JPH06311318A - 本原稿読み取り装置の頁めくり方式及び本原稿読み取り装置 - Google Patents

本原稿読み取り装置の頁めくり方式及び本原稿読み取り装置

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JPH06311318A
JPH06311318A JP5091666A JP9166693A JPH06311318A JP H06311318 A JPH06311318 A JP H06311318A JP 5091666 A JP5091666 A JP 5091666A JP 9166693 A JP9166693 A JP 9166693A JP H06311318 A JPH06311318 A JP H06311318A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、本原稿の頁めくりミスや本原稿の
破損を防止することを目的とする。 【構成】 この発明は、本原稿の最上位頁の端部を吸着
する吸着手段と、この吸着手段を上昇させることにより
頁を上昇させる上昇手段と、この上昇手段により上昇さ
せられるめくり頁が収納されるめくり頁収納部と、この
めくり頁収納部に収納されるめくり頁を検知するめくり
頁検知手段と、このめくり頁検知手段によるめくり頁の
前記めくり頁収納部への収納検知信号により本原稿のめ
くり開始方向の頁端部の前記吸着手段による吸着位置及
び前記上昇手段による上昇位置を算出する算出手段10
3とを備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複写機,ファクシミリ等
の画像形成装置などに用いられる本原稿読み取り装置の
頁めくり方式及び本原稿読み取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本原稿読み取り装置は本原稿の頁を頁め
くり装置でめくりながら本原稿を読み取るが、その頁め
くり装置としては、下向きに見開かれて載置されたブ
ック原稿を移動させながらその頁を吸引して分離するこ
とにより頁めくりを行うもの、上向きに見開かれて載
置されたブック原稿の頁を吸引移動して分離することに
より頁めくりを行うもの、上向きに見開かれて載置さ
れたブック原稿の頁をローラ,アーム等でめくるものが
知られている。
【0003】しかし、頁めくり装置にあっては、ブッ
ク原稿の自重の影響により頁めくりの信頼性に欠け、し
かも、原稿面がこすられるという問題点を有する。ま
た、頁めくり装置,にあっては、ブック原稿の上側
空間を移動するので、大型の装置となることが避け難か
った。そこで、本発明者は、上述の問題点を解消し、装
置を大型化することなく信頼性の高い本原稿の頁めくり
を行う頁めくり装置を有する原稿読み取り装置を提案し
た。ここに、本原稿とは、複数頁が見開き可能に綴じら
れた原稿である。この原稿読み取り装置は、頁めくり装
置が移動して本原稿のめくり開始方向の頁端部を一定の
位置で吸着して上昇することでそのめくり頁を頁収納部
に収納した後に排出することによって本原稿の頁をめく
りながら本原稿を読み取り、頁収納部に反射型フォトセ
ンサを設けてこの反射型フォトセンサで頁収納部内に収
納される頁を検知し、この反射型フォトセンサの検知信
号に基づいてめくり頁の走査開始から所定時間経過後に
頁収納部内への本原稿の頁収納があったか否かを判断し
て頁収納部内への本原稿の頁収納がない場合には本原稿
の頁めくり異常とし、頁収納部内への頁収納完了から所
定時間経過後に頁収納部からの頁排出があったか否かを
判断して頁収納部からの頁排出がない場合に頁排出異常
としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記原稿読み取り装置
では、頁めくり装置が移動して本原稿のめくり開始方向
の頁端部を一定の位置で吸着して上昇することでそのめ
くり頁を頁収納部に収納した後に排出することによって
本原稿の頁をめくりながら本原稿を読み取るが、頁めく
り装置が本原稿のめくり開始方向の頁端部を吸着するタ
イミング(位置)や上昇するタイミング(位置)の不良
などにより頁めくりミスや本原稿の破損が生ずる場合が
あり、また、読み取り画像の有効範囲が各本原稿により
変化して読み取り画像信号を有効範囲のみ出力すること
ができない。
【0005】本発明は、上記欠点を改善し、本原稿の頁
めくりミスや本原稿の破損を防止することができて読み
取り画像信号を有効範囲のみ出力することができる本原
稿読み取り装置の頁めくり方式及び本原稿読み取り装置
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、本原稿の頁をめくりながら
本原稿を読み取る本原稿読み取り装置において、本原稿
の最上位頁の端部を吸着する吸着手段と、この吸着手段
を上昇させることにより頁を上昇させる上昇手段と、こ
の上昇手段により上昇させられるめくり頁が収納される
めくり頁収納部と、このめくり頁収納部に収納されるめ
くり頁を検知するめくり頁検知手段と、このめくり頁検
知手段によるめくり頁の前記めくり頁収納部への収納検
知信号により本原稿のめくり開始方向の頁端部の前記吸
着手段による吸着位置及び前記上昇手段による上昇位置
を算出する算出手段とを備えたものである。
【0007】請求項2記載の発明は、本原稿の頁をめく
りながら本原稿を読み取る本原稿読み取り装置におい
て、本原稿の最上位頁の端部を吸着する吸着手段と、こ
の吸着手段を上昇させることにより頁を上昇させる上昇
手段と、この上昇手段により上昇させられるめくり頁が
収納されるめくり頁収納部と、このめくり頁収納部に収
納されるめくり頁を検知するめくり頁検知手段と、この
めくり頁検知手段によるめくり頁の前記めくり頁収納部
への収納検知信号により本原稿のめくり開始方向の頁端
部の次回の前記吸着手段による吸着位置及び前記上昇手
段による上昇位置を決定する算出手段とを備えたもので
ある。
【0008】請求項3記載の発明は、本原稿の頁をめく
りながら本原稿を読み取る本原稿読み取り装置におい
て、本原稿の最上位頁の端部を吸着する吸着手段と、こ
の吸着手段を上昇させることにより頁を上昇させる上昇
手段と、この上昇手段により上昇させられるめくり頁が
収納されるめくり頁収納部と、このめくり頁収納部に収
納されるめくり頁を検知するめくり頁検知手段と、この
めくり頁検知手段によるめくり頁の前記めくり頁収納部
への収納検知タイミングが目標タイミングより早い場合
には前記吸着手段の頁端部吸着タイミング及び前記上昇
手段の上昇タイミングを早い方向に変化させ、前記めく
り頁検知手段によるめくり頁の前記めくり頁収納部への
収納検知タイミングが目標タイミングより遅い場合には
前記吸着手段の頁端部吸着タイミング及び前記上昇手段
の上昇タイミングを遅い方向に変化させる制御手段とを
備えたものである。
【0009】請求項4記載の発明は、本原稿の頁をめく
りながら本原稿を画像読み取り手段により読み取る本原
稿読み取り装置において、本原稿の最上位頁の端部を吸
着する吸着手段と、この吸着手段を上昇させることによ
り頁を上昇させる上昇手段と、この上昇手段により上昇
させられるめくり頁が収納されるめくり頁収納部と、こ
のめくり頁収納部に収納されるめくり頁を検知するめく
り頁検知手段と、本原稿の1回目の頁めくりでは前記画
像読み取り手段からの画像信号より本原稿のめくり開始
方向の頁端部の前記吸着手段による吸着位置及び前記上
昇手段による上昇位置を算出し、本原稿の2回目以降の
頁めくりでは前記めくり頁検知手段によるめくり頁の前
記めくり頁収納部への収納検知信号により本原稿のめく
り開始方向の頁端部の前記吸着手段による吸着位置及び
前記上昇手段による上昇位置を算出する算出手段とを備
えたものである。
【0010】請求項5記載の発明は、本原稿の頁をめく
りながら本原稿を読み取る本原稿読み取り装置におい
て、本原稿を走査して読み取る画像読み取り手段と、本
原稿の最上位頁の端部を吸着する吸着手段と、この吸着
手段を上昇させることにより頁を上昇させる上昇手段
と、この上昇手段により上昇させられるめくり頁が収納
されるめくり頁収納部と、この頁収納部に収納された頁
をめくるめくり手段と、頁端部の前記吸着手段による吸
着及び前記上昇手段の上昇を指示する指示手段とを備え
たものである。
【0011】請求項6記載の発明は、本原稿の頁をめく
りながら本原稿を読み取る本原稿読み取り装置におい
て、本原稿を走査して読み取る画像読み取り手段と、本
原稿の最上位頁の端部を吸着する吸着手段と、この吸着
手段を上昇させることにより頁を上昇させる上昇手段
と、この上昇手段により上昇させられるめくり頁が収納
されるめくり頁収納部と、この頁収納部に収納された頁
をめくるめくり手段と、本原稿載置部の本原稿セット位
置基準側に設けられ頁端部の前記吸着手段による吸着及
び前記上昇手段の上昇を指示する指示手段とを備えたも
のである。
【0012】請求項7記載の発明は、本原稿の頁をめく
りながら本原稿を読み取る本原稿読み取り装置におい
て、本原稿を走査して読み取る画像読み取り手段と、本
原稿の最上位頁の端部を吸着する吸着手段と、この吸着
手段を上昇させることにより頁を上昇させる上昇手段
と、この上昇手段により上昇させられるめくり頁が収納
されるめくり頁収納部と、このめくり頁収納部に収納さ
れるめくり頁を検知するめくり頁検知手段と、1回目の
頁めくりにおける頁端部の前記吸着手段による吸着及び
前記上昇手段の上昇を指示する操作入力手段と、前記め
くり頁検知手段によるめくり頁の前記めくり頁収納部へ
の収納検知信号により2回目以降の頁めくりにおける本
原稿のめくり開始方向の頁端部の前記吸着手段による吸
着位置及び前記上昇手段による上昇位置を算出する算出
手段とを備えたものである。
【0013】請求項8記載の発明は、本原稿の頁をめく
りながら本原稿を読み取る本原稿読み取り装置におい
て、本原稿の頁をめくりながら本原稿を読み取る画像読
み取り手段と、めくり頁が収納されるめくり頁収納部
と、このめくり頁収納部に収納されるめくり頁を検知す
るめくり頁検知手段と、前記画像読み取り手段からの画
像信号を記憶する記憶手段と、1回目の画像信号出力で
は初回の頁めくり動作終了後に前記めくり頁検知手段に
よるめくり頁の前記めくり頁収納部への収納検知及び排
出検知により本原稿の読み取り画像範囲を算出して前記
記憶手段から画像信号を読み出して出力し、2回目以降
の画像信号出力では読み取り動作終了直後に前回の頁め
くり動作時における前記めくり頁検知手段によるめくり
頁の前記めくり頁収納部への収納検知及び排出検知から
本原稿の読み取り画像範囲を算出して前記記憶手段から
画像信号を読み出して出力する画像出力手段とを備えた
ものである。
【0014】請求項9記載の発明は、本原稿の頁をめく
りながら本原稿を読み取る本原稿読み取り装置におい
て、本原稿を走査して読み取る画像読み取り手段と、本
原稿の最上位頁の端部を吸着する吸着手段と、この吸着
手段を上昇させることにより頁を上昇させる上昇手段
と、この上昇手段により上昇させられるめくり頁が収納
されるめくり頁収納部と、この頁収納部に収納された頁
をめくるめくり手段と、前記めくり頁収納部に収納され
るめくり頁を検知するめくり頁検知手段と、前記画像読
み取り手段からの画像信号より本原稿のめくり開始方向
の頁端部の前記吸着手段による吸着位置及び前記上昇手
段による上昇位置を算出して頁めくりを行わせ、前記め
くり頁検知手段により頁めくりの不良を検知した場合に
本原稿のめくり開始方向の頁端部の前記吸着手段による
吸着位置及び前記上昇手段による上昇位置を指示するよ
うに誘導表示を行わせる制御手段とを備えたものであ
る。
【0015】請求項10記載の発明は、請求項5,6,
7または9記載の本原稿読み取り装置において、前記本
原稿のめくり開始方向の頁端部の前記吸着手段による吸
着位置及び前記上昇手段による上昇位置を指示する手段
が本原稿が載置される原稿台の手前側外装部のスケール
によりキー入力を行うものである。
【0016】
【作用】請求項1記載の発明では、本原稿の最上位頁の
端部が吸着手段により吸着されて上昇手段により上昇さ
せられ、そのめくり頁がめくり頁収納部に収納される。
このめくり頁収納部に収納されるめくり頁はめくり頁検
知手段により検知され、算出手段がめくり頁検知手段に
よるめくり頁のめくり頁収納部への収納検知信号により
本原稿のめくり開始方向の頁端部の吸着手段による吸着
位置及び上昇手段による上昇位置を算出する。
【0017】請求項2記載の発明では、本原稿の最上位
頁の端部が吸着手段により吸着されて上昇手段により上
昇させられ、そのめくり頁がめくり頁収納部に収納され
る。めくり頁収納部に収納されるめくり頁はめくり頁検
知手段により検知され、算出手段がめくり頁検知手段に
よるめくり頁のめくり頁収納部への収納検知信号により
本原稿のめくり開始方向の頁端部の次回の吸着手段によ
る吸着位置及び上昇手段による上昇位置を決定する。
【0018】請求項3記載の発明では、本原稿の最上位
頁の端部が吸着手段により吸着されて上昇手段により上
昇させられ、そのめくり頁がめくり頁収納部に収納され
てめくり頁検知手段により検知される。制御手段はめく
り頁検知手段によるめくり頁のめくり頁収納部への収納
検知タイミングが目標タイミングより早い場合には吸着
手段の頁端部吸着タイミング及び上昇手段の上昇タイミ
ングを早い方向に変化させ、めくり頁検知手段によるめ
くり頁のめくり頁収納部への収納検知タイミングが目標
タイミングより遅い場合には吸着手段の頁端部吸着タイ
ミング及び上昇手段の上昇タイミングを遅い方向に変化
させる。
【0019】請求項4記載の発明では、本原稿の最上位
頁の端部が吸着手段により吸着されて上昇手段により上
昇させられ、そのめくり頁がめくり頁収納部に収納され
てめくり頁検知手段により検知される。算出手段は、本
原稿の1回目の頁めくりでは画像読み取り手段からの画
像信号より本原稿のめくり開始方向の頁端部の吸着手段
による吸着位置及び上昇手段による上昇位置を算出し、
本原稿の2回目以降の頁めくりではめくり頁検知手段に
よるめくり頁のめくり頁収納部への収納検知信号により
本原稿のめくり開始方向の頁端部の吸着手段による吸着
位置及び上昇手段による上昇位置を算出する。
【0020】請求項5記載の発明では、画像読み取り手
段が本原稿を走査して読み取り、本原稿の最上位頁の端
部が吸着手段により吸着されて上昇手段により上昇させ
られる。上昇手段により上昇させられるめくり頁はめく
り頁収納部収納されてめくり手段によりめくられ、頁端
部の吸着手段による吸着及び上昇手段の上昇が指示手段
により指示される。
【0021】請求項6記載の発明では、画像読み取り手
段が本原稿を走査して読み取り、本原稿の最上位頁の端
部が吸着手段により吸着されて上昇手段により上昇させ
られる。上昇手段により上昇させられるめくり頁はめく
り頁収納部に収納され、頁収納部に収納された頁がめく
り手段によりめくられる。頁端部の前記吸着手段による
吸着及び上昇手段の上昇が本原稿載置部の本原稿セット
位置基準側に設けられた指示手段により指示される。
【0022】請求項7記載の発明では、画像読み取り手
段が本原稿を走査して読み取り、本原稿の最上位頁の端
部が吸着手段により吸着されて上昇手段により上昇させ
られる。上昇手段により上昇させられるめくり頁はめく
り頁収納部に収納されてめくり頁検知手段により検知さ
れる。1回目の頁めくりにおける頁端部の吸着手段によ
る吸着及び上昇手段の上昇が操作入力手段により指示さ
れ、算出手段がめくり頁検知手段によるめくり頁のめく
り頁収納部への収納検知信号により2回目以降の頁めく
りにおける本原稿のめくり開始方向の頁端部の吸着手段
による吸着位置及び上昇手段による上昇位置を算出す
る。
【0023】請求項8記載の発明では、画像読み取り手
段が本原稿の頁をめくりながら本原稿を読み取り、めく
り頁がめくり頁収納部に収納される。めくり頁収納部に
収納されるめくり頁はめくり頁検知手段により検知さ
れ、画像読み取り手段からの画像信号が記憶手段により
記憶される。画像出力手段は、1回目の画像信号出力で
は初回の頁めくり動作終了後にめくり頁検知手段による
めくり頁のめくり頁収納部への収納検知及び排出検知に
より本原稿の読み取り画像範囲を算出して記憶手段から
画像信号を読み出して出力し、2回目以降の画像信号出
力では読み取り動作終了直後に前回の頁めくり動作時に
おけるめくり頁検知手段によるめくり頁のめくり頁収納
部への収納検知及び排出検知から本原稿の読み取り画像
範囲を算出して記憶手段から画像信号を読み出して出力
する。
【0024】請求項9記載の発明では、画像読み取り手
段が本原稿を走査して読み取り、本原稿の最上位頁の端
部が吸着手段により吸着されて上昇手段により上昇させ
られる。上昇手段により上昇させられるめくり頁はめく
り頁収納部に収納され、頁収納部に収納された頁がめく
り手段によりめくられる。めくり頁収納部に収納される
めくり頁はめくり頁検知手段により検知される。制御手
段は画像読み取り手段からの画像信号より本原稿のめく
り開始方向の頁端部の吸着手段による吸着位置及び上昇
手段による上昇位置を算出して頁めくりを行わせ、めく
り頁検知手段により頁めくりの不良を検知した場合に本
原稿のめくり開始方向の頁端部の吸着手段による吸着位
置及び上昇手段による上昇位置を指示するように誘導表
示を行わせる。
【0025】請求項10記載の発明では、請求項5,
6,7または9記載の本原稿読み取り装置において、本
原稿のめくり開始方向の頁端部の吸着手段による吸着位
置及び上昇手段による上昇位置を指示する手段は本原稿
が載置される原稿台の手前側外装部のスケールによりキ
ー入力を行う。
【0026】
【実施例】図22は本発明を応用したシステムの一例を
示す。このシステムは、原稿を読み取るスキャナ部50
0と、画像を形成するプリンタ501とで構成され、ス
キャナ部500は原稿をめくりながら走査して読み取る
読み取りキャリッジ(走査ユニット)200を有する。
この走査ユニット200は、原稿画像を読み取るCCD
(電荷結合素子)を有する画像読み取り板(SBC)1
01と、この画像読み取り板101からのアナログ画像
信号の処理からA/D変換までを行うVPU102と、
蛍光灯及びそのインバータ電源、ヒータ、サーミスタ、
ファン、ソレノイド等からなる部分502とを有する。
この部分502とVPU102はそれぞれ独立のフレキ
シブルケーブルでIPU103と接続されている。
【0027】IPU103はコネクタにより着脱可能で
読み取り画像信号を記憶するためのフレームメリ104
を備え、IPU103内のマイクロコンピュータは走査
ユニット200を走査するためのステッピングモータや
原稿台駆動用DCモータ等の負荷をモータ駆動回路50
3を介して制御すると共にセンサからの信号を取り込
む。プリンタ501は複写のモード制御、操作パネルの
キー信号の取り込み及び表示制御を行うメイン制御部
と、複写タイミング制御を行うシーケンス制御部とから
なるメイン制御板107を有し、メイン制御部及びシー
ケンス制御部、操作パネル99の各マイクロコンピュー
タは互いにシリアル通信でコマンドの送受信を行う。メ
イン制御板107はプリンタ501の作像に係わるセン
サ類の入力、モータ、ソレノイド、クラッチ等を制御し
て画像形成のシーケンス制御を行う。
【0028】図1はこのシステムのデータ処理ブロック
を示す。このシステムは、本及びシート原稿読み取り装
置(以下、TPS:Turn the Page Sc
anner.という)と、その原稿読み取り画像を出力
する電子写真方式のレーザプリンタとを有するシステム
である。このシステムは本原稿の画像読み取り機能と頁
めくり機能とをそれぞれ独立させて構成することもでき
るが、ここでは、説明の便宜上、頁めくり機能と画像読
み取り機能との両機能を1つのユニットに組み込んだ装
置となっている。
【0029】本システムは、TPSの画像読み取り部及
び画像データ処理部と、レーザプリンタからなる画像形
成部に大きく分けられる。TPSの走査キャリッジ右端
部に配置した画像読み取り部は、CCDを有する読み取
り板からなる読み取りセンサ101を備え、VPU(V
ideo Processing Unit)102は
CCDに駆動信号を供給し、101よりのアナログ出力
信号の補正からデジタル信号変換までを行って各ドット
8ビットの読み取り画像データを得る。
【0030】VPU102は、その各ドット8ビットの
読み取り画像データをクロック及び主走査方向、副走査
方向のゲート信号に同期させて約7.5MHzの速度で
IPU(Image Processnig Uni
t;画像処理装置)103に出力し、このIPU103
はVPU102からの画像データの変倍等の加工処理や
電子写真の高画質処理を行う。IPU103は画像デー
タを最終処理でγ補正を含む階調処理を行い、書き込み
に適した各ドット4ビットのビデオデータに変換してそ
の処理データをフレームメモリ104に蓄積する。
【0031】すなわち、このTPSでは、本原稿の読み
取り速度90mm/sec.,シート原稿の読み取り走
査速度120mm/sec.、作像速度180mm/s
ec.というように、その読み取り走査速度と作像速度
とに差があるので、その速度バッファ用にA3サイズ1
頁分のフレームメモリ104を用いている。また、この
フレームメモリ104は、TPSが本原稿に接触して走
査してその読み取りを行い、リピートコピー時には画像
データが複数回繰り返して読み出されることにより、リ
ピートコピー時の原稿保護に対して有効である。さら
に、TPSが本原稿の見開きの左右頁を独立にプリント
する頁連写時には1回の走査読み取りでフレームメモリ
104を用いて左右頁の画像を分割することができ、T
PSは画像形成部を構成するレーザプリンタ501の画
像書き込みとの同期走査や再度の助走がいらない。
【0032】更に、このフレームメモリ104は、IP
U103の速度対応性により各ドット4ビット構成のフ
レームメモリ104をIPU103より後段に配置し、
IPU103による画像処理後の書き込みデータをフレ
ームメモリ104に格納することにより、各ドット8ビ
ットの読み取り画像データに対してフレームメモリ10
4の容量を半分にする。
【0033】フレームメモリ104の容量は400DP
Iの画像データでA3サイズ1頁分の128Mビットで
あり、DRAMによって構成される。フレームメモリ1
04へのIPU103からの画像データ入力は画像デー
タの2ドット分をパラレルに行い、かつ、約3.8MH
zの速度で順次に行う。一方、フレームメモリ104か
らの画像データは、同じく画像データの2ドット分がパ
ラレルで出力され、約7.5MHzの速度でIPU10
3から送られるクロック及び主走査方向、副走査方向の
ゲート信号に同期させてメイン制御板107に順次に出
力する。
【0034】メイン制御板107は、フレームメモリ1
04からレーザプリンタの画像形成速度に合わせて高速
に出力された画像データを約15MHzのシリアルデー
タとし、FIFO(First In First O
ut)メモリで更に主走査方向に高速化し、約18MH
zの書き込みクロックに同期させる。その各ドット4ビ
ットの画像データは変調部でパルス幅変調されて発光時
間データとなり、レーザ(LD)コントローラにPWM
データとして書き込みクロックに同期して送信される。
LDコントローラは、そのPWMデータによりLDドラ
イバを介して電子写真方式のレーザプリンタのLD10
5を発光させて感光体を露光走査して作像する。電子写
真方式のレーザプリンタは感光体を帯電器で均一に帯電
させた後にLD105による露光走査で静電潜像を形成
し、この静電潜像を現像装置で現像して転写装置により
転写紙に転写する。
【0035】IPU103は、TPSの読み取りキャリ
ッジ(走査ユニット)200の走査制御も行い、読み取
りキャリッジを走査するためのステッピングモータから
なるスキャナモータ106を駆動する。スキャナモータ
106はシート原稿読み取り時及び本原稿読み取り時に
は読み取りキャリッジを走査速度90mm/sec.で
等速走査し、71から141%までのズームを含む変倍
時にはその1.41から0.71倍の線速で読み取りキ
ャリッジ200を走査する。
【0036】また、スキャナモータ106は、読み取り
キャリッジ200を走査開始位置に戻すリターン時及び
本原稿の頁めくり時には120mm/sec.の速度で
