JPH06312952A - ヘキサフルオロプロピレンオキシド重合体及びその製造方法 - Google Patents

ヘキサフルオロプロピレンオキシド重合体及びその製造方法

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JPH06312952A
JPH06312952A JP5340646A JP34064693A JPH06312952A JP H06312952 A JPH06312952 A JP H06312952A JP 5340646 A JP5340646 A JP 5340646A JP 34064693 A JP34064693 A JP 34064693A JP H06312952 A JPH06312952 A JP H06312952A
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康郎 樽見
Noriyuki Koike
則之 小池
Toshio Takaai
俊雄 鷹合
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式(1) : 【化1】 (式中、R1 は単結合又は炭素原子数1〜10のアルキレ
ン基若しくは該基の水素原子の一部又は全部がフッ素原
子に置換された基、Rfはフッ素原子又は炭素原子数1〜
10のパーフルオロアルキル基若しくはパーフルオロアル
キルエーテル基、nは0以上の整数)で表されるヘキサ
フルオロプロピレンオキシド (HFPO)重合体。ヘキ
サフルオロプロピレンオキシドと、下記一般式(2) : 【化2】 (式中、R1 及びRfは前記のとおりである。) で表され
る含ビニル化合物を反応させることを特徴とする前記H
FPO重合体の製造方法。 【効果】 HFPO重合単位を含む新規機能性ケイ素化
合物の製造などの中間原料として有用性が期待される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分子鎖の片方の末端に
ビニル基を有し、他方の末端に−COF基を有する異種
二官能性のヘキサフルオロプロピレンオキシド重合体及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘキサフルオロプロピレンオキシド(H
FPO)の重合体は、重合に使用する重合開始剤の種類
を選択することにより末端に種々の基を持たせることが
できる。例えば、分子鎖の末端に、それぞれCF3 −、CF
3 (CF 2 ) 4 −、(CF3 2 CF−、(CF 3 ) 2 CF−CF(C
F 3 ) −、 FSO2 −、CH3 S −、CH3 OCO −、 ICF2
等の基を有するHFPOの重合体が知られている。これ
らの基を有するHFPOの重合体については、Angew. C
hem. Int. Ed. Engl., 24, 161(1985) に総説がある。
【0003】さらに詳述すれば、上記の開始剤として、
フッ化カルボニル(米国特許第3,114,778 号)、パーフ
ルオロペンタン酸フロライド(DOS 第2,614,333 号) 、
ヘキサフルオロアセトン(米国特許第3,274,239 号) 、
パーフルオロメチルイソプロピルケトン(米国特許第3,
274,239 号) 等が報告されている。これらの開始剤を用
いての重合により得られるHFPO重合体は、下記式: Rf' −O −( Y ) p −CF(CF 3 ) −COF (式中、Rf' は、パーフルオロアルキル基であり、Y
は、 −CF(CF 3 ) −CF2 O − で表されるHFPO単位であり、pは、0又は正の整数
である。)で表され、分子鎖の一端(−COF基が結合
している側とは反対側の端部)は、パーフルオロアルキ
ル基、即ち非官能性の基である。
【0004】また特定の酸フロライドを開始剤として使
用することにより、分子鎖の一端に官能性の基が導入さ
れたHFPO重合体も知られている。例えば英国特許出
願第2,053,902 号には、開始剤として、 FSO 2 CF2 CF2 CF2 COF を使用する例が開示されており、この場合には、下記
