JPH06315259A - Pwm高調波ノイズ低減装置 - Google Patents

Pwm高調波ノイズ低減装置

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JPH06315259A
JPH06315259A JP5101177A JP10117793A JPH06315259A JP H06315259 A JPH06315259 A JP H06315259A JP 5101177 A JP5101177 A JP 5101177A JP 10117793 A JP10117793 A JP 10117793A JP H06315259 A JPH06315259 A JP H06315259A
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JP
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signal
harmonic noise
noise
spectrum
harmonic
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JP5101177A
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English (en)
Inventor
Yuichi Takeuchi
有一 竹内
Norihito Tokura
規仁 戸倉
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Denso Corp
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NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パルス幅変調(PWM)方式の電力制御装置
から出力される所定の高調波ノイズを完全に除去するこ
とができるノイズ低減装置を提供する。 【構成】 PWM信号発生器PSからのPWM信号Se
により電力供給される負荷Lの電流経路に、負荷電流i
gを検出する電流センサ10を設ける。そして、この電
流センサ10が検出した負荷電流igの周波数スペクト
ルを周波数分析部20にて測定し、信号処理部30,逆
フーリエ変換部40及びPLL部50において、その測
定した周波数スペクトルに基づき、所定の高調波ノイズ
を除去するためのノイズキャンセラ信号Sdを生成し、
この信号SdをPWM信号発生器PSからの信号Seに
重畳する。この結果、PWM信号Seからは所定の高調
波ノイズ成分が完全に消去されることとなり、この高調
波ノイズがラジオ受信機の受信性能等に影響を与えるの
を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パルス幅変調方式の電
力制御装置から出力される高調波ノイズを低減するPW
M高調波ノイズ低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、パルス幅変調(PWM:Puls
e Width Modulation)方式でモータなどの負荷に対す
る電力供給を最適に制御し、かつ装置自体の電力損失が
少ない電力制御装置が知られている。そして、この種の
電力制御装置は、近年、自動車にも搭載されて各部負
荷、例えばサイドミラー角度調整用やアンテナ伸縮用の
駆動モータなどへバッテリからの電力供給を制御するた
めの装置として広く採用されている。
【0003】ところで、この種の電力制御装置では、多
くは正弦波基準信号を、それより高い周波数の三角波で
変調してパルス幅変調信号を生成し、この信号により駆
動回路をスイッチングさせて電源から負荷への供給電力
を制御するため、パルス幅変調信号を基準とするノイズ
が発生する。このノイズの周波数スペクトルは、基本波
であるスイッチング周波数と、その整数倍の周波数であ
る高調波とを成分としており、高調波の強度は周波数が
逓増するにしたがって逓減する。これらは、フーリエ級
数によって説明される公知事実である。
【0004】フーリエ級数によれば、あらゆる信号は正
弦波信号の合成信号として表される。即ち、 f(t) =A0/2 + Σ[An cos(nωt) + Bnsin(nω
t)] ここで、f(t)は角周波数ωの任意波形の信号、Σの範
囲は n=1から n=∞ 、A0,An,Bn は次数(n) に対
応する定数である。
【0005】また、フーリエ変換により、信号は、信号
を構成する成分の周波数分布、即ちスペクトルとして表
すことができ、周期関数のときには離散スペクトルとな
り、非周期関数のときは連続スペクトルとなる。例え
ば、方形波の場合、A0=0,A1=0,B1=4/π,A2=0,
B2=0, …,An=0,Bn=0(ただし、次数(n) が偶数の
