JPH08103149A - 脱穀装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 揺動選別装置における一番物選別用のグレン
シーブとそれに連なるグレンパンに付着したワラ屑の詰
まり除去作業を容易に行なえるようにする。 【構成】 揺動選別装置２０の一番物選別用のグレンシ
ーブ８と、その前に連なるグレンパン２２を別体に形成
して揺動選別ケース９に対して横側方から抜差し自在に
装着するとともに、脱穀装置Ｄの二番還元装置２１側の
側壁１４ａに、二番還装置２１を避けて前記分割された
グレンシーブ８とグレンパン２２とを交互に出し入れで
きる点検用の開口部２４を形成してある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コンバインに搭載され
る脱穀装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の脱穀装置は、特開平６‐１５３６
７１号公報に示されるように、脱穀装置の後部から揺動
選別ケースが取り出せるようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】刈り取った穀稈の株元
部をフィードチェーンにより挾持して脱穀処理する自脱
型コンバインの小型機では、揺動選別ケースが小型、軽
量である為、揺動選別装置のグレンシーブなどにワラ屑
などが詰まった場合には、現場で、揺動選別ケースを脱
穀装置の後部から取り出して詰まり除去作業を行なうこ
とができるものの、刈り取った穀稈の全てを脱穀処理す
る全稈投入型の普通型コンバインの大型機では、揺動選
別ケースが大型、大重量である為、現場で、揺動選別ケ
ースを脱穀装置の後部から容易に取り出すことができ
ず、従って、ワラ屑などの詰まり除去作業においては、
脱穀装置の後部から手を差し入れて詰まり除去作業を行
わなければならず、現場での詰まり除去作業が煩わしも
のとなっている。

【０００４】そこで、上記欠点を解消する手段として、
揺動選別装置のグレンパンとチャフシーブとを揺動選別
ケースに対して横側に抜差し自在に構成して、脱穀装置
の側壁に形成した開口部からグレンパンとチャフシーブ
とを一体的に取り出し可能にすることが考えられるが、
斯かる場合には、一般に、脱穀装置の横側部にはグレン
タンクが配設されており、他方、脱穀装置のグレンタン
ク配設側と反対の側壁には、二番処理物を揺動選別装置
の始端部に還元させる二番還元装置が配設されているこ
とから、脱穀装置の側壁からグレンパンとチャフシーブ
とを一体的に取り出す場合には、取り出し難いものとな
っている。

【０００５】本発明は、現場での詰まり除去作業が迅
速、容易に行なえるようにすることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の特徴構成は、扱室からの処理物を揺動選別装
置によって穀粒とワラ屑類とに比重選別するとともに、
前記揺動選別装置によって選別処理された処理物の内の
二番物を脱穀装置に並設のグレンタンクとは反対側の側
壁に配設された二番還元装置を介して前記揺動選別装置
の始端部に還元する脱穀装置において、揺動選別装置の
一番物選別用のグレンシーブと、その前に連なるグレン
パンを別体に形成して揺動選別ケースに対して横側方か
ら抜差し自在に装着するとともに、脱穀装置の二番還元
装置側の側壁に、二番還元装置を避けて前記分割された
グレンシーブとグレンパンとを交互に出し入れできる点
検用の開口部を形成した点にある。

【０００７】

【作用】グレンパンとグレンシーブとを取り出す場合に
は、脱穀装置の側壁に形成の開口部の蓋を取外した後、
揺動選別ケースの開口部の蓋を取り外すとグレンシーブ
をそのまま脱穀装置の側壁から取り出すことができる。
また、グレンパンを取り出す場合には、グレンパンを揺
動選別ケースの開口部に移動させた後、グレンシーブと
同様に取り出すこととなる。

【０００８】このように、揺動選別装置のグレンパンと
グレンシーブとを、夫々、別体に形成して、二番還元装
置を避けて脱穀装置の側壁から取り出すようにしたか
ら、グレンパンとグレンシーブとを一体的に構成して脱
穀装置の側壁から取り出す場合のように、二番還元装置
に邪魔されることなく取り出すことができる。

【０００９】

【発明の効果】上記構成の結果、二番還元装置に邪魔さ
れることなく、グレンシーブとグレンパンとを脱穀装置
の横側から取出すことができ、グレンシーブ上のワラ屑
などの詰まり除去作業が迅速、容易に行なうことができ
る。

