JPH06315279A - パルスレーザの電源装置 - Google Patents

パルスレーザの電源装置

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JPH06315279A
JPH06315279A JP10266593A JP10266593A JPH06315279A JP H06315279 A JPH06315279 A JP H06315279A JP 10266593 A JP10266593 A JP 10266593A JP 10266593 A JP10266593 A JP 10266593A JP H06315279 A JPH06315279 A JP H06315279A
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JP
Japan
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current
flash lamp
voltage
power supply
smoothing capacitor
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Pending
Application number
JP10266593A
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English (en)
Inventor
Shigenori Aoki
茂徳 青木
Yasuo Tanaka
康雄 田中
Naoki Mitsuyanagi
直毅 三柳
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】パルスレーザの電源装置において、フラッシュ
ランプに流れる電流波形を任意に可変制御できるように
する。 【構成】直流電源2で蓄電された大容量コンデンサ3よ
りスイッチ回路4を用いて電荷をパルス状に放電し、こ
れによりフラッシュランプ7に電流を供給してパルス状
に発光させ、発振素子9を励起してレーザ光を発生させ
るパルスレーザの電源装置において、スイッチ回路4に
並列に高速開閉するスイッチ回路14を接続し、その出
力端よりフラッシュランプ7に並列に平滑コンデンサ1
5を接続し、スイッチ回路14に直列に逆耐圧用ダイオ
ード16を接続する。また、電圧検出回路18で検出し
た平滑コンデンサ15の両端電圧を比較部13cで所定
の電圧と比較し、その結果に基づきスイッチ回路14の
開閉速度を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フラッシュランプで発
振素子を励起しレーザ光を発生させるパルスレーザ発振
器に係わり、特にフラッシュランプに流れる電流波形を
制御することが可能なパルスレーザの電源装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】YAGレーザ等の固体レーザを発振させ
るレーザ発振器は、レーザ発振を起こすYAGロッド等
の発振素子と、そのロッドに光を照射して励起エネルギ
を与えるフラッシュランプとを備えており、フラッシュ
ランプをパルス状に発光させることによってパルス状の
レーザ光を発振させる。また、このフラッシュランプに
は直流電源と大容量コンデンサとスイッチ回路とが結線
されており、直流電源で予め蓄電した大容量コンデンサ
よりスイッチ手段を用いて電荷をパルス状に放電させ、
この放電によってフラッシュランプにパルスエネルギが
供給され、フラッシュランプがパルス状に発光する。こ
のフラッシュランプの出力は、スイッチ手段によるパル
ス状の放電時間と大容量コンデンサの蓄電電圧によって
制御される。
【0003】上記のようなレーザ光を用いて例えば溶接
などの加工を行う場合、加工する材料や加工形状によっ
てフラッシュランプを流れる電流(以下、ランプ電流と
いう)のパルス波形の形状を変化させる制御、即ち波形
制御を行うと良質な加工ができるとされている。
【0004】このようなランプ電流の波形制御を行う従
来の技術として、特開平4−144098号公報に記載
のものが知られている。この特開平4−144098号
公報においては、前述のような大容量コンデンサとスイ
ッチ回路とを用いてフラッシュランプを発光させる構成
に加え、コンデンサとコイルとスイッチング素子とで構
成される少なくとも2つの共振充電回路を大容量コンデ
ンサに並列接続しており、大容量コンデンサから放電さ
れる電流波形に共振充電回路より放電される電流波形を
合成することにより、ランプ電流の電流波形を制御して
