JPH063170Y2 - 鋼製組合せオイルリング - Google Patents

鋼製組合せオイルリング

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JPH063170Y2
JPH063170Y2 JP1984052685U JP5268584U JPH063170Y2 JP H063170 Y2 JPH063170 Y2 JP H063170Y2 JP 1984052685 U JP1984052685 U JP 1984052685U JP 5268584 U JP5268584 U JP 5268584U JP H063170 Y2 JPH063170 Y2 JP H063170Y2
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JP
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spacer expander
oil ring
steel combination
side rail
side rails
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JP1984052685U
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JPS60164650U (ja
Inventor
裕省 長田
Original Assignee
帝国ピストンリング株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 (技術分野) この考案は、エンジンのピストンに使用される組合せオ
イルリングに関する。
(背景技術) 組合せオイルリングは、第3図に例示するように、上下
1対の環状の鋼製サイドレール1、1と、両サイドレー
ルの間に介在して両レールをピストン2のリング溝3の
側面3a、3aおよびシリンダ内壁4に弾力的に押付け
る環状の鋼製スペーサエキスパンダ5とから構成され
る。
上記2方向の押付けを行なうために、スペーサエキスパ
ンダ5の断面形は、両端を折曲げたコ字形に形成されて
いて、両端の折曲げた爪部5a、5aをサイドレール
1、1の内周に当てて、両レール1、1をリング溝の側
面3a、3aおよびシリンダ内壁4に弾接させるように
なっている。
このように構成される組合せオイルリングにおいては、
シリンダ内壁4と摺動するサイドレール1、1の外周、
スペーサエキスパンダ5の爪部5aに接触するサイドレ
ール1、1の内周およびレールの内周に接するスペーサ
エキスパンダの爪部5a、5aの摩耗を防止することが
重要である。
サイドレールの内外周には、従来、耐摩耗性向上のため
硬質クロムめっきを施していたが、近来はサイドレール
の表面に窒化処理を施して、高硬度で耐摩耗性の大きい
窒化層を形成することにより、サイドレールの内外周の
耐摩耗性を著しく向上させることが出来た。しかしなが
らこの処理によると、サイドレール内周と接するスペー
サエキスパンダ5の爪部5aに生じる摩耗部6(第4
図)は、かえって増大する欠点を生じる。
上記のサイドレール1に施される窒化処理は、塩浴中に
浸漬する塩浴窒化でも、窒素雰囲気中に置くガス窒化で
も同様の結果となる。またスペーサエキスパンダ5は、
表面処理が施されていない場合は勿論、硬質クロムめっ
き、窒化等の通常の耐摩耗性表面処理を施しても同様に
摩耗を生じる結果となる。
サイドレール1の内周は、高硬度の窒化処理を施してい
るため摩耗が少ないが、これに接するスペーサエキスパ
ンダの爪部5aは著しく摩耗し、このためにスペーサエ
キスパンダがサイドレールを押す弾力が低下してしまう
ことになる。
このようなスペーサエキスパンダの爪部の耐摩耗性を向
上させるための従来技術としては、スペーサエキスパン
ダ5の表面に窒化処理を施したり、硬質クロムめっきを
施すこと(実公昭56-38200号公報記載)が実用化されて
いるが、内周に窒化処理を施したサイドレール1、1と
組合せて使用する場合は、このような従来技術による処
理では耐摩耗性を十分向上させることは出来ない。
(本考案の目的) この考案は、内周に窒化処理を施したサイドレール1、
1と組合せた場合に、爪部5a、5aの摩耗を著しく少
なくする組合せオイルリングを提供せんとするものであ
る。
(本考案の構成) 鋼製スペーサエキスパンダは、表面に窒化処理が施され
た鋼製サイドレール1、1と組合せてオイルリングとさ
れる。このスペーサエキスパンダは、高硬度粒子を複合
分散させた硬質ニッケルめっきを表面に施すことによ
り、サイドレールの内周に当接する爪部5aの耐摩耗性
を向上させている。
