JP2004002302A - (パー)ハロエーテル類およびその製造法 - Google Patents
(パー)ハロエーテル類およびその製造法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】高い収率で、爆発の危険性を伴わないで、2より大きい炭素原子数を有するハイポフルオライト類から(パー)ハロエーテル類を製造する方法を開発する。
【解決方法】CF3CF2O−CF2CF2−O−CHCl−CFCl2;
CF3OCF2O−CF2CF2−O−CFCl−CF2Cl;
CF3OCF2CF2−O−CF2CF2−O−CFCl−CF2Cl;等で代表される、下記の式を有する(パー)ハロエーテル類:
X−(Rf)L−O−CF2CF2−O−CX1X2 −CFX3X4 (I)
それらの製造法および前記(パー)ハロエーテル類の製造に使用できるハイポフルオライト類。
【選択図】 なし
【解決方法】CF3CF2O−CF2CF2−O−CHCl−CFCl2;
CF3OCF2O−CF2CF2−O−CFCl−CF2Cl;
CF3OCF2CF2−O−CF2CF2−O−CFCl−CF2Cl;等で代表される、下記の式を有する(パー)ハロエーテル類:
X−(Rf)L−O−CF2CF2−O−CX1X2 −CFX3X4 (I)
それらの製造法および前記(パー)ハロエーテル類の製造に使用できるハイポフルオライト類。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は(パー)ハロエーテル類、それらの製造法、そして、前記(パー)ハロエーテル類の合成に有用なパーフルオロオキシアルキルハイポフルオライト類に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術において一般に知られていることであるが、パーフルオロアルキルハイポフルオライト類に(パー)ハロオレフィンを反応させて得られる(パー)ハロエーテル類は、そのままあるいはパーフルオロビニルエーテルモノマーの製造のために使用できる。例えば、特許文献1および特許文献2を参照。前記モノマーは、フッ素化エラストマーおよびフッ素化プラストマーの合成に使用できる。
【0003】
(パー)ハロエーテル類を製造するための、ハイポフルオライト類と(パー)ハロオレフィンとの反応は、ハイポフルオライトを含む気相を低温で(パー)ハロオレフィンを含む液相中に流して実施される。特許文献3を参照。反応の合計収率を高めるには、低温で操作することが必要である。しかしながら、オレフィンと接触させる前に、ハイポフルオライトの縮合が一部ではあるが起きる可能性があるという、欠点がある。これはハイポフルオライトの分解を導くので、それは激しい爆発に至る可能性がある。例えば、分子量204を有するハイポフルオライトCF3CF2CF2OF は沸点‐9℃を有し(非特許文献1)、(パー)ハロエーテルの合成で採用される温度で容易に縮合することができる。‐30℃より低い温度で上記特許の製法は、低い沸点を有する、つまり鎖中に1または2の炭素原子を有するハイポフルオライト類のみに適用できる。
【0004】
上記の方法に代えて、例えば、特許文献4に記載のように、(パー)ハロエーテル類がハイポフルオライトを適切なハロゲン化溶媒に溶かした溶液を(パー)ハロオレフィンに加えて得られることが、従来技術において知られている。上記特許の実施例によると、鎖中に二つの炭素原子を有するパーフルオロアルキルハイポフルオライト類がハイポフルオライトとして使われるときには、収率は高い。1−クロロパーフルオロエチルハイポフルオライトを使用するとき、収率は30%未満である。二つの炭素原子を有する(パー)フルオロエチルハイポフルオライト以外のハイポフルオライト類は例示されていない。また、前記特許の教示によれば、ハイポフルオライトは気相中、低温で合成され、次いで高くても50重量%までの濃度で不活性溶媒に溶解される。
【0005】
特許文献5は、式
Rf1OCF2OFおよびFOCF2ORf1OCF2OF
(式中、Rf1は高分子量を有するパーフルオロポリエーテル基である)
で示されるハイポフルオライト類、およびそれぞれのオレフィンとの付加物を記載している。前記ハイポフルオライト類を製造する方法は、−60〜30℃の温度でUV 光を用いるパーオキサイドフッ素化反応を含んでいる。実施例によると、反応時間は非常に高い。それが完了したとき、ハイポフルオライトへの転化は、ハイポフルオライトの低い収率を決定的にする。また、工業的製造法では、UV光の使用は高価である。
【0006】
特許文献6は、式
FC(O)−Rf2−CF2OF
(式中、Rf2は分子量100〜2,000を有する、(C1−C12)パーフルオロアルキルまたはパーフルオロオキシアルキル鎖である)
のハイポフルオライト類を記載している。前記特許の実施例は、ハイポフルオライトの合成に関するものであるが、オレフィンとの総合反応は言及されてない。その出願人は、前記実施例の物質に類似の構造を有する化合物、CF3CF2CF2−OFおよびCF3O−CF(CF3)−CF2OFを用いることにより、フルオロオレフィンとの付加反応の収率が非常に低いことを開示している(比較例参照)。
【0007】
特許文献7は、C1−C20フルオロアルキルまたはオキシフルオロアルキル−ハイポフルオライト類を記載している。ハイポフルオライトのオレフィンへの付加の実施例は言及されていない。例示された化合物には、炭素原子が2を超えるハイポフルオライト類がある。その出願人は、前記ハイポフルオライト類が(パー)ハロ−オレフィンとの総合反応で非常に低い収率を与えることを示している(比較例参照)。
【0008】
特許文献8は、一般式
FOCF2−Rf3 CF2OF
のビスハイポフルオライト類の気相中での製造を記載している。Rf3は、パーフルオロアルキレンまたはパーフルオロオキシアルキレンである。2より大きい炭素原子数を有するハイポフルオライトの唯一報告されている実施例は、3つの炭素原子を有するハイポフルオライトである。この出願人によって行われた試験は、前記ハイポフルオライト類ではオレフィンへの付加が非常に低い収率であることを示している。
【0009】
従来技術によると、2より大きい炭素原子数を有するハイポフルオライトの合成は、起こり得る縮合のリスクと、それに伴う爆発を回避するために、気相中、0〜60℃の温度、特に20℃で行われる。さらに、アシルフルオライド前駆物質の非常に高い希釈度で行われる。特許文献8参照。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとしている技術的な問題は、2より大きい炭素原子数を有するハイポフルオライト類を用いて、(パー)ハロエーテル類を高い収率で合成することに関する。2より大きい炭素原子数を有する(パー)フルオロアルキルハイポフルオライト類の使用に関する従来技術において報告されているデータは非常に乏しく、とにかくそれらはオレフィンへの付加の非常に低い収率を与えている(比較例参照)。これは、前記化合物が爆発を引き起こし、取扱いが困難であるという事実による。USP 4,900,872参照。
【0011】
事実、2より大きい炭素原子数を有する直鎖状のパーフルオロアルキルハイポフルオライト類は、安定性が乏しく、非常に激しい反応でも極めて容易に分解する傾向にあることが知られている。例えば、Adv. Fluorine Chem. 7(1973)175−198;Explosive Incident report No.189、Armed Services Safety Board, Washington, D.C.; Chem. & Engin. 1 March 1965 参照。
高分子量を有するハイポフルオライト類を用いて、高い収率で、爆発の危険性を伴わない方法で、2より大きい炭素原子数を有するハイポフルオライト類から(パー)ハロエーテル類を入手にする必要性が感じられていた。該(パー)ハロエーテル類は、(パー)フルオロビニルエーテルモノマー類の製造に使用できる。該モノマーは、知られているように、フルオロポリマー類、例えば、エラストマー系のフルオロポリマー類の製造において高度に必要とされている。
【0012】
【特許文献1】
アメリカ特許第5,877,357号
【特許文献2】
ヨーロッパ特許出願第683,181号
【特許文献3】
アメリカ特許第5,225,576号
【特許文献4】
アメリカ特許第4,900,872号
【特許文献5】
アメリカ特許第4,906,770号
【特許文献6】
ヨーロッパ特許出願第754,670号
【特許文献7】
アメリカ特許第4,827,024号
【特許文献8】
アメリカ特許第4,801,409号
【非特許文献1】
J. of fluorine Chemistry vol. 95(1999)29
【非特許文献2】
Adv. Fluorine Chem. 7(1973)175−198
【非特許文献3】
Explosive Incident report No.189、Armed Services Safety Board, Washington, D.C.; Chem. & Engin. 1 March 1965
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、式(I)を有する(パー)ハロエーテル類である。
X−(Rf)L−O−CF2CF2−O−CX1X2 −CFX3X4 (I)
(式中、X1、X2、X3 およびX4 は次の意味を有する:
1)それぞれ独立して、それらはF, H, ClまたはBr;好ましく
はF, H, Clであり;さらに好ましくは:
− X3 = Fそして X4 = Cl, X1 = F そして X2 = Cl;
X3 = F そして X4 = Cl, X1 = F, X2 = H;
− X1 = X3 = H そして X2 =X4 = Cl;
− X1 = X3 = X4 = Cl そして X2 = H;
【0014】
2)X1またはX2のうちの一方および/またはX3またはX4のうちの一方は次の群から選択される:
−COORI H (ただし、R1 H は C1−C3 アルキルである); −OC(O)CH3; −CN; −NCO; −NCS; 置換または非置換のアリール(ただし、置換されたとき置換基はNO2である);−NH−C(O)−NH2; −OC(O)2CH3;− P(O)(C6H5)2; − P(O)2(C6H5)2; ‐SO2F;好ましくは、群は次のものである: −COOR1 H, −CN, NCO, NCS, 上記に定義したアリ−ル, −SO2F; 一方、X1, X2, X3, X4 の群の残りの置換基は1)で定義した意味を有する;
【0015】
3)X1またはX2のうちの一方および/またはX3またはX4のうちの一方は次の群から選択される:
3)a.C1−C20, 好ましくは C1−C5,直鎖状または分枝鎖状の、パー(ハロ)フッ素化アルキル、好ましくは(パー)フルオロアルキル;
【0016】
3)b. C1−C20, 好ましくはC1−C5, 直鎖状または分枝鎖状のパー(ハロ)フッ素化オキシアルキル、好ましくは(パー)フルオロオキシアルキル;
ただし、アルキルがパー(ハロ)のとき、1以上のClおよび/またはBrが存在する;
3)a. および 3)b. 好ましくは、それぞれ2)に示すものおよび/または、有機のC1−C4モノカルボン酸の直鎖状無水物、またはC4−C6ジカルボン酸の環状無水物からなる群から選ばれるフッ素化または水素化された、有機無水物から選択される、1以上の官能基を含み、無水物の中ではC4−C6ジカルボン酸の環状無水物が好ましい;
【0017】
3)c. フッ素化有機無水物を除いて、上記3)で示したものから選ばれる、1以上の官能基を任意に含んでいてもよい、 C1−C10, 好ましくはC1−C5の直鎖状または分枝鎖状のアルキル;
ただし、X1, X2, X3, X4 の群の残りの置換基は、1)で定義した意味を有する;
【0018】
4)X1またはX2の一方と, X3またはX4の一方とが一緒になって、さらに基−CXIX2−CFX3X4の2つの炭素原子とともに、環中に4〜6の炭素原子、好ましくは4つの炭素原子を含む、環状フッ素化または水素化された無水物またはイミド化合物を形成する、一方、X1またはX2およびX3またはX4の残りの置換基は、1)で定義した 意味を有する;
【0019】
4a) X3およびX4は、それらが結合した関連する炭素原子とともに、4つの炭素原子を有する環状無水物を形成し;X1およびX2は1)で定義した意味を有する;
Xは、次の意味を有する;
−F、直鎖状または分枝鎖状のC1−C3 パー(ハロ)アルキル; 好ましくは、(パー)フルオロアルキル、ただし、任意に1つのフッ素原子は1つの塩素原子で置換されている;
‐ −[O]TCF2CF2OCX1X2−CFX3X4, −[O]TCF2C(O)F,
式中、
L=1で以下に定義するようにRf = Rf ”のとき、T=0;
L=0のとき、T=0;
L=1で以下に定義するようにRf = Rf’のとき、T=1;
‐ L=1で以下に定義するようにRf = Rf’のとき、Xは C1−C5 パーフルオロオキシアルキルであってもよい;
L=0, 1;
− L=0のとき、Xの意味から次のものが除かれる:
− F;
− −[O]TCF2CF2OCX1X2−CFX3X4
(ただし、T=0, X1=F, X2=Cl, X3=F, X4=Cl);
− C1−C3 パーフルオロアルキル(ただし、X1=F, X2 =Cl, X3=F、そしてX4=Cl);
− L=1のとき, Rf=Rf’またはRf”;ただし、Rf’=C1−C20パーフルオロアルキレン;
Rf”は、次式で示されるパーフルオロオキシアルキレン :
−−(OCF2CF2)m(OCF2)n(OCF2CFCF3)p(OCFCF3)q−(OCF2CF2 CF2)r− (V)
式中、 m、 n、 p、 q、 r は次のような整数である:
m は0〜100(両端を含む);
n は0〜100(両端を含む);
p は0〜60(両端を含む);
r は0〜60(両端を含む);
q は0〜60(両端を含む);
m+n+p+r+q ≧ 1 ;
Rf” の数平均分子量は66〜12,000、好ましくは 66〜3,000である。
Rf = Rf“のとき、パーフルオロオキシアルキレンは好ましくは次の式を有する:
−(OCF2CF2)m(OCF2)n− (VI)
式中、mおよびnはそれぞれ独立して、上記の数値、好ましくは0〜20を有する ;mおよびnがともに存在するとき、m/nは0.1〜6の範囲である。
【0020】
式(I)の(パー)ハロエーテル類の好ましいものは次のとおりである:
CF3CF2O−CF2CF2−O−CHCl−CFCl2;
CF3OCF2O−CF2CF2 O−CFCl−CF2CI;
CF3OCF2CF2O−CF2CF2−O−CFCI−CF2CI;
CF3OCF2OCF2O−CF2CF2−O−CFCI−CF2Cl;
CF3O−CF2CF2−O−CHCI−CHFCl;
CF3O−CF2CF2−O−CHCI−CFCl2;
CF3CF2O−CF2CF2−O−CHCI−CHFCI;
CF3OCF2O−CF2CF2−O−CHCI−CHFCI;
CF3OCF2CF2O−CF2CF2−O−CHCI−CHFCI;
CF3OCF2OCF2O−CF2CF2−O−CHCI−CHFCI;
【0021】
F(O)CCF2−O−CF2CF2−O−CFCI−CF2Cl;
F(O)CCF2−O−CF2CF2−O−CHCl−CHFCl;
F(O)CCF2−OCF2O−CF2CF2−O−CFCI−CF2Cl;
F(O)CCF2−OCF2O−CF2CF2−O−CHCI−CFCI2;
F(O)CCF2−OCF2CF2O−CF2CF2−O−CFCl−CF2Cl;
F(O)CCF2−OCF2OCF2CF2O−CF2CF2−O−CFCI−CF2Cl;
F(O)CCF2−OCF2CF2OCF2O−CF2CF2−O−CFCI−CF2Cl;
CHFCICHClO−CF2CF2−O−CF2CF2−O−CHCl−CHFCI;
CF2CICFCIO−CF2CF2−OCF2O−CF2CF2−O−CFCl−CF2Cl;
CF2CICFClO−CF2CF2−OCF2CF2O−CF2CF2−O−CFCl−CF2Cl;
【0022】
CF2CICFClO−CF2CF2−OCF2OCF2CF2O−CF2CF2−O−CFCl−CF2Cl;
CFCl2CHClO−CF2CF2−O−CF2CF2−O−CHCl−CFCl2;
CFCI2CHClO−CF2CF2−OCF2O−CF2CF2−O−CHCl−CFCl2;
CFCI2CHClO−CF2CF2−OCF2CF2O−CF2CF2−O−CHCl−CFCl2;
CFCI2CHClO−CF2CF2−OCF2OCF2CF2O−CF2CF2−O−CHCl−CFCl2;
CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F;
CF3CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F;
CF3CF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F;
(CF3)2CFO−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F;
CF3O(CF3)CFO−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F;
【0023】
CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCF2CF3;
F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCH2CF3;
CF3CH2OCF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCH2CF3;
CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCH2CHFCOOMe;
F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCH2CHFCOOMe;
MeOCOCHFCH2OCF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−
CF2CF2OCH2CHFCOOMe;
【0024】
【化2】
(式中、m/n =4.3、そしてパーフルオロポリエーテル鎖(CF2CF2O)m(CF2O)n− の分子量は620である。
【0025】
式(I)の本発明物質は、少なくとも2つの末端炭素原子が脱ハロゲン可能であるか、または脱ハイドロハロゲン可能であるとき、ビニルエーテル類の製造のために使用できる。したがって、(パー)ハロエーテルの末端位の炭素原子における置換基X1、X2およびX3、X4はそれぞれ、脱ハロゲンまたは脱ハイドロハロゲンを行えるようなものでなければならない。これは、好ましくは、X1またはX2の少なくとも一方がH、Cl、Brであって、X3またはX4の少なくとも一方がH、Cl、Brであるときに起こる。脱ハロゲン化のためには、X1またはX2の一方、およびX3またはX4のそれぞれが同じであって、ClおよびBrから選ばれなければならない。脱ハイドロハロゲン化のためには、X1およびX2またはX3およびX4の置換基の少なくとも一つがHであり、HがX1またはX2であるとき置換基X3またはX4の少なくとも一つ、あるいはHがX3またはX4であるときX1およびX2の少なくとも一つはClまたはBrである。
【0026】
したがって、ビニルエーテル類は、前記のとおり、それぞれ次の末端基:
− −CF2−COFおよび他方の不飽和末端基;
− 不飽和の両末端基;
− 一方の不飽和末端基および他方の(パー)ハロアルキル
を有する、式(I)の化合物から得ることができる。
前記のとおり、これらの物質はフッ素化モノマーの重合においてビニルエーテルとして用いられ、フルオロポリマーを与える。
【0027】
置換基X1、X2、X3、X4が上記の条件に含まれない場合、それによって脱ハロゲン化または脱ハイドロハロゲン化を行うことができず、式(I) の物質はポリマー用添加剤、溶媒、冷媒、界面活性剤などとして使用される。X1、X2、X3、X4の少なくとも1つがHであるとき、該物質の環境へのインパクトは低い。
【0028】
さらに、原料ジアシルフルオライドの部分フッ素化、およびそれに続いて生成したハイポフルオライトの、パーフッ素化されたまたはパーフルオロポリエーテルオレフィンへの添加と共に、本発明の方法を行うと、モノカルボン酸(パー)フッ素化物質を得ることができる(実施例参照)。
【0029】
用いられるオレフィンが、2)および3)における上記のような官能基(エステル、シアノ、アミド、−SO2F、イソシアネート、イソチオシアネート、任意に置換されていてもよいアリール、無水物、ホスフィンオキサイド −P(O)(C6H5)2またはホスホネート−P(O)2(C6H5)2)を1つ以上含んでいるとき、得られる(パー)ハロエーテル物質は、界面活性剤として表面処理のため(撥油剤および撥水剤)ならびに添加剤として使用できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明のさらなる目的は、L=0のとき、XがF以外のものである場合だけを除いて、次の工程からなる、式(I)の(パー)ハロエーテル類を製造するための方法である:
【0031】
a) 不活性の、液体または気体希釈剤の不存在下または存在下に、一般式
MeFy・zHF :
(式中、Meはアルカリもしくはアルカリ土類金属、または銀であり;yは金属の原子価によって1または2であり;zは0または0.5〜4範囲、好ましくはz=0または1である)
を有する触媒または触媒混合物の存在下に、‐100℃〜+50℃、好ましくは‐80℃〜+20℃の温度にて、式(III):
X’−(Rf)L−O−CF2 C(O)F (III)
(式中、X’、LおよびRfは上記の意味を有する)
のアシルフルオライドのフッ素化による
式(II):
X‘−(Rf)L−O−CF2CF2−OF (II)
(式中、X‘は次の意味を有する:
− F、直鎖状または分枝鎖状のC1−C3パー(ハロ)アルキル; 好ましくはパーフルオロアルキル、ここで1つのフッ素原子は1つの塩素原子で任意に置換されていてもよい;または、
− −[ O]TCF2CF2OF、−[ O]TCF2C(O)F、ここで上記のようにRf=Rf”のとき、T=0;上記のようにRf=Rf’のとき、T=1; L=0のときT=0;
L = 0、l;
