JPH06316939A - 建築工事用位置決め治具及びこれを用いた建築工法 - Google Patents

建築工事用位置決め治具及びこれを用いた建築工法

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JPH06316939A
JPH06316939A JP28934192A JP28934192A JPH06316939A JP H06316939 A JPH06316939 A JP H06316939A JP 28934192 A JP28934192 A JP 28934192A JP 28934192 A JP28934192 A JP 28934192A JP H06316939 A JPH06316939 A JP H06316939A
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concrete
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JP28934192A
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Akio Hiramatsu
昭夫 平松
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SAKAI SOKEN KK
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SAKAI SOKEN KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 アンカーボルトの修正(矯正)作業を不要と
し、工期の短縮及び安全性を図る。 【構成】 金属板又は硬質プラスチック板により平板状
に形成されてなり、コンクリート流し込み用の開口部
2,3と、アンカーボルトが挿通位置決めされる複数の
挿通孔8,9,10,11と、通り芯の位置決めがされ
る位置決め部12,13とが少なくとも形成されてなる
建築工事用位置決め治具1及びこれを用いて捨てコンク
リートにアンカーボルトの配設位置及び通り芯等をマー
キングする工程又は上記治具1を用いてアンカーボルト
を位置決め固定する工程を有する建築工法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物の基礎工事に使
用される建築工事用位置決め治具及びこの建築工事用位
置決め治具を用いた建築工法に関し、特に、捨てコンク
リートの成形作業から鉄骨を固定するために使用される
アンカーボルトの植立作業に亘って行われるべき各種の
位置決め作業に用いて好適な位置決め治具及びその建築
工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、鉄骨を用いて建設される建築
物の基礎工事は、先ず、地面に溝を形成した後に、この
溝内に捨てコンクリートを充填硬化させ、その後に、図
10に示すように、水杭100及び水貫101による遣
方102を複数設置し上記水貫101間に水糸103を
張設することにより、上記捨てコンクリート104の表
面に通り芯105及び後に行われる型枠の設置箇所を示
す型枠設置線106,107を墨出しする。そして、こ
の墨出し工程が終了した後に、図11に示すように、上
記通り芯105上であって型枠設置線106,107間
に鉄筋108を配筋する。次いで、図12に示すよう
に、上記鉄筋108の両側を囲むように木材,合板又は
鋼板からなる一方及び他方の型枠109,110を仮設
し、その後に、上記一方の型枠109から他方の型枠1
10間に左右一対のさん木111,112を各型枠10
9,110に釘により打ち付け、さらに、これらのさん
木111,112の上面に前記水糸103の張設により
再び通り芯105の墨出しを行う。そして、この墨出し
作業の後に、上記通り芯105からメジャー等を使用し
て、上記さん木111,112にアンカーボルトが挿通
される挿通孔の位置出し作業を行い、上記各さん木11
1,112にドリル等の工具を使用して孔開け作業を行
う。そして、この孔開け作業を終了した後に、先端がや
や折曲されたアンカーボルト115を上記挿通孔内に挿
通させて該アンカーボルト115の位置決めを行う。そ
して、この後に、上記一方及び他方の枠板109,11
0内にコンクリートを充填し、図13に示すように、上
記アンカーボルト115の上端が上方の突出した状態で
上記コンクリート116を硬化させる。なお、このコン