読み取りキャリッジ200を走査する。メイン制御板1
07は、I/O100を介して作像に係わるセンサ類か
らの入力信号を取り込み、モータ、ソレノイド、クラッ
チ等へ出力信号を出力することにより、レーザプリンタ
107の画像形成のシーケンス制御を行う。また、IP
U103は読み取り画像データを他のシステム機器、例
えばプリンタやワークステーションに転送するためのS
CSIインターフェース98を備え、メイン制御板10
7は操作パネル99からの信号の取り込み及び操作パネ
ル99への信号の出力を行う。
【0037】次に、本システムにおける画像読み取り信
号処理を説明する。CCDを有する読み取りセンサ10
1は、約5000画素、400DPIの読み取りが可能
で、原稿の主走査方向1ライン分の反射光を同時に読み
取って電気信号に変換する。読み取りセンサ101から
の電気信号はVPU102でクランプ等の波形修正、増
幅、A/D変換が行われ、8ビットのデジタル信号とし
てIPU103へ出力される。読み取りセンサ101は
アナログ画像データを高速転送のためEVEN.ODD
の2系統に分けてVPU102に出力し、VPU102
においては、アナログスイッチで構成されるスイッチン
グICで読み取りセンサ101からのEVEN,ODD
の画像データをシリアルのアナログ信号に合成して転送
する。この場合、1画素の画像転送速度は、本原稿読み
取りモード時では約7.5MHzであり、これに同期し
て上記合成後の画像データをA/Dコンバータで8ビッ
ト256階調のデジタル信号に変換する。一方、可変増
幅器では蛍光灯の光量変動を補正するために、基準白板
の読み取りデータによりその増幅度を適正値にするよう
に調節する。
【0038】図2はTPSにおける読み取りスキャナの
データ処理を示す。読み取りセンサ101から読み出さ
れる主走査方向に連続するアナログ画像データは、VP
U102においてクランプにより波形の基底レベルの調
整が行われ、画素クロックに同期して画像データがサン
プルホールドされる。次に、VPU102はその画像デ
ータを読み取り露光光量やそのデータレベルに合わせて
データの増幅率を可変するAGC(Auto Gain
Control)処理を行い、A/D変換器によりア
ナログ画像データから8ビットのデジタル画像データに
変換して読み取りセンサ101のCCDで読み取られる
原稿反射濃度に対してリニアな読み取り画像データを得
る。次に、VPU102はその読み取り画像データを視
感度に合わせて効率よく階調を扱うように対数変換を行
う。この対数変換は入出力8ビット/ドットのLUT
(LOOK UP TABLE)で行う。
【0039】VPU102からの画像濃度を示す1画素
毎のデジタル画像信号はIPU103へ入力されて画像
処理される。IPU103は、複数のLSIで構成さ
れ、VPU102からのデジタル画像信号の画像加工処
理の他、高画質処理の制御を行い、その主なものを以下
に説明する。 1.シェーディング補正 本システムのTPSは、蛍光灯の直線光源を用い、ま
た、レンズの集光によりCCDの中央部で光量が最大と
なり、CCDの端部では光量が低下してしまう。また、
CCDには、素子個々の感度にバラツキがある。そこ
で、IPU103は、デジタル画像信号に対してその両
方のシェーディング補正を画素毎の基準白板読み取りデ
ータにより行う。
【0040】2.MTF補正 レンズなどを用いた光学系では、レンズなどの性能によ
り周辺画素情報が影響してCCDによる読み取り出力が
なまったようになる。そこで、IPU103は、1つの
画素データを求める際に、その画素データを周辺画素レ
ベルで補正することにより、再現性の高い画像を得る。
【0041】3.主走査方向変倍 本システムでは、画像読み取りと書き込みの解像度が同
一の400DPIであるが、読み取り画像データのフレ
ームメモリ104読出し画素周波数が約15MHz、書
き込み画素周波数が約18MHzであってこれらが異な
るため、IPU103は画像データの周波数変換を行
い、また、画像データに対して50%から200%の主
走査及び副走査方向の変倍処理を行う。IPU103は
その変倍値を周辺画素データの演算で算出する。
【0042】4.γ補正 電子写真方式のレーザプリンタの濃度再現特性(プリン
タのγ特性)は、リニアでなく、スキャナからの画像デ
ータをそのまま用いても原稿濃度を忠実に再現できな
い。そこでIPU103は変換テーブルを用いて画像デ
ータをレーザプリンタのプリント特性に合わせた書き込
み露光光量に変換する。また、IPU103はマニュア
ルの濃度調整時も、その変換値を変更することで濃度調
整を実現する。その他、IPU103は、マスキング、
トリミング、ミラーリング、白黒反転等の画像変換、原
稿サイズ、位置及び濃度検出、マーカー検出等の画像検
出等も行っている。
【0043】IPU103から送られてきた画像データ
は、LD105により光エネルギーに変換される。本シ
ステムにおける光書き込み方式のレーザプリンタは、L
D105からのレーザビームをポリゴンミラーで偏向走
査し、感光体上に露光して静電潜像を形成する方式が用
いられている。また、LD105の変調方式は、主に1
ドット内の露光時間を変調するパルス変調方式と、露光
強度を変調するパワー変調方式とがあり、本システムで
は前者の方式を採用している。これにより、解像性及び
階調性を備えた高画質が得られる。
【0044】次に、TPSの本原稿露光方式について説
明する。図3及び図4は本システムの蛍光灯調光回路を
示す。本システムは、本原稿の露光用光源としての2本
の蛍光灯201,202と、シート原稿の露光用光源と
しての2本の蛍光灯203,204とを備えており、各
蛍光灯はそれぞれ同様の調光回路を備えている。すなわ
ち、本システムは、計4本の蛍光灯201〜204と、
独立に制御可能な4つの蛍光灯調光回路を備えている。
ここで、本原稿の露光用光源としての2本の蛍光灯20
1,202は、図34に示すように、走査ユニット(キ
ャリッジ)200の走査方向と直交する方向の本原稿読
み取りスリット位置に配置されたプラテンガラス205
の両端上部にそれぞれ配置されている。
【0045】これらの蛍光灯201,202は、プラテ
ンガラス205を通して本原稿BOを左右両側から露光
し、本原稿BOの読み取り時における左右の頁による濃
度ムラや本原稿綴じ部BOaの陰影をなくしている。一
方、シート原稿の露光用光源としての2本の蛍光灯20
3,204は、図34に示すように、走査ユニット20
0の上部の走査方向と直交する方向のシート原稿読み取
りスリット位置にそれぞれ配置されており、これらの蛍
光灯203,204は、本システムの上面のコンタクト
ガラス206を通して、このコンタクトガラス206上
にスケール207に合わせてセットされたシート原稿S
Oを左右両側から露光し、本原稿BOと同じくシート原
稿SOの読み取り時における濃度ムラや陰影をなくして
いる。
【0046】図3及び図4に示す本原稿BOの蛍光灯調
光回路は、蛍光灯201,202と、その発光光量を検
出する光量センサ201a,202aと、調光回路20
1b,202bとから構成されている。光量センサ20
1a,202aは、フォトダイオードで構成されてお
り、各蛍光灯201,202の原稿露光方向の裏側の読
み取り走査方向の略中央部にそれぞれ配置されている。
調光回路201b,202bは温度により変化する各蛍
光灯光量を光量センサ201a,202aによりそれぞ
れモニタして、各蛍光灯201,202の光量が一定の
露光適正値になるように蛍光灯201,202のフィー
ドバック制御をする。
【0047】各調光回路201b,202bは、各光量
センサ201a,202aが検出した蛍光灯201,2
02に対する光量信号を各々積分回路201c,202
cにより平均化して各増幅回路201d,202dによ
り増幅し、各点灯回路201e,202eによりそれぞ
れの蛍光灯201,202の目標の露光光量との差分が
無くなるように各蛍光灯201,202をそれぞれ駆動
する。この蛍光灯201,202の駆動方式は、CCD
101の画像読み取りのサンプリングに同期して読み取
り濃度ムラが生ずることがないように、蛍光灯201,
202の駆動電流の振幅を変化させて光量調節を行うリ
プルレス調光方式を用いている。ここで、蛍光灯10
1,102の駆動周波数は40kHz、蛍光灯101,
102の調光周波数は約1kHzである。
【0048】調光回路201b,202bは蛍光灯20
1,202の目標露光光量としてモードに応じてIPU
103内のマイクロコンピュータから0から255の設
定信号がD/A変換器を介してリモート電圧V1、V2
としてリモート電圧端子にアナログレベルで入力され
る。調光回路201b,202bは同じくスキャナ部の
シーケンス制御を行うIPU103内のマイクロコンピ
ュータからの点灯信号S1,S2により露光走査開始タ
イミングで蛍光灯201,202の点灯を開始させ、走
査終了で蛍光灯201,202をオフにする。
【0049】ところで、シート原稿読み取り時の走査ユ
ニット200の走査速度、本原稿読み取り時の走査ユニ
ット200の走査速度は共に90mm/sec.であ
り、CCD101の蓄積電荷は受光パワーと蓄積時間の
積によって決定される。そこで、原稿読み取り時におけ
る蛍光灯光量のばらつき対してはVPU102が図10
に示すような読み取り画像データ増幅回路を用いて、読
み取り走査開始前に独立の基準板の反射信号を検出して
読み取り画像データの増幅ゲインを調整するように前述
のAGC処理を行う。また、同時にVPU102は本原
稿露光用蛍光灯201,202とシート原稿露光用蛍光
灯203,204の光量のばらつきに対して各々独立に
画像データのシェーディング補正を行う。
【0050】図5乃至図9は上記蛍光灯の設定露光光量
の例を示す。図5は、本原稿BOの読み取り走査開始時
点から両蛍光灯201、202とも設定値を一定のまま
として露光する例である。図6は、IPU103内のマ
イクロコンピュータがリモート電圧信号を操作して、本
原稿BOの綴じ部BOaで蛍光灯露光光量を増加させる
例である。この蛍光灯露光光量の増加は、IPU103
内のマイクロコンピュータが走査ユニット200の走査
開始位置からの走査制御位置により、リモート電圧信号
を変化させることにより行う。
【0051】具体的には、図6に示す例では、IPU1
03内のマイクロコンピュータが走査ユニット200の
走査アドレス210mm地点より230mm地点までリ
モート電圧信号を徐々に増加させて蛍光灯露光光量を徐
々に増加させ、走査ユニット200の走査アドレス25
0mm地点より270mm地点までリモート電圧信号を
徐々に減少させて蛍光灯露光光量を徐々に減少させて元
に戻す。または、IPU103内のマイクロコンピュー
タが後述する本原稿端部検知結果により、頁めくりによ
って左右に変位する本原稿BOの綴じ部BOaを算出し
て、同様に光量制御を行う。これにより、本原稿の綴じ
部に発生する陰影による濃度上昇(光量不足)が改善さ
れる。
【0052】また、載置された本原稿の厚さに応じて図
6に破線で示すようにその走査時の露光光量値を増加さ
せることによって、綴じ部BOaの彎曲により発生する
露光不足、読み取り焦点レンズによる濃度ムラを補正で
きる。この補正は、後述する本原稿台の本原稿綴じ部載
置用の一対のスライド板の開閉量(すなわち、本原稿綴
じ部の厚さ)を図示しないセンサで検知し、図7に示す
ように、IPU103内のマイクロコンピュータが本原
稿の厚さに応じて各蛍光灯光量を本原稿綴じ部で増加さ
せることにより行われる。
【0053】図8は、IPU103内のマイクロコンピ
ュータが2本の蛍光灯201,202の露光光量を左右
非対称に増加させ、本原稿BOの綴じ部BOaの濃度上
昇を補正する例である。図8において、実線は右側の蛍
光灯の光量設定値、破線は左側の蛍光灯の光量設定値で
ある。この例では、IPU103内のマイクロコンピュ
ータは、走査ユニット200の読み取り部が本原稿BO
の綴じ部BOaにさしかかり、読み取り原稿面が右側に
傾く位置から右側の蛍光灯の光量設定値を実線で示すよ
うに増加させ、蛍光灯が露光し易いように原稿面と垂直
右方向からの露光光量を大きくして、この綴じ部の地肌
濃度が原稿頁部の地肌濃度と同一濃度になるように調整
する。
【0054】次いで、IPU103内のマイクロコンピ
ュータは、画像読み取り部が本原稿綴じ部の中央に到達
した時点で、この右側の蛍光灯の光量設定値を元の値に
戻し、今度は上述と逆に、読み取り原稿面が左側に傾く
位置から左側の蛍光灯の光量設定値を破線で示すように
増加させ、蛍光灯が露光し易いように原稿面と垂直左方
向からの露光光量を大きくして、この綴じ部の地肌濃度
が原稿頁部の地肌濃度と同一濃度になるように調整す
る。そして、IPU103内のマイクロコンピュータ
は、画像読み取り部が本原稿綴じ部の右側彎曲部の終端
に到達した時点で、この左側の蛍光灯の光量設定値を元
の値に戻し、その後、両蛍光灯の光量をそれぞれ一定し
た光量に維持させる。
【0055】図9は、IPU103内のマイクロコンピ
ュータが各蛍光灯の露光光量を走査方向に対して徐々に
変化させた時の各蛍光灯の光量設定値の遷移を示したも
のであって、図8における左右の蛍光灯の露光光量を独
立に増加させた場合の露光光量の拡大図である。このよ
うに、各蛍光灯の露光光量を徐々に変化させることによ
って、本原稿綴じ部の彎曲に対して、その傾斜に合った
濃度補正が可能になり、この綴じ部での露光光量変化に
よる副走査方向の濃度飛びによる帯状ムラの発生が防止
される。また、この例のように各蛍光灯の露光光量の変
化ステップを256段と充分に取って、各蛍光灯の光量
を徐々に変化させることは、図6に示すような両蛍光灯
の露光光量を本原稿綴じ部で左右とも同じく増加させる
場合でも同様に効果がある。
【0056】次に、TPSの読み取り画像データ増幅回
路を用いて濃度ムラを補正する方式について説明する。
図10は、上記読み取り画像データ増幅回路を示す。こ
の読み取り画像データ増幅回路は、演算増幅器301、
コンデンサC1、抵抗R1〜R9及びトランジスタQ1
〜Q5により構成された非反転増幅回路であり、VPU
102はCCD101からのアナログ画像信号に対して
クランプ、サンプルホールド、EVEN/ODD画素合
成等の波形補正を施した後に読み取り画像データ増幅回
路で増幅し、A/D変換してデジタルデータとしてIP
U103に転送する。
【0057】読み取り画像データ増幅回路は、入力され
たアナログ画像信号VINを演算増幅器301で増幅して
出力信号VOUTとして出力する。データ増幅値を設定す
る5ビットの入力信号G1〜G5は、トランジスタQ1
〜Q5のベースに加えられてトランジスタQ1〜Q5が
オン/オフすることにより抵抗R3〜R7が選択的に接
続され、読み取り画像データ増幅回路のゲインが通常は
VPU102でAGC処理により算出された適正ゲイン
にセットされる。
【0058】この読み取り画像データ増幅回路の増幅率
は、抵抗R1と、抵抗R2〜R7の並列抵抗で構成され
る抵抗値Rで決定され、 VOUT=VIN(1+R/R1) で表される。従って、この読み取り画像データ増幅回路
では、入力信号G1〜G5の設定値により、およそ6か
ら450倍までの32段階の倍率の選択が可能である。
この例では読み取り画像データ増幅回路の増幅率を調整
することによって、アナログ画像データの補正を行った
が、上記A/D変換後のデジタル画像データに対するデ
ータシフトあるいは乗算によって同様な補正を行うよう
にしてもよい。
【0059】本システムの画像データ補正は、図6に示
した露光光量の可変例と同様に、読み取り画像データ増
幅回路の増幅率設定値を操作して読み取り画像データを
本原稿の綴じ部で増加させ、画像濃度を薄くするもので
ある。この補正は、走査ユニット200の走査開始位置
からの走査位置により変化させ、具体的には、走査ユニ
ット200の走査アドレス210mm地点より230m
m地点まで、読み取り画像データのデータ増幅値を徐々
に増加させ、走査ユニット200の走査アドレス250
mm地点より270mm地点まで、読み取り画像データ
のデータ増幅値を徐々に減少させて元に戻す。
【0060】これにより、本原稿の綴じ部に発生する陰
影による濃度上昇が改善される。また、載置された本原
稿の厚さにより、読み取り画像データ増幅回路の増幅率
を増加させることによって、綴じ部BOaの彎曲により
発生する露光不足、読み取り焦点レンズによる濃度ムラ
を補正できる。この補正は、本原稿綴じ部載置用の一対
のスライド板の開閉量(すなわち、本原稿綴じ部の厚
さ)を図示しないセンサで検知し、図7に示した場合と
同様に、本原稿の厚さに応じて読み取り画像データ増幅
回路の増幅率を本原稿綴じ部で増加させることにより行
われる。更に、走査ユニット200の走査方向に対して
読み取り画像データ増幅回路の増幅率を徐々に変化させ
ることによって、本原稿綴じ部の彎曲に対して、その傾
斜に合った濃度補正が可能になり、この綴じ部での露光
光量変化による副走査方向の濃度飛びによる帯状ムラの
発生が防止される。
【0061】ところで、本原稿綴じ部の彎曲や陰影は、
一般に主走査方向の同一位置に発生する特性を有してい
る。そこで、本原稿綴じ部による濃度ムラを改善するた
めに、その主走査方向の画像データをサンプリングし、
本原稿の地肌部である最低濃度値により、その主走査方
向ラインの画像データをリアルタイムに補正するように
してもよい。この補正では、主走査方向の前ラインの画
像データのピーク値により、図10に示した読み取り画
像データ増幅回路の増幅率を決定する。あるいは、FI
FOメモリにより1ライン分の画像データを遅延させて
サンプリングし、その主走査方向の画像データの本原稿
の地肌部である最低濃度値のピークを算出し、その値に
基づいてデジタル画像データのシフトあるいは乗算を行
うことによって、綴じ部付近の地肌濃度が頁部の地肌濃
度と等しくなるように操作する。ここで、一般に本原稿
の頁内の地肌濃度は一定であるので、頁部の画像濃度補
正量は小さく、この本原稿の地肌部である最低濃度値を
基準値としたことによる副作用は極めて少ない。
【0062】一般に、公報等の見開き本原稿の左頁部分
は、その頁めくり動作によって増加し、本原稿の左端部
が本の表紙位置を基準として上方且つ右方向に移動して
いく。一方、本原稿の右頁部分は、その頁めくり動作に
よって減少し、本原稿右端部が下方且つ右方向に移動し
ていく。このような、頁めくりの繰り返し枚数に対する
本原稿左端部の遷移例を図11乃至図13に示す。図1
1乃至図13では、載置された本原稿の初期の見開き本
原稿左端部の位置を“0”とし、その頁めくり動作によ
り増加する本原稿左端部の右方向への移動量を変位量で
表わしている。また、本原稿左端部の右方向への変位量
をプラスとしてこれをミリ単位で表示している。
【0063】図11は本原稿の厚み20mm,総頁数7
50頁の場合、図12は本原稿の厚み12mm,総頁数
300頁の場合、図13は本原稿の厚み9mm,総頁数
180頁の場合を示し、これらの本原稿のサイズは全て
見開きB4サイズである。図11乃至図13から明らか
なように、これらの本原稿左端部はその頁めくりによっ
て右方向に変位するが、この変位により中央綴じ部の形
状が変わり、本原稿左端部の変位量は必ずしも単調増加
とはならない。また、本原稿はその頁めくりにより中央
綴じ部が左右方向にスライドするため、図12及び図1
3に示すように、その頁めくり過程で変位量が逆に減少
する地点も生じ、図13に示す薄手の本原稿に至って
は、左方向(マイナス方向)へも変位している。更にこ
れらの変位量は、本原稿のサイズや厚さ、及び紙質等に
よっても左右される。本システムのように本原稿の表紙
を加圧原稿台上に固定する場合には本原稿の背表紙のば
たつきによる急激な変位は抑えられるが、見開き本原稿
の最上位頁位置は頁めくりにより変化する。これは読み
取り位置及び頁めくり位置のズレになる。
【0064】そこで、本システムでは、このような本原
稿の端部の変位に係わらずに、画像の取り込みやプリン
トに適した画像有効範囲(見開かれた本の頁面)が得ら
れるようにするために、読み取りセンサ101の画像読
み取り情報により、この本原稿の見開かれた頁の端部の
位置を検出し、この本原稿端部位置を基準として本原稿
の画像有効範囲を得るようにする。本システムにより検
出された本原稿のエッジ部(表紙端部)は、見開きサイ
ズがA3の場合、その読み取り位置で中央セット位置よ
りおよそ210mm、走査ユニット200のホームポジ
ションからおよそ30mmの位置である。
【0065】本システムにおける本原稿の端部の検出
は、読み取りセンサの特定画素による読み取り情報の副
走査方向への変化により行う。読み取りセンサの読み取
りデータは、本原稿エッジ部で図14に示したようにな
る。ここで、本原稿の左端部では、読み取り原稿面が読
み取りセンサ結像点より下方に位置しているため焦点が
ずれ、僅かにぼやけた画像となる。また、読み取り位置
が原稿に達していない時は、原稿台または本裏表紙部が
読み取られ、黒画像と同じレベルとなる。
【0066】読み取りセンサの読み取り位置が本原稿端
部に達すると、本原稿の各頁のエッジ群による縞模様部
分が検出される。一般に、ほとんどの本原稿は、その頁
の地肌が白色で、本原稿端部から十数ミリの部分には文
字や画像がない。そこで、この均一色(白色)が続いた
時点で、本原稿端部と判断する。この本原稿の端部検出
は、その頁めくり走査の最後に、上記の画像読み取り方
向とは逆方向で検出する。
【0067】上述のように、読み取りセンサの出力情報
により原稿面を検出することによって、本原稿の端部の
変位に係わらず、画像の取り込みやプリントに適した画
像有効範囲が得られる。一般に、見開き本原稿BOの原
稿端部は、図15のように原稿頁のエッジ群が傾斜状に
積み重なって構成され、端部の傾斜と逆方向からの照明
に対して原稿頁の端部に陰を生じ、本原稿の各頁のエッ
ジ群による縞模様を強調されて読み取られる。
【0068】本システムでは、本原稿読み取り時はその
左右頁を均一に読み取り、本原稿の綴じ部の彎曲部まで
読み取るために、原稿面の左右から一対の蛍光灯20
1,202で露光照明を行っている。そして、本原稿端
部検出時に、片方の蛍光灯を消灯または減光して本原稿
端部の原稿頁のエッジ群による縞模様を強調し、原稿端
部の位置検出の精度を向上させる。すなわち、IPU1
03内のマイクロコンピュータが走査ユニット200の
右から左への頁めくり走査の後半で、図3の蛍光灯調光
回路の点灯信号S2とリモート電圧V2を操作し、右側
の蛍光灯202のみを点灯させる。また、IPU103
内のマイクロコンピュータは頁めくりのための右頁吸着
のための見開き本原稿の右頁端部の検出では、原稿面の
読み取り走査終了時に、図3の蛍光灯調光回路の点灯信
号S2とリモート電圧V2を操作し、右側の蛍光灯20
2のみを消灯して読み取る。
【0069】ところで、上述のようにして本原稿のエッ
ジ群により本原稿の端部を検出する方式では、本原稿の
読み取り頁内に頁のエッジ群による縞模様に類似した画
像がある場合、本原稿端部の検出を誤る可能性がある。
そこで、本原稿端部を検出する場合には、一対の蛍光灯
201,202の両側からの露光照明による画像と、一
方のみの蛍光灯の片側からの露光照明による画像との比
較により、本原稿端部の検知精度を高めるようにするこ
とができる。
【0070】この方式では、IPU103内のマイクロ
コンピュータは本原稿端部の検知時において、片方の蛍
光灯を消灯または減光し、本原稿端部の頁のエッジ群に
よる縞模様を強調して読み取る第1のモードと、両蛍光
灯201,202により露光照明して本原稿端部の頁の
エッジ群による縞模様を強調して読み取る第の2モード
とを切り換え、この第1のモードと第2のモードとの画
像読み取りデータを比較して、両者の画像読み取りデー
タに差が生じた場合の読み取りデータを本原稿端部の検
出データとする。
【0071】また、IPU103内のマイクロコンピュ
ータは、第1のモードと第2のモードとの画像読み取り
データを比較して両者の画像読み取りデータの差が少な
ければ、この読み取りデータは平面上に構成されている
画像の読み取りデータであると判断し、本原稿頁内にプ
リントされた画像の読み取りデータであると認識する。
具体的には、IPU103内のマイクロコンピュータ
は、走査ユニット200の右から左への頁めくり走査の
