JPH06317533A - 異物検査方法及び異物検査装置 - Google Patents

異物検査方法及び異物検査装置

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JPH06317533A
JPH06317533A JP3967594A JP3967594A JPH06317533A JP H06317533 A JPH06317533 A JP H06317533A JP 3967594 A JP3967594 A JP 3967594A JP 3967594 A JP3967594 A JP 3967594A JP H06317533 A JPH06317533 A JP H06317533A
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foreign matter
scanning
signal
scattered light
spot
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JP3967594A
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English (en)
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Arinari Tei
有成 鄭
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】異物と検査光のスポットとの位置関係に影響さ
れることなく異物を正確に検査でき、信頼性の高い異物
検査装置を提供することにある。 【構成】試料を走査させながらスポット状の検査光を投
光し試料表面で生ずる散乱光を受光して得た散乱光信号
に基づいて異物の存在や大きさを検出する異物検査方法
において、検査光を半径分ずつ重ねて走査し、得られた
散乱光信号を離散化し、前後を含む3回分の散乱光信号
を加算して第nの走査信号とし、走査位置毎に第nの走
査信号と第(n−1)及び第(n+1)の散乱光信号と
を比較して増加分のある信号成分を抽出し、第nの走査
信号に基づいて異物の存在や大きさを検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体ウエハや
液晶パネル等の試料に付着したサブミクロン以下の微細
な異物を光の散乱現象を利用して検査する異物検査方法
及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウェハ(以下、単にウェハとす
る。)や液晶基板等の試料表面上に存在する付着異物や
傷等の欠陥は、後のパターン形成工程において断線等の
不良の原因となる。したがって、製造工程前・間で、予
め検査して、欠陥を検出された試料に対し洗浄または排
除する等の適切な処置を施す必要がある。
【0003】一般に、微細な異物を検査する装置には光
の散乱現象を利用したものがある。この種の装置におい
ては、例えばレ−ザ発振器から出力されたレ−ザ光(検
査光)が試料の表面に走査される。そして、試料に異物
が付着している場合には、異物からの散乱光が検出さ
れ、散乱光強度の最大値が電圧値に変換されて、異物の
有無及び大きさ等が判断される。
【0004】図42に、従来の異物検査装置1の例を示
す。同装置1の構成は、試料2を走査可能に載置する走
査部3と、試料を斜方照射する投光部4と、照射点の略
鉛直上方より散乱光5を受光してその光強度に応じた散
乱光信号を出力する受光部6と、この散乱光信号を演算
処理する電気回路系7とに大別される。
【0005】投光部4には、ビ−ムエキスパンダやミラ
−等が備えられており、投光部4から発せられたレ−ザ
光8は、図43に示すように集光レンズ系9を経て試料
2の表面10に結像する。レ−ザ光8のスポット11の
形状は略円形である。この他のスポット形状として、楕
円形や細長いシ−ト状(矩形)等がある。
【0006】散乱光強度は異物の大きさの102 乃至106
に比例するので、散乱光信号レベルを所定の閾値と比較
することにより異物12の存在やその大きさを検出する
ことができた。また、走査部3を駆動させるパルス信号
と散乱光信号との同期をとることによって異物12の位
置を検出することができた。
【0007】レ−ザ光8のスポット11は、通常、ガウ
シアン曲線状の光強度分布を有しているので、図44に
示すように、スポット11のエネルギ分布は中心から外
側へ指数関数的に減少している。ここで、図44はスポ
ットの形状が楕円の場合を示している。
【0008】また、特開昭63−83633号公報には
粒子計測の技術が開示されており、この技術は、濃度フ
ィルタ、空間フィルタ、及び、半導体レ−ザを一次元的
に配列したり、屈折率分布型のスラブレンズを用いたり
して、台形状の強度分布を持つシ−ト状のビ−ムを形成
している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図44のよ
うに光強度分布がガウス分布の形をしたスポット(ガウ
シアンスポット)を利用した場合、スポット11内の光
強度が不均一であるため、異物とスポットとの位置関係
によって散乱光強度が異なる。すなわち、図45(a)
及び(b)に示すように同一の異物12を対象にした場
合でも、異物12がスポット11の中央に存在する場合
には散乱光強度V1 が大きく(図45(a))、異物が
偏倚している場合には散乱光強度V2 が小さい(同図
(b))。このため、異物の径が同じであっても散乱光
強度に差が生じ、この差が検査精度に悪影響を及ぼす。
【0010】このような不具合を解決するために、図4
6に示すようにスポットを一定の割合(例えば、スポッ
トの半分程度)で重ねて走査し、散乱光強度の差を低減
する検査方法が在る。図46中の符号Aはスポット径を
示しており、符号Bは走査ピッチを示している。さら
に、図44中では、第n回目〜第 (n+2)回目の走査時の
スポットの強度分布が同時に示されている。
【0011】しかし、図46に示すようにスポットを重
ねても、走査ピッチを限りなく零に近付けない限り、散
乱光強度の差を完全に解消することはできない。一方、
スポットを重ねると、ダブルカウンティング(一つの異
物を重複して計数すること)する場合が生じる。
【0012】つまり、図47(a)は異物13、14の
径d1 、d2 が同じ場合(d1 =d2 )を比較してい
る。同図 (a-1)の異物13は第n回目の走査時にスポッ
トの中央に位置し、第 (n+1)回目の走査時にはスポット
の周縁部に位置している。この場合、第n回目の走査時
には散乱光強度の最大値Vn が大きな信号として表れる
が、第 (n+1)回目の走査時には散乱光強度の最大値V
n+1 はVn に比べて極く小さい。この結果、同一の異物
13が検出対象であるのにも係わらず、径の異なる二つ
の異物が検出される。
【0013】また、同図 (a-2)の異物14は、第m回目
の走査時のスポットと第 (m+1)回目の走査時のスポット
とが重なる部分の中央に位置している。この場合、散乱
光強度の最大値Vm 、Vm+1 は等しく表れるが、異物1
4の径d2 が先の異物13の径d1 と同じであるのにも
係わらず、散乱光強度の最大値の関係はVn >Vm =V
m+1 >Vn+1 である。この結果、異物14の径の判断が
困難になる。
【0014】一方、図45(b)はd1 とd2 が異なる
場合を比較している。異物13、14とスポットとの位
置関係は同図 (a-1)、(a-2) と同じである。これらの場
合、異物13の径d2 が異物13の径d1 よりも大きい
のにも係わらず、散乱光強度の最大値の関係がVn =V
m =Vm+1 >Vn+1 になることがある。この結果、異物
13、14の径の判断が困難になる。
【0015】これらのことをまとめると、ガウシアンス
ポットを用いた場合の不具合として以下のことが挙げら
れる。
【0016】(1) 異物の大きさが同じであってもスポッ
トとの位置関係によって散乱光強度に差が生じる。
【0017】(2) スポットを重ね合わせた場合には、一
つの異物をダブルカウンティングする場合がある。
【0018】(3) スポットを重ね合わせることによっ
て、走査回数が多くなり、検査時間が長くなる。
【0019】一方、特開昭63−83633号公報の技
術には以下のような不具合がある。
【0020】(1) レ−ザ光がフィルタやレンズを透過す
る際にエネルギが損失するとともに、スポット形状がシ
−ト状であるため、スポットのパワ−密度を高めにく
い。
【0021】(2) スポットの光強度を近似的に台形状に
分布させるため、スポットの外郭部分の強度分布が均一
になりにくい。
【0022】(3) フィルタとレンズの組合せが複雑であ
るため、光学系が高価格化及び大型化する。
【0023】また、ガウシアンスポットを利用した場合
の検査精度を高めるために、図48に示すように試料2
の表面10を区画する方法が在る。すなわち、この方法
は、図49に示すように、デ−タ処理の段階で試料表面
10を走査方向(x、y)に区割りし、多数の微小な基
本ユニット、即ちピクセル15…を設定する。レ−ザ光
8は、前述の方法と同様に重ね合せて走査される。さら
に、図50に示すように、ピクセル15毎に散乱光強度
を最大値処理し、得られた最大値を異物の信号とする。
このようにして求められた最大値が集計され、図51に
示すような波高値・異物個数のヒストグラムが作成され
る。
【0024】図51のヒストグラムには、径D1
2 、D3 の異物による散乱光信号E1、E2 、E
3 と、異物が存在しないピクセルのノイズレベルE4
が表れている。さらに、この場合の径D1 、D2 、D3
の大小関係は、D1 <D2 <D3 である。波高値、散乱
光強度、及び、異物の径は相関を有しており、予め波高
値と異物の径との関係が標準粒子を用いたキャリブレ−
ションによって得られている。したがって、ヒストグラ
ムから異物の径と個数が判る。
【0025】しかし、この方法にも以下のような不具合
がある。
【0026】(1) ピクセル15…毎に最大値処理が行わ
れるので、図53中に示すように、一つのピクセル15
aに二つの異物16、16が存在している場合には、ミ
スカウンティングし易い。つまり、一つのピクセルに二