クリート116が硬化した後は、上記さん木111,1
12及び枠板109,110を取り外し、上記アンカー
ボルト115を介して鉄骨を立設させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の建築工法では、以下に説明する種々の課題を有
することから、工期の遅延を招来するとともに建築物の
強度が低下する場合があるばかりではなく、作業者の安
全性をも欠くことがある。すなわち、前述した従来の建
築工法では、前述のように先ず、水杭100及び水貫1
01による遣方102を複数設置し上記水貫101間に
水糸103を張設し、上記捨てコンクリート104の表
面に通り芯105及び後に行われる型枠の設置箇所を示
す型枠設置線106,107を墨出しするが、この方法
では上記遣り方102を通常少なくとも四箇所設置する
必要があることから迅速な作業に支障を来している。ま
た、従来の建築工法では、さん木111,112に対す
る孔開け作業が終了した後に、該さん木111,112
を前記一方の枠板109から他方の枠板110に亘って
釘等により固定し、その後に、先端がやや折曲されたア
ンカーボルト115を上記挿通孔内に挿通させて該アン
カーボルト115の位置決めを行うが、このアンカーボ
ルト115の位置決めの際、既に一方及び他方の枠板1
09,110間に配筋された鉄筋が上記アンカーボルト
115の挿通の際の支障となり本来の位置に配設されな
い場合がある。
【0004】また、アンカーボルト115の位置決めを
図るために、さん木111,112にドリル等の工具を
使用して挿通孔の孔開け作業を行うが、このさん木11
1,112は、割れ等を防止するためにやや厚手とされ
ているために、先端が湾曲したアンカーボルト115を
この挿通孔内に挿通できるようにするためにはある程度
の寸法に余裕を持たせざるを得ず、また、この孔開け作
業は建築現場においてその都度行われる作業であること
から、これらが合俟って、図14に示すように、極めて
大きな誤差が生ずる場合がある。その結果、このさん木
111によりアンカーボルト115をセットして、前述
した通り、コンクリート116を上記型枠109,11
0内に充填し、上記アンカーボルト115の上端が上方
の突出した状態で上記コンクリート116を硬化させる
と、上記誤差により、鉄骨の下端に形成されたフランジ
部に開設されたアンカーボルト挿通孔内に、上記アンカ
ーボルト115を挿入できず、このために、上記コンク
リート116から突出している各アンカーボルト115
を曲げる等して、図15に示す通り、修正作業をした上
で鉄骨120を固定せざるを得ず、極めて面倒な作業が
必要とされる。さらに、アンカーボルト115を何度も
繰り返して修正(矯正)する内に該アンカーボルト11
5自体の強度の低下を招くばかりではなく建築物の強度
の低下にもつながることとなり、また、たとえ鉄骨のア
ンカーボルト115とが固定される場合であっても、修
正(矯正)された後では、本来鉄骨が固定される位置と
ずれた位置に固定される場合がある。
【0005】また、こうしたアンカーボルト115の修
正作業は、クレーン等を使用して鉄骨を吊り下げた状態
で微妙な修正がなされることから、作業者にとって極め
て危険な時間が長くなり安全性の面からも妥当ではな
い。
【0006】さらに、従来では、前述のようにアンカー
ボルト115の位置決めのためにさん木111,112
を使用しているが、このさん木111,112では、木
材により形成されているものであるために各種の作業工
程中に割れてしまう等の破損も多く何度も繰り返して使
用することができない。
【0007】そこで、本発明は上述した従来の建築工法
が有する各種の課題を解決するために提案されたもので
あって、工期の短縮化を図ることができるとともに安全
に作業を行うことができる建築工事用位置決め治具及び
これを用いた建築工法を提供することを目的とするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した目的
を達成するために提案されたものであり、その第1の発
明は、建築工事用位置決め治具に関するものであって、
金属板又は硬質プラスチック板により平板状に形成され
てなり、コンクリート流し込み用の開口部と、アンカー
ボルトが挿通位置決めされる複数の挿通孔と、通り芯の
位置決めがされる位置決め部とが少なくとも形成されて
なることを特徴とするものである。なお、上記位置決め
部は、通り芯を示す直線がけがかれてなるものであって
も良いし、或いはこの治具の両端に通り芯に対応して形