L = 0のとき、X’はFおよび−CF2−CF2OFとは異なる;
L = 1、Rf = Rf’またはRf”であるとき;Rf’=C1−C20パーフルオロアルキレン、そしてRf”=上記の式(V)、より好ましくは上記の式(VI)を有するパーフルオロオキシアルキレン、Rf”の数平均分子量は66〜12,000である;
L = 1、そして、Rf = Rf’のとき、X’はC1−C5 パーフルオロオキシアルキルでもある)
のハイポフルオライトの合成;
【0032】
b) 不活性の、液体または気体希釈剤の不存在下または存在下に、0℃〜−120℃、好ましくは‐60℃〜‐110℃の範囲の温度における、ハイポフルオライト類 (II)の、式:
CX1X2=CX3X4 (VII)
(式中、X1、X2、X3およびX4は上記のとおりである)
の(パー)ハロオレフィン類との反応。
【0033】
本発明の方法で使用されるオレフィン類の例は、たとえば次のものである:
CFCl=CFCl; CHCl=CHCI; CHCl=CCl2; CH2=CF2; CFH=CFCl;
CF2=CF2; CF2=CF−CF3; CF2=CF−OCF3; CF2=CF−OCF2CF3;
CF2=CF−OCF2CF2CF3; CF2=CF−OCF2CF2SO2F、
CF2=CFOCF2OCF2C(O)F、CF2=CFOCF2OCF2COOMe、(メタ)アクリル酸のメチルもしくはエチルエステル、CH2=CH−O C(O)CH3;
CH2=CH−CH2−O−C(O)CH3、CH2=CH−CH2−Ar、CH2=CH−Ar、CH2=CH−CN、CH2=CH−CH2COOMe、CH2=CH−CH2Cl、マレイン酸またはフマル酸のジメチルもしくはジエチルエステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸。
【0034】
本発明の方法は、不連続法、半連続法、または連続法で行われる。
不連続法および半連続法は一つの反応器の使用を意味し、そこでフッ素化および付加反応(ワンポット反応)が行われる。
不連続法または半連続法で操作するとき、工程b)においてオレフィンをハイポフルオライトに付加するのが好ましい。
連続法は2つの別々の反応器の使用を意味し、そこではフッ素化およびオレフィンへの付加反応がそれぞれ行われる。
【0035】
不連続法、半連続法および連続法における方法では、従来技術の前記の欠点を避けるために、例えば下記のような不活性の、液体または気体希釈剤に加えられるハイポフルオライトの濃度は、50重量%より高く、好ましくは70重量%より高く、さらに好ましくは不活性希釈剤の不存在下で行われる。
【0036】
ハイポフルオライトを製造するフッ素化反応で、工程a)は、反応条件下で不活性な希釈剤の不存在下または存在下に、−100℃〜+50℃、好ましくは−80〜+20℃の範囲の温度にて、アシルフルオライドに対して過剰または少ない量のフッ素中で行われる。次に記載の希釈剤、例えば、C3F8、C4F8(環状)、C3F8O(エーテル)、CF3O−(CF2)2−CF3、N2、CF4、C2F6、パーフルオロポリエーテル類、例えばガルデン(Galden(登録商標))HT 55が用いられる。
【0037】
式(III)ののアシルフルオライドは、パーオキサイド原料物質を合成し、次いで還元して、末端にアシルフルオライドを有するパーフルオロポリエーテル成分を得ることにより製造することができる。パーオキサイド原料物質の合成は、例えば特許GB 1,189,337、GB 1,104,482、US 3,683,027、US 3,175,378、US 5,149,842、US 5,258,110、US 5,488,181に記載されているように、低い温度で、紫外線またはラジカル開始剤の存在下に、フルオロオレフィン類、特にC3F6および/またはC2F4を酸素と共に酸化的重合に付すことにより行われる。パーオキサイド原料物質の還元は、例えばUSP 3,847,978、USP 6,127,498に記載されているように、パラジウムを含む適切な触媒上で水素を用いて行われ、アシルフルオライド末端基を有するパーフルオロポリエーテル生成物が得られる。あるいはまた、アシルフルオライド末端基を有するパーフルオロポリエーテル物質は、USP 5,143,589に記載されているような連鎖移動剤の存在下に、フルオロオレフィンの光酸化によって得ることができる。また、USP4,460,514は、‐OCF2−COF末端基を有するオリゴマー(OCF2)の製造を記載している。
【0038】
アシルフルオライドは、従来技術の公知方法に従って、対応するカルボン酸の電気化学的フッ素化によっても得ることができる。この方法は、Rf = Rf’のアシルフルオライド類にも適用できる。
【0039】
工程a)で用いられる触媒は、従来技術において公知である。USP 4,827,024、USP 4,499,024、EP 754,670、Ruff J. K.ら、J. Am. Chem. Soc. 88:19(1966)pp. 4531−4532、Lustig ら、J. Am. Chem. Soc. 89:12(1967)pp. 2841−2843; Hohorst A. ら、J. Am. Chem. Soc. 89:8(1967)pp.1809−1810が挙げられる。例えば、次のものが例示される:LiF、NaF、KF、CsF、KHF2、AgF。これらの触媒は、そのまま、あるいは互いに混合して使用できる。
【0040】
フッ素化反応は、大気圧に等しいか、またはそれより高い圧力、例えば、2気圧までの圧力下に、きわめて短い接触時間で行われる。不足量の反応物の転化は、アシルフルオライド当量とF2フッ素モルとの間の等モル化学量論に関して完全であり、不足量の反応物に関して計算したハイポフルオライトのフッ素化収率は非常に高く、一般に95%より高い。
【0041】
本発明の方法で用いられる不活性な希釈剤は、反応条件下で不活性な、液体または気体の化合物を意味する。特に、工程b)でも用いられる不活性な希釈剤は、例えばC3F8、C4F8(環状)、C3F8O(エーテル)、(パー)フルオロポリエーテル類、例えば、ガルデン(登録商標) HT 55(b.p. 55℃を有するパーフルオロポリエーテル溶媒)、α,ω−ジヒドロフルオロポリエーテル類((パー)フルオロポリエーテル類およびα,ω−ジヒドロフルオロポリエーテル類の沸点は30℃〜300℃の範囲にあるのが好ましい)、CHCl2−CF3、CF3−CH2F、CF3CF2Clである。
【0042】
不連続法において、触媒とアシルフルオライドを含む懸濁液に必要な量のフッ素が、上記の−80℃〜+20℃の温度で、1回添加される。次のフッ素化反応は、アシルフルオライドの完全転化によって起こる。未反応のフッ素を除去したのち、(パー)ハロオレフィンを、上記の希釈剤の不存在下または存在下に、好ましくは−110〜−60℃の範囲の温度で、ハイポフルオライトに添加して、最終の(パー)ハロエーテル成分を得る。
【0043】
本発明による不連続法において、アシルフルオライドのフッ素化とオレフィンのハイポフルオライトへの付加の継続した両反応は、フッ素の供給をオレフィンの供給と交替させることによって、単一の反応器中で行われる。反応器中には、最初のフッ素化相に必要な金属フルオライドに基づく触媒が常に存在する。本発明の方法で用いられる触媒は、(パー)ハロオレフィンへのハイポフルオライト付加反応の条件下で不活性である。最後のオレフィン付加の後、例えば濾過、真空下の蒸留またはストリッピングのような公知の分離方法を用いて、反応生成物を触媒および任意の反応溶媒から分離する。
【0044】
(パー)ハロオレフィン類への付加反応の収率は、希釈剤の不存在下でも高く、通常ハイポフルオライトに関して計算して、50%〜90%の範囲である。
【0045】
半連続法は、フッ素化反応が、上記の温度で、例えば窒素、ヘリウム、CF4、C2F6、C3F8などの不活性ガスで任意に希釈された気体フッ素を、触媒およびアシルフルオライドを含む懸濁液中に、アシルフルオライドの転化率が1%〜80%、好ましくは5%〜60%に達するまで流すことにより行われる。フッ素転化は完了する。
【0046】
フッ素付加が終わったとき、(パー)ハロ−オレフィンを、ハイポフルオライト、触媒および未反応のアシルフルオライドを含む懸濁液に、0℃〜−120℃、好ましくは−60〜−110℃の温度で、ハイポフルオライトの転化が完了するまで加える。オレフィンは、そのまま、あるいは付加反応について上で例示されたものから選択される液体または気体の希釈剤に分散して加えられる。オレフィンの添加が終わったとき、他のアシルフルオライドのハイポフルオライトへの転化とともにさらにフッ素化反応を進め、続いてオレフィンの第2添加を行う。一連のフッ素化および付加反応は、アシルフルオライドの転化が完了するまで繰り返される。(パー)ハロオレフィン類への付加収率は、不活性希釈剤の不存在下でも極めて高く、ハイポフルオライトに基づいて計算して、通常50%〜90%の範囲である。
【0047】
半連続法の利点は、単一の反応器を使用することにより、フッ素化反応器から付加反応が行われる反応器へのハイポフルオライトの移送を省けることである。この移送は、前記のとおり、分解現象を引起こし得る。また、反応溶媒の不存在下では付加収率が高い。
【0048】
連続法では、2つの別々の反応器が使われる。第1の反応器(反応器1)ではアシルフルオライドのフッ素化反応が行われ、第2の反応器(反応器2)では(パー)ハロ−オレフィンへの付加が行われる。フッ素化において、不足量の反応試剤の転化は、アシルフルオライド当量とフッ素モルとの間の等モル比に対して、完全である。ハイポフルオライトのフッ素化収率は、不足量の反応試剤に基づいて計算して、極めて高く、通常95%より高い。
【0049】
連続法のフッ素化工程a)において不足量の反応試剤がフッ素であるとき、液体および気体の希釈剤の不存在下に反応を行うのが好ましい;不足量の反応試剤がアシルフルオライド(過剰量のフッ素)であるとき、あるいは反応試剤が化学量論的量で導入されるとき、例えばフッ素化反応について上記で示されたものから選択される、不活性希釈剤の存在下に行うのが好ましい。
【0050】
生成したハイポフルオライトおよび任意の未反応のアシルフルオライドは反応器2に供給される。後者の反応器には、ハイポフルオライトおよびアシルフルオライドを含む混合物の他に、(パー)ハロ−オレフィンが純粋な状態で、あるいは付加反応について上で示されたものから選択される、適切な不活性の、気体または液体希釈剤で希釈されて、連続的に導入される。
【0051】
連続法の工程b)において、付加反応器に同時に導入される、時間当たりのハイポフルオライトの当量(eq.−OF/h)と時間当たりのオレフィンの当量(eq.オレフィン/h)との間の比は、0.5〜2.0、好ましくは0.8〜1.2である。
【0052】
未反応のアシルフルオライドおよび付加生成物を含む反応粗生成物は、反応器2の底から連続的に回収され、フッ素化反応器1に供給される。そこでは、まだ存在するアシルフルオライドが元素状フッ素でフッ素化されてハイポフルオライトとなり、次いで付加反応器に再び供給される。
【0053】
連続法では、アシルフルオライドの、対応する(パー)ハロ−エーテルへの完全な変換が達成される。それは付加反応器中に液体として集められ、簡単な蒸留によって任意に精製される。
不活性希釈剤の不存在下でも、ハイポフルオライトの(パー)ハロ−オレフィンへの付加収率は、ハイポフルオライトに対して計算して非常に高く、通常50%〜90%の範囲である。
【0054】
連続法では、好ましくは少ない量のフッ素を用いて、より好ましくは不活性希釈剤の不存在下に、工程a)を行うと、(パー)ハロエーテル類の非常に良好な生産性が達成される。特に、このような結果は、高沸点を有するハイポフルオライト類を用いても得られる。
【0055】
反応溶媒の不存在によって、以下の利点を得ることができる:
−溶剤の使用に伴う環境上の危険を排除すること;
−蒸留の高容量を回避して、反応生成物を回収すること;
−プラント操業費を減らすこと。
ハイポフルオライト合成および(パー)ハロ−オレフィン類での付加反応を含む本発明の方法は、‐10℃より高い沸点を有するハイポフルオライト類にとって、特に有利である。
【0056】
上で見てきたように、(パー)ハロエーテル類を得るために前記のようなハイポフルオラオト類を使用する従来技術では、ハイポフルオライト類の部分的または全体の縮合現象を避けることは困難であり、それに対応して、上記のように、非常に発熱性の望ましくない分解反応が起こり、(パー)ハロエーテル類の収率が著しく低下する。
【0057】
本発明のさらなる目的は、式(II)のハイポフルオライト類である:
(式中、L = 1、Rfは前記のとおりであり、X’は次の意味を有する:
‐ F、直鎖状または分枝鎖状のC1−C3 パー(ハロ)アルキル; 好ましくは1つのフッ素原子が1つの塩素原子で任意に置き換えられていてもよいパーフルオロアルキル;または
‐ −[O]TCF2CF2OF
(式中、上記で定義したようにRf = Rf”のとき、T = 0;上記で定義したようにRf= Rf’のとき、T = 1))。
好ましいハイポフルオライト類は、以下のとおりである:
【0058】
CF3OCF2OCF2CF2OF、
CF3OCF2CF2OCF2CF2OF、
CF3CF2OCF2OCF2CF2OF、
CF3CF2OCF2CF2OCF2CF2OF
CF3OCF2OCF2OCF2CF2OF、
CF3OCF2OCF2CF2OCF2CF2OF
CF3OCF2CF2OCF2OCF2CF2OF、
FOCF2CF2OCF2OCF2CF2OF、
FOCF2CF2OCF2CF2OCF2CF2OF、
FOCF2CF2OCF2OCF2CF2OCF2CF2OCF、FOCF2CF2OCF2OCF2OCF2CF2OF、
FOCF2CF2OCF2CF2OCF2CF2OCF2CF2OF。
【0059】
前記のとおり、上記の方法で用いられる本発明のハイポフルオライト類は、(パー)ハロオレフィン類への付加により、(パー)ハロエーテル生成物への高い収率を可能ならしめる。
例えば、CF3基で置換されたハイポフルオライトの酸素に対してベータ位に炭素原子を有するとか、あるいは少なくとも3つの炭素原子を有する直鎖状のパーフルオロアルキル鎖に連結したハイポフルオライト酸素を有するように、異なった構造を有すハイポフルオライト類が、付加生成物において非常に低い収率で、(パー)ハロ−オレフィン類と反応しているから、これは驚くべきことである(比較実施例参照)。また、2より大きい炭素原子数を鎖中に有していてもよい本発明のハイポフルオライト類が、従来技術の教示に反して、フルオロオレフィン類と反応して良い収率を与え得るということは、さらに驚くべきことである。
【0060】
【実施例】
以下の実施例は本発明を説明するものであり、発明の目的を限定するものではない。
【0061】
実施例1
CsF触媒の調製
不活性雰囲気中で微細に粉砕したCsF触媒を反応器に入れ、200〜250℃の温度で不活性な気体流の下に、2時間乾燥した。次いで、このようにして脱水した触媒を、150℃の温度で2時間、400mbar(4×104 Pa)のフッ素でフッ素化し、使用前にフッ素を真空下で除去する。
【0062】
実施例2
CsF触媒、および原料アシルフルオライドに対して過剰のフッ素を用いて、式:
FOCF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OF (I)
のビス−ハイポフルオライトの合成を行う、本発明方法による不連続法の試験。実施例1に記載のようにして調製したCsF触媒0.90gを、内部熱電対を備えた10mlの金属製反応器に導入する。
次いで、不活性雰囲気(乾燥した箱)の下で操作して、数平均分子量460を有する、式
F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F (2−A)
のジアシルフルオライド(2ミリモル)を導入する;m/n=4.50であり、−COF末端基の官能性1.82、−CF2CF3末端基の官能性0.18を有する; USP 5,258,110およびUSP 3,847,978に記載の方法より調製。
【0063】
液体窒素下に冷却し、存在しているかもしれない未縮合の物質を真空下に除去したのち、フッ素5.47ミリモルを加える。反応混合物を−10℃とし、4時間反応させる。−196℃に冷却し、未反応のF2(1.70ミリモル)を回収し、除去する。反応混合物を−105℃とし、濃縮したのち、パーフルオロプロパン(C3F8)(3ミリモル)、CFCl=CFCI(5.47ミリモル)を、温度−105℃に維持しながら、ゆっくり加える。添加終了後、反応混合物を−105℃で1時間放置し、その後、温度を‐70℃とする。揮発性物質を水ポンプによって除去し、反応混合物をC6F6中に回収する。19F−NMRおよびGC/MS分析は、当初の−COF末端基の完全な消失を示す。
【0064】
フッ素化において得られるフッ素のバランスを確認するほかに、最終反応混合物中に原料アシルフルオライドが存在しないことは、これらの実験条件下で、アシルフルオライドの対応するハイポフルオライトへの転化が定量的であることを示す。
生成したハイポフルオライトは、次の式:
FOCF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OF (1)
(式中、mおよびnは上記のとおりである)
を有する。
【0065】
分析に基づけば、本プロセスの終了時に生成しているパーフルオロポリエーテル化合物は、次の末端基を有する:
− −OCFClCF2Cl、オレフィンCFCl=CFCIと式(l)のハイポフルオライトの末端−OF官能との反応に由来し、当初のアシルフルオライドのモルに対する収率83%;
− −OCF3、ハイポフルオライト(1)の−CF2CF2OF末端基の分解に由来し、同時にCOF2の生成を伴う。−OCF3末端基の収率:上記と同様に計算して17%。
【0066】
GC/MSおよびGC分析によって、次の物質も反応生成物の混合物中に同定され、定量された(モル%として)。
a)ClCF2CFClOCF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCFClCF 2Cl:70% ;
b)CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCFClCF2Cl:27% ;
c)CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF3:3%。
【0067】
反応生成物は、分別蒸留によって分離される。
特徴:
反応混合物の19F−NMR:
混合物上のCFCl3に関する19F−NMRスペクトル(ppm)(ppm=0):
−51.7, −55.3(2F −OCF 2 O−);
−56.2 (3F CF 3 OCF2CF2O−);
−57.8 (3F CF 3 OCF2O−);
−71.0(2F −CF 2 Cl);
−76.5 (1F −CFCl);
−87.5 (3F CF 3 CF2O−);
−88.4、−90.7 (4F −OCF 2 CF 2 O−)。
実施例2を表1にまとめた。
【0068】
実施例 2A−2C
実施例2と同様に、実施例2Aおよび2Cを行い、表1にまとめた。
【0069】
実施例 3−3B
表1にまとめたこれらの実施例において、実施例2で用いられ、そこで述べられた特許により合成された同族体であって、次の特徴:分子量620、m/n=4.30、‐COF末端基の官能性=1.82、−CF2CF3末端基の官能性=0.18を有する、高分子量のジアシルフルオライドから出発して、本発明による方法を行なう。
実施例2に記載したようにして、オレフィンのフッ素化および付加反応を実質的に行う。
【0070】
表1は、実施例2−2Cおよび3−3Bのように、過剰のフッ素中で操作することにより、ジアシルフルオライドのビス−ハイポフルオライトへの転化が定量的であり、オレフィン付加の収率が高いことを示している。
【0071】
実施例 4
ビス−ハイポフルオライト(1)の合成がCsF触媒上で対応するジアシルフルオライドの部分的なフッ素化によって行われる、本発明の方法による不連続法の試験。
数平均分子量620を有する式:
F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F
のジアシルフルオライド(2ミリモル)を、CsF触媒(0.90g)を含み、内部熱電対を備えた10mlの金属製反応器に、実施例2と同様に操作して導入する;m/n=4.30、−COF末端基の官能性1.82、−CF2CF3末端基の機能性0.18、実施例2に報告された特許に示されたようにして製造。
【0072】
液体窒素中で冷却したのち、存在しているかもしれない未縮合の物質を除去し、フッ素(2.50ミリモル)を加え、反応混合物を‐10℃で4時間放置する。フッ素化終了時にフッ素転化が完了していることが分かる。
濃縮後、‐105℃の温度で、パーフルオロプロパン(C3F8)(3 ミリモル)、CFCl=CFCl(3.5ミリモル)を徐々に加える。添加終了後、反応混合物を‐105℃で1時間放置し、次いで温度を‐70℃とする。揮発性物質を水ポンプによって除去する。
次いで、反応生成物をC6F6中で回収する。19F−NMR分析は、当初の‐COF末端基の転化率が69%であることを示す。
生成した各タイプの末端基の量は、転化したジアシルフルオライドに対してモル%で計算すると、それぞれ次のとおりである:
− −OCFClCF2Cl:62%;
− −OCF3:38%。
実施例4を表1にまとめる。
【0073】
GC/MSおよびGC分析により、当初のモルに対して27モル%を示す原料ジアシルフルオライドの他に、同様に計算した%で示される次の反応生成物による反応混合物が生成することが示されている:
a)ClCF2CFClOCF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCFClCF 2Cl:29% ;
b) CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCFClCF2Cl:23% ;
c) CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF3:13%;
d) F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCFClCF2Cl:5%
e) F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF3:3%.
