JPH06316572A - 新規ヘテロ環式化合物及び殺虫剤 - Google Patents

新規ヘテロ環式化合物及び殺虫剤

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JPH06316572A
JPH06316572A JP27481193A JP27481193A JPH06316572A JP H06316572 A JPH06316572 A JP H06316572A JP 27481193 A JP27481193 A JP 27481193A JP 27481193 A JP27481193 A JP 27481193A JP H06316572 A JPH06316572 A JP H06316572A
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紘三 塩川
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真一 坪井
Koichi Moriie
晃一 盛家
Yumi Hattori
ゆみ 服部
Ikuro Honda
育郎 本田
Katsuhiko Shibuya
克彦 渋谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規ヘテロ環式化合物、その製法及び殺虫剤
としての利用 【構成】 式 【化1】 式中、Aは、S、O又はNから選ばれるヘテロ原子を1
−3含む、5員環又は6員環のヘテロアリール基を示
し、該ヘテロアリール基は、ハロゲン原子又は炭素数1
−4のアルキル基によって置換されていてもよい、X
は、CH2 又はNを示し、Yは、ニトロ基又はシアノ基
を示し、R1 は、水素原子又はメチル基を示す、で表わ
される新規ヘテロ環式化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、新規ヘテロ環式化合物、その製
法及び殺虫剤としての利用に関する。本願出願日前公知
のADVANCES IN PESTICIDE SCIENCE Part 2(1978年
7月24−28日、スイス連邦、チューリッヒで行なわ
れた、国際農薬化学大会のシンポジウム論集、パーガモ
ン プレス出版)206〜217頁には、2−(ニトロ
メチレン)オキサゾリジン等の殺虫活性について記載さ
れている。
【0002】このたび、本発明者等は下記式(I)の新
規ヘテロ環式化合物を見い出した。
【化3】 式中、Aは、S、O又はNから選ばれるヘテロ原子を1
−3含む、5員環又は6員環のヘテロアリール基を示
し、該ヘテロアリール基は、ハロゲン原子又は炭素数1
−4のアルキル基によって置換されていてもよい。
【0003】Zは、CH2 、O、S及びN−R2 より成
る群から任意に選ばれる直鎖の3員を示し、ここで、Z
の少なくとも1つは、O、S及びN−R2 を示す、E
は、CH2 、O、S又はN−R2 を示し、R2 は水素原
子、炭素数1−4のアルキル基、炭素数1−4のアルコ
キシ基、又は
【化4】 (ここでR3 は水素原子又はハロゲン原子を示す)を示
し、Xは、CH又はNを示し、Yは、ニトロ基又はシア
ノ基を示し、そしてR1 は水素原子又はメチル基を示
す。
【0004】本発明の式(I)の化合物は、例えば下記
の方法により合成することができる。 製法a)
【化5】 式中、A及びR1 は前記と同じ、Hal はハロゲン原子を
示す、で表わされる化合物と、式
【化6】 式中、Z、E、X及びYは前記と同じ、で表わされる化
合物とを、反応させることを特徴とする、前記式(I)
のヘテロ環式化合物の製造方法。
【0005】本発明式(I)のヘテロ環式化合物は、強
力な殺虫作用を示す。本発明によれば、式(I)のヘテ
ロ環式化合物は、例えば、前記ADVANCES INPESTICIDE S
CIENCE 記載の本発明化合物に類似する化合物と比較
し、実質的に極めて卓越した殺虫作用を現わす。本発明
式(I)に於いて、好ましくは、Aは、2−クロロピリ
ジン−5−イル又は2−クロロチアゾール−5−イルを
示し、Zは、CH2 、O、S及びN−R2 より成る群か
ら選ばれる直鎖の3員を示し、ここで、Zの少なくとも
1つは、O、S又はN−R2 を示す。Eは、CH2
O、S又はN−R2 を示し、R2 は、炭素数1−3のア
ルキル基、炭素数1−3のアルコキシ基又は2−クロロ
ピリジン−5−イルメチルを示し、Xは、Nを示し、Y
は、ニトロ基又はシアノ基を示す。
【0006】製法a)に於いて原料として例えば、2−
クロロ−5−クロロメチルピリジンと3−シアノイミノ
モルホリンとを用いると、下記の反応式で表わされる。
【化7】 上記製法a)に於いて、原料である式(II)の化合物