成された切欠きからなるものであっても良い。
【0009】また、第2の発明は、建築工法に関する発
明であって、地面に形成された溝内に捨てコンクリート
を充填し硬化させる捨てコンクリート形成工程と、上記
捨てコンクリートの上面に請求項1記載の建築工事用位
置決め治具を載置し通り芯及びアンカーボルトの配設位
置をマーキングするマーキング工程と、を有してなるこ
とを特徴とするものである。
【0010】また、第3の発明は、建築工法に関する発
明であって、地面に形成された溝内に捨てコンクリート
を充填硬化させる捨てコンクリート形成工程と、上記捨
てコンクリートの上面に鉄筋を配筋する配筋工程と、こ
の鉄筋を両側から挟むように型枠を建て込む型枠建込み
工程と、上記型枠上に請求項1記載の建築工事用位置決
め治具を載置するとともに該建築工事用位置決め治具に
形成された複数の挿通孔内にアンカーボルトを挿通し該
アンカーボルトの位置決めを行うアンカーボルト挿通工
程と、上記型枠内にコンクリートを充填し硬化させるコ
ンクリート充填工程と、を有してなることを特徴とする
ものである。
【0011】
【作用】上記第1の発明に係る建築工事用位置決め治具
によれば、先ず、この治具は、金属板又は硬質プラスチ
ック板により平板状に形成されてなるので、各作業工程
中に破損する危険性が少なくなり、何度も繰り返して使
用することができる。また、この治具には、開口部が形
成されているので、この開口部を介して型枠内にコンク
リートを流し込むことができ、さらに、複数の挿通孔に
よりアンカーボルトの位置決めが行われる。なお、この
治具は、上述のように金属板又は硬質プラスチック板に
より形成されてなるものであることから、薄手とするこ
とができるので、下端が折曲された該アンカーボルトの
挿通を考慮して挿通孔の径に余裕を持たせる必要がな
く、該アンカーボルトの径と略同一の径とすることがで
き、その結果アンカーボルトの位置決めも高精度に行う
ことができる。しかも、この治具を使用してアンカーボ
ルトが埋設固定された後には、この治具を該アンカーボ
ルトから抜き取るが、この抜取り作業の際、簡単に抜き
取ることができるか否かによって該アンカーボルトが正
確な位置に埋設されたか否かをも確認することもでき
る。さらに、この治具では、通り芯の位置決めがされる
位置決め部が形成されているので、捨てコンクリートの
上面に通り芯をマーキングする際には、複数の治具を該
捨てコンクリート上に載置することにより簡単に行うこ
とができる。さらにまた、この治具に形成されたアンカ
ーボルトの挿通孔を用いて捨てコンクリートの上面にア
ンカーボルトの配設位置をマーキングして置くことによ
り、次の工程である鉄筋の配筋工程の際、配筋される鉄
筋をアンカーボルトの配設位置と重ならないように配筋
できることから、鉄筋の存在によりアンカーボルトの位
置決めする際支障になることがない。
【0012】したがって、第2の発明として記載した建
築工法によれば、上述のように、捨てコンクリートの上
面に通り芯をマーキングする作業を極めて迅速且つ正確
に行うことができるとともに、後の工程で行われるアン
カーボルトの配設の際でも簡単に行うことができる。ま
た、第3の発明として記載した建築方法によれば、アン
カーボルトは常に正確な位置において埋設固定されるの
で、その後の作業工程である鉄骨の固定作業の際におけ
る上記アンカーボルトの修正(矯正)作業は全く必要と
されない。
【0013】
【実施例】以下、本発明に係る建築工事用位置決め治具
及びこれを用いた建築工法の実施例について図面を参照
しながら詳細に説明する。先ず、第1の実施例に係る建
築工事用位置決め治具について説明する。
【0014】この治具1は、コンクリートが付着しない
よう表面及び裏面に滑剤が塗布されてなる鉄板を、図1
に示すように、方形状に切断してなるものである。そし
て、この治具1には、それぞれ長方形状となされた第1
及び第2の開口部2,3が開設されている。これらの開
口部2,3は、それぞれ後述する型枠内にコンクリート
を充填する際に使用されるものである。なお、これらの
開口部2,3の短片2a,2b,3a,3b間の長さL
1 は、一方の枠板の外側面から他方の側板の該外側面ま
での長さよりも2mm短い長さとされている。これは、
後述するように、上記治具1を用いて捨てコンクリート
上に建て込まれる枠板の位置を、墨刺等を使用して行っ
た場合でも、該捨てコンクリート上に正確にマーキング
できるようにするためである。
【0015】また、この治具1の各角部は作業者の怪我