式: FSO 2 CF2 CF2 CF2 CF2 O −( Y ) p −CF(CF 3 ) −CO
F (式中、Y及びpは、前記と同じである。)で表される
HFPO重合体が得られる。これは、分子鎖の一端に官
能性基(−FSO 2 基)が導入された異種二官能性の重合
体であることが理解される。このような異種二官能性の
重合体が得られる開始剤としては、上記以外にも種々知
られており、例えば、CH3 S −(CF 2 ) 3 −COF (英国
特許出願第2,051,831 号)、CH3 OOC −(CF 2 ) 4 −CO
F (DOS 第2,708,677 号)、I−CF2 −COF (米国特許
第3,311,658 号)等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、分子末
端の官能基として分子鎖の一端にビニル基が導入された
HFPO重合体は未だ報告されていない。上述した従来
公知のHFPO重合体は、分子末端の官能基はビニル基
でないため、ヒドロシリル化反応によりケイ素化合物と
結合することができず、ケイ素化学の分野においての使
用が制限される。
【0006】一方、ビニル基を有する化合物として、下
記式: CH2 =CH−CH2 O −CF2 −( Z ) −COF (式中、Zは、 −CF(CF 3 ) −OCF 2 CF2 O −CF(CF 3 ) − である。)で表される化合物が知られている。この化合
物は、分子鎖の一端にビニル基が導入されたHFPO重
合体と類似の分子構造を有しているが、下記式: FOC −( Z ) −COF (式中、Zは、前記のとおりである。)で表される、2
個の−COF基を有する化合物に、フッ化セシウムの存
在下で臭化アリルを反応させることによって製造される
ものである。この反応は、生成物の選択性が悪く、副生
成物としてジアリル化合物が生成する等の問題がある。
【0007】従って、本発明の課題は、末端にビニル基
を有するHFPOの重合体及びその製造方法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(1) :
【化4】
【0009】(式中、R1 は単結合又は炭素原子数1〜
10のアルキレン基若しくは該アルキレン基の水素原子の
一部又は全部がフッ素原子に置換された基であり、Rfは
フッ素原子又は炭素原子数1〜10のパーフルオロアルキ
ル基若しくはパーフルオロアルキルエーテル基であり、
nは0以上の整数である。)で表されるヘキサフルオロ
プロピレンオキシド重合体を提供する。
【0010】更に、本発明は、ヘキサフルオロプロピレ
ンオキシドと、下記一般式(2) :
【化5】
【0011】(式中、R1 は単結合又は炭素原子数1〜
10のアルキレン基若しくは該アルキレン基の水素原子の
一部又は全部がフッ素原子に置換された基であり、Rfは
フッ素原子又は炭素原子数1〜10のパーフルオロアルキ
ル基若しくはパーフルオロアルキルエーテル基であ
る。)で表される含ビニル化合物を反応させることを特
徴とする、上記一般式(1) で表されるヘキサフルオロプ
ロピレンオキシド重合体の製造方法を提供する。
【0012】新規なHFPO重合体 本発明のHFPOの重合体は、片方の末端にビニル基を
有し、他方の末端に−COF基を有する上記一般式(1)
で表される化合物である。
【0013】上記一般式(1) 中、R1 は、単結合又は炭
素原子数1〜10のアルキレン基若しくは該アルキレン基
の水素原子の一部又は全部がフッ素原子に置換された基
である。具体的には、下記式:−,−CH2 −,−CF
2 −,−( CF2 ) 2 −,−( CF2 ) 3 −,−( CF2 ) 5
−等で表される基が例示される。
【0014】また、上記一般式(1) 中、Rfは、フッ素原
子又は炭素原子数1〜10のパーフルオロアルキル基若し
くはパーフルオロアルキルエーテル基である。具体的に
は、下記式:-F, -CF3 , -CF2 CF3 ,-CF(CF3 )-O-CF
2 CF2 CF3 ,-CF(CF3 )-O-CF2 -CF(CF3 )-O-CF2 CF2 CF
3等で表される基が例示される。更に、上記一般式(1)