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のフラッシュラン
プに直流電源と大容量コンデンサとスイッチ回路とを単
純に結線しただけの構成では、ランプ電流は大容量コン
デンサの蓄電電圧に依存する自然放電のみとなるため、
その波形制御は不可能である。
【0006】また、特開平4−144098号公報に記
載の構成においては、大容量コンデンサからの放電によ
りこれに並列接続された共振充電回路が充電され、この
共振充電回路が充電されるのを待って波形制御が行われ
ることになる。従って、この共振充電回路の充電中は波
形制御ができず、例えばパルスの立ち上がり点からの波
形制御ができない。また、共振充電回路の充電電圧は共
振充電回路に含まれるコイルのインダクタンスに依存す
るため、ランプ電流の波形制御の目的で上記充電電圧を
変更しようとするとコイルを取り替える必要がある。従
って、共振充電回路からの放電電流を任意に可変制御す
ることが困難である。
【0007】本発明の目的は、フラッシュランプに流れ
る電流波形を任意に可変制御できるパルスレーザの電源
装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、直流電源で蓄電された大容量コン
デンサより第1のスイッチ手段を用いて電荷をパルス状
に放電し、この放電によってフラッシュランプに電流を
供給して前記フラッシュランプをパルス状に発光させ、
この発光により発振素子を励起してレーザ光を発生させ
るパルスレーザの電源装置において、前記第1のスイッ
チ手段に並列に接続され前記第1のスイッチ手段よりも
高速なパルス状の開閉動作を所定期間継続する第2のス
イッチ手段と、この第2のスイッチ手段の出力端より前
記フラッシュランプに並列に接続された平滑コンデンサ
と、この平滑コンデンサの両端の電圧を検出する検出手
段と、この検出手段で検出された電圧に基づいて前記第
2のスイッチ手段の開閉動作の速度を制御することによ
り前記第2のスイッチ手段から前記フラッシュランプに
供給される電流値を可変制御する制御手段とを有するこ
とを特徴とするパルスレーザの電源装置が提供される。
【0009】ここで、好ましくは、前記制御手段が、前
記第1のスイッチ手段によるパルス状の開閉時間を設定
するパルス幅設定部と、前記直流電源による前記大容量
コンデンサの蓄電電圧を設定する電圧設定部と、前記検
出手段で検出された電圧を所定の電圧と比較する比較手
段と、前記第2のスイッチ手段におけるパルス状の開閉
動作の継続期間を設定すると共に前記比較手段での比較
結果に基づき前記パルス状の開閉動作の速度を設定する
開閉動作設定部とを有する。
【0010】また、好ましくは、前記平滑コンデンサの
入力端と前記フラッシュランプの入力端との間にさらに
ダイオードが接続され、かつこのダイオードの導通方向
が前記平滑コンデンサの入力端から前記フラッシュラン
プの入力端に向かう方向と一致する。
【0011】また、好ましくは、前記第2のスイッチ手
段、前記平滑コンデンサ及び前記検出手段はそれぞれ複
数個あり、各々の第2のスイッチ手段は互いに並列に接
続され、各々の平滑コンデンサは各々の第2のスイッチ
手段の出力端より前記フラッシュランプに並列に接続さ
れ、各々の検出手段は各々の平滑コンデンサの両端の電
圧を検出するよう接続されている。
【0012】
【作用】上記のように構成した本発明においては、ま
ず、大容量コンデンサが直流電源で蓄電される。そし
て、第1のスイッチ手段を閉じることにより上記大容量
コンデンサから電荷がパルス状に放電され、この放電に
よってフラッシュランプにパルス状の電流が供給され
る。この時の放電電圧は大容量コンデンサの蓄電電圧で
ある。
【0013】一方、第1のスイッチ手段に並列に接続さ
れた第2のスイッチ手段を閉じることにより、この第2
のスイッチ手段をも介して放電が行われる。この時、第
2のスイッチ手段のパルス状の開閉動作は第1のスイッ
チ手段よりも高速であるため、第2のスイッチ手段を介
して放電される電流の変化はその開閉動作に追従できな
い。即ち、電流が増加して第1のスイッチ手段を介して
放電される電流値と同一の電流値に近づこうするとすぐ
に第2のスイッチ手段が開となって減少し始め、減少し
て0になろうとするとすぐに第2のスイッチ手段が閉と
なって増加し始め、この電流は第1のスイッチ手段を介
して放電される電流値よりも低い電流値の近傍で増減を
繰り返す。そして、この増減する電流は、フラッシュラ
ンプに並列に接続された平滑コンデンサにより平坦に修
正されてフラッシュランプに供給される。これにより、
第2のスイッチ手段に抵抗を直列に接続したのと同様の