つ以上の異物が存在しないことが前提条件であり、異物
の付着濃度の高い試料に関しては検査精度が低い。
【0027】(2) レ−ザ光8は重ね合せて走査されるの
で、図53中に示すように異物16がピクセル15b、
15cを跨いでいる場合には、一つの異物16が重複し
て検出される。つまり、ピクセルサイズを妥当に設定で
きなければ、ダブルカウンティングが生じ易い。
【0028】(3) レ−ザ光8は重ね合せて走査され、ス
ポットの光強度分布はガウス分布の形をしているので、
図45及び図47に示す場合と同様に、散乱光強度の最
大値の差を完全に解消することはできない。そして、ス
ポットとの位置関係によっては、異なる径の異物から同
じ強度の散乱光が発生することがある。この結果、図5
2に示すように分離度が悪くなり、異なる径の異物によ
る散乱光信号E5 、E6が重なり、重なった部分eがい
ずれの異物による信号なのか区別できない。
【0029】(4) ピクセル15…毎に最大値処理が行わ
れるので、デ−タ処理量が多く、処理時間が長い。
【0030】すなわち、請求項1〜請求項9の発明は上
述の課題を解決するためになされたもので、これらの発
明の目的とするところは、異物と検査光のスポットとの
位置関係に影響されることなく異物を正確に検査でき、
信頼性の高い異物検査装置を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するために請求項1の発明は、試料を走査させながら
スポット状の検査光を投光し試料表面で生ずる散乱光を
受光して得た散乱光信号に基づいて異物の存在や大きさ
を検出する異物検査方法において、第(n−1)の走査
軌道で前記試料を走査させながら第(n−1)の散乱光
信号を検出する第(n−1)の走査工程と、前記第(n
−1)の走査軌道から検査光のスポット半径分だけ移動
させた第nの走査軌道で前記試料を走査させながら第n
の散乱光信号を検出する第nの走査工程と、前記第nの
走査軌道から検査光のスポット半径分だけ移動させた第
(n+1)の走査軌道で前記試料を走査させながら第
(n+1)の散乱光信号を検出する第(n+1)の走査
工程と、前記第(n−1),第n及び第(n+1)の散
乱光信号をそれぞれ所定時間ごとに離散的に抽出する信
号抽出工程と、対応する走査位置ごとに前記信号抽出工
程において抽出された第(n−1),第n及び第(n+
1)の散乱光信号を加算して第nの走査信号として出力
する加算工程と、対応する走査位置ごとに前記第nの走
査信号と前記第(n−1)の散乱光信号とを大小比較し
て第(n−1)の散乱光信号より大きくない第nの走査
信号を無効にする第1の比較工程と、対応する走査位置
ごとに前記第nの走査信号と前記第(n+1)の散乱光
信号とを大小比較して第(n+1)の散乱光信号より大
きくない第nの走査信号を無効にする第2の比較工程
と、前記第nの走査信号に基づいて異物の存在や大きさ
を検出する異物検出工程とを具備することを特徴とする
異物検査方法(但し、nは正の整数とする)である。
【0032】また、請求項2の発明は、試料を全面走査
可能に載置する走査手段と、前記走査手段の走査位置を
検出して位置信号を出力する位置検出手段と、前記試料
表面にスポット状の検査光を投光する投光手段と、前記
試料表面で生ずる散乱光を受光してその光強度に応じた
散乱光信号を出力する受光手段と、前記散乱光信号を所
定時間ごとに離散的に抽出する信号抽出手段と、離散的
に抽出された散乱光信号を前記位置検出手段によって同
期的に出力される位置信号に対応する番地に順次格納す
る記憶保持手段と、前記記憶保持手段に格納される信号
値を逐次読み出して加算する加算手段と、前記加算手段
による加算値と前記記憶保持手段に格納される信号値と
を比較して信号値より大きくない加算値を無効にする比
較手段と、前記比較手段の出力に基づいて異物の大きさ
や存在位置を検出する異物検出手段とを具備することを
特徴とする異物検査装置である。
【0033】また、請求項3の発明は、試料に検査光の
スポットを集光させ、試料に付着した異物からの散乱光
を検出して異物を検査する異物検査方法において、スポ
ットの直径を1ピッチとして検査光を走査する第1の工
程と、異物からの散乱光を検出して散乱光信号を得る第
2の工程と、散乱光信号のピ−ク値と検出時間とを検出
する第3の工程と、ピ−ク値と検出時間とを用いてピ−
ク値を補正する第4の工程とを具備したことを特徴とす
る異物検査方法である。
【0034】また、請求項4の発明は、検査光を出射す
る光源と、検査光のスポットを試料に投光する投光系
と、スポットを試料に走査する走査系と、試料に付着し
た異物からの散乱光を検出して光電変換する散乱光検出
手段と、この散乱光検出手段の出力信号を処理する信号
処理系とを備えた異物検査装置において、信号処理系
が、散乱光信号のピ−ク値と検出時間とを検出する信号
処理回路部と、この信号処理回路部によって検出された
ピ−ク値と検出時間とを用いてピ−ク値を補正する演算
部とを備えたことを特徴とする異物検査装置である。
【0035】また、請求項5の発明は、試料に検査光の
スポットを集光させ、試料に付着した異物からの散乱光
を検出して異物を検査する異物検査方法において、複数
のスポットを一定の位置関係を保ちながら直交走査する
第1の工程と、異物からの散乱光を検出して散乱光信号
を得る第2の工程と、各スポットの少なくとも2回の走
査によって得られた散乱光信号を各スポット毎に同期さ
せる第3の工程と、各スポット毎に散乱光信号の足し合
わせを行う第4の工程と、足し合わせられた散乱光信号
を足し合わせ前の散乱光信号と比較して増加分のある信
号成分を抽出する第5の工程とを具備した異物検査方法
である。
【0036】また、請求項6の発明は、検査光を出射す
る光源と、検査光のスポットを試料に集光させる投光系
と、スポットを試料に走査する走査系と、試料に付着し
た異物からの散乱光を検出して光電変換する散乱光検出
手段と、この散乱光検出手段の出力信号を処理する信号
処理系とを備えた異物検査装置において、投光系が複数
のスポットを形成するとともに、これらのスポットの位
置が互いにずらされ、走査時に各スポットの一部が他の
スポットと重なることを特徴とする異物検査装置であ
る。
【0037】また、請求項7の発明は、試料に検査光の
スポットを集光させ、試料に付着した異物からの散乱光
を検出して異物を検査する異物検査方法において、得ら
れた散乱光信号のデ−タ波形を一次微分して微分波形を
作成し、この微分波形を基にして異物の有無を判断する
第1の工程と、微分波形とデ−タ波形とを対応させて異
物の大きさを分類する第2の工程とを具備したことを特
徴とする異物検査方法である。
【0038】また、請求項8の発明は、試料に検査光の
スポットを集光させ、試料に付着した異物からの散乱光
を検出して異物を検査する異物検査装置において、検査
光を強度分布矩形化手段に通してスポットの強度分布を
矩形化することを特徴とする異物検査装置である。
【0039】そして、請求項9の発明は、検査光を出射
する光源と、検査光のスポットを試料に集光させる投光
系と、スポットを試料に走査する走査系と、試料に付着
した異物からの散乱光を検出して光電変換する散乱光検
出手段と、この散乱光検出手段の出力信号を処理する信
号処理系とを備えた異物検査装置において、信号処理系
が、散乱光検出手段によって検出されたデ−タ波形を一
次微分して微分波形を作成し、この微分波形を基にして
異物の有無を判断するとともに、微分波形とデ−タ波形
とを対応させて異物の大きさを分類することを特徴とす
る異物検査装置である。
【0040】そして、これらの発明によれば、異物と検
査光のスポットとの位置関係に影響されることなく異物
を正確に検査でき、異物検査装置の信頼性を向上でき
る。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。なお、従来の技術の項で説明したものと同様のも
のについては同一番号を付し、その説明は省略する。
【0042】図1に本発明の第1実施例に係る異物検査
装置21の概観構成を示す。同装置21は、走査手段と
してのRステージ22及びθステージ23、投光手段と
してのレーザ発振器24、ビームエキスパンダ25、反
射ミラー26、集光レンズ系27と、受光手段としての
ファイバプレ−ト28、光電子増倍管29と、信号抽出
手段、記憶保持手段、加算手段、比較手段としての機能
を備えた信号処理系30とを備えている。以下、まず各
部の構成を詳解する。
【0043】Rステージ22は、パルスモータ31と、
該パルスモータ31に連結したボール捩子32と、該ボ
ール捩子32が螺挿された直進テーブル33と、該直進
テーブル33を進退自在に挿通するガイドレール34と
から構成される。θステージ23は、パルスモータ34
と、該パルスモータ35に連結し、かつ上記直進テーブ
ル33上に回動自在に軸支される回転テーブル36とか
ら構成されており、該回転テーブル36は試料(主に半
導体ウェハ)2を搭載する機能も備えている。
【0044】しかして、R,θ各ステ−ジ22,23
は、後述するパルス発生回路45のパルス信号を制御イ
ンターフェース(図示しない)を介して入力し、同期的
に駆動して(具体的にはθテーブル23の1回転につき
Rテーブル22が所定ピッチずつ移動して)、搭載した
試料2を同心円状に全面走査するようになっている。
【0045】レーザ発振器24は、例えば TEM00モ−ド
のAr+ レーザ等の検査光を発するレーザ光源(出力30
mV,波長488nm ,P偏光成分)が用いられる。ビーム
エキスパンダ25は、例えば凸レンズの組合せで構成さ
れる光学部材であり、入射光の径を10倍乃至20倍程度に
拡大させて、上記検査光を幾何光学的に集光容易にする
ため便宜上配設されるものである。
【0046】反射ミラー26は上記検査光を試料2方向
に偏向させ、集光レンズ系27は試料2の表面10に検
査光の略円形のスポット11を結ばせるようなってい
る。しかして、試料2の所定の走査点には、直径D
S (=約 100μm程度)のスポット光が、鉛直に対し約
45°の方向から供給されるようになっている。
【0047】ファイバプレ−ト28は、通常の光ファイ
バの束で構成され、かつ入射口を上記試料2上の検査光
の正反射方向以外の所定の位置に配設され、出射口は後
続の光電子増倍管29に連結されている。光電子増倍管