中、nは0以上の整数であり、特に、0〜100 の整数で
ある。
【0015】製造方法 本発明のHFPOの重合体は、重合開始剤として下記一
般式(2) :
【化6】 (式中、R1 及びRfは前記のとおりである。)で表され
る含ビニル化合物を使用することにより製造することが
できる。
【0016】上記一般式(2) で表される重合開始剤とし
ては、具体的には、下記式: CH2 =CHCF2 COF 、 CH2 =CH( CF2 ) 2 COF 、 CH2 =CH( CF2 ) 3 COF 、 CH2 =CH( CF2 ) 5 COF 、 CH2 =CHCOF 、 CH2 =CHCH2 COF 、 CH2 =CHCF2 COCF2 CF3 、 CH2 =CHCOCF3 、 CH2 =CHCH2 COCF3 、 CH2 =CHCH2 COCF2 CF3 、 CH2 =CHCF2 COCF(CF 3 )OCF2 CF2 CF3 、 CH2 =CHCF2 COCF(CF 3 )OCF2 CF(CF 3 )OCF2 CF2 C
F3 、 CH2 =CHCH2 COCF(CF 3 )OCF2 CF2 CF3 等が例示される。
【0017】上記の含ビニル化合物とHFPOとの反応
は、例えば含ビニル化合物を触媒とともに適当な溶媒中
に溶解乃至分散させた液中に、攪拌しながらHFPO
(常態で気体)を供給することによって行うことができ
る。
【0018】ここで使用される触媒としては、フッ化ナ
トリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム等のフッ化
アルカリ、テトラブチルアンモニウムフロライド、テト
ラメチルアンモニウムフロライド等の第4級アンモニウ
ムフロライド等を挙げることができ、特にフッ化カリウ
ム、フッ化セシウムが好適である。かかる触媒の使用量
は、一般的には前記含ビニル化合物1モル当たり0.01〜
1.2モルの範囲とすることが好ましいが、反応速度が低
い場合には、HFPOの仕込み量に応じて適宜調節する
ことができる。
【0019】また溶媒としては、非プロトン性の極性有
機溶媒が好ましく、例えば、ジグライム、トリグライ
ム、テトラグライム等のグライム類、及び、例えば、ア
セトニトリル、プロピオニトリル、アジポニトリル等の
ニトリル類が好適に使用される。一般にかかる溶媒は、
前記含ビニル化合物1重量部当たり1〜100 重量部の量
で使用される。
【0020】HFPOの供給は、一般に含ビニル化合物
1モルに対して、0.02〜3モル/時間の速度で行うこと
が好ましいが、反応容器として耐圧容器を用いることに
より全量を一度に加えることもできる。またHFPOの
供給量は、目的とする重合体の分子量に応じて設定され
る。
【0021】反応温度は、−30〜70℃、特に−30〜30℃
の範囲とすることが好適である。反応温度が−30℃より
も低いと反応が有効に進行せず、また70℃よりも高い
と、副反応等を生じ、目的とする重合体を得ることが困
難となる。
【0022】一般に、HFPO供給終了後、1〜5時間
程度攪拌を継続して反応を行った後に反応混合物を回収
し、目的とする重合体を分離すればよい。この分離は、
分液、抽出、蒸留等のそれ自体公知の手段により行うこ
とができる。
【0023】また本発明においては、前記一般式(2) で
表される含ビニル化合物の代わりに、下記一般式(3) :
【化7】
【0024】(式中、R1 及びRf は、前記の通りであ
り、Mは、セシウムまたはカリウム原子である。)で表
される含ビニル化合物を使用することもできる。この一
般式(3) で表される含ビニル化合物は、前述した一般式
(2) で表される含ビニル化合物と非プロトン性の極性有
機溶媒との混合物に、フッ化セシウム又はフッ化カリウ
ムを、前記含ビニル化合物1モルに対して1モル以上、
好ましくは1.0 〜1.3 モルの量で混合攪拌し、生じた沈
澱を分離することによって均一な溶液として得られる。
従って、この溶液中にHFPOを、先に説明したのと同
様な条件で供給して反応を行わせることによって、目的
とする重合体を得ることができる。
【0025】有用性 本発明の新規HFPO重合体は、その片方の末端にビニ
