JPH06315812A - 開先加工機などの倣い切削装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カッター交換が容易迅速にでき、かつスピン
ドルの折損を生じない倣い切削装置を提供する。 【構成】 カッターＡに取付孔６を設けて、この取付孔
６をスピンドル２の端部に設けた取付部２ａに嵌合す
る。上記カッターＡの先端部に取付軸部４ａを形成し
て、この取付軸部４ａにベアリング１０を介して緊密に
ガイドローラ９を取りつける。上記スピンドル２とカッ
ターＡとは、止めねじ８により締結固定する。また、ガ
イドローラ９の直径は、カッターＡの切刃部の直径より
も小さく構成する。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】この発明は、角コラム材、丸パイ
プ材などの外周面を倣って、その端面部に開先加工など
の切削加工を行う加工機械に係り、特にその倣い切削装
置に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】従来、図２に示すような倣い切削装置が
知られている。この装置は、スピンドル２１にカッター
２２とガイドローラ２３を並列して配設し、ワークＷの
外周面ａにガイドローラ２２を当接して転動しながらカ
ッター２２により切削加工を行ったものである。この従
来の装置にあって、カッター２２を交換するには、カッ
ター２２とガイドローラ２３を別個に取り外さなければ
ならない。 【０００３】交換を容易にするには、スピンドル２１に
対しガイドローラ２３を機械的ガタを許容して取りつけ
ねばならない。ところで、この倣い切削装置では、カッ
ター２２による切削力に対抗するために、ガイドローラ
２３をワークＷの外周面ａに強く圧接することを要する
が、上記のガタのために振動を生じ、スピンドルに曲げ
応力が作用する。よって長期の使用においては、スピン
ドルが疲労折損するという問題がある。 【０００４】上記の問題点を解決した倣い切削装置が、
本出願人から提案されている。「開先加工機における倣
い切削装置」と題してなされたこの発明（特公平４−１
６２８５号参照）は、ガイドローラとカッターとを分離
して別系に構成し、ガイドローラの圧接力がスピンドル
に影響しないように工夫したものである。 【０００５】 【発明が解決しようとする課題】この提案に係る装置で
は、カッター交換を行うために、まず取付部材ごとカッ
ターを取り外し、そしてこの後に、スピンドルからカッ
ターを取り外さなければならない。また取りつけに当た
っては、上記の逆順で操作を行なわなければならず、作
業が大掛かりとなって時間が掛かるという問題がある。 【０００６】本発明は、上記した従来技術の問題点に着
目してなされたもので、カッターの交換が容易であり、
かつスピンドルの折損の虞れのない倣い切削装置を提供
しようとするものである。 【０００７】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る切削装置は次のようにしたものであ
る。すなわち、その要旨とするところは、カッターに取
付孔を設けて、この取付孔を軸受筒から突出するスピン
ドルに嵌合すると共に、カッターの先端部に取付軸部を
形成して、この取付軸部にベアリングを介してガイドロ
ーラを配設したことにある。 【０００８】 【作用】カッターとガイドローラとが一体的に構成され
るので、カッター交換に当たって、ガイドローラを着脱
する必要がない。このため、操作を容易かつ迅速に行う
ことができる。また、ガイドローラとカッターとを分離
する必要がないから、両者をガタなく構成することがで
き、これによって切削加工時の振動発生を抑えることが
できる。 【０００９】 【実施例】以下、この発明に係る倣い切削装置を一実施
例について具体的に説明する。図１において、１は軸受
筒 ２は端部を軸受筒１から突出して設けたスピンドル
２ａはスピンドル２の先端部に形成した軸状の取付部
３は取付部２ａの外周に突起するキー部材である。な
お、上記スピンドル２は、図示省略の電動モータによっ
て回転駆動される。 【００１０】Ａは截頭円錐形状のカッターで、カッター
ボディ４に多数のスローアウェイチップ５を植設し、外