は、前記A、R1 、及びHal の定義に基づいたものを意
味し、A及びR1 は、好ましくは、前記の好ましい定義
と同義を示す。そしてHal は好ましくは、塩素原子を示
す。
【0007】式(II)の化合物はすでに公知のもので
ある、その代表例として例えば、2−クロロ−5−クロ
ロメチルピリジン、5−クロロメチル−3−メチルイソ
オキサゾール、5−クロロメチル−2−クロロチアゾー
ル、5−クロロメチル−2−メチルチアゾール、5−ク
ロロメチル−2−フルオロピリジン、2−ブロモ−5−
クロロメチルピリジン、5−クロロメチル−2−メチル
ピリジン等を例示できる。上記製法a)に於いて原料で
ある式(III)の化合物は、前記Z、E、X及びYの
定義に基づいたものを意味し、好ましくは、前記好まし
い定義である。
【0008】式(III)の化合物は、新規化合物を包
含し、例えば、3−シアノイミノモルホリンは、式
【化8】 式中R4 は低級アルキルを示す。で表わされる化合物と
シアナミドとを反応させることにより得られる。式(I
V)の化合物は、新規化合物であり、例えば式
【化9】 で表わされる3−モルホリノンと式 ( R4O )2 SO2 (V) 式中R4 は前記と同じ、で表わされる化合物とを反応さ
せることにより得られる。
【0009】3−モルホリノンは、すでに Chemical Ab
stract(ケミカル アブストラクト)47巻−2761e 等
に記載された公知のものであり、また式(V)で表わさ
れる化合物も有機化学の分野ではよく知られたものであ
る。また、式(III)に包含される3−ニトロイミノ
モルホリンは、式
【化10】 で表わされる3−アミノ−2H−1,4−ジヒドロオキ
サジンと発煙硝酸とを反応させることにより得られる。
上記式(VI)の化合物は、新規化合物であり、例え
ば、前記式(IV)の化合物とアンモニアを反応させる
ことにより得られる。
【0010】また、式(III)に包含される3−ニト
ロメチレンモルホリンは、前記式(IV)で表わされる
化合物とニトロメタンとを反応させることにより得られ
る。式(III)の化合物が式
【化11】 式中、R2 及びYは前記と同じ、で示される場合の化合
物は、 式 R2−NH2 (VII) 式中、R2 は前記と同じ、で表わされる化合物とホルマ
リンおよびニトログアニジン又はシアノグアニジンとを
反応させることにより得られる。
【0011】上記製法a)の実施に際しては、適当な希
釈剤として、すべての不活性な溶媒を挙げることができ
る。斯かる希釈剤の例としては、水;脂肪族、環脂肪族
および芳香族炭化水素類(場合によっては塩素化されて
もよい)例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エー
テル、リグロイン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メ
チレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素、エチレ
ンクロライド、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼ
ン、ジクロロベンゼン;その他、エーテル類例えば、ジ
エチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジ−iso −プ
ロピルエーテル、ジブチルエーテル、プロピレンオキサ
イド、ジオキサン、テトラヒドロフラン;ケトン類例え
ばアセトン、メチルエチルケトン、メチル−iso −プロ
ピルケトン、メチル−iso −ブチルケトン;ニトリル類
例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロ
ニトリル;アルコール類例えば、メタノール、エタノー
ル、iso −プロパノール、ブタノール、エチレングリコ
ール;エステル類例えば、酢酸エチル、酢酸アミル;酸
アミド類例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド;スルホン、スルホキシド類例えば、ジメチル
スルホキシド、スルホラン;および塩基例えば、ピリジ
ン等を挙げることができる。
【0012】製法a)は、酸結合剤の存在下で行うこと
ができ、斯かる酸結合剤としては、例えば、アルカリ金
属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩およびアルコラート等
や、第3級アミン類例えば、トリエチルアミン、ジエチ
ルアニリン、ピリジン等を挙げることができる。製法
a)は、実質的に広い温度範囲内において実施すること
ができる。一般には、約0〜約100℃、好ましくは約
30〜約80℃の間で実施できる。また、諸反応は常圧