29は、光電効果によって入射光を電子に変換するタイ
プの光検出器であり、ファイバプレ−ト28の出力光を
電流信号として後続の信号処理系30に送るようになっ
ている。
【0048】信号処理系30は、電流電圧(以下、I−
Vとする。)変換回路41と、ノイズ除去回路42と、
アナログ/デジタル(以下、A/Dとする。)変換回路
43と、シフトレジスタ44と、パルス発生回路45
と、計数回路46と、記憶回路47と、加算回路48
と、第1の比較回路(49-a)と、第2の比較回路(49-b)
と、演算制御部50とから構成される。
【0049】I−V変換回路41は、上記光電子増倍管
29の出力をI−V変換するようになっている(以下、
変換後の信号を散乱光信号とする。)。ノイズ除去回路
42は、通常のコンパレータ等で構成され、入力した散
乱光信号のうち予め設定された閾値未満の低レベル成分
(例えばセンサノイズ等)を遮断して高レベル成分のみ
を通過させるようになっている。
【0050】A/D変換回路43は、アナログ状態の散
乱光信号を所定の階調からなるデジタル状の信号にA/
D変換し、試料2の1周の走査につきm個ずつ等間隔で
(すなわち、m分の360 °回転するごとに)サンプリン
グして、離散的なデータとして出力するようになってい
る。シフトレジスタ44は、逐次入力される散乱光信号
値を一旦保持し、パルス信号を受けとるごとに出力する
ようになっている。
【0051】パルス発生回路45は、所定の周期でパル
ス信号をR,θステ−ジ22,23やシフトレジスタ4
4等に出力して、試料2の走査と散乱光信号のサンプリ
ングとの同期をとるようになっている。計数回路46は
上記パルス信号をカウントして、同期的に送られる散乱
光信号値に対応する番地を順次指定し、記憶回路47は
指定された番地に散乱光信号値を記憶保持するようにな
っている。
【0052】本実施例の記憶回路47は、θステ−ジ2
3の3回転分、すなわち合計3m個の番地を有してお
り、任意の第(n−1)周目,第n周目,第(n+1)
周目の走査でサンプリングされた散乱光信号をそれぞれ
番地0h 乃至(m−1)h ,mh 乃至(2m−1)h
2mh 乃至(3m−1)h に順次格納するようなってい
る。そして、各番地k,m+k,2m+k(但し、kは
0≦k≦m−1の整数)に格納されたデータ「k」,
「m+k」,「2m+k」はθステ−ジ23の回転位置
が一致しているものとする。
【0053】加算回路48は、記憶回路47からθステ
−ジ23の対応する3つのデータ「k」,「m+k」と
「2m+k」を順次入力して加算処理し、これを第n周
目でk番目にサンプリングされた走査信号値Σn,k (Σ
n,k =「k」+「m+k」+「2m+k」)(0≦k≦
(m−1)の走査信号値の集合を第n周目の走査信号Σ
n ということにする。)として出力するようになってい
る。
【0054】第1の比較回路(49-a)は、通常のコンパレ
ータ等で構成されており、走査信号値Σn,k を第(n−
1)周目の対応するデータ「k」と大小比較して、
「k」に比し増加分のないΣn,k を無効にする(0レベ
ルにクリアする)ようになっている。同様に、第2の比
較回路(49-b)は、Σn,k を第(n+1)周目の対応デー
タ「2m+k」と大小比較して、「2m+k」に比し増
加分のないΣn,k を無効にするようになっている。
【0055】演算制御部50は、最終的な走査信号値Σ
n,k を入力し、これを所定の閾値VT と比較して異物を
検出するようになっている。なお、閾値VT は、コンピ
ュータ上のシミュレーションや標準粒子を用いたキャリ
ブレーションによって求めることができる。そして、散
乱光強度は異物の粒子径の102 乃至106 に比例している
ことが一般に知られており、上記閾値をVT1,VT2
(VT1<VT2<…)のように多段設定して検出異物の大
きさを細分類化することができる。また、演算制御部5
0は上記各部に電気的に接続しており、装置21全体の
動作を統御するようになっている。
【0056】なお、演算制御部50には、演算処理結果
を外部に表示するCRTディスプレイ等の表示装置5
1、演算処理結果を出力するプリンタ等の出力装置5
2、検査条件を入力設定するためのコンソール等の入力
装置53、及び、演算処理プログラムや演算処理結果を
格納するためのディスク装置等の補助記憶装置54が接
続されて。そして、これらの表示装置51、出力装置5
2、入力装置53、及び、補助記憶装置54として一般
的な種々のものを採用できる。
【0057】次に、上記異物検査装置21の動作ととも
に本実施例の作用について説明する。
【0058】所定のアライメント作業を施した後、試料
2をθステ−ジ23上に搭載し、装置21を稼働させ
る。演算制御部50の指令によりレーザ発振器24が発
振して、検査を開始する。なお、本装置21では、第n
回転目の走査時の散乱光信号を、前後の第(n−1)回
転目,第(n+1)回転目の走査時の散乱光信号との関
連で処理するようになっているので、以下、(n−1)
回転目乃至第(n+1)回転目の走査に限定して説明を
行う(但しnは正の整数)。また、Rステ−ジ22はθ
ステ−ジ23が1回転するごとに半径方向に検査光のス
ポット半径(DS/2)分ずつ移動し、また1回転の間
に円周方向に等間隔でm個だけ散乱光信号をサンプリン
グするようになっている。
【0059】Rステ−ジ22が駆動して第(n−1)周
目の半径位置に設定され、θステ−ジ23が定速で回転
する。レーザ発振器24の発した検査光は、ビームエキ
スパンダ25,反射ミラー26,集光レンズ系27を介
してスポットが試料2の表面10をスポット状に照射
し、その照射点は上記各ステ−ジ22,23の駆動に伴
って円周方向に走査する。
【0060】照射点では光学的な作用により正反射光と
散乱光が生ずる。散乱光の一部は、図3に示すようにフ
ァイバプレ−ト28で集められ、光電子増倍管29に伝
達されて光強度に応じた電流信号に変換される。そし
て、電流信号は、I−V変換回路41でI−V変換され
て図5に示すような電圧値でレベルが表現される散乱光
信号となり、ノイズ除去回路42で低レベル信号がノイ
ズ除去されて図6に示すようなピークのみが鮮明に現れ
た信号となる。
【0061】次いで、A/D変換回路43は、散乱光信
号をA/D変換し、1回転の走査ごとに等間隔にm回の
タイミングでサンプリングして、図7に示すような離散
的な信号として順次出力する。サンプリングされた各デ
ータ値は、シフトレジスタ44で一旦保持された後、記
憶回路47内の計数回路46で指定された番地0h 乃至
(m−1)h に順次格納される。
【0062】次いで、Rステ−ジ22がスポット11の
半径分だけ試料2の半径方向に移動し、第n周目を走査
する。上述と同様に、散乱光の一部が集光され、電気的
な散乱光信号に変換され、所定のタイミングでサンプリ
ングされて、各データ値が記憶回路47内の指定された
番地mh 乃至(2m−1)h に格納される。
【0063】さらに、Rステ−ジ22がスポットの半径
分だけ半径方向に移動し、第(n+1)周目を走査す
る。上述と同様に、散乱光の一部が集光され、電気的な
散乱光信号に変換され、所定のタイミングでサンプリン
グされて、各データ値が記憶回路47内の指定された番
地2mh 乃至(3m−1)h に格納される。
【0064】このようにして、記憶回路47には、3周
分の走査で得られた3m個のデータが格納される。な
お、第(n−1)周目乃至第(n+1)周目の検査光ス
ポットの走査の様子を図4に示してある。
【0065】次いで、加算回路48,第1の比較回路(4
9-a),第2の比較回路(49-b)では、記憶回路47に格納
されるデータを走査位置のうちθステ−ジ23の回転成
分が一致するデータごとに処理が行われる。
【0066】以下、各走査で円周方向にk番目にサンプ
リングされたデータ「k」,「m+k」,「2m+k」
(但し、kは0≦k≦(m−1)の整数)の処理につい
てのみ説明することにする。
【0067】まず、加算回路48は、上記3個のデータ
を加算して、第n周目で第k番目の走査信号値Σ
n,k (Σn,k =「k」+「m+k」+「2m+k」)と
する。次いで、第1の比較回路(49-a)は、第n周目の走
査信号Σn,k を第(n−1)周目の対応するデータ
「k」と大小比較して、Σn,k が「k」に比し増加分が
ない場合はΣn,k の信号値を0レベルに書換える。次い
で、第2の比較回路(49-b)は、第n周目の走査信号値Σ
n,k を第(n+1)周目の対応するデータ「2m+k」
と大小比較して、Σn,k が「2m+k」に比し増加分が
ない場合はΣn,k の信号値を0レベルに書換える。
【0068】このような処理を図8を用いて以下に例示
する。図8(a) において異物4は第(n−1)周目の走
査領域内にしか存在しないので、図8(b) に示す第(n
−1)周目の走査線上の散乱光信号にしか出現しない。
また、異物12は、第(n−1)周目及び第n周目の走
査領域の重複部分に存在するので、図8(b) 及び(c)に
示すように、第(n−1)周目及び第n周目の走査線双
方の散乱光信号中に出現する。
【0069】また、異物2は第n周目及び第(n+1)
周目の走査領域の重複部分に存在するので、図8(c) 及
び(d) に示すように、第n周目及び第(n+1)周目の
走査線双方の散乱光信号中に出現する。また、異物1は
第(n+1)周目の走査領域内にしか存在しないので、
図8(d) に示す第(n+1)周目の走査線上の散乱光信
号にしか出現しない。
【0070】次いで、この3周分の散乱光信号を加算処
理して求めた第n周目の走査信号Σn は図8(e) のよう
になる。上述の通り、異物1と異物4はそれぞれ第(n
−1)周目,第(n+1)周目の走査領域上にしか存在
しないので、走査信号Σ上の異物1と異物4に係るピー
クは、第(n−1)周目,第(n+1)周目の散乱光信
号に比し増加分がない。したがって、第1,第2の比較
回路(49-a),(49-b)で比較処理された後の走査信号Σn
は、異物1と異物4に係るピークが無効にされ、図8
(f) に示すようなチャートとなる。
【0071】次いで、演算制御部50は、走査信号Σn
を所定の閾値VT と大小比較し、走査信号値Σn,k がV
T を越える場合は、k番目のサンプリング点に対応する
走査位置に異物が存在するものと判断して検出信号を出