作用が得られ、第2のスイッチ手段側からフラッシュラ
ンプに供給される電流値は第1のスイッチ手段を介して
フラッシュランプに供給される電流値よりも小さく制限
される。また、上記第2のスイッチ手段の開閉動作が所
定期間継続することにより、その所定期間に相当するパ
ルス状の電流が第2のスイッチ手段側からフラッシュラ
ンプに供給されることになる。
【0014】これら第1及び第2のスイッチ手段からの
電流が合成されてフラッシュランプに供給され、フラッ
シュランプがパルス状に発光する。このフラッシュラン
プの発光により発振素子が励起されてレーザ光が発生す
る。
【0015】また、平滑コンデンサの両端の電圧も第2
のスイッチ手段を介して放電される電流と同様に変化す
るが、この電圧を検出手段によって検出して制御手段に
フィードバックし、それに基づいて第2のスイッチ手段
の開閉動作の速度を制御する。このように、第2のスイ
ッチ手段の開閉動作の速度を制御することにより、第2
のスイッチ手段を介して放電される時の先述したような
電流の増減が制御され、平滑コンデンサにより平坦に修
正される電流値が制御される。従って、第2のスイッチ
手段側からフラッシュランプに供給される電流値を可変
制御することが可能となり、上記開閉動作の継続期間を
変化させればこの電流波形を可変制御することが可能と
なる。
【0016】以上のことから、第1及び第2のスイッチ
手段側からフラッシュランプに供給される電流を合成し
て得られる電流、即ちフラッシュランプに流れるランプ
電流の電流波形を任意に可変制御することが可能とな
る。
【0017】また、上記制御手段において、第1のスイ
ッチ手段によるパルス状の開閉時間がパルス幅設定部に
よって設定されることにより、第1のスイッチ手段を介
して流れる電流の放電時間が制御され、また、大容量コ
ンデンサの蓄電電圧が電圧設定部で設定されることによ
り、第1のスイッチ手段を介して放電される放電電圧が
制御され、その電流値が制御される。また、上記制御手
段においては、検出手段で検出された電圧が比較手段で
所定の電圧と比較され、その比較結果に基づき開閉動作
設定部で第2のスイッチ手段によるパルス状の開閉動作
の速度が設定される。さらにこの開閉動作設定部では、
パルス状の開閉動作の継続期間も設定される。上記比較
手段における所定の電圧と開閉動作設定部におけるパル
ス状の開閉動作の継続期間を変化させることにより、第
2のスイッチ手段側からフラッシュランプに供給される
電流の電流波形が可変制御される。
【0018】また、平滑コンデンサの入力端とフラッシ
ュランプの入力端との間にさらにダイオードを接続し、
しかも平滑コンデンサの入力端からフラッシュランプの
入力端に向かう方向と上記ダイオードの導通方向とを一
致させることにより、第1のスイッチ手段の出力端電圧
が平滑コンデンサの入力端電圧よりも高くなった場合に
平滑コンデンサに電流が逆流することがなく、電流の制
御が不可能になることがない。
【0019】また、第2のスイッチ手段、平滑コンデン
サ及び検出手段を複数個設け、各々を上記と同様に接続
することにより、各々の第2のスイッチ手段からフラッ
シュランプに供給される電流の電流波形を別個に制御す
れば、各々の電流波形を合成してフラッシュランプに流
れるランプ電流の電流波形をさらに複雑に可変制御する
ことが可能となる。
【0020】
【実施例】本発明によるパルスレーザの電源装置の一実
施例について、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1は、本実施例のパルスレーザの電源装置の構成図で
ある。図1においてパルスレーザの電源装置は、商用電
源1と、商用電源1からの交流電流を直流に整流し供給
する直流電源2と、レーザ光を発振するレーザ発振器1
2と、直流電源2及びレーザ発振器12の間の回路を構
成する大容量コンデンサ3、スイッチ回路4、シマー回
路5、及びトリガ回路6と、スイッチ回路4に並列に接
続されたスイッチ回路14と、スイッチ回路14の出力
端よりレーザ発振器12内のフラッシュランプ7(後述
する)に並列に接続された平滑コンデンサ15と、平滑
コンデンサ15の入力端及びフラッシュランプ7の入力
端の間に接続された逆耐圧用ダイオード16と、トリガ
回路6及びフラッシュランプ7の入力端の間に接続され
た逆耐圧用ダイオード17と、平滑コンデンサ15の両
端の電圧を検出する電圧検出回路18と、装置全体の制
御を行う制御手段としてのコントロール回路13とを有
する。また、上記スイッチ回路14、平滑コンデンサ1
5、逆耐圧用ダイオード16及び電圧検出回路18は電
流波形制御回路20を構成する。