の下で行うことが望ましいが、加圧又は減圧下で操作す
ることもできる。製法a)を実施するに当っては、例え
ば式(III)の化合物1モルに対し、式(II)の化
合物を等モル量乃至1.1倍モル、不活性溶媒例えばア
セトニトリル中、等モル量乃至1.2倍モル量の炭酸カ
リウムの存在下で反応させることによって目的化合物を
得ることができる。
【0013】本発明の式(I)化合物は、強力な殺虫作
用を現わす。従って、それらは、殺虫剤として、使用す
ることができる。そして、本発明の式(I)活性化合物
は、栽培植物に対し、薬害を与えることなく、有害昆虫
に対し的確な防除効果を発揮する。また本発明化合物は
広範な種々の害虫、有害な吸液昆虫、かむ昆虫およびそ
の他の植物寄生害虫、貯蔵害虫、衛生害虫等の防除のた
めに使用でき、それらの駆除撲滅のために適用できる。
【0014】そのような害虫類の例としては、以下の如
き害虫類を例示することができる。昆虫類として、鞘翅
目害虫、例えばアズキゾウムシ(Callosobruchus chinen
sis)、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)、コクヌスト
モドキ (Tribolium castaneum)、オオニジユウヤホシテ
ントウ(Epilachna vigintioctomaculata)、トビイロム
ナボソコメツキ(Agriotes fuscicollis)、ヒメコガネ
(Anomala rufocuprea)、コロラドポテトビートル(Le
ptinotarsa decemlineata )、ジアブロテイカ(Diabro
tica spp. )、マツノマダラカミキリ(Monochamus alt
ernatus )、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzop
hilus)、ヒラタキクイムシ(Lyctus bruneus);
【0015】鱗翅目虫、例えばマイマイガ(Lymantria
dispar)、ウメケムシ(Malacosoma neustria )、アオ
ムシ(Pieris rapae) 、ハスモンヨトウ(Spodoptera l
itura)、ヨトウ(Mamestra brassicae)、ニカメイチニ
ウ(Chilo suppressalis)、アワノメイガ(Pyrausta nub
ilalis) 、コナマダラメイガ(Ephestia cautella)、コ
カクモンハマキ(Adoxophyes orana) 、コドリンガ(Ca
rpocapsa pomonella)、カブラヤガ(Agrotis fucosa
)、ハチミツガ(Galleria mellonella)、コナガ (Plut
ella maculipennis)、ミカンハモグリガ (Phyllocnisti
s citrella) ;
【0016】半翅目虫、例えばツマグロヨコバイ(Neph
otettix cincticeps)、トビイロウンカ(Nilaparvatal
ugens)、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus comste
cki)、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensis)、
モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、リンゴアブラ
ムシ(Aphis pomi) 、ワタアブラムシ(Aphis gossypi
i)、ニセダイコンアブラムシ(Rhopalosiphum psedobr
assicas)、ナシグンバイ(Stephanitis nashi)、アオ
カメムシ(Nezara spp.)、トコジラミ(Cimex lectular
ius )、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporarior
um) 、キジラミ(Psylla spp. );
【0017】直翅目虫、例えば、チヤバネゴキブリ(Bl
atella germanica)、ワモンゴキブリ(Periplaneta am
ericana )、ケラ(Gryllotalpa africana)、バッタ
(Locusta migratoria migratoriodes);等翅目虫、例
えば、ヤマトシロアリ(Deucotermes speratus)、イエ
シロアリ(Coptotermes formosanus);双翅目虫、例え
ば、イエバエ(Musca domestica)、ネツタイシマカ(Aed
es aegypti) 、タネバエ (Hylemia platura)、アカイエ
カ(Culex pipiens)、シナハマダラカ (Anopheles slne