力する。
【0072】以上の操作を繰り返して行えば、試料2の
全面について散乱光信号を得て、ひいては異物の検出を
行うことができる。そして、演算制御部50は、検出し
た異物をその大きさごとに分類してその個数を計数し、
図10に示すようなヒストグラムを形成することができ
る。
【0073】ここで、図10は4種類の大きさの径の異
物が検出された場合の一例を示している。
【0074】搭載した試料2を全面走査して上記処理が
済めば、当該試料2の検査は完了となり、R,θテーブ
ル22,23の駆動やレーザの発振が停止する。そし
て、上記検査結果は、一旦演算制御部50に内蔵される
メモリに保持され、必要に応じて表示装置51や出力装
置52を介して外部に出力され、または補助記憶装置5
4に格納される。さらに別の試料を検査したい場合は、
脱着交換して同様の動作を繰り返す。
【0075】しかして、ガウシアン曲線状の強度分布を
持つスポット光を使用しても、異物がスポット中に置か
れる位置に関わらず、同一の大きさの異物から生じる散
乱光信号は必ず同じ値になることが確保され、検査の信
頼性を高めることができる。また、ピクセルごとに分割
して統計処理するという概念はなく、試料全面を検査す
る上でダブルカウントやミスカウントといった誤動作を
好適に排除することができる。
【0076】なお、最初の測定周回と最後の測定周回に
おいては、検査光スポットを2個しか使用できないが、
それによる測定誤差は小さいものであるし、その測定部
分は、実際の素子には使用されないので差支えない。
【0077】また、本発明の構成は、上記の実施例に限
定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で
変形可能である。
【0078】例えば、検査光にはAr+ レーザを用いた
が、充分な散乱光を得られるのであればHe−Neレー
ザ( 0.633μm),He−Cdレーザ( 0.442μm)や
半導体レーザ等であってもよい。
【0079】レーザ発振器に付設されるビームエキスパ
ンダ,反射ミラー,集光レンズ系等の構成は、図1の態
様に特に限定されるものではなく、要は試料表面に検査
光の焦点を結ぶことができるものであればよい。勿論、
検査光の入射角度,偏光方向,スポット形状,レーザの
出力などの光学的パラメータは、充分な散乱光を得られ
るものであれば特に限定されない。
【0080】また、実施例では、走査手段は回転ステ−
ジと直進ステ−ジの組合せによって試料を同心円状に走
査させているが、全面走査可能であれば方式はこれに限
定されない。例えば、図11に示すようなXYテーブル
66を用いた直交型走査方式を採用してもよい。駆動源
として、DCモ−タやACモ−タ等を採用することが考
えられる。
【0081】回転走査の場合は、走査速度(角速度)を
一定とするか、1周の走査に要する時間を一定とするか
の選択が行われる。本実施例では、各回の走査の同期が
図られるので、1周の走査に要する時間が一定になるよ
うθステ−ジ23が制御される。一方、直交走査の場合
は、走査速度(直線移動速度)が一定に設定される。
【0082】しかし、回転走査・直交走査のいずれの場
合も、各走査線の始点の位置と走査速度との関係に基づ
いた一般的な演算を行うことにより、容易に異物の位置
検出を行うことが可能である。
【0083】また、本実施例では走査ステ−ジ22、2
3が用いられているが、図12に示すように試料搭載ス
テージ67を固定させてミラ−やレンズ等の光学的な走
査手段68を使ってレーザ光の方を走査させる方式を採
用してもよい。光学的な走査手段68として、ガルバノ
ミラー、ポリゴンミラー、及び、fθレンズ等が考えら
れる。図13に示す走査手段68はfθレンズであり、
この場合は容易にスポット径を一定に保つことができ
る。
【0084】また、受光手段では、ファイバプレ−トの
前方にレンズ等を配設して散乱光を集光するようにして
もよい。また、光電子増倍管以外に、フォトダイオード
等のフォトディテクタを使用してもよい。
【0085】つぎに、本発明の第2実施例を図14〜図
23に基づいて説明する。なお、従来の技術の項や第1
実施例と同様の部分については同一番号を付し、その説
明は省略する。
【0086】図14は本発明の第2実施例を示してお
り、図中の符号71は異物検査装置である。この異物検
査装置71は第1実施例と同様に、走査系としてのRス
テージ22及びθステージ23、光源としてのレーザ発
振器24、投光系としてのビームエキスパンダ25・反
射ミラー26・集光レンズ系27と、ファイバプレ−ト
28、及び、散乱光検出手段としての光電子増倍管29
を備えている。さらに、異物検査装置71には信号処理
系72が備えられている。
【0087】これらのうち信号処理系72は信号処理回
路部(以下、回路部と称する)73、コンピュ−タ7
4、及び、信号処理回路部73とコンピュ−タ74とを
接続するインタフェ−ス75を有している。回路部73
は光電子倍増管29に接続されており、コンピュ−タ7
4は回路部73に接続されている。
【0088】回路部73は、電気・電子部品の組合せに
より構成されたハ−ドウエアであり、光電子倍増管29
の出力信号を所望の情報を表す信号に変換する機能を有
している。
【0089】つまり、回路部73は、図15に示すよう
に、I−V変換回路77、ピ−クホ−ルド回路78、掛
算器79、コンパレ−タ80、クロック発振器81、A
ND回路82、カウンタ83を有している。
【0090】I−V変換回路77は光電子倍増管29に
接続されており、I−V変換回路77にはピ−クホ−ル
ド回路78が接続されている。さらに、ピ−クホ−ルド
回路78には掛算器79が接続されている。I−V変換
回路77は光電子倍増管29の電流信号を図18(a)
に示すように電圧信号に変換する。さらに、ピ−クホ−
ルド回路78は、得られた電圧信号のピ−ク値VP を同
図(b)に示すように保持して、掛算器79に送る。
【0091】ピ−クホ−ルド回路78にはスイッチング
部84が備えられており、スイッチング部84には、微
分回路85、スイッチドライバ86、及び、スイッチ8
7が備えられている。微分回路85にはI−V変換回路
77の出力信号が入力され、微分回路85の出力信号が
スイッチドライバ86に入力される。スイッチドライバ
86は微分回路85の出力に基づいてスイッチ87を駆
動する。そして、ピ−ク値VP が検出されたときにスイ
ッチ87がOFFされ、ピ−クホ−ルド回路78がVP
を出力し、この値を保持する。
【0092】ピ−クホ−ルド回路78の出力は、掛算器
79へ入力される一方で、A/D変換回路88にも送ら
れる。そして、VP の値がディジタル信号に変換されて
コンピュ−タ74に送られる。
【0093】掛算器79は、ピ−クホ−ルドされた電圧
値VP を、図18(d)に示すように一定の値(ここで
は、0.135 (=e-2)倍)を乗じてVM (= 0.135
P )を算出し、このVM をコンパレ−タ80へ送る。
コンパレ−タ80にはVM とともに、図18(c)、
(d)に示すようにI−V変換回路77の出力電圧Vも
入力される。そして、コンパレ−タ80はVとVM とを
比較し、V≧VM の場合を図19(a)に示すように正
論理の“1”として出力する。コンパレ−タ80に入力
されるVはディレイ回路89によって所定時間遅延され
ている。
【0094】コンパレ−タ80の出力は図19(b)に
示すクロックパルスとともにAND回路82へ入力さ
れ、同図(c)に示すように両信号の論理和が求められ
る。AND回路82の出力はカウンタ83へ送られ、カ
ウンタ83がパルス数をカウントして計数結果をコンピ
ュ−タ74へ送る。カウンタ83の出力はV≧VM の関
係が成立している時間TS をクロックパルスの数で表し
ている。
【0095】また、コンピュ−タ74には、読み込んだ
プログラムに従い、入力されたVP、Tを用いて下式
(1)の演算を行う機能、及び、得られたVC を記憶す
る機能、及び、記憶された複数のVC を統計処理して
(波高値)対(異物個数)のヒストグラムを作成する機
能を有している。
【0096】 VC =VP exp(−TS 2 ) …(1) さらに、コンピュ−タ74には表示装置51、出力装置
52、入力装置53、及び、補助記憶装置54が接続さ
れている。そして、式(1)の演算を行うためのプログ
ラムは補助記憶装置54からコンピュ−タ74に読み出
される。
【0097】つぎに、上述の異物検査装置71の作用を
説明する。
【0098】まず、第1実施例と同様にレ−ザ光8が試
料2の表面10に照射され、θステ−ジ23が回転駆動
されて、真円状のスポット11が回転走査される。スポ
ット11の1回の回転走査の後、Rステ−ジ22がスポ
ット11の直径DS 分だけ試料2の半径方向に移動し、
再びスポット11が回転走査される。任意の走査回数を
n回とし、次の走査を(n+1)回と表すと、(n+
1)回目の走査は、スポット11がn回目の走査時のス
ポットの走査経路に重ならないように行われる。さら
に、スポット11の走査速度は一定に設定されている。
【0099】ここで、スポット11の直径は、図17に
示すように、スポット11の光強度に基づいて定義す
る。つまり、スポット11の強度分布はガウシアン曲線
状であるので、光強度はスポット11の中心から外側へ
いくほど徐々に弱まっている。したがって、スポット1
1の中心の光強度をIC とし、光強度がIC ・e-2(=
0.135IC )以上である円形領域をスポット11と見な
している。
【0100】試料2の表面10に発生した散乱光の一部
は、ファイバプレ−ト28で集められて光電子増倍管2
9に伝達される。さらに、光電子倍増管29が光強度に
応じた電流信号Iを回路部73へ送る。
【0101】回路部73は、光電子倍増管29の電流信
号IをI−V変換回路77で電圧信号Vに変換し、ピ−
クホ−ルド回路78に入力する。スポット11の強度分
布がガウシアン曲線状であるので、異物がスポット11
に達して異物からの散乱光が発生すると、電圧信号Vの
波形は図18(a)に示すようにガウス分布に近似す
る。ピ−クホ−ルド回路78はVの微分波形に基づいて
スイッチ87を駆動し、Vのピ−ク値VP をホ−ルドし
て出力する。本実施例では、VP のホ−ルドは、少なく
とも微分回路85の出力が正になるまで続けられる。
【0102】なお、I−V変換回路77の前段にノイズ