周面に切刃部を構成する。６はカッターボディ４の中心
部に設けた取付孔 この取付孔６は、前記スピンドル端
の取付部２ａに緊密に嵌合する大きさをもつ。７は取付
孔５の開口部に設けたキー溝で、キー部材３に嵌合す
る。８は取付部２ａに螺合したスピンドル軸心方向の止
めねじで、カッターＡをスピンドル２に締結固定する。 【００１１】次に、４ａはカッターボディ４の先端部に
形成した取付軸部 この取付軸部４ａの軸心とスピンド
ル軸心とは一致して設ける。９はベアリング１０を介し
て取付部８の外周部に配設したガイドローラ このベア
リング１０は、その内輪を取付軸部に、外輪をガイドロ
ーラ９の内周面にそれぞれガタなく嵌合する。１１はベ
アリング１０の側部に設けた横押えリングである。 【００１２】上記において、ガイドローラ９の直径はカ
ッターＡにおける切刃部の最大直径より小さくし、切刃
部の最小直径とほぼ同じに設定する。Ｗはワーク ａは
ワークＷの外周面 ｂはワークＷの端面部である。な
お、前記ガイドローラ９は、図示しない作動手段によっ
てワークＷの外周面ａに圧接され、周面方向に転動移動
されるようになっている。 【００１３】一実施例に係る倣い切削装置の構成は上記
の通りであり、止めねじ８を緩めた後にハンマーなどを
用いてカッターボディ４を図の左方向へたたけば、スピ
ンドル２の取付部２ａから取付孔６が抜け出し、カッタ
ーＡを取り外すことができる。このカッターＡの離脱時
にガイドローラ９も一緒に取り外すことができる。カッ
ターＡを取りつけるときは、上記の逆順に操作を行う。
なお最後の止めねじ８の締結は、強固に行う。 【００１４】上記の構成において、カッターＡに対して
ガイドローラ９を取り外す必要がないので、両者をガタ
なく緊密に構成することができる。またカッターＡとス
ピンドル２は、嵌合後に止めねじ８によって締結固定さ
れる。従って、ガイドローラ９をワークＷの外周面ａに
強く圧接した状態で切削加工を行った場合でも、ガタに
起因する振動の発生がなく、スピンドル２が疲労折損が
ない。 【００１５】なお上記の一実施例では、カッターＡ側に
取付孔６を設け、これに対してスピンドル２に取付部２
ａを設けたが、両者の配設関係を逆にして、カッターＡ
側に取付部を突設しても良い。この場合、両者の接合部
には、チャック手段（図示省略）を備える必要がある。
しかし、このために軸受筒１とカッターＡとの間隔が広
がるので構成が大形になることは避け得ない。 【００１６】また実施例では、ガイドローラ９の直径を
カッターＡにおける切刃部の直径寸法より小さく形成し
たので、切刃部の全周面を外側へ開放することができ
る。従って、ガイドローラ９をカッターＡへ取りつけた
ままで容易にスローアウェイチップ５の交換を行うこと
ができる。 【００１７】 【発明の効果】以上のように本発明に係る倣い切削装置
は、カッターとガイドローラとを一体的に構成したの
で、個別に取り外した従来方式と違って、カッター交換
を容易かつ迅速に行うことができるという優れた効果を
発揮する。また一体化により両者の機械的ガタをなくす
ることができ、これに起因する切削時の振動を抑えるこ
とができる。よって、スピンドルの折損の問題も解決で
きる。

【図面の簡単な説明】 【図１】この発明に係る倣い切削装置の構成を示す縦断
面図である。 【図２】従来の倣い切削装置の構成を示す説明図であ
る。 【符号の説明】 ２ スピンドル ２ａ 取付部 Ａ カッター ４ カッターボディ ４ａ 取付軸部 ６ 取付孔 ８ 止めねじ ９ ガイドローラ １０ ベアリング

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 ワークの外周面に、カッターとこのカッターの回転軸に
   一致するガイドローラを対応し、上記ガイドローラをワ
   ークの外周面に当接した状態で転動することにより切削
   加工を行う加工機において、 上記カッターに取付孔を設けて、この取付孔を軸受筒か
   ら突出するスピンドルに嵌合すると共に、カッターの先
   端部に取付軸部を形成して、この取付軸部にベアリング
   を介してガイドローラを配設し、さらに上記ガイドロー
   ラの直径をカッターにおける切刃部の最大直径より小さ
   く構成したことを特徴とする開先加工機などの倣い切削
   装置。