JPH06314936A - オーディオ信号電力増幅回路およびこれを用いるオーディオ装置 - Google Patents

オーディオ信号電力増幅回路およびこれを用いるオーディオ装置

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JPH06314936A
JPH06314936A JP6052607A JP5260794A JPH06314936A JP H06314936 A JPH06314936 A JP H06314936A JP 6052607 A JP6052607 A JP 6052607A JP 5260794 A JP5260794 A JP 5260794A JP H06314936 A JPH06314936 A JP H06314936A
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Kei Nishioka
圭 西岡
Masanori Fujisawa
雅憲 藤沢
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】出力回路の消費電力を低減することができるB
TLのオーディオ信号電力増幅回路およびオーディオ装
置を提供する。 【構成】プッシュプル増幅器3及び5と、電源Vccか
ら電力を受けて可聴周波数でスイッチングして前記のそ
れぞれのアンプに給電するスイッチング回路40及び4
1と、オーディオ信号の電圧および前記アンプ3で増幅
された増幅オーディオ信号の電圧のいずれかの電圧と前
記の給電電圧との差を第1の差とし、前記オーディオ信
号の電圧およびこれが前記アンプ5で増幅された増幅オ
ーディオ信号の電圧のいずれかの電圧と前記給電電圧と
の差を第2の差とし、前記第1の差および第2の差のい
ずれかに応じて給電する電力がオーディオ信号のレベル
に対応して変化するようにスイッチング回路のスイッチ
ング期間を制御する制御回路とを備え、スピーカ4を駆
動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、オーディオ信号電力
増幅回路およびこれを用いるオーディオ装置に関し、詳
しくは、音声や演奏音等からなるオーディオ信号を増幅
してBTL(Balanced Tranceformer Less)方式の出力
回路によりスピーカを駆動して音響を出力する、ラジオ
やカセットテーププレーヤ,ビデオテープレコーダ、ビ
デオカメラ、コンポーネントステレオ装置などのオーデ
ィオ信号を発生するような装置(これらを含めてここで
はオーディオ装置という)において、BTLの出力回路
の消費電力を低減することができ、特に携帯用のオーデ
ィオ装置に適する電力増幅回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図11(a) にBTL出力回路を用いたオ
ーディオ装置の例として従来のポータブルカセットテー
ププレーヤの信号再生系の回路を簡単なブロック図で示
す。1は読取ヘッド、2は、ヘッドアンプ、イコライザ
回路等を含む信号再生処理回路、3は正相側(非反転出
力側)の出力段アンプ、4は負荷としてのスピーカ、そ
して、5は、逆相側(反転出力側)の出力段アンプであ
る。
【0003】再生時には、オーディオ信号が記録された
テープ(図示せず)から、読出ヘッド1を介して入力オ
ーディオ信号として読出信号Aが得られる。この読出信
号Aが信号再生処理回路2に入力されて、録音時の高周
波バイアス成分が除去され、イコライジング処理などが
施されて、オーディオ信号Bが再生される。再生された
オーディオ信号Bは、最終的に出力段アンプ3,5にそ
れぞれ加えられて増幅される。入力信号Bは、それぞれ
の出力段アンプにおいて出力信号C,C* となり、これ
ら出力によりスピーカ4が駆動される。その結果、スピ
ーカ4から再生音が発生する。
【0004】通常、トランジスタのアンプ3,5は、そ
れぞれの入力段に一対の信号を生成する入力段アンプ3
a ,5a を有する。オーディオ信号Bは、入力段アンプ
3aにより増幅されて相互に位相が180゜相違する一
対の信号にされる。これら信号が出力段アンプを構成す
るプシュプルトランジスタQ1 ,Q2 で増幅されて、出
力信号Cとして電力増幅される。また、オーディオ信号
Bは、入力段アンプ5a により反転増幅されて同様にプ
シュプルトランジスタQ3 ,Q4 で増幅されて、出力信
号C* として電力増幅される。
【0005】出力段アンプ3を例としてその電力増幅に
ついて詳述すると、入力信号Bに応じて出力段アンプ3
へ給電する電源ラインVccの電圧がトランジスタQ1 で
出力信号Cの電圧まで降下される。言い替えれば、トラ
ンジスタQ1 の内部インピーダンスによる降下電圧の量
がオーディオ信号Bの波形に応じて変化する結果として
出力信号Cが生成される。ことき、トランジスタQ1
は、電源ラインVccの電圧と出力信号Cの電圧との差電
圧を受け持つ。その結果として、トランジスタQ1 は、
前記差電圧分の電力を消費する。
【0006】なお、出力段アンプの構成は、説明の都合
上、図では出力トランジスタQ1 ,Q2 だけの簡単な回
路にしているが、実際の回路としては、ドライブ回路等
の周辺回路が加わっていてもよい。そして、以上のこと
は、出力段アンプ5についても同様である。特に、BT
L回路の場合には、通常、入力段アンプ3a ,5a が差
動増幅回路で構成されていて、アンプ3,5の出力端子
から入力段差動アンプ3a ,5a の基準電圧(Vcc/2
の電圧,Vccは電源電圧)が加えられる反転入力側へネ
ガティブフィードバックがかけられているが、発明には
直接関係していないので図ではそれが省略されている。
【0007】ここで、BTL出力段アンプ3,5の動作
を詳述すると、オーディオ信号Bの電圧値が基準電圧
(Vcc/2)より上にあるときには、入力段アンプ3a
の出力により電源側トランジスタQ1 が能動状態にされ
接地側トランジスタQ2 が遮断状態にされる。さらに入
力段アンプ5a の出力により電源側トランジスタQ3 が