後半で、図3の蛍光灯調光回路の点灯信号S1,S2と
リモート電圧V1,V2を操作し、蛍光灯の点灯を切り
換える。この蛍光灯の点灯切り換えタイミングは、主走
査1ライン毎に行うか、2回走査しそれをメモリして比
較してもよい。また、この方式は、本原稿端部の検出結
果が疑わしい場合にのみ、その確認のために実施するよ
うにしてもよい。このように、この方式によれば、本原
稿端部の位置検出の精度をより向上させることができ
る。
【0072】図16乃至図21は本システムの本原稿モ
ードの複写動作タイミングを示す。図16は操作パネル
99のプリントキーの押下からの初期モードで画像によ
る本原稿端部の検知を実施している場合を示し、図17
〜図21は連続複写モードの途中で頁収納位置による本
原稿端部の検知を実施している場合を示す。図17〜図
21の場合は初回の本原稿読み取り動作及び画像による
端部検知動作が図16の場合と同様である。
【0073】図16乃至図21において、数字は本原稿
の読み取り頁ナンバーを示しており、2頁と3頁、4頁
と5頁が本原稿の見開き頁を構成している。また、フレ
ームメモリ104の読出し信号メモリRの符号RP及び
LPは、それぞれ読出し画像データの右頁(RP)及び
左頁(LP)を表わしている。更に、各モードの本原稿
の頁サイズはA4サイズで、本原稿の見開き2頁を走査
ユニット200の1回の走査で連続して読み取ってその
読み取り画像データをフレームメモリ104内にA3サ
イズ分の読み取りデータとして記憶し、各出力モードに
応じてこのフレームメモリ104より画像データを読出
してレーザプリンタにより作像して転写紙に記録する。
【0074】図16及び図17はA3サイズの転写紙に
見開き状態の本原稿の画像を出力し、本原稿に対して1
部の複写を行う1to1複写モードの場合を示し、図1
8はA4サイズの転写紙に本原稿の読み取り左右頁の各
画像をそれぞれ別々に独立頁毎に出力し、同じく本原稿
に対して1部の複写を行う1to1複写モードの場合を
示す。図19は、図18と同様に独立頁の画像出力を行
い、複写設定枚数が2枚で本原稿に対して2部の複写を
行う2枚複写モードの場合を示す。
【0075】図16の本原稿モード動作タイミングにお
いて、操作パネル99の複写開始を指示するプリントキ
ーがオンされると、IPU103内のマイクロコンピュ
ータは、走査ユニット200を走査するためのスキャナ
モータ106を逆転方向へ回転させ、中央部に位置して
いた走査ユニット200を読み取り開始方向へ移動させ
る。IPU103内のマイクロコンピュータは、走査ユ
ニット200が左側ホームポジションの読み取り開始位
置へ移動すると、スキャナモータ106を正転方向へ駆
動し、両方の蛍光灯201,202を点灯させて本原稿
の読み取り操作を開始させる。
【0076】IPU103内のマイクロコンピュータ
は、見開き本原稿の左頁端部地点から原稿画像として読
み取り副走査方向の有効画像領域信号SFGATEを発
生する。また、IPU103内のマイクロコンピュータ
はその有効画像領域信号SFGATEによってフレーム
メモリ104のデータ書き込み信号メモリWを操作し、
データ書き込み範囲を制御する。
【0077】IPU103内のマイクロコンピュータ
は、キャシッジ200が見開き本原稿の右頁端部に達す
ると、本原稿右頁端部の検出を開始し、頁めくり時の頁
吸着位置を算出する。キャシッジ200の読み取り走査
が終了すると、復動の頁めくり走査に入り、初回は頁収
納位置による画像有効範囲の確定後にレーザプリンタが
画像形成を開始する。また、2回目以降は前回検出の頁
収納位置による算出した画像有効範囲で読み取り走査終
了直後にレーザプリンタが画像形成を開始する。レーザ
プリンタ側の副走査方向の有効画像領域信号PFGAT
Eによってフレームメモリ104のデータ読み出し信号
メモリRを操作してレーザプリンタに同期して画像デー
タを出力する。また、頁めくり時には見開き本原稿の頁
端部が頁収納センサで繰り返して検出される。以上の行
程の繰り返しにより、自動的に本原稿の頁をめくりなが
ら本原稿の見開き頁複写を行う。
【0078】図18は本原稿の独立頁毎に画像を出力す
る1TO1複写モードの場合を示す。この場合は、読み
取りモード時には図17の場合と同様のタイミングで動
作し、頁めくり時の画像出力が連続して搬送される転写
紙に合わせて二つのPFGATEによってフレームメモ
リ104のデータ読み出し信号メモリRが操作され、本
原稿の頁毎の画像データが出力される。フレームメモリ
104のアドレスカウンタがPFGATEによってマス
クされて停止することにより、本原稿の左頁の第1の画
像に連結した右頁の画像データが第2のPFGATE信
号によりレーザプリンタにおける転写紙間隔を持って読
み出される。
【0079】図19は図18の場合と同様に本原稿の独
立頁の2枚複写を行うモードの場合を示す。この場合
は、読み取りモード時には図17の場合と同様のタイミ
ングで動作し、頁めくり時の画像出力はレーザプリンタ
で連続して搬送される転写紙に合わせて複数のPFGA
TEによってフレームメモリ104のデータ読み出し信
号メモリRが操作され、本原稿の頁毎の画像データが複
数枚分出力される。本例では、始めに読み取り左頁の画
像が2枚出力され、次に読み取り左頁の画像が2枚連続
で出力される。レーザプリンタが複数枚の画像出力を行
っている間にTPSが頁めくり走査を終了し、キャリッ
ジ200は読み取り走査開始位置で停止して次の読み取
り走査に備え待機している。
【0080】図20及び図21は本原稿両面モードの動
作タイミングを示す。この本原稿両面モードは転写紙の
両面を本原稿の頁の表裏と同様の構成に複写するもので
ある。図20は読み取り頁順に複写する場合を示す。こ
れは見開き本原稿の右頁の画像データがフレームメモリ
104より読み出されてレーザプリンタにより転写紙の
表面に形成され、その転写紙が反転して両面搬送路を経
由して両面スタック位置に搬送される。一方、TPS
は、左方向の走査により1回の頁めくりを行い、本原稿
の次の見開き頁を読み取り、その画像データがフレーム
メモリ104に記憶される。レーザプリンタで両面搬送
路による搬送を終了した転写紙が再給紙され、見開き本
原稿の左頁の画像データがフレームメモリ104より読
み出されて転写紙の裏面に形成されてその転写紙が排出
される。図20の場合は、転写紙の両面形成のための反
転、搬送パスによる再給紙までの時間を有し、1TO1
両面複写の生産性が低い。
【0081】図21はフレームメモリ104を用いて本
原稿をその読み取り頁順とは変えて複写する1TO1高
速両面複写モードの場合を示す。この場合は、第1に、
本原稿の見開き右側の1頁の画像が第1の転写紙の表面
に作像され、第1の転写紙が両面搬送路により搬送され
る。第2に、本原稿の次の見開きの2頁及び3頁が読み
取られ、その画像データがフレームメモリ104に記憶
される。第3に、3頁の画像データがフレームメモリ1
04より読み出されて第2の転写紙の表面に作像され、
第2の転写紙が両面搬送路により搬送される。
【0082】第4に、両面スタック位置の第1の転写紙
が再給紙され、2頁の画像データがフレームメモリ10
4より読み出されて第1の転写紙の裏面に形成されて第
1の転写紙が排出する。以下、本原稿の画像が読み取り
見開き頁と逆順に出力されることにより、本原稿の両面
複写が高速に行われる。すなわち、図16と図17の場
合、転写紙の両面搬送路搬送期間は転写紙の両面画像形
成のための反転、搬送パスによる再給紙までの時間で同
じであるが、本システムでは両面搬送路搬送期間に次の
転写紙の画像形成が実施されており、従来の1.5から
2倍程度の複写生産性が得られる。
【0083】本システムでは、両面複写モードにおい
て、複写部数が2以上の多数枚複写時には図20に示す
ように本原稿の頁順の画像形成を行い、操作パネル99
による指示部数の転写紙の表面に画像が形成され、その
転写紙が両面スタック位置に一旦格納された後に再給紙
されて指示部数の裏面画像形成が行われ排出される。本
システムは吸着ローラの変位による本原稿頁の吸着、分
離に対して安定した頁めくり動作を行う。これは、頁の
先端部のみを吸着して上方に変位させ頁収納部へと導く
ために、その吸着位置が重要となる。
【0084】以上の通り、本原稿の頁めくり走査時に頁
収納センサで本原稿の頁端部が検出され、頁めくりの繰
り返しにより変化する本原稿の頁端部に対する吸着、分
離の動作位置が決定される。つまり、頁収納位置データ
より走査終了側の頁端部が検出されて頁めくり走査時の
吸着ローラの上昇位置が決定され、常に頁の同一量が吸
着、分離するように制御される。以上により、画像範囲
および本原稿端部が頁収納センサで検出されて動作する
ため、独立の検出手段を用いること無く、画像読み取り
位置(レジスト)および安定した頁めくり動作が本原稿
の始めから終わりまで連続して実現される。
【0085】本システムでは、図34に示すように、走
査ユニット200内には、本原稿BOの頁を静電吸着に
よりめくり込むためのめくりベルト208があり、本原
稿頁は、このめくりベルト208上に高圧電源により電
荷パターンを形成することにより、めくりベルト208
上に静電吸着される。
【0086】このめくりベルト208上に静電吸着され
た原稿頁のめくり込みは、めくりベルト上下ソレノイド
によりめくりベルト208を上方に揺動させて、吸着さ
れた頁端部を走査ユニット200側に持ち上げることに
よって行われる。この時、頁収納センサによって、原稿
頁がめくられたか否かが検知される。この頁めくり時
に、頁収納センサの頁検知が所定のタイミングで行われ
なかった場合には、その頁めくり走査が再実行される。
【0087】ミラー切り換えソレノイドは、本原稿専用
の下読み取りの光路と、シート原稿等の一般的な上読み
取りの光路との切り換えを行うソレノイドであってキー
プソレノイドが使用され、光路切り換え時のみ通電され
る。原稿画像は、各蛍光灯の照明によりミラー及びレン
ズを通り、VPU102に接続されているCCD101
に結像される。VPU102は、CCD101を駆動す
るクロックを発生し、CCD101から出力されたアナ
ログ画像信号をA/Dコンバータによりデジタル値に変
換してフレームメモリ104とIPU103を通して上
述のレーザプリンタからなるプリンタ部112に出力す
る。ここで、フレームメモリ104は、TPSの読み取
り線速とプリンタ部112のプロセス線速のバッファに
使用される。また、IPU103では画像データの処理
が行われる。
【0088】以下、TPSにおける原稿台ユニットの構
成について説明する。
【0089】図23乃至図25に示すように原稿台1
は、厚さが2mmの樹脂製の板で形成されており、その
上側の表面には、極薄いゴムなどの摩擦係数の高い材料
が貼り付けてある。この高摩擦係数材料は、ラミネート
やコーティング、及び吹き付けなどにより、原稿台1の
上面に形成してもよい。この例における原稿台1は、そ
の原稿載置面(上面)の大きさがA4サイズに形成され
ており、装置本体中心2の左右に、それぞれ1つずつ配
設されている。また、各原稿台1の下には、スライド板
3がそれぞれ固定されている。各スライド板3は、その
前後と外側面の3方が下方に曲げられた板金で構成され
ており、それぞれの前後の側面の装置本体中心2の近傍
に、調整スタッド4がそれぞれ固定されている。各調整
スタッド4の端部には、後述するスライダのピンが嵌合
するための穴があいている。
【0090】一方、スライド板3の下面は、上下台5の
摩擦係数の低い上面と接している。ここで、上下台5の
上面は、テフロンなどの樹脂のリブが形成されていて、
スライド板3とスムーズに左右に相対的に移動できる。
また、スライド板3と上下台5は、後述するサイズスト
ッパ27により相対的に固定される。上下台5の下側に
は、左右方向の長穴のあいたアングル7a,7bが前後
左右4ヵ所に付いている。この原稿台ユニットのベース
6には、固定回転軸を持つ他のアングル8、左右方向の
長穴のあいた更に他のアングル9がそれぞれ固定されて
いる。
【0091】アングル8とアングル7bにはリンク板1
0が回転自在に軸支され、アングル9とアングル7aに
はリンクアーム11が回転自在に軸支される。アングル
7a,7a,9に対しては、リンク板10及びリンクア
ーム11がそれぞれ左右方向にスムーズにスライドでき
るようになっている。更に、原稿台ユニットの全面から
見て、前後に各2個あるアーム板10とリンクアーム1
1は、X字状の交差部分でスタッド12により互いに回
転自在に軸支されている。
【0092】また、このスタッド12をねじり中心とし
て、ねじりバネ13がリンク板10とリンクアーム11
との間に掛けられており、このねじりバネ13により、
図23において、上下台5を常時上方に押し上げる力が
働いている。この上昇力による上下台5の上昇は、後述
するように上下動の規制されている走査ユニット200
に、原稿台ユニット上にセットされた本原稿の原稿面が
当接することによって規制される。これにより、スキャ
ナユニット30に対する加圧力が、本原稿の厚さの違い
に係わらず略一定に維持される。
【0093】また、左右2つの上下台5の装置本体中心
2側の端部は、背支持板14により互いに連結されてい
る。この背支持板14は、ゴムなどの弾性変形する材質
で構成され、この背支持板14上に本原稿BOの背表紙
がセットされる。また、背支持板14は、後述する引っ
張りスプリング17の作用により左右方向に常に張力を
掛けられている。すなわち、上下台5にはフック15が
設けられており、このフック15とリンク板10のアン
グル16とが引っ張りスプリング17で繋がれることに
より、左右一対の上下台5が互いに離間する方向に引っ
張られている。これにより、背支持板14に対して常時
張力がかけられ、弛むことなく本原稿の背表紙が支持さ
れる。
【0094】ベース6の両サイドには、板金製の側板1
8が固定されており、各側板18には、後述するスキャ
ナユニット30の開閉ロック爪32が掛る固定ピン19
が付いている。また、一方の側板18には、スキャナユ
ニット30が閉じた時にこれを上方に押し上げておくた
めの板バネ21と、スキャナユニット30が閉じた状態
を検知するための開閉ロックセンサ20が取付けられて
いる。
【0095】サイズストッパ27は、載置される本原稿
の厚さに応じて左右の原稿台1の間隔を調整し、スライ
ド板3(原稿台1)と上下台5を相対的に固定し、原稿
台1と上下台5とが互いに一体となって動くようにする
ためのものである。図25及び図26はその概略構成図
を示す。図24に示すように、上下台5の下側に一対の
アングル22が所定の間隔をおいて取付けられている。
これらのアングル22には、図25に示すように、ロッ
ド23が横架されて固定されている。このロッド23に
は、摺動体24が自身の貫通孔を通してロッド23の長
手方向にスムーズにスライドできるように装着されてい
る。この摺動体24には、ロッド23と直交するように
短軸26が植設されており、この短軸26にはストッパ
25が回転自在に支持されている。ここで、ストッパ2
5は、その一方の端部に穿たれた係止穴25aがロッド
23に緩く嵌合し、他端部が指で掴めるように延出され
ている。
【0096】摺動体24は、ロッド23に対してストッ
パ25が傾くことにより、ロッド23とストッパ25の
係止穴25aとが噛み合うことによって、ロッド23の
任意の位置に固定される。すなわち、摺動体24は、通
常はストッパ25が係止スプリング28によって傾き、
ロッド23とストッパ25とが一体化されることにより
ロッド23に固定されているが、図26において係止ス
プリング28の弾力に抗する方向に、オペレータがスト
ッパ25の延出端部を指で回転させることにより、ロッ
ド23とストッパ25の係止穴25aとの噛み合いが外
れて、このストッパ25と共にロッド23に沿って移動
できる。また、この摺動体24はスライド板3に固定さ
れている(図示せず)。従って、上述のようにして、こ
の摺動体24をロッド23の所定位置に固定することに
よって、この摺動体24及びロッド23を介して、スラ
イド板3(原稿台1)と上下台5とを相対的に任意の位
置で固定できる。
【0097】図27及び図28は原稿台ユニットの開閉
ロック機構の概略構成を示す。TPSは、図27及び図
28に示すように、原稿台ユニット35の上にスキャナ
ユニット30が乗った構成になっている。これらの両ユ
ニット30,35は、TPSの後側に配設されたヒンジ
36によって互いに連結されており、TPSの前側が開
放されるシェル型開閉構造になっている。このTPSに
おける原稿台ユニットの開閉ロック機構は、両ユニット
30,35の前方部分に配設されている。前述したよう
に、側板18には固定ピン19が付いている。
【0098】また、図27に示すように、スキャナユニ
ット30側には左右側板に亘ってシャフト31が回転自
在に軸支されており、このシャフト31の両端に固定さ
れた開閉ロック爪32がシャフト31の回転に合わせて
回動するようになっている。また、シャフト31の中央
付近には、開閉レバー33が固定されており、この開閉
レバー33を回動させることにより、シャフト31を介
して、原稿台ユニット35側の固定ピン19に対して各
開閉ロック爪32を係脱させるようになっている。
【0099】この開閉レバー33にはスプリング34が
掛っており、このスプリング34は、平生、開閉ロック
爪32が固定ピン19に係合(ロック)する方向に開閉
レバー33を付勢している。これにより、スキャナユニ
ット30は、図27に示すように閉じた状態で、開閉ロ
ック爪32が固定ピン19に係合して、原稿台ユニット
35に対してロックされる。また、この閉鎖状態におい
て、スプリング34の付勢力に抗して開閉レバー33を
持ち上げることにより、シャフト31が回転して原稿台
ユニット35側の固定ピン19から各開閉ロック爪32
が離脱され、図28に示すように、スキャナユニット3
0がヒンジ36を回転中心として上方に開いて、原稿台
ユニット35の上部(原稿台1)が開放される。
【0100】次に、本システムの原稿台加圧固定切り換
え装置及び原稿台待避装置について説明する。リンク板
10とリンクアーム11とによって上下方向に移動可能
に構成されている原稿台1には、ねじりバネ13により
常に上昇しようとする力が付勢されている。これによ
り、原稿台ユニット35に対してスキャナユニット30
が閉じられた状態では、この原稿台1の上昇習性によ
り、原稿台1上に見開かれて載置された本原稿BOの原
稿面をスキャナユニット30の下部に押し付けるように
常に上方に加圧している。
【0101】この本原稿BOの原稿面の押圧力は、通
常、スキャナユニット30内の走査ユニット200が受
けているが、この走査ユニット200が原稿台1上の本
原稿から外れた位置に移動した状態では、原稿台1の上
昇習性によって、原稿台1及び本原稿BOがスキャナユ
ニット30内に食い込んで走査ユニット200のスムー
ズな移動が阻害されてしまう。従って、原稿台1が適切
な位置まで上昇した状態で、この原稿台1を固定して、
原稿台1の上昇習性による原稿台1及び本原稿BOのス
キャナユニット30内への余分な食い込みを阻止する必
要がある。
【0102】また、後述するように走査ユニット200
内の走査光路を切り換えて、スキャナユニット30の上
部に配置されたコンタクトガラス206上の原稿を読み
取るときには、走査ユニット200の下部と原稿台1の
上面とが接触しないように、原稿台ユニット35の下方
に原稿台1を待避させておく必要がある。原稿台加圧固
定切り換え装置及び原稿台待避装置は、これらの課題を
解消するための装置であり、これらの両装置を1つの機
構で兼用させる仕組の構成例を図29乃至図34に示
す。
【0103】この機構の構成部品の1つである制御ワイ
ヤ40には、図29に示すように、その一端にフック4
1が固定されて他端に他のフック42が固定され、更
に、その略中央部付近に球状の止め玉45が固定されて
いる。フック41は、リンク板10の外側端部(原稿台
1の上昇下降によって上下する側)に固定されている。
このフック41から延びた制御ワイヤ40は、プーリ4
6,プーリ47を介して方向を変換し、制御プーリ48
に巻き付けられている。
【0104】制御ワイヤ40は、図30及び図31に示
すように、制御プーリ48の溝50に導かれてその中央
部付近に固定された止め玉45が制御プーリ48の止め
穴49にはめ込まれている。これにより、この制御ワイ
ヤ40の動きが制御プーリ48の回転運動に確実に変換
される。この制御プーリ48に巻かれて延出した制御ワ
イヤ40は、その一方の端部のフック42に掛けられた
張架バネ43の一端によって常に引っ張られている。こ
の張架バネ43の他端は、原稿台ユニット35のベース
6に固定されたフック44に掛けられている。
【0105】制御プーリ48は、図30に示すように、
ワンウエイクラッチ51を介してシャフト54に支持さ
れている。このシャフト54は、一対の側板55に支持
された滑り軸受52に、その両端がEリング53で抜け
止めされることによって、滑り軸受52を介して側板5
5に対して回転自在に支持されている。これにより、制
御プーリ48は、シャフト54に対して図31の矢印a
方向には自由に回転できるが、この矢印aと反対の方向
には、ワンウエイクラッチ51の作用によって、シャフ
ト54と相対回転することができず、このシャフト54
と一体となって回転する。従って、後述する機構によっ
てシャフト54が固定されると、制御プーリ48は、図
29において矢印a方向、すなわち、原稿台1が下降す
る際の回転方向にのみ回転可能な状態になる。
【0106】次に、この原稿台加圧固定切り換え装置に
よる原稿台1の下降・固定動作について説明する。図2
9乃至図31において、シャフト54が固定された状態
にあるとき、何らかの外力、例えば、本原稿BOの自重
やめくられた頁による加圧などによって、原稿台1が押
し下げられると、この原稿台1側に固定されている制御
ワイヤ40のフック41側の端部が弛む。これと同時に
制御プーリ48が張架バネ43に引っ張られて制御ワイ
ヤ40のフック41側の弛みを吸収しながら矢印a方向
に回転し、制御ワイヤ40が初期の張力を維持してフッ
ク44側に移動する。
【0107】このとき、制御プーリ48は、ワンウエイ
クラッチ51の作用によって、矢印aと反対の方向に回
転することができないので、原稿台1の上昇力が原稿台
1に対する押下力を上回っていても、この原稿台1の上
昇力によって制御プーリ48が矢印aと反対の方向に回
転されることはなく、この制御プーリ48は矢印a方向
に回転した位置を維持して停止される。また、この制御
プーリ48の停止に伴って、制御ワイヤ40の移動も停
止され、これによって、原稿台1は、外力により押し下
げられた位置まで下降して停止する。
【0108】ここで、シャフト54の固定は、以下に述
べる原稿台昇降機構によって行われる。すなわち、シャ
フト54には、図32に示すように、ギヤ56がシャフ
ト54と一体となって回転するように固定されている。
また、このギヤ56は、図33に示すように、側板55
に固定されたスタッド59に回転自在に支持されている
他のギヤ57に噛み合っており、その回転がギヤ57に
伝達されるように構成されている。
【0109】更に、ギヤ57はウォームホイール58と
一体に成形されており、このウォームホイール58には
原稿台昇降モータ61の出力軸に固定されたウォームギ
ヤ60が噛み合うように構成されている。この構成によ
り、原稿台昇降モータ61が停止しているときには、ウ
ォームギヤ60とウォームホイール58との噛み合いに
よって、ウォームホイール58が回転できず、このウォ
ームホイール58と一体のギヤ57に噛み合っているギ
ヤ56を介して連結されたシャフト54が固定状態とな
る。
【0110】次に、原稿台1の原稿台ユニット35下方
への待避動作について説明する。図32乃至図34にお
いて、ギヤ56が矢印b方向に回転するように原稿台昇
降モータ61を駆動すると、ワンウエイクラッチ51に
より制御プーリ48とシャフト54とが一体となって回
転し、この制御プーリ48が図29において矢印a方向
に回転して制御ワイヤ40がフック44側に移動する。
【0111】この制御ワイヤ40の移動により、図34
において、左右の各原稿台1が下降し、各原稿台1の上
面(この例では本原稿BOの原稿面)が、走査ユニット
200から離間した、原稿台ユニット35の下方位置に