【0021】コントロール回路13は、スイッチ回路4
におけるパルス状の開閉時間、即ちパルス幅を設定する
パルス幅設定部13aと、直流電源2の電圧、即ち大容
量コンデンサ3の蓄電電圧を設定する電圧設定部13b
と、電圧検出回路18で検出した電圧値と所定の電圧値
とを比較する比較部13cと、比較部13cでの比較結
果に基づいてスイッチ回路14におけるパルス状の開閉
動作の速度を設定すると共にこの開閉動作の継続期間を
設定する開閉動作設定部13dと、上記各設定部におけ
る諸設定値を外部から入力する入力部13eとを備え
る。
【0022】レーザ発振器12は、光励起型の固体レー
ザであり、クリプトンランプやキセノンランプ等からな
る励起用のフラッシュランプ7を発光させると、そのエ
ネルギによってYAGロッド等の発振素子9がレーザ光
を発生する。レーザ光はエンドミラー8と出力ミラー1
0との間で共振し、ある強度に達すると出力ミラー10
から外部に出ていく。
【0023】フラッシュランプ7にはシマー回路5によ
り予め設定された電圧(シマー電圧)が印加され、この
状態のフラッシュランプ7のまわりのトリガ電極13に
トリガ回路6で電場をかけることによりフラッシュラン
プ7にシマー電流が流されている。このシマー電流は、
フラッシュランプ7が安定して発光しレーザ発振が安定
に行えるように予め流される微弱な電流である。
【0024】以上の構成において、運転時には以下のよ
うな動作が行われる。まず、商用電源1から例えばAC
200(V)の電力が電流電源2に供給され、直流電源
2によって交流が直流に整流され、コントロール回路1
3の電圧設定部13bからの信号により、予め設定され
た電圧で大容量コンデンサ3が蓄電される。大容量コン
デンサ3が蓄電されると、スイッチ回路4は、コントロ
ール回路13のパルス幅設定部13aからのコントロー
ル信号S1により、予め設定されたパルス幅で回路を閉
じ大容量コンデンサ3に蓄えられた電荷をパルス状に放
電する。この放電によってフラッシュランプ7にパルス
状に電流が供給される。また、逆耐圧用ダイオード17
は、その導通方向がスイッチ回路4からフラッシュラン
プ7に向かう方向に一致するように接続されており、ス
イッチ回路4が閉の時にフラッシュランプ7またはスイ
ッチ回路14からスイッチ回路4に電流が逆流しないよ
うにするためのものである。但し、この逆耐圧用ダイオ
ード17は、その機能をスイッチ回路4に含めることに
より、省略することができる。
【0025】一方、スイッチ回路14は、コントロール
回路13の開閉動作設定部13dからのコントロール信
号S2によって回路を開閉し、大容量コンデンサ3に蓄
えられた電荷をパルス状に放電する。この開閉速度は、
後述のように比較部13cにおける比較結果に基づいて
設定されるが、十分高速であり、そのパルス幅はスイッ
チ回路4に対して設定されるパルス幅よりも十分短い。
従って、スイッチ回路14を介して放電される電流の変
化はこの開閉動作に追従できず、この電流は増減を繰り
返す。この増減する電流は、フラッシュランプ7に並列
に接続された平滑コンデンサ15の働きにより平坦に修
正されてフラッシュランプ7に供給される。上記のよう
に増減する電流を平坦に修正することによってスイッチ
回路14に抵抗を直列に接続したのと同様の状態とな
り、平坦に修正された電流値はスイッチ回路4を介して
流れる電流値よりも小さく制限される。また、コントロ
ール信号S2は、開閉動作設定部13dにおいて予め設
定された所定の期間だけ上記開閉動作を継続させ、上記
のように平坦に修正された電流はその所定期間だけ流れ
る。即ち、上記所定期間だけ継続するパルス状の電流が
スイッチ回路14側からフラッシュランプ7に供給され
ることになる。
【0026】このように、スイッチ回路4側からフラッ
シュランプ7に供給される電流値スイッチ回路14側か
らフラッシュランプ7に供給される電流値とは異なる。
そして、スイッチ回路4側及びスイッチ回路14側から
の電流が合成され、ランプ電流としてフラッシュランプ
7に流れる。フラッシュランプ7には前述のように予め
シマー電流が流されており、この状態で上記ランプ電流
が供給されることにより、フラッシュランプ7は発光す
る。このフラッシュランプ7の発光により発振素子9は
パルスエネルギを得、励起されてパルス状にレーザ光を
発生する。
【0027】また、逆耐圧用ダイオード16は、その導
通方向がスイッチ回路14からフラッシュランプ7に向
かう方向に一致するように接続されており、これによっ
て、スイッチ回路14が閉の時であって、しかもスイッ
チ回路4の出力端電圧が平滑コンデンサ15の入力端電
圧よりも高くなった場合に、平滑コンデンサ15に電流