【0074】
式(1)の対応するビス−ハイポフルオライト類へのオレフィンCFCl=CFClの付加により、実施例2の物質と同様に、反応生成物a)、b)、c)が得られた(実施例2参照);次の式(2):
F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OF (2)
を有する、対応するモノハイポフルオライト類へのオレフィンの付加から誘導される生成物d)およびe)。
【0075】
全ての前記生成物の定量的ガスクロマトグラフ分析は、ジアシルフルオライド類の部分的なフッ素化反応における選択性が次のとおりであることを示した:
− ビスーハイポフルオライト類(1):65%
− モノハイポフルオライト類(2): 8%
− ジアシルフルオライド類: 27%
【0076】
実施例は、前記の実験条件下で、当初存在する−COF末端基に対してより少ない量(モル)のフッ素を用いて操作しても、CsF触媒の存在下におけるジアシルフルオライド類のフッ素化反応が、用いたフッ素の定量的な転化を伴って、主にビス−ハイポフルオライト物質(1)を供給する。
反応生成物を分別蒸留により分離する。
【0077】
混合物上の CFC13に対するppmでの19F‐NMRスペクトラム(ppm=0):
13.2 (1F F(O)CCF2OCF2O−);
13.0 (1F F(O)CCF2OCF2CF2O−);
−51.7、−55.3 (2F ‐OCF 2 O−);
−56.2 (3F CF 3 OCF2CF2O−);
−57.8 (3F CF 3 OCF2O−);
−71.0 (2F −CF 2 Cl);
−76.5 (1F −CFCl);
−77.0 (2F −OCF2CF2OCF 2 C(O)F);
−78.8 (2F −OCF2OCF 2 C(O)F);
−87.5 (3F CF 3 CF2O−);
−88.4、−90.7 (4F −OCF 2 CF 2 O−)。
【0078】
実施例 4A
ビス−ハイポフルオライト(1)およびモノハイポフルオライト(2)の合成がCsF触媒上で対応するジアシルフルオライドの部分的なフッ素化によって行われる、本発明の方法による不連続法における試験
実施例4で用いられたジアシルフルオライド(2ミリモル)を、実施例2と同様に操作して、CsF触媒(0.90g)を含み、内部熱電対を備えた10mlの金属製反応器に供給する。
【0079】
液体窒素中で冷却したのち、存在しているかもしれない未縮合の物質を除去し、フッ素(2.0ミリモル)を加え、反応混合物を‐10℃で4時間放置する。フッ素化終了時に、フッ素転化が完了していることが分かる。CF2=CF2(2.80ミリモル)を同じ反応器に徐々に加え、温度を‐105℃にし、濃縮後、パーフルオロプロパン(C3F8)(3ミリモル)を加える。添加終了後、反応混合物を‐105℃で1時間放置し、次いで温度を‐70℃とし、揮発性物質を水ポンプによって除去する。
【0080】
次いで、反応生成物をC6F6中で回収する。19F−NMR分析は、当初の‐COF末端基の転化率が55%であることを示す。生成した各々の末端基を、転化されたジアシルフルオライドに対してモル%で計算した量は、それぞれ次のとおりである:
− −OCF2CF3:32%;
− −OCF3: 68%。
【0081】
GC/MSおよびGC分析は、次の反応生成物が形成されたことを示した:当初のものに対して39モル%を示す原料未反応ジアシルフルオライドの他に、ガスクロマトグラフで測定するとき次の相対モル%でのモノアシルフルオライド類および中性のパーフルオロポリエーテル類:
−モノアシルフルオライド類:
CF3CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F 6%
CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F 13%
−中性のパーフルオロポリエーテル類
CF3CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF3 10%
CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF3 11%
CF3CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF3 21%
反応生成物は分別蒸留により分離される。
【0082】
生成物の特徴:19F−NMR
CFCl3に対するppmでの19F−NMRスペクトル(ppm=0):
13.2 (1F F(O)CCF2OCF2O−);
13.0 (1F F(O)CCF2OCF2CF2O−);
−51.7, −55.3 (2F −OCF 2 O−);
−56.2 (3F CF 3 OCF2CF2O−);
−57.8 (3F CF 3 OCF2O−);
−77.0 (2F −OCF2CF2OCF 2 C(O)F);
−78.8 (2F −OCF2OCF 2 C(O)F);
−87.5 (3F CF 3 CF 2 O−);
−88.4、−90.7 (4F −OCF 2 CF 2 O−)。
この実施例で用いた条件と得られた結果を表1Aにまとめる。
【0083】
実施例 4Bおよび4C
ビス−ハイポフルオライト(1)およびモノハイポフルオライト(2)の合成が、CsF触媒上での対応ジアシルフルオライドの部分的なフッ素化によって行われる、本発明の方法による不連続法の試験
実施例4Bは、実施例4Aと同様に行われるが、実施例2に記載の数平均分子量460を有するジアシルフルオライドから出発する。
実施例4Cは、数平均分子量620を有するジアシルフルオライドから出発して、実施例4と同様に行われるが、化合物のフッ素化は温度+20℃で4時間行われる。
得られた結果を表1Aに示す。
【0084】
実施例5
ビス−ハイポフルオライト(1)およびモノハイポフルオライト:
F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OF (2)
の混合物が、フッ素化において、KHF2触媒上での対応ジアシルフルオライドの部分的なフッ素化によって得られる、本発明の方法による不連続法の試験
KHF2触媒(3.4g)(アルドリッチ・ケミカル・カンパニー、43ミリモル)を、内部熱電対を備えた10mlの金属製反応器に導入し、次いでフッ素400ミリバールで、室温にて2時間フッ素化する。
−196℃でフッ素を除去したのち、不活性雰囲気(乾燥した箱)中で操作し、実施例2と同様にして、ジアシルフルオライド(2−A)(1.90ミリモル)を導入する。
【0085】
液体窒素中で冷却したのち、存在しているかもしれない未縮合の物質を除去し、フッ素(2.80ミリモル)を加え、反応混合物を‐10℃で5時間放置する。フッ素化の終了時にフッ素転化が完了していることが分かる。温度‐105℃で、濃縮後、パーフルオロプロパン(C3F8)(3ミリモル)、CFCl=CFCl(3.15ミリモル)を徐々に加える。
反応混合物を‐105℃で1時間放置し、次いで温度‐70℃とする。揮発性物質を水ポンプによって除去する。
次いで、反応混合物をC6F6中で回収する。19F−NMR分析は、当初の‐COF末端基の転化率が80%であることを示す。
【0086】
生成した各タイプの末端基の量は、転化したジアシルフルオライドに対してモル%で計算すると、それぞれ次のとおりである:
− −OCFClCF2Cl:73%;
− −OCF3:27%。
GC/MSおよびGC分析により、当初のモルに対して4モル%を示す原料ジアシルフルオライド類の他に、同様に計算して次の%で示される次の反応生成物による反応混合物が生成していることが示される。
【0087】
a)ClCF2CFClOCF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCFClCF2Cl 38%;
b)CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCFClCF2Cl:14%;
c)CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF3:12%;
d)F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCFClCF2Cl:26%
e)F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF3:6%。
【0088】
対応ビス−ハイポフルオライト類(1)へのオレフィンCFCl=CFCIの付加により、実施例2の生成物と同様に、反応生成物a)、b)、c)が得られた;対応モノ−ハイポフルオライト類(2)へのオレフィンの付加から、生成物d)およびe)が導かれる(実施例4)。
【0089】
全ての前記生成物の定量的ガスクロマトグラフ分析は、フッ素化反応においてKHF2触媒を用いることにより、反応混合物中にある各物質の選択性は次のとおりであることを示した:
− ビス−ハイポフルオライト類(1):64%
− モノ−ハイポフルオライト類(2):32%
− ジアシルフルオライド類: 4%
【0090】
特に、モノ−ハイポフルオライト類(2)へのオレフィンCFCl=CFClの付加反応について、生成したモノ−ハイポフルオライト類のモルに対して計算したとき、−OCFClCF2Cl末端基における収率は81%であり、−OCF3末端基における収率は19%であることが分かった。
反応生成物を分別蒸留により分離する。
【0091】
混合物中の CFC13に対するppmでの19F‐NMRスペクトラム(ppm=0):
13.2 (1F F(O)CCF2OCF2O−);
13.0 (1F F(O)CCF2OCF2CF2O−);
−51.7、−55.3 (2F ‐OCF 2 O−);
−56.2 (3F CF 3 OCF2CF2O−);
−57.8 (3F CF 3 OCF2O−);
−71.0 (2F −CF 2 Cl);
−76.5 (1F −CFCl);
−77.0 (2F −OCF2CF2OCF 2 C(O)F);
−78.8 (2F −OCF2OCF 2 C(O)F);
−87.5 (3F CF 3 CF2O−);
−88.4、−90.7 (4F −OCF 2 CF 2 O−)。
実施例5を表2にまとめる。
【0092】
実施例6
実施例6は、実施例5のようにして行ったが、フッ素化反応には分子量620、m/n=4.30、‐COF末端基の官能性=1.82、‐CF2CF3末端基の官能性=0.18を有する、実施例3−3Bで用いたのと同様なジアシルフルオライドを用いた。
この実施例を表2にまとめた。
表2は、採用された実験条件下のフッ素転化が、ジアシルフルオライドの分子量に関わらず、実質的に定量的であることを示している。モノハイポフルオライト類(2)の付加収率は、ビス−ハイポフルオライト類(1)の付加収率と同様に非常に高い。
【0093】
実施例7
CsF触媒上での過剰量の対応ジアシルフルオライドをフッ素中でフッ素化することにより行われるビス‐ハイポフルオライト(1)の合成による、本発明の方法による半連続法による試験
内部熱電対を備えた10mlの金属製反応器にCsF触媒(0.90g)を導入し、次いで実施例1と同様にして活性化した。
不活性雰囲気下(乾燥した箱)に操作して、フッ素を除いたのち、実施例3−3Bで用いたジアシルフルオライド(2ミリモル)を導入する。液体窒素中で冷却したのち、存在しているかもしれない未縮合の物質を真空下に除去し、フッ素(1.83ミリモル)を加える。反応混合物を‐10℃としたのち、2時間反応させて、供給したフッ素の完全な消失を得る。反応混合物を‐105℃とし、濃縮したのち、パーフルオロプロパン(C3F8)(3ミリモル)、CFCl=CFCl(1.0ミリモル)を徐々に加え、温度を‐105℃に維持する。
【0094】
添加終了後、反応混合物を−105℃で1時間放置し、次いでフッ素化およびオレフィン付加反応を以下に記載するように繰り返す。
反応混合物の温度を‐196℃とし、フッ素(3.67ミリモル)を加え、温度を‐10℃に上げ、反応混合物をこの条件で2時間維持する。これを再び‐196℃に冷却し、未反応のF2(0.67ミリモル)を回収し、これを除去する。温度を‐105℃とし、CFCl=CFCl(5.47ミリモル)を徐々に加える。
温度を‐105℃で1時間維持し、次いで‐70℃に上げ、揮発性物質を水ポンプによって除去する。
【0095】
次いで、反応混合物をC6F6中に回収し、19F−NMR分析にて分析する。ジアシルフルオライドの転化率は90%である。
生成した各タイプの末端基の量は、転化したジアシルフルオライドに対してモル%で計算したとき、それぞれ次のとおりである:
− −OCFCICF2Cl:62%;
− −OCF3: 38%。
オレフィンCFCl=CFClのビス−ハイポフルオライト(1)への付加の主な反応生成物は、GC/MSおよびGC分析によって同定され、定量された。
上記の生成物は、実施例2で得られた生成物a)、b)およびc)にそれぞれ等しい。選択性は実施例2で得られた結果に対比できる。
反応生成物を分別蒸留により分離する。
19F‐NMRによる生成物の特徴は、実施例2で報告した結果と等しい。
【0096】
実施例8(比較)
パーフルオロアルキルハイポフルオライト CF3CF2CF2OFの合成およびオレフィン CFCl=CFClへの付加
実施例1に記載のようにして調製したCsF触媒(0.90g)を、内部熱電対を備えてた10mlの金属製反応器に導入し、USP 4,769,184の実施例7のようにして得られたCF3CF2C(O)F(2ミリモル)およびフッ素(4ミリモル)を触媒上で縮合させる。これを−80℃で3時間反応させる。液体窒素中で冷却した後、未反応のフッ素(2ミリモル)を回収し、アシルフルオライド転化率100%を達成する。
【0097】
過剰のフッ素を除去したのち、磁気攪拌機と内部熱電対を備えた、25mlのガラス製反応器中に、得られたハイポフルオライトCF3CF2CF2OFを温度−105℃で徐々に加える。上記の反応器中では、CFCl=CFCl(6ミリモル)とCFCl3(12ミリモル)を予め縮合させてある。添加終了後、反応混合物を‐105℃で1時間放置する。反応混合物についての19F−NMRおよびGC/MS分析は、当初のアシルフルオライドCF3CF2C(O)Fが完全に消失し、主としてCOF2, CF3CF3分解生成物、および少量であるが、当初のアシルフルオライドに対して4モル%の収率で、式:
CF3CF2CF2OCFClCF2Cl
を有するオレフィンへの付加生成物を得る。
この実施例は、炭素原子3以上の直鎖状連鎖を有するハイポフルオライト類が、非常に低い収率でオレフィン類になることを示す。
【0098】
実施例9(比較)
ハイポフルオライト CF3O(CF3)CFCF2OF(ベータ分枝したオキシアルキレンハイポフルオライト)の合成、およびオレフィン CFCl=CFClへの付加(比較試験)
実施例1のようにして調製したCsF触媒(0.90g)を、内部熱電対を備えた10mlの金属製反応器に導入し、USP 3,114,778の実施例IVのようにして得た、式CF3O(CF3)CFC(O)F(2ミリモル)およびフッ素(4ミリモル)を触媒上で縮合させる。これを−80℃で4時間反応させる。液体窒素中で冷却した後、未反応のフッ素 (1.6ミリモル)を回収する。過剰のフッ素を除去したのち、得られたハイポフルオライトCF3O(CF3)CFCF2OFを磁気攪拌機と内部熱電対を備えた25mlのガラス製反応器中へ温度−80℃で徐々に添加する。この応器中では、CFCl=CFCl(6ミリモル)とCFCl3(12ミリモル)とを予め縮合させた。
【0099】
添加終了後、反応混合物を‐80℃で1時間放置する。反応混合物についての19F−NMRおよびGC/MS分析は、当初のアシルフルオライドCF3O(CF3)CFC(O)Fの93%が転化し、ハイポフルオライトの分解に由来するCOF2, CF3OCF2CF3, CF3OCFClCF2Cl物質、および少量であるが、当初のアシルフルオライドに対して2%の収率で、式:
CF3O(CF3)CFCF2OCFClCF2Cl
を有する、ハイポフルオライトのオレフィンへの付加生成物を得る。
【0100】
実施例10
CsF触媒、および原料アシルフルオライドに対して過剰のフッ素を用いる式:
FOCF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OF (I)
のビス−ハイポフルオライトの合成を行う、本発明の方法による不連続法の試験実施例1に記載のようにして調製したCsF触媒(0.90g)を、内部熱電対を備えた10mlの金属製反応器に導入する。
実施例2と同様に操作して、平均分子量(MW)620を有する、式
F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F
のジアシルフルオライド(2ミリモル)を導入する;実施例3−3Bで用いられた、m/n 4.30、−COF末端基の官能性1.82、−CF2CF3末端基の官能性0.18。
【0101】
液体窒素で冷却後、存在しているかもしれない未縮合の物質を真空下で除去し、フッ素(5.47ミリモル)を加え、反応混合物を‐10℃で4時間放置する。これを−196℃に冷却し、未反応のF2(1.70ミリモル)を回収して除去する。反応混合物を−105℃とし、パーフルオロプロパン(C3F8)(3ミリモル)を縮合させる。次いで、反応混合物の温度を−55℃とし、トランス−1,2−ジクロロエチレンCHCl=CHCI(4.37ミリモル)を徐々に加える。添加終了後、反応混合物を−55℃で1時間放置する。揮発性物質を水ポンプによって除去し、反応混合物をC6F6中に回収する。19F−NMR分析は、当初の−COF末端基の完全な消失を示す。
【0102】
転化したジアシルフルオライドに対してモル%で示される、生成した各末端基の量は、それぞれ次のとおりである:
− −OCHClCHFCl:41%
− −OCF3 59%
GC/MSおよびGC分析によって、反応混合物中に次の生成物が同定され、定量された(相対モル%):
− ClFHCCHClOCF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)nCF2CF2OCHClCHFCl 24%
− CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCHClCHFCl 35%
− CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF3 41%
反応生成物を分別蒸留により分離する。
【0103】
CFCl3に対するppmでの19F−NMRスペクトル(ppm=0):
−51.7, −55.3 (2F −OCF 2 O−);
−56.2 (3F CF 3 OCF2CF2O−);
−57.8 (3F CF 3 OCF2O−);
−87.5 (3F CF 3 CF2O−);
−88.4、−90.7 (4F −OCF 2 CF 2 O−);
−91.1, −91.8 (2F −OCF2CF 2 OCHClCHFCl);
−143.4, −145.2 (1F −OCF2CF2OCHClCHFCl)。
【0104】
実施例10A−10E
これらの実施例は、次の相違点を除いて、実施例10と同様にして行った:
− 実施例10Dでは、アクリル酸エチル オレフィン(4.37ミリモル)を反応器に温度−196℃で加え、反応混合物を温度−50℃とし、次いでこの温度で1時間放置した。