待避される。この待避動作は、装置本体の電源オン時や
読み取り走査を行わない待機時、及び、スキャナユニッ
ト30の上部に配置されたコンタクトガラス206上の
原稿の読み取り時に実行される。
【0112】次に、原稿台1の原稿台ユニット35上方
への加圧動作について説明する。上述の待避動作時とは
逆に、図32乃至図34において、ギヤ56が矢印c方
向に回転するように原稿台昇降モータ61を駆動する
と、シャフト54が図29における矢印a方向と反対の
方向に回転し、ワンウエイクラッチ51の作用によって
制御プーリ48がシャフト54に対してフリー回転可能
な状態になる。ここに、原稿台1を上方に押し上げてい
るねじりバネ13の力は、制御ワイヤ40を下方に引っ
張っている力よりも強く設定されている。
【0113】従って、このように制御プーリ48が矢印
a方向と反対の方向にフリー回転できる状態では、原稿
台1を上方に押し上げようとするねじりバネ13の力に
よって、制御ワイヤ40がフック41側に移動する。こ
の制御ワイヤ40の移動により、図34において、左右
の各原稿台1が上昇し、各原稿台1の上面に見開いて載
置された本原稿BOの原稿面が走査ユニット200に加
圧される。
【0114】このように左右の各原稿台1が上昇して、
各原稿台1上の原稿面が走査ユニット200に圧接した
状態で、原稿台昇降モータ61を駆動し続けると、ワン
ウエイクラッチ51の作用によって制御プーリ48に対
してシャフト54がフリー回転可能な状態になって原稿
面の走査ユニット200への圧接状態が持続される。こ
の加圧動作は、後述するように、原稿台1の上に走査ユ
ニット200がある時だけ実行される。
【0115】この原稿台加圧固定切り換え装置及び原稿
台待避装置は、図34に示すように左右一対の原稿台1
に対してそれぞれ1組ずつ配設されており、走査ユニッ
ト200の移動位置に応じてそれぞれ独立して制御され
る。すなわち、この原稿台加圧固定切り換え装置及び原
稿台待避装置の駆動源となる左右1組の原稿台昇降モー
タ61は、図22に示すようにIPU103内のマイク
ロコンピュータにより、各原稿台昇降モータドライバを
介してそれぞれ独立して制御される。
【0116】上述した待避動作モード時における原稿台
1の下方への待避動作を図35に示し、そのタイミング
チャートを図36に示す。この待避動作モードでは、I
PU103内のマイクロコンピュータは図36に示すよ
うに走査ユニット200の移動開始に先立って、左右の
原稿台昇降モータをそれぞれ所定の回転数だけ逆転させ
て図35に示すように左右の原稿台1を下方へ下げる。
その後、IPU103内のマイクロコンピュータはスキ
ャナモータ106を駆動し、走査ユニット200を所定
の方向に移動させて走査を行う。ここで必要であれば、
この走査を何度も繰り返す。そして、IPU103内の
マイクロコンピュータはこの待避動作モード終了時に、
左右の原稿台昇降モータを所定の回数だけ正転させて、
左右の原稿台1を元の位置に戻す。
【0117】次に、原稿台1の加圧・固定モードについ
て説明する。このTPSに本原稿BOをセットするとき
は、図37に示すように、本原稿BOの背表紙を背支持
板14に当てて、図25に示したサイズストッパ27を
外してスライド板3を本原稿BOの厚さに合わせて移動
させる。このスライド板3の移動により本原稿BOの背
表紙を左右の原稿台1の内側の端部で挾み付け、この状
態でそれぞれのスライド板3をサイズストッパ27で固
定した後、本原稿BOの読み取り開始頁を開き、この見
開き本原稿を左右の原稿台1上にセットしてスキャナユ
ニット30を閉じる。これにより、図27に示したよう
に、開閉ロック爪32が固定ピン19に係合して、原稿
台ユニット35に対してスキャナユニット30が閉じた
状態でロックされる。この時、開閉ロックセンサ20に
よってスキャナユニット30が閉じられたことが検知さ
れる。
【0118】ところで、このTPSの動作終了時には、
走査ユニット200が、図39に示す中央ホームポジシ
ョン(セットされた本原稿BOの中心ポイント)に戻
る。従って、このTPSに本原稿BOをセットする時
も、その走査ユニット200が中央ホームポジションに
位置している。これにより、本原稿BOがTPSの中央
を基準としてセットされるので、そのスキャナユニット
30を閉じた時に、どんな大きさの本原稿でも確実に押
えることができ、その本原稿のセット性が向上される。
【0119】また、このように中央基準として本原稿を
セットすることにより、本原稿の読み取り頁めくりを原
稿台1上で行うときの制御タイミング(読み取り開始;
読み取り終了タイミング、頁めくり開始タイミング等)
を比較的取り易くなる。更に、このように中央基準とし
て本原稿をセットすることにより、本原稿のエッジ検出
を行い易くなることもその利点としてあげられる。
【0120】一方、スキャナユニット30のコンタクト
ガラス206上にセットした原稿を読み取る時は、図3
4に示すように、このコンタクトガラス206の左側に
配置されたスケール207の右端部を原稿の基準セット
位置とする端面基準となる。このように、この場合に
は、その基準セット位置が本原稿の読み取り開始位置と
異なり、その構成が最小サイズになるようにしてある。
すなわち、このように原稿の基準セット位置を端面基準
とすることにより、コンタクトガラス206上にセット
された原稿の読み取り開始ポイントが常に一定となり、
その制御が簡単となる。
【0121】TPSがコンタクトガラス206上の原稿
を読み取るシートモードに入ったときは、走査ユニット
200は、中央ホームポジションから左側に移動して端
部HPセンサで検知される端部ホームポジションで停止
し(図37)、その読み取り条件が入力されてスタート
ボタンが押されるのを待つ。また、ここで、コンタクト
ガラス206の右側、すなわち、本原稿の頁めくり開始
側にスケール207を配置し、原稿台1とコンタクトガ
ラス206の両方に原稿を載せて走査ユニット200で
走査することにより、原稿台1上の本原稿の頁めくりを
行いながら、同時にコンタクトガラス206上の原稿の
読み取りを行うことができる。
【0122】この構成の場合には、本原稿の頁めくり走
査時に、後述するように、走査ユニット200の読み取
り光路の光路切り換えをしておく。このように構成する
と、走査ユニット200の副走査方向の読み取り方向
が、原稿台1上とコンタクトガラス206上とで同じに
なり、そのプリント時のシート排出方向が同一となるの
で、メモリの反転が不要となる。
【0123】更に、本原稿BOを原稿台1上に、シート
原稿SOをコンタクトガラス206上にセットし、走査
ユニット200を端部ホームポジションから走査して原
稿台1上の本原稿BOを読み取り、この走査ユニット2
00のリターン走査で本原稿BOの頁をめくりながら、
コンタクトガラス206上のシート原稿SOを読み取る
モードを設定することもできる。この場合には、本原稿
BOの読み取り頁めくり動作中であっても、コンタクト
ガラス206上にシート原稿SOをセットして割込みモ
ードを設定することにより、その本原稿BOの読み取り
頁めくり動作を中断せずに両原稿を読み取ることができ
る。ここで、スケール207がコンタクトガラス206
上のどちら側に配置されていても、このコンタクトガラ
ス206上の原稿を読み取った画像は、主走査方向にミ
ラー反転してフレームメモリ104に記憶しておく。
【0124】この例では、原稿台1上及びコンタクトガ
ラス206上の奥行き方向における原稿の基準セット位
置を、装置本体の手前側が突き当て基準となるように構
成して、その原稿台1上及びコンタクトガラス206に
対する原稿セット操作をし易くしている。また、この例
における走査ユニット200の動作開始時には、中央H
Pセンサにより、走査ユニット200が中央ホームポジ
ションにあることをもう一度確認する。そして、操作パ
ネル99からスタート信号が送られると、走査ユニット
200は、中央ホームポジションから左側に移動して、
端部HPセンサで検知される端部ホームポジションで停
止する。
【0125】図37乃至図41は原稿台1の加圧・固定
モード時における走査ユニット200の遷移図を示し、
図42はそのタイミングチャートを示す。図37に示す
ように、走査ユニット200の端部ホームポジション
は、本原稿BOに対する読み取り頁めくり動作開始ポイ
ントであり、且つ、その動作終了ポイントである。ま
た、この端部ホームポジションでは、走査ユニット20
0は原稿台1にかかっていない。
【0126】この原稿台1の加圧・固定モードでは、先
ず、走査ユニット200のスキャナモータ106を正転
させて、走査ユニット200を図37の右方向へ移動さ
せる。次いで、この走査ユニット200の右側の原稿押
えローラ281aが本原稿BOの左端にかかったとき
(図38のAポイント)に、左側の原稿台昇降モータを
正転させて左側の原稿台1を加圧状態にする。これによ
り、本原稿BOが走査ユニット200に押し付けられ
て、最適な読み取りが行われる。
【0127】そして、図39に示すように、走査ユニッ
ト200が本原稿中心ポイントに到達する少し前に、右
側の原稿押えローラ281aが右側の原稿台1の左端に
かかる(図42のBポイント)。この時点で右側の原稿
台昇降モータを正転させて、右側の原稿台1を加圧状態
にする。次いで、走査ユニット200は、本原稿中心ポ
イントを通過して、本原稿BOの右側頁の読み取りを始
める。
【0128】その後に左側の原稿押えローラ281bが
左側の原稿台1の右端にかかる(図42のCポイン
ト)。この時点で左側の原稿台昇降モータを停止させ、
左側の原稿台1を固定状態にする。これにより、本原稿
BOは、スキャナユニット30に食い込むことなく原稿
押えシート282bに押えられて固定され、次の走査ユ
ニット200の通過時まで同じ高さを保ち続ける。
【0129】図40は、本原稿右頁の読み取りまたは頁
めくり中の走査ユニット200の動作状態を示してい
る。本原稿右頁の読み取りを終えた走査ユニット200
は、左側の原稿押えローラ281bが右側の原稿台1の
右端にかかった状態(図41のDポイント)で停止さ
せ、次いで、スキャナモータ106を逆転させて走査ユ
ニット200を図41の左方向へ移動させる。これによ
り、走査ユニット200は、本原稿BOの右頁をめくり
上げながら左方向へ進み、図39に示す本原稿中心ポイ
ントに到達する少し前に、左側の原稿押えローラ281
bが左側の原稿台1の右端にかかる(Cポイント)。こ
の時点で左側の原稿台昇降モータを正転させて左側の原
稿台1を加圧状態にする。
【0130】次いで、走査ユニット200は本原稿中心
ポイントを通過して本原稿BOの左側頁の上にめくり上
げた右頁を重ね合せる動作を始める。その後に右側の原
稿押えローラ281aが右側の原稿台1の左端にかかる
(Bポイント)。この時点で右側の原稿台昇降モータを
停止させ、右側の原稿台1を固定状態にする。これによ
り、本原稿BOは、スキャナユニット30に食い込むこ
となく原稿押えシート282aに押えられて固定され、
次の走査ユニット200の通過時まで同じ高さを保ち続
ける。その後、走査ユニット200は、図37に示す端
部ホームポジションまで移動して停止する。
【0131】次に、スライダの構成について説明する。
図43はスライダの構成の分解斜視図を示す。見開いた
本原稿の左右頁差の検知入力部である一対のピン62
は、一対のラック63のスライド方向と直角な方向に移
動可能に、各ラック63にそれぞれ取付けられている。
これらのピン62とラック63は、図44に示すよう
に、2段ピニオンギヤ65の小歯車65aを挾むよう
に、互いに対向して配置され、この小歯車65aに各ラ
ック63がそれぞれ噛み合っている。これにより、図4
4において、各ピン62が互いに接近したり離れたりし
て、そのピン間隔が変化することによって、各ラック6
3が互いに違った方向に移動して、2段ピニオンギヤ6
5が回転する。
【0132】ここで、各ピン62は、それぞれのラック
63と共に、図44においてY方向に移動でき、各ラッ
ク63と小歯車65aとの噛み合いにより、2段ピニオ
ンギヤ65の中心に対して常に対称の位置にある。ま
た、図44におけるX方向への各ピン62の移動は、各
ピン62の基部が、図示しないカバーに穿たれた規制溝
83に嵌合することによって、図45に示すように、各
ピン62が離れているときにはX方向に移動できず、ま
た、各ピン62が接近したときにはX方向に移動可能と
なるように規制されている。また、各ラック63は、図
46に示すように、大歯車64の側面上をスライドする
ように、大歯車64の一対のガイド84によってガイド
されている。
【0133】図47はこのスライダ78と原稿台1との
連結部の断面図を示す。大歯車64の中心には穴が穿た
れており、この穴に2段ピニオンギヤ65がその裏側か
ら嵌合して、その表側でこの2段ピニオンギヤ65の小
歯車65aが各ラック63と噛み合っている。また、各
ピン62は、図47及び図48に示すように、各原稿台
1のスライド板3に固定された各調整スタッド4の穴に
それぞれ嵌合している大歯車64は、図49に示すよう
に、スライド出力ギヤ66に噛み合っており、この大歯
車64とスライド出力ギヤ66とは、支持板79にそれ
ぞれ回転自在に支持されている。また、この大歯車64
とスライド出力ギヤ66とのギヤ比は2:1に設定され
ている。
【0134】2段ピニオンギヤ65の大ギヤ65bは、
図50に示すように、一対の2段ギヤ67の小ギヤ67
aと噛み合っており、それらのギヤ比は2:1に設定さ
れている。これらの2段ギヤ67の大ギヤ67bは、ア
イドルギヤ68を介して、一対のカムギヤ69にそれぞ
れ噛み合っている。これらの2段ピニオンギヤ65、2
段ギヤ67、及びアイドルギヤ68は、スライド側板7
0に固定されている各スタッド(図示せず)に、それぞ
れ回転自在に支持されている。また、一対のカムギヤ6
9は、支持板79(図49)にそれぞれ回転自在に支持
されている。
【0135】スライド出力ギヤ66には、図51に示す
ように、そのボス部の端から中心を越える部位までに調
整溝85が形成されている。また、各カムギヤ69は、
図52及び図53に示すように、それぞれ筒状に形成さ
れており、それらの一方の口に、渦巻状のピン移動溝8
6の穿たれた面がそれぞれ設けられている。これらの筒
状のカムギヤ69の筒部内には、図52及び図53に示
すように、スライド出力ギヤ66がそれぞれ嵌合し、ス
ライドギヤ66の調整溝85とカムギヤ69のピン移動
溝85とが交差してできる開口に、後述する出力ピン7
5がそれぞれ嵌合している。
【0136】このスライドギヤ66の調整溝85とカム
ギヤ69のピン移動溝85とが交差してできる開口の位
置は、カムギヤ69とスライド出力ギヤ66との相対回
転によって変化し、この開口位置の変化に合わせて出力
ピン75の位置が移動する。この出力ピン75の移動量
は、ピン62の移動量の1/2だけ移動するように設定
されている。また、この開口は、カムギヤ69とスライ
ドギヤ66が同時に回転すると、両ギヤの中心と出力ピ
ン75の距離を半径として円運動をする。この開口の円
運動の半径は、大歯車64が回転したときのピン62の
円運動の半径の1/2になるように設定されている。
【0137】一方、スライド側板70の外側には、図4
3に示すように、3つの縦スライドピン71が固定され
ており、これらの縦スライドピン71は、図54に示す
ように、横スライダ板72に穿たれた3つの縦長穴72
aにそれぞれスライド可能に支持されている。これによ
り、スライド側板70は、横スライダ板72に対して上
下方向に移動可能となる。また、横スライド板72の外
側には、3つの横スライドピン73が固定されており、
これらの横スライドピン73は、固定板74に穿たれた
2つの横長穴74aにそれぞれスライド可能に支持され
ている(図55)。これにより、横スライド板72は、
固定板74に対して左右方向に移動可能となる。
【0138】一対の出力ピン75は、図43及び図55
に示すように、各2つの縦ガイドピン76と共に各ピン
ホルダ77にそれぞれ固定されている。これらの縦ガイ
ドピン76は固定板74に穿たれた2つの縦長穴74b
にそれぞれスライド可能に支持されており、また、各出
力ピン75は、固定板74に穿たれた2つの縦ガイド穴
74cを貫通して、前述したスライドギヤ66の調整溝
85とカムギヤ69のピン移動溝85とが交差してでき
る開口にそれぞれ嵌合している。これにより、各ピンホ
ルダ77は、固定板74に対して上下方向に移動可能と
なり、各出力ピン75が前述のギヤ群と共に上下移動可
能となる。
【0139】上述のように構成されたスライダ78は、
一対のピン62を入力部として、本原稿BOの厚さと、
その見開いたときの左右頁の頁差を検知し、この見開き
本原稿の読み取り中心(本原稿の綴じ部にできる谷部)
が常に原稿台1の所定の位置に臨むように、各出力ピン
75を出力部として原稿台1と共に本原稿BOを移動さ
せることができる。
【0140】次に、本原稿の動きと上記のスライダ78
の作用について説明する。図56に示すように、本原稿
BOを上向きに見開いて、その頁内容を読み取る際、本
原稿BOの左右頁の表面(読み取り面89)を同一平面
状にすべく、本原稿BOの表紙90と裏表紙91とに、
その下側から力を加えると、その左右の頁差によって本
原稿BOの背表紙88が傾斜する。これにより、本原稿
の読み取り面側から見ると、見開き本原稿の読み取り中
心S点(本原稿の綴じ部BOaにできる谷部)が、背表
紙88の中央のP点から水平方向に距離X1だけずれ
る。
【0141】ところで、この例のように、走査ユニット
200の読み取り範囲を予め特定範囲に設定しておくこ
とにより、走査ユニット200の読み取り制御を簡略化
できる。しかしながら、このように、走査ユニット20
0の読み取り範囲を予め特定範囲に設定した場合には、
走査ユニット200の読み取り範囲の中心点が、常に本
原稿の背表紙88の中央のP点に位置するため、上述の
ように、見開き本原稿の読み取り中心S点がこの背表紙
88の中央のP点からずれると、走査ユニット200の
読み取り画像が、この見開き本原稿の読み取り中心S点
のずれ量(距離X1)だけずれてしまう。そこで、この
例では、この見開き本原稿の読み取り中心S点のずれ量
を補正する手段として、前述のスライダ78により、こ
の本原稿の読み取り中心S点のずれた方向と逆方向、す
なわち、このS点と背表紙88の中央のP点とが一致す
る方向に、読み取り中心S点のずれ量に見合う距離X1
だけ、原稿台1ごと本原稿BOを移動させる。
【0142】図56において、背表紙88の傾きをTH
1、本原稿の全厚さBFの1/2の厚さをR1、見開き
本原稿の読み取り中心S点と背表紙88の中央のP点と
の水平方向のずれ量をX1とすると、 X1=(R1/2)×Sin(2×TH1) となる。
【0143】従って、本原稿の全厚さBFの1/2の厚
さR1と、背表紙88の傾きTH1とをスライダ78に
より検出して、上記の式より見開き本原稿の読み取り中
心S点と背表紙88の中央のP点との水平方向のずれ量
X1を算出し、この本原稿の読み取り中心S点のずれた
方向と逆方向に、読み取り中心S点のずれ量X1だけ、
原稿台1ごと本原稿BOを移動させることにより、走査
ユニット200の読み取り範囲を常時一定範囲に設定で
き、走査ユニット200の読み取り制御を簡略化でき
る。スライダ78では、図57及び図58に示すような
動作により上述の読み取り中心S点のずれ量X1の補正
を実現している。ここで、図57は、本原稿の頁を左右
均等に見開いた場合のピン62と出力ピン75の位置関
係を示している。
【0144】図57及び図58において、大歯車64に
支持された2本のピン62の間隔は、本原稿BOの全厚
さBFに設定される。すなわち、本原稿BOを左右一対
の原稿台1にセットするときに、サイズストッパ27を
解除し、原稿台1の装置本体中心側端部で本原稿BOの
背表紙88の部分を挾み込んで、このサイズストッパ2
7を止めると、各原稿台1のスライド板3に固定された
各調整スタッド4中心間距離が、丁度、本原稿BOの全
厚さBFとなる。これにより、後述するカムギヤ69の
作用により、各スライド出力ギヤ66の中心と、これら
のスライド出力ギヤ66に嵌合している各出力ピン75
との距離R2が、本原稿BOの全厚さBFの1/4(R
2=R1/2)になる。
【0145】ところで、大歯車64と各スライド出力ギ
ヤ66とは、前述したように、そのギヤ比により回転角
比が1:2になるので、図58に示すように、大歯車6
4がTH1の角度だけ回転すると、各スライド出力ギヤ
66は、それぞれ大歯車64の2倍の角度TH2だけ回
転する。また、この時の大歯車64と各スライド出力ギ
ヤ66との回転方向は互いに逆方向である。
【0146】従って、これらのスライド出力ギヤ66の
中心と、これらのスライド出力ギヤ66に嵌合している
各出力ピン75との水平距離{R2×Sin(TH
2)}が、前式の(R1/2)×Sin(2×TH1)
となり、見開き本原稿の読み取り中心S点と背表紙88
の中央のP点との水平方向のずれ量X1となる。ここ
で、各出力ピン75は、図55に示したように、ピンホ
ルダ77と固定板74によってその水平方向への移動が
規制されているので、これらの出力ピン75の回動によ
り、スライダ78自体が、各原稿台1及び本原稿BOと
共に、その水平距離すなわちずれ量X1だけ、そのずれ
方向と逆方向に相対移動する。
【0147】図59に、各ピン62と各出力ピン75と
の移動量の関係を説明するための機構図を示す。各ピン
62は、図47及び図48に示したように、各原稿台1
のスライド板3に固定された各調整スタッド4の穴にそ
れぞれ嵌合している。また、一方のピン62が距離Fだ
け装置本体の中心方向に移動すると、各ラック63及び
2段ピニオンギヤ65の作用により、他方のピン62も
同じ距離Fだけ装置本体の中心方向に移動する。このと
き、この2段ピニオンギヤ65の回転は、前述したギヤ
群によって各カムギヤ69に伝達され、各カムギヤ69
が2段ピニオンギヤ65の回転の2倍の回転角だけ、そ
れぞれ逆方向に回転する。これにより、各カムギヤ69
の渦巻状のピン移動溝86が、停止している各スライド
出力ギヤ66の調整溝75に対してそれぞれ相対回転
し、これらの両溝の互いに交差する位置、すなわち、各
出力ピン75の位置が、それぞれ中心方向にピン62の
移動距離Fの1/2の量だけ移動する。各ラック63及
び各ギヤの大きさや各ピン移動溝86の渦巻形状は、上
述の条件を満足するように設定されている。
【0148】これらの設定により、各ピン62の間隔が
変わらずに大歯車64が回転して、2段ピニオンギヤ6
5も一体となって回転したときに、各スライド出力ギヤ
66とカムギヤ69は、互いに同じ方向に同じ回転角だ
け回転するので、カムギヤ69のピン移動溝96とスラ
イド出力ギヤ66の調整溝85とが互いに交差する開口
の位置、すなわち、この開口に嵌合している出力ピン7
5の位置は、スライド出力ギヤ66の半径方向に移動す
ることなく(R2が変化することなく)回転し、その設
定値が動作中にずれることなく見開き本原稿の読み取り
中心(S点)を常に一定の位置(P点)に補正できる。
【0149】また、スライダ78は、図45に破線で示
すように、一対のピン62の間隔が小さくなるような薄
い本原稿の場合には、上述した見開き本原稿の読み取り
中心(S点)の補正動作による負荷が大きくなるので、
両原稿台1がそれぞれ補正動作を行わずに自由に上下動
できるように、各ピン62の規制溝83が、その中心部
で大きく形成されている。
【0150】この上述した見開き本原稿の読み取り中心
(S点)の補正は、上述したスライダ78とは別の方法
でも実現できる。例えば、本原稿BOの厚さ入力装置ま
たは検出装置、原稿台位置検知装置または背表紙傾き検
知装置、原稿台横移動駆動装置(例えば、図60に示す
ように、エンコーダ付きモータ92により、原稿台1の
移動方向に沿って横架した送りねじ93を回転させ、こ
の送りねじ93に螺合する送り雌ねじ94を移動させ
て、この送り雌ねじ94と一体の原稿台1を横移動させ
る直線送り装置)などの構成により、前記の算定式に基
づいてずれ量X1を割り出し、このずれ量X1だけ各原
稿台1を移動してそれぞれのずれを解消すればよい。但
し、スライダ78の方が、電気的な装置を使用しないの
で、そのランニングコストが不要となり、このずれ量の
補正装置を安価に提供できる。