ル基を有し、他方の末端に−COF基を有することか
ら、それらの異種の官能基を利用して多岐にわたる応用
を期待できる。すなわち、ビニル基は、ヒドロシリル化
反応により種々の官能性ケイ素残基を導入することや、
付加重合反応を行うことが可能である。また、−COF
基はエステルやアミド結合を介して種々の有機基との連
結が可能である。更に、本発明のHFPO重合体は、光
照射による二量化や、熱分解によるパーフルオロビニル
エーテルへの変換も可能である。従って、本発明の新規
HFPO重合体は、上記のような両末端での変換反応を
組み合わせることにより、例えばHFPO重合単位を含
む新規機能性ケイ素化合物の製造などの重要な中間原料
として、その有用性が期待される。また、本発明によれ
ば、上記の新規HFPO重合体を容易に製造することが
できる。
【0026】
【実施例】実施例1 マグネティックスターラー及び温度計を備えた 500ml三
つ口フラスコ内を窒素で置換した後、該フラスコに乾燥
したフッ化セシウム65.1g及び乾燥したテトラグライム
447gを仕込んだ。次に、前記フラスコに 2,2−ジフル
オロ−3−ブテン酸フロライド45.7gを仕込み、室温
(25℃程度)で8時間攪拌した。攪拌終了後、フラスコ
を静置して過剰のフッ化セシウムを沈澱させた後、該フ
ラスコ内の上澄み液を吸引により取り出して19F−NM
Rで分析したところ、かかる上澄み液は下記式: CH2 =CHCF2 CF2 OCs を16重量%含むテトラグライム溶液であることが確認さ
れた。
【0027】次に、マグネティックスターラー、温度
計、ガス導入管及び深冷コンデンサーを備えた1リット
ルフラスコを窒素で置換した後、上記で調製したテトラ
グライム溶液 500gを仕込んだ。続いて前記フラスコ内
の温度を2℃に保持しながらガス導入管からHFPO 1
14gを24時間かけて少量づつ供給した。HFPO仕込み
終了後、更にフラスコ内の反応混合物を2時間攪拌し
た。攪拌終了後、かかる反応混合物を減圧蒸留して2mm
Hg圧力下にて沸点が 140℃以下の留分( 551g)を回収
した。前記留分は二層に分離していたので、下層の液を
分離回収した。下層の液の重量を測定したところ、 140
gであった。さらに、下層を蒸留して沸点が86.0〜86.5
℃( 760mmHg )の留分について、GC−MS、 1H−N
MR、19F−NMR及びIRで分析した結果、下記式
(4) :
【0028】
【化8】 で表される化合物であることが確認された。尚、上記の
分析結果は下記に示すとおりである。
【0029】・GC−MS 271(M−F)+ 1H−NMR(TMS基準) 5.9ppm (m, 3H) ・19F−NMR(CF3 COOH基準) −53.6ppm (d, 1F, −OC(CF3 )−) −40.8ppm (s, 2F, =CH−C 2 −) −10.3ppm (m, 2F, −C 2 −O−) − 5.7ppm (m, 3F, −C 3 ) 102.1ppm (s, 1F, −CO) ・IR:スペクトル(図1参照) 1885cm-1 (C=O) 1660cm-1 (C=C)
【0030】また、前記下層を分析した結果、この下層
は、 2,2−ジフルオロ−3−ブテン酸フロライド、式
(5) :
【0031】
【化9】 (式中、sは0〜4の整数である。)で表される末端に
ビニル基を有するHFPO重合体、及び式(6) :
【0032】
【化10】 (式中、tは1〜3の整数である。)で表されるHFP
O重合体を含む混合物であることが判明した。これらの
成分の存在比をGCで分析した結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】実施例2 マグネティックスターラー、温度計及びガス導入管を備
えた50ml三つ口フラスコ内を窒素ガスで置換した後、該
フラスコに乾燥したフッ化カリウム0.12g及び乾燥した
テトラグライム 4.2gを仕込んだ。次に、前記フラスコ
に2,2-ジフルオロ-3- ブテン酸フロライド 5.0gを仕込
み混合した。前記フラスコを氷水で冷却して内温を2℃
に保持しながらガス導入管からHFPO 6.6gを13時間
