JP3229462B2 - 画像読み取り装置 - Google Patents

画像読み取り装置

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JP3229462B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機やファクシミリ
等に使用される画像読み取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機及びファクシミリ等における画像
読み取り装置としては、シート原稿を原稿読み取り位置
に自動的に搬送して原稿情報を読み取った後に原稿を原
稿読み取り位置から自動的に排出する自動原稿給送装置
(ADF)が知られている。このように、原稿がシート
原稿の場合には、ADFにより、その原稿情報の読み取
りを自動的に行うことができるが、原稿が本原稿の場合
には、本原稿の頁めくりを自動的に行う頁めくり機構の
実現が事実上困難であるため、現段階では、本原稿の頁
めくりを手動的にしか行うことができない状況にある。
【0003】一方、従来、手間のかかる本原稿の読み取
りを自動化するための方法や手段の提案が種々なされて
いるが、これらの従来技術は、アイデアのみの提案が多
く、およそ実現し得るレベルには到達していない。
【0004】こうした現状に鑑み、本出願人は、例え
ば、特願平2−193589号明細書等に開示したよう
に、シート原稿の読み取りだけでなく、本原稿の頁めく
り操作および原稿読み取り走査を自動的に行う画像読み
取り装置を提案した。この画像読み取り利装置では、図
37に示すように頁めくり読み取りユニット(以下、走
査ユニットという)200を有する。
【0005】この走査ユニット200は本原稿BOを露
光(照明)するための2本の本原稿読み取り用蛍光灯2
01,202と、コンタクトガラス206上のシート原
稿SOを露光するための2本のシート原稿読み取り用蛍
光灯203,204とを有し、シート原稿SOを読み取
る時には蛍光灯203,204が点灯して走査ユニット
200が左から右へ移動することによりシート原稿SO
を走査して読み取る。この場合、シート原稿SOからの
反射光は切り換えミラー222で反射されて第2ミラー
220及び第3ミラー221で複数回反射され、レンズ
216を透過して電荷結合素子(CCD)101により
受光される。
【0006】本原稿を読み取る場合には、蛍光灯20
1,202が点灯し、走査ユニット200が左から右へ
移動することにより本原稿BOを走査して読み取った後
に走査ユニット200が右から左へ移動してめくりベル
ト208により本原稿BOの1頁を吸着してめくり、こ
のような動作を必要な頁分だけ繰り返して行う。この場
合、切り換えミラー222は光路から退避し、本原稿B
Oからの反射光は第1ミラー219で反射されて第2ミ
ラー220及び第3ミラー221で複数回反射され、レ
ンズ216を透過してCCD101により受光される。
【0007】図8及び図9に示すように蛍光灯ドライバ
401,402は、図示しない制御部から入力される本
原稿予熱信号により蛍光灯201,202を予熱し、そ
れから所定の時間が経過した後に制御部から入力される
点灯信号により蛍光灯201,202を点灯させる。ま
た、蛍光灯ドライバ403,404は、図示しない制御
部から入力される本原稿予熱信号により蛍光灯203,
204を予熱し、それから所定の時間が経過した後に制
御部から入力される点灯信号により蛍光灯203,20
4を点灯させる。また、図10に示すように2つの蛍光
灯ヒータが制御部からのヒータ制御信号によりオン/オ
フされてオン時に蛍光灯201,202の加熱を同時に
行い、他の2つの蛍光灯ヒータが制御部からのヒータ制
御信号によりオン/オフされてオン時に蛍光灯203,
204の加熱を同時に行う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記画像読み取り装置
では、4つの蛍光灯201〜204をそれぞれ蛍光灯ド
ライバ401〜404により駆動するので、蛍光灯ドラ
イバ401〜404が多くなって構成が複雑になる。こ
のため、コストが高くなって装置の実装スペースに余裕
がなくなり、かつ、制御信号数が多くなる。また、蛍光
灯201〜204を加熱する4つの蛍光灯ヒータは1A
/1本のヒータを用いれば図10に示すように4Aの電
流が必要となり、電流容量の大きな電源が必要になる。
【0009】本発明は、上記欠点を改善し、簡単な構成
で蛍光灯を点灯させることができると共に、少ない電流
容量で蛍光灯を点灯させることができる画像読み取り装
置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、複数箇所でそれぞれ原稿を
露光する複数の蛍光灯と、この複数の蛍光灯を駆動する
蛍光灯駆動回路とを有する画像読み取り装置において、
前記複数の蛍光灯を選択的に切り替えて1つの蛍光灯駆
動回路に駆動させる蛍光灯切り替え手段を備えたもので
ある。
【0011】請求項2記載の発明は、複数箇所でそれぞ
れ原稿を露光する複数の蛍光灯を有する画像読み取り装
置において、前記複数の蛍光灯をそれぞれ加熱する複数
ヒータと、前記複数の蛍光灯の温度をそれぞれ検知す
複数の温度センサと、この複数の温度センサの検知信
号により前記複数のヒータを同時にオンさせない制御手
段とを備えたものである。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項2記載の画
像読み取り装置において、前記複数の蛍光灯を2箇所で
それぞれ原稿を露光する2組の蛍光灯とし、前記制御手
段を、1本の制御線を用いた制御信号により前記2箇所
で露光する2組の蛍光灯をそれぞれ加熱する2組のヒー
タの片方をオンさせた時に他方をオフさせ、この他方を
オさせた時に前記一方をオフさせる制御手段で構成した
ものである。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明では、蛍光灯切り替え手段
複数の蛍光灯を選択的に切り替えて1つの蛍光灯駆動
回路に駆動させる。請求項2記載の発明では、複数の
光灯が複数のヒータによりそれぞれ加熱されて複数の蛍
光灯の温度複数の温度センサによりそれぞれ検知さ
れ、制御手段が複数の温度センサの検知信号により複数
蛍光灯のヒータを同時にオンさせない。請求項3記載
の発明では、請求項2記載の画像読み取り装置におい
て、複数の蛍光灯は2箇所でそれぞれ原稿を露光する
組の蛍光灯とされる。制御手段、1本の制御線を用い
制御信号により2箇所で露光する2組の蛍光灯をそれ
ぞれ加熱する2組のヒータの片方をオンさせた時に他方
をオフさせ、この他方をオンさせた時に一方をオフさせ
る。
【0014】
【実施例】図11は本発明を応用した画像形成システム
の一例のデータ処理ブロックを示す。このシステムは、
本及びシート原稿読み取り装置(以下、TPS:Tur
ntha Page Scannerという)の原稿読
み取り画像を電子写真方式のプリンタにより複写出力す
る装置であり、TPSの画像読み取り部と画像データ処
理部、及び画像形成部に大きく分けられる。なお、本シ
ステムは頁めくり機能および画像読み取り機能との両機
能を1つのユニットに組み込んだ装置であるが、本原稿
の画像読み取り機能と頁めくり機能とをそれぞれ独立さ
せて構成することもできる。
【0015】TPSの走査キャリッジ右端部に配置した
画像読み取り部は、CCD(電荷結像素子)101を備
え、VPU(Video Processing Un
it)102でCCD101の駆動信号発生と、CCD
101のアナログ出力信号の補正からデジタル信号変換
までを行う。VPU102は、クロック及び主走査方
向、副走査方向のゲート信号に同期させ、各ドット8ビ
ットの読み取り画像データを約7.5MHzの速度でI
PU(Image Processnig Unit;
画像処理装置)103に出力し、このIPU103で変
倍等の加工処理や電子写真の高画質処理を行う。IPU
103の最終処理ではγ補正を含む階調処理を行い、書
き込みに適した各ドット4ビットのビデオデータに変換
して、その処理データをフレームメモリ104に蓄積す
る。
【0016】すなわち、このTPSでは、本原稿の読み
取り速度90mm/sec.,シート原稿の読み取り走
査速度120mm/sec.、作像速度180mm/s
ec.であり、読み取り走査速度と作像速度に差がある
ので、その速度バッファ用に、A3サイズ1頁分のフレ
ームメモリ104を用いている。また、このフレームメ
モリ104は、リピートコピー時の原稿保護に対して有
効であり、副走査方向の変倍においてもこれを用いるこ
とにより広範囲の変倍が可能となる。更に、このフレー
ムメモリ104は、本原稿の左右頁を独立させてプリン
トするページ連写の走査に用いられる。すなわち、IP
U103の速度対応性により各ドット4ビット構成のフ
レームメモリ104をIPU103の後に配置し、画像
処理後の書き込み画像データをフレームメモリ104に
格納することにより、各ドット8ビットの読み取り画像
データに対してフレームメモリ104の容量を半分にす
ることができる。
【0017】フレームメモリ104の容量は400DP
Iの画像データでA3サイズ1頁分の128Mビットで
あり、フレームメモリ104はDRAMによって構成さ
れる。フレームメモリ104への画像データ入力は2ド
ット分をパラレルに行い、約3.8MHzの速度で順次
に行う。一方、フレームメモリ104からの画像データ
出力は、同じく2ドット分をパラレルに行い、約7.5
MHzの速度でIPU103から送られるクロック及び
主走査方向、副走査方向のゲート信号に同期させてIP
U103へ順次に行う。IPU103では、フレームメ
モリ104によりプリンタの画像形成速度に同期して高
速出力された画像データを約15MHzのシリアル画像
データに変換し、FIFO(First In Fir
st Out)メモリを用いて更に主走査方向に高速化
して約18MHzの書き込みクロックに同期させる。そ
の各ドット4ビットの画像データは変調部で発光時間デ
ータにパルス幅変調され、レーザダイオード(LD)コ
ントローラにPWMデータとして書き込みクロックに同
期して送信される。LDコントローラは、そのPWMデ
ータによりLDドライバを介して電子写真方式のレーザ
プリンタのLD105を発光させて感光体を露光走査し
て作像する。
【0018】IPU103は、走査ユニット200の走
査制御も行い、シート原稿読み取り時には走査ユニット
200を走査速度120mm/sec.で等速走査し、
本原稿読み取り時には走査ユニット200を走査速度9
0mm/sec.で等速走査する。IPU103は、走
査ユニット200を走査開始位置に戻すリターン時は走
査ユニット200を180mm/sec.で駆動し、本
原稿の頁めくり時には120mm/sec.の速度でス
テッピングモータからなるスキャナモータ106を駆動
する。メイン制御板107は、作像に係わるセンサ類の
入力、及びモータ、ソレノイド、クラッチ等の出力によ
り、画像形成のシーケンス制御を行う。
【0019】次に、本例における画像読み取り信号処理
を説明する。CCD101は、約5000画素、400
DPIの読み取りが可能で、原稿の主走査方向1ライン
分の反射光を同時に読み取る。CCD101は蓄積され
た光データを電気信号に変換し、VPU102はその電
気信号のクランプ等の波形修正、増幅、A/D変換を行
って8ビットのデジタル信号としてIPU103へ出力
する。CCD101のアナログデータ出力は、高速転送
のためEVEN.ODDの2系統に分かれて出力され、
アナログスイッチで構成されるスイッチングICでシリ
アルのアナログ信号に合成される。この合成後の画像デ
ータの1画素の画像転送速度は、本原稿読み取りモード
時では約7.5MHzであり、これに同期してA/Dコ
ンバータで画像データが8ビット256階調のデジタル
信号に変換される。一方、可変増幅器では露光用蛍光灯
の光量変動を補正するために、基準白板の読み取りデー
タによりその増幅度を適正値にするように調節する。
【0020】図12はTPSにおける読み取りスキャナ
のデータ処理を示す。CCD101から読み出された主
走査方向に連続するアナログ画像データは、VPU10
2でクランプにより波形の基底レベルの調整が行われ、
画素クロックに同期して画像データのサンプルホールド
が行われる。次に、その読み取り露光光量やその画像デ
ータレベルに合わせて画像データの増幅率を可変するA
GC(Auto Gain Control)処理が行
われる。そしてA/D変換器により、アナログ画像デー