が逆流することがなく、電流の制御が不可能になること
がない。
【0028】また、平滑コンデンサ15の両端の電圧は
スイッチ回路14を介して放電される電流と同様に増減
するが、この電圧は電圧検出回路18によって検出され
コントロール回路13の比較部13cにフィードバック
される。比較部13cでは、電圧検出回路18で検出さ
れフィードバックされた電圧値と予め設定された所定の
電圧とが比較され、その比較結果に基づき開閉動作設定
部13dにおけるスイッチ回路14の開閉動作の速度が
設定される。
【0029】図2はこの時の電流波形が形成される過程
の一例を説明する図である。パルス幅設定部13aから
図2(a)に示すパルス幅のコントロール信号(短形パ
ルス信号)S1がスイッチ回路4に入力されるとスイッ
チ回路4はそのパルス幅に相当する時間間隔だけ回路を
閉じ、大容量コンデンサ3から電流がフラッシュランプ
7に流れる。この放電電圧は図2(b)に示すように大
容量コンデンサ3の充電電圧V1となる。そして、図2
(c)に示すように、この電圧V1に応じた電流I1がフ
ラッシュランプに供給される。
【0030】また、パルス幅設定部13aから、図2
(d)に示すようにコントロール信号(短形パルス信
号)S2がスイッチ回路14に入力される。このコント
ロール信号S2は、コントロール信号S1のパルス幅に比
べて十分に短い周期t1でON/OFFし、所定の期間
2だけそのON/OFFが継続する。このON/OF
Fに従ってスイッチ回路14は回路を開閉し、大容量コ
ンデンサ3から電流がフラッシュランプ7に流れるので
あるが、周期t1が短いために、電流が増加してスイッ
チ回路4側の電流値に近づこうするとすぐにスイッチ回
路14が開となって減少し始め、減少して0になろうと
するとすぐにスイッチ回路14が閉となって増加し始め
る。従って、スイッチ回路14を介して放電される電流
は図2(e)のようにのこぎり状の波形となり、スイッ
チ回路14の出力端の電圧、即ち平滑コンデンサ15の
両端の電圧も図2(f)のようにのこぎり状になる。
【0031】図2(e)の電流波形は、フラッシュラン
プ7に並列に接続された平滑コンデンサ15の働きによ
り図2(g)のようにほぼ平坦に修正され、電流I2
して逆耐圧用ダイオード16を介してフラッシュランプ
7に供給される。この時、先述の理由によって電流I2
の値はスイッチ回路4側の電流I1の値よりも小さく制
限される。
【0032】上記スイッチ回路4側の電流I1とスイッ
チ回路14側の電流I2とは合成され、ランプ電流IL
電流波形は図2(h)のようになり、フラッシュランプ
7にはスイッチ回路4が閉になっている間だけ電流I1
が流れ、他の期間は電流I1よりも少量の電流I2が流れ
ることになる。
【0033】また、図2(f)に示すように、平滑コン
デンサ15の両端の電圧は図2(e)の電流と同様に変
化する。この電圧が先述のように電圧検出回路18で検
出されて比較部13cにフィードバックされると、比較
部13cで図2(f)中の所定の電圧V2と比較され、
それに基づいてコントロール信号S2のON/OFF周
期t1の長さが制御され、スイッチ回路14の開閉動作
の速度が制御される。つまり、スイッチ回路14を閉と
して電流を増加させ、平滑コンデンサ15の両端の電圧
がV2に達するとスイッチ回路14を開とし電流を減少
させる。また、電流が減少し平滑コンデンサ15の電圧
がV2より下がるとスイッチ回路14を閉として電流を
増加させる。この動作を繰り返し行うことによってスイ
ッチ回路14の出力端の電圧、即ち平滑コンデンサ15
の両端の電圧がV2近傍において周期t1で推移するよう
に制御される。従って、図2(e)の電流を平坦に修正
した図2(g)の電流I2の値、即ち逆耐圧用ダイオー
ド16からフラッシュランプ7に供給される電流は、上
記のように平滑コンデンサ15の両端の電圧をもとに制
御されることになる。また、比較部13に設定される所
定の電圧V2の値を変更することにより、電流I2の値を
変更することができる。
【0034】以上のようにしてスイッチ回路14側から
フラッシュランプ7に供給される電流I2の値を可変制
御することが可能となり、併せてコントロール信号S1
のON/OFFの継続期間t2を変化させればこの電流
2の波形を可変制御することができる。これに加え、
パルス幅設定部13aにおけるコントロール信号S1
任意に設定可能であり、大容量コンデンサ3の充電電圧
1は電圧設定部13bで設定可能であることにより、
電流I1のパルス波形を任意に変更することができる。
従って、電流I1及びI2を合成したランプ電流ILの電
流波形を任意に可変制御することができる。