を防止するためにやや円弧状となされ、また、各角部の
近傍には、それぞれこの治具1を型枠に載置固定する際
に使用される図示しない釘が挿通される第1乃至第4の
釘挿通孔4,5,6,7が穿設されている。さらに、こ
の治具1の上端片1cと上記第1の開口部2の一方の長
片2cとの間及び該第1の開口部2の他方の長片2dと
第2の開口部3の一方の長片3cとの間には、それぞれ
第1乃至第4のボルト挿通孔8,9,10,11が開設
されている。これらの挿通孔8,9,10,11は、そ
れぞれアンカーボルトが挿通されるものであって該アン
カーボルトの径と略同じ長さの径とされている。また、
この治具1の上面には、第1の通り芯を示す通り芯けが
き用線12及び第2の通り芯を示す通り芯けがき用線1
3がそれぞれ描かれており、これら第1及び第2の通り
芯けがき用線12,13の端部(該治具1の上端片1
c,第2の開口部3の長片3c,治具1の左右両端片1
a,1b)には、それぞれV字状の切欠き部12a,1
2b,13a,13bが形成されている。なお、上記第
1の通り芯用けがき用線12の短部に対応した治具1の
下端片1dには半円形状の切欠き12cが形成されてい
る。さらに、上記治具1に穿設された第1の釘挿通孔4
近傍には、後述する一方の型枠(内側に立て込まれる型
枠)の内側角部を示す角部表示用孔14が穿設されてい
る。
【0016】以下、上記治具1を用いた建築工法につい
て各工程順に説明する。先ず、地面に溝を形成した後
に、この溝内に捨てコンクリートを充填硬化させ、その
後に、図2に示すように、上記捨てコンクリート15上
に前述した建築工事用位置決め治具1を所定の方向に複
数載置し、この治具1を用いて図3に示すように、第1
及び第2の通り芯16,17,一方及び他方の型枠の外
側面が建て込まれる位置を示す第1及び第2の型枠設置
線18,19及びアンカーボルトが設置されるアンカー
ボルト設置点20をそれぞれマーキングする。なお、上
記第1及び第2の通り芯16,17をマーキングする場
合は、上記治具1の上面に形成された第1及び第2の通
り芯けがき用線12,13又は上記切欠き部12a,1
2b,13a,13bを使用して行い、また、上記第1
及び第2の型枠設置線18,19は、上記第1の開口部
2を構成する短片3b及び長片3dと型枠の内側角部を
示す角部表示用孔14とをそれぞれ使用して行う。
【0017】そして、上記マーキング工程が終了した後
には、図4に示すように、鉄筋21を配筋する。この
時、前記捨てコンクリート15上には、上述のように、
治具1を使用して行われたアンカーボルト設置点20が
マーキングされているので、このアンカーボルト設置点
20上に鉄筋21が配筋されないように行うことができ
る。次いで、図5に示すように、上記鉄筋21を両側か
ら挟むように一方及び他方の型枠22,23を仮設す
る。なお、この型枠建込み工程では、この一方及び他方
の型枠22,23の外側面が、上記治具1を用いてマー
キングされた上記第1及び第2の型枠設置線18,19
に位置するよう建て込む。そして、この型枠建込み工程
が終了した後に、水平に張設された水糸を用いて、図6
に示すように、上記一方の型枠22の上端から他方の型
枠23の上端に(下方に配筋された鉄筋21を跨ぐよう
に)、前述した治具1を鉄骨を建てる箇所に対応した複
数箇所に載置し、各治具1に穿設された釘挿通孔4,
5,6,7に打ち込まれる図示しない釘により、これら
の治具1を上記一方及び他方の型枠22,23の上面に
固定する。なお、上記型枠22,23が木材からなるも
のではなく、例えばスチールやアルミニウム等の金属材
料により成形されてなる場合では、上記釘挿通孔4,
5,6,7近傍を万力又はクリップ等により挟んで固定
する。次いで、図7に示すように、これらの治具1に穿
設されたボルト挿通孔(8,9)10,11内にアンカ
ーボルト25を挿入する。なお、このアンカーボルト2
5は以下に説明するコンクリートから所定の長さ上方に
突出させる必要があることから、ナット26を中途部に
螺着させる。
【0018】上述のように、複数の治具1によるアンカ
ーボルト25のセットが終了すると、次いで、上記一方
の型枠22と他方の型枠23との間にコンクリートを充
填(打設)し硬化させる。なお、上記治具1が載置固定
されている部分では、該治具1に開設されてなる第1及
び第2の開口部2,3から上記コンクリートを打設す
る。これによって、アンカーボルト25は予め設定され
た位置に固定される。そして、上記コンクリートが硬化
した後に、上記一方及び他方の型枠22,23及び治具