nsis) 、コガタアカイエカ (Culex tritaeniorhynchu
s)、等を挙げることができる。
【0018】更に、獣医学の医薬分野においては、本発
明の新規化合物を種々の有害な動物寄生虫(内部および
外部寄生虫)、例えば、昆虫類およびぜん虫に対して使
用して有効である。このような動物寄生虫の例として
は、以下の如き害虫を例示することができる。昆虫類と
しては例えば、ウマバエ(Gastrophilus spp.)、サシバ
エ(Stomoxys spp.)、ハジラミ(Trichodectes spp.)、
サシガメ(Rhodnius spp.)、イヌノミ(Ctenocephalide
s canis)等を挙げることができる。
【0019】本発明ではこれらすべてを包含する虫類に
対する殺虫作用を有する物質として殺虫剤と呼ぶことが
ある。本発明の式(I)活性化合物は通常の製剤形態に
することができる。そして斯る形態としては、液剤、エ
マルジョン、懸濁剤、粉剤、泡沫剤、ペースト、粒剤、
エアゾール、活性化合物浸潤−天然及び合成物、マイク
ロカプセル、種子用被覆剤、燃焼装置を備えた製剤(例
えば燃焼装置としては、くん蒸及び煙霧カートリッジ、
かん並びにコイル)、そしてULV〔コールドミスト
(cold mist)、ウオームミスト(warm mist)〕を挙げる
ことができる。
【0020】これらの製剤は公知の方法で製造すること
ができる。斯る方法は、例えば、活性化合物を、展開
剤、即ち、液体希釈剤;液化ガス希釈剤;固体希釈剤、
又は担体、場合によっては界面活性剤、即ち、乳化剤及
び/又は分散剤及び/又は泡沫形成剤を用いて、混合す
ることによって行なうことができる。展開剤として水を
用いる場合には、例えば、有機溶液は、また補助溶媒と
して使用することができる。液体希釈剤又は担体の例と
しては、たとえば、芳香族炭化水素類(例えば、キシレ
ン、トルエン、アルキルナフタレン等)、クロル化芳香
族又はクロル化脂肪族炭化水素類(例えば、クロロベン
ゼン類、塩化エチレン類、塩化メチレン等)、脂肪族炭
化水素類〔例えば、シクロヘキサン等、パラフィン類
(例えば鉱油留分等)〕、アルコール類(例えば、ブタ
ノール、グリコール及びそれらのエーテル、エステル
等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン
等)、強極性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド等)そして水も挙げることができ
る。
【0021】液化ガス希釈剤又は担体は、常温常圧でガ
スであり、その例としては、例えばブタン、プロパン、
窒素ガス、二酸化炭素、そしてハロゲン化炭化水素類の
ようなエアゾール噴射剤を挙げることができる。固体希
釈剤としては、土壌天然鉱物(例えば、カオリン、クレ
ー、タルク、チョーク、石英、アタパルガイド、モンモ
リロナイト、又は珪藻土等)、土壌合成鉱物(例えば、高
分散ケイ酸、アルミナ、ケイ酸塩等)を挙げることがで
きる。粒剤のための固体担体としては、粉砕且つ分別さ
れた岩石(例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石、白
雲石等)、無機及び有機物粉の合成粒、そして細粒体又
は有機物質(例えば、おがくず、ココやしの実のから、
とうもろこしの穂軸そしてタバコの茎等)を挙げること
ができる。乳化剤及び/又は泡沫剤としては、非イオン
及び陰イオン乳化剤〔例えば、ポリオキシエチレン脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエー
テル(例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテ
ル、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アリール
スルホン酸塩等)〕、アルブミン加水分解生成物を挙げ
ることができる。
【0022】分散剤としては、例えばリグニンサルファ
イト廃液そしてメチルセルロースを包含する。固着剤
も、製剤(粉剤、粒剤、乳剤)に使用することができ、
斯る固着剤としては、カルボキシメチルセルロースそし
て天然及び合成ポリマー(例えば、アラビアゴム、ポリ
ビニルアルコールそしてポリビニルアセテート等)を挙
げることができる。着色剤を使用することもでき、斯る
着色剤としては、無機顔料(例えば酸化鉄、酸化チタン
そしてプルシアンブルー)、そしてアリザリン染料、ア
ゾ染料又は金属フタロシアニン染料のような有機染料、
そして更に、鉄、マンガン、ボロン、銅、コバルト、モ
リブデン、亜鉛のそれらの塩のような微量要素を挙げる
ことができる。該製剤は、例えば、前記活性成分を0.