【0151】次に、スキャナユニット30の構成につい
て説明する。
【0152】図34は、TPS(Turn the P
age Scanner;頁めくり読み取り装置)の全
体構成図を示す。このTPSは、その装置本体の上部に
コンタクトガラス206が配置されており、このコンタ
クトガラス206上に、シート物や厚手の本原稿などの
原稿を図示しない圧板によってセットし、後述する光路
切り換えを行った走査ユニット200でこの原稿を走査
することにより、このコンタクトガラス206上の原稿
像を読み取ることができる。このTPSの装置本体の上
半分はスキャナユニット30になっており、走査ユニッ
ト200は、このスキャナユニット30の内部を図34
において左右方向に走行して原稿の走査を行う。この走
査ユニット200の走査駆動系の構成図を図61に示
す。
【0153】図61は、装置本体の上部から見た走査ユ
ニット200の走査駆動系を示す。装置本体の奥側にタ
イミングベルト312がプーリ304と3段プーリ30
2によって、装置本体の手前側にタイミングベルト31
3がプーリ305と2段プーリ306によって、それぞ
れ左右方向に張られている。プーリ304とプーリ30
5の回転軸は、それぞれバネ307とバネ308によっ
て支持され、各タイミングベルト312,313に所定
の張力を与えている。
【0154】3段プーリ302は、タイミングベルト3
10でモータプーリ301と、また、タイミングベルト
311で2段プーリ306とそれぞれ連結されている。
タイミングベルト311は、アイドラ303をバネ30
9で外側に引くことで所定の張力を得ている。走査ユニ
ット200は、その奥側と手前側とがクランプ315に
より各タイミングベルト312,313にそれぞれ固定
され、モータプーリ301の回転軸を駆動するスキャナ
モータ106の回転により、各タイミングベルト31
2,313を介して駆動される。
【0155】図62は走査ユニット200の構成を示
す。走査ユニット200の下側の左右には原稿押えロー
ラ281a,281bが、また、その外側にはシート巻
き取りローラ280a,280bが、それぞれ回転自在
に軸支されている。各シート巻き取りローラ280a,
280bには、左右独立した原稿押えシート282a,
282bのそれぞれの中央側の端部が巻き取られてお
り、各原稿押えシート282a,282bのそれぞれの
外側の端部は、スキャナユニット30の側板にそれぞれ
固定されている。これらの原稿押えシート282a,2
82bは、テトロン糸で織ったクロス(布)に、ゴム系
樹脂を両面から溶け込ませたシート状部材で構成されて
おり、その表面に残留したクロスの凹凸跡により、帯電
による吸着力が作用しにくい構造を有している。
【0156】また、シート巻き取りローラ280a,2
80bは、図63にその一方の構造を示すように、二重
構造になっていて、巻き取りローラ軸251a,251
bと、筒状のシート巻き取りローラ280a,280b
との間に、ゼンマイバネ252a,252bが取り付け
られている。これにより、その巻き取りローラ軸251
a,251bを、原稿押えシート282a,282bを
張った状態よりも更に回転させることによって、ゼンマ
イバネ252a,252bの作用により、原稿押えシー
ト282a,282bにある程度の張力を掛けることが
できる。
【0157】更に、図64に示すように、各巻き取りロ
ーラ軸251a,251bの外側端部には、シート巻き
取りギヤ232a,232bが固定されており、これら
のシート巻き取りギヤ232a,232bは、スキャナ
ユニット30の側板に左右両端を固定され、略全長に亘
って歯を有する駆動ラック231に、各アイドルギヤ2
33a,233bを介して、それぞれ噛み合っている。
これにより、図64において走査ユニット200が走行
すると、各アイドルギヤ233a,233bとともに各
シート巻き取りギヤ232a,232bが回転し、各巻
き取りローラ軸251a,251b、各ゼンマイバネ2
52a,252b、及び、各シート巻き取りローラ28
0a,280bを介して、各原稿押えシート282a,
282bの引き出し及び巻き取りが行われ、左右のシー
ト巻き取りローラ280a,280bの張力が、常時、
略一定に維持される。
【0158】このとき、各原稿押えシート282a,2
82bの厚みによる各シート巻き取りローラ280a,
280bの巻き太りによって走査ユニット200の位置
により発生する、各シート巻き取りローラ280a,2
80bに巻き付いた各原稿押えシート282a,282
bの外周差は、各ゼンマイバネ252a,252bによ
り吸収される。
【0159】一方、図62に示すように、各原稿押えロ
ーラ281a,281bの間には、本原稿読み取り用の
プラテンガラス205と、本原稿頁めくり用のめくりベ
ルト208が配設されている。本原稿読み取り用のプラ
テンガラス205は、走査ユニット200の読み取りス
キャン方向の上流側に、また、本原稿頁めくり用のめく
りベルト208は、走査ユニット200の読み取りスキ
ャン方向の下流側にそれぞれ配置されている。このよう
に配置することにより、走査ユニット200の読み取り
走査のための助走区間を長くでき、その走査を安定させ
ることができる。また、この例では、同一ユニット内の
下側に頁めくり機構を、上側に縮小光学系を配置して装
置の小型化を実現させている。
【0160】更に、このように構成することで、走査ユ
ニット200が、左の原稿押えローラ281bと、めく
りベルト駆動ローラ223とで加圧された本原稿(詳細
は後述)を受けて、これらのローラ間で位置出しされた
原稿面(読み取り面273)を読み取ることができるの
で、最適な画像が得られる。この時、プラテンガラス2
05の下面位置は、図65に示すように、原稿面の浮き
上がりの余裕分を予め見込んで、左の原稿押えローラ2
81bの最下点と、めくりベルト駆動ローラ223の最
下点とを結んでできる水平面(読み取り面273)より
も僅かな間隙αだけ上方に設定されている。この間隙α
の値は、2αが光学系の焦点深度以下になるように設定
され、光学系の縮小率に応じて決定される。
【0161】このプラテンガラス205は、図66に示
すように、その側部がガラスホルダ269で支持されて
いる。また、プラテンガラス205の下面端部にはガラ
ス面取り部271があり、ガラスホルダ269の外側下
端部にはホルダ面取り部270がある。このとき、ガラ
ス面取り部271の側方角部272の位置は、ガラスホ
ルダ269の下面よりも僅かな高さβだけ上方に位置す
るように構成されていて、走査ユニット200の動作中
に、プラテンガラス205の側部に本原稿の頁端部など
が引っかからないようになっている。
【0162】一方、プラテンガラス205の内側には、
図62に示すように、本原稿照明用の2本の蛍光灯20
1,202が、本原稿読み取り部の左右にそれぞれ配置
されている。これらの蛍光灯201,202によって照
明された本原稿像は、図62において、第1ミラー21
9に反射した後、第2ミラー220と第3ミラー221
に交互に反射し、最後にレンズ216を透過して、CC
D101上に縮小結像される。また、めくりベルト20
8は、めくりベルト駆動ローラ223とめくりローラ2
24とに掛け渡されており、このめくりベルト208の
上側の、めくりベルト駆動ローラ224から少し離れた
部位の外側には、帯電ローラ225が接触して配置され
ている。
【0163】更に、めくりベルト駆動ローラ223の駆
動軸端部には、図64に示すように、めくりベルト駆動
ギヤ234が固定されており、このめくりベルト駆動ギ
ヤ234は、アイドルギヤ235を介して、駆動ラック
232に噛み合っている。これにより、走査ユニット2
00が走行すると、駆動ラック232に沿って、アイド
ルギヤ235と共にめくりベルト駆動ギヤ234が回転
し、めくりベルト駆動ローラ223の回転により、走査
ユニット200の移動速度と同じ速度でめくりベルト2
08が回転する。
【0164】コンタクトガラス206上にセットされた
原稿を読み取る場合には、図62に示すように走査ユニ
ット200の読み取り光路から外れた位置に待避してい
る切り換えミラー222が、図67に示すキープソレノ
イド255の作用によって、図68に示すように走査ユ
ニット200の読み取り光路内に進出した位置まで移動
される。この切り換えミラー222の移動により、図6
8に示すように、第1ミラー219と第2ミラー220
との間の光路が、破線で示すプラテンガラス205側か
ら、実線で示すコンタクトガラス206側に切り換えら
れ、2本の蛍光灯203,204によって照明されたコ
ンタクトガラス206上の原稿像が、本原稿の場合と同
様に、第2ミラー220と第3ミラー221に交互に反
射し、レンズ216を透過してCCD101上に縮小結
像される。
【0165】切り換えミラー222は、図67に示すよ
うに、切り換えミラーブラケット257に支持されてお
り、この切り換えミラーブラケット257は、光路調整
板259の上部支点258に、回転自在に軸支されてい
る。キープソレノイド255は、この切り換えミラーブ
ラケット257の、切り換えミラー222の支持側と反
対側の端部に配設されており、このキープソレノイド2
55がオン/オフすることにより、切り換えミラーブラ
ケット257が、光路調整板259の上部支点258を
軸として、図67において破線で示す位置と実線で示す
位置との間で揺動される。
【0166】これにより、切り換えミラー222の位置
が、前述したように、図62に示す走査ユニット200
の読み取り光路から待避した本原稿読み取り位置と、図
68に示す走査ユニット200の読み取り光路内に進出
したシート物原稿読み取り位置とに選択移動される。こ
こで、切り換えミラー222の光路外への待避位置(図
67における破線位置)は、キープソレノイド255の
動きに任せて特には規制しないが、この切り換えミラー
222の光路内への進出位置(図67における実線位
置)は、切り換えミラーブラケット257の揺動を位置
決めピン256で規制して、この切り換えミラー222
の光路内での停止位置を規制する。
【0167】切り換えミラー222は、切り換えた光路
を調整できるように構成されている。すなわち、光路調
整板259は、図67に示すように、走査ユニット20
0のユニット本体に対して、その下部が下支点262で
回転自在に枢支されており、その上支点258と下支点
262との間の両側部に当接して配設されたバネ260
と調整ねじ261とによって略垂直に支持されている。
【0168】この光路調整板259には、平生、その上
支点258が切り換えミラー222がわに変位する方向
への回動習性が、バネ260によって付勢されており、
この回動習性による光路調整板259の回動位置は、バ
ネ260と対向するがわに配置された調整ねじ261の
頭部が光路調整板259の側部に当接することによって
位置決めされている。従って、この光路調整板259
は、調整ねじ261を回転させることにより、下支点2
62を軸として、その上支点258の位置を可変させ
て、この上支点258に支持された切り換えミラーブラ
ケット257の位置を変位させ、切り換えミラー222
の位置を移動させて、その切り換えた光路を調整でき
る。
【0169】走査ユニット200の光学系は、切り換え
ミラー222以外の他のミラーには、上述のような光路
調整機能はなく、プラテンガラス205側の本原稿を読
み取る光路の調整は、CCD101の位置を調整するこ
とで行い、コンタクトガラス206側の原稿を読み取る
光路の調整は、上記の方法により切り換えミラー222
の位置を調整することで行うように構成されている。こ
れにより、光学系では、その調整個所を減らすことがで
き、その組み立て性や保守性を向上させることができ
る。また、この例の光学系は、上記のキープソレノイド
255、及びその連結要素等が、走査ユニット200内
に納められていて、この光学系要素の交換時に走査ユニ
ット200ごと取り外すことにより、そのメンテナンス
性を向上させている。
【0170】上述の光路切り換え方式は図69に示すよ
うな切り換えミラー回転方式による光学系の構成として
もよい。この例では、切り換えミラー222を支持して
いる切り換えミラーブラケット264が、走査ユニット
200のユニット本体に対して、支点265で回転自在
に軸支されている。ソレノイド263は、この切り換え
ミラーブラケット264の、切り換えミラー222の支
持側と反対側の端部に配設されており、このソレノイド
263がオン/オフと、このソレノイド263と反対の
方向に切り換えミラーブラケット264を引くバネ26
6の作用により、切り換えミラーブラケット264が、
支点265を軸として、図69において破線で示す位置
と実線で示す位置との間で揺動される。
【0171】これにより、切り換えミラー222の位置
が、図69に破線で示す本原稿読み取り位置と、図69
に実線で示すシート物原稿読み取り位置とに選択移動さ
れる。ここで、プラテンガラス205を通して本原稿を
読み取る光路に切り換えミラー222の光路を切り換え
る場合には、この切り換えミラー222を位置決めピン
268に付き当てて、この切り換えミラー222の停止
位置を図69における破線位置となるように規制する。
また、コンタクトガラス206を通してシート物原稿を
読み取る光路に切り換えミラー222の光路を切り換え
る場合には、この切り換えミラー222を位置決めピン
267に付き当てて、この切り換えミラー222の停止
位置を図69における実線位置となるように規制する。
【0172】次に、スキャナユニット30のめくり動作
について説明する。図70は走査ユニット200の頁め
くり部の動作説明図を示す。めくりベルト208は、材
質が、PET、PC、PVCなどからなり、その表面層
が表面抵抗1014Ω以上の高抵抗フィルム、その裏面層
が表面抵抗108Ω以下の低抵抗フィルムからなる二重
構造の樹脂フィルムで構成されている。
【0173】また、めくりベルト駆動ローラ223は、
接地された金属ローラの表面に導電性ゴムを被覆したロ
ーラで構成されており、確実なベルト駆動とアースを実
現している。更に、帯電ローラ225は、金属ローラで
構成されており、この帯電ローラ225には、切り換え
スイッチ253aを介して、交流電源253から所定の
タイミングで、±2kVの高電圧が印加される。
【0174】図70において、走査ユニット200を走
行させ、めくりベルト208を駆動しながら、後述する
タイミングに合わせて切り換えスイッチ253aをオン
し、帯電ローラ225に交流電源253から±2kVの
高電圧をかけると、めくりベルト208の表面上に交番
電界が生じ、この交番電界の作用により、このめくりベ
ルト208の表面に、接触した本原稿BOの最上位頁2
54を吸着させる吸着力が発生する。
【0175】原稿の読み取り操作がスタートされると、
図37に示したように、スキャナユニット30の左端の
端部ホームポジションにいた走査ユニット200が、図
37において右方向に走行を始める。そして、この走査
ユニット200のプラテンガラス205の原稿読み取り
位置が本原稿BOの左頁にかかると、図71に示すよう
に、走査ユニット200の光学系が、この本原稿BOの
読み取り動作を始め、この本原稿BOの原稿面を左頁か
ら右頁へと読み取っていく。
【0176】ここでの走査ユニット200の読み取り開
始位置は、本原稿BOの大きさ(サイズ)によって変わ
り、また、コンタクトガラス206上の原稿の読み取り
開始位置(スケール207の基準端)とも異なる。この
ようにして、走査ユニット200の光学系が本原稿BO
の右頁の端まで読み終えると、図72に示すように、走
査ユニット200の原稿走査方向が逆転され、図73に
示すように、この読み取りを終えた本原稿BOの右頁の
頁めくり動作が開始される。
【0177】この本原稿BOの頁めくりを始めるときに
は、めくりベルト208と、後述する頁送りローラ25
0とが、図70の破線で示す位置にあって、この頁めく
り動作に先行して、このめくりベルト208の表面上に
形成された帯電パターン部が本原稿BOの最上位頁25
4の上に重なる。そして、この最上位頁254の先端
が、めくりベルト208の下側の中央を越えたところ
で、図73に示すように、このめくりベルト208と頁
送りローラ250とが、図示せぬソレノイドの作用によ
り、図70の実線で示す位置に移動される。これによ
り、このめくりベルト208の表面に形成された電荷パ
ターンの不平等電界による吸着力で、本原稿BOの最上
位頁254だけが、めくりベルト208の表面上に吸着
されて、この最上位頁254の端部がめくりベルト20
8と共に持ち上げられる。この不平等電界による吸着力
は、この最上位頁254以外の頁を吸着させない特徴を
有している。
【0178】ここで、めくりベルト208への帯電のタ
イミングは、図77に示すように、本原稿BOの原稿面
を読み終えたと同時にリターンする走査ユニット200
のリターン動作と共に、めくりベルト208への帯電を
開始するように設定されているので、走査ユニット20
0の動作に無駄がなく効率がよい。但し、図77に示す
ように、走査ユニット200の原稿読み取り位置からめ
くりベルト駆動ローラ223の最下点までの距離L1
を、帯電ローラ225がめくりベルト208と接してい
る接点からめくりベルト駆動ローラ223の最下点まで
の距離L2よりも大きく(L1≧L2)に設定した場合
には、走査ユニット200がリターン動作を始めてか
ら、後にめくりベルト208への帯電を開始するように
設定してもよい。
【0179】上述のように、本原稿BOの最上位頁25
4をめくり上げた後、この状態のまま走査ユニット20
0を、図73に示すように、その端部ホームポジション
に向けて移動させると、この本原稿BOの最上位頁25
4は、図74に示すように、めくりローラ224と頁送
りローラ250に挾まれて確実に搬送され、走査ユニッ
ト200の右側部に配置された上下一対の頁ガイド22
7,228(図62)の間を通過して、走査ユニット2
00の右外側にその先端側が送り出される。この時、こ
の走査ユニット200の上方側の頁ガイド227上に取
付けられた頁めくりセンサ214(図62)が、走査ユ
ニット200の右外側に送り出された原稿頁を検知し
て、この原稿頁が正常に頁めくりされたことを判断す
る。
【0180】ここで明らかなように、この例では、走査
ユニット200の頁めくり動作によりめくり上げられた
原稿頁が、丸められたり折り曲げられたりせずに自然な
姿勢に保持されるので、このめくり上げた原稿頁を傷め
ることがなく、また、このめくり上げた原稿頁を収納す
るための頁収納手段を走査ユニット200内に配設する
必要がないので、走査ユニット200を小型化できる。
【0181】次いで、図75に示すように、本原稿BO
の最上位頁254を本原稿の綴じ部までめくり上げた時
点で、めくりベルト208と頁送りローラ250を元の
位置(図70の破線位置)に戻す。この状態で、走査ユ
ニット200を更にその端部ホームポジションに向けて
移動させると、図76に示すように、このめくり上げた
原稿頁が、本原稿の綴じ部に引っ張られて、一対の頁ガ
イド227,228の間を戻りながら、本原稿BOの左
頁上に重ね合わされるようにして走査ユニット200内
から排出される。
【0182】このようにして、めくり上げられた原稿頁
が本原稿BOの左頁上に全て重ね合わされると、走査ユ
ニット200の見開き原稿に対する1回分の原稿読み取
り・頁めくり動作が終了する。ここで、この本原稿BO
に対する原稿読み取り・頁めくり動作を繰り返し実行し
たり、原稿読み取りまたは頁めくり動作の何れか一方の
動作のみを繰り返し実行する場合には、上述のように、
めくり上げられた原稿頁が本原稿BOの左頁上に全て重
ね合わされると同時に走査ユニット200の移動方向を
反転させて、本原稿の原稿面に対して最短コースで走査
ユニット200の往復動作を繰り返す。
【0183】次に、走査ユニット200の走査レールの
構成について説明する。走査ユニット200は、図78
に示すように、前述の光学系が配設された走査光学系ユ
ニット336が、スキャナユニット30の手前側と奥側
に配置された一対の走査側板337a,337bに対し
て、手前側の2本の支持ロッド344aと、奥側の1本
の支持ロッド344bとで、回動自在に支持されてい
る。これにより、走査ユニット200は、その手前側と
奥側に配置された一対の走査側板337a,337bの
相対ねじれに追従して、その走査光学系ユニット336
までねじれてしまわないように、走査光学系ユニット3
36が手前側に配置された走査側板337aに対しての
み習うように構成される。
【0184】一方、スキャナユニット30の側板には、
その手前側と奥側とに、互いに平行な2本の走査レール
343a,343bが、それぞれの左右両端を固定して
配設されている。これらの走査レール343a,343
bは、断面形状が略L字型に構成されており、これらの
走査レール343a,343bを取り囲むように、コロ
ブラケット338a,338bが各走査側板337a,
337bにそれぞれ取付けられている。
【0185】これらのコロブラケット338a,338
b内には、各走査レール343a,343bの水平部分
を挾み込むように、位置決めコロ339a,339b
と、押えコロ340a,340bとが、それぞれ回転自
在に配設されている。
【0186】ここで、各位置決めコロ339a,339
bは、本原稿の読み取り時及び頁めくり時における走査
ユニット200の上下方向の位置を決める機能を果たし
ており、各走査側板337a,337bにそれぞれ2個
ずつ配置されている。これに対し、各押えコロ340
a,340bは、各走査レール343a,343bの水
平部分を、その上側から加圧するように構成されてい
る。
【0187】すなわち、これらの押えコロ340a,3
40bは、図79に示すように、略ベルクランク状に形
成された押えコロブラケット346の自由端部に回転自
在に軸支されている。この押えコロブラケット346
は、その中央部が、各コロブラケット338a,338
bに固定されたスタッド347に回転自在に軸支されて
いる。また、この押えコロブラケット346の基端部
と、各コロブラケット338a,338bとの間には、
加圧バネ345が掛け渡されている。これにより、加圧
バネ345の緊縮力によって各押えコロ340a,34
0bが、各走査レール343a,343bの水平部分を
その上側から加圧する。
【0188】この各走査レール343a,343bの水
平部分に対する各押えコロ340a,340bの加圧に
よって、走査ユニット200に、スキャナユニット30
の上方側への変位習性が与えられ、この変位習性により
各走査レール343a,343bの水平部分の下面側に
対して各位置決めコロ339a,339bが当接するこ
とにより、スキャナユニット30に対して走査ユニット
200が位置決めされる。
【0189】また、この走査ユニット200は、手前側
のコロブラケット338aに回転自在に軸支された横押
えコロ341と、上記の各押えコロ340a,340b
と同様な加圧構造により奥側のコロブラケット338b
を内側方向に加圧する横加圧コロ342とを、各走査レ
ール343a,343bの水平部分を両外側から挾み込
むようにそれぞれ配置することによって、その奥行き方
向への位置決めがなされている。
【0190】図80乃至図83に、頁送りローラ250
の構成及び作用を示す。頁送りローラ250は、図80
及び図81に示すように、シャフト248の、めくりベ
ルト208の幅に対応する部位に、所定の間隔をおいて
複数個のローラを固定して構成されている。この頁送り
ローラ250は、発泡ポリウレタンのようなやわらかい
樹脂またはゴム等の材質で形成されている。
【0191】一方、めくりローラ224の幅は、めくり
ベルト208の幅よりも大きく形成されており、図80
に示すように、このめくりローラ224の両端部がめく
りベルト208の外側にそれぞれ延出している。シャフ
ト248には、このめくりローラ224の両端の延出部
に対応するように、頁送りローラ250の直径よりも僅
かに小さな直径の駆動ローラ249がそれぞれ固定され
ている。この駆動ローラ249は、頁送りローラ250
よりも高度の高いゴム等の材質で形成されている。
【0192】この頁送りローラ250は、図70の破線
で示す位置に待避している状態では、先端が櫛歯状に形
成された下方の頁ガイド228の凹部にはまり込む(側