かけて少量ずつ供給した。HFPOの供給終了後、更
に、フラスコ内の混合物を1時間攪拌した。攪拌終了
後、かかる反応混合物を室温放冷・静置し、下層に分離
した液体10.3gを回収した。下層の成分を分析した結
果、かかる下層は、実施例1と同様、2,2-ジフルオロ-3
- ブテン酸フロライドと、前記式(5) で表される末端に
ビニル基を有するHFPO重合体(ただし、ここでsは
1〜10の整数である。)、及び前記式(6) で表されるH
FPO重合体(ただし、ここでtは1〜8の整数であ
る。)を含む混合物であることが判明した。これらの成
分の存在比をGCで分析した結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】実施例3 マグネティックスターラー及び温度計を備えた 100ml三
つ口フラスコ内を窒素で置換した後、該フラスコに乾燥
したフッ化セシウム 9.1g及び乾燥したテトラグライム
55.5gを仕込んだ。次に、前記フラスコに 2,2−ジフル
オロ-3- ブテン酸フロライド 8.4gを仕込み、室温(25
℃程度)で10時間攪拌した。攪拌終了後、フラスコを静
置して過剰のフッ化セシウムを沈澱させた後、該フラス
コ内の上澄み液を吸引により取り出して、19F−NMR
で分析したところ、かかる上澄み液は下記式: CH2 =CHCF2 CF2 OCs を23重量%含むテトラグライム溶液であることが確認さ
れた。
【0037】次に、マグネティックスターラー、温度
計、ガス導入管及び深冷コンデンサーを備えた 100mlフ
ラスコを窒素で置換した後、上記で調製したテトラグラ
イム溶液22.1gを仕込んだ。続いて前記フラスコ内の温
度を−28℃に保持しながらガス導入管からHFPO11.9
gを21時間かけて少量づつ供給した。HFPO仕込み終
了後、更にフラスコ内の反応混合物を2時間攪拌した。
攪拌終了後、かかる反応混合物32.4gを減圧蒸留して2
mmHg圧力下にて沸点が 200℃以下の留分 (28.0g) を回
収した。前記留分は二層に分離していたので、下層の液
体を分離回収した。下層の溶液の重量を測定したとこ
ろ、12.1gであった。かかる下層の成分を分析したとこ
ろ、以下のとおりであった。 上記式(5) で表されるHFPO重合体(sの平均値は
3.6) 90% 上記式(6) で表されるHFPO重合体(tの平均値は
4.9) 10%
【0038】実施例4 マグネティックスターラー及び温度計を備えた 300ml三
つ口フラスコ内を窒素で置換した後、該フラスコに乾燥
したフッ化セシウム14.4g及び乾燥したテトラグライム
187gを仕込んだ。次に、前記フラスコに式(7) :
【0039】
【化11】
【0040】で表される重合開始剤30gを仕込み、室温
(25℃程度)で4時間攪拌した。攪拌終了後、フラスコ
を静置して過剰のフッ化セシウムを沈澱させた後、該フ
ラスコ内の上澄み液を吸引により取り出して19F−NM
Rで分析したところ、かかる上澄み液は下記式(8) :
【0041】
【化12】 を17重量%含むテトラグライム溶液であることが確認さ
れた。
【0042】次に、マグネティックスターラー、温度
計、ガス導入管及び深冷コンデンサーを備えた 300mlフ
ラスコを窒素で置換した後、上記で調製したテトラグラ
イム溶液 209gを仕込んだ。続いて前記フラスコ内の温
度を2℃に保持しながらガス導入管からHFPO24.7g
を20時間かけて少量づつ供給した。HFPO仕込み終了
後、更にフラスコ内の反応混合物を2時間攪拌した。攪
拌終了後、かかる反応混合物を減圧蒸留して2mmHg圧力
下にて沸点が 130℃以下の留分(53.6g)を回収した。
前記留分は二層に分離していたので、下層の液体を分離
回収した。下層の溶液の重量を測定したところ、43.1g
であった。更に、下層を 120mmHg減圧下で蒸留して沸点
が 103〜107 ℃の留分について、GC−MS、 1H−N
MR、19F−NMR及びIRで分析した結果、下記式
(9) :
【0043】
【化13】
【0044】で表される化合物であることが確認され
た。尚、上記の分析結果は下記に示すとおりである。