遮断状態にされ接地側トランジスタQ4 が能動状態にさ
れる。そして、オーディオ信号Bの電圧値に応じた電流
が電源ラインVccからトランジスタQ1 を経てスピーカ
4,トランジスタQ4 ,グランドへと流れる。
【0008】オーディオ信号Bの電圧値が基準電圧より
下にあるときには、トランジスタのON,OFF関係が
前記と逆になり、オーディオ信号Bの電圧値に応じた電
流が電源ラインVccからトランジスタQ3 ,スピーカ
4,トランジスタQ2 ,グランドへと流れる。オーディ
オ信号Bの電圧値が基準電圧にあるときには、各トラン
ジスタは、OFF状態にある。このときには、前記の入
力段アンプ3a ,5a へのネガティブフィードバックに
より、各アンプ3,5の出力端子はVcc/2になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、互いに逆
相で動作する一対の出力段アンプ3,5を設けてBTL
動作をさせたときの各トランジスタQ1 ,Q2 ,Q3 ,
Q4 で消費される電力を図11(b) の斜線で示す。な
お、図では各トランジスタが消費する電力を斜線の方向
を換えることでそれぞれの斜線の範囲で示している。斜
線で示す出力トランジスタの降下電圧による電力は、パ
ワー増幅用のトランジスタによって熱として放散され
る。このため、電力損失が大きいパワートランジスタが
必要になる。ここで大きな電力が消費されるので、BT
L出力回路で出力信号C,C* を生成する場合の電力効
率はよくない。
【0010】このことは、特に、限られた電力のバッテ
リーで動作する携帯形のオーディオ装置では、装置の動
作時間が電力使用効率によって左右されることになるの
で問題になる。しかも、この種の装置では、長時間動作
可能なことが製品価値として極めて重要である。そこ
で、できるだけ消費電力の少ない装置であることが要請
されている。この発明の目的は、出力回路の消費電力を
低減することができるBTLのオーディオ信号電力増幅
回路を提供することにある。この発明の他の目的は、出
力回路のトランジスタの消費電力を低減することにより
電力損失の低いトランジスタが使用できるBTLのオー
ディオ信号電力増幅回路を提供することにある。また、
この発明の目的は、オーディオ装置のBTLの出力回路
の消費電力を低減することができるオーディオ装置を提
供することにある。この発明のさらに他の目的は、携帯
用に適したオーディオ装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るこの発明のオーディオ信号電力増幅回路およびこれを
用いるオーディオ装置の特徴は、オーディオ信号を受け
てこれを増幅して出力するプッシュプルの第1のアンプ
と、前記オーディオ信号を受けてこれを反転増幅して出
力するプッシュプルの第2のアンプと、電源ラインから
電力を受けて可聴周波数を超える周波数でスイッチング
動作をして前記第1または第2のアンプに給電するスイ
ッチング回路と、オーディオ信号の電圧およびこのオー
ディオ信号を前記アンプで増幅することで生成された増
幅オーディオ信号の電圧のいずれかの電圧と前記の給電
する電力の電圧との差を第1の差とし、前記オーディオ
信号の電圧および前記オーディオ信号を前記第2のアン
プで増幅することで生成された増幅オーディオ信号の電
圧のいずれかの電圧と前記給電する電力の電圧との差を
第2の差とし、前記第1の差および第2の差のいずれか
に応じて給電する電力がオーディオ信号のレベルに対応
して変化するようにスイッチング回路のスイッチング期
間を制御する制御回路とを備え、前記第1のアンプの出
力と前記第2のアンプの出力とによりスピーカを駆動す
るものである。
【0012】
【作用】第1または第2のアンプと電源ラインとの間に
前記のような制御をする制御回路とスイッチング回路と
を設けることにより、アンプへの給電電力がスイッチン
グ制御により生成される。しかも、アンプへの給電電力
の電圧は、オーディオ信号の電圧に応じてフィードバッ
クがかかる。そこで、給電電力の電圧とこのアンプの出
力信号の電圧との電位差を一定に維持するように動作さ
せることができる。そこで、この一定の電位差をアンプ
の動作に要する最低電圧か、それ以上でも低い電圧の範
囲で一定値に維持するようにすることができる。
【0013】この一定の電位差(一定電圧)は、アンプ
においては、出力信号を生成するための降下電圧に対応
している。そこで、ここでは、アンプでの降下電圧が前
記の最低電圧か、それ以上の低い一定電圧に維持されて
増幅動作が行われることになる。このときの出力信号の
電流値は、スイッチング回路から給電された電力により
決定され、それは、入力されたオーディオ信号に応じた
電流になる。また、このときのアンプの消費電力は、前
記一定電圧でほぼ決定される。そこで、従来のように一
定の電源電圧から直接電圧降下させて出力信号を得たと
きの消費電力よりも消費電力が低くなる。
【0014】一方、電源ラインVccをスイッチングする
ために発生するスイッチング回路とこれの制御回路の和
の電力損失は、スイッチングトランジスタのON抵抗が
低く、常時発生するのではなく、スイッチング時に過渡
的に発生するものが主体となる。常時発生していた従来
のものに較べれば、極めて僅かなものである。これによ
る消費電力の増加は、電力増幅段の電力消費からみれば
比較的小さなものである。したがって、全体として、オ
ーディオ信号の増幅のために消費する電力損失を少なく
することができる。これにより電力使用効率を向上させ
ることができる。
【0015】なお、この発明では、電力供給ラインのス
イッチングが可聴周波数を超える速いタイミングで行わ
れる。これにより、たとえ、スイッチングに起因する歪
み成分が増幅されたオーディオ信号に含まれていたとし
ても、この成分は最終的には聞き取られることがない。
よって、実用上、オーディオ信号の質を損なうことがな
く、オーディオ装置としての性能を維持することができ
る。
【0016】
【実施例】図1において、出力段回路30は、ポータブ
ルカセットテーププレーヤ10の出力段増幅回路であっ
て、図11のアンプ3,5に対して電力を供給する供給