1〜95重量%、好ましくは0.5〜90重量%含有す
ることができる。
【0023】本発明の式(I)活性化合物は、それらの
商業上、有用な製剤及び、それらの製剤によって調製さ
れた使用形態で、他の活性化合物、例えば、殺虫剤、毒
餌、殺菌剤、殺ダニ剤、殺センチユウ剤、殺カビ剤、生
長調整剤又は除草剤との混合剤として、利用することも
できる。ここで、上記殺虫剤としては、例えば、有機リ
ン剤、カーバメート剤、カーボキシレート系薬剤、クロ
ル化炭化水素系薬剤、微生物より生産される殺虫性物質
を挙げることができる。更に、本発明の式(I)活性化
合物は、共力剤との混合剤としても、利用することがで
き、斯る製剤及び、使用形態は、商業上有用なものを挙
げることができる。該共力剤は、それ自体、活性である
必要はなく、活性化合物の作用を増幅する化合物であ
る。
【0024】本発明の式(I)活性化合物の商業上有用
な使用形態における含有量は、広い範囲内で、変えるこ
とができる。本発明の式(I)活性化合物の使用上の濃
度は、例えば 0.0000001〜100 重量%であって、好まし
くは、0.0001〜1重量%である。本発明式(I)化合物
は、使用形態に適合した通常の方法で使用することがで
きる。衛生害虫、貯蔵物に対する害虫に使用される際に
は活性化合物は、石灰物質上のアルカリに対する良好な
安定性はもちろんのこと、木材及び土壌における優れた
残効性によって、きわだたされている。次に実施例によ
り本発明の内容を具体的に説明するが、本発明はこれの
みに限定されるべきものではない。
【0025】製造例 実施例1
【化12】 3−モルホリノン(10.1g)をトルエン(100m
l)に溶解し70℃に加熱し、これにジメチル硫酸(1
2.6g)を30分にわたって滴下した。その後、6時
間加熱還流した。放冷後、氷浴にて冷しながら無水炭酸
カリウム(13.8g)を少しづつ加えた。1時間攪拌
後、析出している塩を濾過し、濾液を濃縮すると3−メ
トキシ−5,6−ジヒドロ−2H−オキサジンの粗成物
(8g)が得られた。これを30mlの無水THF(テト
ラヒドロフラン)に溶解し2.9gのシアナミドを加え
3時間加熱還流した。減圧下THFを留去し残渣をクロ
ロホルムより再結晶すれば2gの3−シアノイミノモル
ホリン(mp.169℃〜170℃)が得られた。この
3−シアノイミノモルホリン(1.25g)をアセトニ
トリル(50ml)に溶解し2−クロロ−5−クロロメチ
ルピリジン(1.62g)と無水炭酸カリウム(1.4
g)を加え5時間加熱還流した。放冷後、反応液を氷水
に注入し、ジクロロメタンで抽出する。有機層を常法で
処理したものを更にシリカゲルクロマトグラフィーを用
いて精製(溶出液クロロホルム:エタノール 95:
5)すると目的の4−(2−クロロ−5−ピリジルメチ
ル)−3−シアノイミノモルホリン(0.9g)を得
た。mp.97−98.5℃
【0026】実施例2
【化13】 5−メチル−2−ニトロイミノ−ヘキサヒドロ−1,
3,5−トリアジン(3.0g)をDMF(20ml)に
溶解させ0〜5℃で水素化ナトリウム(950mgoil fr
ee )を少しづつ加えた。0〜5℃で1時間攪拌した
後、DMF(ジメチルホルムアミド)(20ml)に溶解
させた2−クロロ−5−クロロメチルピリミジン(3.