とき、次数(n) が奇数のときは、Bn=4/(n×π))で
あり、周波数強度(振幅)は、An の自乗と、Bn と自
乗との和について平方根で表される。
【0006】一例を挙げれば、振幅1、周期Tの方形波
は次式で表される。 f(t)=4/π(sin(ωt) + 1/3sin(ωt) + 1/5sin(ω
t) + …) ここで、sin(ωt)が基本波、他の項が高調波であり、周
波数強度は基本波から順に、4/π,4/3π,4/5πで
ある。なお一般に、フーリエ級数の演算は、実際の回路
構成においては必ず周波数応答の上限があるので、回路
が扱える高調波成分の範囲も限定され、演算回数は有限
になる。
【0007】このようにパルス幅変調方式の電力制御装
置は、高調波ノイズを発生するが、この高調波がAMラ
ジオ受信機の受信帯域(例えば、国内では535KHz
〜1605KHz)に分布している場合、高調波が放送
電波と干渉してビート音を発生させるといった問題があ
った。さらに、自動選局機能をもつ受信機においては高
調波を放送電波と誤認して同調するために選局機能が働
かないといった問題もでていた。
【0008】そして、従来では、これら問題の解決策と
して、PWM電力制御装置から負荷への電源ラインや、
電源から負荷への電源ラインにインダクタやキャパシタ
からなるノイズフィルタを設ける方法や、装置全体をシ
ールドケースで包むことで装置外にでる高調波を抑制す
る方法等が採用されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなノ
イズ対策には、サイズや容量が大きなインダクタ及びキ
ャパシタ、あるいは装置全体を覆うことのできるほど
の、サイズ、重量とも大きな金属シールドケースが必要
となるので、設置スペースの拡大という問題があった。
電力が増加すれば、高調波ノイズの強度も増大するの
で、上記問題はいっそう深刻になる。
【0010】さらに、電磁シールドを施し得ない部分か
ら高調波が装置外へ放射され、AMラジオにノイズとし
て入り込むといった問題も残されていた。具体的には、
高調波の大部分は、シールドケースに吸収されるが、P
WM電力制御装置と負荷やバッテリとの結線部分はシー
ルドされておらず、ここから高調波が放射され、ノイズ
源となるといった問題が生じた。
【0011】そこで、本発明は電磁シールドなどの物理
的手段やノイズフィルタなどの受動的抑制手段によらず
高調波ノイズを能動的電気的に低減することができるP
WM高調波ノイズ低減装置を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、図1に例示するように、パルス幅変調信号により
負荷への供給電力をデューティ制御する電力制御装置に
設けられ、該電力制御装置から出力される高調波ノイズ
を低減するPWM高調波ノイズ低減装置であって、上記
負荷に流れる負荷電流を検出する電流検出手段と、該電
流検出手段により検出された負荷電流の周波数スペクト
ルを解析するスペクトル解析手段と、該スペクトル解析
手段の解析結果に基づき、所定の高調波ノイズを消去す
るための消去スペクトルを演算する消去スペクトル演算
手段と、該演算された消去スペクトルに対応する時間波
形を演算し、該演算結果に基づいて高調波ノイズ消去の
ための消去信号を発生する消去信号発生手段と、該消去
信号を上記パルス幅変調信号に重畳する信号重畳手段
と、を備えたことを特徴とするPWM高調波ノイズ低減
装置にある。
【0013】
【作用】上記のように構成された本発明の装置によれ
ば、まずスペクトル解析手段が、電流検出手段により検
出された負荷電流の周波数スペクトルを解析する。する
と消去スペクトル演算手段が、その解析結果に基づき、
所定の高調波ノイズを消去するための消去スペクトルを
演算し、消去信号発生手段が、その演算された消去スペ
クトルに対応する時間波形を演算して、この時間波形に
基づいて高調波ノイズ消去のための消去信号を発生す
る。そして、信号重畳手段が、その消去信号をパルス幅
変調信号に重畳する。この結果、電力制御装置が発生し
たパルス幅変調信号から、高調波ノイズとなる周波数ス
ペクトルが消去されることとなる。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面と共に説明す
る。まず、図2は本発明が適用された実施例のPWM高
調波ノイズ低減装置を表すブロック図である。なお、本
実施例のPWM高調波ノイズ低減装置1は、自動車に設
けられたAMラジオ受信機の受信特性を確保するため
に、AMラジオ周波数帯域の高調波ノイズを低減するた
めのものである。
【0015】図2に示すように、PWM高調波ノイズ低
減装置1は、スイッチング周波数f0 で動作して電力制
御用のパルス幅変調信号(以下、電力制御信号とい
う。)Seを発生する電力制御装置としてのPWM信号
発生器PSと、PWM信号発生器PSからの電力制御信