【0035】実際の運転時においては、ある一定のパル
スレーザの周期、従ってパルスレーザの周波数が入力部
13dより予め入力されており、この周期毎に上記説明
した動作、即ちパルス幅設定部13a、電圧設定部13
b、開閉動作設定部13dからの各設定値に基づく信号
の出力、大容量コンデンサ3の蓄電、スイッチ回路4側
からの放電、スイッチ回路14側からの放電が行われ、
波形の制御が行われたランプ電流ILが一定周期でパル
ス状にフラッシュランプ7に流れ、レーザ光が一定周期
でパルス状に発振する。
【0036】以上のように本実施例においては、スイッ
チ回路14の開閉動作がスイッチ回路4よりも高速(周
期t1)であるため、スイッチ回路14を介して放電さ
れる電流の変化はその開閉動作に追従できずにその値が
小さく制限され、平滑コンデンサ15により平坦に修正
されてフラッシュランプ7に供給される電流I2の値は
スイッチ回路4を介して放電される電流I1の値よりも
小さくなる。また、電圧検出回路18で検出した平滑コ
ンデンサ15の両端の電圧を比較部13cにフィードバ
ックし、所定の電圧V2と比較しその結果に基づいてス
イッチ回路14の開閉動作の速度を制御するので、上記
所定の電圧V2の値を変更することにより、上記電流I2
の値を制御することができる。さらに、開閉動作設定部
13dよりスイッチ回路14に設定される所定の期間t
2を変更することにより、上記電流I2の継続期間を制御
することができる。従って、スイッチ回路14側からフ
ラッシュランプ7に供給される電流I2の波形を可変制
御することができる。
【0037】一方、スイッチ回路4を介して放電される
電流I1の波形はパルス幅設定部13a及び電圧設定部
13bで設定可能である。従って、上記電流I1及びI2
を合成したフラッシュランプ7に流れるランプ電流IL
の電流波形を任意に可変制御することができる。
【0038】また、逆耐圧用ダイオード16を、その導
通方向がスイッチ回路14からフラッシュランプ7に向
かう方向に一致するように接続するので、スイッチ回路
14が閉の時でスイッチ回路4の出力端電圧が平滑コン
デンサ15の入力端電圧よりも高くなった場合に、平滑
コンデンサ15に電流が逆流することがなく、電流の制
御が不可能になることがない。
【0039】本発明によるパルスレーザの電源装置の他
の実施例について、図3及び図4を参照しながら説明す
る。本実施例においては、図3に示すように、スイッチ
回路14aがスイッチ回路4及びスイッチ回路14に並
列に接続され、平滑コンデンサ15aがスイッチ回路1
4aの出力端よりフラッシュランプ7に並列に接続さ
れ、電圧検出回路18aが平滑コンデンサ15aの両端
の電圧を検出するよう接続され、逆耐圧用ダイオード1
6aが平滑コンデンサ15aの入力端及びフラッシュラ
ンプ7の入力端の間に接続されている。従って、図3の
回路は、図1のスイッチ回路14、平滑コンデンサ1
5、逆耐圧用ダイオード16及び電圧検出回路18で構
成される電流波形制御回路20に加え、スイッチ回路1
4a、平滑コンデンサ15a、逆耐圧用ダイオード16
a及び電圧検出回路18aで構成される電流波形制御回
路21がさらに接続されたものとなる。また、コントロ
ール回路13の開閉動作設定部13dは、コントロール
信号S3によってスイッチ回路14aにおけるパルス状
の開閉動作の速度及びその継続期間t3(図4参照)を
設定し、電圧検出回路18aで検出した電圧値は比較部
13cにフィードバックされて所定の電圧値V3(図4
参照)と比較され、この比較結果に基づいてスイッチ回
路14aにおけるパルス状の開閉動作の速度が設定され
る。これ以外の構成は図1と同様である。但し、比較部
13cにおける所定の電圧値V3はV2とは独立に設定さ
れ、かつコントロール信号S3のON/OFF周期及び
その継続時間t3は、コントロール信号S2のON/OF
F周期及びその継続時間t2と独立に設定される。
【0040】上記構成において、図1と同様に大容量コ
ンデンサ3が蓄電された後、スイッチ回路4により、パ
ルス幅設定部13aからのコントロール信号S1に従っ
て予め設定されたパルス幅で電荷をパルス状に放電す
る。また、スイッチ回路14により、やはり図1と同様
に開閉動作設定部13dからのコントロール信号S2
従ってスイッチ回路14を介して放電が行われる。
【0041】さらに上記に加え、開閉動作設定部13d
からのコントロール信号S3に従って、スイッチ回路1
4aを介して放電が行われる。このスイッチ回路14a
の開閉速度は、スイッチ回路14と同様に十分高速であ
り、これを流れる電流は増減を繰り返し、平滑コンデン
サ15aの働きにより平坦に修正されてフラッシュラン