1g)をこの温度を保ちながらゆっくり滴下し、さらに
5時間攪拌した。反応混合物を氷水に注ぎ塩化メチレン
で数回抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ溶媒を
留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー
(溶出液:エタノール:クロロホルム=1:20)で精
製し目的の1−(2−クロロ−5−ピリジルメチル)−
5−メチル−2−ニトロイミノ−ヘキサヒドロ−1,
3,5−トリアジン(3.7g)が得られた。mp.1
60〜161℃
【0027】実施例3
【化14】 5−メチル−2−シアノイミノ−ヘキサヒドロ−1,
3,5−トリアジン(6.0g)、5−クロロ−2−ク
ロロメチルピリジン(7.0g)、無水炭素カリウム
(6.6g)およびアセトニトリル(80ml)からなる
混合物を10時間加熱還流させた。放冷後、固型物を濾
別し濾液を減圧下濃縮し、得られた残渣をカラムクロマ
トグラフィー(溶出液エタノール:クロロホルム=1:
20)で精製し、目的の1−(2−クロロ−5−ピリジ
ルメチル)−5−メチル−2−シアノイミノ−ヘキサヒ
ドロ−1,3,5−トリアジン(7.9g)が得られ
た。mp.198〜202℃
【0028】実施例4
【化15】 5−メトキシ−2−ニトロイミノ−ヘキサヒドロ−1,
3,5−トリアジンの塩酸塩(10g)をDMF(18
0ml)に懸濁させ0〜5℃で水素化ナトリウム(3.4
g oil free )を少しづつ加えた。0〜5℃で1時間攪
拌した後、DMF(20ml)に溶解させた2−クロロ−
5−クロロメチルピリジン(7.7g)をこの温度を保
ちながらゆっくり滴下しさらに5時間攪拌した。反応混
合物を氷水に注ぎ塩化メチレンで数回抽出し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥させ溶媒を留去し、得られた残渣を
シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液エタノール:ク
ロロホルム=1:20)で精製し、目的の1−(2−ク
ロロ−5−ピリジルメチル)−5−メトキシ−2−ニト
ロイミノ−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(8.5g)が得られた。mp.159〜163℃ 第1表に上記実施例と同様に合成できる化合物を、上記
化合物と共に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】
【表6】
【0035】
【表7】
【0036】
【中間体の製法】
実施例5
【化16】 ニトログアニジン(10g)、メトキシアミン・塩酸塩
(9.6g)、75%パラホルムアルデヒド(11.5
g)、トルエン(80ml)及び触媒量の濃塩酸とからな
る混合物を水を除去しながら3時間加熱還流した。減圧
下に溶媒を留去し白色の結晶5−メトキシ−2−ニトロ
イミノ−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジンの塩酸
塩(16.2g)を得た。mp.160−170℃
【0037】実施例6
【化17】 ニトログアニジン(21g)、40%メチルアミン水溶
液(15.7g)およびホルマリン(40ml)とからな
る混合物を50〜60℃で1時間攪拌する。減圧下に溶
媒を留去して得られる残渣をエタノールから再結して、
5−メチル−2−ニトロイミノ−ヘキサヒドロ−1,
3,5−トリアジン(2.6g)が得られる。mp.2
06〜210℃(分解)
【0038】
【化18】 シアノグアニジン(21g)、40%メチルアミン水溶
液(19.4 g)およびホルマリン(40ml)とからな
る混合物を50〜60℃で1時間攪拌する。減圧下に溶
媒を留去して得られる残渣をエタノールから再結晶さ
せ、5−メチル−2−シアノイミノ−ヘキサヒドロ−
1,3,5−トリアジン(24g)が得られる。mp.