1を取り外す。なお、この治具1を取り外す時、仮に各
アンカーボルト25の何れかが所定の位置に固定されて
いない場合においては、取り外しが不能又は困難となる
ので、定規等を何ら使用することなくその状態を確認す
ることができ、その時点で適宜修正することができる。
すなわち、コンクリートによるアンカーボルト25の固
定位置の正確性が、定規等により測定することなく、こ
の治具1の取り外しの際に必然的に確認され得ることと
なる。
【0019】このように、上記治具1を使用して建築基
礎工事を行うことにより、捨てコンクリート15上に、
第1及び第2の通り芯16,17及び第1及び第2の型
枠設置線18,19を極めて簡単にマーキングすること
ができるとともに、該捨てコンクリート15上には、後
に固定されるアンカーボルト25の位置をも予めマーキ
ングする(アンカーボルト設置点20をマーキングす
る)ことができるので、従来のように、アンカーボルト
25の固定位置に鉄筋21が配筋され、これによってア
ンカーボルト25の固定が不能となる危険性もない。さ
らに、上記治具1の載置固定によりアンカーボルト25
が固定されるので、該アンカーボルト25の固定位置は
極めて高精度に位置決めされるばかりではなく、仮に多
少のずれを生じている場合であっても、該位置ずれはこ
の治具1を取り外す際に必然的に確認されるので、従来
のように定規等を用いて確認する必要がない。また、こ
の治具1には、第1及び第2の通り芯けがき用線12,
13以外に、各通り芯けがき用線12,13の端部(該
治具1の左右両端片1a,1b及び上下両端片1c,1
d)に、それぞれ切欠き部12a,12b,13a,1
3bが形成されているので、何度も取り返して使用され
ることにより上記各通り芯けがき用線12,13が消え
た場合であっても、これら切欠き部12a,12b,1
3a,13bにより各通り芯16,17をマーキングす
ることができる。
【0020】したがって、この治具1を使用して行われ
る建築工法によれば、アンカーボルト25の修正作業を
する必要がないので、何度も繰り返して修正(矯正)さ
れることによるアンカーボルト自体及び建築物の強度の
低下や、クレーン等を使用して鉄骨を吊り下げた状態で
行われる微妙な修正作業に伴う危険性を有効に解消する
ことができ、この結果大幅な工期の短縮化を実現するこ
とができる。また、この治具1は、金属材料により成形
されてなるものであることから、何度も繰り返して使用
することができるとともに、極めて薄手とすることがで
き、したがって、該治具1に開設されるボルト挿通孔
8,9,10,11も略アンカーボルト25の径に対応
した径とすることができるので、アンカーボルト25の
固定位置は一層高精度とすることができる。
【0021】なお、上記実施例に係る建築工事用位置決
め治具1は、鉄板によるものを説明したが、本発明に係
る当該治具は、容易に割れたり欠けたり或いは変形しな
い材料であれば、上記鉄板によることなく他の金属材料
を用いても良く、さらに金属材料ではなく硬質のプラス
チック板による場合であっても良い。
【0022】また、前述した治具1では、第1及び第2
の開口部2,3を開設したものを図示して説明したが、
本発明に係る建築工事用位置決め治具は、必ずしもこの
ように二つ開設されてなるものばかりではなく、図8に
示す建築工事用位置決め治具30のように、一つの開口
部31が形成されてなるものであっても良い。なお、こ
の治具30は、前記第1の実施例に係る治具1の如く型
枠乃至は捨てコンクリートの角部に載置されるものでは
なく縦方向又は横方向に形成された型枠又は捨てコンク
リートの中途部に載置されるものである。すなわち、こ
の治具30は、硬質のプラスチック材料により略長方形
状に切断されてなるものであって、略中央には上記開口
部31が形成され、この開口部31の両側には、前述し
たアンカーボルトが挿通される第1乃至第4の挿通孔3
2,33,34,35が穿設され、さらに、各角部には
図示しない釘が挿通される第1乃至第4の釘挿通孔3
6,37,38,39が穿設されている。なお、上記開
口部31の短片31a,31bからこの治具30の短片
30a,30bまでの長さは、一方及び他方の型枠の幅
よりもやく2mm短いものとされている。また、この治
具30の上面には、第1の通り芯を示す通り芯けがき用
線40がけがかれており、上記第1の通り芯けがき用線
40の端部(該治具30の左右両端片30a,30b)
には、それぞれV字状の切欠き部40a,40bが形成
され、また上記第2の通り芯けがき用線41の端部(該