除去回路を設けてもよい。
【0103】さらに、掛算器79がVP に定数を乗じて
M を算出し、コンパレ−タ80がVM を参照電圧値と
してVM とVとを比較する。この比較により、VM を閾
値としてVの時間幅Tw が設定される。閾値を13.5%と
したのは、前述したようにスポット11の直径DS を最
大光強度の13.5%を基準として設定したためである。
【0104】つぎに、コンパレ−タ80の比較結果がク
ロック発振器81のクロックパルスとともにAND回路
82に入力され、AND回路82の演算結果がカウンタ
83によりカウントされる。この結果、Vの検出時間T
S が求められる。そして、検出時間TS はコンピュ−タ
74に入力されて記憶される。
【0105】検出時間TS の他に、ホ−ルドされたVP
がA/D変換回路88を経てコンピュ−タ74に送られ
て記憶されている。VP 、TS の記憶のために、コンピ
ュ−タ74の補助記憶装置54を用いてもよく、また、
コンピュ−タ74の内蔵メモリを用いてもよい。
【0106】上述の動作が試料2の表面10の全体につ
いて繰り返される。スポット11の走査が完了すると、
コンピュ−タ74が得られた各VP について前述の式
(1)の演算を行い、各VP を補正する。さらに、コン
ピュ−タ74は複数の補正値VC を統計処理し、図10
に示したような、(波高値)対(異物個数)のヒストグ
ラムを作成する。そして、このヒストグラムは第1実施
例と同様に表示装置51や出力装置52に出力される。
【0107】上述のような異物検査装置71において
は、散乱光信号Vのピ−ク値VP が式(1)を利用して
補正されるので、異物とスポット11との位置関係に関
係なく正確に異物の有無や大きさを正確に知ることがで
きる。このため、検査の信頼性を向上できる。
【0108】つまり、一般に、異物がスポット11を横
切る際に、異物の径やスポット11と異物との位置関係
に応じて、検出される散乱光の強度が変化する場合があ
る。したがって、散乱光信号の検出値を補正して統計処
理を行うことが望ましい。
【0109】(ケ−ス I)例えば、図20(a)及び
(b)に示すように、互いに径の等しい異物Aと異物B
が存在し(dA =dB )、異物Aがスポット11の中心
を通り、異物Bがスポット11の中心を通らない場合を
考える。この場合、異物Aの通過距離Xは異物Bの通過
距離X' よりも大きい。そして、両異物A、Bの大きさ
が等しいにも関わらず、同図(c)及び(d)に示すよ
うに、スポット11の中心を通った異物Aのピ−ク値V
P A は異物Bのピ−ク値VP B よりも大きくなる。
【0110】しかし、前述したようにスポット11の走
査速度が一定(Z)であるので、検出時間TS A (=Z
/X)、TS B (=Z/X' )の大小関係は、TS A
S B である。このため、式(1)のように、異物A、
Bの散乱光信号をそれぞれ下式(2)、(3)のように
補正することにより、両散乱光信号の関係はVC A =V
C B となる。
【0111】 VS A =VP A exp(−(TS A 2 ) …(2) VS B =VP B exp(−(TS B 2 ) …(3) したがって、異物A、Bとスポット11との位置関係に
関係なく、異物A、Bの大小関係に応じた強さの散乱光
信号を求めることができる。
【0112】なお、補正係数のexp(−
(TS A 2 )、exp(−(TS B 2 )は各々の通
過距離X、X' と走査速度Zのみによって決定されるの
で、相互のパラメ−タに関りがない。このため、VC A
とVC B は異物A、Bの大きさを略正確に表していると
考えられる。
【0113】(ケ−スII)また、図21(a)及び
(b)に示すように、互いに径の異なる異物Cと異物D
がスポット11の同じ位置を通った場合には(dC >d
D )、散乱光信号のピ−ク値VP C 、VP D の大小関係
は、異物C、Dの大小関係に対応してVP C >VP D
なる。このため式(1)を用いて補正する必要はない
が、補正を行っても互いの比率は変わらず、補正値VC
C 、VC D は異物C、Dの大きさを表す。
【0114】(ケ−ス III)さらに、図20(a)及び
(b)に示すように、互いに径の異なる異物Eと異物F
が存在し(dE >dF )、大きい異物Eがスポット11
の中心を通らず、小さい異物Fがスポット11の中心を
通った場合、検出時間の関係はTS E <TS F である
が、場合によっては、散乱光信号のピ−ク値VP E 、V
P F の大小関係がVP E =Vになる。したがって、この
ケ−スでは式(1)の補正が有効である。
【0115】さらに、本実施例においては、スポット1
1が重ねられずに走査されるので、走査時間を短縮でき
る。
【0116】また、試料表面10をピクセルで区切る検
査方法を採用していないので、ミスカウンティングやダ
ブルカウンティングを防止できる。
【0117】また、本実施例では、信号処理のための手
段がハ−ドウエア(信号処理回路部73)とソフトウエ
ア(コンピュ−タ74に読み込まれたプログラム)とに
分けられており、ピ−ク値VP と検出時間TS の検出が
ハ−ドウエア(信号処理回路部73)によって行われる
ので、走査を行いながらVP 、TS をリアルタイムで検
出できる。このため、検査時間が短い。
【0118】つまり、全ての演算をソフトウエアで行う
場合には、試料表面10の全体について走査を完了した
後に、得られたデ−タをメモリから読み出して演算を行
う必要があるが、本実施例ではVP 、TS がリアルタイ
ムで演算されるので、走査完了後の演算時間が短くな
り、検査時間が短縮される。
【0119】なお、本発明は上述の実施例に限定され
ず、第1実施例と同様に種々に変更することが可能であ
る。
【0120】例えば、光電子倍増管29によって検出さ
れた電流信号をA/D変換及び離散化してコンピュ−タ
74に取込み、信号処理回路部73を経ずにVP の補正
値VC を求めてもよい。つまり、コンピュ−タ74に取
込まれた離散信号について最大値及び最大値の13.5%に
相当する値ついて個数をカウントすれば、ヒストグラム
の作成のためのするデ−タを得ることができる。
【0121】つぎに、本発明の第3実施例を図24〜図
28に基づいて説明する。なお、従来の技術の項や前述
の各実施例と同様の部分については同一番号を付し、そ
の説明は省略する。
【0122】図24は本発明の第3実施例を示してお
り、図中の符号101は異物検出装置である。この異物
検出装置101は、二組のレ−ザ発振器104、104
(光源)、二組の投光系102、102、二組の散乱光
検出手段としての光電子倍増管103、104、一組の
走査系66、及び、信号処理系105を備えている。こ
れらのうち走査系66は直交型のもので、円板状の試料
2を上向きに保持している。また、各光電子倍増管10
3、104は試料表面10に対して所定角度で斜めに向
けられている。
【0123】また、各投光系102には、ビ−ムエキス
パンダ107、反射ミラ−108、及び、集光レンズ系
109が備えられている。レ−ザ発振器106から出射
されたレ−ザ光110は、ビ−ムエキスパンダ107に
よって拡大された後、反射ミラ−108及び集光レンズ
系109を経て試料表面10に斜めに集光される。二本
のレ−ザ光110、110は互いに平行に試料2へ入射
する。ここで、ビ−ムエキスパンダ107がレ−ザ発振
器106に組込まれていてもよい。
【0124】各レ−ザ光110は、 TEM00モ−ドのAr+
レ−ザ(波長 0.488μm)であり、このレ−ザ光110
の試料表面10への入射角度は例えば約20°である。さ
らに、レ−ザ光110は、試料表面10では、パワ−が
例えば約70mWのp偏光である。両レ−ザ光110、1
10のスポット111、112はガウシアンスポットで
あり、その形状は図25に示すように等しい大きさの楕
円形である。また、両スポット111、112の位置は
ずれているが、両スポット111、112の向きは等し
い。
【0125】ここで、図25中の符号Jはスポット11
1、112の長径の長さを表しており、符号Kは短径の
長さを表している。また、符号Lは両スポット111、
112の長径方向の距離(オ−バラップ量)を表してお
り、符号Mは短径方向の距離を表している。そして、こ
れらの値は、例えば、J=70μm、K=10μm、L=35
μm、M=10mmに設定されている。さらに、スポット
111、112の長径は走査方向のY軸に平行に向けら
れており、短径はX軸に平行に向けられている。
【0126】走査系66の駆動に伴って、両スポット1
11、112は試料表面10上で互いの大きさ及び位置
関係を保ったまま直線走査される。さらに、両スポット
111、112はX軸方向に走査された後、Y軸方向に
シフトされて再びX軸方向に走査される。そして、Y軸
方向の走査ピッチは、図26中に示すように、スポット
111(及び112)の長径寸法(ここでは70μm)と
等しく設定されている。ここで、図26中の実線はn回
目の走査時のスポットを表しており、二点鎖線は (n+1)
回目のスポットを表している。
【0127】第1のスポット111からの散乱光は第1
の光電子倍増管103によって検出され、第2のスポッ
ト112からの散乱光は第2の光電子倍増管104によ
って検出される。そして、各光電子倍増管103、10
4の出力信号は信号処理系105に送られる。
【0128】前記信号処理系105は、図24中に示す
ように、信号処理回路部113、インタフェ−ス11
4、コンピュ−タ115を有している。コンピュ−タ1
15には、前述の各実施例と同様に表示装置51、出力
装置52、入力装置53、及び、補助記憶装置54が接
続されている。信号処理回路部113においては、アン
プ回路116、117とコンパレ−タ回路118、11
9とが接続されており、アンプ回路116、117には
光電子倍増管103、104が接続されている。
【0129】各光電子倍増管103、104から出力さ
れた信号はそれぞれアンプ回路116、117を経たの
ちコンパレ−タ回路118、119に送られる。各コン
パレ−タ回路118、119の出力はインタフェ−ス1
14を経てコンピュ−タ115へ送られ、コンピュ−タ
115では所定の信号処理が行われる。そして、処理結
果が表示装置51及び出力装置52に出力される。
【0130】つぎに、コンピュ−タ115によって行わ