電力制御回路40,41がそれぞれ、それぞれのアンプ
対応に設けられている。なお、入力段アンプ3a ,5a
の反転入力側にネガティブフィードバックがかけられて
いるが、図では、それが省略されている。また、図11
と同一の構成は同一の符号を付してある。したがって、
説明は割愛する。また、図示はしていないが、電源ライ
ンVccは、携帯用のオーディオ装置として、電池の+側
の出力電力ラインに接続されている。
【0017】供給電力制御回路40は、PWM(パルス
ワイドモジュレーション)の制御により出力電力を、こ
の電力の電圧がオーディオ信号の出力信号の電圧に対し
て一定値に維持されるようにスイッチングレギュレーシ
ョンする電力制御回路である。供給電流の制御は、入力
信号の信号レベルに応じて決定される出力トランジスタ
Q1 の内部インピーダンスの変化に応じて行われる。そ
のために、出力電力の電圧と出力信号Cの電圧とを検出
する。そして、これらの差に対応する電力をトランジス
タQ1 に供給して、トランジスタQ1 の出力側と電力供
給端子との間の電位差が一定になるように制御する。こ
れにより同時に、入力信号(あるいは出力信号)に応じ
た電力を供給される。この回路40は、検出回路50、
スイッチングレギュレーション回路60、そして平滑回
路70からなる。なお、点線で示すコンデンサCN は、
高周波信号をバイパスさせるためのものであり、その容
量は、2000P程度である。このコンデンサは原理的
には不要である。
【0018】スイッチングレギュレーション回路60
は、電源ラインVccとアンプ3への電力供給端子(出力
端子6)との間に挿入された回路である。これは、制御
電圧値発生回路65とスイッチング回路66とからな
る。制御電圧値発生回路65は、トランジスタQ61とア
ンプ61とを有していて、スイッチング制御のための制
御電圧値を発生する。スイッチング回路66は、コンパ
レータ62とPNP形のスイッチングトランジスタQ6
2、そして三角波発生回路63とからり、電源ラインVc
cに接続される電力供給ラインをトランジスタQ62によ
りON/OFFして、その結果得られる電力を平滑回路
70を介して出力端子6に送出する。それが出力端子6
に発生する、アンプ3に対する給電電力Dになる。
【0019】供給電力制御回路40の制御により出力端
子6の電圧は、出力信号Cのレベルに追従して変動する
ことになるが、この出力端子6とトランジスタQ1 の出
力信号の出力端子との電位差が一定に維持されること
で、前述したように、トランジスタQ1 での消費電力は
低減される。すなわち、ここでは、出力信号Cの信号レ
ベルが低いときには、それに応じて出力端子6の電圧も
低くなる。出力信号Cの信号レベルが高いときには、そ
れに応じて出力端子6の電圧も高くなる。
【0020】供給電力制御回路40とトランジスタQ1
との全消費電力が、従来のトランジスタQ1 による消費
電力より少なくなければならない。これは、スイッチン
グ周波数を高い周波数に選択すること、例えば、50k
Hz〜800kHz程度の高い周波数にすること、そし
て出力端子6とトランジスタQ1 の出力信号の出力端子
との電位差を、従来の電源ラインVccからの平均的な電
圧降下よりも低い一定の電圧に維持することで達成でき
る。これにより、従来のトランジスタQ1 における電源
電圧Vccからの電圧降下により発生する平均的な消費電
力より小さく抑えられる。
【0021】さて、先に説明したように、アンプ3は、
オーディオ信号Bを受け、これをトランジスタQ1 ,Q
2 でプッシュプル増幅してパワー増幅し、増幅された出
力信号Cを生成する。検出回路50は、ベース−エミッ
タ間を検出端子とするNPNトランジスタQ50を主体と
して構成されている。その検出信号Eは、スイッチング
レギュレーション回路60のトランジスタQ61に出力さ
れてトランジスタQ62をON/OFFさせる。トランジ
スタQ50は、給電電力Dの電圧をそのエミッタに受け、
そのベースには、アンプ3から出力される出力信号Cの
電圧を順方向接続のダイオードD51,D52を介して受け
る。その結果、検出回路50の検出動作は、給電電力D
の電圧と出力信号Cの電圧との差電圧VD-C が1Vf
(ベース・エミッタ間の順方向降下電圧)より大きいか
否かに応じて異なってくる。
【0022】この差電圧VD-C が1Vf 以下のときには
トランジスタQ50がONする。これにより、差電圧1V
f −VD-C の検出信号E(=誤差電圧)に応じた電流を
トランジスタQ61に加える。トランジスタQ61は、この
誤差電圧に応じてそれを増幅した電圧を分圧電圧F(後
述)として発生する。一方、差電圧VD-C が1Vf を越
えたときには、トランスタQ50はOFFする。これによ
り一定電圧(=Vcc)の検出信号Eが発生する。なお、
51は、ダイオードD51,D52をON状態に維持するた
めの定電流源であり、出力信号Cから2×1Vf (=2
Vf )高い基準信号GをトランジスタQ50のベースに発
生する。
【0023】制御電圧値発生回路65は、検出回路50
の検出信号Eを受けてコンパレータ62に対する比較電
圧値Pを発生する。これは、検出回路50からの検出信
号Eを受けてトランジスタQ61がONしたときに、言い
替えれば、出力信号Cの電圧と出力端子6の給電電力D
の電圧の差が1Vf 以下になったときに、電源ラインV
ccの電圧と出力信号Cの電圧との間の電圧値を、直列接
続の抵抗回路R62,R63の接続点Nに分圧電圧Fとして
発生する。
【0024】アンプ61は、この分圧電圧Fを受けて、
これと基準信号Gの電圧との差分の信号を増幅して前記
の比較電圧値Pを発生する。そして、これをコンパレー
タ62の(-) 入力(基準端子側)に出力する。検出回路
50からの検出信号Eを受けてトランジスタQ61がOF
Fしたときには、すなわち、出力信号Cの電圧と出力端
子6の給電電力Dの電圧の差が1Vfを越えたときに
は、出力信号Cと基準信号Gとの差の電圧(=2Vf )
がアンプ61により増幅されることで比較電圧値Pが発生
する。これは、一定値(後述するように、三角波の信号