タが8ビットのデジタルデータに変換される。
【0021】CCD101で読み取られる原稿反射濃度
に対してリニアな読み取り画像データはVPU102で
視感度に合わせて効率よく階調を扱うように対数変換が
行われ、その対数変換は入出力8ビット/ドットのLU
T(LOOK UP TABLE)で行われる。画像濃
度を示す1画素毎のデジタル画像信号は、VPU102
からIPU103へ入力されて画像処理される。IPU
103は、複数のLSIで構成されて画像加工処理の
他、高画質処理の制御を行っており、その主な機能を以
下に説明する。
【0022】1.シェーディング補正 本システムのスキャナは、蛍光灯の直線光源を用い、ま
たレンズによる集光のため、CCD101の中央部で光
量が最大となり、端部では光量が低下してしまう。ま
た、CCD101には、素子個々の感度にバラツキがあ
る。そこで、IPU103では、画素毎の基準白板読み
取りデータにより、その両方をシェーディング補正して
読み取りデータを補正する。
【0023】2.MTF補正 レンズなどを用いた光学系では、レンズなどの性能によ
り周辺画素情報が影響して、CCD101による読み取
り出力がなまったように読み取られる。そこで、IPU
103では、1つの画素データを求める際に、その周辺
画素レベルにより補正することにより、再現性の高い画
像を得る。
【0024】3.主走査方向変倍 本装置では、画像の読み取りと書き込みの解像度が同一
の400DPIであるが、読み取り画像データのフレー
ムメモリ104読出し画素周波数が約15MHz、書き
込み画素周波数が約18MHzであってこれらが異なる
ため、その周波数変換を行っている。また、50%から
200%の主走査方向及び副走査方向の変倍を行ってい
る。この変倍は周辺画素データの演算で算出している。
【0025】4.γ補正 電子写真方式を用いたレーザプリンタの濃度再現特性
(プリンタのγ特性)は、リニアでなく、そのままの画
像データでは原稿濃度が忠実に再現されない。そこで本
装置では、画像データを変換テーブルを用いてプリント
特性に合わせた書き込み露光光量に変換している。ま
た、マニュアルの濃度調整時も、その変換値を変更する
ことで濃度調整を実現している。
【0026】その他、IPU103は、マスキング、ト
リミング、ミラーリング、白黒反転等の画像変換、原稿
サイズ、位置及び濃度検出、マーカー検出等の画像検出
等も行っている。
【0027】IPU103から送られてきた画像データ
は、LD105により光エネルギーに変換される。本装
置におけるプリンタ部の光書き込み方式には、レーザビ
ームをポリゴンミラーで偏向走査し、感光体上に露光し
て静電潜像を形成する方式が用いられている。また、L
D105の変調方式には、主に1ドット内の露光時間を
変調するパルス変調方式と、露光強度を変調するパワー
変調方式とがあり、本装置では前者の方式を採用してい
る。これにより、解像性及び階調性を備えた高画質が得
られる。
【0028】次に、TPSの本原稿露光方式について説
明する。本装置は、本原稿露光用光源としての2本の蛍
光灯201,202と、シート原稿露光用光源としての
2本の蛍光灯203,204とを備えており、すなわ
ち、計4本の蛍光灯を備えている。ここで、本原稿の露
光用光源としての2本の蛍光灯201,202は、図3
7に示すように、走査ユニット200の走査方向と直交
する方向の本原稿読み取りスリット位置に配置されたプ
ラテンガラス205の両端上部にそれぞれ配置されてい
る。これらの蛍光灯201,202は、プラテンガラス
205を通して本原稿BOを左右両側から露光し、本原
稿BOの読み取り時における左右の頁による濃度ムラや
本原稿綴じ部BOaの陰影をなくしている。一方、シー
ト原稿の露光用光源としての2本の蛍光灯203,20
4は、図37に示すように、走査ユニット200の上部
の走査方向と直交する方向のシート原稿読み取りスリッ
ト位置にそれぞれ配置されており、これらの蛍光灯20
3,204は、本装置の上面のコンタクトガラス206
を通して、このコンタクトガラス206上にスケール2
07に合わせてセットされたシート原稿SOを左右両側
から露光し、本原稿BOと同じくシート原稿SOの読み
取り時における濃度ムラや陰影をなくしている。
【0029】次に、TPSの読み取り画像データを増幅
するデータ増幅回路を用いて濃度ムラを補正する方式に
ついて説明する。図13は、読み取り画像データを増幅
するデータ増幅回路を示す。このデータ増幅回路では、
図12に示したように、CCD101の蓄積電荷を主走
査方向に転送出力し、クランプ、サンプルホールド、E
VEN/ODD画素合成等の波形補正を施したアナログ
信号を増幅する。この増幅された信号は、A/D変換さ
れてデジタルデータでIPU103に転送される。図1
3に示すデータ増幅回路は、非反転増幅回路で構成さ
れ、画像アナログ信号をアンプ301のVINに入力し、
このアンプ301により増幅された信号を出力端子VOU
Tより出力する。
【0030】図13において、Cはコンデンサ、G1〜
G5はデータ増幅値を設定する5ビットの信号入力であ
り、トランジスタQ1〜Q5がG1〜G5でオン/オフ
されて抵抗R3〜R7が接離されることによりアンプ3
01のゲインが設定される。通常、シェーディング補正
により算出された適正ゲインがG1〜G5によりセット
されて画像が読み取られる。図13の非反転増幅回路の
増幅率は、抵抗R1と、R2〜R7の並列抵抗で構成さ
れる抵抗値Rで決定され、 VOUT=VIN(1+R/R1) で表される。従って、このデータ増幅回路では、入力信
号G1〜G5の設定値により、およそ6から450倍ま
での32段階の倍率の選択が可能である。
【0031】そこで、このデータ増幅回路のゲインが調
整されることによって、本原稿綴じ部の彎曲や陰影によ
る濃度ムラの発生が防止される。具体的には、走査ユニ
ット200の走査開始位置からの走査制御位置により、
入力画像データの増幅ゲインが加算される。すなわち、
画像読み取り位置が本原稿綴じ部にさしかかった時点
で、画像データを薄い側にシフトさせて、原稿地肌濃度
を一定に保つように動作する。
【0032】一般に、公報等の見開き本原稿の左頁部分
は、その頁めくり動作によって増加して、この本原稿左
端部は、本の表紙位置を基準として上方且つ右方向に移
動していく。一方、本原稿の右頁部分は、その頁めくり
動作によって減少して、この本原稿右端部は、下方且つ
右方向に移動していく。このような、頁めくりの繰り返
し枚数に対する本原稿左端部の遷移例を図14乃至図1
6に示す。図14乃至図16では、載置された本原稿の
初期の見開き本原稿左端部の位置を“0”として、その
頁めくり動作により増加する本原稿左端部の右方向への
移動量を変位量で表わしている。また、図14乃至図1
6では、本原稿左端部の右方向への変位量をプラスとし
て、この変位量をミリ単位で表示した。ここで、図14
は本の厚み20mm,総頁数750頁、図15は本の厚
み12mm,総頁数300頁、図16は本の厚み9m
m,総頁数180頁で、本のサイズは全て見開きB4サ
イズである。図14乃至図16に明らかなように、これ
らの本原稿左端部はその頁めくりによって右方向に変位
するが、この変位により中央綴じ部の形状が変わるた
め、本原稿左端部の変位量は必ずしも単調増加とはなら
ない。また、本原稿はその頁めくりにより中央綴じ部が
左右方向にスライドするため、図15及び図16に示す
ように、その頁めくり過程で逆に減少する地点も生じ、
図16に示す薄手の本原稿に至っては、左方向(マイナ
ス方向)へも変位している。更にこれらの変位量は、本
原稿のサイズや厚さ、及び紙質等によっても左右され
る。
【0033】そこで、本例では、このような本原稿の端
部の変位に係わらずに、画像の取り込みやプリントに適
した画像有効範囲(見開かれた本の頁面)が得られるよ
うにするために、読み取りセンサ(CCD101)の画
像読み取り情報により、この本原稿の見開かれた頁の端
部の位置を検出し、この本原稿端部位置を基準として本
原稿の画像有効範囲を得るようにする。本例により検出
された本原稿のエッジ部(表紙端部)は、見開きサイズ
がA3の場合、その読み取り位置で中央セット位置より
およそ210mm、走査ユニット(頁めくり読み取りユ
ニット)200のホームポジションからおよそ30mm
の位置である。
【0034】本例における本原稿の端部の検出は、端部
検出部にて読み取りセンサの特定画素による読み取り情
報の副走査方向への変化により行う。読み取りセンサの
読み取りデータは、本原稿エッジ部で図17に示したよ
うになる。ここで、本原稿の左端部では、読み取り原稿
面がセンサ結像点より下方に位置しているため焦点がず
れ、僅かにぼやけた画像となる。また、読み取り位置が
原稿に達していない時は、原稿台または本裏表紙部が読
み取られ、黒画像と同じレベルとなる。センサ読み取り
位置が本原稿端部に達すると、原稿頁のエッジ群による
縞模様部分が検出される。一般に、ほとんどの本は、そ
の頁の地肌が白色で、本原稿端部から十数ミリの部分に
は文字や画像がない。そこで、この均一色(白色)が続
いた時点で、本原稿端部と判断する。この本原稿の端部
検出は、その頁めくり走査の最後に、上記の画像読み取
り方向とは逆方向で検出する。上述のように、読み取り
センサの出力情報により原稿面を検出することによっ
て、本原稿の端部の変位に係わらず、画像の取り込みや
プリントに適した画像有効範囲が得られる。
【0035】一般に、見開き本原稿BOの原稿端部は、
図18のように原稿頁のエッジ群が傾斜状に積み重なっ
て構成され、端部の傾斜と逆方向からの照明に対し、原
稿頁の端部に陰を生じ原稿頁のエッジ群による縞模様を
強調されて読み取られる。本装置では、本原稿読み取り
時はその左右頁を均一に読み取り、本原稿の綴じ部の彎
曲部まで読み取るために、原稿面の左右から一対の蛍光
灯で露光照明を行っている。そこで、本例では、上記の
本原稿端部の検出時において、片方の蛍光灯を消灯また
は減光して本原稿端部の原稿頁のエッジ群による縞模様
を強調し、原稿端部の位置検出の精度を向上させる。ま
た、頁めくりのための右頁吸着のための見開き本原稿の
右頁端部の検出においては、右側の蛍光灯202のみを
消灯して読み取る。
【0036】ところで、上述のようにして本原稿のエッ
ジ群により本原稿の端部を検出する方法では、本原稿の
読み取り頁内に頁のエッジ群による縞模様に類似した画
像がある場合、本原稿端部の検出を誤る可能性がある。
そこで、本原稿端部を検出する第2の方式としては、一
対の蛍光灯の両側からの露光照明による画像と、一方の
みの蛍光灯の片側からの露光照明による画像との比較に
より、本原稿端部の検出精度を高めるようにする。
【0037】すなわち、この方法では、本原稿端部の検
出時において、片方の蛍光灯を消灯または減光し、本原
稿端部の頁のエッジ群による縞模様を強調して読み取る
第1のモードと、両蛍光灯により露光照明して本原稿端
部の頁のエッジ群による縞模様を強調して読み取る第の
2モードとを切り換え、この第1のモードと第2のモー
ドとの画像読み取りデータを比較して、両者の画像読み
取りデータに差が生じた場合の読み取りデータを本原稿
端部の検出データとする。一方、第1のモードと第2の
モードとの画像読み取りデータを比較して、両者の画像
読み取りデータの差が少なければ、この読み取りデータ
は平面上に構成されている画像の読み取りデータである
と判断し、本原稿頁内にプリントされた画像の読み取り
データであると認識する。また、この第2の方式は、本
原稿端部の検出結果が疑わしい場合にのみ、その確認の
ために実施するようにしてもよい。このように、この第
2の方式によれば、本原稿端部の位置検出の精度をより
向上させることができる。
【0038】図19乃至図23は本装置の本原稿モード
の複写動作タイミングを示す。ここで、これらの図中に
おける数字は本原稿の読み取り頁ナンバーを示してお
り、2頁と3頁、4頁と5頁が原稿の見開き頁を構成し
ている。また、フレームメモリ104の読出し信号メモ
リRの符号R及びLは、それぞれ読出し画像データの右
頁(R)及び左頁(L)を表わしている。更に、各モー
ドの本原稿の頁サイズはA4サイズで、本原稿の見開き
2頁を走査ユニット200の1回の走査で連続して読み
取り、フレームメモリ104内にA3サイズ分の読み取
りデータを記憶し、各出力モードに応じてこのフレーム
メモリ104より記憶データを読出してプリンタで感光
体に作像して転写紙に記録する。
【0039】図19は、A3サイズの転写紙に見開き状
態の画像を出力し、本原稿に対し1部の複写を行う1t
o1複写モードである。図20は、A4サイズの転写紙
に読み取り左右頁の各画像をそれぞれ別々の転写紙に独