れる信号処理を説明する。
【0131】例えば、図26中に示すように第1〜第4
の異物121〜124が存在している場合を考える。第
1のスポット111が第2のスポット112よりも走査
方向の前方に位置し、n回目の走査時に第1〜第3の異
物121〜123が両スポット111、112がオ−バ
ラップする部分125に存在するとする。そして、第4
の異物124は、n回目の走査時に第2のスポット11
2の走査経路中に位置し、 (n+1)回目の走査時に第1の
スポット111の走査経路上に位置する。
【0132】異物121〜124からの散乱光は両光電
子倍増管103、104によって光電変換される。両光
電子倍増管103、104の出力信号はアンプ回路11
6、117によって増幅されてコンパレ−タ回路11
8、119に送られる。この際、アンプ回路116、1
17においてはACカップリングが行われてDC成分の
ノイズが除去され、コンパレ−タ回路118、119に
おいてはAC成分のノイズが除去される。
【0133】二つのスポット111、112のn回目及
び (n+1)回目の走査によって、図27に示す(ア)〜
(エ)の信号が得られる。(ア)及び(ウ)はn回目及
び (n+1)回目の走査時の第1のスポット111に関する
信号を示しており、(イ)及び(エ)は第2のスポット
112に関する信号を示している。n回目の走査時に
は、(ア)の信号に第1〜第3の異物121〜123を
表す信号成分V121 (ア)〜V123 ア)が生じ、(イ)
の信号に第1〜第4の異物121〜124を表す信号成
分V121 (イ)〜V124 (イ)が生じる。また、 (n+1)
回目の走査時には、(ウ)の信号に第4の異物124を
表す信号成分V124 (ウ)が生じ、(エ)の信号には異
物に関わる信号成分は生じない。
【0134】つぎに、(イ)と(エ)の信号を所定時間
シフトさせて、(イ´)と(エ´)の信号を得る。第1
のスポット111と第2のスポット112とはX軸方向
に10mmずれているので、シフト時間を10mm/(走査
速度)とすれば、(イ´)は(ア)に同期し、(エ´)
は(ウ)に同期する。
【0135】さらに、(ア)と(イ´)とを足し合わせ
て(オ)の信号を得る。そして、この(オ)の信号を
(ア)及び(イ´)とそれぞれ比較し、増加分の有る信
号成分(ここではV121 (オ)〜V123 (オ))を残
し、増加分のない信号成分(ここではV124 (オ))を
零とする。比較の結果として得られた信号が(カ)であ
り、この(カ)には第1〜第3の異物121〜123に
関わる信号V121 (カ)〜V123 (カ)が表れている。
【0136】一方、(ウ)と(イ´)が足し合わされて
(キ)の信号が得られる。そして、この(キ)の信号を
(ウ)及び(イ´)としてそれぞれ比較し、増加分の有
る信号成分(ここではV124 (キ))を残し、増加分の
ない信号成分(ここではV12 1 (キ)〜V123 (キ))
を零とする。比較の結果として得られた信号が(ク)で
あり、この(ク)には第4の異物124に関わる信号V
124 (ク)のみが表れている。
【0137】このようにして得られた信号(カ)、
(ク)が試料表面10の全域について集計され、例えば
図10と同様なヒストグラムが得られる。このヒストグ
ラムにおいては、同じ径の異物の散乱光強度が拡がらず
に一本の柱として表れるので、信頼性の高い検査を行う
ことが可能になる。
【0138】なお、本実施例においてはAr+ レ−ザが用
いられているが、これ以外にHe−Neレ−ザ( 0.633μ
m)、He−Cdレ−ザ( 0.442μm)、或いは、半導体レ
−ザなどを使用してもよい。
【0139】また、レ−ザ光110、110の入射角
度、偏光方向、パワ−、及び、スポット111、112
の形状、寸法等は本実施例に限られず、許容できる検出
結果が得られる範囲で適宜変更することが可能である。
【0140】また、両レ−ザ光110、110の間に遮
光板を配置すれば、正反射光等を原因とする光ノイズを
低減できる。
【0141】さらに、本実施例では走査系として直交走
査方式を採用しているが、第1実施例及び第2実施例と
同様に回転走査方式を採用してもよい。直交走査方式の
場合も回転走査方式の場合も、異物の位置検出は一般的
な技術を利用して行うことが可能である。
【0142】つぎに、本発明の第4実施例を図29〜図
41に基づいて説明する。なお、従来の技術の項や前述
の各実施例と同様の部分については同一番号を付し、そ
の説明は省略する。
【0143】図29は本発明の第4実施例を示すもの
で、図中の符号131は異物検査装置を示している。こ
の異物検査装置131は、検査光としてのレ−ザ光13
2aを出射するレ−ザ発振器133(光源)、レ−ザ光
132aを導く投光系134、及び、試料2を保持した
走査系136を備えている。さらに、異物検査装置13
1は、散乱光を検出する散乱光検出手段としての光電子
倍増管137、及び、光電子倍増管137の出力信号を
処理する信号処理系138を備えている。
【0144】これらのうち投光系134は、反射ミラ−
139、第1の集光レンズ系140、強度分布矩形化手
段としてのビ−ムホモジナイザ141、及び、第2の集
光レンズ142を備えている。そして、この投光系13
4においては、レ−ザ光132aが反射ミラ−139で
反射し、第1の集光レンズ140により集光されて、ビ
−ムホモジナイザ141に入射する。さらに、ビ−ムホ
モジナイザ141を通過したレ−ザ光132bは第2の
集光レンズ142によって再び集光され、試料2の表面
10に垂直に照射される。そして、図30に示すよう
に、試料表面10に所定の直径の真円形のスポット14
4が結像する。
【0145】ここで、試料2は円板状のもので、その表
面10は平坦に加工されている。また、レ−ザ光132
aは、 TEM00モ−ドのAr+ レ−ザ(波長 0.488μm)で
ある。
【0146】ビ−ムホモジナイザ141は、石英やガラ
ス等のような光透過性の材質からなるもので、細い円柱
状に加工されている。さらに、ビ−ムホモジナイザ14
1の一端は入射面145であり、他端は出射面146で
ある。ビ−ムホモジナイザ141は第1の集光レンズ1
40の後段に配置されており、第1の集光レンズ140
によって小さく絞られたレ−ザ光132aが、入射面1
45に適当な角度で入射する。
【0147】図30に示すように、ビ−ムホモジナイザ
141に入射したレ−ザ光132aは、ビ−ムホモジナ
イザ141の内部で全反射を数回繰り返したのち、出射
面146から出射する。入射前のレ−ザ光142aの断
面における光強度分布は、図中に符号147で指示する
ようにガウス分布の形をしているが、出射したレ−ザ光
142bの光強度分布は符号148で指示するように矩
形である。そして、試料2に結像したスポット144の
光強度分布は、図32に示すようにスポット144内の
位置に関わらず均一である。
【0148】ここで、ビ−ムホモジナイザ141として
一般的なものを採用することができる。また、図31及
び図32には、三つのスポット及びこれらの光強度分布
が同時に示されている。
【0149】前記走査系136は、直線移動ステ−ジ1
49と回転ステ−ジ150とを有している。直線移動ス
テ−ジ149は本体151上で、矢印Fで示すように、
一方向に自在に変位する。また、回転ステ−ジ150は
直線移動ステ−ジ149によって支持されており、試料
2を水平に且つ同心的に保持している。さらに、回転ス
テ−ジ150は、試料2を保持したまま、回転モ−タ1
52(パルスモ−タ等)により回転駆動される。試料2
は回転ステ−ジ150によって矢印Gで示すように回転
させられる。
【0150】試料2の回転に伴って試料2スポット14
4が相対変位し、スポット144は試料2に同心的に移
動する。スポット144が一周した後、直線移動ステ−
ジ149がピッチ駆動され、スポット144が試料2の
径方向に相対移動する。図32中に示すように、スポッ
ト144の直線移動のピッチHはスポット144の直径
に一致している。そして、これらの動作の結果、スポッ
ト144が試料表面143の全体に走査される。
【0151】ここで、直線移動ステ−ジ149及び回転
ステ−ジ150の変位量は図示しない位置検出器によっ
て検出されており、両ステ−ジ149、150の位置に
基づいてスポット144と試料2との位置関係が常に認
識されている。また、本実施例では、スポット径(及び
走査ピッチH)は約10μmに設定されている。
【0152】前記光電子倍増管137は散乱光をとらえ
て光電変換するもので、受光する部分を試料2に向けて
いる。さらに、光電子倍増管137は試料2の表面10
に対して所定の角度で傾斜している。そして、光電子倍
増管137の出力は信号処理系138へ送られる。な
お、光電子倍増管として一般的なものを採用することが
可能である。
【0153】信号処理系138には、信号処理回路部1
53、インタ−フェ−ス154、及び、コンピュ−タ1
55が備えられている。さらに、コンピュ−タ155に
は、前述の各実施例と同様に表示装置51、出力装置5
2、入力装置53、及び、補助記憶装置54が接続され
ている。
【0154】信号処理回路部153は、光電子倍増管1
37の出力信号に対して増幅、整形、及び、雑音除去等
の処理を行う。信号処理回路部153の出力はインタ−
フェ−ス154を経てコンピュ−タ155に送られる。
コンピュ−タ155では所定の信号処理(後述する)が
実行され、波高値と異物の個数との関係が求められる。
そして、処理結果の数値や図10に示すようなヒストグ
ラムが表示装置51及び出力装置52に出力される。
【0155】図33及び図34はコンピュ−タ155に
よって行われる信号処理を示している。つまり、図34
に示すように、初期設定(ステップα1 )の後、散乱光
強度のデ−タが読み込まれる(α2 )。この際、例えば
図31(a)に示すようなデ−タ波形が作成される。図
33(a)のグラフの横軸はサンプリング時間を示して
おり、縦軸は散乱光強度を示している。そして、デ−タ
波形のピ−クの高さは異物の大きさを示している。
【0156】さらに、デ−タ波形は一次微分され
(α4 )、デ−タ波形の傾きが求められる。そして、一
次微分操作の結果、図33(b)に示すような微分波形
が得られる。こののち、微分波形から、微分値が正から
負に変化している点、即ちゼロクロス点が検出され(α