(本考案の実施例) 第1図は、本考案により高硬度粒子を複合分散させた硬
質ニッケルめっき層7を形成したスペーサエキスパンダ
の断面図である。
硬質ニッケルめっき層7内に複合分散させる高硬度粒子
としては、炭化硅素(カーボランダム、SiC)、炭化
硼素(BC)、窒化硅素(Si)、炭化クロム
(Cr)、窒化硼素(BN)、ダイヤモンド等が
利用できる。
第2図は、炭化硅素(SiC)の粒子を複合分散させた
硬質ニッケルめっきを施したスペーサエキスパンダとサ
イドレールとを組合せたオイルリングのエンジンテスト
の結果を示す線図である。
供試エンジンは、スペーサエキスパンダの爪部が最も摩
耗し易いターボ付きディーゼルエンジンとし、4700
rpm、全負荷で50時間運転した結果である。
使用したサイドレールの表面には窒化処理を施した。こ
れの表面のビッカース硬さは1100、同硬さが700
以上の層の厚さは50μmであった。
第2図のAは、SUS304材のスペーサエキスパンダ
5を表面処理をしないでそのまま使用した場合であり、
爪部の摩耗が著しく多い。
Bは従来技術の耐摩耗性表面処理である硬質クロムめっ
きを施した場合、Cは同じく窒化処理を施した場合であ
る。Aに比べて耐摩耗性は向上する。
Dは本考案により炭化硅素の粒子を複合分散させた硬質
ニッケルめっき層7を表面に形成した場合の結果であっ
て、爪部の摩耗量は、A(無処理)の場合の1/4、B
(硬質クロムめっき)の場合の1/3、C(窒化処理)の
場合の1/2程度である。
なお、本考案によるDの場合は、スペーサエキスパンダ
5に接する相手側のサイドレール1の内周の摩耗が増加
する傾向が見られるが、その増加によるマイナス効果は
スペーサエキスパンダの爪部の摩耗を減少させる効果に
比べて僅少であり、実用上は支障とならない程度であ
る。なおピストンのリング溝と摺動する上下面に硬質微
粒子分散ニッケルめっきを施した圧縮リングが実開昭5
7−148035号公報に記載されているが、圧縮リン
グとオイルリングとは構造、動作状態が別異であり、前
述の組合せオイルリングに関する公告公報および上記公
開公報記載の構造から本考案に想到することは困難であ
る。
(本考案の効果) 以上に述べたように、本考案の高硬度粒子を複合分散さ
せた硬質ニッケルめっき層7を表面に形成したスペーサ
エキスパンダは、窒化処理を施したサイドレールと組合
せてオイルリングとする場合に、従来の組合せオイルリ
ングに比べて著しく摩耗が少なく、耐久性が向上したも
のである。
なお、以上の説明は断面コ字形のスペーサエキスパンダ
について行なったが、本考案は、爪を持つその他の形状
のスペーサエキスパンダ(例えば第5図のような断面形
のもの)にも有効に適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案におけるスペーサエキスパンダの断面
図、第2図はエンジンテストの結果を示す線図、第3図
は組合せオイルリングの構造を拡大して示すピストン溝
部の部分縦断面図、第4図はスペーサエキスパンダの爪
部の摩耗状態を示す断面図、第5図はスペーサエキスパ
ンダの別例を示す第3図同様の断面図である。 1:サイドレール、2:ピストン、3:リング溝、3
a:側面、4:シリンダ内壁、5:スペーサエキスパン
ダ、5a:爪部、6:摩耗部、7:高硬度粒子を複合分
散させた硬質ニッケルめっき層。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】2本のサイドレールと、該サイドレールを
    上下に隔置すると共に半径方向外方に張力を付勢するス
    ペーサエキスパンダとからなる鋼製組合せオイルリング
    において、表面硬さがビッカース硬さで700以上であ
    る窒化層を表面に形成したサイドレールと、高硬度粒子
    を複合分散させた硬質ニッケルめっき層を表面に形成し
    たスペーサエキスパンダとを組合せたことを特徴とする
    鋼製組合せオイルリング。
JP1984052685U 1984-04-12 1984-04-12 鋼製組合せオイルリング Expired - Lifetime JPH063170Y2 (ja)

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JPS60164650U JPS60164650U (ja) 1985-11-01
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JPS5638200U (ja) * 1979-08-29 1981-04-10
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