− 実施例10Eでは、アセトニトリル(2ml)に溶解した無水マレイン酸 オレフィン(4.37ミリモル)を温度−196℃で反応器に加え、反応混合物を温度−30℃とし、この温度で1時間放置する。
得られた結果を表3にまとめた。
【0105】
実施例11
ビス−ハイポフルオライト(1)およびモノ−ハイポフルオライト(2)の合成が、CsF 触媒の上での対応ジアシルフルオライドの部分的フッ素化およびCHCl=CHClへの付加により行なわれる、本発明の方法による不連続法の試験
実施例4および3−3Bで用いたジアシルフルオライド:
F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F
(2ミリモル)を、実施例4と同様に操作して、内部熱電対を備え、CsF触媒(0.90g)を含む、10mlの金属製反応器に導入する。
【0106】
液体窒素下に冷却したのち、真空下で存在するかもしれない未縮合の物質を除去し、フッ素(2.10ミリモル)を加え、反応混合物を‐10℃で4時間放置する。フッ素化の終了時に、フッ素転化が完了していることが分かる。温度−80℃にて、反応器中で濃縮したのち、A−11(CFCl3)(3ミリモル)およびトランス−1,2−ジクロロエチレン(2.80ミリモル)を徐々に加える。添加終了後、反応混合物を−80℃で1時間放置し、次いで−50℃とし、揮発性物質を水ポンプによって除去する。
【0107】
次いで、反応生成物をC6F6中に回収する。19F−NMR分析は、当初の−COF末端基の転化率が57%であることを示す。生成した各末端基の量を、転化したジアシルフルオライドに対してモル%で示すと、それぞれ次のとおりである:
− −OCHClCHFCl:51%
− −OCF3: 49%
【0108】
GC/MSおよびGC分析によって、反応混合物が、当初のモルに対して31モル%を示す原料ジアシルフルオライド類のほかに、次の反応生成物によっても形成されていることが分かる(相対モル%):
‐ClFHCCHClOCF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCHClCHFCl 12%
‐CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCHClCHFCl 22%
‐CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF3 11%
‐F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCHClCHFCl 12%
‐F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF3 12%
反応生成物は分別蒸留により分離される。
【0109】
CFCl3に対するppmでの19F−NMRスペクトル(ppm=0):
13.2 (1F F(O)CCF2OCF2O−);
13.0 (1F F(O)CCF2OCF2CF2O−);
−51.7, −55.3 (2F ‐OCF 2 O−);
−56.2 (3F CF 3 OCF2CF2O−);
‐57.8 (3F CF 3 OCF2O−);
−77.0 (2F −OCF2CF2OCF 2 C(O)F);
−78.8 (2F −OCF2OCF 2 C(O)F);
−87.5 (3F CF 3 CF2O−);
−88.4、−90.7 (4F −OCF 2 CF 2 O−);
−91.1, −91.8 (2F −OCF2CF 2 OCHClCHFCl);
−143.4, −145.2 (1F −OCF2CF2OCHClCHFCl)。
【0110】
実施例12
ビス‐ハイポフルオライト(1)およびモノ‐ハイポフルオライト(2)の合成が、CsF 触媒上での対応ジアシルフルオライドの部分的フッ素化およびCF3OCF=CF2への付加により行なわれる、本発明の方法による不連続法の試験
実施例4のジアシルフルオライド:
F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F
(2ミリモル)を、実施例11と同様に操作して、CsF触媒(0.90g)を含み、内部熱電対を備えた10mlの金属製反応器に導入する。
【0111】
液体窒素下に冷却したのち、存在しているかもしれない未縮合の物質を真空下で除去し、フッ素(1.82ミリモル)を加え、反応混合物を‐10℃で4時間放置する。フッ素化が終わったとき、フッ素転化が完了していることが分かる。反応混合物を‐105℃とし、濃縮したのち、パーフルオロプロパン(C3F8)(3ミリモル)、CF3OCF=CF2(2.80ミリモル)を加える。
【0112】
添加終了後、反応混合物を‐105℃で1時間放置し、次いで‐70℃とし、揮発性物質を水ポンプによって除去する。
反応生成物をC6F6中に回収する。19F−NMR分析は、当初の‐COF末端基の転化率が49%であり、転化した‐COF末端基に対して計算し、モル%で以下に示される次の中性末端基を有する生成物を得る:
− −OCF2CF2OCF3: 90%
− −OCF(CF3)OCF3 : 10%
反応生成物は分別蒸留により分離される。
【0113】
CFCl3に対するppmでの19F−NMRスペクトル(ppm=0):
13.2 (1F F(O)CCF2OCF2O−);
13.0 (1F F(O)CCF2OCF2CF2O−);
‐51.7, −55.3 (2F ‐OCF 2 O−);
‐55.4 (3F ‐OCF(CF3)OCF 3 );
‐56.2 (3F CF 3 OCF2CF2O−);
‐57.8 (3F CF 3 OCF2O−);
‐77.0 (2F −OCF2CF2O−CF 2 C(O)F);
‐78.8 (2F −OCF2OCF 2 C(O)F);
‐86.7 (3F −OCF(CF 3 )OCF3);
‐87.5 (3F CF 3 CF2O−);
‐88.4、‐90.7 (4F −OCF 2 CF 2 O−);
‐98.2 (1F ‐COF(CF3)OCF3)
【0114】
実施例13
CsF 触媒上での対応ジアシルフルオライドのフッ素化およびCFCl=CFClへの付加によりビス−ハイポフルオライト(1)の合成が行なわれる、本発明の方法による半連続法の試験
不活性雰囲気下に温度200℃で4時間加熱して活性化したのち、ヘリウム1Nl/hで希釈したF2 1Nl/h で、温度150℃にて4時間でフッ素化したCsF触媒(2.3g)を、還流濃縮器、機械的攪拌器および内部熱電対を備えた420mlの金属製反応器に導入する。
【0115】
残留フッ素を除いたのち、実施例2のジアシルフルオライド(MW=460)(100 g、0.22モル)を加え、次いで反応混合物を外部低温保持装置で‐80℃とする。ヘリウム(0.5リットル/h)で希釈した元素状フッ素1.0リットル/h(l/h)により形成される混合物を、反応器中へ1時間で流す。反応器から流出するガスのガスクロマトグラフ分析は、供給したフッ素に対してフッ素収率が95%であることを示す。
【0116】
次いで、反応混合物を外部液体窒素の低温保持装置により‐105℃とし、ヘリウム(4Nl/h)で希釈したCFCl=CFCl(1Nl/h)により形成される混合物を、温度‐105℃で1時間かけて加える。
反応混合物を再び‐80℃とし、そこで上記と同じ条件下でさらなにフッ素化およびオレフィン付加を行う。この反応に続いて、当初の‐COF末端基の完全な転化までの19F−NMR分析を行う。一連の上記操作で、全部で0.42モルのフッ素を導入して、フッ素収率95%を達成する。
【0117】
反応終了後、触媒から分離して得られた生成物を19F−NMR分析にかける。
原料アシルフルオライドの転化は定量的である。
転化したジアシルフルオライドに対してモル%で示される、生成した各末端基の量は、それぞれ次のとおりである:
− −OCFClCF2Cl:85%
− −OCF3 15%
【0118】
GC/MSおよびGC分析により、反応混合物が次の反応生成物により示されたモル%で形成されていることが分かる:
a)ClCF2CFClOCF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)nCF2CF2OCFClCF2Cl 72%
b)CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCFClCF2Cl 26%
c)CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF3 2%
生成物は分別蒸留により分離される。
生成物の特徴付け:19F−NMR
【0119】
CFCl3(p.p.m.=0)に対する19F−NMRスペクトル(p.p.m.):
−51.7, −55.3 (2F −OCF 2 O−);
−56.2 (3F CF 3 OCF2CF2O−);
−57.8 (3F CF 3 OCF2O−);
−71.0 (2F −CF 2 Cl);
−76.5 (1F −CFCl);
−87.5 (3F CF 3 CF2O−);
−88.4、−90.7 (4F −OCF 2 CF 2 O−)。
【0120】
実施例14(比較)
パーフルオロアルキルハイポフルオライト CF3CF2CF2OFの合成およびそれに続くCFCl=CFClオレフィンの付加。
実施例2と同様に操作して、実施例8で用いたCF3CF2C(O)F(4.0ミリモル)を、CsF触媒(0.90g)を含み内部熱電対を備えた10mlの金属製反応器に導入し、次いでフッ素(2.0ミリモル)を加えたのち、反応混合物を‐80℃で4時間放置する。フッ素化の終了時に、フッ素転化が完了していることが分かる。温度−105℃にて、反応器中で濃縮したのち、パーフルオロプロパン(C3F8)(3ミリモル)、CFCl=CFCl(2.80ミリモル)を徐々に加える。添加終了後、反応混合物を−105℃で1時間放置する。
【0121】
次いで、反応生成物をC6F6中に回収する。反応混合物を19F−NMRおよびGC/MS分析により分析して、当初の‐COF末端基の転化率が50%であることが確認された。生成した物質は、ハイポフルオライトCF3CF2CF2OFの分解生成物:COF2,CF3CF3、およびわずかながら、オレフィンへの付加生成物CF3CF2CF2OCFClCF2Cl(モル収率:転化したアシルフルオライドに対して1%未満)である。
この実施例は、3以上の炭素原子の直鎖を有するハイポフルオライトへのオレフィン付加が、極めて低い収率で起こることを示す。
【0122】
実施例15(比較)
ハイポフルオライトCF3O(CF3)CFCF2OFの合成およびそれに続くCFCl=CFClオレフィンの付加
実施例2と同様に操作して、実施例9で用いたアシルフルオライドCF3O(CF3)CFC(O)F(4.0ミリモル)を、CsF触媒(0.90g)を含み内部熱電対を備えた10mlの金属製反応器に導入し、次いでフッ素(2.0ミリモル)を加える。反応混合物を‐80℃で4時間放置する。フッ素化の終了時、フッ素転化が完了していることが分かる。温度−105℃にて、反応器中で濃縮したのち、パーフルオロプロパン(C3F8)(3ミリモル)、CFCl=CFCl(2.80ミリモル)を徐々に加える。添加終了後、反応混合物を−105℃で1時間放置する。
【0123】
反応混合物についての19F−NMRおよびGC/MS分析は、当初のアシルフルオライドCF3O(CF3)CFC(O)Fの50%が転化して、ハイポフルオライトCF3O(CF3)CFCF2OFの分解に由来する物質COF2, CF3OCF2CF3およびCF3OCFClCF2Cl、ならびにわずかながら、オレフィンへの付加生成物CF3O(CF3)CFCF2OCFClCF2Cl(転化したアシルフルオライドに対して収率約1%)が得られていることを示した。
この実施例は、生成物CF3O(CF3)CFCF2OFに類似した構造を有するハイポフルオライト類へのオレフィンの付加は、極めて低い収率となることを示す。
【0124】
表1について以下に説明する。
実施例2−2C, 3−3Bおよび4:ジアシルフルオライドのフッ素化(表中、当初の‐COF末端基のミリモル)条件、ハイポフルオライトへのオレフィンの付加条件、‐COF転化%および反応生成物中に形成される末端基ClCF2CFClO−、CF3CF2O−、CF3O−のモル%;実施例4では、%が転化したアシルフルオライドの量に対して計算されている。フッ素化反応時間は4時間であり、使用した触媒はCsF(0.9g)である。
【0125】
【表1】
【0126】
表1Aについて以下に説明する。
実施例4A−4C:不連続法での反応
ジアシルフルオライドのフッ素化(表中、当初の‐COF末端基のミリモル)の条件、ハイポフルオライトへのオレフィンの付加条件、‐COF転化%および反応生成物中に形成された末端基ClCF2CFClO−、CF3CF2O−、CF3O−のモル%;%は転化したアシルフルオライドの量に対して計算される。フッ素化反応時間は4時間であり、使用した触媒はCsF(0.9g)である。
【0127】
【表1A】
【0128】
表2について以下に説明する。
実施例5および6:ジアシルフルオライドのフッ素化条件(略称:表中DACF)、ジアシルフルオライドの転化%および転化したモノハイポフルオライト(2)のモル数に対して計算した反応生成物中に形成された末端基ClCF2CFClO−/CF3O−のモル%比。フッ素化反応の温度は−10℃であり、使用した触媒はKHF2である。付加反応での温度は−105℃であり、使用したオレフィンはCFCl=CFClであり、反応溶媒はC3F8である。
【0129】
【表2】
【0130】
表3について以下に説明する。
実施例10、10A−10E, 11−12: バッチ反応
ジアシルフルオライドのフッ素化条件(表中、当初の‐COF末端基のミリモル)、ハイポフルオライトへのオレフィンの付加条件、‐COF転化%、反応生成物の末端基の式、反応生成物中の前記末端基およびCF3O−のモル%;%は転化したアシルフルオライドの量に対して計算した。フッ素化反応は−10℃で4時間行い、使用した触媒はCsF(0.90g)である。T℃(1a)および(1b)の欄では、それぞれの実施例でTインターバルが示される。
【0131】
【表3】
【0132】
【発明の効果】
本発明によれば、高い収率で、爆発の危険性を伴わないで、2より大きい炭素原子数を有するハイポフルオライト類から(パー)ハロエーテル類を製造することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は(パー)ハロエーテル類、それらの製造法、そして、前記(パー)ハロエーテル類の合成に有用なパーフルオロオキシアルキルハイポフルオライト類に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術において一般に知られていることであるが、パーフルオロアルキルハイポフルオライト類に(パー)ハロオレフィンを反応させて得られる(パー)ハロエーテル類は、そのままあるいはパーフルオロビニルエーテルモノマーの製造のために使用できる。例えば、特許文献1および特許文献2を参照。前記モノマーは、フッ素化エラストマーおよびフッ素化プラストマーの合成に使用できる。
【0003】
(パー)ハロエーテル類を製造するための、ハイポフルオライト類と(パー)ハロオレフィンとの反応は、ハイポフルオライトを含む気相を低温で(パー)ハロオレフィンを含む液相中に流して実施される。特許文献3を参照。反応の合計収率を高めるには、低温で操作することが必要である。しかしながら、オレフィンと接触させる前に、ハイポフルオライトの縮合が一部ではあるが起きる可能性があるという、欠点がある。これはハイポフルオライトの分解を導くので、それは激しい爆発に至る可能性がある。例えば、分子量204を有するハイポフルオライトCF3CF2CF2OF は沸点‐9℃を有し(非特許文献1)、(パー)ハロエーテルの合成で採用される温度で容易に縮合することができる。‐30℃より低い温度で上記特許の製法は、低い沸点を有する、つまり鎖中に1または2の炭素原子を有するハイポフルオライト類のみに適用できる。
【0004】
上記の方法に代えて、例えば、特許文献4に記載のように、(パー)ハロエーテル類がハイポフルオライトを適切なハロゲン化溶媒に溶かした溶液を(パー)ハロオレフィンに加えて得られることが、従来技術において知られている。上記特許の実施例によると、鎖中に二つの炭素原子を有するパーフルオロアルキルハイポフルオライト類がハイポフルオライトとして使われるときには、収率は高い。1−クロロパーフルオロエチルハイポフルオライトを使用するとき、収率は30%未満である。二つの炭素原子を有する(パー)フルオロエチルハイポフルオライト以外のハイポフルオライト類は例示されていない。また、前記特許の教示によれば、ハイポフルオライトは気相中、低温で合成され、次いで高くても50重量%までの濃度で不活性溶媒に溶解される。
【0005】
特許文献5は、式
Rf1OCF2OFおよびFOCF2ORf1OCF2OF
(式中、Rf1は高分子量を有するパーフルオロポリエーテル基である)
で示されるハイポフルオライト類、およびそれぞれのオレフィンとの付加物を記載している。前記ハイポフルオライト類を製造する方法は、−60〜30℃の温度でUV 光を用いるパーオキサイドフッ素化反応を含んでいる。実施例によると、反応時間は非常に高い。それが完了したとき、ハイポフルオライトへの転化は、ハイポフルオライトの低い収率を決定的にする。また、工業的製造法では、UV光の使用は高価である。
【0006】
特許文献6は、式
FC(O)−Rf2−CF2OF
(式中、Rf2は分子量100〜2,000を有する、(C1−C12)パーフルオロアルキルまたはパーフルオロオキシアルキル鎖である)
のハイポフルオライト類を記載している。前記特許の実施例は、ハイポフルオライトの合成に関するものであるが、オレフィンとの総合反応は言及されてない。その出願人は、前記実施例の物質に類似の構造を有する化合物、CF3CF2CF2−OFおよびCF3O−CF(CF3)−CF2OFを用いることにより、フルオロオレフィンとの付加反応の収率が非常に低いことを開示している(比較例参照)。
【0007】
特許文献7は、C1−C20フルオロアルキルまたはオキシフルオロアルキル−ハイポフルオライト類を記載している。ハイポフルオライトのオレフィンへの付加の実施例は言及されていない。例示された化合物には、炭素原子が2を超えるハイポフルオライト類がある。その出願人は、前記ハイポフルオライト類が(パー)ハロ−オレフィンとの総合反応で非常に低い収率を与えることを示している(比較例参照)。
【0008】
特許文献8は、一般式
FOCF2−Rf3 CF2OF
のビスハイポフルオライト類の気相中での製造を記載している。Rf3は、パーフルオロアルキレンまたはパーフルオロオキシアルキレンである。2より大きい炭素原子数を有するハイポフルオライトの唯一報告されている実施例は、3つの炭素原子を有するハイポフルオライトである。この出願人によって行われた試験は、前記ハイポフルオライト類ではオレフィンへの付加が非常に低い収率であることを示している。
【0009】