5 、α6 )、ゼロクロス点のデ−タ値が検出されて記憶
される(α7 )。
【0157】デ−タの読み込みが完了すると(α3 )、
ゼロクロス点のデ−タ値が分類され、ヒストグラム処理
される(α8 )。つまり、デ−タ波形からピ−ク値のみ
が抽出されてヒストグラム処理される。
【0158】すなわち、上述のような投光系134を備
えた異物検査装置131においては、投光系134がビ
−ムホモジナイザ141を有しており、ビ−ムホモジナ
イザ141を通過したレ−ザ光142bが試料2の表面
10に照射されている。レ−ザ光の光強度分布の形は、
ビ−ムホモジナイザ141を通過することによって、ガ
ウス分布形から矩形に変化するので、試料表面10に結
像したスポット144内の光強度分布は、図32に示す
ようにスポット144内の位置に係わらず一定である。
【0159】したがって、異物からの散乱光信号は、ス
ポット144との位置関係に因ることなく一定である。
さらに、同じ大きさの異物からは常に同じ大きさの散乱
光強度信号を得ることができる。そして、異物検査の信
頼性が向上する。
【0160】また、異物の大きさに応じた散乱光強度信
号を安定して得ることができるので、異物とスポット1
44との位置関係に基づく光強度の差を考慮する必要が
なくなる。したがって、スポット144の走査の際に、
スポット144を重ねる必要がない。そして、スポット
144の走査ピッチをスポット144の大きさに一致さ
せることが可能になり、試料表面10の全体の走査に要
する時間を短縮できる。この結果、検査時間が短縮され
る。
【0161】さらに、スポット144を重ね合わせない
ので、ダブルカウンティングの発生を防止できる。
【0162】また、ビ−ムホモジナイザ141には石英
やガラス等の透明な材質が用いられているので、ビ−ム
ホモジナイザ141の透過率が良く、エネルギ−ロスが
少ない。したがって、高パワ−密度を得ることができ、
サブミクロン以下の大きさの異物を精度良く検出するこ
とができる。
【0163】また、投光系134が集光レンズ140、
142やビ−ムホモジナイザ141によって構成されて
いるので、投光系134の構成が簡略である。そして、
例えば特開昭63−83633号公報等の従来の技術に
比べて、投光系134を大型化及び高価格化することな
く、均一で高いパワ−密度のスポット144を形成でき
る。
【0164】なお、レ−ザ光132aの全反射の回数は
ビ−ムホモジナイザ141の長さに応じて設定できる。
一般的に、全反射が5回以上繰り返されれば、光強度分
布の均一さは99%以上に達するので、近似度は大変高
い。
【0165】また、前述のような信号処理系138を備
えた異物検査装置131においては、得られたデ−タ波
形(生デ−タ)が一次微分され、デ−タ波形のピ−ク値
を基にして異物の存在及び径が求められる。そして、ピ
クセルの区画や最大値処理を行うことなく、異物が検査
される。したがって、異物のミスカウンティングやダブ
ルカウンティングの発生を防止することができ、検査の
信頼性を向上することができる。
【0166】また、ビ−ムホモジナイザ141によって
光強度分布が均一化されたスポットを用いているので、
異物からの散乱光の強度は一定であり、散乱光の強度信
号は高精度に異物の径を表している。このため、ヒスト
グラムには、図51や図52に示すような山状の拡がり
が表れず、図10に示すように同じ径の異物の散乱光強
度が一本の柱として表れる。つまり、異物の径と散乱光
強度とが一対一の関係にあるので、検査の信頼性が高
い。
【0167】さらに、前述したようにデ−タ波形から直
接に異物を判別するので、ピクセル毎の最大値処理が不
要であり、処理時間が短い。
【0168】なお、本発明は上述の実施例に限定される
ことなく、要旨を逸脱しない範囲で種々に変形が可能で
ある。
【0169】例えば、本実施例においてはAr+ レ−ザが
用いられているが、これ以外にHe−Neレ−ザ( 0.633μ
m)、He−Cdレ−ザ( 0.442μm)、或いは、半導体レ
−ザなどを使用してもよい。
【0170】また、本実施例ではビ−ムホモジナイザ2
1の形状が円柱状であるが、図36に示すように四角柱
状のビ−ムホモジナイザ161を用いてもよい。この場
合も、レ−ザ光132aの入射角とビ−ムホモジナイザ
161の寸法を適切に設定することによって、均一な光
強度分布を得ることができる。さらに、図示しないが、
多角柱状の透明光学素子であっても、入射角と寸法の設
定次第でビ−ムホモジナイザとして利用できる。
【0171】また、本実施例では、走査系136が回転
走査型であるが、例えば図37に示すように、X軸ステ
−ジ69aとY軸ステ−ジ69bとを組合わせたXYテ
ーブル66のような直交走査型の走査系を用いることも
可能である。この場合、図36に示すように、スポット
144は直交した二方向に直線走査される。駆動源とし
て、DCモ−タやACモ−タ等を採用することが考えら
れる。
【0172】さらに、図37に示すように、試料2を固
定し、レ−ザ光132bを変位させてもよい。この場
合、fθレンズ68を用いれば、スポット144の径を
変化せることなくスポット144を走査することが可能
である。
【0173】また、本実施例の信号処理系138のよう
にデ−タ波形を直に利用する場合には、デ−タ波形に雑
音成分の影響による多数のピ−クが現れる可能性があ
る。この場合、微分波形に異物の有無に無関係なゼロク
ロス点が現れるので、検査精度に悪影響が及ぶことが考
えられる。したがって、一次微分操作の際に適当な平滑
化処理を併用すれば、異物に無関係なピ−クを除去する
ことができる。
【0174】平滑化処理には、図40(a)〜(d)に
示すように、単純移動平均法、2次・3次多項式適合法
(Savitzky-Golay法)、4次・5次多項式適合法、及
び、疑似RCフィルタ法等が在る。これらはいずれも一
般的な方法であるが、測定波形のピ−ク検出には(b)
の2次・3次多項式適合法(Savitzky-Golay法)が主に
用いられている。
【0175】さらに、図41に示すように、しきい値を
設定し、しきい値以下のピ−クを雑音と見なして無視す
ることも考えられる。この場合、図中に円Iで囲った部
分のピ−クが雑音として無視される。
【0176】
【発明の効果】以上説明したように請求項1〜請求項9
の発明によれば、異物と検査光のスポットとの位置関係
に影響されることなく異物を正確に検査でき、異物検査
装置の信頼性を向上できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る異物検査装置の概観
構成を示す図である。
【図2】異物検査装置の信号処理系の構成を示す図であ
る。
【図3】本発明の第1実施例の作用を示す図であり、具
体的にはファイバプレ−トが散乱光の一部を検出する様
子を示す図である。
【図4】本発明の第1実施例の作用を示す図であり、具
体的には試料表面上の検査光スポットの走査の様子を示
す図である。
【図5】本発明の第1実施例の作用を示す図であり、具
体的にはI−V変換回路出力後の散乱光信号のチャート
を示す図である。
【図6】本発明の第1実施例の作用を示す図であり、具
体的にはノイズ除去回路出力後の散乱光信号のチャート
を示す図である。
【図7】本発明の第1実施例の作用を示す図であり、具
体的にはA/D変換回路出力後の離散化された散乱光信
号のチャートを示す図である。
【図8】本発明の第1実施例の作用を示す図であり、同
図(a) は第(n−1)周乃至第(n+1)周目の走査領
域上の異物の存在の例示、同図(b) は同図(a) に示す第
(n−1)周目の走査線上の散乱光信号のチャート(A
/D変換後)を示す図、同図(c) は同図(a) に示す第n
周目の走査線上の散乱光信号のチャート(A/D変換
後)を示す図、同図(d) は同図(a) に示す第(n+1)
周目の走査線上の散乱光信号のチャート(A/D変換
後)を示す図、同図(e) は第n周目の走査信号のチャー
トを示す図、同図(f) は第1及び第2の比較回路(149-
a) ,(149-b)を通過後の第nの走査信号のチャートを示
す図である。
【図9】本発明の第1実施例の異物検査方法を示すフロ
−チャ−ト。
【図10】本発明の第1実施例の作用を示す図であり、
具体的には演算制御部にて検出結果を統計処理して得た
ヒストグラムを示す図である。
【図11】本発明の第1実施例の変形例を示す図。
【図12】変形例の走査方法を示す説明図。
【図13】本発明の第1実施例の他の変形例を示す図。
【図14】本発明の第2実施例の異物検査装置を示す構
成図。
【図15】信号処理回路部を示す構成図。
【図16】スポットの走査方法を示す説明図。
【図17】スポットの直径の定義を示す説明図。
【図18】(a)はI−V変換回路から出力された散乱
光信号の一例を示すグラフ、(b)はピ−クホ−ルド回
路の出力信号を示すグラフ、(c)は掛算回路の入力信
号を示すグラフ、(d)は掛算回路の出力信号を示すグ
ラフ。
【図19】(a)はコンパレ−タの出力信号を示すグラ
フ、(b)はクロックパルスを示すグラフ、(c)はA
ND回路の出力信号を示すグラフ。
【図20】スポット及び異物の位置関係と散乱光信号と
の関係を示す説明図。
【図21】スポット及び異物の位置関係と散乱光信号と
の関係を示す説明図。
【図22】スポット及び異物の位置関係と散乱光信号と
の関係を示す説明図。
【図23】本発明の第2実施例の異物検査方法を示すフ
ロ−チャ−ト。
【図24】本発明の第3実施例の異物検査装置を示す構
成図。
【図25】二つのスポットの位置関係を示す説明図。
【図26】二つのスポットの走査の様子を示す説明図。
【図27】(ア)〜(ク)はコンピュ−タの信号処理を
示す波形図。
【図28】本発明の第3実施例の異物検査方法を示すフ
ロ−チャ−ト。
【図29】本発明の第4実施例の異物検査装置を示す構
成図。
【図30】ビ−ムホモジナイザの作用を示す説明図。
【図31】レ−ザスポットの回転走査の様子を示す説明
図。
【図32】スポットの強度分布を三次元表示した図。
【図33】コンピュ−タの信号処理を示しており、
(a)はデ−タ波形のグラフ、(b)は微分波形のグラ
フである。
【図34】コンピュ−タの信号処理を示すフロ−チャ−
ト。
【図35】検査結果の一例を示すヒストグラム。
【図36】ビ−ムホモジナイザの変形例を示す説明図。