立頁毎に出力し、同じく本原稿に対し1部の複写を行う
1to1複写モードである。図21は、図20と同様に
独立頁出力で、複写設定枚数2枚において本原稿に対し
2部の複写を行う2枚複写モードである。
【0040】図19の本原稿モード動作タイミングにお
いて、複写開始を指示するプリントキーをオンすると、
走査ユニット200を走査するスキャナモータ106が
逆転方向へ駆動され、中央部に位置していた走査ユニッ
ト200が読み取り開始方向へ移動される。この走査ユ
ニット200の移動途中で、右側の蛍光灯202が点灯
し、読み取りセンサ(CCD101)が駆動されて前述
のように、見開き本原稿の左頁端部が走査されながら本
原稿端部が検出される。そして、走査ユニット200が
見開き本原稿の左頁端部より約30mm地点の読み取り
開始位置へ移動した時点で、スキャナモータ106が正
転方向へ駆動され、両方の蛍光灯201,2012が点
灯して読み取り走査が開始される。この走査による読み
取りデータは、上述のようにして検出された見開き本原
稿の左頁端部地点から原稿画像データとして処理され、
読み取り副走査方向の有効画像領域信号SFGATEが
発生する。そして、この領域信号SFGATEによって
フレームメモリ104のデータ書き込み信号メモリWが
操作され、データ書き込み範囲が制御される。また、I
PU103は、スキャナモータ106の制御アドレスか
ら、見開き本原稿綴じ部の中央地点を認識し、これを、
独立頁出力モード時の第2の画像の基準位置や、見開き
頁出力モード時で読み取り画像を転写紙の中央に形成す
る場合等に用いる。次いで、走査ユニット200が見開
き本原稿の右頁端部に達した時点で、前述のように右側
の蛍光灯202が消灯して読み取りが行われ、本原稿の
右頁端部が検出されてIPU103が次の頁めくり時の
頁吸着位置を算出する。上述のようにして読み取り走査
をすると復動の頁めくり走査に入り、プリンタで画像形
成を開始する。これにより、プリンタ側の副走査方向の
有効画像領域信号PFGATEによってフレームメモリ
104のデータ読出し信号メモリRが操作され、フレー
ムメモリ104からプリンタの動作に同期してデータが
出力されてプリンタで画像が出力される。また、この頁
めくり時に、見開き本原稿の左頁端部が走査されながら
本原稿端部位置が検出される。以上の工程が繰り返し実
行されることにより、本原稿の頁が自動でめくられなが
ら本原稿の見開き頁の複写が行われる。
【0041】図20は、読み取りデータを独立頁毎に出
力する1to1複写モードで、読み取りモード時は図1
9と同様のタイミングで動作し、頁めくり時の画像出力
では、連続して搬送される転写紙に合わせて2つのPF
GATEによってフレームメモリ104のデータ読出し
信号メモリRが操作され、頁毎の画像データが出力され
る。ここで、本原稿右頁の画像データは、IPU103
がフレームメモリ104のアドレスカウンタをPFGA
TEによってマスクして停止させることにより、左頁の
第1の画像に連結した画像データを第2のPFGATE
信号により転写紙間隔を持って読み出す。
【0042】図21は、図20と同様に独立頁の2枚複
写モードで、読み取りモード時は図19と同様のタイミ
ングで動作し、頁めくり時の画像出力では、連続して搬
送される転写紙に合わせて複数のPFGATEによって
フレームメモリ104のデータ読出し信号メモリRが操
作され、頁毎の画像が複数枚出力される。本例では、初
めに読み取り左頁の画像を2枚出力し、次に読み取り右
頁の画像を2枚連続で出力する。ここで、走査ユニット
200は、プリンタ部が画像出力を行っている間に、頁
めくり走査を終了しており、その読み取り走査開始位置
で停止して、次の読み取り走査に備えて待機している。
【0043】図22,図23は、本原稿両面モードの動
作タイミングで、転写紙両面に本原稿の頁の表裏と同様
の構成の画像を複写するものである。図22は、従来か
らの方式で、読み取り頁順に複写するモードである。こ
のモードでは、見開き本原稿の右頁データがフレームメ
モリ104から読み出されて転写紙の表面に形成され、
次いでこの転写紙が反転されて両面搬送路を経由して両
面スタック位置に搬送される。一方、TPSでは左方向
の走査により1回の頁めくりを行い、次の見開き頁を読
み取り、この読み取りデータをフレームメモリ104に
記憶する。そして、搬送を終了した転写紙が再給紙され
て見開き本原稿の左頁データがフレームメモリ104か
ら読み出され、このデータが転写紙の裏面に形成されて
転写紙が排出される。この図22に示す従来方式では、
転写紙の両面への画像形成のための反転や搬送パスによ
り、転写紙の再給紙までに時間がかかり、その両面複写
の生産性を低下させていた。
【0044】図23は、上述の課題に鑑みてなされたも
のであって、フレームメモリ104を用いて読み取り頁
順とは変えて画像形成する1to1高速両面モードであ
る。この方式では、第1に、見開き右側の1頁の画像が
第1の転写紙の表面に作像されて第1の転写紙が両面搬
送路を経由して両面スタック位置に搬送される。第2
に、見開き2,3頁が読み取られてその読み取り画像デ
ータがフレーム104に記憶される。第3に、先に3頁
の画像データがフレームメモリ104から読み出されて
第2の転写紙の表面に作像され、第2の転写紙が両面搬
送路を経由して両面スタック位置に搬送される。第4
に、両面スタック位置の第1の転写紙が再給紙され、2
頁の画像データがフレームメモリ104から読み出され
てこのデータが第1の転写紙の裏面に形成されて第1の
転写紙が排出される。以下、読み取り見開き頁と逆順に
順次に画像が出力されることにより、本原稿の両面複写
が高速に行われる。すなわち、転写紙両面への画像形成
のための反転や搬送パスによる、転写紙の再給紙までに
要する両面搬送所要時間は、図22と図23とでそれぞ
れ同じであるが、後者では、第1の転写紙の搬送期間中
に、次の第2の転写紙への画像形成を実施するようにし
ているので、転写紙の反転再給紙のための待ち時間を解
消した連続複写ができ、従来の1.5から2倍程度の複
写生産性を得ることができる。
【0045】図24はTPSの電装ブロック図を示す。
図24において、TPS制御ボード110は、ワンチッ
プCPU、外部ROM、RAM、I/O、タイマ、及
び、シリアルインターフェースからなり、TPS全体の
制御を行っている。このTPS制御ボード110は、シ
リアルインターフェースにより操作表示制御部111と
プリンタ部112に接続されており、それぞれの間でコ
マンド及びデータのやり取りが行われている。読み取り
ユニット駆動ドライバ113は、走査ユニット200の
スキャナモータ106を正逆転駆動させて原稿を走査さ
せる。この原稿走査に先立って、中央HPセンサ114
と端部HPセンサ115との2つのセンサにより、走査
ユニット200のホームポジションが検出される。ここ
で、本原稿読み取り時は、中央HPセンサ114の検出
位置が走査ユニット200のスタート位置となってい
る。図37に示すように、走査ユニット200内には、
本原稿BOの頁を静電吸着によりめくり込むためのめく
りベルト208があり、本原稿頁は、このめくりベルト
208上に高圧電源116により電荷パターンを形成す
ることにより、めくりベルト208上に静電吸着され
る。そして、このめくりベルト208上に静電吸着され
た原稿頁のめくり込みは、めくりベルト上下ソレノイド
117によりめくりベルト208を上方に揺動させて、
吸着された頁端部を走査ユニット200側に持ち上げる
ことによって行われる。この時、頁めくりセンサ118
によって、原稿頁がめくられたか否かが検知される。こ
の頁めくり時に、頁めくりセンサ118の検知が所定の
タイミングで行われなかった場合には、その頁めくり走
査が再実行される。
【0046】ミラー切り換えソレノイド119は、切り
換えミラー222を光路に対して進退させて本原稿専用
の下読み取りの光路と、シート原稿等の一般的な上読み
取りの光路との切り換えを行うソレノイドであって、キ
ープソレノイドを使用することにより、光路切り換え時
のみソレノイドに通電するようになっている。原稿照明
用の光源としては、前述したように、走査ユニット20
0の上下の各読み取り部に配設した各2灯の蛍光灯20
1,202、及び203,204がそれぞれ使用されて
いる。各蛍光灯201,202,203,204には、
光量センサ201a,202a,203a,204aが
それぞれ取り付けられており、各蛍光灯の光量は、フィ
ードバックによりそれぞれ一定光量に制御される。ま
た、各蛍光灯201,202,203,204には、ヒ
ータ201f,202f,203f,204fと、サー
ミスタ201g,202g,203g,204gとがそ
れぞれ取り付けられており、これらのヒータとサーミス
タによって各蛍光灯の温度制御が行われている。
【0047】原稿画像は、各蛍光灯の照明によりミラー
及びレンズを通り、VPU102に接続されているCC
D101に結像される(詳細は後述)。VPU102
は、CCD101を駆動するクロックを発生し、CCD
101から出力されたアナログの画像信号をA/Dコン
バータによりデジタル値に変換して、フレームメモリ1
04とIPU103を通してプリンタ部112に出力す
る。ここで、フレームメモリ104は、TPSの読み取
り線速とプリンタ部112のプロセス線速のバッファに
使用される。また、IPU103では、画像データの画
像処理が行われる。
【0048】以下、本発明のTPSにおける原稿台ユニ
ットの構成について説明する。図25乃至図27に示す
ように原稿台1は、厚さが2mmの樹脂製の板で形成さ
れており、その上側の表面には、極薄いゴムなどの摩擦
係数の高い材料が貼り付けてある。この高摩擦係数材料
は、ラミネートやコーティング、及び吹き付けなどによ
り、原稿台1の上面に形成してもよい。原稿台1は、そ
の原稿載置面(上面)の大きさがA4サイズに形成され
ており、装置本体中心2の左右に、それぞれ1つずつ配
設されている。また、各原稿台1の下には、スライド板
3がそれぞれ固定されている。各スライド板3は、その
前後と外側面の3方が下方に曲げられた板金で構成され
ており、それぞれの前後の側面の装置本体中心2の近傍
に、調整スタッド4がそれぞれ固定されている。各調整
スタッド4の端部には、後述するスライダのピンが嵌合
するための穴があいている。
【0049】一方、スライド板3の下面は、上下台5の
摩擦係数の低い上面と接している。ここで、上下台5の
上面は、テフロンなどの樹脂のリブが形成されていて、
スライド板3とスムーズに左右に相対移動できる。ま
た、スライド板3と上下台5は、後述するサイズストッ
パ27により相対的に固定される。上下台5の下側に
は、左右方向の長穴のあいたアングル7a,7bが前後
左右4ヵ所に付いている。この原稿台ユニットのベース
6には、固定回転軸を持つ他のアングル8、左右方向の
長穴のあいた更に他のアングル9がそれぞれ固定されて
いる。ここで、アングル8とアングル7bにはリンク板
10が、アングル9とアングル7aにはリンクアーム1
1が、それぞれ回転自在に軸支されており、且つ、アン
グル7a,7a,9に対しては、リンク板10及びリン
クアーム11が、それぞれ左右方向にスムーズにスライ
ドできるようになっている。更に、原稿台ユニットの全
面から見て、前後に各2個あるアーム板10とリンクア
ーム11は、X字状の交差部分でスタッド12により互
いに回転自在に軸支されている。また、このスタッド1
2をねじり中心として、ねじりバネ13がリンク板10
とリンクアーム11との間に掛けられており、このねじ
りバネ13により、図25において、上下台5を常時上
方に押し上げる力が働いている。この上昇力による上下
台5の上昇は、後述するように上下動の規制されている
走査ユニット200に、原稿台ユニット上にセットされ
た本原稿の原稿面が当接することによって規制される。
これにより、スキャナユニット30に対する加圧力が、
本原稿の厚さの違いに係わらず略一定に維持される。
【0050】また、左右2つの上下台5の装置本体中心
2がわの端部は、背支持板14により互いに連結されて
いる。この背支持板14は、ゴムなどの弾性変形する材
質で構成されていて、この背支持板14上に本原稿BO
の背表紙がセットされる。また、背支持板14は、後述
する引っ張りスプリング17の作用により左右方向に常
に張力を掛けられている。すなわち、上下台5にはフッ
ク15が設けられており、このフック15とリンク板1
0のアングル16とが引っ張りスプリング17で繋がれ
ることにより、左右一対の上下台5が互いに離間する方
向に引っ張られている。これにより、背支持板14に対
して常時張力がかけられ、弛むことなく本原稿の背表紙