従来技術によると、2より大きい炭素原子数を有するハイポフルオライトの合成は、起こり得る縮合のリスクと、それに伴う爆発を回避するために、気相中、0〜60℃の温度、特に20℃で行われる。さらに、アシルフルオライド前駆物質の非常に高い希釈度で行われる。特許文献8参照。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとしている技術的な問題は、2より大きい炭素原子数を有するハイポフルオライト類を用いて、(パー)ハロエーテル類を高い収率で合成することに関する。2より大きい炭素原子数を有する(パー)フルオロアルキルハイポフルオライト類の使用に関する従来技術において報告されているデータは非常に乏しく、とにかくそれらはオレフィンへの付加の非常に低い収率を与えている(比較例参照)。これは、前記化合物が爆発を引き起こし、取扱いが困難であるという事実による。USP 4,900,872参照。
【0011】
事実、2より大きい炭素原子数を有する直鎖状のパーフルオロアルキルハイポフルオライト類は、安定性が乏しく、非常に激しい反応でも極めて容易に分解する傾向にあることが知られている。例えば、Adv. Fluorine Chem. 7(1973)175−198;Explosive Incident report No.189、Armed Services Safety Board, Washington, D.C.; Chem. & Engin. 1 March 1965 参照。
高分子量を有するハイポフルオライト類を用いて、高い収率で、爆発の危険性を伴わない方法で、2より大きい炭素原子数を有するハイポフルオライト類から(パー)ハロエーテル類を入手にする必要性が感じられていた。該(パー)ハロエーテル類は、(パー)フルオロビニルエーテルモノマー類の製造に使用できる。該モノマーは、知られているように、フルオロポリマー類、例えば、エラストマー系のフルオロポリマー類の製造において高度に必要とされている。
【0012】
【特許文献1】
アメリカ特許第5,877,357号
【特許文献2】
ヨーロッパ特許出願第683,181号
【特許文献3】
アメリカ特許第5,225,576号
【特許文献4】
アメリカ特許第4,900,872号
【特許文献5】
アメリカ特許第4,906,770号
【特許文献6】
ヨーロッパ特許出願第754,670号
【特許文献7】
アメリカ特許第4,827,024号
【特許文献8】
アメリカ特許第4,801,409号
【非特許文献1】
J. of fluorine Chemistry vol. 95(1999)29
【非特許文献2】
Adv. Fluorine Chem. 7(1973)175−198
【非特許文献3】
Explosive Incident report No.189、Armed Services Safety Board, Washington, D.C.; Chem. & Engin. 1 March 1965
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、式(I)を有する(パー)ハロエーテル類である。
X−(Rf)L−O−CF2CF2−O−CX1X2 −CFX3X4 (I)
(式中、X1、X2、X3 およびX4 は次の意味を有する:
1)それぞれ独立して、それらはF, H, ClまたはBr;好ましく
はF, H, Clであり;さらに好ましくは:
− X3 = Fそして X4 = Cl, X1 = F そして X2 = Cl;
X3 = F そして X4 = Cl, X1 = F, X2 = H;
− X1 = X3 = H そして X2 =X4 = Cl;
− X1 = X3 = X4 = Cl そして X2 = H;
【0014】
2)X1またはX2のうちの一方および/またはX3またはX4のうちの一方は次の群から選択される:
−COORI H (ただし、R1 H は C1−C3 アルキルである); −OC(O)CH3; −CN; −NCO; −NCS; 置換または非置換のアリール(ただし、置換されたとき置換基はNO2である);−NH−C(O)−NH2; −OC(O)2CH3;− P(O)(C6H5)2; − P(O)2(C6H5)2; ‐SO2F;好ましくは、群は次のものである: −COOR1 H, −CN, NCO, NCS, 上記に定義したアリ−ル, −SO2F; 一方、X1, X2, X3, X4 の群の残りの置換基は1)で定義した意味を有する;
【0015】
3)X1またはX2のうちの一方および/またはX3またはX4のうちの一方は次の群から選択される:
3)a.C1−C20, 好ましくは C1−C5,直鎖状または分枝鎖状の、パー(ハロ)フッ素化アルキル、好ましくは(パー)フルオロアルキル;
【0016】
3)b. C1−C20, 好ましくはC1−C5, 直鎖状または分枝鎖状のパー(ハロ)フッ素化オキシアルキル、好ましくは(パー)フルオロオキシアルキル;
ただし、アルキルがパー(ハロ)のとき、1以上のClおよび/またはBrが存在する;
3)a. および 3)b. 好ましくは、それぞれ2)に示すものおよび/または、有機のC1−C4モノカルボン酸の直鎖状無水物、またはC4−C6ジカルボン酸の環状無水物からなる群から選ばれるフッ素化または水素化された、有機無水物から選択される、1以上の官能基を含み、無水物の中ではC4−C6ジカルボン酸の環状無水物が好ましい;
【0017】
3)c. フッ素化有機無水物を除いて、上記3)で示したものから選ばれる、1以上の官能基を任意に含んでいてもよい、 C1−C10, 好ましくはC1−C5の直鎖状または分枝鎖状のアルキル;
ただし、X1, X2, X3, X4 の群の残りの置換基は、1)で定義した意味を有する;
【0018】
4)X1またはX2の一方と, X3またはX4の一方とが一緒になって、さらに基−CXIX2−CFX3X4の2つの炭素原子とともに、環中に4〜6の炭素原子、好ましくは4つの炭素原子を含む、環状フッ素化または水素化された無水物またはイミド化合物を形成する、一方、X1またはX2およびX3またはX4の残りの置換基は、1)で定義した 意味を有する;
【0019】
4a) X3およびX4は、それらが結合した関連する炭素原子とともに、4つの炭素原子を有する環状無水物を形成し;X1およびX2は1)で定義した意味を有する;
Xは、次の意味を有する;
−F、直鎖状または分枝鎖状のC1−C3 パー(ハロ)アルキル; 好ましくは、(パー)フルオロアルキル、ただし、任意に1つのフッ素原子は1つの塩素原子で置換されている;
‐ −[O]TCF2CF2OCX1X2−CFX3X4, −[O]TCF2C(O)F,
式中、
L=1で以下に定義するようにRf = Rf ”のとき、T=0;
L=0のとき、T=0;
L=1で以下に定義するようにRf = Rf’のとき、T=1;
‐ L=1で以下に定義するようにRf = Rf’のとき、Xは C1−C5 パーフルオロオキシアルキルであってもよい;
L=0, 1;
− L=0のとき、Xの意味から次のものが除かれる:
− F;
− −[O]TCF2CF2OCX1X2−CFX3X4
(ただし、T=0, X1=F, X2=Cl, X3=F, X4=Cl);
− C1−C3 パーフルオロアルキル(ただし、X1=F, X2 =Cl, X3=F、そしてX4=Cl);
− L=1のとき, Rf=Rf’またはRf”;ただし、Rf’=C1−C20パーフルオロアルキレン;
Rf”は、次式で示されるパーフルオロオキシアルキレン :
−−(OCF2CF2)m(OCF2)n(OCF2CFCF3)p(OCFCF3)q−(OCF2CF2 CF2)r− (V)
式中、 m、 n、 p、 q、 r は次のような整数である:
m は0〜100(両端を含む);
n は0〜100(両端を含む);
p は0〜60(両端を含む);
r は0〜60(両端を含む);
q は0〜60(両端を含む);
m+n+p+r+q ≧ 1 ;
Rf” の数平均分子量は66〜12,000、好ましくは 66〜3,000である。
Rf = Rf“のとき、パーフルオロオキシアルキレンは好ましくは次の式を有する:
−(OCF2CF2)m(OCF2)n− (VI)
式中、mおよびnはそれぞれ独立して、上記の数値、好ましくは0〜20を有する ;mおよびnがともに存在するとき、m/nは0.1〜6の範囲である。
【0020】
式(I)の(パー)ハロエーテル類の好ましいものは次のとおりである:
CF3CF2O−CF2CF2−O−CHCl−CFCl2;
CF3OCF2O−CF2CF2 O−CFCl−CF2CI;
CF3OCF2CF2O−CF2CF2−O−CFCI−CF2CI;
CF3OCF2OCF2O−CF2CF2−O−CFCI−CF2Cl;
CF3O−CF2CF2−O−CHCI−CHFCl;
CF3O−CF2CF2−O−CHCI−CFCl2;
CF3CF2O−CF2CF2−O−CHCI−CHFCI;
CF3OCF2O−CF2CF2−O−CHCI−CHFCI;
CF3OCF2CF2O−CF2CF2−O−CHCI−CHFCI;
CF3OCF2OCF2O−CF2CF2−O−CHCI−CHFCI;
【0021】
F(O)CCF2−O−CF2CF2−O−CFCI−CF2Cl;
F(O)CCF2−O−CF2CF2−O−CHCl−CHFCl;
F(O)CCF2−OCF2O−CF2CF2−O−CFCI−CF2Cl;
F(O)CCF2−OCF2O−CF2CF2−O−CHCI−CFCI2;
F(O)CCF2−OCF2CF2O−CF2CF2−O−CFCl−CF2Cl;
F(O)CCF2−OCF2OCF2CF2O−CF2CF2−O−CFCI−CF2Cl;
F(O)CCF2−OCF2CF2OCF2O−CF2CF2−O−CFCI−CF2Cl;
CHFCICHClO−CF2CF2−O−CF2CF2−O−CHCl−CHFCI;
CF2CICFCIO−CF2CF2−OCF2O−CF2CF2−O−CFCl−CF2Cl;
CF2CICFClO−CF2CF2−OCF2CF2O−CF2CF2−O−CFCl−CF2Cl;
【0022】
CF2CICFClO−CF2CF2−OCF2OCF2CF2O−CF2CF2−O−CFCl−CF2Cl;
CFCl2CHClO−CF2CF2−O−CF2CF2−O−CHCl−CFCl2;
CFCI2CHClO−CF2CF2−OCF2O−CF2CF2−O−CHCl−CFCl2;
CFCI2CHClO−CF2CF2−OCF2CF2O−CF2CF2−O−CHCl−CFCl2;
CFCI2CHClO−CF2CF2−OCF2OCF2CF2O−CF2CF2−O−CHCl−CFCl2;
CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F;
CF3CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F;
CF3CF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F;
(CF3)2CFO−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F;
CF3O(CF3)CFO−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F;
【0023】
CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCF2CF3;
F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCH2CF3;
CF3CH2OCF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCH2CF3;
CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCH2CHFCOOMe;
F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCH2CHFCOOMe;
MeOCOCHFCH2OCF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−
CF2CF2OCH2CHFCOOMe;
【0024】
【化2】
(式中、m/n =4.3、そしてパーフルオロポリエーテル鎖(CF2CF2O)m(CF2O)n− の分子量は620である。
【0025】
式(I)の本発明物質は、少なくとも2つの末端炭素原子が脱ハロゲン可能であるか、または脱ハイドロハロゲン可能であるとき、ビニルエーテル類の製造のために使用できる。したがって、(パー)ハロエーテルの末端位の炭素原子における置換基X1、X2およびX3、X4はそれぞれ、脱ハロゲンまたは脱ハイドロハロゲンを行えるようなものでなければならない。これは、好ましくは、X1またはX2の少なくとも一方がH、Cl、Brであって、X3またはX4の少なくとも一方がH、Cl、Brであるときに起こる。脱ハロゲン化のためには、X1またはX2の一方、およびX3またはX4のそれぞれが同じであって、ClおよびBrから選ばれなければならない。脱ハイドロハロゲン化のためには、X1およびX2またはX3およびX4の置換基の少なくとも一つがHであり、HがX1またはX2であるとき置換基X3またはX4の少なくとも一つ、あるいはHがX3またはX4であるときX1およびX2の少なくとも一つはClまたはBrである。
【0026】
したがって、ビニルエーテル類は、前記のとおり、それぞれ次の末端基:
− −CF2−COFおよび他方の不飽和末端基;
− 不飽和の両末端基;
− 一方の不飽和末端基および他方の(パー)ハロアルキル
を有する、式(I)の化合物から得ることができる。
前記のとおり、これらの物質はフッ素化モノマーの重合においてビニルエーテルとして用いられ、フルオロポリマーを与える。
【0027】
置換基X1、X2、X3、X4が上記の条件に含まれない場合、それによって脱ハロゲン化または脱ハイドロハロゲン化を行うことができず、式(I) の物質はポリマー用添加剤、溶媒、冷媒、界面活性剤などとして使用される。X1、X2、X3、X4の少なくとも1つがHであるとき、該物質の環境へのインパクトは低い。
【0028】
さらに、原料ジアシルフルオライドの部分フッ素化、およびそれに続いて生成したハイポフルオライトの、パーフッ素化されたまたはパーフルオロポリエーテルオレフィンへの添加と共に、本発明の方法を行うと、モノカルボン酸(パー)フッ素化物質を得ることができる(実施例参照)。
【0029】
用いられるオレフィンが、2)および3)における上記のような官能基(エステル、シアノ、アミド、−SO2F、イソシアネート、イソチオシアネート、任意に置換されていてもよいアリール、無水物、ホスフィンオキサイド −P(O)(C6H5)2またはホスホネート−P(O)2(C6H5)2)を1つ以上含んでいるとき、得られる(パー)ハロエーテル物質は、界面活性剤として表面処理のため(撥油剤および撥水剤)ならびに添加剤として使用できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明のさらなる目的は、L=0のとき、XがF以外のものである場合だけを除いて、次の工程からなる、式(I)の(パー)ハロエーテル類を製造するための方法である:
【0031】
a) 不活性の、液体または気体希釈剤の不存在下または存在下に、一般式
MeFy・zHF :
(式中、Meはアルカリもしくはアルカリ土類金属、または銀であり;yは金属の原子価によって1または2であり;zは0または0.5〜4範囲、好ましくはz=0または1である)
を有する触媒または触媒混合物の存在下に、‐100℃〜+50℃、好ましくは‐80℃〜+20℃の温度にて、式(III):
X’−(Rf)L−O−CF2 C(O)F (III)
(式中、X’、LおよびRfは上記の意味を有する)
のアシルフルオライドのフッ素化による
式(II):
X‘−(Rf)L−O−CF2CF2−OF (II)
(式中、X‘は次の意味を有する:
− F、直鎖状または分枝鎖状のC1−C3パー(ハロ)アルキル; 好ましくはパーフルオロアルキル、ここで1つのフッ素原子は1つの塩素原子で任意に置換されていてもよい;または、
− −[ O]TCF2CF2OF、−[ O]TCF2C(O)F、ここで上記のようにRf=Rf”のとき、T=0;上記のようにRf=Rf’のとき、T=1; L=0のときT=0;
L = 0、l;
L = 0のとき、X’はFおよび−CF2−CF2OFとは異なる;
L = 1、Rf = Rf’またはRf”であるとき;Rf’=C1−C20パーフルオロアルキレン、そしてRf”=上記の式(V)、より好ましくは上記の式(VI)を有するパーフルオロオキシアルキレン、Rf”の数平均分子量は66〜12,000である;
L = 1、そして、Rf = Rf’のとき、X’はC1−C5 パーフルオロオキシアルキルでもある)
のハイポフルオライトの合成;
【0032】
b) 不活性の、液体または気体希釈剤の不存在下または存在下に、0℃〜−120℃、好ましくは‐60℃〜‐110℃の範囲の温度における、ハイポフルオライト類 (II)の、式:
CX1X2=CX3X4 (VII)
(式中、X1、X2、X3およびX4は上記のとおりである)
の(パー)ハロオレフィン類との反応。
【0033】
本発明の方法で使用されるオレフィン類の例は、たとえば次のものである:
CFCl=CFCl; CHCl=CHCI; CHCl=CCl2; CH2=CF2; CFH=CFCl;
CF2=CF2; CF2=CF−CF3; CF2=CF−OCF3; CF2=CF−OCF2CF3;
CF2=CF−OCF2CF2CF3; CF2=CF−OCF2CF2SO2F、
CF2=CFOCF2OCF2C(O)F、CF2=CFOCF2OCF2COOMe、(メタ)アクリル酸のメチルもしくはエチルエステル、CH2=CH−O C(O)CH3;
CH2=CH−CH2−O−C(O)CH3、CH2=CH−CH2−Ar、CH2=CH−Ar、CH2=CH−CN、CH2=CH−CH2COOMe、CH2=CH−CH2Cl、マレイン酸またはフマル酸のジメチルもしくはジエチルエステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸。
【0034】
本発明の方法は、不連続法、半連続法、または連続法で行われる。
不連続法および半連続法は一つの反応器の使用を意味し、そこでフッ素化および付加反応(ワンポット反応)が行われる。
不連続法または半連続法で操作するとき、工程b)においてオレフィンをハイポフルオライトに付加するのが好ましい。
連続法は2つの別々の反応器の使用を意味し、そこではフッ素化およびオレフィンへの付加反応がそれぞれ行われる。
【0035】
不連続法、半連続法および連続法における方法では、従来技術の前記の欠点を避けるために、例えば下記のような不活性の、液体または気体希釈剤に加えられるハイポフルオライトの濃度は、50重量%より高く、好ましくは70重量%より高く、さらに好ましくは不活性希釈剤の不存在下で行われる。
【0036】
ハイポフルオライトを製造するフッ素化反応で、工程a)は、反応条件下で不活性な希釈剤の不存在下または存在下に、−100℃〜+50℃、好ましくは−80〜+20℃の範囲の温度にて、アシルフルオライドに対して過剰または少ない量のフッ素中で行われる。次に記載の希釈剤、例えば、C3F8、C4F8(環状)、C3F8O(エーテル)、CF3O−(CF2)2−CF3、N2、CF4、C2F6、パーフルオロポリエーテル類、例えばガルデン(Galden(登録商標))HT 55が用いられる。
【0037】