方から見ると互いに重なり合う)ように位置している。
また、めくりベルト208が図70の実線で示す位置に
上昇した状態では、この頁送りローラ250も図70の
実線で示す位置に移動し、各駆動ローラ249がめくり
ローラ224の両端延出部にそれぞれ当接して、この頁
送りローラ250の周面の一部がめくりベルト208に
より少し加圧される位置まで移動する。
【0193】これにより、頁送りローラ250が、図8
1に示すように、駆動ローラ249との直径差分だけ変
形して、めくりベルト208によりめくり上げられた原
稿頁に対する搬送力が、この頁送りローラ250に与え
られる。また、この頁送りローラ250に対する回転力
は、めくりローラ224の回転力が、これに当接した駆
動ローラ249を介して伝達されることによって与えら
れる。このとき、駆動ローラ249は当接しているめく
りローラ224と同じ周速で回転するが、頁送りローラ
250は、その直径が駆動ローラ249よりも大きい分
だけ、大きな周速で回転する。これによって、「頁送り
ローラの線速≧めくりベルトの線速」となり、めくり上
げられた原稿頁に対する確実な頁搬送力が得られる。一
方、図76に示したように、めくり上げた原稿頁を走査
ユニット200から排出するときには、この頁送りロー
ラ250及びめくりベルト208を、図70の破線で示
す位置にそれぞれ待避させる。
【0194】上述のように構成された頁送りローラ25
0の動作は、図82及び図83に示すトグルジョイント
装置によって制御される。頁送りローラ250の回転中
心であるシャフト248は、図82及び図83に示すよ
うに、ベルクランク状に形成されたトグルレバー274
の一端に回転自在に軸支されている。このトグルレバー
274は、走査ユニット200に対して、支点275で
回転自在に軸支されている。また、走査ユニット200
に植設された固定ピン276とシャフト248との間に
は、緊縮性のバネ279が掛け渡されており、これによ
って、この固定ピン276と支点275を通る直線を中
立線278とするトグル機構が構成されている。
【0195】このトグル機構は、平生、図82に示すよ
うに、めくりベルト208から頁送りローラ250を図
70の破線で示す位置に待避させた状態にあり、めくり
ローラ224が図70の実線で示す位置に向けて上昇を
開始すると、このめくりローラ224の回転軸224a
が、トグルレバー274の他端部に係合し、このトグル
レバー274を回転させながら更に上昇する。このと
き、このトグルレバー274の回転により、シャフト2
48が中立線278を越えるまでは、バネ279の緊縮
力が、頁送りローラ250を元の位置に戻そうとする
が、このシャフト248が中立線278を越えると、こ
のバネ279の緊縮力が、頁送りローラ250をめくり
ローラ224に当接させる向きに作用する。これによ
り、図83に示すように、めくりローラ224が図70
の実線で示す位置に上昇し終えた状態で、このバネ27
9の緊縮力によって、各駆動ローラ249がめくりロー
ラ224の両端延出部にそれぞれ当接して、この頁送り
ローラ250の周面の一部がめくりベルト208により
少し加圧される位置まで移動する。
【0196】一方、図76に示したように、めくり上げ
た原稿頁を走査ユニット200から排出するときには、
めくりローラ224が図70の破線で示す位置に待避す
る動作により、このめくりローラ224が、図83に示
す位置から、駆動ローラ249を押しながら下降する。
これにより、シャフト248が中立線278を越える
と、バネ279の緊縮力が、図70の破線で示す位置に
頁送りローラ250を待避させる方向に作用して、頁送
りローラ250が図82に示す位置まで待避し、めくり
ローラ224が元の位置に戻される。
【0197】このように、頁送りローラ250は、その
待避位置からめくりベルト208に当接する方向に、こ
のめくりベルト208の上昇駆動に連動して移動するの
で、この頁送りローラ250の駆動機構を安価かつ小型
に構成できる。また、この頁送りローラ250移動は、
めくりベルト208が上昇を開始した後、ある程度の時
間差を持って(めくりベルト208の上昇の後半に)開
始されるので、このめくりベルト208の上昇によって
めくり上げられた原稿頁の端部位置がめくりベルト20
8から突出している場合でも、このめくりベルト208
と頁送りローラ250との間に、この原稿頁の端部を確
実に挾み込むことができ、走査ユニット200の頁めく
り動作の余裕度が向上する。
【0198】この例では、上述のように走査ユニット2
00の走査毎に加圧原稿台の規制が解除されて加圧原稿
台がバネ性を持って走査ユニット200に押し当てら
れ、本原稿の最上位頁が均一平面になるように本原稿の
上下方向の変位が自動的に補正される。また、画像先端
位置と後端位置、頁めくり位置が頁めくりの繰り返しに
よって変更されていくことで本原稿端部の左右方向への
移動が補正される。
【0199】次に、本原稿の副走査方向右端部検知につ
いて説明する。図84は初回の頁めくり以前の画像読み
取り方式での読み取りセンサ101による見開き本原稿
の右端部検知のデータを示し、その検知された本原稿の
右端部は見開き本原稿がサイズA3の場合読み取りセン
サ101の位置としては中央セット位置よりおよそ21
0mmの位置である。図90は初回の頁めくり以前の画
像読み取り方式での読み取りセンサ101による見開き
本原稿の右端部検知のデータを示し、その検知された本
原稿の右端部は見開き本原稿がサイズB4の場合副走査
方向位置で中央セット位置よりおよそ180mmの位置
である。
【0200】画像読み取り走査後の頁めくり走査時に、
原稿台外枠部位置から端部検知が開始され、読み取りセ
ンサ101は最初に原稿台外枠部が読み取られ、次に黒
色の原稿台が読み取られる。読み取りセンサ101は本
原稿において右表紙内側と頁端部との段差を読み取り、
次に最上位頁の余白部である地肌濃度を読み取り、一般
に十数ミリの余白の後に画像を読み取る。読み取りセン
サ101からの副走査方向に連続するデータがサンプリ
ングされてこれとしきい値とが比較され、最上位頁の余
白部の始まりが検知されてその位置が頁端部と判別され
る。
【0201】図85は本原稿右端部検知回路を示す。こ
の本原稿右端部検知回路は本原稿の副走査方向右端部の
検知を読み取りセンサ101の特定画素による読み取り
情報の副走査方向への変化より行う。読み取りセンサ1
01の主走査方向の特定画素は本原稿載置基準が手前側
で最小原稿サイズに対応するために、装置手前の読み取
りセンサ101の基準より64mmの1024画素目を
とする。カウンタ401は読み取りセンサ101の主走
査に同期した同期信号LSYNCによりリセットされ、
読み取りセンサ101からの画素信号に同期したクロッ
クCLOCKをカウントして読み取りセンサ101から
の1024画素目の画素信号に同期して立ち上がる出力
信号を出力する。
【0202】データラッチ回路402はカウンタ401
の出力信号の立ち上がりで読み取りセンサ101からの
画像信号DATAにおける1024画素目の画素信号を
主走査毎にラッチする。デジタルコンパレータ回路40
3はデータラッチ回路402でラッチした8ビットのデ
ータの上位4ビット分をしきい値と比較する。このしき
い値はIPU103内のマイクロコンピュータにより設
定される。デジタルコンパレータ回路403からのデー
タはDフリップフロップ回路404,405で1主走査
時間づつ遅延され、アンド回路406によりデジタルコ
ンパレータ回路403からのデータ及びDフリップフロ
ップ回路404,405からのデータのアンドがとられ
て読み取りセンサ101の特定画素のデータがしきい値
より大きい値が副走査方向に3画素続いた場合に検知信
号を発生してIPU103内のマイクロコンピュータに
知らせる。
【0203】この本原稿端部検出のための読み取りで
は、IPU103内のマイクロコンピュータは、走査右
端部の黒色の本原稿台1または台1の外枠部より左方向
へ走査ユニット200の走査を開始させ、データラッチ
回路402及びDフリップフロップ回路404,405
への検出開始のリセット信号RESETを解除する。そ
して、本原稿の表紙または紙のエッジによる主走査方向
に連続する縞模様部分が読み取りセンサ101により検
知され、本原稿最上位頁端部より右頁上の画像情報がラ
ンダムに検出される。
【0204】ほとんどの本の地肌は白色で、一般に本原
稿端部から十数ミリの枠部は文字や画像はない。そのた
め、デジタルコンパレータ回路403は読み取りセンサ
101からの1024画素目の画素信号がしきい値以上
に白い均一色のデータとなった時点で頁の余白部と判定
して検知する。この判定は読み取りセンサ101の主走
査方向の複数の画素のデータを用いれば精度が上がる。
また、その判定の画素数はDフリップフロップ回路40
4,405及びアンド回路406により連続3画素とし
たが、これを増やしたり、システムや適応原稿に合わせ
てデジタルコンパレータ回路403のしきい値を変えて
も効果的である。以上の結果、図84に示すような見開
き本原稿がサイズA3の場合には本原稿端部はホームポ
ジションから200mmの地点と検知され、図90に示
すように見開き本原稿がサイズB4の場合には本原稿端
部はホームポジションから180mmの地点と検知され
る。
【0205】中央綴じ部基準でセットされた本原稿は、
そのサイズにより画像先端位置が変化し、また、見開き
頁により頁位置が変って綴じ部により頁長さも変化す
る。本原稿の副走査方向の端部検知結果はIPU103
内のマイクロコンピュータにより頁めくりのための頁吸
着位置及び頁上昇位置の算出に用いられる。また、他の
例では本原稿の読み取り時に原稿台左側部分から上記本
原稿右端部検知回路と同様な本原稿左端部検知回路によ
り見開き本原稿の頁左端部が検知される。IPU103
内のマイクロコンピュータは本原稿副走査方向端部の検
出信号を本原稿における副走査方向の画像有効範囲を決
定するのに用い、例えば複写に際してはその転写紙上の
画像位置を決定するレジストに用い、さらに、副走査方
向の画像有効範囲外の画像を自動的に消去して無駄な黒
べた画像を防止する。また、ファイルシステム等に応用
した場合は、IPU103内のマイクロコンピュータが
本原稿副走査方向端部の検出信号により画像データを減
らしてメモリ量を節約する。
【0206】次に、本原稿主走査方向端部検知について
説明する。図86は本原稿主走査方向端部検知回路を示
す。本原稿主走査方向端部検知は読み取りセンサ101
の主走査1ラインの読み取りデータの変化より行う。図
87に示すように見開き本原稿BOは本原稿台1上に綴
じ部左端を基準として背支持板14の左端に合わせ、か
つ、手前側を基準として合わせる。そして、本原稿の表
表紙を左側の原稿台1に配置された固定板に固定して本
原稿の裏表紙を右側の原稿台1に配置された固定板に固
定し、本原稿の連続読み取り中の綴じ部の形状変位によ
る最上位頁の変位を防止する。本原稿のセット手順は以
下の通りである。
【0207】本原稿の左表紙を綴じ部左端と手前側を
基準として左側の原稿台上の固定板で挾持する。 右原稿の右表紙を右側の原稿台上の固定板で挾持す
る。 本原稿の読み取り開始頁を見開き、その上に走査ユニ
ット200を綴じて本原稿の見開き上位頁を平面状にす
る。
【0208】このシステムでは、本原稿のサイズは最大
サイズが見開きでA3サイズ、最小がB5サイズであ
る。また、本原稿のサイズはA系列、B系列という定型
サイズ以外のサイズもあり、本原稿は見開き方向に綴じ
部の湾曲分の頁の縮みが頁の縦横比が一定とならない場
合が多い。このシステムでは図87に示すように本原稿
は、中央手前側基準で原稿台1上にセットされるので、
見開き本原稿サイズにより頁の左端、右端、上端が異な
る。つまり、副走査方向の画像先端位置と後端位置、主
走査方向の後端位置が変化する。
【0209】図87に示すように本原稿の画像読み取り
後の頁めくり走査時に、見開き本原稿の副走査方向の最
大原稿サイズより外側の黒色の原稿台外枠部位置から本
原稿の端部検知が開始され、次に黒色の原稿台が読み取
られて見開き本原稿側に端部検知が行われる。この端部
検知では、読み取りセンサ101の特定画素副走査方向
の読み取りデータが連続してサンプリングされ、そのデ
ータとしきい値とが比較されて読み取りデータがしきい
値よりも大きい画素が複数回繰り返した位置が本原稿の
副走査方向の頁端部位置とされる。IPU103内のマ
イクロコンピュータは、その副走査方向の頁端部位置か
ら頁めくりのための頁吸着・上昇位置を算出し、その位
置まで走査ユニット200を走査して一旦停止させる。
【0210】次に、IPU103内のマイクロコンピュ
ータは、走査ユニット200を一旦停止させた位置で主
走査方向の端部検知を行う。見開き本原稿は中央手前側
基準でセットされ、頁吸着・上昇位置すなわち画像読み
取り位置が副走査方向で確実に見開き原稿上にある位置
で主走査1ライン分の読み取りデータがサンプリングさ
れる。その1ライン分のデータは最大本原稿サイズより
奥側の黒色の原稿台外枠部の位置から始まり、次に黒色
の原稿台、見開き本原稿になる。主走査方向の端部検知
は主走査方向の連続したデータとしきい値とが比較され
て行われ、読み取り画像データがしきい値より大きい画
素が複数画素繰り返した位置が本原稿の主走査方向の頁
端部位置とされる。
【0211】図87に示す例では主走査方向、副走査方
向とも矢印方向に読み取りが行われてそのデータから本
原稿の端部位置が算出される。例えば見開き本原稿サイ
ズがB4サイズである場合は、本原稿の左右端部は中央
セット位置より約182mm、手前側端部から約257
mmとなる。走査ユニット200は読み取り走査開始の
左ホームポジションから走査が開始され、本原稿の端部
位置より数mm手前から読み取り画像データがフレーム
メモリ104に蓄えられる。IPU103内のマイクロ
コンピュータは上記本原稿の端部を主走査方向、副走査
方向の有効画像領域の開始位置としてフレームメモリ1
04からの画像データ出力を指示する。
【0212】図91は読み取りセンサ101による見開
き本原稿BOの上端部検知データを示す。読み取りセン
サ101により検知される本原稿の上端部は見開き本原
稿サイズがB4サイズの場合主走査方向位置で手前セッ
ト基準位置よりおよそ270mmの位置である。読み取
りセンサ101は画像読み取り走査後の頁めくり走査停
止時の頁吸着・上昇位置で原稿台外枠部位置から手前方
向に検知を開始し、最初に黒色の原稿台外枠部を読み取
り、次に黒色の原稿台を読み取る。読み取りセンサ10
1は本原稿においては右表紙の内側を読み取り、次に最
上位頁の余白部である地肌濃度を読み取り、一般に十数
ミリの余白の後に画像を読み取る。IPU103内のマ
イクロコンピュータは読み取りセンサ101からの主走
査方向に連続するデータをしきい値と比較して最上位頁
の余白部の始まりを検知し、その位置を頁上端部とす
る。
【0213】図86に示すように本原稿載置基準が本原
稿台1の手前側であって、本原稿台1の奥側より読み取
りセンサ101の主走査1ラインの読み取りが行われる
ので、読み取りセンサ101からの主走査方向のデータ
が1ライン分のFILO(ファーストイン・ラストアウ
ト)回路407により逆順に並び変えられる。
【0214】FILO回路407からのデータはデータ
ラッチ回路408でクロックCLOCKによりラッチさ
れて主走査ライン毎にサンプリングされ、上位4ビット
分がデジタルコンパレータ回路409によりしきい値と
比較される。このしきい値はIPU103内のマイクロ
コンピュータにより設定される。デジタルコンパレータ
回路408からのデータはDフリップフロップ回路41
0,411で遅延され、アンド回路412によりデジタ
ルコンパレータ回路408からのデータ及びDフリップ
フロップ回路410,411からのデータのアンドがと
られて読み取りセンサ101からのデータDATAがし
きい値より大きい値が主走査方向に3画素続いた場合に
検知信号を発生する。カウンタ413はオア回路414
を通して入力されるクロックCLOCKをカウントする
ことにより主走査方向の画素を数えるが、アンド回路4
12からの検知信号がオア回路414に入力されること
によりカウンタ413がマスクされて停止し、そのカウ
ンタ413の値がIPU103内のマイクロコンピュー
タに知らされる。
【0215】この本原稿主走査方向端部検出のための読
み取りでは、読み取りセンサ101が奥側の黒色の本原
稿台1または台1の外枠部より手前方向へ行い、上記と
同様に本原稿BOの頁地肌の発生が検出される。また、
この本原稿主走査方向端部検出ではIPU103内のマ
イクロコンピュータが走査ユニット200の走査制御を
行わず処理時間がとれ、頁吸着のための走査ユニット2
00走査停止時に行われ、IPU103内のマイクロコ
ンピュータは本原稿主走査方向端部検出時にデータラッ
チ回路408、Dフリップフロップ回路410,411
及びカウンタ413へのリセット信号RESETを解除
する。
【0216】IPU103内のマイクロコンピュータは
本原稿主走査方向端部の検出信号を比較的不定形サイズ
が多い本原稿における主走査方向の画像有効範囲を決定
するのに用い、例えば複写に際してはその範囲外画像を
自動で消去処理して無駄な黒べた画像を防止する。ま
た、ファイルシステム等に応用した場合は、本原稿主走
査方向端部の検出信号により画像データを減らしてメモ
リ量を節約することができる。
【0217】次に、頁収納センサによる本原稿副走査方
向後端部検知について説明する。初回の頁めくり以降の
本原稿頁端部検出は、めくり頁搬送路の透過型頁収納セ
ンサ415を用いて見開き本原稿の最上位頁の端部位置
を正確かつ安定に算出する。本装置は原稿の表紙を本原
稿台1に固定しているため本原稿の走査時のズレは少な
い。また、本原稿は1頁の頁めくりによる位置の変位は
極めて少ない傾向を持つ。
【0218】本装置は頁の検出には図88に示すように
透過型頁収納センサ415を用いている。透過型頁収納
センサ415は上側の頁搬送ガイド416の上に発光素
子として発光ダイオード415a、下側の頁搬送ガイド
417の下に受光素子としてフォトダイオード415b
を備える構成となっている。頁搬送路418を構成する
頁搬送ガイド416,417には穴部416a,417
aが設けられ、発光ダイオード415a及びフォトダイ
オード415bが頁搬送部の検出位置の鉛直方向に対し
て斜めに配置されることにより、本原稿のめくり頁収納
により発生した紙粉は頁収納センサ415のめくり頁検
知位置には溜まらずに下方に落ちる構造となっている。
頁収納センサ415は頁搬送ガイド416,417を通
して搬送される本原稿のめくり頁を1頁分離後に検知
し、原稿を選ばなくて検知精度もばらちきで1mm以内
と極めて高い。また、頁めくり時の未収納、未排出の頁
のジャムを検知するセンサも頁収納センサ415を共用
している。
【0219】図34に示す走査ユニット200は、見開
き本原稿BOの読み取り後に、左方向に走査されて本原
稿BOの頁めくりを行う。本原稿の頁をめくる際のめく
り頁軌跡はほぼ一定であってメカ的に決定される。本原
稿BOの最上位の右頁端部がめくりベルト208に吸着
され、走査ユニット200の走査が一旦停止するととも
にめくりベルト208が上昇してめくり頁が頁搬送路の
方向へと導かれる。走査ユニット200がさらに左方向
に走査され、めくり頁が頁搬送路に収納されて頁先端が
走査ユニット200の外に出る。めくり頁の軌跡は上昇
しためくりベルト200に沿って常にほぼ一定であって
そのメカレイアウトにより決定される。頁収納センサ4
15は、めくり頁を頁搬送路からなるめくり頁収納部の
入り口近傍に配置され、本原稿のめくり頁を検知する。
【0220】頁収納センサ415がめくり頁を検知する
めくり頁収納開始検知タイミング、すなわち、めくり頁
収納部のめくり頁収納検知位置での走査ユニット200
の位置より、めくり頁が本原稿上にあった時のめくり頁
の右端部位置が算出される。従って、本原稿の1頁をめ
くって分離した後にその頁端部が頁収納センサ415で
検知されることにより、見開き本原稿のめくり開始方向
(本装置では右側)の頁端部位置が正確かつ確実に検知
され、その頁収納センサ415の出力信号(頁収納開始
検知タイミング)からIPU103内のマイクロコンピ
ュータが本原稿の画像有効範囲の後端、および次回の頁
めくり位置(本原稿は1頁の頁めくりによる位置の変位
が極めて少ないため)を算出して補正する。
【0221】上記算出結果による頁吸着位置(頁めくり
位置)の制御は以下のように行われる。本装置はめくり
ベルト208が本原稿の頁右端部に接触してこれを持ち
上げる時の頁吸着幅を20mm程度としている。めくり
頁収納部の本原稿めくり頁収納検知タイミングが目標タ
イミングより早い場合はその吸着幅が目標の20mmよ
り大きいので、IPU103内のマイクロコンピュータ
が見開き本原稿のめくり開始方向の頁端部のめくりベル
ト208による吸着、上昇タイミングを早い方向に変位
させる。例えば、IPU103内のマイクロコンピュー
タはめくり頁収納部の本原稿めくり頁収納検知タイミン
グが距離にして2mm分早い時には吸着幅を22mmと
推定し、次回のめくりベルト208による頁吸着位置を
2mm分だけ走査ユニット200のアドレスで右側に変
更処理する。
【0222】一方、IPU103内のマイクロコンピュ
ータはめくり頁収納部の本原稿めくり頁収納検知タイミ
ングが目標タイミングより遅い場合にはめくりベルト2
08の吸着幅が目標の20mmより小さいので、見開き
本原稿のめくり開始方向の頁端部のめくりベルト208
による吸着、上昇タイミングを遅い方向に変位させる。
その結果、頁吸着幅が一定に制御され、不めくりや多数
枚めくりのめくりミスや本原稿の破損が防止されて安定
した繰り返し動作が行われる。
【0223】次に、頁収納センサによる本原稿副走査方
向先端部検知について説明する。めくり頁収納部へのめ
くり頁収納終了後に、走査ユニット200がさらに左方
向に走査されると、見開き本原稿は中央綴じ部でめくり
頁が拘束されるため、めくり頁が綴じ部で引っ張られな
がらめくり頁搬送路からU字型の軌跡を描いて排出され
る。このめくり頁排出の軌跡もめくり頁搬送路と押さえ
ローラ281aに沿って常にほぼ一定となる。IPU1
03内のマイクロコンピュータは頁収納センサ415に
よるめくり頁収納部の本原稿めくり頁排出開始検知タイ
ミング、すなわちめくり頁収納部の本原稿めくり頁排出
開始検知タイミング(位置)での走査ユニット200の
位置より、めくり頁が本原稿左上に乗るべき右端部位置
を頁収納センサ415の出力信号から算出する。従っ
て、本原稿の1頁をめくって分離した後にその頁端部を
検出することにより、見開き本原稿のめくり開始方向
(本装置では左側)の頁端部位置が正確かつ確実に検出
され、IPU103内のマイクロコンピュータがその見
開き本原稿のめくり開始方向の頁端部位置から本原稿の
画像有効範囲の先端を算出して次回の読み取りレジスト
に用いる。
【0224】IPU103内のマイクロコンピュータ
は、上記算出された本原稿の右端部と左端部との間の有
効画像範囲の開始位置アドレスAと終了位置アドレスB
より、その中央位置が本原稿の見開き頁の綴じ部となる
ので、その中央綴じ部アドレスCを以下のように算出す
る。 C=(A+B)/2 これにより、一度に読み取った見開き本原稿画像の複写
の際の頁振分の基準位置が得られる。また、見開き本原
稿の中央綴じ部画像は陰や歪みが起こり易いので、その
位置の画像を確実に消去することができる。さらに、I
PU103内のマイクロコンピュータは頁独立出力時の
右頁レジストをその算出した中央綴じ部アドレスCを用
いて行う。
【0225】以上のように見開き本原稿の頁めくりの繰
り返しによって最上位の見開き頁位置の変位は、1頁の
頁めくりでは極めて小さい。また、10頁のめくりの繰
り返しによる最上位見開き頁位置の位置ズレは1mm以
下であり、画像位置(複写レジスト)のズレが少ない。
従って、IPU103内のマイクロコンピュータは、本
原稿頁吸着位置の算出を複数回の頁めくり走査の繰り返
し、例えば10頁のめくり動作に対して1回行い、その
位置データを更新することにより、本原稿頁端部の算出
処理と時間を低減する。
【0226】次に、本原稿端部入力(頁めくり位置)に
ついて説明する。前述のように初回の頁めくりでは画像