が支持される。
【0051】ベース6の両サイドには、板金製の側板1
8が固定されており、各側板18には、後述するスキャ
ナユニット30の開閉ロック爪32が掛る固定ピン19
が付いている。また、一方の側板18には、スキャナユ
ニット30が閉じた時にこれを上方に押し上げておくた
めの板バネ21と、スキャナユニット30が閉じた状態
を検知するための開閉ロックセンサ20が取付けられて
いる。
【0052】次に、サイズストッパ27について説明す
る。このサイズストッパ27は、載置される本原稿の厚
さに応じて、左右の原稿台1の間隔を調整し、スライド
板3(原稿台1)と上下台5を相対的に固定し、原稿台
1と上下台5とが互いに一体となって動くようにするた
めの装置である。図28及び図29は、この装置の概略
構成図を示す。図26に示すように、上下台5の下側に
一対のアングル22が所定の間隔をおいて取付けられて
いる。これらのアングル22には、図28に示すよう
に、ロッド23が横架されて固定されている。このロッ
ド23には、摺動体24が自身の貫通孔を通して、ロッ
ド23の長手方向にスムーズにスライドできるように装
着されている。この摺動体24には、ロッド23と直交
するように短軸26が植設されており、この短軸26に
はストッパ25が回転自在に支持されている。ここで、
ストッパ25は、その一方の端部に穿たれた係止穴25
aがロッド23に緩く嵌合し、他端部が指で掴めるよう
に延出されている。
【0053】摺動体24は、ロッド23に対してストッ
パ25が傾くことにより、ロッド23とストッパ25の
係止穴25aとが噛み合うことによって、ロッド23の
任意の位置に固定される。すなわち、摺動体24は、通
常はストッパ25が係止スプリング28によって傾き、
ロッド23とストッパ25とが一体化されることにより
ロッド23に固定されているが、図29において係止ス
プリング28の弾力に抗する方向に、オペレータがスト
ッパ25の延出端部を指で回転させることにより、ロッ
ド23とストッパ25の係止穴25aとの噛み合いが外
れて、このストッパ25と共にロッド23に沿って移動
できる。また、この摺動体24はスライド板3に固定さ
れている(図示せず)。従って、上述のようにして、こ
の摺動体24をロッド23の所定位置に固定することに
よって、この摺動体24及びロッド23を介して、スラ
イド板3(原稿台1)と上下台5とを、相対的に任意の
位置で固定できる。
【0054】次に、原稿台ユニットの開閉ロック機構に
ついて説明する。図30及び図31は開閉ロック機構の
概略構成図を示す。本例のTPSは、図30及び図31
に示すように、原稿台ユニット35の上にスキャナユニ
ット30が乗った構成になっている。これらの両ユニッ
ト30,35は、TPSの後側に配設されたヒンジ36
によって互いに連結されており、TPSの前側が開放さ
れるシェル型開閉構造になっている。このTPSにおけ
る原稿台ユニットの開閉ロック機構は、両ユニット3
0,35の前方部分に配設されている。前述したよう
に、側板18には、固定ピン19が付いている。また、
図30に示すように、スキャナユニット30側には、左
右側板に亘ってシャフト31が回転自在に軸支されてお
り、このシャフト31の両端に固定された開閉ロック爪
32が、このシャフト31の回転に合わせて回動するよ
うになっている。また、シャフト31の中央付近には、
開閉レバー33が固定されており、この開閉レバー33
を回動させることにより、シャフト31を介して、原稿
台ユニット35側の固定ピン19に対して各開閉ロック
爪32を係脱させるようになっている。この開閉レバー
33にはスプリング34が掛っており、このスプリング
34は、平生、開閉ロック爪32が固定ピン19に係合
(ロック)する方向に開閉レバー33を付勢している。
これにより、スキャナユニット30は、図30に示すよ
うに閉じた状態で、開閉ロック爪32が固定ピン19に
係合して、原稿台ユニット35に対してロックされる。
また、この閉鎖状態において、スプリング34の付勢力
に抗して開閉レバー33を持ち上げることにより、シャ
フト31が回転して原稿台ユニット35側の固定ピン1
9から各開閉ロック爪32が離脱され、図31に示すよ
うに、スキャナユニット30がヒンジ36を回転中心と
して上方に開いて、原稿台ユニット35の上部(原稿台
1)が開放される。
【0055】次に、本例の原稿台加圧固定切り換え装
置、及び、原稿台待避装置について説明する。前述した
ように、リンク板10とリンクアーム11とによって上
下方向に移動可能に構成されている原稿台1には、ねじ
りバネ13により常に上昇しようとする力が付勢されて
いる。これにより、原稿台ユニット35に対してスキャ
ナユニット30が閉じられた状態では、この原稿台1の
上昇習性により、原稿台1上に見開かれて載置された本
原稿BOの原稿面を、スキャナユニット30の下部に押
し付けるように常に上方に加圧している。この本原稿B
Oの原稿面の押圧力は、通常、スキャナユニット30内
の走査ユニット200が受けているが、この走査ユニッ
ト200が原稿台1上の本原稿から外れた位置に移動し
た状態では、原稿台1の上昇習性によって、原稿台1及
び本原稿BOがスキャナユニット30内に食い込んで、
走査ユニット200のスムーズな移動が阻害されてしま
う。従って、本例では、原稿台1が適切な位置まで上昇
した状態で、この原稿台1を固定して、原稿台1の上昇
習性による原稿台1及び本原稿BOのスキャナユニット
30内への余分な食い込みを阻止する必要がある。ま
た、後述するように走査ユニット200内の走査光路を
切り換えて、スキャナユニット30の上部に配置された
コンタクトガラス206上の原稿を読み取るときには、
走査ユニット200の下部と原稿台1の上面とが接触し
ないように、原稿台ユニット35の下方に原稿台1を待
避させておく必要がある。
【0056】原稿台加圧固定切り換え装置、及び、原稿
台待避装置は、これらの課題を解消するための装置であ
り、これらの両装置を1つの機構で兼用させる仕組の構
成例を図32乃至図37に示す。
【0057】この機構の構成部品の1つである制御ワイ
ヤ40には、図32に示すように、その一端にフック4
1が、また、その他端に他のフック42が、更に、その
略中央部付近に球状の止め玉45がそれぞれ固定されて
いる。フック41は、リンク板10の外側端部(原稿台
1の上昇下降によって上下する側)に固定されている。
このフック41から延びた制御ワイヤ40は、プーリ4
6,プーリ47を介して方向を変換し、制御プーリ48
に巻き付けられている。ここで、制御ワイヤ40は、図
33及び図34に示すように、制御プーリ48の溝50
に導かれて、その中央部付近に固定された止め玉45が
制御プーリ48の止め穴49にはめ込まれている。これ
により、この制御ワイヤ40の動きが、制御プーリ48
の回転運動に確実に変換される。この制御プーリ48に
巻かれて延出した制御ワイヤ40は、その一方の端部の
フック42に掛けられた張架バネ43の一端によって常
に引っ張られている。この張架バネ43の他端は、原稿
台ユニット35のベース6に固定されたフック44に掛
けられている。
【0058】制御プーリ48は、図33に示すように、
ワンウエイクラッチ51を介してシャフト54に支持さ
れている。このシャフト54は、一対の側板55に支持
された滑り軸受52に、その両端がEリング53で抜け
止めされることによって、滑り軸受52を介して側板5
5に対して回転自在に支持されている。これにより、制
御プーリ48は、シャフト54に対して図34の矢印a
方向には自由に回転できるが、この矢印aと反対の方向
には、ワンウエイクラッチ51の作用によって、シャフ
ト54と相対回転することができず、このシャフト54
と一体となって回転する。従って、後述する機構によっ
てシャフト54が固定されると、制御プーリ48は、図
32において矢印a方向、すなわち、原稿台1が下降す
る際の回転方向にのみ回転可能な状態になる。
【0059】次に、この原稿台加圧固定切り換え装置に
よる原稿台1の下降・固定動作について説明する。
【0060】図32乃至図34において、シャフト54
が固定された状態にあるとき、何らかの外力、例えば、
本原稿BOの自重やめくられた頁による加圧などによっ
て、原稿台1が押し下げられると、この原稿台1がわに
固定されている制御ワイヤ40のフック41がわの端部
が弛む。これと同時に制御プーリ48が、張架バネ43
に引っ張られて、この制御ワイヤ40のフック41がわ
の弛みを吸収しながら矢印a方向に回転し、制御ワイヤ
40が初期の張力を維持してフック44がわに移動す
る。このとき、制御プーリ48は、ワンウエイクラッチ
51の作用によって、矢印aと反対の方向に回転するこ
とができないので、原稿台1の上昇力が原稿台1に対す
る押下力を上回っていても、この原稿台1の上昇力によ
って制御プーリ48が矢印aと反対の方向に回転される
ことはなく、この制御プーリ48は矢印a方向に回転し
た位置を維持して停止される。また、この制御プーリ4
8の停止に伴って、制御ワイヤ40の移動も停止され、
これによって、原稿台1は、外力により押し下げられた
位置まで下降して停止する。
【0061】ここで、シャフト54の固定は、以下に述
べる原稿台昇降機構によって行われる。すなわち、シャ
フト54には、図35に示すように、ギヤ56がシャフ
ト54と一体となって回転するように固定されている。
また、このギヤ56は、図36に示すように、側板55
に固定されたスタッド59に回転自在に支持されている
他のギヤ57に噛み合っており、その回転がギヤ57に
伝達されるように構成されている。更に、ギヤ57はウ
ォームホイール58と一体成形されており、このウォー
ムホイール58には、原稿台昇降モータ61の出力軸に
固定されたウォームギヤ60が噛み合うように構成され
ている。この構成により、原稿台昇降モータ61が停止
しているときには、ウォームギヤ60とウォームホイー
ル58との噛み合いによって、ウォームホイール58が
回転できず、このウォームホイール58と一体のギヤ5
7に噛み合っているギヤ56を介して連結されたシャフ
ト54が固定状態となる。
【0062】次に、原稿台1の原稿台ユニット35の下
方への待避動作について説明する。図35乃至図37に
おいて、ギヤ56が矢印b方向に回転するように原稿台
昇降モータ61を駆動すると、ワンウエイクラッチ51
により制御プーリ48とシャフト54とが一体となって
回転し、この制御プーリ48が図32において矢印a方
向に回転して、制御ワイヤ40がフック44がわに移動
する。この制御ワイヤ40の移動により、図37におい
て、左右の各原稿台1が下降し、各原稿台1の上面(本
例では本原稿BOの原稿面)が、走査ユニット200か
ら離間した、原稿台ユニット35の下方位置に待避され
る。この待避動作は、装置本体の電源オン時や読み取り
走査を行わない待機時、及び、スキャナユニット30の
上部に配置されたコンタクトガラス206上の原稿の読
み取り時に実行される。
【0063】次に、原稿台1の原稿台ユニット35の上
方への加圧動作について説明する。上述の待避動作時と
は逆に、図35乃至図37において、ギヤ56が矢印c
方向に回転するように原稿台昇降モータ61を駆動する
と、シャフト54が図29における矢印a方向と反対の
方向に回転し、ワンウエイクラッチ51の作用によって
制御プーリ48がシャフト54に対してフリー回転可能
な状態になる。ここで、本例では、原稿台1を上方に押
し上げているねじりバネ13の力が、制御ワイヤ40を
下方に引っ張っている力よりも強く設定されている。従
って、このように制御プーリ48が矢印a方向と反対の
方向にフリー回転できる状態では、原稿台1を上方に押
し上げようとするねじりバネ13の力によって、制御ワ
イヤ40がフック41がわに移動する。この制御ワイヤ
40の移動により、図37において、左右の各原稿台1
が上昇し、各原稿台1の上面に見開いて載置された本原
稿BOの原稿面が、走査ユニット200に加圧される。
このように左右の各原稿台1が上昇して、各原稿台1上
の原稿面が走査ユニット200に圧接した状態で、原稿
台昇降モータ61を駆動し続けると、ワンウエイクラッ
チ51の作用によって制御プーリ48に対してシャフト
54がフリー回転可能な状態になって、原稿面の走査ユ
ニット200への圧接状態が持続される。この加圧動作
は、後述するように、原稿台1の上に走査ユニット20
0がある時だけ実行される。
【0064】この原稿台加圧固定切り換え装置、及び、
原稿台待避装置は、図37に示すように、左右一対の原
稿台1に対してそれぞれ1組ずつ配設されており、走査
ユニット200の移動位置に応じて、それぞれ独立して