式(III)ののアシルフルオライドは、パーオキサイド原料物質を合成し、次いで還元して、末端にアシルフルオライドを有するパーフルオロポリエーテル成分を得ることにより製造することができる。パーオキサイド原料物質の合成は、例えば特許GB 1,189,337、GB 1,104,482、US 3,683,027、US 3,175,378、US 5,149,842、US 5,258,110、US 5,488,181に記載されているように、低い温度で、紫外線またはラジカル開始剤の存在下に、フルオロオレフィン類、特にC3F6および/またはC2F4を酸素と共に酸化的重合に付すことにより行われる。パーオキサイド原料物質の還元は、例えばUSP 3,847,978、USP 6,127,498に記載されているように、パラジウムを含む適切な触媒上で水素を用いて行われ、アシルフルオライド末端基を有するパーフルオロポリエーテル生成物が得られる。あるいはまた、アシルフルオライド末端基を有するパーフルオロポリエーテル物質は、USP 5,143,589に記載されているような連鎖移動剤の存在下に、フルオロオレフィンの光酸化によって得ることができる。また、USP4,460,514は、‐OCF2−COF末端基を有するオリゴマー(OCF2)の製造を記載している。
【0038】
アシルフルオライドは、従来技術の公知方法に従って、対応するカルボン酸の電気化学的フッ素化によっても得ることができる。この方法は、Rf = Rf’のアシルフルオライド類にも適用できる。
【0039】
工程a)で用いられる触媒は、従来技術において公知である。USP 4,827,024、USP 4,499,024、EP 754,670、Ruff J. K.ら、J. Am. Chem. Soc. 88:19(1966)pp. 4531−4532、Lustig ら、J. Am. Chem. Soc. 89:12(1967)pp. 2841−2843; Hohorst A. ら、J. Am. Chem. Soc. 89:8(1967)pp.1809−1810が挙げられる。例えば、次のものが例示される:LiF、NaF、KF、CsF、KHF2、AgF。これらの触媒は、そのまま、あるいは互いに混合して使用できる。
【0040】
フッ素化反応は、大気圧に等しいか、またはそれより高い圧力、例えば、2気圧までの圧力下に、きわめて短い接触時間で行われる。不足量の反応物の転化は、アシルフルオライド当量とF2フッ素モルとの間の等モル化学量論に関して完全であり、不足量の反応物に関して計算したハイポフルオライトのフッ素化収率は非常に高く、一般に95%より高い。
【0041】
本発明の方法で用いられる不活性な希釈剤は、反応条件下で不活性な、液体または気体の化合物を意味する。特に、工程b)でも用いられる不活性な希釈剤は、例えばC3F8、C4F8(環状)、C3F8O(エーテル)、(パー)フルオロポリエーテル類、例えば、ガルデン(登録商標) HT 55(b.p. 55℃を有するパーフルオロポリエーテル溶媒)、α,ω−ジヒドロフルオロポリエーテル類((パー)フルオロポリエーテル類およびα,ω−ジヒドロフルオロポリエーテル類の沸点は30℃〜300℃の範囲にあるのが好ましい)、CHCl2−CF3、CF3−CH2F、CF3CF2Clである。
【0042】
不連続法において、触媒とアシルフルオライドを含む懸濁液に必要な量のフッ素が、上記の−80℃〜+20℃の温度で、1回添加される。次のフッ素化反応は、アシルフルオライドの完全転化によって起こる。未反応のフッ素を除去したのち、(パー)ハロオレフィンを、上記の希釈剤の不存在下または存在下に、好ましくは−110〜−60℃の範囲の温度で、ハイポフルオライトに添加して、最終の(パー)ハロエーテル成分を得る。
【0043】
本発明による不連続法において、アシルフルオライドのフッ素化とオレフィンのハイポフルオライトへの付加の継続した両反応は、フッ素の供給をオレフィンの供給と交替させることによって、単一の反応器中で行われる。反応器中には、最初のフッ素化相に必要な金属フルオライドに基づく触媒が常に存在する。本発明の方法で用いられる触媒は、(パー)ハロオレフィンへのハイポフルオライト付加反応の条件下で不活性である。最後のオレフィン付加の後、例えば濾過、真空下の蒸留またはストリッピングのような公知の分離方法を用いて、反応生成物を触媒および任意の反応溶媒から分離する。
【0044】
(パー)ハロオレフィン類への付加反応の収率は、希釈剤の不存在下でも高く、通常ハイポフルオライトに関して計算して、50%〜90%の範囲である。
【0045】
半連続法は、フッ素化反応が、上記の温度で、例えば窒素、ヘリウム、CF4、C2F6、C3F8などの不活性ガスで任意に希釈された気体フッ素を、触媒およびアシルフルオライドを含む懸濁液中に、アシルフルオライドの転化率が1%〜80%、好ましくは5%〜60%に達するまで流すことにより行われる。フッ素転化は完了する。
【0046】
フッ素付加が終わったとき、(パー)ハロ−オレフィンを、ハイポフルオライト、触媒および未反応のアシルフルオライドを含む懸濁液に、0℃〜−120℃、好ましくは−60〜−110℃の温度で、ハイポフルオライトの転化が完了するまで加える。オレフィンは、そのまま、あるいは付加反応について上で例示されたものから選択される液体または気体の希釈剤に分散して加えられる。オレフィンの添加が終わったとき、他のアシルフルオライドのハイポフルオライトへの転化とともにさらにフッ素化反応を進め、続いてオレフィンの第2添加を行う。一連のフッ素化および付加反応は、アシルフルオライドの転化が完了するまで繰り返される。(パー)ハロオレフィン類への付加収率は、不活性希釈剤の不存在下でも極めて高く、ハイポフルオライトに基づいて計算して、通常50%〜90%の範囲である。
【0047】
半連続法の利点は、単一の反応器を使用することにより、フッ素化反応器から付加反応が行われる反応器へのハイポフルオライトの移送を省けることである。この移送は、前記のとおり、分解現象を引起こし得る。また、反応溶媒の不存在下では付加収率が高い。
【0048】
連続法では、2つの別々の反応器が使われる。第1の反応器(反応器1)ではアシルフルオライドのフッ素化反応が行われ、第2の反応器(反応器2)では(パー)ハロ−オレフィンへの付加が行われる。フッ素化において、不足量の反応試剤の転化は、アシルフルオライド当量とフッ素モルとの間の等モル比に対して、完全である。ハイポフルオライトのフッ素化収率は、不足量の反応試剤に基づいて計算して、極めて高く、通常95%より高い。
【0049】
連続法のフッ素化工程a)において不足量の反応試剤がフッ素であるとき、液体および気体の希釈剤の不存在下に反応を行うのが好ましい;不足量の反応試剤がアシルフルオライド(過剰量のフッ素)であるとき、あるいは反応試剤が化学量論的量で導入されるとき、例えばフッ素化反応について上記で示されたものから選択される、不活性希釈剤の存在下に行うのが好ましい。
【0050】
生成したハイポフルオライトおよび任意の未反応のアシルフルオライドは反応器2に供給される。後者の反応器には、ハイポフルオライトおよびアシルフルオライドを含む混合物の他に、(パー)ハロ−オレフィンが純粋な状態で、あるいは付加反応について上で示されたものから選択される、適切な不活性の、気体または液体希釈剤で希釈されて、連続的に導入される。
【0051】
連続法の工程b)において、付加反応器に同時に導入される、時間当たりのハイポフルオライトの当量(eq.−OF/h)と時間当たりのオレフィンの当量(eq.オレフィン/h)との間の比は、0.5〜2.0、好ましくは0.8〜1.2である。
【0052】
未反応のアシルフルオライドおよび付加生成物を含む反応粗生成物は、反応器2の底から連続的に回収され、フッ素化反応器1に供給される。そこでは、まだ存在するアシルフルオライドが元素状フッ素でフッ素化されてハイポフルオライトとなり、次いで付加反応器に再び供給される。
【0053】
連続法では、アシルフルオライドの、対応する(パー)ハロ−エーテルへの完全な変換が達成される。それは付加反応器中に液体として集められ、簡単な蒸留によって任意に精製される。
不活性希釈剤の不存在下でも、ハイポフルオライトの(パー)ハロ−オレフィンへの付加収率は、ハイポフルオライトに対して計算して非常に高く、通常50%〜90%の範囲である。
【0054】
連続法では、好ましくは少ない量のフッ素を用いて、より好ましくは不活性希釈剤の不存在下に、工程a)を行うと、(パー)ハロエーテル類の非常に良好な生産性が達成される。特に、このような結果は、高沸点を有するハイポフルオライト類を用いても得られる。
【0055】
反応溶媒の不存在によって、以下の利点を得ることができる:
−溶剤の使用に伴う環境上の危険を排除すること;
−蒸留の高容量を回避して、反応生成物を回収すること;
−プラント操業費を減らすこと。
ハイポフルオライト合成および(パー)ハロ−オレフィン類での付加反応を含む本発明の方法は、‐10℃より高い沸点を有するハイポフルオライト類にとって、特に有利である。
【0056】
上で見てきたように、(パー)ハロエーテル類を得るために前記のようなハイポフルオラオト類を使用する従来技術では、ハイポフルオライト類の部分的または全体の縮合現象を避けることは困難であり、それに対応して、上記のように、非常に発熱性の望ましくない分解反応が起こり、(パー)ハロエーテル類の収率が著しく低下する。
【0057】
本発明のさらなる目的は、式(II)のハイポフルオライト類である:
(式中、L = 1、Rfは前記のとおりであり、X’は次の意味を有する:
‐ F、直鎖状または分枝鎖状のC1−C3 パー(ハロ)アルキル; 好ましくは1つのフッ素原子が1つの塩素原子で任意に置き換えられていてもよいパーフルオロアルキル;または
‐ −[O]TCF2CF2OF
(式中、上記で定義したようにRf = Rf”のとき、T = 0;上記で定義したようにRf= Rf’のとき、T = 1))。
好ましいハイポフルオライト類は、以下のとおりである:
【0058】
CF3OCF2OCF2CF2OF、
CF3OCF2CF2OCF2CF2OF、
CF3CF2OCF2OCF2CF2OF、
CF3CF2OCF2CF2OCF2CF2OF
CF3OCF2OCF2OCF2CF2OF、
CF3OCF2OCF2CF2OCF2CF2OF
CF3OCF2CF2OCF2OCF2CF2OF、
FOCF2CF2OCF2OCF2CF2OF、
FOCF2CF2OCF2CF2OCF2CF2OF、
FOCF2CF2OCF2OCF2CF2OCF2CF2OCF、FOCF2CF2OCF2OCF2OCF2CF2OF、
FOCF2CF2OCF2CF2OCF2CF2OCF2CF2OF。
【0059】
前記のとおり、上記の方法で用いられる本発明のハイポフルオライト類は、(パー)ハロオレフィン類への付加により、(パー)ハロエーテル生成物への高い収率を可能ならしめる。
例えば、CF3基で置換されたハイポフルオライトの酸素に対してベータ位に炭素原子を有するとか、あるいは少なくとも3つの炭素原子を有する直鎖状のパーフルオロアルキル鎖に連結したハイポフルオライト酸素を有するように、異なった構造を有すハイポフルオライト類が、付加生成物において非常に低い収率で、(パー)ハロ−オレフィン類と反応しているから、これは驚くべきことである(比較実施例参照)。また、2より大きい炭素原子数を鎖中に有していてもよい本発明のハイポフルオライト類が、従来技術の教示に反して、フルオロオレフィン類と反応して良い収率を与え得るということは、さらに驚くべきことである。
【0060】
【実施例】
以下の実施例は本発明を説明するものであり、発明の目的を限定するものではない。
【0061】
実施例1
CsF触媒の調製
不活性雰囲気中で微細に粉砕したCsF触媒を反応器に入れ、200〜250℃の温度で不活性な気体流の下に、2時間乾燥した。次いで、このようにして脱水した触媒を、150℃の温度で2時間、400mbar(4×104 Pa)のフッ素でフッ素化し、使用前にフッ素を真空下で除去する。
【0062】
実施例2
CsF触媒、および原料アシルフルオライドに対して過剰のフッ素を用いて、式:
FOCF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OF (I)
のビス−ハイポフルオライトの合成を行う、本発明方法による不連続法の試験。実施例1に記載のようにして調製したCsF触媒0.90gを、内部熱電対を備えた10mlの金属製反応器に導入する。
次いで、不活性雰囲気(乾燥した箱)の下で操作して、数平均分子量460を有する、式
F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F (2−A)
のジアシルフルオライド(2ミリモル)を導入する;m/n=4.50であり、−COF末端基の官能性1.82、−CF2CF3末端基の官能性0.18を有する; USP 5,258,110およびUSP 3,847,978に記載の方法より調製。
【0063】
液体窒素下に冷却し、存在しているかもしれない未縮合の物質を真空下に除去したのち、フッ素5.47ミリモルを加える。反応混合物を−10℃とし、4時間反応させる。−196℃に冷却し、未反応のF2(1.70ミリモル)を回収し、除去する。反応混合物を−105℃とし、濃縮したのち、パーフルオロプロパン(C3F8)(3ミリモル)、CFCl=CFCI(5.47ミリモル)を、温度−105℃に維持しながら、ゆっくり加える。添加終了後、反応混合物を−105℃で1時間放置し、その後、温度を‐70℃とする。揮発性物質を水ポンプによって除去し、反応混合物をC6F6中に回収する。19F−NMRおよびGC/MS分析は、当初の−COF末端基の完全な消失を示す。
【0064】
フッ素化において得られるフッ素のバランスを確認するほかに、最終反応混合物中に原料アシルフルオライドが存在しないことは、これらの実験条件下で、アシルフルオライドの対応するハイポフルオライトへの転化が定量的であることを示す。
生成したハイポフルオライトは、次の式:
FOCF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OF (1)
(式中、mおよびnは上記のとおりである)
を有する。
【0065】
分析に基づけば、本プロセスの終了時に生成しているパーフルオロポリエーテル化合物は、次の末端基を有する:
− −OCFClCF2Cl、オレフィンCFCl=CFCIと式(l)のハイポフルオライトの末端−OF官能との反応に由来し、当初のアシルフルオライドのモルに対する収率83%;
− −OCF3、ハイポフルオライト(1)の−CF2CF2OF末端基の分解に由来し、同時にCOF2の生成を伴う。−OCF3末端基の収率:上記と同様に計算して17%。
【0066】
GC/MSおよびGC分析によって、次の物質も反応生成物の混合物中に同定され、定量された(モル%として)。
a)ClCF2CFClOCF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCFClCF 2Cl:70% ;
b)CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCFClCF2Cl:27% ;
c)CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF3:3%。
【0067】
反応生成物は、分別蒸留によって分離される。
特徴:
反応混合物の19F−NMR:
混合物上のCFCl3に関する19F−NMRスペクトル(ppm)(ppm=0):
−51.7, −55.3(2F −OCF 2 O−);
−56.2 (3F CF 3 OCF2CF2O−);
−57.8 (3F CF 3 OCF2O−);
−71.0(2F −CF 2 Cl);
−76.5 (1F −CFCl);
−87.5 (3F CF 3 CF2O−);
−88.4、−90.7 (4F −OCF 2 CF 2 O−)。
実施例2を表1にまとめた。
【0068】
実施例 2A−2C
実施例2と同様に、実施例2Aおよび2Cを行い、表1にまとめた。
【0069】
実施例 3−3B
表1にまとめたこれらの実施例において、実施例2で用いられ、そこで述べられた特許により合成された同族体であって、次の特徴:分子量620、m/n=4.30、‐COF末端基の官能性=1.82、−CF2CF3末端基の官能性=0.18を有する、高分子量のジアシルフルオライドから出発して、本発明による方法を行なう。
実施例2に記載したようにして、オレフィンのフッ素化および付加反応を実質的に行う。
【0070】
表1は、実施例2−2Cおよび3−3Bのように、過剰のフッ素中で操作することにより、ジアシルフルオライドのビス−ハイポフルオライトへの転化が定量的であり、オレフィン付加の収率が高いことを示している。
【0071】
実施例 4
ビス−ハイポフルオライト(1)の合成がCsF触媒上で対応するジアシルフルオライドの部分的なフッ素化によって行われる、本発明の方法による不連続法の試験。
数平均分子量620を有する式:
F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F
のジアシルフルオライド(2ミリモル)を、CsF触媒(0.90g)を含み、内部熱電対を備えた10mlの金属製反応器に、実施例2と同様に操作して導入する;m/n=4.30、−COF末端基の官能性1.82、−CF2CF3末端基の機能性0.18、実施例2に報告された特許に示されたようにして製造。
【0072】
液体窒素中で冷却したのち、存在しているかもしれない未縮合の物質を除去し、フッ素(2.50ミリモル)を加え、反応混合物を‐10℃で4時間放置する。フッ素化終了時にフッ素転化が完了していることが分かる。
濃縮後、‐105℃の温度で、パーフルオロプロパン(C3F8)(3 ミリモル)、CFCl=CFCl(3.5ミリモル)を徐々に加える。添加終了後、反応混合物を‐105℃で1時間放置し、次いで温度を‐70℃とする。揮発性物質を水ポンプによって除去する。
次いで、反応生成物をC6F6中で回収する。19F−NMR分析は、当初の‐COF末端基の転化率が69%であることを示す。
生成した各タイプの末端基の量は、転化したジアシルフルオライドに対してモル%で計算すると、それぞれ次のとおりである:
− −OCFClCF2Cl:62%;
− −OCF3:38%。
実施例4を表1にまとめる。
【0073】
GC/MSおよびGC分析により、当初のモルに対して27モル%を示す原料ジアシルフルオライドの他に、同様に計算した%で示される次の反応生成物による反応混合物が生成することが示されている:
a)ClCF2CFClOCF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCFClCF 2Cl:29% ;
b) CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCFClCF2Cl:23% ;
c) CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF3:13%;
d) F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCFClCF2Cl:5%
e) F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF3:3%.