読み取り方式での読み取りデータにより見開き本原稿の
右端部検出を行う。しかし、グラビヤ本等の本原稿の頁
端部が検出されなかったり、誤検出されたりする場合も
まれにある。それは、頁めくり走査中におけるめくり頁
搬送路へのめくり頁未挿入で行われ、その原因として頁
めくり位置の不良、具体的には頁吸着幅が少なすぎた
り、頁が吸着ベルト208よりはみ出して上昇できなか
ったりしたものと、本原稿の紙種により頁吸着ができな
いもの等がある。前者の場合には、頁吸着幅が正しく設
定されれば頁が確実にめくられる。
【0227】本装置は図89に示すように原稿台1の右
手前側の外装部に右頁端部入力用のスケール419を備
えている。このスケール419は副走査方向に対して平
行に設けられて等間隔に目盛がふられている。初回の頁
不めくりにより装置が停止した場合は、操作部99に”
ページミギハシノスケールチヲイレテクダサイ”という
誘導表示がなされ、オペレータはスキャナ部をあけて頁
右端部位置のスケール419で頁右端部の値を読み、操
作部99のテンキーより入力する。図89の例では、最
上位頁の右端部位置のスケール値”12”と入力し、続
いて操作部99のエンターキーにより確定の入力をす
る。その後、操作部99のプリントキーの押下によりI
PU103内のマイクロコンピュータが読み取り走査を
同様に開始させ、今度はその頁右端部の入力位置情報に
より、めくりベルト208によるりの吸着・上昇を行わ
せる。その結果、本原稿頁画像の種類に関わらず適切な
吸着幅で頁めくりが開始される。その後2回目以降の頁
めくりはIPU103内のマイクロコンピュータにより
前述と同様に頁収納センサ415の頁右端部検知位置に
より算出されたタイミングで制御される。
【0228】次に、頁めくり位置入力方式について説明
する。この例では本原稿端部位置の入力はスケール41
9の数値をテンキーで入力するようにしたが、他の第1
の例では原稿台1の右手前側の外装部の右頁端部入力用
のスケール419と同位置に本原稿端部位置を合わせる
スライドボリュウムを設けてその抵抗値または変換した
電圧値をIPU103内のマイクロコンピュータで読み
取るようにしている。
【0229】また、他の第2の例では、走査ユニット2
00にセンサが設けられ、原稿台1の右手前側の外装部
に右頁端部入力用のスケール419と同位置にそのセン
サで検知される遮蔽板が横方向にスライド可能に設けら
れる。その遮蔽板は、本原稿端部位置に合わせられ、走
査ユニット200の走査時にそのセンサにより検知され
て吸着上昇のタイミングとされる。この場合、そのセン
サと遮蔽板の位置を逆にしてセンサをスライド可能にし
ても良い。
【0230】他の第3の例では、読み取りセンサ101
のデータが用いられる。読み取りセンサ101は主走査
方向へ手前側から読み取るが、主走査方向の読み取り画
素の開始位置への投影位置を原稿台1の手前側の外装部
に掛かるように光学系が配置される。スケール419と
同位置に外装部の黒色とコントラストが明らかでスライ
ド可能な白色のマーク部材が配置され、走査読み取り時
にその主走査方向の定位置にあるマークが読み取りセン
サ101により読み取られて読み取りセンサ101から
のデータから図85の本原稿端部検知回路と同様なマー
ク検知回路でマークが検知され、IPU103内のマイ
クロコンピュータがそのマーク検知回路からのデータに
より頁の吸着、上昇のタイミングを算出して頁吸着位置
を制御する。
【0231】上記図85の本原稿副走査方向端部検知回
路及び図86の本原稿主走査方向端部検知回路は、IP
U103に配置されて主走査方向の画像変倍処理前の画
素データをサンプリングして本原稿の副走査方向端部及
び主走査方向端部を検知し、その検知の開始及び終了が
IPU103内のマイクロコンピュータにより指示され
る。本原稿副走査方向端部検知回路で検知された本原稿
副走査方向端部はIPU103内のマイクロコンピュー
タが走査ユニット200の走査位置により管理し、IP
U103内のマイクロコンピュータは主走査方向の画素
をカウントするカウンタを参照して本原稿主走査方向端
部検知回路で検知された本原稿主走査方向端部を管理す
る。そして、IPU103内のマイクロコンピュータは
それらの本原稿副走査方向端部及び本原稿主走査方向端
部により頁吸着位置、主走査方向の有効画像範囲を算出
する。
【0232】次に、本システムの動作について説明す
る。 A.TPS動作モード (1)読み取りモード (a)本原稿読み取り サブ第1ミラー222が解除されて下側蛍光灯201,
202が点灯し、左ホームポジションにてシェーディン
グ補正後にキャリジ200が右方向に走査されて見開き
本原稿が一度に読み取られ、その画像データがフレーム
メモリ104に格納される。
【0233】(b)シート原稿読み取り サブ第1ミラー222が挿入されて上側蛍光灯203,
204が点灯し、左ホームポジションにてシェーディン
グ補正後にキャリジ200が右方向に走査されてシート
原稿が読み取られ、その画像データがフレームメモリ1
04に格納される。
【0234】(2)リターンモード (a)頁めくり 本原稿読み取りモードで、高圧のバイアスが高圧電源1
16によりめくりベルト208に印加され、キャリジ2
00が左方向に走査されてめくりローラ208が見開き
本原稿の右端部に達した時点で停止し、めくりローラ2
08が上昇し、0.5sec.後にキャリジ200が左
方向に走査される。IPU103内のマイクロコンピュ
ータはめくりローラ208で吸着された頁による頁収納
センサ415の収納検知タイミング(位置)より見開き
本原稿の右端部を算出し、頁収納センサ415による頁
排出検知タイミング(位置)より見開き本原稿の左端部
を算出すると共に、これらの双方より本原稿の読み取り
画像の副走査方向の開始位置及び終了位置を算出して見
開き本原稿の中央綴じ部、見開き本原稿の長さを算出す
る。
【0235】(b)キャリッジリターン シート原稿読み取りモードで、キャリジ200が左方向
に走査される。 (3)ホーミングモード 電源投入時、キャリジ200が走査されて中央ホームポ
ジションにセットされ、原稿台1が上昇した後に一定量
下降してキャリジ200から退避する。
【0236】(4)前走査モード キャリジ200が左ホームポジションに走査されてシェ
ーディング補正、読み取り開始に備える。 (5)後走査モード キャリジ200のリターン動作終了後、キャリジ200
が走査されて中央ホームポジションにセットされ、原稿
台1が上昇した後に一定量下降してキャリジ200から
退避する。
【0237】B.プリンタ動作モード (1)両面モード ○片面コピー(デフォルト) (a)オリジナル両面 本原稿の表裏を転写紙の両面に複写して両面コピーを形
成する。
【0238】・高速両面 1to1両面モードに限り、フレームメモリ104を用
いて出力ページ順が入れ換えられ、右頁が第1の転写紙
表面に形成されて第1の転写紙が両面搬送路を経由して
搬送され、本原稿の頁がめくられ、右頁が第2の転写紙
表面に形成されて第2の転写紙が両面搬送路を経由して
搬送され、第1の転写紙が再給紙されてその裏面に左頁
が形成されて第1の転写紙が排出される。
【0239】(b)見開き両面 本原稿の見開きページが転写紙両面にコピーされる。 ・高速両面 フレームメモリ104の頁毎のアクセスが必要となるの
で実施しない。 (c)自動両面 本原稿の左右の複写開始頁が転写紙表面に複写される。
従って、操作部99で右頁より複写開始を指定した場合
は(a)オリジナル両面、操作部99で左頁より複写開
始を指定した場合は(b)見開き両面となる。
【0240】(2)消去モード (a)綴じ部消去(デフォルト:あり) 見開き本原稿の中央部を基準にして、指定幅の画像が消
去される。 (b)外枠部消去(デフォルト:自動) 転写紙を基準にして指定幅の画像が消去される。
【0241】(3)コピー形式モード (a)独立ページ(デフォルト) 本原稿の見開き頁が頁毎に分けてコピーされる。 (b)見開き頁 本原稿の見開き頁がそのままコピーされる。
【0242】(4)開始頁入力 (a)左 独立ページモードで、原稿の左頁よりコピーが開始され
る。 (b)右 独立ページモードで、原稿の右頁よりコピーが開始され
る。
【0243】(5)画像基準入力 ○中央(デフォルト) 転写紙基準で転写紙中央にコピーされる。 (a)頁左端 転写紙基準で転写紙左から設定量にコピーされる。
【0244】(b)頁右端 転写紙基準で転写紙右から設定量にコピーされる。 (6)排紙入力 (a)反転排紙 転写紙が反転して排紙される。両面コピー以外は自動で
設定される。
【0245】(7)頁数入力 (a)開始頁+終了頁 コピー開始頁から終了頁までの差分のコピーが繰り返さ
れる。 (b)総頁数 見開き指定頁から総頁数だけコピーが繰り返される。
【0246】(8)読み取り入力 ○シート原稿(デフォルト) 上側読み取りで、シート原稿の読み取りが選択される。 (a)本原稿 下側読み取りで、本原稿の読み取り、自動頁めくりが選
択される。
【0247】(9)消去幅入力 (a)綴じ部消去幅(デフォルト:10mm) 2mmから40mmまで、1mm単位で消去幅が設定さ
れる。 (b)外枠部消去幅(デフォルト:各10mm) 0mmから30mmまで、1mm単位で消去幅が設定さ
れる。
【0248】(10)画像基準位置入力 (a)頁左端(デフォルト:0mm) 0mmから20mmまで、1mm単位で転写紙左からの
位置が設定される。 (b)ページ右端(デフォルト:0mm) 0mmから20mmまで、1mm単位で転写紙左からの
位置が設定される。
【0249】次に、TPS基本動作を詳細に説明する。 (1)本原稿読み取りモード (a)操作部99のBOOKキーの押下により、本原稿
読み取りモードが指定される。 (b)操作部99のプリントキーの押下により、原稿台
1が上昇し、本原稿がキャリッジ200に付き当てられ
て固定される。
【0250】(c)サブ第1ミラー222が解除され、
下側蛍光灯201,202が点灯する。(d)キャリッ
ジ200が左方向に走査され、左ホームポジションに到
達した後、シェーディング補正、AGCが行われる。 (e)キャリッジ200が右方向に走査されて見開き本
原稿の画像が読み取られ、その画像処理したデータがフ
レームメモリ104に格納される。
【0251】(f)キャリッジ200が最も右方向まで
走査された後、めくりベルト208の帯電が開始され、
キャリッジ200が左方向に走査される。 (g)キャリッジ200が左方向に走査されて本原稿の
画像が読み取られ、IPU103内のマイクロコンピュ
ータがVPU102からの画像データにより原稿台1と
本原稿頁の濃度差から本原稿右端部を検知する。 (h)IPU103内のマイクロコンピュータはその検
知した本原稿右端部の位置にめくりベルト208が達す
るとキャリッジ200を一旦停止させた後に、めくりベ
ルト200を上昇させ、それから一定時間後にキャリッ
ジ200を左方向に走査する。
【0252】(i)IPU103内のマイクロコンピュ
ータがキャリッジ200の一旦停止時に上記本原稿主走
査方向端部検知回路により検知された本原稿頁上端部に
より本原稿の主走査方向範囲を算出して上下方向の自動
イレース位置を算出し、その後、下側蛍光灯201,2
02を消灯させる。 (j)IPU103内のマイクロコンピュータがめくり
ベルト200の頁吸着上昇から一定時間後にキャリッジ
200を左方向に走査する。 (k)頁収納センサ415によりめくり頁搬送路に収納
される頁が検知され、IPU103内のマイクロコンピ
ュータがその頁収納開始検知タイミング(位置)から頁
右端部位置を正確に算出し、かつ、頁の不めくり検知を
行う。
【0253】(l)キャリッジ200が中央位置に達し
た地点で左右の本原稿台1の上下、右の本原稿台1の左
右の固定が一旦解除され、本の見開き形状が決定され
る。 (m)めくりベルト208が本原稿中央地点に達する
と、めくりベルト208の帯電が停止する。 (n)キャリッジ200が左方向に走査されて頁収納セ
ンサ415によりめくり頁搬送路に収納された頁の排出
が検知され、IPU103内のマイクロコンピュータが
その頁排出開始検知タイミング(位置)から頁左端部の
位置を正確に算出し、また、算出した頁左右端部位置よ
り、見開き本原稿の中央部位置、見開き頁の長さを算出
する。
【0254】(o)IPU103内のマイクロコンピュ
ータがその算出の終了後、上記頁左右端部と画像出力形
態、上記イレース位置により本原稿の画像有効範囲を求
めてフレームメモリ104のアドレスをその画像有効範
囲に対応して指定し、プリンタからの同期信号によりそ
の画像有効範囲の画像データを読み出してプリンタへ転
送する。
【0255】(p)キャリッジ200が左ホームポジシ
ョンに到達後に、下側蛍光灯201,202が点灯し、
シェイディング補正、AGCが行われる。
【0256】(q)キャリッジ200が右方向に走査さ
れ、見開き本原稿の画像が読み取られ、その画像処理し
たデータがフレームメモリ104に格納される。 (r)本原稿の右端までが読み取られて下側蛍光灯20
1,202が消灯し、フレームメモリ104へのデータ
格納終了直後にIPU103内のマイクロコンピュータ
が上記検知した頁左右端部の位置と画像出力形態、上記
イレース位置により本原稿の画像有効範囲を求めてフレ
ームメモリ104のアドレスをその画像有効範囲に対応
して指定し、プリンタからの同期信号によりその画像有
効範囲の画像データを読み出してプリンタへ転送する。
【0257】(s)以下、連続動作中、(f)、
(h)、(j)から(n)の頁めくり、(p)から
(r)の読み取りが繰り返される。なお、2回目以降
は、(g)、(i)の端部画像検知、及び(o)頁めく
り終了後のプリント出力は実施しない。 (t)連続動作の終了は、(p)のキャリッジ200が
左ホームポジションに到達した後、キャリッジ200が
右方向に走査されて中央ホームポジションで停止する。
【0258】(2)シート原稿読み取りモード (a)BOOKキーの押下により、シート読み取りモー
ドを指定する。
【0259】(b)プリントキーの押下により、原稿台
1が下降し、本原稿台1がキャリッジから退避する。 (c)サブ第1ミラー222が挿入され、上側蛍光灯2
03,204が点灯する。(d)キャリッジ200が左
方向に走査され、左ホームポジションに到達した後、上
側蛍光灯203,204が点灯し、シェイディング補
正、AGCが行われる。
【0260】(e)キャリッジ200が右方向に走査さ
れてシート原稿が読み取られ、その画像処理したデータ
がフレームメモリ104に格納される。 (f)キャリッジ200が転写紙サイズと変倍率で定ま
る位置まで走査された後、上側蛍光灯203,204が
消灯し、キャリッジ200が左方向に走査される。
(g)フレームメモリ104へのデータ格納終了直後
に、フレームメモリ104の指定アドレスからプリンタ
よりの同期信号によりデータが読み出されて転送され
る。
【0261】(h)以下、連続動作中、(d)から
(g)の読み取りとリターン、フレームメモリ104の
書き込みと読出しが繰り返される。 (i)連続動作の終了は、(d)のキャリッジ200が
左ホームポジションに到達した後、キャリッジ200が
右方向に走査されて中央ホームポジションで停止する。
【0262】以上のように本システムでは、IPU10
3内のマイクロコンピュータが頁収納センサ415によ
るめくり頁のめくり頁収納部への収納検知信号により本
原稿のめくり開始方向の頁端部の吸着位置・上昇位置を
算出するので、繰り返しの頁めくり動作を正確かつ確実
に行うことができ、頁吸着不良による頁めくりミスや本
原稿の破損を防止できる。また、IPU103内のマイ
クロコンピュータが頁収納センサ415によるめくり頁
のめくり頁収納部への収納検知信号により本原稿のめく
り開始方向の頁端部の次回の吸着位置・上昇位置を決定
するので、頁吸着不良による頁めくりミスや本原稿の破
損を防止できる。
【0263】また、IPU103内のマイクロコンピュ
ータが頁収納センサ415によるめくり頁のめくり頁収
納部への収納検知タイミングが目標タイミングより早い
場合には頁端部の吸着タイミング・上昇タイミングを早
い方向に変化させ、頁収納センサ415によるめくり頁
のめくり頁収納部への収納検知タイミングが目標タイミ
ングより遅い場合には頁端部の吸着タイミング・上昇タ
イミングを遅い方向に変化させるので、頁吸着幅を一定
に制御することができ、頁の不めくりや多数枚めくりと
いうめくりミスや本原稿の破損を防止できて安定した繰
り返し頁めくり動作を行うことができる。
【0264】また、本原稿の1回目の頁めくりでは読み
取りセンサ101からの画像信号より本原稿のめくり開
始方向の頁端部の吸着位置・上昇位置を算出し、本原稿
の2回目以降の頁めくりでは頁収納センサ415による
めくり頁のめくり頁収納部への収納検知信号により本原
稿のめくり開始方向の頁端部の吸着位置・上昇位置を算
出するので、本原稿の1回目の頁めくりは画像位置によ
り行うことができ、本原稿の2回目以降の頁めくりは正
確かつ確実に行うことができる。また、頁端部の吸着及
び上昇を指示する指示手段を有するので、写真や色地紙
等の本原稿画像により頁めくり位置を検出できない場合
でも適正な吸着幅で頁吸着を行うことができて頁めくり
を行うことが可能となる。
【0265】また、本原稿載置部の本原稿セット位置基
準側に設けられた指示手段により頁端部の吸着及び上昇
を指示することができるので、本原稿の右頁端部とスケ
ールとが隣接してスケール値が読み取り易い。また、操
作入力手段により1回目の頁めくりにおける頁端部の吸
着及び上昇を指示し、頁収納センサ415によるめくり
頁のめくり頁収納部への収納検知信号により2回目以降
の頁めくりにおける本原稿のめくり開始方向の頁端部の
吸着位置・上昇位置を算出するので、1回目の頁めくり
は原稿画像による頁めくり位置を検出できない場合でも
開始することができ、2回目以降の頁めくりは正確かつ
確実に行うことができる。
【0266】また、1回目の画像信号出力では初回の頁
めくり動作終了後に頁収納センサ415によるめくり頁
のめくり頁収納部への収納検知及び排出検知により本原
稿の読み取り画像範囲を算出してフレームメモリ104
から画像信号を読み出して出力し、2回目以降の画像信
号出力では読み取り動作終了直後に前回の頁めくり動作
時における頁収納センサ415によるめくり頁のめくり
頁収納部への収納検知及び排出検知から本原稿の読み取
り画像範囲を算出してフレームメモリ104から画像信
号を読み出して出力するので、読み取り画像範囲を正確
に算出してそれに合わせて画像信号を出力することがで
きる。また、1頁の頁めくりによる頁端部の変位が小さ
いので、2回目以降の画像信号出力では前回の頁めくり
動作時における頁収納センサ415によるめくり頁のめ
くり頁収納部への収納検知及び排出検知から本原稿の読
み取り画像範囲を即座に算出してそれに合わせて画像信
号を出力することができる。
【0267】また、読み取りセンサ101からの画像信
号より本原稿のめくり開始方向の頁端部の吸着位置・上
昇位置を算出して頁めくりを行い、頁収納センサ415
により頁めくりの不良を検知した場合に本原稿のめくり
開始方向の頁端部の吸着位置・上昇位置を指示するよう
に誘導表示を行うので、頁めくりを再び行わせることが
でき、本原稿の適用範囲を増やすことができる。また、
本原稿のめくり開始方向の頁端部の吸着位置・上昇位置
を指示する指示手段が本原稿が載置される原稿台の手前
側外装部のスケールによりキー入力を行うものであるの
で、特に制御用のハードウェアを必要とせずに指示手段
を実現でき、低コストにできる。
【0268】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、本原稿の頁をめくりながら本原稿を読み取る本原稿
読み取り装置において、本原稿の最上位頁の端部を吸着
する吸着手段と、この吸着手段を上昇させることにより
頁を上昇させる上昇手段と、この上昇手段により上昇さ
せられるめくり頁が収納されるめくり頁収納部と、この
めくり頁収納部に収納されるめくり頁を検知するめくり
頁検知手段と、このめくり頁検知手段によるめくり頁の
前記めくり頁収納部への収納検知信号により本原稿のめ
くり開始方向の頁端部の前記吸着手段による吸着位置及
び前記上昇手段による上昇位置を算出する算出手段とを
備えたので、繰り返しの頁めくり動作を正確かつ確実に
行うことができ、頁吸着不良による頁めくりミスや本原
稿の破損を防止できる。
【0269】請求項2記載の発明によれば、本原稿の頁
をめくりながら本原稿を読み取る本原稿読み取り装置に
おいて、本原稿の最上位頁の端部を吸着する吸着手段
と、この吸着手段を上昇させることにより頁を上昇させ
る上昇手段と、この上昇手段により上昇させられるめく
り頁が収納されるめくり頁収納部と、このめくり頁収納
部に収納されるめくり頁を検知するめくり頁検知手段
と、このめくり頁検知手段によるめくり頁の前記めくり
頁収納部への収納検知信号により本原稿のめくり開始方
向の頁端部の次回の前記吸着手段による吸着位置及び前
記上昇手段による上昇位置を決定する算出手段とを備え
たので、頁吸着不良による頁めくりミスや本原稿の破損
を防止できる。
【0270】請求項3記載の発明によれば、本原稿の頁
をめくりながら本原稿を読み取る本原稿読み取り装置に
おいて、本原稿の最上位頁の端部を吸着する吸着手段
と、この吸着手段を上昇させることにより頁を上昇させ
る上昇手段と、この上昇手段により上昇させられるめく
り頁が収納されるめくり頁収納部と、このめくり頁収納
部に収納されるめくり頁を検知するめくり頁検知手段
と、このめくり頁検知手段によるめくり頁の前記めくり
頁収納部への収納検知タイミングが目標タイミングより
早い場合には前記吸着手段の頁端部吸着タイミング及び
前記上昇手段の上昇タイミングを早い方向に変化させ、
前記めくり頁検知手段によるめくり頁の前記めくり頁収
納部への収納検知タイミングが目標タイミングより遅い
場合には前記吸着手段の頁端部吸着タイミング及び前記
上昇手段の上昇タイミングを遅い方向に変化させる制御
手段とを備えたので、頁吸着幅を一定に制御することが
でき、頁の不めくりや多数枚めくりというめくりミスや
本原稿の破損を防止できて安定した繰り返し頁めくり動
作を行うことができる。
【0271】請求項4記載の発明によれば、本原稿の頁
をめくりながら本原稿を画像読み取り手段により読み取
る本原稿読み取り装置において、本原稿の最上位頁の端
部を吸着する吸着手段と、この吸着手段を上昇させるこ
とにより頁を上昇させる上昇手段と、この上昇手段によ
り上昇させられるめくり頁が収納されるめくり頁収納部
と、このめくり頁収納部に収納されるめくり頁を検知す
るめくり頁検知手段と、本原稿の1回目の頁めくりでは
前記画像読み取り手段からの画像信号より本原稿のめく
り開始方向の頁端部の前記吸着手段による吸着位置及び
前記上昇手段による上昇位置を算出し、本原稿の2回目
以降の頁めくりでは前記めくり頁検知手段によるめくり
頁の前記めくり頁収納部への収納検知信号により本原稿
のめくり開始方向の頁端部の前記吸着手段による吸着位
置及び前記上昇手段による上昇位置を算出する算出手段
とを備えたので、本原稿の1回目の頁めくりは画像位置
により行うことができ、本原稿の2回目以降の頁めくり
は正確かつ確実に行うことができる。
【0272】請求項5記載の発明によれば、本原稿の頁
をめくりながら本原稿を読み取る本原稿読み取り装置に
おいて、本原稿を走査して読み取る画像読み取り手段
と、本原稿の最上位頁の端部を吸着する吸着手段と、こ
の吸着手段を上昇させることにより頁を上昇させる上昇
手段と、この上昇手段により上昇させられるめくり頁が
収納されるめくり頁収納部と、この頁収納部に収納され
た頁をめくるめくり手段と、頁端部の前記吸着手段によ
る吸着及び前記上昇手段の上昇を指示する指示手段とを
備えたので、写真や色地紙等の本原稿画像により頁めく
り位置を検出できない場合でも適正な吸着幅で頁吸着を
行うことができて頁めくりを行うことが可能となる。
【0273】請求項6記載の発明によれば、本原稿の頁
をめくりながら本原稿を読み取る本原稿読み取り装置に
おいて、本原稿を走査して読み取る画像読み取り手段
と、本原稿の最上位頁の端部を吸着する吸着手段と、こ
の吸着手段を上昇させることにより頁を上昇させる上昇
手段と、この上昇手段により上昇させられるめくり頁が
収納されるめくり頁収納部と、この頁収納部に収納され