レベルより低い値)になる。
【0025】コンパレータ62は、(+) 入力に周波数が
可聴周波数を超える一定周波数の三角波の信号Sを三角
波発生回路63から受ける。そして、比較電圧値Pの電
圧と信号Sの電圧とを比較して信号Sの電圧が比較電圧
値Pの電圧を越えているときにはPNPトランジスタQ
62をOFFさせるHIGHレベルの信号を駆動パルスH
として出力する。この駆動パルスHは、トランジスタQ
62に加えられる。ただし、ここでの三角波の信号Sは、
基準信号Gの電圧を基準とするものであり、コンパレー
タ62に入力される前に基準信号Gと信号Sとが合成回
路64で合成される。
【0026】平滑回路70は、スイッチング回路66の
トランジスタQ62の出力に接続されていてその出力電力
を平滑化する。この回路は、トランジスタQ62の出力と
アンプ3への電力供給ライン(出力端子6)との間に直
列に挿入されたコイルL70を主体とする回路である。
このコイルL70を介することで、スイッチングされた
電力が平滑化され、平滑化された給電電力Dが出力端子
6に発生する。なお、コイルL70の入力端と接地GN
D間にはフライホイールダイオードが接続されている。
このダイオードによりコイルL70に流れる電流の還流
路が形成される。これにより電力供給ラインがスイッチ
ングトランジスタQ62により遮断されているときにコイ
ルL70に蓄えられたエネルギーが慣性電流としてアン
プ3側に供給されてコイルL70へと戻る。
【0027】次に、給電電力Dとアンプ3の出力信号C
との差電圧VD-C をほぼ1Vf に制御するスイッチング
レギュレーション回路60の動作について説明する。図
2に示すように、コンパレータ62は、その一方の入力
信号に基準信号Gを基準とした三角波の信号S(図2
(a) ,(c) 参照)が入力され、他方には、比較電圧値P
が入力される。差電圧VD-C が1Vf 以下のときには、
図2(a) に示すように、コンパレータ62は、三角波の
信号レベル(波形S)とアンプ61の出力信号(波形
P)のレベルとの比較の結果に応じた二値の駆動パルス
H(図2(b) のH参照)を発生してこれによりトランジ
スタQ62をON/OFFさせる。ここで、信号Pの前半
のレベルPa は、基準信号Gより下にある。これは、差
電圧VD-C が1Vf より少し下に維持されていてほぼ1
Vf になっている状態である。信号Pの後半のレベルP
b は、基準信号Gより上にある。このときには、差電圧
VD-C が1Vf より低くなったときである。このときに
は、給電電力Dの量を増加するように、駆動パルスHが
HIGHレベルにある期間が短くなっている。これによ
り給電電力Dが増加してその電圧が上昇して差電圧VD-
C が1Vf になるように制御される。
【0028】これにより、差電圧VD-C が1Vf 以下あ
るときには、この差を1Vf にほぼ一致させるような方
向に比較電圧値Pのレベルが変化して、この変化に応じ
た電流がアンプ3へ供給される。そして、差電圧VD-C
がほぼ1Vf になる。すなわち、比較電圧値Pと三角波
Sとの比較結果に応じたPWMが行われ、スイッチング
トランジスタQ62が駆動パルスHによりON/OFFが
制御される。そして、このような制御は検出信号Eの値
に応じて行われる。
【0029】出力信号Cの電圧と出力端子6の給電電力
Dの電圧の差が1Vf 越えたのときには、トランジスタ
Q50がOFFする。検出電圧Eは、このときに電源電圧
Vccになる。そこで、トランジスタQ61がOFFし、2
Vf の差の電圧が発生する。その結果、比較電圧値P
は、図2(c) に示すPc のレベルになり、基準信号Gよ
り2Vf 低い一定の電圧がコンパレータ62に加えられ
る。その結果、図2(d)の波形Hで示すようなHIGH
レベルに維持された駆動パルスHが発生してスイッチン
グのトランジスタQ62をOFF状態にさせる。その結
果、差電圧VD-C がほぼ1Vf に一致するようにアンプ
3への電力供給が行われて、比較電圧値Pは、Pa のレ
ベルまで復帰することになる。なお、比較電圧値Pの前
記Pa のレベルは、抵抗R62,R63の値により決定さ
れ、選択可能である。また、比較電圧値Pの前記Pc の
レベルは、三角波の振幅との関係で決定され、これも選
択可能である。また、比較電圧値Pのレベルの変化に対
する応答速度は、オーディオ信号の変化に対しては十分
速いものであり、回路の設計上で選択可能である。
【0030】具体的な動作としては、例えば、入力信号
Bの電圧レベルが大きく低下したときには、トランジス
タQ1 の内部インピーダンスが急激に上昇して、出力信
号Cの電圧と出力端子6の給電電力Dの電圧の差が1V
f を越える。このことで比較電圧値Pは、Pc で示すよ
うに三角波Sよりも下側のレベルになり、コンパレータ
62の駆動パルスHは、HIGHレベルに維持されてト
ランジスタQ62は、OFF状態に維持される。出力信号
Cと出力端子6の給電電力Dの電圧との差が1Vf 近傍
になるまで、このような制御が行われる続ける。
【0031】また、例えば、入力信号Bの電圧レベルが
大きく上昇したときには、トランジスタQ1 の内部イン
ピーダンスが急激に低下して、出力信号Cの電圧と出力
端子6の給電電力Dの電圧の差が1Vf 未満になる。こ
のときには、1Vf より低下した誤差分に対応する比較
電圧値Pb が加えられる。これにより給電電力Dの電圧
を上昇させ、差電圧VD-C の目標値を1Vf とする制御
が行われる。そして、緩やかな入力信号Bのレベルの変
化に対しては、トランジスタQ1 の内部インピーダンス
の変化に応じて、前記の1Vf 以上の場合と1Vf 以下
の場合に2つの制御が短時間に交互に行われて、図2
(e) に示すように、三角波の信号Sの複数のサイクルに
亘るパルス幅のパルスと短いパルス幅のパルスとが交互
に現れる。
【0032】ところで、三角波の周波数としては、可聴
周波数の上限が一般的には20KHzとされることや、
発振回路の調整の容易性や電力効率等を考慮して、10
0kHz〜500KHz程度の範囲がよい。なお、ここ
で、制御目標値とされる差電圧VD-C の1Vf (約0.