【0045】・GC−MS 537(M−F)+ 1H−NMR(TMS基準) 6.0ppm (m, 3H) ・19F−NMR(CF3 COOH基準) −59.6ppm (m, 2F, −O−C−C−O−) −52.3ppm (s, 1F, −O−C−C(=O)−) −51.8ppm (s, 2F, CF3 −C 2 −) −31.9ppm (m, 2F, =CH−C 2 −) − 3.0ppm (m,11F, C 3 −, −C 2 −O−) 103.6ppm (s, 1F, −CO) ・IR:スペクトル(図2参照) 1880cm-1 (C=O) 1660cm-1 (C=C)
【0046】また、前記下層を分析した結果、この下層
は、上記式(7) で表される化合物、下記式(10):
【0047】
【化14】
【0048】(式中、uは0〜5の整数である。)で表
される末端にビニル基を有するHFPO重合体及び上記
式(6) (ただし、ここでtは1〜5の整数)で表される
HFPO重合体を含む混合物であることが判明した。こ
れらの成分の存在比をGC分析した結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】
【発明の効果】本発明の新規HFPO重合体は、その片
方の末端にビニル基を有し、他方の末端に−COF基を
有することから、例えばHFPO重合単位を含む新規機
能性ケイ素化合物の製造などの重要な中間原料として、
その有用性が期待される。また、本発明によれば、上記
の新規HFPO重合体を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られる本発明のヘキサフルオロプ
ロピレン重合体の赤外線吸収スペクトルのチャートであ
る。
【図2】実施例4で得られる本発明のヘキサフルオロプ
ロピレン重合体の赤外線吸収スペクトルのチャートであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鷹合 俊雄 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) : 【化1】 (式中、R1 は単結合又は炭素原子数1〜10のアルキレ
    ン基若しくは該アルキレン基の水素原子の一部又は全部
    がフッ素原子に置換された基であり、Rfはフッ素原子又
    は炭素原子数1〜10のパーフルオロアルキル基若しくは
    パーフルオロアルキルエーテル基であり、nは0以上の
    整数である。)で表されるヘキサフルオロプロピレンオ
    キシド重合体。
  2. 【請求項2】 ヘキサフルオロプロピレンオキシドと、
    下記一般式(2) : 【化2】 (式中、R1 は単結合又は炭素原子数1〜10のアルキレ
    ン基若しくは該アルキレン基の水素原子の一部又は全部
    がフッ素原子に置換された基であり、Rfはフッ素原子又
    は炭素原子数1〜10のパーフルオロアルキル基若しくは
    パーフルオロアルキルエーテル基である。)で表される
    含ビニル化合物を反応させることを特徴とする、請求項
    1に記載のヘキサフルオロプロピレンオキシド重合体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記反応をフッ化アルカリ及び第4級ア
    ンモニウムフロライドからなる群から選ばれる触媒の存
    在下で行う請求項2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記触媒として、フッ化カリウム又はフ
    ッ化セシウムを使用する請求項3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記一般式(2) で表される含ビニル化合
    物に代えて、下記一般式(3) : 【化3】 (式中、R1 及びRfは、前記のとおりであり、Mは、セ
    シウム又はカリウム原子である。)で表される含ビニル
    化合物を使用する請求項2に記載の製造方法。
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