号Seにより制御される駆動回路D及び負荷Lとの間に
設けられている。
【0016】駆動回路D及び負荷Lは、例えば図3に示
すように、電力制御用の電界効果トランジスタFET及
び直流モータMであり、周知のフリーホイール・ダイオ
ードFDが付加されている。そして、PWM信号発生器
PSが出力する電力制御信号Seによって、電界効果ト
ランジスタFETが駆動されることで(ゲート電圧が制
御されることで)、直流電源Bから負荷Lに流れる電流
が増減制御される。
【0017】PWM高調波ノイズ低減装置1は、負荷L
に流れる負荷電流igを検出する電流検出手段としての
電流センサ10と、負荷電流igの周波数スペクトルを
測定するスペクトル解析手段としての周波数分析部20
と、測定された周波数スペクトルに基づいてノイズ除去
のための信号処理を実行する消去スペクトル演算手段と
しての信号処理部30と、信号処理部30によるノイズ
除去処理結果に基づいてノイズキャンセラ信号Sdを発
生する消去信号発生手段としての逆フーリエ変換部40
と、ノイズキャンセラ信号Sdと負荷電流igとの位相
同期をとるためのPLL部50と、ノイズキャンセラ信
号SdとPWM信号発生器PSから出力された電力制御
信号Seとを混合して出力信号Sfを生成し、駆動回路
Dに出力する信号重畳手段としての混合部60とを主要
部として構成されている。
【0018】なお、電流センサ10としてはホール素子
やカレント・トランスなどが用いられ、各部及び各部間
の結線には高周波実装のための周知技術が採用されてい
る。PWM信号発生器PSとPWM高調波ノイズ低減装
置1との結線は最短で行われる。あるいは、PWM信号
発生器PSとPWM高調波ノイズ低減装置1とを同一回
路基板上に構成してラインの結線自体を行わない。
【0019】次に図4は、周波数分析部20,信号処理
部30及び逆フーリエ変換部40の詳細構成を表すブロ
ック図である。図4に示すように、周波数分析部20
は、電流センサ10からの負荷電流検出信号Sa(図5
のa欄に示す)を所定レベルに増幅するアンプ21、ア
ンプ21からの増幅信号と局部発振器23からの信号と
を混合するミキサ22、中間周波数帯へ増幅信号を変換
するための局部発振器23、中間周波数帯から特定の周
波数成分を抽出するローパスフィルタ24、抽出された
周波数成分のレベル(強度)を検出する検波器25、ア
ナログのレベル信号をサンプル・ホールドしてディジタ
ルのレベルデータに変換するA/D変換器26、このレ
ベルデータを格納するためのメモリ27と、ワンチップ
・コンピュータであり高速フーリエ変換の高速演算を行
うためのFFT演算ユニット28などを主要部として構
成されている。
【0020】ミキサ22では、アンプ21からの増幅入
力信号に、局部発振器23からの信号を加え混合して両
信号の差成分を取って、ローパスフィルタ24へ出力す
る。ローパスフィルタ24では、FFT演算ユニット2
8からの指令で順次、カットオフ周波数を切り替えて、
所定の周波数帯域の信号成分のみを抽出する。A/D変
換器26から得られたレベルデータはメモリに格納され
る。
【0021】なお、ミキサ22にはダブル・バランスド
・ミキサを用いるのが好ましい。局部発振器23には、
LC発振器やVCOなどを採用することができ、局部発
振器23の周波数掃引は、周知のように、LC発振器の
ときには三角波の掃引信号で、VCOのときには電圧指
令信号で行う。また、ローパスフィルタ24の選択周波
数及び分解能帯域幅や、局部発振器23の発振周波数の
切り換え、検波器25の検出レベルは、FFT演算ユニ
ット28からの指令で設定される。
【0022】FFT演算ユニット28は、メモリ27に
格納されたレベルデータについてフーリエ級数演算を実
行する。フーリエ級数によれば、あらゆる信号は周波数
の異なる正弦波が合成された波形として表される。周期
関数で表される信号(方形波信号もその一つ)であるな
らば、一般に基本波と、その整数倍の周波数をもつ正弦
波、即ち高調波の合成信号として表され、高調波が離散
的に展開される。それゆえ、それぞれの正弦波に分離し
て個々の強度(振幅)及び位相のデータを演算すること
ができる。これらの事柄から、AMラジオ周波数帯域を
含む所定帯域のスペクトル分布(図5のb欄に示す)を
離散的に示すデータを演算できる。これらデータから、
AMラジオ周波数帯域の中のn次の高調波n×f0 (n
≧2)の強度及び位相を抽出して、信号処理部30へ送
る。すなわち、AMラジオ周波数帯域を閾値範囲とし、
この範囲内の周波数をもつ高調波についてのみ振幅及び
位相データを信号処理部30へ送る。
【0023】なお、スペクトル分布を求めるためのフー
リエ級数演算は公知事項であるので、詳細は省略する。
また、本実施例のようにAMラジオ周波数帯域における
高調波ノイズを消去する場合、AMラジオ周波数帯域に