7V)は、アンプ3のトランジスタQ1 が単段であるこ
とに対応して決められた値である。すなわち、アンプ3
への給電電力Dの電圧とアンプ3の出力信号Cの電圧の
差VD-C は、トランジスタQ1 の応答性能等を損なわな
い値の中から、アンプ3が増幅動作を行うために必要と
する最小限の電圧であるコレクタ−エミッタ間のON時
電圧にできるだけ近い値として選択されている。したが
って、トランジスタQ1 がダーリントントランジスタで
あれば、前記の差電圧VD-C は2Vf(約1.4V)と
される。具体的には、ダイオードD51,D52に対して、
もう1つのダイオードがさらに直列に挿入される。
【0033】アンプ5側に設けられた供給電力制御回路
41の内部構成は、供給電力制御回路40と同じであ
る。その出力端子6a が出力端子6に対応し、その供給
電力D’が供給電力Dに対応している。したがって、そ
の内部構成とその動作説明は省略する。
【0034】次に、このテーププレーヤの全体的な動作
を説明する。再生時には、オーディオ信号の記録された
テープ(図示せず)から、読出ヘッド1を介してオーデ
ィオ信号の読取信号Aが得られる。この読出信号Aに対
し信号再生処理回路2でオーディオ信号Bを得る。この
オーディオ信号Bは、アンプ3,5のトランジスタQ1
,Q4 とトランジスタQ3 ,Q2 とによってそれぞれ
プッシュプル増幅される。このとき、供給電力制御回路
40からはオーディオ信号Bの基準レベルのうち上側の
半サイクルについて入力信号Bのレベルに応じた電流が
供給される。下側の半サイクルについては、アンプ5の
トランジスタQ3から出力された電流がトランジスタQ2
を介してシンクされる。これにより入力信号Bが電力
増幅されて出力信号C,C* が発生してこれによりスピ
ーカ4が駆動される。このとき、上側の半サイクルにつ
いては、アンプ3への給電電力Dの電圧とこのアンプ3
の出力信号Cの電圧との差電圧VD-C が、アンプ3の動
作に要する最小値に近い1Vf の値に維持されるように
制御されている。同様に下側の半サイクルについては、
アンプ5への給電電力D’の電圧とこのアンプ5の出力
信号C* の電圧との差電圧VD'-C* が、アンプ5の動作
に要する最小値に近い1Vf の値に維持されるように制
御されている。
【0035】これにより、アンプ3,5での電力損失
は、この差電圧VD-C および差電圧VD'-C* に対応する
1Vf 程度の降下電圧になり、従来に較べてその消費電
力が低減される。電力供給ラインをスイッチングするた
めに発生する電力損失は、前記したように、トランジス
タQ62のON時の抵抗によるものが主体であるが、ON
抵抗値は低いので、実際の消費電力は、低く抑えること
ができる。特に、トランジスタQ62をスイッチングする
PWM制御の駆動回路は、差動アンプ構成のIC化回路
で構成できるためにその消費電力は、電力増幅段の前記
消費電力に比べて小さく抑えられる。
【0036】次に、供給電力制御回路41を削除して供
給電力制御回路40からアンプ3,5に共通に電力を供
給する例を図3に従って説明する。図3において、スピ
ーカ4、供給電力制御回路40(検出回路50、スイッ
チングレギュレーション回路60、平滑回路70)の構
成は、前記の実施例のものと同様であるが、図3では、
アンプ3は、出力段アンプ32としてフィードバック回
路31が設けられたものになっている。また、図11に
示すアンプ5は、出力段アンプ52としてフィードバッ
ク回路51が設けられたものになっている。
【0037】アンプ52は、供給電力制御回路40に検
出回路55と出力端子6とを介して接続されている。検
出回路55は、検出回路50と同様な回路であり、検出
回路50と並列に接続されている。また、検出回路55
の電流源56は、検出回路50の電流源51に対応する
回路である。検出回路55は、給電電力Dの電圧と出力
信号電圧C* との差電圧VD-C'が1Vf より大きいか否
かに応じた値の検出信号E’を生成する。検出信号E’
は、検出信号EとワイヤードORされて、スイッチング
レギュレーション回路60のトランジスタQ61に送出さ
れる。
【0038】これにより、スイッチングレギュレーショ
ン回路60におけるPWM制御が差電圧VD-C ばかりで
なく、アンプ34側の差電圧VD-C*にも依存することに
なるが、個々のアンプ32,52への電流供給動作は、
トランジスタQ1 とQ3 のうち一方がONしているとき
には、他方はOFF状態になっているので、問題はな
い。
【0039】図4は、検出回路の一方の電圧の検出対象
を出力信号Cの電圧に換えて、入力信号Bの電圧にして
検出信号を得る供給電力制御回路40a の実施例であ
る。図4において、供給電力制御回路40a は、入力信
号Bの電圧と給電電力Dの電圧とに応じて出力信号Cの
電圧と給電電力Dの電圧とが一定になるように制御す
る。なお、図1と同一の構成は、同一の符号で示す。図
1と相違する点は、検出回路50からアンプ61に至る
回路が、反転増幅型のオペアンプで構成される検出・増
幅回路67に置き換えられ、基準信号Gがトランジスタ
Q1 のベースバイアス電位に設定されるいる点である。
したがって、三角波発生回路63もトランジスタQ1 の
ベースを基準電位に採って動作する。
【0040】検出・増幅回路67は、(-) 入力端子に給
電電力Dの電圧を受け、(+) 入力端子には基準側電位と
して抵抗RS を介してトランジスタQ1 のベースから得
られる入力信号Bの電圧が入力される。すなわち、抵抗
RS が入力信号Bの電流値を電圧値に変換している。ま
た、これは、出力側から(+) 入力端子へのフィードバッ
ク抵抗Rf を有している。そして、その出力信号Pの電
圧は、コンパレータ62の基準入力端子である(-) 入力
端子に送出される。コンパレータ62の(+) 入力端子に
は三角波発生回路63の出力が供給される。このような
回路では、検出信号により発生する分圧電圧信号Fと給
電電力Dとが一致し、さらにオペアンプの入力端子がバ
ーチャルショートである関係から基準信号Gも同じレベ
ルになる。
【0041】出力段アンプの出力信号の電圧と入力信号
の電圧との相違は、これらの間に出力段アンプの増幅率