【0074】
式(1)の対応するビス−ハイポフルオライト類へのオレフィンCFCl=CFClの付加により、実施例2の物質と同様に、反応生成物a)、b)、c)が得られた(実施例2参照);次の式(2):
F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OF (2)
を有する、対応するモノハイポフルオライト類へのオレフィンの付加から誘導される生成物d)およびe)。
【0075】
全ての前記生成物の定量的ガスクロマトグラフ分析は、ジアシルフルオライド類の部分的なフッ素化反応における選択性が次のとおりであることを示した:
− ビスーハイポフルオライト類(1):65%
− モノハイポフルオライト類(2): 8%
− ジアシルフルオライド類: 27%
【0076】
実施例は、前記の実験条件下で、当初存在する−COF末端基に対してより少ない量(モル)のフッ素を用いて操作しても、CsF触媒の存在下におけるジアシルフルオライド類のフッ素化反応が、用いたフッ素の定量的な転化を伴って、主にビス−ハイポフルオライト物質(1)を供給する。
反応生成物を分別蒸留により分離する。
【0077】
混合物上の CFC13に対するppmでの19F‐NMRスペクトラム(ppm=0):
13.2 (1F F(O)CCF2OCF2O−);
13.0 (1F F(O)CCF2OCF2CF2O−);
−51.7、−55.3 (2F ‐OCF 2 O−);
−56.2 (3F CF 3 OCF2CF2O−);
−57.8 (3F CF 3 OCF2O−);
−71.0 (2F −CF 2 Cl);
−76.5 (1F −CFCl);
−77.0 (2F −OCF2CF2OCF 2 C(O)F);
−78.8 (2F −OCF2OCF 2 C(O)F);
−87.5 (3F CF 3 CF2O−);
−88.4、−90.7 (4F −OCF 2 CF 2 O−)。
【0078】
実施例 4A
ビス−ハイポフルオライト(1)およびモノハイポフルオライト(2)の合成がCsF触媒上で対応するジアシルフルオライドの部分的なフッ素化によって行われる、本発明の方法による不連続法における試験
実施例4で用いられたジアシルフルオライド(2ミリモル)を、実施例2と同様に操作して、CsF触媒(0.90g)を含み、内部熱電対を備えた10mlの金属製反応器に供給する。
【0079】
液体窒素中で冷却したのち、存在しているかもしれない未縮合の物質を除去し、フッ素(2.0ミリモル)を加え、反応混合物を‐10℃で4時間放置する。フッ素化終了時に、フッ素転化が完了していることが分かる。CF2=CF2(2.80ミリモル)を同じ反応器に徐々に加え、温度を‐105℃にし、濃縮後、パーフルオロプロパン(C3F8)(3ミリモル)を加える。添加終了後、反応混合物を‐105℃で1時間放置し、次いで温度を‐70℃とし、揮発性物質を水ポンプによって除去する。
【0080】
次いで、反応生成物をC6F6中で回収する。19F−NMR分析は、当初の‐COF末端基の転化率が55%であることを示す。生成した各々の末端基を、転化されたジアシルフルオライドに対してモル%で計算した量は、それぞれ次のとおりである:
− −OCF2CF3:32%;
− −OCF3: 68%。
【0081】
GC/MSおよびGC分析は、次の反応生成物が形成されたことを示した:当初のものに対して39モル%を示す原料未反応ジアシルフルオライドの他に、ガスクロマトグラフで測定するとき次の相対モル%でのモノアシルフルオライド類および中性のパーフルオロポリエーテル類:
−モノアシルフルオライド類:
CF3CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F 6%
CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F 13%
−中性のパーフルオロポリエーテル類
CF3CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF3 10%
CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF3 11%
CF3CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF3 21%
反応生成物は分別蒸留により分離される。
【0082】
生成物の特徴:19F−NMR
CFCl3に対するppmでの19F−NMRスペクトル(ppm=0):
13.2 (1F F(O)CCF2OCF2O−);
13.0 (1F F(O)CCF2OCF2CF2O−);
−51.7, −55.3 (2F −OCF 2 O−);
−56.2 (3F CF 3 OCF2CF2O−);
−57.8 (3F CF 3 OCF2O−);
−77.0 (2F −OCF2CF2OCF 2 C(O)F);
−78.8 (2F −OCF2OCF 2 C(O)F);
−87.5 (3F CF 3 CF 2 O−);
−88.4、−90.7 (4F −OCF 2 CF 2 O−)。
この実施例で用いた条件と得られた結果を表1Aにまとめる。
【0083】
実施例 4Bおよび4C
ビス−ハイポフルオライト(1)およびモノハイポフルオライト(2)の合成が、CsF触媒上での対応ジアシルフルオライドの部分的なフッ素化によって行われる、本発明の方法による不連続法の試験
実施例4Bは、実施例4Aと同様に行われるが、実施例2に記載の数平均分子量460を有するジアシルフルオライドから出発する。
実施例4Cは、数平均分子量620を有するジアシルフルオライドから出発して、実施例4と同様に行われるが、化合物のフッ素化は温度+20℃で4時間行われる。
得られた結果を表1Aに示す。
【0084】
実施例5
ビス−ハイポフルオライト(1)およびモノハイポフルオライト:
F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OF (2)
の混合物が、フッ素化において、KHF2触媒上での対応ジアシルフルオライドの部分的なフッ素化によって得られる、本発明の方法による不連続法の試験
KHF2触媒(3.4g)(アルドリッチ・ケミカル・カンパニー、43ミリモル)を、内部熱電対を備えた10mlの金属製反応器に導入し、次いでフッ素400ミリバールで、室温にて2時間フッ素化する。
−196℃でフッ素を除去したのち、不活性雰囲気(乾燥した箱)中で操作し、実施例2と同様にして、ジアシルフルオライド(2−A)(1.90ミリモル)を導入する。
【0085】
液体窒素中で冷却したのち、存在しているかもしれない未縮合の物質を除去し、フッ素(2.80ミリモル)を加え、反応混合物を‐10℃で5時間放置する。フッ素化の終了時にフッ素転化が完了していることが分かる。温度‐105℃で、濃縮後、パーフルオロプロパン(C3F8)(3ミリモル)、CFCl=CFCl(3.15ミリモル)を徐々に加える。
反応混合物を‐105℃で1時間放置し、次いで温度‐70℃とする。揮発性物質を水ポンプによって除去する。
次いで、反応混合物をC6F6中で回収する。19F−NMR分析は、当初の‐COF末端基の転化率が80%であることを示す。
【0086】
生成した各タイプの末端基の量は、転化したジアシルフルオライドに対してモル%で計算すると、それぞれ次のとおりである:
− −OCFClCF2Cl:73%;
− −OCF3:27%。
GC/MSおよびGC分析により、当初のモルに対して4モル%を示す原料ジアシルフルオライド類の他に、同様に計算して次の%で示される次の反応生成物による反応混合物が生成していることが示される。
【0087】
a)ClCF2CFClOCF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCFClCF2Cl 38%;
b)CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCFClCF2Cl:14%;
c)CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF3:12%;
d)F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCFClCF2Cl:26%
e)F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF3:6%。
【0088】
対応ビス−ハイポフルオライト類(1)へのオレフィンCFCl=CFCIの付加により、実施例2の生成物と同様に、反応生成物a)、b)、c)が得られた;対応モノ−ハイポフルオライト類(2)へのオレフィンの付加から、生成物d)およびe)が導かれる(実施例4)。
【0089】
全ての前記生成物の定量的ガスクロマトグラフ分析は、フッ素化反応においてKHF2触媒を用いることにより、反応混合物中にある各物質の選択性は次のとおりであることを示した:
− ビス−ハイポフルオライト類(1):64%
− モノ−ハイポフルオライト類(2):32%
− ジアシルフルオライド類: 4%
【0090】
特に、モノ−ハイポフルオライト類(2)へのオレフィンCFCl=CFClの付加反応について、生成したモノ−ハイポフルオライト類のモルに対して計算したとき、−OCFClCF2Cl末端基における収率は81%であり、−OCF3末端基における収率は19%であることが分かった。
反応生成物を分別蒸留により分離する。
【0091】
混合物中の CFC13に対するppmでの19F‐NMRスペクトラム(ppm=0):
13.2 (1F F(O)CCF2OCF2O−);
13.0 (1F F(O)CCF2OCF2CF2O−);
−51.7、−55.3 (2F ‐OCF 2 O−);
−56.2 (3F CF 3 OCF2CF2O−);
−57.8 (3F CF 3 OCF2O−);
−71.0 (2F −CF 2 Cl);
−76.5 (1F −CFCl);
−77.0 (2F −OCF2CF2OCF 2 C(O)F);
−78.8 (2F −OCF2OCF 2 C(O)F);
−87.5 (3F CF 3 CF2O−);
−88.4、−90.7 (4F −OCF 2 CF 2 O−)。
実施例5を表2にまとめる。
【0092】
実施例6
実施例6は、実施例5のようにして行ったが、フッ素化反応には分子量620、m/n=4.30、‐COF末端基の官能性=1.82、‐CF2CF3末端基の官能性=0.18を有する、実施例3−3Bで用いたのと同様なジアシルフルオライドを用いた。
この実施例を表2にまとめた。
表2は、採用された実験条件下のフッ素転化が、ジアシルフルオライドの分子量に関わらず、実質的に定量的であることを示している。モノハイポフルオライト類(2)の付加収率は、ビス−ハイポフルオライト類(1)の付加収率と同様に非常に高い。
【0093】
実施例7
CsF触媒上での過剰量の対応ジアシルフルオライドをフッ素中でフッ素化することにより行われるビス‐ハイポフルオライト(1)の合成による、本発明の方法による半連続法による試験
内部熱電対を備えた10mlの金属製反応器にCsF触媒(0.90g)を導入し、次いで実施例1と同様にして活性化した。
不活性雰囲気下(乾燥した箱)に操作して、フッ素を除いたのち、実施例3−3Bで用いたジアシルフルオライド(2ミリモル)を導入する。液体窒素中で冷却したのち、存在しているかもしれない未縮合の物質を真空下に除去し、フッ素(1.83ミリモル)を加える。反応混合物を‐10℃としたのち、2時間反応させて、供給したフッ素の完全な消失を得る。反応混合物を‐105℃とし、濃縮したのち、パーフルオロプロパン(C3F8)(3ミリモル)、CFCl=CFCl(1.0ミリモル)を徐々に加え、温度を‐105℃に維持する。
【0094】
添加終了後、反応混合物を−105℃で1時間放置し、次いでフッ素化およびオレフィン付加反応を以下に記載するように繰り返す。
反応混合物の温度を‐196℃とし、フッ素(3.67ミリモル)を加え、温度を‐10℃に上げ、反応混合物をこの条件で2時間維持する。これを再び‐196℃に冷却し、未反応のF2(0.67ミリモル)を回収し、これを除去する。温度を‐105℃とし、CFCl=CFCl(5.47ミリモル)を徐々に加える。
温度を‐105℃で1時間維持し、次いで‐70℃に上げ、揮発性物質を水ポンプによって除去する。
【0095】
次いで、反応混合物をC6F6中に回収し、19F−NMR分析にて分析する。ジアシルフルオライドの転化率は90%である。
生成した各タイプの末端基の量は、転化したジアシルフルオライドに対してモル%で計算したとき、それぞれ次のとおりである:
− −OCFCICF2Cl:62%;
− −OCF3: 38%。
オレフィンCFCl=CFClのビス−ハイポフルオライト(1)への付加の主な反応生成物は、GC/MSおよびGC分析によって同定され、定量された。
上記の生成物は、実施例2で得られた生成物a)、b)およびc)にそれぞれ等しい。選択性は実施例2で得られた結果に対比できる。
反応生成物を分別蒸留により分離する。
19F‐NMRによる生成物の特徴は、実施例2で報告した結果と等しい。
【0096】
実施例8(比較)
パーフルオロアルキルハイポフルオライト CF3CF2CF2OFの合成およびオレフィン CFCl=CFClへの付加
実施例1に記載のようにして調製したCsF触媒(0.90g)を、内部熱電対を備えてた10mlの金属製反応器に導入し、USP 4,769,184の実施例7のようにして得られたCF3CF2C(O)F(2ミリモル)およびフッ素(4ミリモル)を触媒上で縮合させる。これを−80℃で3時間反応させる。液体窒素中で冷却した後、未反応のフッ素(2ミリモル)を回収し、アシルフルオライド転化率100%を達成する。
【0097】
過剰のフッ素を除去したのち、磁気攪拌機と内部熱電対を備えた、25mlのガラス製反応器中に、得られたハイポフルオライトCF3CF2CF2OFを温度−105℃で徐々に加える。上記の反応器中では、CFCl=CFCl(6ミリモル)とCFCl3(12ミリモル)を予め縮合させてある。添加終了後、反応混合物を‐105℃で1時間放置する。反応混合物についての19F−NMRおよびGC/MS分析は、当初のアシルフルオライドCF3CF2C(O)Fが完全に消失し、主としてCOF2, CF3CF3分解生成物、および少量であるが、当初のアシルフルオライドに対して4モル%の収率で、式:
CF3CF2CF2OCFClCF2Cl
を有するオレフィンへの付加生成物を得る。
この実施例は、炭素原子3以上の直鎖状連鎖を有するハイポフルオライト類が、非常に低い収率でオレフィン類になることを示す。
【0098】
実施例9(比較)
ハイポフルオライト CF3O(CF3)CFCF2OF(ベータ分枝したオキシアルキレンハイポフルオライト)の合成、およびオレフィン CFCl=CFClへの付加(比較試験)
実施例1のようにして調製したCsF触媒(0.90g)を、内部熱電対を備えた10mlの金属製反応器に導入し、USP 3,114,778の実施例IVのようにして得た、式CF3O(CF3)CFC(O)F(2ミリモル)およびフッ素(4ミリモル)を触媒上で縮合させる。これを−80℃で4時間反応させる。液体窒素中で冷却した後、未反応のフッ素 (1.6ミリモル)を回収する。過剰のフッ素を除去したのち、得られたハイポフルオライトCF3O(CF3)CFCF2OFを磁気攪拌機と内部熱電対を備えた25mlのガラス製反応器中へ温度−80℃で徐々に添加する。この応器中では、CFCl=CFCl(6ミリモル)とCFCl3(12ミリモル)とを予め縮合させた。
【0099】
添加終了後、反応混合物を‐80℃で1時間放置する。反応混合物についての19F−NMRおよびGC/MS分析は、当初のアシルフルオライドCF3O(CF3)CFC(O)Fの93%が転化し、ハイポフルオライトの分解に由来するCOF2, CF3OCF2CF3, CF3OCFClCF2Cl物質、および少量であるが、当初のアシルフルオライドに対して2%の収率で、式:
CF3O(CF3)CFCF2OCFClCF2Cl
を有する、ハイポフルオライトのオレフィンへの付加生成物を得る。
【0100】
実施例10
CsF触媒、および原料アシルフルオライドに対して過剰のフッ素を用いる式:
FOCF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OF (I)
のビス−ハイポフルオライトの合成を行う、本発明の方法による不連続法の試験実施例1に記載のようにして調製したCsF触媒(0.90g)を、内部熱電対を備えた10mlの金属製反応器に導入する。
実施例2と同様に操作して、平均分子量(MW)620を有する、式
F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F
のジアシルフルオライド(2ミリモル)を導入する;実施例3−3Bで用いられた、m/n 4.30、−COF末端基の官能性1.82、−CF2CF3末端基の官能性0.18。
【0101】
液体窒素で冷却後、存在しているかもしれない未縮合の物質を真空下で除去し、フッ素(5.47ミリモル)を加え、反応混合物を‐10℃で4時間放置する。これを−196℃に冷却し、未反応のF2(1.70ミリモル)を回収して除去する。反応混合物を−105℃とし、パーフルオロプロパン(C3F8)(3ミリモル)を縮合させる。次いで、反応混合物の温度を−55℃とし、トランス−1,2−ジクロロエチレンCHCl=CHCI(4.37ミリモル)を徐々に加える。添加終了後、反応混合物を−55℃で1時間放置する。揮発性物質を水ポンプによって除去し、反応混合物をC6F6中に回収する。19F−NMR分析は、当初の−COF末端基の完全な消失を示す。
【0102】
転化したジアシルフルオライドに対してモル%で示される、生成した各末端基の量は、それぞれ次のとおりである:
− −OCHClCHFCl:41%
− −OCF3 59%
GC/MSおよびGC分析によって、反応混合物中に次の生成物が同定され、定量された(相対モル%):
− ClFHCCHClOCF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)nCF2CF2OCHClCHFCl 24%
− CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCHClCHFCl 35%
− CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF3 41%
反応生成物を分別蒸留により分離する。
【0103】
CFCl3に対するppmでの19F−NMRスペクトル(ppm=0):
−51.7, −55.3 (2F −OCF 2 O−);
−56.2 (3F CF 3 OCF2CF2O−);
−57.8 (3F CF 3 OCF2O−);
−87.5 (3F CF 3 CF2O−);
−88.4、−90.7 (4F −OCF 2 CF 2 O−);
−91.1, −91.8 (2F −OCF2CF 2 OCHClCHFCl);
−143.4, −145.2 (1F −OCF2CF2OCHClCHFCl)。
【0104】
実施例10A−10E
これらの実施例は、次の相違点を除いて、実施例10と同様にして行った:
− 実施例10Dでは、アクリル酸エチル オレフィン(4.37ミリモル)を反応器に温度−196℃で加え、反応混合物を温度−50℃とし、次いでこの温度で1時間放置した。
− 実施例10Eでは、アセトニトリル(2ml)に溶解した無水マレイン酸 オレフィン(4.37ミリモル)を温度−196℃で反応器に加え、反応混合物を温度−30℃とし、この温度で1時間放置する。
得られた結果を表3にまとめた。
【0105】
実施例11
ビス−ハイポフルオライト(1)およびモノ−ハイポフルオライト(2)の合成が、CsF 触媒の上での対応ジアシルフルオライドの部分的フッ素化およびCHCl=CHClへの付加により行なわれる、本発明の方法による不連続法の試験
実施例4および3−3Bで用いたジアシルフルオライド:
F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F
(2ミリモル)を、実施例4と同様に操作して、内部熱電対を備え、CsF触媒(0.90g)を含む、10mlの金属製反応器に導入する。
【0106】
液体窒素下に冷却したのち、真空下で存在するかもしれない未縮合の物質を除去し、フッ素(2.10ミリモル)を加え、反応混合物を‐10℃で4時間放置する。フッ素化の終了時に、フッ素転化が完了していることが分かる。温度−80℃にて、反応器中で濃縮したのち、A−11(CFCl3)(3ミリモル)およびトランス−1,2−ジクロロエチレン(2.80ミリモル)を徐々に加える。添加終了後、反応混合物を−80℃で1時間放置し、次いで−50℃とし、揮発性物質を水ポンプによって除去する。
【0107】
次いで、反応生成物をC6F6中に回収する。19F−NMR分析は、当初の−COF末端基の転化率が57%であることを示す。生成した各末端基の量を、転化したジアシルフルオライドに対してモル%で示すと、それぞれ次のとおりである:
− −OCHClCHFCl:51%
− −OCF3: 49%
【0108】
GC/MSおよびGC分析によって、反応混合物が、当初のモルに対して31モル%を示す原料ジアシルフルオライド類のほかに、次の反応生成物によっても形成されていることが分かる(相対モル%):
‐ClFHCCHClOCF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCHClCHFCl 12%
‐CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCHClCHFCl 22%
‐CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF3 11%
‐F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCHClCHFCl 12%
‐F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF3 12%
反応生成物は分別蒸留により分離される。
【0109】
CFCl3に対するppmでの19F−NMRスペクトル(ppm=0):
13.2 (1F F(O)CCF2OCF2O−);
13.0 (1F F(O)CCF2OCF2CF2O−);
−51.7, −55.3 (2F ‐OCF 2 O−);
−56.2 (3F CF 3 OCF2CF2O−);
‐57.8 (3F CF 3 OCF2O−);
−77.0 (2F −OCF2CF2OCF 2 C(O)F);
−78.8 (2F −OCF2OCF 2 C(O)F);
−87.5 (3F CF 3 CF2O−);
−88.4、−90.7 (4F −OCF 2 CF 2 O−);
−91.1, −91.8 (2F −OCF2CF 2 OCHClCHFCl);
−143.4, −145.2 (1F −OCF2CF2OCHClCHFCl)。
【0110】
実施例12
ビス‐ハイポフルオライト(1)およびモノ‐ハイポフルオライト(2)の合成が、CsF 触媒上での対応ジアシルフルオライドの部分的フッ素化およびCF3OCF=CF2への付加により行なわれる、本発明の方法による不連続法の試験
実施例4のジアシルフルオライド:
F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F
(2ミリモル)を、実施例11と同様に操作して、CsF触媒(0.90g)を含み、内部熱電対を備えた10mlの金属製反応器に導入する。
【0111】
液体窒素下に冷却したのち、存在しているかもしれない未縮合の物質を真空下で除去し、フッ素(1.82ミリモル)を加え、反応混合物を‐10℃で4時間放置する。フッ素化が終わったとき、フッ素転化が完了していることが分かる。反応混合物を‐105℃とし、濃縮したのち、パーフルオロプロパン(C3F8)(3ミリモル)、CF3OCF=CF2(2.80ミリモル)を加える。
【0112】
添加終了後、反応混合物を‐105℃で1時間放置し、次いで‐70℃とし、揮発性物質を水ポンプによって除去する。