プ7に供給される。この時もスイッチ回路14aに抵抗
を直列に接続したのと同様の状態となり、平坦に修正さ
れた電流値はスイッチ回路4を介して流れる電流値より
も小さく制限される。また、所定の期間t3だけ上記開
閉動作が継続し、上記のように平坦に修正された電流は
期間t3だけパルス状に流れる。
【0042】そして、スイッチ回路4側、スイッチ回路
14側及びスイッチ回路14a側からの電流が合成さ
れ、ランプ電流としてフラッシュランプ7に流れる。
【0043】また、逆耐圧用ダイオード16aは、その
導通方向がスイッチ回路14aからフラッシュランプ7
に向かう方向に一致するように接続されており、逆耐圧
用ダイオード16と同様の機能を果たす。
【0044】また、平滑コンデンサ15aの両端の電圧
は電圧検出回路18aによって検出され、コントロール
回路13の比較部13cにフィードバックされる。比較
部13cでは、この電圧値と予め設定された所定の電圧
3とが比較され、その比較結果に基づき開閉動作設定
部13dにおけるスイッチ回路14aの開閉動作の速度
が設定される。
【0045】図4はこの時の電流波形の一例を説明する
図である。図4において、スイッチ回路4を介して放電
される電流I1は前述と同様に(a)のような波形にな
り、スイッチ回路14側からの電流I2は前述と同様に
(b)のような波形になる。また、スイッチ回路14a
側からの電流I3は電流I2と同様に電流値が小さく制限
され図4(c)のような波形になる。そして、これら図
4(a)から(c)に示した電流I1と電流I2と電流I
3とが合成され、ランプ電流ILの電流波形は図4(d)
のようになる。
【0046】実際の運転時においては、ある一定のパル
スレーザの周期、従ってパルスレーザの周波数が入力部
13dより予め入力されており、この周期毎に上記説明
した動作が行われ、波形の制御が行われたランプ電流I
Lが一定周期でパルス状にフラッシュランプ7に流れ、
レーザ光が一定周期でパルス状に発振する。
【0047】また、図1の場合と同様に、比較部13c
における所定の電圧V3の値を変更することにより、上
記電流I3の値を制御することができ、開閉動作設定部
13dより設定される所定の期間t3を変更することに
より、上記電流I3の継続期間を制御することができ
る。従って、スイッチ回路14a側からフラッシュラン
プ7に供給される電流I3の波形をスイッチ回路14側
からの電流I2と同様に可変制御することができる。さ
らに、スイッチ回路4を介して放電される電流I1の波
形はパルス幅設定部13a及び電圧設定部13bで設定
可能であるので、上記I1〜I3を合成して得られるラン
プ電流ILの電流波形を任意に可変制御することができ
る。さらに、本実施例では、電流波形制御回路21を設
けることにより、図1及び図2の場合よりも複雑な可変
制御を行うことができる。
【0048】尚、本実施例では2つの電流波形制御回路
20及び21を設けたが、スイッチ回路と可変抵抗回路
とで構成される電流波形制御回路を3個以上設け、それ
ぞれを別個に制御してもよい。このようにすれば、各々
の電流波形を合成することによりフラッシュランプに流
れるランプ電流の電流波形をさらに複雑に可変制御する
ことが可能となる。
【0049】以上のように本実施例によれば、2つの電
流波形制御回路20及び21を設けるので、フラッシュ
ランプ7に流れるランプ電流ILの電流波形を複雑に可
変制御することができる。また、3個以上の電流波形制
御回路を設ければ、各々の電流波形を合成することによ
りフラッシュランプに流れるランプ電流の電流波形をさ
らに複雑に可変制御することが可能となる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、第1のスイッチ手段に
加えて第2のスイッチ手段を設け、その第2のスイッチ
手段側よりフラッシュランプに供給される電流波形を可
変制御するので、第1のスイッチ手段側から供給される
電流と第2のスイッチ手段側から供給される電流を合成
して得られるランプ電流の電流波形を任意に可変制御す
ることができる。
【0051】また、複数個の第2のスイッチ手段、平滑
コンデンサ及び検出手段を設け、各々で構成される回路
を複数個並列に結線し、各々の回路を流れる放電電流の
波形を別個に制御するので、フラッシュランプに流れる
ランプ電流の電流波形をさらに複雑に可変制御すること
ができる。
【0052】従って、本発明によれば、パルスレーザ発
振器においてフラッシュランプに流れる電流波形を任意
に可変制御することができ、例えばレーザ光を用いた溶
接を行う場合に良質な加工を行うための最適な入熱条件