に対応するレベル差があることである。出力信号と入力
信号の位相が同一である。この点を考慮すれば、入力信
号Bを検出対象としても前記実施例の供給電力制御回路
40と同じ動作をし、これに置き換えられる。三角波の
信号Sと入力信号Bとの周波数の差が大きいので、三角
波Sの周波数を低くして入力信号Bとの関係においてそ
の動作を原理的に説明すると、図5に示すようになる。
【0042】入力信号Bに応じて三角波Sと基準信号P
との波形(図5(a) 参照)が得られ、基準信号Pを越え
た三角波の幅に対応したPWMパルスがトランジスタQ
62に加えられる。その結果、出力信号Cとの関係では、
図5(b) のような波形関係でPWM制御が行われる。
【0043】以上の実施例では、テーププレーヤにおけ
る再生信号を例に採って説明してきたが、これは、マイ
ク入力や放送受信入力等の他のオーディオ信号であって
もよい。このような場合には、信号再生処理回路は、出
力段アンプの前段に挿入されるプリアンプになる場合が
多い。また、増幅された信号がスピーカに送出される例
について説明したが、この信号の出力先は、それに限定
されるものではない。例えば、記録回路へその入力とし
て出力されたり、もっと大能力のパワーアンプへその入
力として出力されてもよい。
【0044】検出回路50のトランジスタQ50,Q55
は、NPNトランジスタであるが、これをPNPトラン
ジスタとすることもできる。この場合には、エミッタ側
が出力信号Cを受け、ベース側が給電電力Dの電圧信号
を受ける。ところで、より多くの電流容量が必要なとき
には、給電電力Dの出力端子6と接地GNDと間のコン
デンサCN を単なる高周波バイパス用のものではなく、
これより大きな容量の平滑コンデンサにすることもでき
る。
【0045】図6は、トランジスタQ2 とQ4 とグラン
ドとの間に供給電力制御回路42,43をそれぞれ設け
た図1に対応する実施例である。供給電力制御回路4
2,43は、同様な構成の回路であって、供給電力制御
回路40との相違は、単に、供給電力制御回路40のN
PN(PNP)トランジスタをPNP(NPN)トラン
ジスタに入れ替え、コンパレータの入力側の端子を反対
に接続し、オペアンプの入力側の端子を反対に接続し
て、電源ラインVccとグランドラインGNDとを入れ換
えた回路である。57は、その検出回路であって、検出
回路50に対応している。NPNトランジスタQ63は、
スイッチングトランジスタであって、PNPトランジス
タQ62に対応している。アンプ61a は、アンプ61
に、コンパレータ62a はコンパレータ62に、三角波
発生回路63a は三角波発生回路63にそれぞれ対応し
ている。その動作は、極性が反転しているだけで、前記
と同様であるので、その詳細は割愛する。
【0046】なお、図4に示す供給電力制御回路40a
についても同様にコンパレータ62とオペアンプ67の
入力側の端子の接続を入れ換えて、電源ラインVccとグ
ランドラインGNDとを入れ換えた回路とすれば、供給
電力制御回路42,43と同様なものとして使用でき
る。
【0047】図7は、図1の実施例と図6の実施例とを
組み合わせた実施例である。供給電力制御回路40,4
1,42,43がそれぞれのトランジスタQ1 〜Q4 に
対応して独立に設けられている。供給電力制御回路4
0,41,42,43の各コイルに流れる電流を還流さ
せるために、供給電力制御回路42,43の電流還流用
のフライフォイールダイオードを削除して、供給電力制
御回路42のグランド側のコイルの端子を供給電力制御
回路41のフライフォイールダイオードに接続し、供給
電力制御回路43のグランド側のコイルの端子を供給電
力制御回路40のフライフォイールダイオードに接続す
ることでトランジスタのスイッチングがOFFしたとき
にコイルに流れる電流を還流させる。
【0048】図8は、図7の実施例と図3の実施例とを
組み合わせた実施例である。ただし、各出力段アンプ
は、図3のような特別なフィードバック回路31,51
を有していない。検出回路58は、検出回路57と同じ
回路であって、これらの検出回路は、図3に示す検出回
路55,55と同様にワイヤドオアされている。
【0049】図9は、プシュプル出力アンプ3,5のプ
ル側(シンク側)のトランジスタQ2 ,Q4 をそれぞれ
の半サイクルのタイミングにON状態に維持して動作さ
せる簡易型の実施例である。これは、図1における入力
段アンプ3a ,5a を差動増幅器3b ,5b にそれぞれ
換えたものであって、差動増幅器3b は、その(+) 入力
側に入力オーディオ信号B、その(-) 入力側にVcc/2
の基準電圧が加えられて入力オーディオ信号Bの上側の
半サイクルだけ増幅して出力する。差動増幅器5b は、
その(-) 入力側に入力オーディオ信号B、その(+) 入力
側にVcc/2の基準電圧が加えられて入力オーディオ信
号Bの下側の半サイクルだけ増幅して出力する。そし
て、コンパレータ44は、その(+) 入力側に入力オーデ
ィオ信号B、その(-) 入力側にVcc/2の基準電圧が加
えられて入力信号Bの上側の半サイクルに対応したパル
ス信号Tを発生する。信号Tは、トランジスタQ4 のベ
ースに加えられる一方、インバータ45で反転されてト
ランジスタQ2 のベースに加えられる。
【0050】これにより、トランジスタQ4 は、入力信
号Bの上側の半サイクルでONし、トランジスタQ2
は、入力信号Bの下側の半サイクルでONする。その結
果、グランド側に設けられている供給電力制御回路4
2,43が不要になる。トランジスタQ2 ,Q4 のON
抵抗は、比較的低いので、図7の場合とほぼ同様な低消
費電力を達成できる。
【0051】図10は、プシュプル出力アンプ3,5の
プッシュ側(吐き出し側)のトランジスタQ1 ,Q3 を
それぞれの半サイクルのタイミングにON状態に維持し
て動作させる簡易型の実施例である。トランジスタQ1
は、入力信号Bの上側の半サイクルでONし、トランジ
スタQ3 は、入力信号Bの下側の半サイクルでONす
る。その結果、電源側に設けられている供給電力制御回
路40,41が不要になる。供給電力制御回路43は、
検出回路57にワイヤドオアされた検出回路58のみに
なっていて、供給電力制御回路43も図8の実施例の場