ある高調波強度についてのデータこそが必要であるの
で、周波数分析部20は、FFTアナライザとしてみた
ときの周波数分解能を必用最低限として、フーリエ変換
の演算回数を必用最低限として高速で演算を実行するよ
うに構成するのが好ましい。
【0024】次に信号処理部30は、図4に示すよう
に、周知のCPU31、ROM32、RAM33、及び
入出力インタフェース34を中心に論理演算回路として
構成されている。信号処理部30はノイズキャンセラ・
データを算出し、逆フーリエ変換部40へ送る。
【0025】ここで、信号処理部30において実行され
るノイズキャンセラ処理について、図6に示すフローチ
ャートに沿って説明する。図6に示す如く、処理を開始
すると、まずステップ110で、周波数分析部20から
AMラジオ周波数帯域にある高調波について、それぞれ
のデータ(振幅rk 、位相θk )をRAM33の所定エ
リアに読み込む。続いてステップ120に進み、高調波
の初期次数を1をセットする。さらにステップ130に
進んで、k次の高調波の振幅rk をRk 倍するための乗
算処理([rk ]=rk ×Rk )を実行し、続くステッ
プ140で、k次の高調波の位相θk をφk だけシフト
させるための加算処理([θk ]=θk +φk )を実行
する。なお、k=1,2,…nであり、[rk ]はRk
倍された振幅rk 、[θk ]はφk だけシフトされた位
相θk を表す。
【0026】次にステップ140からステップ150へ
進み、n次の高調波までステップ130及びステップ1
40の乗算及び加算の演算処理を実行したか否かを判断
する。ステップ150にて、上記演算処理が全ての高調
波について完了していないと判断したときには、ステッ
プ170に移行する。ステップ170では次数の値をイ
ンクリメントしてステップ130に戻る。
【0027】一方ステップ150にて、演算完了したと
判断すると、ステップ160へ進む。ステップ160で
は、逆フーリエ変換部40へ演算結果のデータを出力し
て処理を終了する。なお、振幅増幅及び位相シフトにつ
いては、実験において、もとのk次高調波に、振幅増幅
及び位相シフトされたk次高調波を重畳した信号を、F
FTアナライザやスペクトルアナライザによって観測し
ながら、合成されたk次高調波が最も減衰するように、
定数kを設定する。
【0028】上記処理の結果、図7に示すように、各々
の高調波についての振幅データ及び位相データが得られ
る。以下、これらデータを、ノイズキャンセラ・データ
という(図5のc欄に、ノイズキャンセラ・データに基
づくスペクトル分布を示す)。
【0029】次に、逆フーリエ変換部40は、図4に示
すように、ワンチップ・コンピュータでありノイズキャ
ンセラ・データからそのデータに対応する時間波形を算
出する逆フーリエ演算ユニット41、算出された時間波
形データを格納するためのメモリ42、時間波形データ
を図5のd欄に示すアナログ電圧信号(以下、ノイズキ
ャンセラ信号という。)に変換して出力するD/A変換
器43、ノイズキャンセラ信号増幅用のアンプ44、及
び、PLL部からの位相同期用のアナログ電圧信号をデ
ィジタル・データに変換するA/D変換器45を主要部
として構成されている。
【0030】そして、逆フーリエ演算ユニット41は、
A/D変換器45を介して入力されたPLL部50から
の電圧信号に基づいて、ノイズキャンセラ信号Sdの位
相を制御して、出力信号Sf→負荷電流ig→ノイズキ
ャンセラ信号Sd→出力信号Sfの閉ループ信号処理系
における位相同期をとる。
【0031】なお、信号処理部30から送られたノイズ
キャンセラ・データから時間波形を求める逆フーリエ変
換のための演算は公知事項なので、詳細は省略する。次
に、PLL部50は、出力信号Sfと負荷電流検出信号
Saとの位相を比較して、位相遅れに応じた電圧信号を
逆フーリエ変換部40へ出力する。なお、PLL部50
はフェーズ・ロック・ループとして周知であるので、内
部構成及び動作詳細の説明は省略する。
【0032】また、混合部60は、ノイズキャンセラ信
号Sdを、PWM信号発生器PSから出力された図5の
e欄に示す電力制御信号Seに重畳し、図5のf欄に示
す出力信号Sfを生成する。この出力信号Sfは、駆動
回路Dに入力され、負荷Lへの供給電力を制御するのに
使用されるが、この出力信号Sfにおいては、ノイズキ
ャンセラ信号Sdにより電力制御信号Se内のAMラジ
オ周波数帯域にある高調波成分が打ち消されているの
で、当該高調波の強度は減衰して負荷電流igから高調
波ノイズが除去される。このときの負荷電流igの波形
を図5のg欄に、そのスペクトル分布を図5のh欄に示
す。
【0033】以上説明したように本実施例では、AMラ
ジオ周波数帯域内の高調波について、それらの周波数ご
とに振幅及び位相を求め、これら振幅及び位相に基づい
て、当該高調波を最も減衰させる振幅と位相をもつ波形
