支持フレーム(27)を下部扱
胴ケース(14)に取付固定し、受網支持フレーム(27)の円
弧面両端に、前記上部ガイド部材(15)及び下部ガイド部
材(16)を夫々配設してある。つまり、第３図にも示すよ
うに、側壁部としての前記支持フレーム(27)の両側面部
分(27a)，(27a)に形成した複数の貫通孔(28)に、内方側
から前記下部ガイド部材(16)に延設形成した舌片(29)を
差し込み貫通させて、その差し込み部を外側方から溶接
固定してある。そして、上部ガイド部材(15)を、断面が
略Ｌ字形状となるよう成形してあり、受網(4)の挟み込
み部(15a)の反対側端縁から延設した複数の舌片(38)
を、下部ガイド部材(16)の支持フレーム(27)内面側部分
に形成した貫通孔(30)に抜差自在に嵌め込み貫通させて
ある。又、前記舌片(38)の貫通先端部を支持フレーム(2
7)に、ロック並びにロック解除自在なロック機構(31)に
より抜止め固定してある。

前記ロック機構(31)は次のように構成される。つまり、
第４図に示すように、支持フレーム(27)の受網(4)下方
側において、両側面部分(27a)，(27a)に亘ってパイプ部
材(32)を架設連結し、このパイプ部材(32)内方に軸芯方
向にスライド自在で、かつ、両側側方に突出するロッド
(33)を内挿してある。このロッド(33)の両端部には、両
側面部分(27a)，(27a)及び上部ガイド部材(15)の舌片(3
8)の貫通先端部夫々に亘り、貫通して抜止めを図るロッ
クピン(34)，(34)を一体的に設けてあり、かつ、バラン
スバネ(35)，(35)によって両ロックピン(34)，(34)が係
入ロック位置になるよう中立付勢してある。ロック解除
する場合には、前記ロッド(33)を押引く操作することに
より、いずれかのロックピン(34)，(34)が外側方にスラ
イドしてロックを解除し、その状態で上部ガイド部材(1
5)を上方に向けて抜出することができるのである。

前記支持フレーム(27)の両側面部分(27a)，(27a)には、
上部ガイド部材(15)，(15)に内方側から接当して受網
(4)から離間する方向への倒れを防止する接当規制板(3
6)，(36)を設けてある。又、第１図及び第３図に示すよ
うに、前記受網(4)の穀稈移送方向中間部及び終端部に
は、弓金(37)を複数箇所ビス止めして取付けてあり、終
端部側弓金(37)と前記上部ガイド部材(15)とを近接して
配備してあり、受網(4)の横ずれを規制するように構成
してある。上部ガイド部材(15)の弓金(37)に臨む先端部
には弾性体(E)を全域に亘って付設し、上部ガイド部材
(15)の浮き上がりによる摺接案内部への塵埃の侵入を防
止するようにしてある。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利
にするために符号を記すが、該記入により本考案は添付
図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る脱穀装置の実施例を示し、第１図は
要部の分解斜視図、第２図は切欠正面図、第３図は要部
の縦断側面図、第４図はロック機構の断面図、第５図は
強制振動機構の平面図、第６図は簡略化した側面図であ
る。 (3)……扱胴、(4)……受網、(13)……上部扱胴ケース、
(14)……下部扱胴ケース、(15)……上部ガイド部材、(1
5a)……挟み込み部、(16)……下部ガイド部材、(27a)…
…側壁部、(30)……貫通孔、(38)……舌片。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者中村芳忠大阪府堺市石津北町64番地久保田鉄工株式会社堺製造所内 (72)考案者安藤勝大阪府堺市石津北町64番地久保田鉄工株式会社堺製造所内

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】扱胴(3)を軸架した上部扱胴ケース(13)を
下部扱胴ケース(14)に対して開閉揺動自在に支持してあ
る脱穀装置であって、前記下部扱胴ケース(14)に、受網
(4)の前後縁部を厚さ方向から挟み込む上部ガイド部材
(15)と下部ガイド部材(16)とを配備し、受網(4)を扱胴
(3)の周方向に沿って往復移動自在に支持するととも
に、前記上部ガイド部材(15)を、受網(4)を支持する作
用位置と上方に開放する非作用位置とに切換自在に設
け、かつ、上部ガイド部材(15)を断面が略Ｌ字形状とな
るよう成形して受網(4)の挟み込み部(15a)の反対側端縁
から延設した舌片(38)を、下部ガイド部材(16)に形成し
た貫通孔(30)に抜差自在に嵌め込み貫通させ、舌片(38)
の貫通先端部を、側壁部(27a)に抜止め固定してある脱
穀装置。