合と同様に不要になっている。
【0052】さらに、図3の実施例と図9の実施例とを
組み合わせた実施例も可能である。この場合には、供給
電力制御回路41が不要になる。さらに、入力信号Bの
上側の半サイクルと下側の半サイクルとをそれぞれ差動
増幅器3b ,5b より前段で発生させれば、差動増幅器
3b ,5b を入力段アンプ3a ,5a に置き換えること
ができる。
【0053】
【発明の効果】この発明にあっては、アンプと電源ライ
ンあるいは接地ラインとの間に前記で説明してきたよう
な制御をする制御回路とスイッチング回路とを設けるこ
とにより、アンプへの給電電力がスイッチング制御によ
り生成され、アンプへの給電電力の電圧は、オーディオ
信号の電圧に応じてフィードバックがかかる。そこで、
給電電力の電圧とこのアンプの出力信号の電圧との電位
差を一定に維持するように動作させることができ、この
一定の電位差をアンプの動作に要する最低電圧か、それ
以上でも低い電圧の範囲で一定値に維持するようにする
ことができる。
【0054】その結果、従来のように一定の電源電圧か
ら直接電圧降下させて出力信号を得たときの消費電力よ
りも消費電力が低くなる。一方、電源ラインVccをスイ
ッチングするために発生するスイッチング回路とこれの
制御回路の和の電力損失は、スイッチングトランジスタ
のON抵抗が低く、常時発生するのではなく、スイッチ
ング時に過渡的に発生するものが主体となる。常時発生
していた従来のものに較べれば、極めて僅かなものであ
る。これによる消費電力の増加は、電力増幅段の電力消
費からみれば比較的小さなものである。このようなこと
は、接地側に制御回路とスイッチング回路が設けられた
場合もシンクする電圧の降下値が低下するので同様に消
費電力が低下する。したがって、全体として、オーディ
オ信号の増幅のために消費する電力損失を少なくするこ
とができる。これにより電力使用効率を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明のオーディオ装置をポータブ
ルカセットテーププレーヤに適用した一実施例のブロッ
ク図である。
【図2】図2は、図1における供給電力制御回路の動作
を説明するための波形図である。
【図3】図3は、図1における2つの供給電力制御回路
を1つとして各出力段アンプに共通に電力を供給する一
実施例のブロック図である。
【図4】図4は、この発明のオーディオ装置をポータブ
ルカセットテーププレーヤに適用した他の一実施例の供
給電力制御回路を中心としたブロック図である。
【図5】図5は、図4における供給電力制御回路の動作
を説明するための波形図である。
【図6】図6は、供給電力制御回路をグランド側に設け
た図1の実施例に対応する実施例のブロック図である。
【図7】図7は、図1の実施例と図6の実施例とを組み
合わせた実施例のブロック図である。
【図8】図8は、図7の実施例と図3の実施例とを組み
合わせた実施例のブロック図である。
【図9】図9は、プシュプル出力アンプのプル側のトラ
ンジスタを入力信号に応じてONさせる簡易回路の実施
例のブロック図である。
【図10】図10は、プシュプル出力アンプのプッシュ
側のトランジスタを入力信号に応じてONさせる簡易回
路の実施例のブロック図である。
【図11】図11は、BTL出力回路を用いたポータブ
ルカセットテーププレーヤの説明図であり、(a) は、そ
のブロック図、(b) は、その出力段トランジスタの消費
電力の説明図である。
【符号の説明】
1…読取ヘッド、2…信号再生処理回路、3,5…出力
段アンプ、4…スピーカ、6…出力端子、10…ポータ
ブルカセットテーププレーヤ、30…出力段回路、4
0,40a ,41,42,43…供給電力制御回路、4
4,62,62a …コンパレータ、50,55,57,
58…検出回路、60…スイッチングレギュレーション
回路、65…制御電圧値発生回路、61…アンプ、62
…コンパレータ、63…三角波発生回路、66…スイッ
チング回路、70…平滑回路、Q1 ,Q2 ,Q50,Q6
1,Q62,Q63…トランジスタ、B…オーディオ入力信
号、C…オーディオ出力信号。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オーディオ信号を受けてこれを増幅して出
    力するプッシュプルの第1のアンプと、 前記オーディオ信号を受けてこれを反転増幅して出力す
    るプッシュプルの第2のアンプと、 電源ラインから電力を受けて可聴周波数を超える周波数
    でスイッチング動作をして前記第1または第2のアンプ
    に給電するスイッチング回路と、 前記オーディオ信号の電圧および前記オーディオ信号を
    前記第1のアンプで増幅することで生成された増幅オー
    ディオ信号の電圧のいずれかの電圧と前記給電する電力
    の電圧との差を第1の差とし、前記オーディオ信号の電
    圧および前記オーディオ信号を前記第2のアンプで増幅
    することで生成された増幅オーディオ信号の電圧のいず
    れかの電圧と前記給電する電力の電圧との差を第2の差
    とし、前記第1の差および第2の差のいずれかに応じて
    前記給電する電力が前記オーディオ信号のレベルに対応
    して変化するように前記スイッチング回路のスイッチン
    グ期間を制御する制御回路と、 を備え、前記第1のアンプの出力と前記第2のアンプの
    出力とによりスピーカを駆動するオーディオ信号電力増
    幅回路。
  2. 【請求項2】前記スイッチング回路は、前記第1および
    第2のアンプに電力を給電するものであり、前記スイッ
    チング期間は、制御電力を前記第1のアンプに給電する
    ときには前記第1のアンプの出力信号の電圧と前記給電
    する電力の電圧との差が一定になるようにPWM制御さ
    れ、制御電力を前記第2のアンプに給電するときには前
    記第2のアンプの出力信号の電圧と前記給電する電力の
    電圧との差が一定になるようにPWM制御される請求項
    1記載のオーディオ信号電力増幅回路。
  3. 【請求項3】オーディオ信号を受けてこれを増幅して出