制御される。すなわち、この原稿台加圧固定切り換え装
置、及び、原稿台待避装置の駆動源となる左右1組の原
稿台昇降モータ61は、図24に示すように、TPS制
御ボード110により、各原稿台昇降モータドライバ1
21を介して、それぞれ独立して制御される。
【0065】上述した待避動作モード時における原稿台
1の下方への待避動作図を図38に、タイミングチャー
トを図39に示す。この待避動作モードでは、図39に
示すように、走査ユニット200の移動開始に先立っ
て、左右の原稿台昇降モータ61をそれぞれ所定の回転
数だけ逆転させて、図38に示すように、左右の原稿台
1を下方へ下げる。その後、スキャナモータ106を駆
動し、走査ユニット200を所定の方向に移動させて走
査を行う。ここで必要であれば、この走査を何度も繰り
返す。そして、この待避動作モード終了時に、左右の原
稿台昇降モータ61を所定の回数だけ正転させて、左右
の原稿台1を元の位置に戻す。
【0066】次に、原稿台1の加圧・固定モードについ
て説明する。このTPSに本原稿BOをセットするとき
は、図40に示すように、本原稿BOの背表紙を背支持
板14に当てて、図28に示したサイズストッパ27を
外してスライド板3を本原稿BOの厚さに合わせて移動
させる。このスライド板3の移動により本原稿BOの背
表紙を左右の原稿台1の内側の端部で挾み付け、この状
態でそれぞれのスライド板3をサイズストッパ27で固
定した後、本原稿BOの読み取り開始頁を開き、この見
開き本原稿を左右の原稿台1上にセットしてスキャナユ
ニット30を閉じる。これにより、図30に示したよう
に、開閉ロック爪32が固定ピン19に係合して、原稿
台ユニット35に対してスキャナユニット30が閉じた
状態でロックされる。この時、開閉ロックセンサ20に
よってスキャナユニット30が閉じられたことが検知さ
れる。
【0067】ところで、このTPSの動作終了時には、
走査ユニット200が、図42に示す中央ホームポジシ
ョン(セットされた本原稿BOの中心ポイント)に戻
る。従って、このTPSに本原稿BOをセットする時
も、その走査ユニット200が中央ホームポジションに
位置している。これにより、本原稿BOがTPSの中央
を基準としてセットされるので、そのスキャナユニット
30を閉じたときに、どんな大きさの本原稿でも確実に
押えることができ、その本原稿のセット性が向上され
る。また、このように中央基準として本原稿をセットす
ることにより、本原稿の読み取り頁めくりを原稿台1上
で行うときの制御タイミング(読み取り開始;読み取り
終了タイミング、頁めくり開始タイミング等)を比較的
取り易くなる。更に、このように中央基準として本原稿
をセットすることにより、本原稿のエッジ検出を行い易
くなることもその利点としてあげられる。
【0068】一方、スキャナユニット30のコンタクト
ガラス206上にセットした原稿を読み取る時は、図3
7に示すように、このコンタクトガラス206の左側に
配置されたスケール207の右端部を原稿の基準セット
位置とする端面基準となる。このように、この場合に
は、その基準セット位置が本原稿の読み取り開始位置と
異なり、その構成が最小サイズになるようにしてある。
すなわち、このように原稿の基準セット位置を端面基準
とすることにより、コンタクトガラス206上にセット
された原稿の読み取り開始ポイントが常に一定となり、
その制御が簡単となる。
【0069】TPSがコンタクトガラス206上の原稿
を読み取るシートモードに入ったときは、走査ユニット
200は、中央ホームポジションから左側に移動して端
部HPセンサ115で検知される端部ホームポジション
で停止し(図40参照)、その読み取り条件が入力され
てスタートボタンが押されるのを待つ。また、ここで、
コンタクトガラス206の右側、すなわち、本原稿の頁
めくり開始側にスケール207を配置し、原稿台1とコ
ンタクトガラス206の両方に原稿を載せて走査ユニッ
ト200で走査することにより、原稿台1上の本原稿の
頁めくりを行いながら、同時にコンタクトガラス206
上の原稿の読み取りを行うことができる。この構成の場
合には、本原稿の頁めくり走査時に、後述するように、
走査ユニット200の読み取り光路の光路切り換えをし
ておく。このように構成すると、走査ユニット200の
副走査方向の読み取り方向が、原稿台1上とコンタクト
ガラス206上とで同じになり、そのプリント時のシー
ト排出方向が同一となるので、メモリの反転が不要とな
る。
【0070】更に、本原稿BOを原稿台1上に、シート
原稿SOをコンタクトガラス206上にセットし、走査
ユニット200を端部ホームポジションから走査して原
稿台1上の本原稿BOを読み取り、この走査ユニット2
00のリターン走査で本原稿BOの頁をめくりながら、
コンタクトガラス206上のシート原稿SOを読み取る
モードを設定することもできる。この場合には、本原稿
BOの読み取り頁めくり動作中であっても、コンタクト
ガラス206上にシート原稿SOをセットして割込みモ
ードを設定することにより、その本原稿BOの読み取り
頁めくり動作を中断せずに両原稿を読み取ることができ
る。
【0071】ここで、スケール207がコンタクトガラ
ス206上のどちら側に配置されていても、このコンタ
クトガラス206上の原稿を読み取った画像は、主走査
方向にミラー反転してフレームメモリ104に記憶して
おく。本例では、原稿台1上及びコンタクトガラス20
6上の奥行き方向における原稿の基準セット位置を、装
置本体の手前側が突き当て基準となるように構成して、
その原稿台1上及びコンタクトガラス206に対する原
稿セット操作をし易くしている。
【0072】また、本例における走査ユニット200の
動作開始時には、中央HPセンサ114により、走査ユ
ニット200が中央ホームポジションにあることをもう
一度確認する。そして、図24に示した操作表示制御部
111からスタート信号が送られると、走査ユニット2
00は、中央ホームポジションから左側に移動して、端
部HPセンサ115で検知される端部ホームポジション
で停止する。
【0073】図40乃至図44は原稿台1の加圧・固定
モード時における走査ユニット200の遷移図を示し、
図45はそのタイミングチャートを示す。
【0074】図40に示すように、走査ユニット200
の端部ホームポジションは、本原稿BOに対する読み取
り頁めくり動作開始ポイントであり、且つ、その動作終
了ポイントである。また、この端部ホームポジションで
は、走査ユニット200は原稿台1にかかっていない。
この原稿台1の加圧・固定モードでは、先ず、走査ユニ
ット200のスキャナモータ106を正転させて、走査
ユニット200を図40の右方向へ移動させる。次い
で、この走査ユニット200の右側の原稿押えローラ2
81aが本原稿BOの左端にかかったとき(図41のA
ポイント)に、左側の原稿台昇降モータ61を正転させ
て、左側の原稿台1を加圧状態にする。これにより、本
原稿BOが走査ユニット200に押し付けられて、最適
な読み取りが行われる。そして、図42に示すように、
走査ユニット200が本原稿中心ポイントに到達する少
し前に、右側の原稿押えローラ281aが右側の原稿台
1の左端にかかる(図45のBポイント)。この時点で
右側の原稿台昇降モータ61を正転させて、右側の原稿
台1を加圧状態にする。次いで、走査ユニット200
は、本原稿中心ポイントを通過して、本原稿BOの右側
頁の読み取りを始める。その後に左側の原稿押えローラ
281bが左側の原稿台1の右端にかかる(図45のC
ポイント)。この時点で左側の原稿台昇降モータ61を
停止させ、左側の原稿台1を固定状態にする。これによ
り、本原稿BOは、スキャナユニット30に食い込むこ
となく原稿押えシート282bに押えられて固定され、
次の走査ユニット200の通過時まで同じ高さを保ち続
ける。
【0075】図43は、本原稿右頁の読み取りまたは頁
めくり中の走査ユニット200の動作状態を示してい
る。本原稿右頁の読み取りを終えた走査ユニット200
は、左側の原稿押えローラ281bが右側の原稿台1の
右端にかかった状態(図44のDポイント)で停止さ
せ、次いで、スキャナモータ106を逆転させて走査ユ
ニット200を図44の左方向へ移動させる。これによ
り、走査ユニット200は、本原稿BOの右頁をめくり
上げながら左方向へ進み、図42に示す本原稿中心ポイ
ントに到達する少し前に、左側の原稿押えローラ281
bが左側の原稿台1の右端にかかる(Cポイント)。こ
の時点で左側の原稿台昇降モータ61を正転させて、左
側の原稿台1を加圧状態にする。次いで、走査ユニット
200は、本原稿中心ポイントを通過して、本原稿BO
の左側頁の上に、めくり上げた右頁を重ね合せる動作を
始める。その後に右側の原稿押えローラ281aが右側
の原稿台1の左端にかかる(Bポイント)。この時点で
右側の原稿台昇降モータ61を停止させ、右側の原稿台
1を固定状態にする。これにより、本原稿BOは、スキ
ャナユニット30に食い込むことなく原稿押えシート2
82aに押えられて固定され、次の走査ユニット200
の通過時まで同じ高さを保ち続ける。その後、走査ユニ
ット200は、図40に示す端部ホームポジションまで
移動して停止する。
【0076】次に、本例におけるスキャナユニット30
の構成について説明する。図37は、TPSの全体構成
図を示す。このTPSは、その装置本体の上部にコンタ
クトガラス206が配置されており、このコンタクトガ
ラス206上に、シート物や厚手の本原稿などの原稿を
図示しない圧板によってセットし、後述する光路切り換
えを行った走査ユニット200でこの原稿を走査するこ
とにより、このコンタクトガラス206上の原稿像を読
み取ることができる。
【0077】このTPSの装置本体の上半分はスキャナ
ユニット30になっており、走査ユニット200は、こ
のスキャナユニット30の内部を図37において左右方
向に走行して原稿の走査を行う。この走査ユニット20
0の走査駆動系の構成図を図61に示す。図46は、装
置本体の上部から見た走査ユニット200の走査駆動系
であり、図46において、装置本体の奥側にタイミング
ベルト312がプーリ304と3段プーリ302によっ
て、装置本体の手前側にタイミングベルト313がプー
リ305と2段プーリ306によって、それぞれ左右方
向に張られている。
【0078】ここで、プーリ304とプーリ305の回
転軸は、それぞれバネ307とバネ308によって支持
され、各タイミングベルト312,313に所定の張力
を与えている。3段プーリ302は、タイミングベルト
310でモータプーリ301と、また、タイミングベル
ト311で2段プーリ306とそれぞれ連結されてい
る。タイミングベルト311は、アイドラ303をバネ
309で外側に引くことで所定の張力を得ている。走査
ユニット200は、その奥側と手前側とがクランプ31
5により各タイミングベルト312,313にそれぞれ
固定され、モータプーリ301の回転軸を駆動するスキ
ャナモータ106の回転により、各タイミングベルト3
12,313を介して駆動される。
【0079】図47は本例における走査ユニット200
の構成を示す。図47において、走査ユニット200の
下側の左右には原稿押えローラ281a,281bが、
また、その外側にはシート巻き取りローラ280a,2
80bが、それぞれ回転自在に軸支されている。各シー
ト巻き取りローラ280a,280bには、左右独立し
た原稿押えシート282a,282bのそれぞれの中央
側の端部が巻き取られており、各原稿押えシート282
a,282bのそれぞれの外側の端部は、スキャナユニ
ット30の側板にそれぞれ固定されている。これらの原
稿押えシート282a,282bは、テトロン糸で織っ
たクロス(布)に、ゴム系樹脂を両面から溶け込ませた
シート状部材で構成されており、その表面に残留したク
ロスの凹凸跡により、帯電による吸着力が作用しにくい
構造を有している。
【0080】また、シート巻き取りローラ280a,2
80bは、図48にその一方の構造を示すように、二重
構造になっていて、巻き取りローラ軸251a,251
bと、筒状のシート巻き取りローラ280a,280b
との間に、ゼンマイバネ252a,252bが取り付け
られている。これにより、その巻き取りローラ軸251
a,251bを、原稿押えシート282a,282bを
張った状態よりも更に回転させることによって、ゼンマ
イバネ252a,252bの作用により、原稿押えシー
ト282a,282bにある程度の張力を掛けることが
できる。
【0081】更に、図49に示すように、各巻き取りロ
ーラ軸251a,251bの外側端部には、シート巻き
取りギヤ232a,232bが固定されており、これら