170〜173℃ 生物試験例−
【0039】実施例8 有機リン剤抵抗性ツマグロヨコバイに対する試験 供試薬液の調製 溶 剤:キシロール3重量部 乳化剤:ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
1重量部 適当な活性化合物の調合物を作るために活性化合物1重
量部を前記量の乳化剤を含有する前記量の溶剤と混合
し、その混合物を水で所定濃度まで希釈した。 試験方法:直径12cmのポットに植えた草丈10cm位の
稲に、上記のように調製した活性化合物の所定濃度の水
希釈液を1ポット当り10ml散布した。散布薬液を乾燥
後、直径7cm、高さ14cmの金網をかぶせ、その中に有
機リン剤に抵抗性を示す系統のツマグロヨコバイの雌成
虫を30頭放ち、恒温室に置き2日後に死虫数を調べ殺
虫率を算出した。その結果、化合物No. 2,3,11,
12,14,15,16,17,40は、有効成分量2
00ppm で100%殺虫率を示した。
【0040】実施例9 有機リン剤、及びカーバメート剤抵抗性モモアカアブラ
ムシに対する試験 試験方法:直径15cmの素焼鉢に植えた高さ約20cmナ
ス苗(真黒長ナス)に飼育した有機リン剤、及びカーバ
メート剤抵抗性モモアカアブラムシを1苗当り約200
頭接種し、接種1日後に、実施例8と同様に調製した活
性化合物の所定濃度の水希釈液をスプレーガンを用い
て、充分量散布した。散布後28℃の温度に放置し、散
布24時間後に殺虫率を算出した。尚、試験は2回反復
で行った。その結果、化合物No. 2,3,11,12,
14,15,16,17,40の化合物は、有効成分量
500ppm で100%の殺虫率を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A01N 43/88 102 47/40 9159−4H C07D 401/14 213 7602−4C 403/06 241 7602−4C 405/06 251 7602−4C 409/06 251 7602−4C 413/06 251 7602−4C 417/06 251 9051−4C 265 9051−4C 419/06 9051−4C (72)発明者 本田 育郎 東京都田無市南町3−17−7 (72)発明者 渋谷 克彦 東京都八王子市並木町39−15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: 【化1】 式中、Aは、S、O又はNから選ばれるヘテロ原子を1
    〜3含む、5員環又は6員環のヘテロアリール基を示
    し、該ヘテロアリール基は、ハロゲン原子又は炭素数1
    〜4のアルキル基によって置換されていてもよい、X
    は、CH2 又はNを示し、Yは、ニトロ基又はシアノ基
    を示し、Zは、O又はSを示し、そしてR1 は水素原子
    又はメチル基を示す、で表わされる新規ヘテロ環式化合
    物。
  2. 【請求項2】 Aが、2−クロロピリジン−5−イル又
    は2−クロロチアゾール−5−イルを示し、Xが、CH
    2 又はNを示し、Yが、ニトロ基又はシアノ基を示し、
    Zが、O又はSを示し、そしてR1 が水素原子を示し、
    で表わされる請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】式: 【化2】 式中、Aは、S、O又はNから選ばれるヘテロ原子を1
    〜3含む、5員環又は6員環のヘテロアリール基を示
    し、該ヘテロアリール基は、ハロゲン原子又は炭素数1
    〜4のアルキル基によって置換されていてもよい、X
    は、CH2 又はNを示し、Yは、ニトロ基又はシアノ基
    を示し、Zは、O又はSを示し、そしてR1 は、水素原
    子又はメチル基を示す、で表わされるヘテロ環式化合物
    を有効成分として含有することを特徴とする殺虫剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011083810A1 (ja) * 2010-01-06 2011-07-14 国立大学法人岐阜大学 イミノ誘導体とその製造方法、並びにこれを含有する殺虫剤

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