治具30の上下両端片30c,30d)には、それぞれ
円弧状の切欠き部41a,41bが形成され、さらに上
記開口部31の各短片31a,31bであって上記各切
欠き41a,41bと対向する位置には、それぞれV字
状の切欠き41c,41dが形成されている。上述した
構成に係る治具30による場合であっても、前述した治
具1と同じ作用効果を実現できる。
【0023】なお、上記第2の実施例に係る治具30で
は、第2及び第4のボルト挿通孔33,35が第1の通
り芯けがき用線40に接近してなるものを示して説明し
たが、本考案を構成するボルト挿通孔や通り芯けがき用
線は、建築物の形状や図示しない鉄骨の固定位置等に応
じた位置又は長さ等にすれば良く、例えば、第3の実施
例として図9に示す治具50であっても良い。この治具
50は、長方形状に形成された金属板の中央に開設され
た長方形状の開口部51と、この開口部51の左右両側
にそれぞれ二つずつ穿設された第1乃至第4のボルト挿
通孔52,53,54,55と、上記第1及び第2のボ
ルト挿通孔52,53間と第3及び第4の54,55と
の略中央に形成された第1の通り芯けがき用線56と、
上記開口部51の短片51a,51bからこの治具50
の短片50a,50bに亘って形成された第2の通り芯
けがき用線57と、この治具50の長片50c,50d
であって上記第1の通り芯けがき用線56の端部に形成
されたV字状の切欠き56a,56bと、この治具50
の短片50a,50bであって上記第2の通り芯けがき
用線57の端部に形成された円弧状の切欠き57a,5
7bと、上記開口部51の短片51a,51bであって
上記切欠き57a,57bに対向してなるV字状の切欠
き57c,57dと、この治具50の各角部近傍に穿設
された第1乃至第4の釘挿通用孔58,59,60,6
1とから構成されている。上述した構成よりなるこの第
3の実施例に係る治具50による場合であっても、前述
した第1の実施例に係る治具1と同様の作用効果を実現
することができる。
【0024】
【発明の効果】上記実施例の説明からも明らかなよう
に、本発明に係る建築工事用位置決め治具は、金属板又
は硬質プラスチック板により平板状に形成されてなるの
で、各作業工程中に破損する危険性が少なくなり、何度
も繰り返して使用することができるとともに、開口部が
形成されているので、この開口部を介して型枠内にコン
クリートを流し込むことができ、さらに、複数の挿通孔
によりアンカーボルトの位置決めが行われる。そして、
この治具は、上述のように金属板又は硬質プラスチック
板により形成されてなるものであることから、薄手とす
ることができるので、下端が折曲された該アンカーボル
トの挿通を考慮して挿通孔の径に余裕を持たせる必要が
なく、該アンカーボルトの径と略同一の径とすることが
でき、その結果アンカーボルトの位置決めも高精度に行
うことができる。しかも、この治具を使用してアンカー
ボルトが埋設固定された後には、この治具を該アンカー
ボルトから抜き取るが、この抜取り作業の際、簡単に抜
き取ることができるか否かによって該アンカーボルトが
正確な位置に埋設されたか否かをも確認することもでき
る。さらに、この治具では、通り芯の位置決めがされる
位置決め部が形成されているので、捨てコンクリートの
上面に通り芯をマーキングする際には、複数の治具を該
捨てコンクリート上に載置することにより簡単にマーキ
ングすることができる。さらにまた、この治具に形成さ
れたアンカーボルトの挿通孔を用いて捨てコンクリート
の上面にアンカーボルトの配設位置をマーキングして置
くことにより、次の工程である鉄筋の配筋工程の際、配
筋される鉄筋をアンカーボルトの配設位置と重ならない
ように配筋できることから、鉄筋の存在によりアンカー
ボルトを位置決めする際支障になることがない。
【0025】したがって、この治具を用いた建築工法に
よれば、上述のように、捨てコンクリートの上面に通り
芯をマーキングする作業を極めて迅速且つ正確に行うこ
とができるとともに、後の工程で行われるアンカーボル
トの配設の際でも簡単に行うことができる。また、第3
の発明として記載した建築工法によれば、アンカーボル
トは常に正確な位置において埋設固定されるので、その
後の作業工程である鉄骨の固定作業の際における上記ア
ンカーボルトの修正(矯正)作業は全く必要とされな
い。特に、アンカーボルトがコンクリートにより固定さ
れた後に、上記治具を取り外す際、該アンカーボルトの
固定位置が必然的に確認されるので、定規等の測定手段