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるパルスレーザの電源装
置の構成図である。
【図2】図1のパルスレーザの電源装置において電流波
形が形成される過程の一例を説明する図である。
【図3】本発明の他の実施例によるパルスレーザの電源
装置の構成図である。
【図4】図3のパルスレーザの電源装置において形成さ
れる電流波形の一例を説明する図である。
【符号の説明】
2 直流電源 3 大容量コンデンサ 4 スイッチ回路 7 フラッシュランプ 9 発振素子 12 レーザ発振器 13 コントロール回路 13a パルス幅設定部 13b 電圧設定部 13c 比較部 13d 開閉動作設定部 13e 入力部 14,14a スイッチ回路 15,15a 平滑コンデンサ 16,16a 逆耐圧用ダイオード 18,18a 電圧検出回路 20,21 電流波形制御回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源で蓄電された大容量コンデンサ
    より第1のスイッチ手段を用いて電荷をパルス状に放電
    し、この放電によってフラッシュランプに電流を供給し
    て前記フラッシュランプをパルス状に発光させ、この発
    光により発振素子を励起してレーザ光を発生させるパル
    スレーザの電源装置において、 前記第1のスイッチ手段に並列に接続され前記第1のス
    イッチ手段よりも高速なパルス状の開閉動作を所定期間
    継続する第2のスイッチ手段と、この第2のスイッチ手
    段の出力端より前記フラッシュランプに並列に接続され
    た平滑コンデンサと、この平滑コンデンサの両端の電圧
    を検出する検出手段と、この検出手段で検出された電圧
    に基づいて前記第2のスイッチ手段の開閉動作の速度を
    制御することにより前記第2のスイッチ手段から前記フ
    ラッシュランプに供給される電流値を可変制御する制御
    手段とを有することを特徴とするパルスレーザの電源装
    置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記第1のスイッチ手
    段によるパルス状の開閉時間を設定するパルス幅設定部
    と、前記直流電源による前記大容量コンデンサの蓄電電
    圧を設定する電圧設定部と、前記検出手段で検出された
    電圧を所定の電圧と比較する比較手段と、前記第2のス
    イッチ手段におけるパルス状の開閉動作の継続期間を設
    定すると共に前記比較手段での比較結果に基づき前記パ
    ルス状の開閉動作の速度を設定する開閉動作設定部とを
    有することを特徴とする請求項1記載のパルスレーザの
    電源装置。
  3. 【請求項3】 前記平滑コンデンサの入力端と前記フラ
    ッシュランプの入力端との間にさらにダイオードが接続
    され、かつこのダイオードの導通方向が前記平滑コンデ
    ンサの入力端から前記フラッシュランプの入力端に向か
    う方向と一致することを特徴とする請求項1記載のパル
    スレーザの電源装置。
  4. 【請求項4】 前記第2のスイッチ手段、前記平滑コン
    デンサ及び前記検出手段はそれぞれ複数個あり、各々の
    第2のスイッチ手段は互いに並列に接続され、各々の平
    滑コンデンサは各々の第2のスイッチ手段の出力端より
    前記フラッシュランプに並列に接続され、各々の検出手
    段は各々の平滑コンデンサの両端の電圧を検出するよう
    接続されていることを特徴とする請求項1記載のパルス
    レーザの電源装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012105976A1 (en) * 2011-02-03 2012-08-09 Ipg Photonics Corporation System for driving pulsed laser diode pump
US11621540B2 (en) 2020-03-31 2023-04-04 Ipg Photonics Corporation High powered laser electronics

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US12051888B2 (en) 2020-03-31 2024-07-30 Ipg Photonics Corporation High powered laser electronics

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