    力するプッシュプルの第1のアンプと、 前記オーディオ信号を受けてこれを反転増幅して出力す
    るプッシュプルの第2のアンプと、 電源ラインから電力を受けて可聴周波数を超える周波数
    でスイッチング動作をして前記第1のアンプに給電する
    第1のスイッチング回路と、 前記オーディオ信号の電圧および前記オーディオ信号を
    前記第1のアンプで増幅することで生成された増幅オー
    ディオ信号の電圧のいずれかの電圧と前記第1のアンプ
    に給電する電力の電圧との差に応じて前記給電する電力
    が前記オーディオ信号のレベルに対応して変化するよう
    に前記第1のスイッチング回路のスイッチング期間を制
    御する第1の制御回路と、 前記電源ラインから電力を受けて可聴周波数を超える周
    波数でスイッチング動作をして前記第2のアンプに給電
    する第2のスイッチング回路と、 前記オーディオ信号の電圧および前記オーディオ信号を
    前記第2のアンプで増幅することで生成された増幅オー
    ディオ信号の電圧のいずれかの電圧と前記第2のアンプ
    に給電する電力の電圧との差に応じて前記給電する電力
    が前記オーディオ信号のレベルに対応して変化するよう
    に前記第2のスイッチング回路のスイッチング期間を制
    御する第2の制御回路と、 を備え、前記第1のアンプの出力と前記第2のアンプの
    出力とによりスピーカを駆動するオーディオ信号電力増
    幅回路。
  4. 【請求項4】オーディオ信号を受けてこれを増幅して出
    力するプッシュプルの第1のアンプと、 前記オーディオ信号を受けてこれを反転増幅して出力す
    るプッシュプルの第2のアンプと、 前記第1または第2の出力段アンプから流出される電流
    を受けて可聴周波数を超える周波数でスイッチング動作
    をして前記電流をグランドへと流すスイッチング回路
    と、 前記オーディオ信号および前記オーディオ信号を前記ア
    ンプで増幅することで生成された増幅オーディオ信号の
    いずれかの電圧と前記第1の出力段アンプから流出され
    る電流の電圧との差を第1の差とし、前記オーディオ信
    号の電圧および前記オーディオ信号を前記第2のアンプ
    で増幅することで生成された増幅オーディオ信号の電圧
    のいずれかの電圧と前記第2の出力段アンプから流出さ
    れる電流の電圧との差を第2の差とし、前記第1の差お
    よび第2の差のいずれかに応じて前記流出される電流を
    前記オーディオ信号のレベルに対応してグランドへシン
    クさせるように前記スイッチング回路のスイッチング期
    間を制御する制御回路と、 を備え、前記第1のアンプの出力と前記第2のアンプの
    出力とによりスピーカを駆動するオーディオ信号電力増
    幅回路。
  5. 【請求項5】オーディオ信号を増幅してこの増幅された
    信号を負荷等へ出力するオーディオ装置において、 前記オーディオ信号を受けて増幅する前段増幅回路と、 この前段増幅回路により増幅された前記オーディオ信号
    を受けてこれを電力増幅して前記負荷へ出力するプッシ
    ュプルの第1の出力段アンプと、 前記前段増幅回路により増幅された前記オーディオ信号
    を受けてこれを電力増幅して前記負荷へ出力するプッシ
    ュプルの第2の出力段アンプと、 電源ラインから電力を受けて可聴周波数を超える周波数
    でスイッチング動作をして前記第1および第2のアンプ
    に給電するスイッチング回路と、 前記オーディオ信号の電圧および前記オーディオ信号を
    前記第1のアンプで増幅することで生成された増幅オー
    ディオ信号の電圧のいずれかの電圧と前記給電する電力
    の電圧との差を第1の差とし、前記オーディオ信号の電
    圧および前記オーディオ信号を前記第2のアンプで増幅
    することで生成された増幅オーディオ信号の電圧のいず
    れかの電圧と前記給電する電力の電圧との差を第2の差
    とし、前記第1の差および第2の差のいずれかに応じて
    前記給電する電力が前記オーディオ信号のレベルに対応
    して変化するように前記スイッチング回路のスイッチン
    グ期間を制御する制御回路と、前記第1のアンプの出力
    と前記第2のアンプの出力との間に設けられたスピーカ
    とを備えるオーディオ装置。
  6. 【請求項6】オーディオ信号を増幅してこの増幅された
    信号を負荷等へ出力するオーディオ装置において、 前記オーディオ信号を受けて増幅する前段増幅回路と、 この前段増幅回路により増幅された前記オーディオ信号
    を受けてこれを電力増幅して前記負荷へ出力するプッシ
    ュプルの第1の出力段アンプと、 前記前段増幅回路により増幅された前記オーディオ信号
    を受けてこれを電力増幅して前記負荷へ出力するプッシ
    ュプルの第2の出力段アンプと、 前記第1および第2の出力段アンプから流出される電流
    を受けて可聴周波数を超える周波数でスイッチング動作
    をして前記電流をグランドへと流すスイッチング回路
    と、 前記オーディオ信号および前記オーディオ信号を前記ア
    ンプで増幅することで生成された増幅オーディオ信号の
    いずれかの電圧と前記第1の出力段アンプから流出され
    る電流の電圧との差を第1の差とし、前記オーディオ信
    号の電圧および前記オーディオ信号を前記第2のアンプ
    で増幅することで生成された増幅オーディオ信号の電圧
    のいずれかの電圧と前記第2の出力段アンプから流出さ
    れる電流の電圧との差を第2の差とし、前記第1の差お
    よび第2の差のいずれかに応じて前記流出される電流を
    前記オーディオ信号のレベルに対応してグランドへシン
    クさせるように前記スイッチング回路のスイッチング期
    間を制御する制御回路と、前記第1のアンプの出力と前
    記第2のアンプの出力との間に設けられたスピーカとを
    備えるオーディオ装置。
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