【００１０】

【実施例】以下、本発明を全稈を脱穀処理する全稈投入
型の普通型コンバインに適用した実施例を図面に基づい
て説明する。図２には、全稈投入型の普通型コンバイン
に搭載される脱穀装置の縦断側面が示されており、この
脱穀装置は、フィーダ１により送り込まれた刈取穀稈を
脱穀する脱穀部Ａと、脱穀部Ａからの処理物を篩い選別
並びに風選別する選別部Ｂにより構成されている。

【００１１】脱穀部Ａは、螺旋状の扱歯２Ａを備えた軸
流型の扱胴２、及び、扱胴２の下方に張設されたコンケ
ーブ３などにより構成されており、扱胴２を駆動回転さ
せることによって、刈取穀稈に扱処理を施すとともに排
ワラを扱室ａの後部から排出するようになっている。ま
た、刈取穀稈の扱処理により得られた処理物はコンケー
ブ３から漏下するようになっている。

【００１２】選別部Ｂは、コンケーブ３の前部から漏下
した処理物を受け止めて後方へ移送する第１グレンパン
４、第１グレンパン４から移送された処理物のうちのワ
ラ屑などを下方からの風力により浮き上がらせるととも
に穀粒などを漏下させる孔開き搬送板５、孔開き搬送板
５に連なって処理物の粗選別を行うチャフシーブ６、チ
ャフシーブ６に連なって処理物の粗選別を行うリアシー
ブ７、及び、孔開き搬送板５からの処理物を受け止めて
後方へ移送する第２グレンパン２２、第２グレンパン２
２から移送された処理物や、チャフシーブ６から漏下し
た処理物の穀粒選別を行う一番物選別用のグレンシーブ
８などを揺動選別ケース９に設けて成る揺動選別装置２
０と、後端部に空気送出口１８を備えて風選別するため
の風力を発生させる唐箕１０とにより構成されている。

【００１３】グレンシーブ８から漏下した一番物として
の穀粒は、グレンシーブ８の下方に備えられた一番物回
収部１１にて回収された後、脱穀装置Ｄの横側部に配設
されたグレンタンクＴにて貯留されるようになってい
る。一方、グレンシーブ８にて漏下しなかった枝付き籾
やリアシーブ７から漏下した枝付き籾などの二番物は、
リアシーブ７の下方に備えられた二番物回収部１２にて
回収された後、グレンタンクＴと反対側に配設された二
番還元装置２１にて再脱穀されるとともに揺動選別装置
２０の始端部へ還元されるようになっている。また、ワ
ラ屑や籾殻などの塵埃は、唐箕１０からの風力により機
外へ排出されるようになっている。

【００１４】揺動選別ケース９の前部は、その左右両側
面に枢支されたローラ１３と、脱穀装置の側壁１４に設
けられたガイドレール１４Ａによって、スライド自在に
支持されている。また揺動選別ケース９の後部は、偏芯
カム式の駆動機構１５を介して脱穀装置の側壁１４に揺
動自在に支持されている。つまり、揺動選別ケース９
は、揺動選別ケース９の全体を偏芯カム式の駆動機構１
５からの駆動力により上下成分と前後成分とを持った揺
動軌跡で揺動させることによって、処理物を篩い選別し
ながら後方へ移送するようになっている。

【００１５】前記揺動選別ケース９は、偏芯カム式の駆
動機構１５との連結を解除すると、脱穀装置の後部から
取り出せるようになっている。

【００１６】図６乃至図８に示すように、前記揺動選別
装置２０の第２グレンパン２２とグレンシーブ８が、揺
動選別ケース９に対して着脱可能に取付けられている。

【００１７】前記第２グレンパン２２は、揺動選別ケー
ス９の左右両側面に設けたコの字状のガイドレール２
３，２３によって支持されており、前方への移動が、左
右のコの字状のガイドレール２３，２３の前端同士を連
結する規制フレーム２３ａによって阻止されているとと
もに、後方への移動が、揺動選別ケース９に固定連結さ
れたグレンシーブ８によって阻止されている。