た頁をめくるめくり手段と、本原稿載置部の本原稿セッ
ト位置基準側に設けられ頁端部の前記吸着手段による吸
着及び前記上昇手段の上昇を指示する指示手段とを備え
たので、本原稿の頁端部位置が読み取り易い。
【0274】請求項7記載の発明によれば、本原稿の頁
をめくりながら本原稿を読み取る本原稿読み取り装置に
おいて、本原稿を走査して読み取る画像読み取り手段
と、本原稿の最上位頁の端部を吸着する吸着手段と、こ
の吸着手段を上昇させることにより頁を上昇させる上昇
手段と、この上昇手段により上昇させられるめくり頁が
収納されるめくり頁収納部と、このめくり頁収納部に収
納されるめくり頁を検知するめくり頁検知手段と、1回
目の頁めくりにおける頁端部の前記吸着手段による吸着
及び前記上昇手段の上昇を指示する操作入力手段と、前
記めくり頁検知手段によるめくり頁の前記めくり頁収納
部への収納検知信号により2回目以降の頁めくりにおけ
る本原稿のめくり開始方向の頁端部の前記吸着手段によ
る吸着位置及び前記上昇手段による上昇位置を算出する
算出手段とを備えたので、1回目の頁めくりは原稿画像
による頁めくり位置を検出できない場合でも開始するこ
とができ、2回目以降の頁めくりは正確かつ確実に行う
ことができる。
【0275】請求項8記載の発明によれば、本原稿の頁
をめくりながら本原稿を読み取る本原稿読み取り装置に
おいて、本原稿の頁をめくりながら本原稿を読み取る画
像読み取り手段と、めくり頁が収納されるめくり頁収納
部と、このめくり頁収納部に収納されるめくり頁を検知
するめくり頁検知手段と、前記画像読み取り手段からの
画像信号を記憶する記憶手段と、1回目の画像信号出力
では初回の頁めくり動作終了後に前記めくり頁検知手段
によるめくり頁の前記めくり頁収納部への収納検知及び
排出検知により本原稿の読み取り画像範囲を算出して前
記記憶手段から画像信号を読み出して出力し、2回目以
降の画像信号出力では読み取り動作終了直後に前回の頁
めくり動作時における前記めくり頁検知手段によるめく
り頁の前記めくり頁収納部への収納検知及び排出検知か
ら本原稿の読み取り画像範囲を算出して前記記憶手段か
ら画像信号を読み出して出力する画像出力手段とを備え
たので、読み取り画像範囲を正確に算出してそれに合わ
せて画像信号を出力することができる。
【0276】請求項9記載の発明によれば、本原稿の頁
をめくりながら本原稿を読み取る本原稿読み取り装置に
おいて、本原稿を走査して読み取る画像読み取り手段
と、本原稿の最上位頁の端部を吸着する吸着手段と、こ
の吸着手段を上昇させることにより頁を上昇させる上昇
手段と、この上昇手段により上昇させられるめくり頁が
収納されるめくり頁収納部と、この頁収納部に収納され
た頁をめくるめくり手段と、前記めくり頁収納部に収納
されるめくり頁を検知するめくり頁検知手段と、前記画
像読み取り手段からの画像信号より本原稿のめくり開始
方向の頁端部の前記吸着手段による吸着位置及び前記上
昇手段による上昇位置を算出して頁めくりを行わせ、前
記めくり頁検知手段により頁めくりの不良を検知した場
合に本原稿のめくり開始方向の頁端部の前記吸着手段に
よる吸着位置及び前記上昇手段による上昇位置を指示す
るように誘導表示を行わせる制御手段とを備えたので、
頁めくりを再び行わせることができ、本原稿の適用範囲
を増やすことができる。
【0277】請求項10記載の発明によれば、請求項
5,6,7または9記載の本原稿読み取り装置におい
て、前記本原稿のめくり開始方向の頁端部の前記吸着手
段による吸着位置及び前記上昇手段による上昇位置を指
示する手段が本原稿が載置される原稿台の手前側外装部
のスケールによりキー入力を行うので、特に制御用のハ
ードウェアを必要とせずに指示手段を実現でき、低コス
トにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を応用したシステムの一例における画像
読み取り部を示すブロック図である。
【図2】同システムのTPSにおけるスキャナデータ処
理フローを示すフローチャートである。
【図3】同TPSにおける走査ユニットの蛍光灯調光回
路を示すブロック図である。
【図4】同TPSにおける走査ユニットの他の蛍光灯調
光回路を示すブロック図である。
【図5】同TPSにおける走査ユニットの通常時の蛍光
灯露光光量を示す図である。
【図6】同TPSにおける走査ユニットの綴じ部光量増
加時の蛍光灯露光光量の例を示す図である。
【図7】同TPSにおける走査ユニットの本原稿厚に対
する蛍光灯露光光量変化を示す図である。
【図8】同TPSにおける本原稿綴じ部で左右非対称に
光量増加させたときの走査ユニットの蛍光灯の露光光量
を示す図である。
【図9】同TPSにおける本原稿綴じ部で左右非対称に
徐々に光量変化させたときの走査ユニットの蛍光灯の露
光光量を示す図である。
【図10】同TPSにおける読み取り画像データ増幅回
路を示す回路図である。
【図11】同TPSにおける走査ユニットの頁めくりに
より変位する本原稿左端部の遷移を示す図である。
【図12】本原稿綴じ部が移動した場合の同TPSにお
ける走査ユニットの頁めくりにより変位する本原稿左端
部の遷移を示す図である。
【図13】本原稿綴じ部が薄い場合の同TPSにおける
走査ユニットの頁めくりにより変位する本原稿左端部の
遷移を示す図である。
【図14】上記走査ユニットの本原稿端部の読み取りデ
ータを示す波形図である。
【図15】上記本原稿端部の部分拡大側面図である。
【図16】上記TPSにおける見開き出力・1to1複
写モード1回目走査時の本原稿モード動作のタイミング
を示すタイミングチャートである。
【図17】同TPSにおける見開き出力・1to1複写
モード連続走査時の本原稿モード動作のタイミングを示
すタイミングチャートである。
【図18】同TPSにおける独立頁出力・1to1複写
モード時の本原稿モード動作のタイミングを示すタイミ
ングチャートである。
【図19】同TPSにおける独立頁出力・2枚複写モー
ド時の本原稿モード動作のタイミングを示すタイミング
チャートである。
【図20】同TPSにおける本原稿両面モード動作のタ
イミングを示すタイミングチャートである。
【図21】同TPSにおける1to1高速両面モード時
の本原稿モード動作のタイミングを示すタイミングチャ
ートである。
【図22】上記システムの回路構成を示すブロック図で
ある。
【図23】上記TPSにおける原稿台ユニットの概略を
示す側面図である。
【図24】同TPSにおける本原稿載置台の概略を示す
平面図である。
【図25】上記原稿台ユニットにおける左右の原稿台の
位置を本原稿サイズに応じて位置決めするサイズストッ
パの概略を示す斜視図である。
【図26】上記サイズストッパの概略を示す平面図であ
る。
【図27】上記TPSの原稿台ユニットに対してスキャ
ナユニットを開閉するためのユニット開閉ロック機構の
概略を示す斜視図である。
【図28】上記ユニット開閉ロック機構の概略を示す側
面図である。
【図29】上記原稿台ユニットにおける原稿台加圧固定
切り換え装置を示す斜視図である。
【図30】上記原稿台加圧固定切り換え装置の概略を示
す断面図である。
【図31】上記原稿台加圧固定切り換え装置の一構成部
を示す斜視図である。
【図32】上記原稿台加圧固定切り換え装置の駆動部の
概略を示す斜視図である。
【図33】上記原稿台加圧固定切り換え装置の概略を示
す平面図である。
【図34】上記TPSにおける装置本体の全体的な構成
を示す概略断面図である。
【図35】上記TPSにおける原稿台の下方待避動作時
の概略を示す側面図である。
【図36】上記TPSにおける原稿台の下方待避動作時
のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図37】上記原稿台の加圧・固定動作モード時におけ
る走査ユニットのホームポジションでの遷移を示す図で
ある。
【図38】上記原稿台の加圧・固定動作モード時におけ
る走査ユニットの画像読み取り開始位置での遷移を示す
図である。
【図39】上記原稿台の加圧・固定動作モード時におけ
る走査ユニットの本原稿中心ポイントでの遷移を示す図
である。
【図40】上記原稿台の加圧・固定動作モード時におけ
る走査ユニットの本原稿右頁の画像読み取り中または右
頁めくり上げ中の遷移を示す図である。
【図41】上記原稿台の加圧・固定動作モード時におけ
る走査ユニットの画像読み取り完了位置または頁めくり
開始位置での遷移を示す図である。
【図42】上記原稿台の加圧・固定動作モード時におけ
るスキャナモータ及び左右の原稿台昇降モータの動作タ
イミングを示すタイミングチャートである。
【図43】上記原稿台上に載置された本原稿の厚さ及び
見開かれた左右頁の頁差を検知するためのスライダの構
成を示す分解斜視図である。
【図44】上記スライダにおける検知入力部のピン及び
ラック等の構成を示す概略斜視図である。
【図45】上記スライダにおける検知入力部のピンの駆
動説明図である。
【図46】上記スライダにおける上記ラックと大歯車と
の位置関係を示す概略斜視図である。
【図47】上記スライダにおける検知入力部のピン及び
ラック等の構成を示す概略断面図である。
【図48】上記スライダにおける上記ピン及びラック等
と左右の原稿台との位置関係を示す概略側面図である。
【図49】上記スライダにおける大歯車とスライド出力
ギヤとの位置関係を示す概略側面図である。
【図50】上記スライダにおける2段ピニオンギヤとカ
ムギヤとの位置関係を示す概略側面図である。
【図51】上記スライダにおける大歯車とスライド出力
ギヤとの位置関係を示す概略斜視図である。
【図52】上記スライダにおけるスライド出力ギヤとカ
ムギヤと出力ピンとの位置関係を示す概略平面図であ
る。
【図53】上記スライダにおけるスライド出力ギヤとカ
ムギヤと出力ピンとの位置関係を示す概略斜視図であ
る。
【図54】上記スライダにおけるスライド側板に対する
横スライド板の取り付け位置を示す概略側面図である。
【図55】上記スライダにおける固定板に対する横スラ
イド板及びピンホルダの取り付け位置を示す概略側面図
である。
【図56】上記原稿台にセットされたブック原稿の綴じ
部の概略を示す側面図である。
【図57】上記原稿台にセットされたブック原稿の背表
紙が水平な場合における上記スライダのピンと大歯車と
スライド出力ギヤと出力ピンとの位置関係を示す概略側
面図である。
【図58】上記原稿台にセットされたブック原稿の背表
紙が傾斜した場合における上記スライダのピンと大歯車
とスライド出力ギヤと出力ピンとの位置関係を示す概略
側面図である。
【図59】上記スライダの検知入力部と出力部との動作
伝達機構の構成を示す概略側面図である。
【図60】上記原稿台の他の移動手段を示す概略斜視図
である。
【図61】上記スキャナユニットにおける走査ユニット
の駆動機構を示す概略平面図である。
【図62】上記スキャナユニットにおける走査ユニット
の概略を示す断面図である。
【図63】上記走査ユニットのシート巻き取りローラの
構造を示す概略断面図である。
【図64】上記スキャナユニットにおける走査ユニット
のシート巻き取りローラ及びめくりローラの駆動機構を
示す概略側面図である。
【図65】上記走査ユニットにおける画像読み取り部の
原稿押えローラとプラテンガラスとの位置関係を示す概
略断面図である。
【図66】上記走査ユニットにおける画像読み取り部の
プラテンガラスとガラスホルダとの位置関係を示す概略
断面図である。
【図67】上記走査ユニットにおける走査光学系の光路
を本原稿走査側からシート物原稿走査側に切り替えるた
めの切り換えミラーの駆動手段及び光路調整手段の概略
を示す側面図である。
【図68】上記切り換えミラーを駆動して上記走査ユニ
ットにおける走査光学系の光路を本原稿走査側からシー
ト物原稿走査側に切り替えた状態における走査ユニット
の概略を示す断面図である。
【図69】上記切り換えミラーの他の駆動手段を示す走
査ユニットの概略を示す断面図である。
【図70】上記TPSにおける上記走査ユニットの頁め
くり上げ動作を示す走査ユニットの要部の概略を示す断
面図である。
【図71】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時に
おける走査ユニットの左頁画像読み取り位置での遷移を
示す図である。
【図72】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時に
おける走査ユニットの右頁画像読み取り完了位置での遷
移を示す図である。
【図73】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時に
おける走査ユニットの右頁めくり上げ開始位置での遷移
を示す図である。
【図74】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時に
おける走査ユニットの右頁めくり上げ途中の遷移を示す
図である。
【図75】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時に
おける走査ユニットの右頁めくり上げ終了位置での遷移
を示す図である。
【図76】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時に
おける走査ユニットの右頁排出途中の遷移を示す図であ
る。
【図77】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時に
おける走査ユニットの右頁画像読み取り完了位置での画
像読み取り部とめくりベルトへの帯電タイミングの説明
図である。
【図78】上記スキャナユニットに対する上記走査ユニ
ットの支持構造を示す概略側面図である。
【図79】上記スキャナユニットに対する上記走査ユニ
ットの支持機構の走査レールと押えコロとの関係を示す
概略側面図である。
【図80】上記走査ユニットにおけるめくりベルトと頁
送りローラとの位置関係を説明するための概略斜視図で
ある。
【図81】上記走査ユニットのめくりベルトに対する頁
送りローラの当接状態を示す概略側面図である。
【図82】上記走査ユニットにおけるめくりベルトの動
作に連動して上記頁送りローラを駆動させるトグルジョ
イント装置により上記めくりベルトから上記頁送りロー
ラを待避させた状態を示す概略側面図である。
【図83】上記トグルジョイント装置により上記めくり
ベルトに対して上記頁送りローラを当接させた状態を示
す概略側面図である。
【図84】上記TPSにおける読み取りセンサの本原稿
に対する読み取りデータを示す図である。
【図85】上記TPSの本原稿副走査方向端部画像検知
回路を示すブロック図である。
【図86】上記TPSの本原稿主走査方向端部画像検知
回路を示すブロック図である。
【図87】上記TPSの本原稿セット例を示す平面図で
ある。
【図88】上記TPSの本原稿頁収納検知部を示す側面
図である。
【図89】上記TPSの本原稿セット状態の一部を示す
平面図である。
【図90】上記読み取りセンサの本原稿に対する読み取
りデータを示す図である。
【図91】上記読み取りセンサの本原稿に対する読み取
りデータを示す図である。
【符号の説明】
101 読み取りセンサ 102 VPU 103 IPU 104 フレームメモリ 200 走査ユニット 208 めくりベルト 401,413 カウンタ 402,408 データラッチ回路 403,409 デジタルコンパレータ 404,405,410,411 Dフリップフロ
ップ 406,412 アンド回路 407 FILO回路 414 オア回路

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】本原稿の頁をめくりながら本原稿を読み取
    る本原稿読み取り装置において、本原稿の最上位頁の端
    部を吸着する吸着手段と、この吸着手段を上昇させるこ
    とにより頁を上昇させる上昇手段と、この上昇手段によ
    り上昇させられるめくり頁が収納されるめくり頁収納部
    と、このめくり頁収納部に収納されるめくり頁を検知す
    るめくり頁検知手段と、このめくり頁検知手段によるめ
    くり頁の前記めくり頁収納部への収納検知信号により本
    原稿のめくり開始方向の頁端部の前記吸着手段による吸
    着位置及び前記上昇手段による上昇位置を算出する算出
    手段とを備えたことを特徴とする本原稿読み取り装置の
    頁めくり方式。
  2. 【請求項2】本原稿の頁をめくりながら本原稿を読み取
    る本原稿読み取り装置において、本原稿の最上位頁の端
    部を吸着する吸着手段と、この吸着手段を上昇させるこ
    とにより頁を上昇させる上昇手段と、この上昇手段によ
    り上昇させられるめくり頁が収納されるめくり頁収納部
    と、このめくり頁収納部に収納されるめくり頁を検知す
    るめくり頁検知手段と、このめくり頁検知手段によるめ
    くり頁の前記めくり頁収納部への収納検知信号により本
    原稿のめくり開始方向の頁端部の次回の前記吸着手段に
    よる吸着位置及び前記上昇手段による上昇位置を決定す
    る算出手段とを備えたことを特徴とする本原稿読み取り
    装置の頁めくり方式。
  3. 【請求項3】本原稿の頁をめくりながら本原稿を読み取
    る本原稿読み取り装置において、本原稿の最上位頁の端
    部を吸着する吸着手段と、この吸着手段を上昇させるこ
    とにより頁を上昇させる上昇手段と、この上昇手段によ
    り上昇させられるめくり頁が収納されるめくり頁収納部
    と、このめくり頁収納部に収納されるめくり頁を検知す
    るめくり頁検知手段と、このめくり頁検知手段によるめ
    くり頁の前記めくり頁収納部への収納検知タイミングが
    目標タイミングより早い場合には前記吸着手段の頁端部
    吸着タイミング及び前記上昇手段の上昇タイミングを早
    い方向に変化させ、前記めくり頁検知手段によるめくり
    頁の前記めくり頁収納部への収納検知タイミングが目標
    タイミングより遅い場合には前記吸着手段の頁端部吸着
    タイミング及び前記上昇手段の上昇タイミングを遅い方
    向に変化させる制御手段とを備えたことを特徴とする本
    原稿読み取り装置の頁めくり方式。
  4. 【請求項4】本原稿の頁をめくりながら本原稿を画像読
    み取り手段により読み取る本原稿読み取り装置におい
    て、本原稿の最上位頁の端部を吸着する吸着手段と、こ
    の吸着手段を上昇させることにより頁を上昇させる上昇
    手段と、この上昇手段により上昇させられるめくり頁が
    収納されるめくり頁収納部と、このめくり頁収納部に収
    納されるめくり頁を検知するめくり頁検知手段と、本原
    稿の1回目の頁めくりでは前記画像読み取り手段からの
    画像信号より本原稿のめくり開始方向の頁端部の前記吸
    着手段による吸着位置及び前記上昇手段による上昇位置
    を算出し、本原稿の2回目以降の頁めくりでは前記めく
    り頁検知手段によるめくり頁の前記めくり頁収納部への
    収納検知信号により本原稿のめくり開始方向の頁端部の
    前記吸着手段による吸着位置及び前記上昇手段による上
    昇位置を算出する算出手段とを備えたことを特徴とする
    本原稿読み取り装置。
  5. 【請求項5】本原稿の頁をめくりながら本原稿を読み取
    る本原稿読み取り装置において、本原稿を走査して読み
    取る画像読み取り手段と、本原稿の最上位頁の端部を吸
    着する吸着手段と、この吸着手段を上昇させることによ
    り頁を上昇させる上昇手段と、この上昇手段により上昇
    させられるめくり頁が収納されるめくり頁収納部と、こ
    の頁収納部に収納された頁をめくるめくり手段と、頁端
    部の前記吸着手段による吸着及び前記上昇手段の上昇を
    指示する指示手段とを備えたことを特徴とする本原稿読
    み取り装置。
  6. 【請求項6】本原稿の頁をめくりながら本原稿を読み取
    る本原稿読み取り装置において、本原稿を走査して読み
    取る画像読み取り手段と、本原稿の最上位頁の端部を吸
    着する吸着手段と、この吸着手段を上昇させることによ
    り頁を上昇させる上昇手段と、この上昇手段により上昇
    させられるめくり頁が収納されるめくり頁収納部と、こ
    の頁収納部に収納された頁をめくるめくり手段と、本原
    稿載置部の本原稿セット位置基準側に設けられ頁端部の
    前記吸着手段による吸着及び前記上昇手段の上昇を指示
    する指示手段とを備えたことを特徴とする本原稿読み取
    り装置。
  7. 【請求項7】本原稿の頁をめくりながら本原稿を読み取
    る本原稿読み取り装置において、本原稿を走査して読み
    取る画像読み取り手段と、本原稿の最上位頁の端部を吸
    着する吸着手段と、この吸着手段を上昇させることによ
    り頁を上昇させる上昇手段と、この上昇手段により上昇
    させられるめくり頁が収納されるめくり頁収納部と、こ
    のめくり頁収納部に収納されるめくり頁を検知するめく
    り頁検知手段と、1回目の頁めくりにおける頁端部の前
    記吸着手段による吸着及び前記上昇手段の上昇を指示す
    る操作入力手段と、前記めくり頁検知手段によるめくり
    頁の前記めくり頁収納部への収納検知信号により2回目
    以降の頁めくりにおける本原稿のめくり開始方向の頁端
    部の前記吸着手段による吸着位置及び前記上昇手段によ
    る上昇位置を算出する算出手段とを備えたことを特徴と
    する本原稿読み取り装置。
  8. 【請求項8】本原稿の頁をめくりながら本原稿を読み取
    る本原稿読み取り装置において、本原稿の頁をめくりな
    がら本原稿を読み取る画像読み取り手段と、めくり頁が
    収納されるめくり頁収納部と、このめくり頁収納部に収
    納されるめくり頁を検知するめくり頁検知手段と、前記
    画像読み取り手段からの画像信号を記憶する記憶手段
    と、1回目の画像信号出力では初回の頁めくり動作終了
    後に前記めくり頁検知手段によるめくり頁の前記めくり
    頁収納部への収納検知及び排出検知により本原稿の読み
    取り画像範囲を算出して前記記憶手段から画像信号を読
    み出して出力し、2回目以降の画像信号出力では読み取
    り動作終了直後に前回の頁めくり動作時における前記め
    くり頁検知手段によるめくり頁の前記めくり頁収納部へ
    の収納検知及び排出検知から本原稿の読み取り画像範囲
    を算出して前記記憶手段から画像信号を読み出して出力
    する画像出力手段とを備えたことを特徴とする本原稿読
    み取り装置。
  9. 【請求項9】本原稿の頁をめくりながら本原稿を読み取
    る本原稿読み取り装置において、本原稿を走査して読み
    取る画像読み取り手段と、本原稿の最上位頁の端部を吸
    着する吸着手段と、この吸着手段を上昇させることによ
    り頁を上昇させる上昇手段と、この上昇手段により上昇
    させられるめくり頁が収納されるめくり頁収納部と、こ
    の頁収納部に収納された頁をめくるめくり手段と、前記
    めくり頁収納部に収納されるめくり頁を検知するめくり
    頁検知手段と、前記画像読み取り手段からの画像信号よ
    り本原稿のめくり開始方向の頁端部の前記吸着手段によ
    る吸着位置及び前記上昇手段による上昇位置を算出して
    頁めくりを行わせ、前記めくり頁検知手段により頁めく
    りの不良を検知した場合に本原稿のめくり開始方向の頁
    端部の前記吸着手段による吸着位置及び前記上昇手段に
    よる上昇位置を指示するように誘導表示を行わせる制御
    手段とを備えたことを特徴とする本原稿読み取り装置。
  10. 【請求項10】請求項5,6,7または9記載の本原稿
    読み取り装置において、前記本原稿のめくり開始方向の
    頁端部の前記吸着手段による吸着位置及び前記上昇手段
    による上昇位置を指示する手段が本原稿が載置される原
    稿台の手前側外装部のスケールによりキー入力を行うこ
    とを特徴とする本原稿読み取り装置。
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