のシート巻き取りギヤ232a,232bは、スキャナ
ユニット30の側板に左右両端を固定され、略全長に亘
って歯を有する駆動ラック231に、各アイドルギヤ2
33a,233bを介して、それぞれ噛み合っている。
これにより、図49において走査ユニット200が走行
すると、各アイドルギヤ233a,233bとともに各
シート巻き取りギヤ232a,232bが回転し、各巻
き取りローラ軸251a,251b、各ゼンマイバネ2
52a,252b、及び、各シート巻き取りローラ28
0a,280bを介して、各原稿押えシート282a,
282bの引き出し及び巻き取りが行われ、左右のシー
ト巻き取りローラ280a,280bの張力が、常時、
略一定に維持される。このとき、各原稿押えシート28
2a,282bの厚みによる各シート巻き取りローラ2
80a,280bの巻き太りによって走査ユニット20
0の位置により発生する、各シート巻き取りローラ28
0a,280bに巻き付いた各原稿押えシート282
a,282bの外周差は、各ゼンマイバネ252a,2
52bにより吸収される。
【0082】一方、図47に示すように、各原稿押えロ
ーラ281a,281bの間には、本原稿読み取り用の
プラテンガラス205と、本原稿頁めくり用のめくりベ
ルト208が配設されている。本例における本原稿読み
取り用のプラテンガラス205は、走査ユニット200
の読み取りスキャン方向の上流側に、また、本原稿頁め
くり用のめくりベルト208は、走査ユニット200の
読み取りスキャン方向の下流側にそれぞれ配置されてい
る。このように配置することにより、走査ユニット20
0の読み取り走査のための助走区間を長くでき、その走
査を安定させることができる。また、本例では、同一ユ
ニット内の下側に頁めくり機構を、上側に縮小光学系を
配置させて、装置の小型化を実現させている。
【0083】更に、このように構成することで、走査ユ
ニット200が、左の原稿押えローラ281bと、めく
りベルト駆動ローラ223とで加圧された本原稿(詳細
は後述)を受けて、これらのローラ間で位置出しされた
原稿面(読み取り面273)を読み取ることができるの
で、最適な画像が得られる。この時、プラテンガラス2
05の下面位置は、図50に示すように、原稿面の浮き
上がりの余裕分を予め見込んで、左の原稿押えローラ2
81bの最下点と、めくりベルト駆動ローラ223の最
下点とを結んでできる水平面(読み取り面273)より
も僅かな間隙αだけ上方に設定されている。この間隙α
の値は、2αが光学系の焦点深度以下になるように設定
され、光学系の縮小率に応じて決定される。
【0084】このプラテンガラス205は、図51に示
すように、その側部がガラスホルダ269で支持されて
いる。また、プラテンガラス205の下面端部にはガラ
ス面取り部271があり、ガラスホルダ269の外側下
端部にはホルダ面取り部270がある。このとき、ガラ
ス面取り部271の側方角部272の位置は、ガラスホ
ルダ269の下面よりも僅かな高さβだけ上方に位置す
るように構成されていて、走査ユニット200の動作中
に、プラテンガラス205の側部に本原稿の頁端部など
が引っかからないようになっている。
【0085】一方、プラテンガラス205の内側には、
図47に示すように、本原稿照明用の2本の蛍光灯20
1,202が、本原稿読み取り部の左右にそれぞれ配置
されている。これらの蛍光灯201,202によって照
明された本原稿像は、図47において、第1ミラー21
9に反射した後、第2ミラー220と第3ミラー221
に交互に反射し、最後にレンズ216を透過して、CC
D101上に縮小結像される。
【0086】また、めくりベルト208は、めくりベル
ト駆動ローラ223とめくりローラ224とに掛け渡さ
れており、このめくりベルト208の上側の、めくりベ
ルト駆動ローラ224から少し離れた部位の外側には、
帯電ローラ225が接触して配置されている。更に、め
くりベルト駆動ローラ223の駆動軸端部には、図49
に示すように、めくりベルト駆動ギヤ234が固定され
ており、このめくりベルト駆動ギヤ234は、アイドル
ギヤ235を介して、駆動ラック232に噛み合ってい
る。これにより、走査ユニット200が走行すると、駆
動ラック232に沿って、アイドルギヤ235と共にめ
くりベルト駆動ギヤ234が回転し、めくりベルト駆動
ローラ223の回転により、走査ユニット200の移動
速度と同じ速度でめくりベルト208が回転する。
【0087】前述のコンタクトガラス206上にセット
された原稿を読み取る場合には、図47に示すように走
査ユニット200の読み取り光路から外れた位置に待避
している切り換えミラー222が、図52に示すキープ
ソレノイド255の作用によって、図53に示すように
走査ユニット200の読み取り光路内に進出した位置ま
で移動される。この切り換えミラー222の移動によ
り、図53に示すように、第1ミラー219と第2ミラ
ー220との間の光路が、破線で示すプラテンガラス2
05側から、実線で示すコンタクトガラス206側に切
り換えられ、2本の蛍光灯203,204によって照明
されたコンタクトガラス206上の原稿像が、本原稿の
場合と同様に、第2ミラー220と第3ミラー221に
交互に反射し、レンズ216を透過してCCD101上
に縮小結像される。
【0088】切り換えミラー222は、図52に示すよ
うに、切り換えミラーブラケット257に支持されてお
り、この切り換えミラーブラケット257は、光路調整
板259の上部支点258に、回転自在に軸支されてい
る。キープソレノイド255は、この切り換えミラーブ
ラケット257の、切り換えミラー222の支持側と反
対側の端部に配設されており、このキープソレノイド2
55がオン/オフすることにより、切り換えミラーブラ
ケット257が、光路調整板259の上部支点258を
軸として、図52において破線で示す位置と実線で示す
位置との間で揺動される。これにより、切り換えミラー
222の位置が、前述したように、図47に示す走査ユ
ニット200の読み取り光路から待避した本原稿読み取
り位置と、図53に示す走査ユニット200の読み取り
光路内に進出したシート物原稿読み取り位置とに選択移
動される。ここで、切り換えミラー222の光路外への
待避位置(図52における破線位置)は、キープソレノ
イド255の動きに任せて特には規制しないが、この切
り換えミラー222の光路内への進出位置(図52にお
ける実線位置)は、切り換えミラーブラケット257の
揺動を位置決めピン256で規制して、この切り換えミ
ラー222の光路内での停止位置を規制する。
【0089】本例における切り換えミラー222は、切
り換えた光路を調整できるように構成されている。すな
わち、本例における光路調整板259は、図52に示す
ように、走査ユニット200のユニット本体に対して、
その下部が下支点262で回転自在に枢支されており、
その上支点258と下支点262との間の両側部に当接
して配設されたバネ260と調整ねじ261とによって
略垂直に支持されている。
【0090】この光路調整板259には、平生、その上
支点258が切り換えミラー222がわに変位する方向
への回動習性が、バネ260によって付勢されており、
この回動習性による光路調整板259の回動位置は、バ
ネ260と対向するがわに配置された調整ねじ261の
頭部が光路調整板259の側部に当接することによって
位置決めされている。従って、この光路調整板259
は、調整ねじ261を回転させることにより、下支点2
62を軸として、その上支点258の位置を可変させ
て、この上支点258に支持された切り換えミラーブラ
ケット257の位置を変位させ、切り換えミラー222
の位置を移動させて、その切り換えた光路を調整でき
る。
【0091】本例における走査ユニット200の光学系
は、切り換えミラー222以外の他のミラーには、上述
のような光路調整機能はなく、プラテンガラス205側
の本原稿を読み取る光路の調整は、CCD101の位置
を調整することで行い、コンタクトガラス206側の原
稿を読み取る光路の調整は、上記の方法により切り換え
ミラー222の位置を調整することで行うように構成さ
れている。これにより、本例の光学系では、その調整個
所を減らすことができ、その組み立て性や保守性を向上
させることができる。
【0092】また、本例の光学系は、上記のキープソレ
ノイド255、及びその連結要素等が、走査ユニット2
00内に納められていて、この光学系要素の交換時に走
査ユニット200ごと取り外すことにより、そのメンテ
ナンス性を向上させている。上述の光路切り換え方式の
他の例として、切り換えミラー回転方式による光学系の
構成を図54に示す。
【0093】この例では、切り換えミラー222を支持
している切り換えミラーブラケット264が、走査ユニ
ット200のユニット本体に対して、支点265で回転
自在に軸支されている。ソレノイド263は、この切り
換えミラーブラケット264の、切り換えミラー222
の支持側と反対側の端部に配設されており、このソレノ
イド263がオン/オフと、このソレノイド263と反
対の方向に切り換えミラーブラケット264を引くバネ
266の作用により、切り換えミラーブラケット264
が、支点265を軸として、図54において破線で示す
位置と実線で示す位置との間で揺動される。これによ
り、切り換えミラー222の位置が、図54に破線で示
す本原稿読み取り位置と、図54に実線で示すシート物
原稿読み取り位置とに選択移動される。ここで、プラテ
ンガラス205を通して本原稿を読み取る光路に切り換
えミラー222の光路を切り換える場合には、この切り
換えミラー222を位置決めピン268に付き当てて、
この切り換えミラー222の停止位置を図54における
破線位置となるように規制する。また、コンタクトガラ
ス206を通してシート物原稿を読み取る光路に切り換
えミラー222の光路を切り換える場合には、この切り
換えミラー222を位置決めピン267に付き当てて、
この切り換えミラー222の停止位置を図54における
実線位置となるように規制する。
【0094】次に、スキャナユニット30のめくり動作
について説明する。図55は、本例における走査ユニッ
ト200の頁めくり部の動作説明図を示す。本例におけ
るめくりベルト208は、材質が、PET、PC、PV
Cなどからなり、その表面層が表面抵抗1014Ω以上の
高抵抗フィルム、その裏面層が表面抵抗108Ω以下の
低抵抗フィルムからなる二重構造の樹脂フィルムで構成
されている。
【0095】また、めくりベルト駆動ローラ223は、
接地された金属ローラの表面に導電性ゴムを被覆したロ
ーラで構成されており、確実なベルト駆動とアースを実
現している。更に、帯電ローラ225は、金属ローラで
構成されており、この帯電ローラ225には、切り換え
スイッチ253aを介して、交流電源253から所定の
タイミングで、±2kVの高電圧が印加される。
【0096】図55において、走査ユニット200を走
行させ、めくりベルト208を駆動しながら、後述する
タイミングに合わせて切り換えスイッチ253aをオン
し、帯電ローラ225に交流電源253から±2kVの
高電圧をかけると、めくりベルト208の表面上に交番
電界が生じ、この交番電界の作用により、このめくりベ
ルト208の表面に、接触した本原稿BOの最上位頁2
54を吸着させる吸着力が発生する。
【0097】原稿の読み取り操作がスタートされると、
図40に示したように、スキャナユニット30の左端の
端部ホームポジションにいた走査ユニット200が、図
40において右方向に走行を始める。そして、この走査
ユニット200のプラテンガラス205の原稿読み取り
位置が本原稿BOの左頁にかかると、図56に示すよう
に、走査ユニット200の光学系が、この本原稿BOの
読み取り動作を始め、この本原稿BOの原稿面を左頁か
ら右頁へと読み取っていく。ここでの走査ユニット20
0の読み取り開始位置は、本原稿BOの大きさ(サイ
ズ)によって変わり、また、コンタクトガラス206上
の原稿の読み取り開始位置(スケール207の基準端)
とも異なる。このようにして、走査ユニット200の光
学系が本原稿BOの右頁の端まで読み終えると、図57
に示すように、走査ユニット200の原稿走査方向が逆
転され、図58に示すように、この読み取りを終えた本
原稿BOの右頁の頁めくり動作が開始される。
【0098】この本原稿BOの頁めくりを始めるときに
は、めくりベルト208と、後述する頁送りローラ25
0とが、図55の破線で示す位置にあって、この頁めく
り動作に先行して、このめくりベルト208の表面上に
形成された帯電パターン部が本原稿BOの最上位頁25
4の上に重なる。そして、この最上位頁254の先端