【００１８】前記グレンシーブ８は、揺動選別ケース９
の二番還元装置２１側の側壁９ａに形成された開口部２
４を閉塞する蓋２５によって固定されている。

【００１９】前記グレンシーブ８の揺動選別ケース９に
対する固定は、グレンシーブ８の左右フレーム８ａ，８
ａに設けた前後一対のピン２６，２６を、揺動選別ケー
ス９の側面９ｂに設けたピン孔２７と、蓋２５に設けた
ピン孔２８とに挿入して、前記蓋２５を揺動選別ケース
９にボルト固定することによって固定されるようになっ
ている。

【００２０】また、グレンシーブ８を揺動選別ケース９
に取付ける場合には、奥側のピン２６がピン孔２７に挿
入された状態においては、グレンシーブ８は片持ち支持
となるので、これを避けるために、グレンシーブ８の前
端に、第２グレンパン２２の後端部に載せ付け可能な前
方突出フレーム８ｂが設けられている。

【００２１】従って、前記グレンシーブ８とグレンパン
２２とを揺動選別ケース９から取り外す場合には、蓋２
５を取り外した後、グレンシーブ８をそのまま引き出せ
ば取り出すことができ、グレンパン２２を取り外す場合
には、ガイドレール２３に沿ってグレンパン２２を開口
部２４まで移動させた後、グレンシーブ８と同様に引き
出すこととなる。

【００２２】前記揺動選別ケース９の開口部２４に対向
して脱穀装置Ｄの二番還元装置２１側の側壁１４ａに前
記グレンシーブ８とグレンパン２２とを交互に出し入れ
できる点検用の開口部２９を設けてある。前記開口部２
９は蓋３０によって開閉可能に構成されている。

【００２３】前記揺動選別ケース９に形成の開口部２４
と、脱穀装置Ｄの側壁１４ａに形成の開口部２９は、二
番還元装置２１の横側部に二番還元装置２１を避けて設
けられている。

【００２４】図３乃至図５に示すように、この脱穀装置
においては、二番還元装置２１のスクリュー軸を回転駆
動するチェーン伝動装置３１を逐一取り外さなくても二
番還元装置２１を容易に分解できるようになっている。

【００２５】つまり、二番物を細断処理する細断装置を
備えたカッターケース３２にベベルケース３３が一体的
に連結されており、このベベルケース３３に対してスク
リュー軸３４ａを内装するスクリューケース３４が分離
自在に嵌合連結されており、このスクリューケース３４
の上端に、スクリュー軸３４ａの上端を回転自在に支持
するベアリングのケース３５が分離自在に嵌合連結され
ており、そして、前記ベアリングケース３５が、脱穀装
置の側壁に設けられた差し込みガイド３６にスライド自
在に挿入されてボルト３７を介して固定されるようにな
っている。

【００２６】〔別実施例〕上記実施例においては、全稈
投入型の普通型コンバインの脱穀装置に付いて説明した
が、自脱型コンバインの脱穀装置であっても良い。

【００２７】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】全体平面図

【図２】脱穀装置の縦断側面図

【図３】二番還元装置の側面図

【図４】二番還元装置の分解図

【図５】ベアリングケースの横断平面図

【図６】揺動選別装置の縦断背面図

【図７】揺動選別装置の分解斜視図

【図８】グレンシーブの縦断側面図

【符号の説明】

８ グレンシーブ ９ 揺動選別ケース １４ａ 側壁 ２０ 揺動選別装置 ２１ 二番還元装置 ２２ グレンパン ２４ 開口部 ａ 扱室 Ｄ 脱穀装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 扱室（ａ）からの処理物を揺動選別装置
   （２０）によって穀粒とワラ屑類とに比重選別するとと
   もに、前記揺動選別装置（２０）によって選別処理され
   た処理物の内の二番物を脱穀装置（Ｄ）に並設のグレン
   タンク（Ｔ）とは反対側の側壁（１４ａ）に配設された
   二番還元装置（２１）を介して前記揺動選別装置（２
   ０）の始端部に還元する脱穀装置において、揺動選別装
   置（２０）の一番物選別用のグレンシーブ（８）と、そ
   の前に連なるグレンパン（２２）を別体に形成して揺動
   選別ケース（９）に対して横側方から抜差し自在に装着
   するとともに、脱穀装置（Ｄ）の二番還元装置（２１）
   側の側壁（１４ａ）に、二番還元装置（２１）を避けて
   前記分割されたグレンシーブ（８）とグレンパン（２
   ２）とを交互に出し入れできる点検用の開口部（２９）
   を形成してある脱穀装置。