【図37】走査系の変形例を示す構成図。
【図38】レ−ザスポットの直交走査の様子を示す説明
図。
【図39】投光系の変形例を示す構成図。
【図40】(a)〜(d)は信号処理の変形例を示すグ
ラフ。
【図41】(a)及び(b)は信号処理の変形例を示す
グラフ。
【図42】従来の異物検査装置の概観構成を示す図。
【図43】従来技術における検査光スポットの走査方法
を示す図である。
【図44】一般的な楕円形ガウシアンスポットの強度分
布を三次元表示した図。
【図45】(a)及び(b)はスポットと異物との位置
関係が信号強度に及ぼす影響を示す説明図。
【図46】スポットの重ね合わせを示す説明図。
【図47】(a)及び(b)はスポットと異物との位置
関係及び異物の大小が信号強度に及ぼす影響を示す説明
図。
【図48】試料表面に設定されたピクセルの様子を示す
図。
【図49】ピクセルを設定した場合の走査方法の一例を
示す説明図。
【図50】一つのピクセル内における最大値処理の様子
を示す図である。
【図51】従来の検査装置による検査結果の一例を示す
ヒストグラム。
【図52】従来の検査装置による検査結果の他の一例を
示すヒストグラム。
【図53】ピクセルを設定した場合の不具合を示す説明
図。
【符号の説明】
21…異物検査装置、22…Rステージ、23…θステ
ージ、24…レーザ発振器、25…ビームエキスパン
ダ、26…反射ミラー、27…集光レンズ系、28…フ
ァイババンド、29…光電子増倍管、41…I−V変換
回路、42…ノイズ除去回路、43…A/D変換回路、
44…シフトレジスタ、45…パルス発生回路、46…
計数回路、47…記憶回路、48…加算回路、49-a…第
1の比較回路、49-b…第2の比較回路、50…演算制御
部、51…表示装置、52…出力装置、53…入力装
置、54…補助記憶装置、71…異物検査装置、72…
信号処理系、73…信号処理回路部、74…コンピュ−
タ、77…I−V変換回路、78…ピ−クホ−ルド回
路、79…掛算器、80…コンパレ−タ、81…クロッ
クパルス発振器、82…AND回路、83…カウンタ、
84…スイッチング部、85…微分回路、86…スイッ
チドライバ、87…スイッチ、101…異物検査装置、
102、102…投光系、103…第1の散乱光検出手
段、104…第2の散乱光検出手段、105…信号処理
系、106、106…レ−ザ発振器(光源)、110、
110…レ−ザ光(検査光)、111…第1のスポッ
ト、112…第2のスポット、115…コンピュ−タ、
121〜124…異物、131…異物検査装置、132
a、132b…レ−ザ光(検査光)、133…レ−ザ発
振器(光源)、134…投光系、135…試料、136
…走査系、137…光電子倍増管(散乱光検出手段)、
138…信号処理系、141…ビ−ムホモジナイザ(強
度分布矩形化手段)、155…コンピュ−タ。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料を走査させながらスポット状の検査光
    を投光し試料表面で生ずる散乱光を受光して得た散乱光
    信号に基づいて異物の存在や大きさを検出する異物検査
    方法において、第(n−1)の走査軌道で前記試料を走
    査させながら第(n−1)の散乱光信号を検出する第
    (n−1)の走査工程と、前記第(n−1)の走査軌道
    から検査光のスポット半径分だけ移動させた第nの走査
    軌道で前記試料を走査させながら第nの散乱光信号を検
    出する第nの走査工程と、前記第nの走査軌道から検査
    光のスポット半径分だけ移動させた第(n+1)の走査
    軌道で前記試料を走査させながら第(n+1)の散乱光
    信号を検出する第(n+1)の走査工程と、前記第(n
    −1),第n及び第(n+1)の散乱光信号をそれぞれ
    所定時間ごとに離散的に抽出する信号抽出工程と、対応
    する走査位置ごとに前記信号抽出工程において抽出され
    た第(n−1),第n及び第(n+1)の散乱光信号を
    加算して第nの走査信号として出力する加算工程と、対
    応する走査位置ごとに前記第nの走査信号と前記第(n
    −1)の散乱光信号とを大小比較して第(n−1)の散
    乱光信号より大きくない第nの走査信号を無効にする第
    1の比較工程と、対応する走査位置ごとに前記第nの走
    査信号と前記第(n+1)の散乱光信号とを大小比較し
    て第(n+1)の散乱光信号より大きくない第nの走査
    信号を無効にする第2の比較工程と、前記第nの走査信
    号に基づいて異物の存在や大きさを検出する異物検出工
    程とを具備することを特徴とする異物検査方法(但し、
    nは正の整数とする)。
  2. 【請求項2】試料を全面走査可能に載置する走査手段
    と、前記走査手段の走査位置を検出して位置信号を出力
    する位置検出手段と、前記試料表面にスポット状の検査
    光を投光する投光手段と、前記試料表面で生ずる散乱光
    を受光してその光強度に応じた散乱光信号を出力する受
    光手段と、前記散乱光信号を所定時間ごとに離散的に抽
    出する信号抽出手段と、離散的に抽出された散乱光信号
    を前記位置検出手段によって同期的に出力される位置信
    号に対応する番地に順次格納する記憶保持手段と、前記
    記憶保持手段に格納される信号値を逐次読み出して加算
    する加算手段と、前記加算手段による加算値と前記記憶
    保持手段に格納される信号値とを比較して信号値より大
    きくない加算値を無効にする比較手段と、前記比較手段
    の出力に基づいて異物の大きさや存在位置を検出する異
    物検出手段とを具備することを特徴とする異物検査装
    置。
  3. 【請求項3】試料に検査光のスポットを集光させ、上記
    試料に付着した異物からの散乱光を検出して上記異物を
    検査する異物検査方法において、上記スポットの直径を
    1ピッチとして上記検査光を走査する第1の工程と、上
    記異物からの散乱光を検出して散乱光信号を得る第2の
    工程と、上記散乱光信号のピ−ク値と検出時間とを検出
    する第3の工程と、上記ピ−ク値と上記検出時間とを用
    いて上記ピ−ク値を補正する第4の工程とを具備したこ
    とを特徴とする異物検査方法。
  4. 【請求項4】検査光を出射する光源と、上記検査光のス
    ポットを試料に投光する投光系と、上記スポットを上記
    試料に走査する走査系と、上記試料に付着した異物から
    の散乱光を検出して光電変換する散乱光検出手段と、こ
    の散乱光検出手段の出力信号を処理する信号処理系とを
    備えた異物検査装置において、上記信号処理系が、上記
    散乱光信号のピ−ク値と検出時間とを検出する信号処理
    回路部と、この信号処理回路部によって検出された上記
    ピ−ク値と上記検出時間とを用いて上記ピ−ク値を補正
    する演算部とを備えたことを特徴とする異物検査装置。
  5. 【請求項5】試料に検査光のスポットを集光させ、上記
    試料に付着した異物からの散乱光を検出して上記異物を
    検査する異物検査方法において、複数の上記スポットを
    一定の位置関係を保ちながら直交走査する第1の工程
    と、上記異物からの散乱光を検出して散乱光信号を得る
    第2の工程と、上記各スポットの少なくとも2回の走査
    によって得られた上記散乱光信号を各スポット毎に同期
    させる第3の工程と、上記各スポット毎に散乱光信号の
    足し合わせを行う第4の工程と、足し合わせられた上記
    散乱光信号を足し合わせ前の上記散乱光信号と比較して
    増加分のある信号成分を抽出する第5の工程とを具備し
    た異物検査方法。
  6. 【請求項6】検査光を出射する光源と、上記検査光のス
    ポットを試料に集光させる投光系と、上記スポットを上
    記試料に走査する走査系と、上記試料に付着した異物か
    らの散乱光を検出して光電変換する散乱光検出手段と、
    この散乱光検出手段の出力信号を処理する信号処理系と
    を備えた異物検査装置において、上記投光系が複数のス
    ポットを形成するとともに、これらのスポットの位置が
    互いにずらされ、走査時に各スポットの一部が他のスポ
    ットと重なることを特徴とする異物検査装置。
  7. 【請求項7】試料に検査光のスポットを集光させ、上記
    試料に付着した異物からの散乱光を検出して上記異物を
    検査する異物検査方法において、得られた散乱光信号の
    デ−タ波形を一次微分して微分波形を作成し、この微分
    波形を基にして上記異物の有無を判断する第1の工程
    と、上記微分波形と上記デ−タ波形とを対応させて上記
    異物の大きさを分類する第2の工程とを具備したことを
    特徴とする異物検査方法。
  8. 【請求項8】試料に検査光のスポットを集光させ、上記
    試料に付着した異物からの散乱光を検出して上記異物を
    検査する異物検査装置において、上記検査光を強度分布
    矩形化手段に通して上記スポットの強度分布を矩形化す
    ることを特徴とする異物検査装置。
  9. 【請求項9】検査光を出射する光源と、上記検査光のス
    ポットを試料に集光させる投光系と、上記スポットを上
    記試料に走査する走査系と、上記試料に付着した異物か
    らの散乱光を検出して光電変換する散乱光検出手段と、
    この散乱光検出手段の出力信号を処理する信号処理系と
    を備えた異物検査装置において、上記信号処理系が、上
    記散乱光検出手段によって検出されたデ−タ波形を一次
    微分して微分波形を作成し、この微分波形を基にして上
    記異物の有無を判断するとともに、上記微分波形と上記
    デ−タ波形とを対応させて上記異物の大きさを分類する
    ことを特徴とする異物検査装置。
  10. 【請求項10】 上記投光系が、上記スポットの強度分
    布を矩形化する強度分布矩形化手段を有することを特徴
    とする請求項9記載の異物検査装置。
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