を求めて、ノイズキャンセラ信号Sdを生成し、この信
号SdをPWM信号発生器PSからの電力制御信号Se
に重畳して、駆動回路Dに入力するので、AMラジオ周
波数帯域内の高調波ノイズを抑制することができる。
【0034】すなわち、PWM方式の電力制御において
は、電力制御信号Seは、必ず高調波を含むが、本実施
例では、駆動回路D及び負荷Lの前段で、AMラジオ周
波数帯域にある高調波を抑制してしまうので、その周波
数帯域において高調波ノイズは発生しないのである。
【0035】従って、受動素子を使った電源フィルタに
よって高調波ノイズを抑制する従来装置では、高調波レ
ベルが上昇したときにはノイズ発生を抑止することがで
きなかったが、本実施例によれば、高調波レベルの上下
動にかかわらずノイズ発生を抑止することができる。ま
た、装置全体をシールド・ケースで覆う必要がないの
で、重量増加や設置スペースの拡大といった問題も防止
できる。
【0036】なお本実施例では、周波数分析部20、信
号処理部30、逆フーリエ変換部40でそれぞれ実行さ
れるデータ処理は、高調波ごとに行われたが、A/D変
換のサンプリング周波数ごとに行ってもよい。また、本
実施例における信号処理系の遅れは、演算処理やデータ
転送によるものについては、定数として算出できるの
で、予め一定の遅れ要素を加算しておけばよい。
【0037】さらに本実施例では、周波数分析部20、
信号処理部30、逆フーリエ変換部40においてそれぞ
れ中央演算部が採用されているが、単一の中央演算部に
よるマルチタスク処理によって、各部のタスクを実行す
るように構成することもできる。また、FFT(Fast F
ourier Transform)と呼ばれる高速フーリエ演算用の中
央演算処理ユニット(いわゆるDSP)を用いてフーリ
エ変換、逆フーリエ変換の演算を高速で実行してもよ
い。
【0038】ここで本実施例では、PWM高調波ノイズ
低減装置1とPWM信号発生器PSとが分離の形態で構
成されていたが、両装置を一体化して、電源ラインを省
くように構成することも可能である。この場合には、電
源ラインから高調波ノイズが漏れることを完全に防ぐこ
とができる。
【0039】また本発明は、PWM高調波ノイズ低減装
置1、PWM信号発生器PS及び電源を一体化して、い
わゆるスイッチング電源として構成するも可能である。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のPWM高
調波ノイズ低減装置おいては、負荷電流の周波数スペク
トルを解析し、そのうちの消去すべき周波数スペクトル
に対応した消去信号を生成して、電力制御装置がするパ
ルス幅変調信号に重畳するため、パルス幅変調信号から
高調波ノイズとなるスペクトルを直接除去することがで
きる。このため、従来のように電磁シールドやノイズフ
ィルタ等を用いることなく、高調波ノイズを容易に且つ
確実に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を例示する基本的構成図である。
【図2】実施例のPWMノイズ低減装置のブロック図で
ある。
【図3】駆動回路及び負荷の具体例を示す電気回路図で
ある。
【図4】PWMノイズ低減装置内の周波数分析部,信号
処理部,および逆フーリエ変換部の詳細構成を表すブロ
ック図である。
【図5】周波数スペクトルや波形などの説明図である。
【図6】ノイズキャンセラ処理を表すフローチャートで
ある。
【図7】ノイズキャンセラ・データを表す説明図であ
る。
【符号の説明】
1…PWM高調波ノイズ低減装置 10…電流センサ 20…周波数分析部 30…信号処理部 40…逆
フーリエ変換部 50…PLL部 60…混合部 PS…PWM信号
発生器(電力制御装置) D…駆動回路 L…負荷

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルス幅変調信号により負荷への供給電
    力をデューティ制御する電力制御装置に設けられ、該電
    力制御装置から出力される高調波ノイズを低減するPW
    M高調波ノイズ低減装置であって、 上記負荷に流れる負荷電流を検出する電流検出手段と、 該電流検出手段により検出された負荷電流の周波数スペ
    クトルを解析するスペクトル解析手段と、 該スペクトル解析手段の解析結果に基づき、所定の高調
    波ノイズを消去するための消去スペクトルを演算する消
    去スペクトル演算手段と、 該演算された消去スペクトルに対応する時間波形を演算
    し、該演算結果に基づいて高調波ノイズ消去のための消
    去信号を発生する消去信号発生手段と、 該消去信号を上記パルス幅変調信号に重畳する信号重畳
    手段と、 を備えたことを特徴とするPWM高調波ノイズ低減装
    置。
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