が、めくりベルト208の下側の中央を越えたところ
で、図58に示すように、このめくりベルト208と頁
送りローラ250とが、図示せぬソレノイドの作用によ
り、図55の実線で示す位置に移動される。これによ
り、このめくりベルト208の表面に形成された電荷パ
ターンの不平等電界による吸着力で、本原稿BOの最上
位頁254だけが、めくりベルト208の表面上に吸着
されて、この最上位頁254の端部がめくりベルト20
8と共に持ち上げられる。この不平等電界による吸着力
は、この最上位頁254以外の頁を吸着させない特徴を
有している。
【0099】ここで、本例におけるめくりベルト208
への帯電のタイミングは、図62に示すように、本原稿
BOの原稿面を読み終えたと同時にリターンする走査ユ
ニット200のリターン動作と共に、めくりベルト20
8への帯電を開始するように設定されているので、走査
ユニット200の動作に無駄がなく効率がよい。 但
し、図62に示すように、走査ユニット200の原稿読
み取り位置からめくりベルト駆動ローラ223の最下点
までの距離L1を、帯電ローラ225がめくりベルト2
08と接している接点からめくりベルト駆動ローラ22
3の最下点までの距離L2よりも大きく(L1≧L2)
に設定した場合には、走査ユニット200がリターン動
作を始めてから、後にめくりベルト208への帯電を開
始するように設定してもよい。
【0100】上述のように、本原稿BOの最上位頁25
4をめくり上げた後、この状態のまま走査ユニット20
0を、図58に示すように、その端部ホームポジション
に向けて移動させると、この本原稿BOの最上位頁25
4は、図59に示すように、めくりローラ224と頁送
りローラ250に挾まれて確実に搬送され、走査ユニッ
ト200の右側部に配置された上下一対の頁ガイド22
7,228(図47)の間を通過して、走査ユニット2
00の右外側にその先端側が送り出される。この時、こ
の走査ユニット200の上方側の頁ガイド227上に取
付けられた頁めくりセンサ214(図47)が、走査ユ
ニット200の右外側に送り出された原稿頁を検知し
て、この原稿頁が正常に頁めくりされたことを判断す
る。
【0101】ここで明らかなように、本例では、走査ユ
ニット200の頁めくり動作によりめくり上げられた原
稿頁が、丸められたり折り曲げられたりせずに自然な姿
勢に保持されるので、このめくり上げた原稿頁を傷める
ことがなく、また、このめくり上げた原稿頁を収納する
ための頁収納手段を走査ユニット200内に配設する必
要がないので、走査ユニット200を小型化できる。
【0102】次いで、図60に示すように、本原稿BO
の最上位頁254を本原稿の綴じ部までめくり上げた時
点で、めくりベルト208と頁送りローラ250を元の
位置(図55の破線位置)に戻す。この状態で、走査ユ
ニット200を更にその端部ホームポジションに向けて
移動させると、図61に示すように、このめくり上げた
原稿頁が、本原稿の綴じ部に引っ張られて、一対の頁ガ
イド227,228の間を戻りながら、本原稿BOの左
頁上に重ね合わされるようにして走査ユニット200内
から排出される。
【0103】このようにして、めくり上げられた原稿頁
が本原稿BOの左頁上に全て重ね合わされると、走査ユ
ニット200の見開き原稿に対する1回分の原稿読み取
り・頁めくり動作が終了する。ここで、この本原稿BO
に対する原稿読み取り・頁めくり動作を繰り返し実行し
たり、原稿読み取りまたは頁めくり動作の何れか一方の
動作のみを繰り返し実行する場合には、上述のように、
めくり上げられた原稿頁が本原稿BOの左頁上に全て重
ね合わされると同時に走査ユニット200の移動方向を
反転させて、本原稿の原稿面に対して最短コースで走査
ユニット200の往復動作を繰り返す。
【0104】次に、本例における走査ユニット200の
走査レールの構成について説明する。 走査ユニット2
00は、図63に示すように、前述の光学系が配設され
た走査光学系ユニット336が、スキャナユニット30
の手前側と奥側に配置された一対の走査側板337a,
337bに対して、手前側の2本の支持ロッド344a
と、奥側の1本の支持ロッド344bとで、回動自在に
支持されている。これにより、走査ユニット200は、
その手前側と奥側に配置された一対の走査側板337
a,337bの相対ねじれに追従して、その走査光学系
ユニット336までねじれてしまわないように、走査光
学系ユニット336が手前側に配置された走査側板33
7aに対してのみ習うように構成される。
【0105】一方、スキャナユニット30の側板には、
その手前側と奥側とに、互いに平行な2本の走査レール
343a,343bが、それぞれの左右両端を固定して
配設されている。これらの走査レール343a,343
bは、断面形状が略L字型に構成されており、これらの
走査レール343a,343bを取り囲むように、コロ
ブラケット338a,338bが各走査側板337a,
337bにそれぞれ取付けられている。
【0106】これらのコロブラケット338a,338
b内には、各走査レール343a,343bの水平部分
を挾み込むように、位置決めコロ339a,339b
と、押えコロ340a,340bとが、それぞれ回転自
在に配設されている。ここで、各位置決めコロ339
a,339bは、本原稿の読み取り時及び頁めくり時に
おける走査ユニット200の上下方向の位置を決める機
能を果たしており、各走査側板337a,337bにそ
れぞれ2個ずつ配置されている。
【0107】これに対し、各押えコロ340a,340
bは、各走査レール343a,343bの水平部分を、
その上側から加圧するように構成されている。すなわ
ち、これらの押えコロ340a,340bは、図64に
示すように、略ベルクランク状に形成された押えコロブ
ラケット346の自由端部に回転自在に軸支されてい
る。この押えコロブラケット346は、その中央部が、
各コロブラケット338a,338bに固定されたスタ
ッド347に回転自在に軸支されている。また、この押
えコロブラケット346の基端部と、各コロブラケット
338a,338bとの間には、加圧バネ345が掛け
渡されている。これにより、加圧バネ345の緊縮力に
よって各押えコロ340a,340bが、各走査レール
343a,343bの水平部分をその上側から加圧す
る。
【0108】この各走査レール343a,343bの水
平部分に対する各押えコロ340a,340bの加圧に
よって、走査ユニット200に、スキャナユニット30
の上方側への変位習性が与えられ、この変位習性により
各走査レール343a,343bの水平部分の下面側に
対して各位置決めコロ339a,339bが当接するこ
とにより、スキャナユニット30に対して走査ユニット
200が位置決めされる。
【0109】また、この走査ユニット200は、手前側
のコロブラケット338aに回転自在に軸支された横押
えコロ341と、上記の各押えコロ340a,340b
と同様な加圧構造により奥側のコロブラケット338b
を内側方向に加圧する横加圧コロ342とを、各走査レ
ール343a,343bの水平部分を両外側から挾み込
むようにそれぞれ配置することによって、その奥行き方
向への位置決めがなされている。
【0110】図65乃至図68は、頁送りローラ250
の構成及び作用を示す。頁送りローラ250は、図65
及び図66に示すように、シャフト248の、めくりベ
ルト208の幅に対応する部位に、所定の間隔をおいて
複数個のローラを固定して構成されている。この頁送り
ローラ250は、発泡ポリウレタンのようなやわらかい
樹脂またはゴム等の材質で形成されている。
【0111】一方、めくりローラ224の幅は、めくり
ベルト208の幅よりも大きく形成されており、図65
に示すように、このめくりローラ224の両端部がめく
りベルト208の外側にそれぞれ延出している。シャフ
ト248には、このめくりローラ224の両端の延出部
に対応するように、頁送りローラ250の直径よりも僅
かに小さな直径の駆動ローラ249がそれぞれ固定され
ている。この駆動ローラ249は、頁送りローラ250
よりも高度の高いゴム等の材質で形成されている。
【0112】この頁送りローラ250は、図55の破線
で示す位置に待避している状態では、先端が櫛歯状に形
成された下方の頁ガイド228の凹部にはまり込む(側
方から見ると互いに重なり合う)ように位置している。
また、めくりベルト208が図55の実線で示す位置に
上昇した状態では、この頁送りローラ250も図55の
実線で示す位置に移動し、各駆動ローラ249がめくり
ローラ224の両端延出部にそれぞれ当接して、この頁
送りローラ250の周面の一部がめくりベルト208に
より少し加圧される位置まで移動する。
【0113】これにより、頁送りローラ250が、図6
6に示すように、駆動ローラ249との直径差分だけ変
形して、めくりベルト208によりめくり上げられた原
稿頁に対する搬送力が、この頁送りローラ250に与え
られる。また、この頁送りローラ250に対する回転力
は、めくりローラ224の回転力が、これに当接した駆
動ローラ249を介して伝達されることによって与えら
れる。このとき、駆動ローラ249は当接しているめく
りローラ224と同じ周速で回転するが、頁送りローラ
250は、その直径が駆動ローラ249よりも大きい分
だけ、大きな周速で回転する。これによって、「頁送り
ローラの線速≧めくりベルトの線速」となり、めくり上
げられた原稿頁に対する確実な頁搬送力が得られる。
【0114】一方、図61に示したように、めくり上げ
た原稿頁を走査ユニット200から排出するときには、
この頁送りローラ250及びめくりベルト208を、図
55の破線で示す位置にそれぞれ待避させる。上述のよ
うに構成された頁送りローラ250の動作は、図67及
び図68に示すトグルジョイント装置によって制御され
る。頁送りローラ250の回転中心であるシャフト24
8は、図67及び図68に示すように、ベルクランク状
に形成されたトグルレバー274の一端に回転自在に軸
支されている。このトグルレバー274は、走査ユニッ
ト200に対して、支点275で回転自在に軸支されて
いる。また、走査ユニット200に植設された固定ピン
276とシャフト248との間には、緊縮性のバネ27
9が掛け渡されており、これによって、この固定ピン2
76と支点275を通る直線を中立線278とするトグ
ル機構が構成されている。
【0115】このトグル機構は、平生、図67に示すよ
うに、めくりベルト208から頁送りローラ250を図
55の破線で示す位置に待避させた状態にあり、めくり
ローラ224が図55の実線で示す位置に向けて上昇を
開始すると、このめくりローラ224の回転軸224a
が、トグルレバー274の他端部に係合し、このトグル
レバー274を回転させながら更に上昇する。このと
き、このトグルレバー274の回転により、シャフト2
48が中立線278を越えるまでは、バネ279の緊縮
力が、頁送りローラ250を元の位置に戻そうとする
が、このシャフト248が中立線278を越えると、こ
のバネ279の緊縮力が、頁送りローラ250をめくり
ローラ224に当接させる向きに作用する。これによ
り、図68に示すように、めくりローラ224が図55
の実線で示す位置に上昇し終えた状態で、このバネ27
9の緊縮力によって、各駆動ローラ249がめくりロー
ラ224の両端延出部にそれぞれ当接して、この頁送り
ローラ250の周面の一部がめくりベルト208により
少し加圧される位置まで移動する。
【0116】一方、図61に示したように、めくり上げ
た原稿頁を走査ユニット200から排出するときには、
めくりローラ224が図55の破線で示す位置に待避す
る動作により、このめくりローラ224が、図68に示
す位置から、駆動ローラ249を押しながら下降する。
これにより、シャフト248が中立線278を越える
と、バネ279の緊縮力が、図55の破線で示す位置に
頁送りローラ250を待避させる方向に作用して、頁送
りローラ250が図67に示す位置まで待避し、めくり
ローラ224が元の位置に戻される。
【0117】このように、本例における頁送りローラ2
50は、その待避位置からめくりベルト208に当接す
る方向に、このめくりベルト208の上昇駆動に連動し
て移動するので、この頁送りローラ250の駆動機構を
安価かつ小型に構成できる。また、この頁送りローラ2
50移動は、めくりベルト208が上昇を開始した後、
ある程度の時間差を持って(めくりベルト208の上昇
の後半に)開始されるので、このめくりベルト208の
上昇によってめくり上げられた原稿頁の端部位置がめく
りベルト208から突出している場合でも、このめくり
ベルト208と頁送りローラ250との間に、この原稿