により測定する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る建築工事用位置決め治具
の外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、捨てコンクリート上に図1に示す治具
を複数載置した状態を模式的に示す斜視図である。
【図3】図3は、治具により捨てコンクリート上に第1
及び第2の通り芯及び第1及び第2の型枠設置線並びに
アンカーボルト設置点がけがかれ又はマーキングされた
状態の要部を示す平面図である。
【図4】図4は、捨てコンクリート上に鉄筋が配筋され
る状態を模式的に示す斜視図である。
【図5】図5は、捨てコンクリート上に一方及び他方の
型枠を仮設する状態を模式的に示す斜視図である。
【図6】図6は、一方及び他方の型枠上に図1に示す治
具が載置された状態の要部を示す斜視図である。
【図7】図7は、図1に示す治具に穿設された挿通孔内
にアンカーボルトが挿入された状態を示す断面図であ
る。
【図8】図8は、本発明に係る建築工事用位置決め治具
の第2の実施例を示す斜視図である。
【図9】図9は、本発明に係る建築工事用位置決め治具
の第3の実施例を示す斜視図である。
【図10】図10は、従来の建築工法であって通り芯を
マーキングする状態を模式的に示す斜視図である。
【図11】図11は、捨てコンクリート上に鉄筋が配筋
される状態を模式的に示す斜視図である。
【図12】図12は、一方及び他方の型枠上にさん木を
載置した状態の要部を示す斜視図である。
【図13】図13は、さん木を介して位置決めされたア
ンカーボルトがコンクリートにより固定された状態の要
部を示す断面図である。
【図14】図14は、アンカーボルトが正確な位置に固
定されない状態を示す斜視図である。
【図15】図15は、矯正されたアンカーボルトに鉄骨
を固定した状態を示す側面図である。
【符合の説明】
1 建築工事用位置決め治具 2 第1の開口部 3 第2の開口部 8 第1のボルト挿通孔 9 第2のボルト挿通孔 10 第3のボルト挿通孔 11 第4のボルト挿通孔 12 第1の通り芯けがき用線 13 第2の通り芯けがき用線 15 捨てコンクリート 21 鉄筋 22 一方の型枠 23 他方の型枠 25 アンカーボルト 30 建築工事用位置決め治具 31 開口部 32 第1のボルト挿通孔 33 第2のボルト挿通孔 34 第3のボルト挿通孔 35 第4のボルト挿通孔 40 第1の通り芯けがき用線 41 第1の通り芯けがき用線 50 建築工事用位置決め治具 51 開口部 52 第1のボルト挿通孔 53 第2のボルト挿通孔 54 第3のボルト挿通孔 55 第4のボルト挿通孔 56 第1の通り芯けがき用線 57 第1の通り芯けがき用線

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板又は硬質プラスチック板によ
    り平板状に形成されてなり、コンクリート流し込み用の
    開口部と、アンカーボルトが挿通位置決めされる複数の
    挿通孔と、通り芯の位置決めがされる位置決め部とが少
    なくとも形成されてなることを特徴とする建築工事用位
    置決め治具。
  2. 【請求項2】 地面に形成された溝内に捨てコンク
    リートを充填し硬化させる捨てコンクリート形成工程
    と、上記捨てコンクリートの上面に請求項1記載の建築
    工事用位置決め治具を載置し通り芯及びアンカーボルト
    の配設位置をマーキングするマーキング工程と、を有し
    てなることを特徴とする建築工法。
  3. 【請求項3】 地面に形成された溝内に捨てコンク
    リートを充填硬化させる捨てコンクリート形成工程と、
    上記捨てコンクリートの上面に鉄筋を配筋する配筋工程
    と、この鉄筋を両側から挟むように型枠を建て込む型枠
    建込み工程と、上記型枠上に請求項1記載の建築工事用
    位置決め治具を載置するとともに該建築工事用位置決め
    治具に形成された複数の挿通孔内にアンカーボルトを挿
    通し該アンカーボルトの位置決めを行うアンカーボルト
    挿通工程と、上記型枠内にコンクリートを充填し硬化さ
    せるコンクリート充填工程と、を有してなることを特徴
    とする建築工法。
JP28934192A 1992-10-02 1992-10-02 建築工事用位置決め治具及びこれを用いた建築工法 Pending JPH06316939A (ja)

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