反応生成物をC6F6中に回収する。19F−NMR分析は、当初の‐COF末端基の転化率が49%であり、転化した‐COF末端基に対して計算し、モル%で以下に示される次の中性末端基を有する生成物を得る:
− −OCF2CF2OCF3: 90%
− −OCF(CF3)OCF3 : 10%
反応生成物は分別蒸留により分離される。
【0113】
CFCl3に対するppmでの19F−NMRスペクトル(ppm=0):
13.2 (1F F(O)CCF2OCF2O−);
13.0 (1F F(O)CCF2OCF2CF2O−);
‐51.7, −55.3 (2F ‐OCF 2 O−);
‐55.4 (3F ‐OCF(CF3)OCF 3 );
‐56.2 (3F CF 3 OCF2CF2O−);
‐57.8 (3F CF 3 OCF2O−);
‐77.0 (2F −OCF2CF2O−CF 2 C(O)F);
‐78.8 (2F −OCF2OCF 2 C(O)F);
‐86.7 (3F −OCF(CF 3 )OCF3);
‐87.5 (3F CF 3 CF2O−);
‐88.4、‐90.7 (4F −OCF 2 CF 2 O−);
‐98.2 (1F ‐COF(CF3)OCF3)
【0114】
実施例13
CsF 触媒上での対応ジアシルフルオライドのフッ素化およびCFCl=CFClへの付加によりビス−ハイポフルオライト(1)の合成が行なわれる、本発明の方法による半連続法の試験
不活性雰囲気下に温度200℃で4時間加熱して活性化したのち、ヘリウム1Nl/hで希釈したF2 1Nl/h で、温度150℃にて4時間でフッ素化したCsF触媒(2.3g)を、還流濃縮器、機械的攪拌器および内部熱電対を備えた420mlの金属製反応器に導入する。
【0115】
残留フッ素を除いたのち、実施例2のジアシルフルオライド(MW=460)(100 g、0.22モル)を加え、次いで反応混合物を外部低温保持装置で‐80℃とする。ヘリウム(0.5リットル/h)で希釈した元素状フッ素1.0リットル/h(l/h)により形成される混合物を、反応器中へ1時間で流す。反応器から流出するガスのガスクロマトグラフ分析は、供給したフッ素に対してフッ素収率が95%であることを示す。
【0116】
次いで、反応混合物を外部液体窒素の低温保持装置により‐105℃とし、ヘリウム(4Nl/h)で希釈したCFCl=CFCl(1Nl/h)により形成される混合物を、温度‐105℃で1時間かけて加える。
反応混合物を再び‐80℃とし、そこで上記と同じ条件下でさらなにフッ素化およびオレフィン付加を行う。この反応に続いて、当初の‐COF末端基の完全な転化までの19F−NMR分析を行う。一連の上記操作で、全部で0.42モルのフッ素を導入して、フッ素収率95%を達成する。
【0117】
反応終了後、触媒から分離して得られた生成物を19F−NMR分析にかける。
原料アシルフルオライドの転化は定量的である。
転化したジアシルフルオライドに対してモル%で示される、生成した各末端基の量は、それぞれ次のとおりである:
− −OCFClCF2Cl:85%
− −OCF3 15%
【0118】
GC/MSおよびGC分析により、反応混合物が次の反応生成物により示されたモル%で形成されていることが分かる:
a)ClCF2CFClOCF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)nCF2CF2OCFClCF2Cl 72%
b)CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCFClCF2Cl 26%
c)CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF3 2%
生成物は分別蒸留により分離される。
生成物の特徴付け:19F−NMR
【0119】
CFCl3(p.p.m.=0)に対する19F−NMRスペクトル(p.p.m.):
−51.7, −55.3 (2F −OCF 2 O−);
−56.2 (3F CF 3 OCF2CF2O−);
−57.8 (3F CF 3 OCF2O−);
−71.0 (2F −CF 2 Cl);
−76.5 (1F −CFCl);
−87.5 (3F CF 3 CF2O−);
−88.4、−90.7 (4F −OCF 2 CF 2 O−)。
【0120】
実施例14(比較)
パーフルオロアルキルハイポフルオライト CF3CF2CF2OFの合成およびそれに続くCFCl=CFClオレフィンの付加。
実施例2と同様に操作して、実施例8で用いたCF3CF2C(O)F(4.0ミリモル)を、CsF触媒(0.90g)を含み内部熱電対を備えた10mlの金属製反応器に導入し、次いでフッ素(2.0ミリモル)を加えたのち、反応混合物を‐80℃で4時間放置する。フッ素化の終了時に、フッ素転化が完了していることが分かる。温度−105℃にて、反応器中で濃縮したのち、パーフルオロプロパン(C3F8)(3ミリモル)、CFCl=CFCl(2.80ミリモル)を徐々に加える。添加終了後、反応混合物を−105℃で1時間放置する。
【0121】
次いで、反応生成物をC6F6中に回収する。反応混合物を19F−NMRおよびGC/MS分析により分析して、当初の‐COF末端基の転化率が50%であることが確認された。生成した物質は、ハイポフルオライトCF3CF2CF2OFの分解生成物:COF2,CF3CF3、およびわずかながら、オレフィンへの付加生成物CF3CF2CF2OCFClCF2Cl(モル収率:転化したアシルフルオライドに対して1%未満)である。
この実施例は、3以上の炭素原子の直鎖を有するハイポフルオライトへのオレフィン付加が、極めて低い収率で起こることを示す。
【0122】
実施例15(比較)
ハイポフルオライトCF3O(CF3)CFCF2OFの合成およびそれに続くCFCl=CFClオレフィンの付加
実施例2と同様に操作して、実施例9で用いたアシルフルオライドCF3O(CF3)CFC(O)F(4.0ミリモル)を、CsF触媒(0.90g)を含み内部熱電対を備えた10mlの金属製反応器に導入し、次いでフッ素(2.0ミリモル)を加える。反応混合物を‐80℃で4時間放置する。フッ素化の終了時、フッ素転化が完了していることが分かる。温度−105℃にて、反応器中で濃縮したのち、パーフルオロプロパン(C3F8)(3ミリモル)、CFCl=CFCl(2.80ミリモル)を徐々に加える。添加終了後、反応混合物を−105℃で1時間放置する。
【0123】
反応混合物についての19F−NMRおよびGC/MS分析は、当初のアシルフルオライドCF3O(CF3)CFC(O)Fの50%が転化して、ハイポフルオライトCF3O(CF3)CFCF2OFの分解に由来する物質COF2, CF3OCF2CF3およびCF3OCFClCF2Cl、ならびにわずかながら、オレフィンへの付加生成物CF3O(CF3)CFCF2OCFClCF2Cl(転化したアシルフルオライドに対して収率約1%)が得られていることを示した。
この実施例は、生成物CF3O(CF3)CFCF2OFに類似した構造を有するハイポフルオライト類へのオレフィンの付加は、極めて低い収率となることを示す。
【0124】
表1について以下に説明する。
実施例2−2C, 3−3Bおよび4:ジアシルフルオライドのフッ素化(表中、当初の‐COF末端基のミリモル)条件、ハイポフルオライトへのオレフィンの付加条件、‐COF転化%および反応生成物中に形成される末端基ClCF2CFClO−、CF3CF2O−、CF3O−のモル%;実施例4では、%が転化したアシルフルオライドの量に対して計算されている。フッ素化反応時間は4時間であり、使用した触媒はCsF(0.9g)である。
【0125】
【表1】
【0126】
表1Aについて以下に説明する。
実施例4A−4C:不連続法での反応
ジアシルフルオライドのフッ素化(表中、当初の‐COF末端基のミリモル)の条件、ハイポフルオライトへのオレフィンの付加条件、‐COF転化%および反応生成物中に形成された末端基ClCF2CFClO−、CF3CF2O−、CF3O−のモル%;%は転化したアシルフルオライドの量に対して計算される。フッ素化反応時間は4時間であり、使用した触媒はCsF(0.9g)である。
【0127】
【表1A】
【0128】
表2について以下に説明する。
実施例5および6:ジアシルフルオライドのフッ素化条件(略称:表中DACF)、ジアシルフルオライドの転化%および転化したモノハイポフルオライト(2)のモル数に対して計算した反応生成物中に形成された末端基ClCF2CFClO−/CF3O−のモル%比。フッ素化反応の温度は−10℃であり、使用した触媒はKHF2である。付加反応での温度は−105℃であり、使用したオレフィンはCFCl=CFClであり、反応溶媒はC3F8である。
【0129】
【表2】
【0130】
表3について以下に説明する。
実施例10、10A−10E, 11−12: バッチ反応
ジアシルフルオライドのフッ素化条件(表中、当初の‐COF末端基のミリモル)、ハイポフルオライトへのオレフィンの付加条件、‐COF転化%、反応生成物の末端基の式、反応生成物中の前記末端基およびCF3O−のモル%;%は転化したアシルフルオライドの量に対して計算した。フッ素化反応は−10℃で4時間行い、使用した触媒はCsF(0.90g)である。T℃(1a)および(1b)の欄では、それぞれの実施例でTインターバルが示される。
【0131】
【表3】
【0132】
【発明の効果】
本発明によれば、高い収率で、爆発の危険性を伴わないで、2より大きい炭素原子数を有するハイポフルオライト類から(パー)ハロエーテル類を製造することができる。
Claims (16)
- 式(I)を有する(パー)ハロエーテル類:
X−(Rf)L−O−CF2CF2−O−CX1X2 −CFX3X4 (I)
(式中、X1、X2、X3およびX4は下記の意味を有する:
1)それらは互いに独立して、F、H、ClまたはBr;好ましくはF、
H、Cl;さらに好ましくは:
− X3 = Fそして X4 = Cl、 X1 = F そして X2 = Cl;
X3 = F そして X4 = Cl、 X1 = F、 X2 = H;
− X1 = X3 = H そして X2 =X4 = Cl;
− X1 = X3 = X4 = Cl そして X2 = H;
2) X1またはX2のうちの一方および/またはX3またはX4のうちの一方は、以下の群から選択される:
−COORI H (ただし、R1 H は C1〜C3 アルキルである); −OC(O)CH3; −CN; −NCO; −NCS; 置換または非置換のアリール(ただし、置換されているとき置換基はNO2である); −NH−C(O)−NH2; −OC(O)2CH3;− P(O)(C6H5)2; − P(O)2(C6H5)2; ‐SO2F; 好ましくは、下記の群である: −COOR1 H, −CN, NCO, NCS, 上記に定義したアリ−ル, −SO2F;
ただし、X1、X2 、X3 、X4 からなる群の残りの置換基は1)で定義した意味を有する;
3) X1またはX2のうちの一方および/またはX3またはX4のうちの一方は、以下の群から選択される:
3)a.C1−C20、 好ましくは C1−C5 の直鎖状または分枝鎖状のパー(ハロ)フッ素化アルキル、好ましくは(パー)フルオロアルキル;
3)b. C1−C20、好ましくはC1−C5の直鎖状または分枝鎖状のパー(ハロ)フッ素化オキシアルキル、好ましくは(パー)フルオロオキシアルキル;
ただし、アルキルがパー(ハロ)であるとき、1以上のClおよび/またはBrが存在する;
3)a. および 3)b. 好ましくは、それぞれ2)に示すものおよび/または、有機のC1−C4モノカルボン酸の直鎖状無水物、またはC4−C6ジカルボン酸の環状無水物からなる群から選ばれるフッ素化または水素化された、有機無水物から選択される、1以上の官能基を含み、無水物の中ではC4−C6ジカルボン酸の環状無水物が好ましい;
3)c. フッ素化有機無水物を除いて、上記3)で示したものから選ばれる、1以上の官能基を任意に含んでいてもよい、 C1−C10、好ましくはC1−C5の直鎖状または分枝鎖状のアルキル;
ただし、X1、 X2、 X3、 X4の群の残りの置換基は、1)で定義した意味を有する;
4) X1またはX2の一方と、 X3またはX4の一方とが一緒になって、さらに基−CXIX2−CFX3X4の2つの炭素原子とともに、環中に4〜6の炭素原子、好ましくは4つの炭素原子を含む、環状フッ素化または水素化された無水物またはイミド化合物を形成する、一方、X1またはX2およびX3またはX4の残りの置換基は、1)で定義した意味を有する;
4a) X3およびX4は、それらが結合した関連する炭素原子とともに、4つの炭素原子を有する環状無水物を形成し;X1およびX2は、1)で定義した意味を有する;
Xは、次の意味を有する;
−F、直鎖状または分枝鎖状のC1−C3 パー(ハロ)アルキル;好ましくは(パー)フルオロアルキル、ただし、1つのフッ素原子は1つの塩素 原子で任意に置換されていてもよい;
‐ −[O]TCF2CF2OCX1X2−CFX3X4, −[O]TCF2C(O)F,
式中、
L=1で以下に定義するようにRf = Rf ”のとき、T=0;
L=0のとき、T=0;
L=1で以下に定義するようにRf = Rf’のとき、T=1;
‐ L=1で以下に定義するように、Rf = Rf’のとき、Xは C1−C5 パーフルオロオキシアルキルであってもよい;
L=0, 1;
− L=0のとき、Xの意味から次のものが除かれる;
− F;
− −[O]TCF2CF2OCX1X2−CFX3X4
(ただし、T=0、 X1=F、 X2=Cl、 X3=F、 X4=Cl);
− C1−C3 パーフルオロアルキル(ただし、X1=F、X2=Cl、X3=FそしてX4=Cl);
− L=1のとき, Rf=Rf’またはRf”;ただし、Rf’=C1−C20パーフルオロアルキレン;Rf”は、次式で示されるパーフルオロオキシアルキレン:
− (OCF2CF2)m(OCF2)n(OCF2CFCF3)p(OCFCF3)q−(OCF2CF2CF2)r− (V)
式中、 m、 n、 p、 q、 r は次のような整数である:
m は0〜100(両端を含む);
n は0〜100(両端を含む);
p は0〜60(両端を含む);
r は0〜60(両端を含む);
q は0〜60(両端を含む);
m+n+p+r+q ≧ 1 ;
Rf”の数平均分子量は66〜12,000、好ましくは66〜3,000である。 - Rf = Rf“のとき、パーフルオロオキシアルキレンが好ましくは次の式:
−(OCF2CF2)m(OCF2)n− (VI)
(式中、mおよびnは互いに独立して、上記の数値、好ましくは0〜20を有し;mおよびnがともに存在するとき、m/nは0.1〜6の範囲である)
を有する、請求項1に記載の(パー)ハロエーテル類。 - 次の式を有する、請求項1または2に記載の(パー)ハロエーテル類:
CF3CF2O−CF2CF2−O−CHCl−CFCl2;
CF3OCF2O−CF2CF2−O−CFCl−CF2Cl;
CF3OCF2CF2−O−CF2CF2−O−CFCl−CF2Cl;
CF3OCF2OCF2O−CF2CF2−O−CFCl−CF2Cl;
CF3O−CF2CF2−O−CHCl−CHFCl;
CF3O−CF2CF2−O−CHCl−CFCl2;
CF3CF2O−CF2CF2−O−CHCl−CHFCl;
CF3OCF2O−CF2CF2−O−CHCl−CHFCl;
CF3OCF2CF2O−CF2CF2−O−CHCl−CHFCl;
CF3OCF2OCF2O−CF2CF2−O−CHCl−CHFCl;
F(O)CCF2−O−CF2CF2−O−CFCl−CF2Cl;
F(O)CCF2−O−CF2CF2−O−CHCl−CHFCl;
F(O)CCF2−OCF2O−CF2CF2−O−CFCl−CF2Cl;
F(O)CCF2−OCF2O−CF2CF2−O−CHCl−CFCl2;
F(O)CCF2−OCF2CF2O−CF2CF2−O−CFCl−CF2Cl;
F(O)CCF2−OCF2OCF2CF2O−CF2CF2−O−CFCl−CF2Cl;
F(O)CCF2−OCF2CF2OCF2O−CF2CF2−O−CFCl−CF2Cl;
CHFClCHClO−CF2CF2−O−CF2CF2−O−CHCl−CHFCl;
CF2ClCFClO−CF2CF2−OCF2O−CF2CF2−O−CFCl−CF2Cl;
CF2ClCFClO−CF2CF2−OCF2CF2O−CF2CF2−O−CFCl−CF2Cl;
CF2ClCFClO−CF2CF2−OCF2OCF2CF2O−CF2CF2−O−CFCl−CF2Cl;
CFCl2CHClO−CF2CF2−O−CF2CF2−O−CHCl−CFCl2;
CFCl2CHClO−CF2CF2−OCF2O−CF2CF2−O−CHCl−CFCl2;
CFCl2CHClO−CF2CF2−OCF2CF2O−CF2CF2−O−CHCl−CFCl2;
CFCl2CHClO−CF2CF2−OCF2OCF2CF2O−CF2CF2−O−CHCl−CFCl2;
CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F;
CF3CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F;
CF3CF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F;
(CF3)2CFO−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F;
CF3O(CF3)CFO−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2C(O)F;
CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCH2CF3;
F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCH2CF3;
CF3CH2OCF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCH2CF3;
CF3O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCH2CHFCOOMe;
F(O)CCF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCH2CHFCOOMe;
MeOCOCHFCH2OCF2CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2CF2OCH2CHFCOOMe;
−(CF2CF2O)m(CF2O)n−
の分子量は620である)。 - L=0のときXはFでない場合を除いて、次の工程からなる、請求項1〜3のいずれかに記載の式(I)(パー)ハロエーテル類の製造法:
a) 式(III):
X’−(Rf)L−O−CF2 C(O)F (III)
(式中、X’、LおよびRfは下記の意味を有する)
のアシルフルオライドを、不活性の液体または気体希釈剤の不存在下または存在下に、一般式
MeFy.zHF
(式中、Me はアルカリ金属もしくはアルカリ土金属;yは金属の原子価により1または2であり;zは0または0.5〜4の範囲、好ましくはz=0または1である)
を有する触媒または触媒混合物の存在下に、‐100℃〜+50℃、好ましくは‐80℃〜+20℃の温度でフッ素化することによる、式(II):
X’−(Rf)L−O−CF2CF2−OF (II)
(式中、
X’は、以下の意味を有する:
− F、直鎖状または分枝鎖状のC1−C3パー(ハロ)アルキル; 好ましくはパーフルオロアルキル(ここで、1つのフッ素原子は1つの塩素原子で任意に置き換えられていてもよい);または、
− −[O]TCF2CF2OF、−[O]TCF2C(O)F、ただし、上記のとおり、Rf=Rf”のとき、T=0; 上記のとおり、Rf=Rf’のとき、T=1; L=0のとき、T=0;
L = 0、l;
L = 0のとき、X’はFとは異なり、−CF2−CF2OFとは異なる;
L = 1、 Rf = Rf’またはRf”であるとき; Rf’=C1−C20パーフルオロアルキレン、そしてRf”=上記の式(V)を有するパーフルオロオキシアルキレン、より好ましくは、上記の式(VI)を有する、Rf”の数平均分子量は66〜12,000である;
L = 1、そしてRf = Rf’のとき、X’はC1−C5 パーフルオロオキシアルキルでもある)
のハイポフルオライトの合成:
b) 不活性の液体または気体希釈剤の不存在下または存在下に、0℃〜‐120℃、好ましくは‐60〜‐110℃の範囲の温度で、ハイポフルオライト類 (II)と、式:
CX1X2=CX3X4 (VII)
(式中、X1、X2、X3およびX4は上記のとおりである)
の(パー)ハロオレフィン類との反応。 - 不連続法、半連続法または連続法で行なわれる、請求項4に記載の製造法。
- 工程a)で用いられる触媒が次のLiF、NaF、KF、CsF、KHF2から選択される、請求項4または5に記載の製造法。
- 工程b)で不連続法および半連続法で操作することにより、オレフィンがハイポフルオライトに加えられる、請求項4〜6のいずれかに記載の製造法。
- 不連続法、半連続法または連続法で操作することにより、加えられる不活性希釈剤中のハイポフルオライトの濃度が50重量%より高い、好ましくは70重量%より高い、さらに好ましくは希釈剤の不存在下である、請求項4〜7のいずれかに記載の製造法。
- ハイポフルオライトを製造するためのフッ素化反応の工程a)が、アシルフルオライドに対して過剰量または不足量のフッ素で行なわれる、請求項4〜8のいずれかに記載の製造法。
- 連続法で、不足量の反応試剤がフッ素である工程a)で、反応が液体または気体希釈剤の不存在下に行なわれ;不足量の反応試剤がアシルフルオライド(過剰量のフッ素)であるとき、あるいは反応試剤が化学量論的であるとき、不活性希釈剤の存在下に行なわれる、請求項9に記載の製造法。
- 連続法の工程b)において、反応器に導入されるハイポフルオライトの当量/時間(eq.−OF/h)とオレフィンの当量/時間(eq.オレフィン/h)との比が、0.5〜2.0、好ましくは0.8〜1.2である、請求項4〜10のいずれかに記載の製造法。
- −10℃より高い沸点を有するハイポフルオライト類が用いられる、請求項4〜11のいずれかに記載の製造法。
- 不活性希釈剤が、C3F8,C4F8(環状)、C3F8O(エーテル)、
CF3−(CF2)2−CF3、N2、CF4、C2F6、(パー)フルオロエーテル類、α,ω−ジヒドロフルオロポリエーテル類、CHCl2−CF3、CF3−CH2F、CF3CF2Clから選択される、請求項4〜12のいずれかに記載の製造法。 - (パー)フルオロポリエーテル類またはα,ω−ジヒドロフルオロポリエーテル類の沸点が30℃〜300℃の範囲にある、請求項13に記載の製造法。
- 式(II)のハイポフルオライト類
(式中、L=1、Rfは前記のとおり、ただし、X’は次の意味を有する:
− F、直鎖状または分枝鎖状の、C1−C3パー(ハロ)アルキル;好ましくはパーフルオロアルキル、ただし1つのフッ素原子は1つの塩素原子 で任意に置換されていてもよい;または
− −[O]TCF2CF2OF、
ただし、前記と同様にRf=Rf”であるときT=0;前記と同様にRf=Rf’であるときT=1)。 - 次の中から選択される、請求項15に記載のハイポフルオライト類:
CF3OCF2OCF2CF2OF;
CF3OCF2CF2OCF2CF2OF;
CF3CF2OCF2OCF2CF2OF;
CF3CF2OCF2CF2OCF2CF2OF;
CF3O−CF2O−CF2OCF2CF2OF;
CF3OCF2OCF2CF2OCF2CF2OF;
CF3OCF2CF2O−CF2O−CF2CF2OF;
FOCF2CF2O−CF2O−CF2CF2OF;
FOCF2CF2O−CF2CF2O−CF2CF2OF;
FOCF2CF2O−CF2O−CF2CF2O−CF2CF2OF;
FOCF2CF2O−CF2O−CF2O−CF2CF2OF;
FOCF2CF2O−CF2CF2O−CF2CF2O−CF2CF2OF。
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