頁の端部を確実に挾み込むことができ、走査ユニット2
00の頁めくり動作の余裕度が向上される。
【0118】本例では、蛍光灯201〜204の管壁温
度を常に一定に保ために蛍光灯ヒータ201f〜204
f(図24参照)が用いられている。これは、蛍光灯の
光量が蛍光灯の管壁温度に依存しているためであり、例
えば蛍光灯ヒータがない場合には蛍光灯の低湿時の光量
が常温時に比べて半分以下に落ちて画質の劣化が生ず
る。図2に示すように蛍光灯ドライバ120(図24参
照)は蛍光灯ヒータ201f〜204fをそれぞれ駆動
するヒータドライバ201h〜204hを有し、蛍光灯
201〜204の管壁温度はサーミスタ201g20
4gによりそれぞれ検知される。TPS制御ボード11
0はサーミスタ201g204gからの検知信号によ
り蛍光灯201〜204の管壁温度が上限温度aと下限
温度bとの間になるように制御線を介してヒータドライ
バ201h〜204hを個別に制御する。
【0119】図3に示すように蛍光灯ヒータ201f〜
204fがオフしている最初の状態では、蛍光灯201
〜204の管壁温度は室温に近い状態にあり、ヒータド
ライバ201h〜204hがTPS制御ボード110か
らのヒータ制御信号により蛍光灯ヒータ201f〜20
4fをオンさせることにより蛍光灯201〜204の管
壁温度が徐々に上がって行って上限温度aに達する。T
PS制御ボード110は、サーミスタ201g204
からの検知信号から蛍光灯201〜204の管壁温度
が上限温度aに達したか否かをそれぞれ判断して蛍光灯
201〜204の管壁温度が上限温度aに達した場合に
はヒータドライバ201h〜204hを制御して蛍光灯
ヒータ201f〜204fをオフさせる。その結果、蛍
光灯201〜204の管壁温度は徐々に下がって行く。
【0120】TPS制御ボード110は、サーミスタ2
01f〜204fからの検知信号より蛍光灯201〜2
04の管壁温度が下限温度bに達したか否かをそれぞれ
判断して蛍光灯201〜204の管壁温度が下限温度b
に達した場合にはヒータドライバ201h〜204hを
制御して蛍光灯ヒータ201f〜204fをオンさせ
る。TPS制御ボード110はこのように蛍光灯ヒータ
201f〜204fのオン/オフ制御を繰り返して行う
ことにより蛍光灯201〜204の管壁温度を一定の温
度範囲に保つ。
【0121】この場合、TPS制御ボード110は図4
に示すように本原稿読み取り用蛍光灯201,202を
加熱するための蛍光灯ヒータ201f,202fをオン
させている時にはシート原稿読み取り用蛍光灯203,
204を加熱するための蛍光灯ヒータ203f,204
fをオフさせ、蛍光灯ヒータ201f,202fをオフ
させている時には蛍光灯ヒータ203f,204fをオ
ンさせる。したがって、蛍光灯201〜204として1
A/1本のヒータを用いた場合、蛍光灯ヒータ201f
〜204fへヒータドライバ201h〜204hを介し
て電流を供給する電源は、供給電流の最大値が2Aとな
って従来の半分になり、電流容量の小さい小型の電源を
用いることができる。しかも、蛍光灯ヒータ201f〜
204fを載せている走査ユニット200とTPS制御
ボード110とを結ぶ電源ラインを細くすることができ
る。
【0122】この例では、1本の蛍光灯ヒータに対して
1本の制御線を用いているが、図5に示すように2本の
制御線に対して1本の制御線を用いるようにしてもよ
い。図5に示す例では、上述の例において、ヒータドラ
イバ201h〜204hの代りにヒータドライバ40
5,406が用いられ、ヒータドライバ405が蛍光灯
ヒータ201f,202fを同時にオン/オフさせてヒ
ータドライバ406が蛍光灯ヒータ203f,204f
を同時にオン/オフさせる。
【0123】TPS制御ボード110は、2本の制御線
を介してヒータドライバ405,406を蛍光灯201
〜204の管壁温度が一定の温度範囲に保たれるように
制御する。つまり、TPS制御ボード110は、サーミ
スタ201g202gからの検知信号から蛍光灯20
1,02の管壁温度が上限温度aに達したか否かを判断
するとともに、蛍光灯201,202の管壁温度が下限
温度bに達したか否かを判断し、その結果に応じてヒー
タドライバ405を制御して蛍光灯ヒータ201f,2
02fを蛍光灯201,202の管壁温度が一定の温度
範囲に保たれるようにオン/オフさせる。同様に、TP
S制御ボード110は、サーミスタ203g204g
からの検知信号から蛍光灯203,204の管壁温度が
上限温度aに達したか否かを判断するとともに、蛍光灯
203,204の管壁温度が下限温度bに達したか否か
を判断し、その結果に応じてヒータドライバ406を制
御して蛍光灯ヒータ203f,204fを蛍光灯20
3,204の管壁温度が一定の温度範囲に保たれるよう
にオン/オフさせる。
【0124】また、図6に示す例では、図5に示す例に
おいて、TPS制御ボード110が1本の制御線を介し
てヒータ制御信号を送り、このヒータ制御信号がヒータ
ドライバ405に入力されると共にインバータ407で
反転されてヒータドライバ406に入力される。TPS
制御ボード110は、図7に示す如くヒータドライバ4
05,406を蛍光灯201〜204の管壁温度が一定
の温度範囲に保たれるように制御する。
【0125】蛍光灯ドライバ120(図24参照)は図
1に示すように2つの蛍光灯ドライバ(蛍光灯駆動回
路)120a,120bを有し、蛍光灯ドライバ120
a,120bは蛍光灯切り替え回路408を介して蛍光
灯201〜204に接続される。蛍光灯切り替え回路4
08は、例えば2回路のリレーを4個用いて構成され、
又は4回路のリレーを2個用いて構成される。蛍光灯切
り替え回路408は、リレーの切替接点408a〜40
8hのコモン端子Cが蛍光灯ドライバ120a,120
bに接続されるとともに、切替接点408a〜408h
の常閉端子NCが蛍光灯201,202に接続されて切
替接点408a〜408hの常開端子NOが蛍光灯20
3,204に接続される。
【0126】蛍光灯切替回路408を構成するリレー
は、TPS制御ボード110からの本/シート切替信号
によりオン/オフ制御され、本原稿を読み取る本原稿読
み取りモードでは切替接点408a〜408hのコモン
端子Cが切替接点408a〜408hの常閉端子NCと
接続され、シート原稿を読み取るシート原稿読み取りモ
ードでは切替接点408a〜408hのコモン端子Cが
切替接点408a〜408hの常開端子NOに接続され
る。
【0127】蛍光灯ドライバ120a,120bは、本
原稿読み取りモードではTPS制御ボード110からの
予熱信号により切替接点408a〜408hを介して蛍
光灯201,202を予熱し、所定の時間が経過した後
にTPS制御ボード110からの点灯信号により切替接
点408a〜408hを介して蛍光灯201,202を
点灯させる。また、蛍光灯ドライバ120a,120b
は、シート原稿読み取りモードではTPS制御ボード1
10からの予熱信号により切替接点408a〜408h
を介して蛍光灯203,204を予熱し、所定の時間が
経過した後にTPS制御ボード110からの点灯信号に
より切替接点408a〜408hを介して蛍光灯20
3,204を点灯させる。
【0128】この例では、蛍光灯切替回路408が蛍光
灯ドライバ120a,120bを本原稿読み取り用蛍光
灯201,202とシート原稿読み取り用蛍光灯20
3,204とに切り替え接続するので、蛍光灯ドライバ
を半分にでき、コストが安くなって装置の実装スペース
も余裕ができる。さらに、制御信号数は従来の4から3
になって少なくなる。なお、本原稿読み取り用蛍光灯と
シート原稿読み取り用蛍光灯とが1本ずつである場合に
は、同様に蛍光灯ドライバを1つで構成して蛍光灯切替
回路により蛍光灯ドライバを本原稿読み取り用蛍光灯と
シート原稿読み取り用蛍光灯とに切り替え接続すればよ
い。
【0129】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明に選れ
ば、複数箇所でそれぞれ原稿を露光する複数の蛍光灯
と、この複数の蛍光灯を駆動する蛍光灯駆動回路とを有
する画像読み取り装置において、前記複数の蛍光灯を
択的に切り替えて1つの蛍光灯駆動回路に駆動させる蛍
光灯切り替え手段を備えたので、蛍光灯駆動回路を少な
くでき、簡単な構成で蛍光灯を点灯させることができ
る。このため、コストが安くなって装置の実装スペース
も余裕ができ、さらに、制御信号数が少なくなる。
【0130】請求項2記載の発明に選れば、複数箇所で
それぞれ原稿を露光する複数の蛍光灯を有する画像読み
取り装置において、前記複数の蛍光灯をそれぞれ加熱す
複数のヒータと、前記複数の蛍光灯の温度をそれぞれ
検知する複数の温度センサと、この複数の温度センサの
検知信号により前記複数のヒータを同時にオンさせない
制御手段とを備えたので、少ない電流容量で蛍光灯を点
灯させることができ、伝源ラインを細くすることができ
る。
【0131】請求項3記載の発明によれば、請求項2記
載の画像読み取り装置において、前記複数の蛍光灯を2
箇所でそれぞれ原稿を露光する2組の蛍光灯とし、前記
制御手段を、1本の制御線を用いた制御信号により前記
2箇所で露光する2組の蛍光灯をそれぞれ加熱する2組
ヒータの片方をオンさせた時に他方をオフさせ、この
他方をオンさせた時に前記一方をオフさせる制御手段で
構成したので、少ない電流容量で蛍光灯を点灯させるこ
とができ、電源ラインを細くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した画像形成システムの一例にお
ける蛍光灯駆動部を示すブロック図である。
【図2】同システムの蛍光灯ヒータ駆動部を示すブロッ
ク図である。
【図3】同蛍光灯ヒータ駆動部の蛍光灯ヒータ制御動作
を示すタイミングチャートである。
【図4】同蛍光灯ヒータ駆動部の動作を示すタイミング
チャートである。
【図5】蛍光灯駆動部の他の例を示すブロック図であ
る。
【図6】蛍光灯駆動部の他の例を示すブロック図であ
る。
【図7】同蛍光灯駆動部の動作を示すタイミングチャー
トである。
【図8】従来の蛍光灯駆動部を示すブロック図である。
【図9】同蛍光灯駆動部の動作を示すタイミングチャー
トである。
【図10】従来の蛍光灯ヒータ駆動部の動作を示すタイ
ミングチャートである。
【図11】上記システムの一部を示すブロック図であ
る。
【図12】上記システムのTPSにおけるスキャナデー
タ処理のフローチャートである。
【図13】上記TPSにおけるスキャナデータ増幅回路
を示す回路図である。
【図14】上記TPSにおける走査ユニットの頁めくり
により変位する本原稿左端部の遷移図である。
【図15】本原稿綴じ部が移動した場合の上記TPSに
おける走査ユニットの頁めくりにより変位する本原稿左
端部の遷移図である。
【図16】本原稿綴じ部が薄い場合の上記TPSにおけ
る走査ユニットの頁めくりにより変位する本原稿左端部
の遷移図である。
【図17】上記走査ユニットの本原稿端部の読み取りデ
ータの線図である。
【図18】上記本原稿端部の部分拡大側面図である。
【図19】上記TPSにおける見開き出力・1to1複
写モード時の本原稿モード動作のタイミングチャートで
ある。
【図20】上記TPSにおける独立頁出力・1to1複
写モード時の本原稿モード動作のタイミングチャートで
ある。
【図21】上記TPSにおける独立頁出力・2枚複写モ
ード時の本原稿モード動作を示すタイミングチャートで
ある。
【図22】上記TPSにおける本原稿モード動作と比較
するための従来の本原稿両面モード動作を示すタイミン
グチャートである。
【図23】上記TPSにおける1to1高速両面モード
時の本原稿モード動作を示すタイミングチャートであ
る。
【図24】上記TPSの駆動制御手段を示すブロック図
である。
【図25】上記TPSにおける原稿台ユニットを示す概
略側面図である。
【図26】上記TPSにおける本原稿載置台を示す概略
平面図である。
【図27】上記TPSにおける原稿台ユニットを示す概
略平面図である。
【図28】上記原稿台ユニットにおける左右の原稿台の
位置を本原稿サイズに応じて位置決めするサイズストッ
パを示す概略斜視図である。
【図29】上記サイズストッパを示す概略平面図であ
る。
【図30】上記TPSの原稿台ユニットに対してスキャ
ナユニットを開閉するためのユニット開閉ロック機構を
示す概略斜視図である。
【図31】上記ユニット開閉ロック機構を示す概略側面
図である。
【図32】上記原稿台ユニットにおける原稿台加圧固定
切り換え装置を示す概略斜視図である。
【図33】上記原稿台加圧固定切り換え装置を示す概略
断面図である。
【図34】上記原稿台加圧固定切り換え装置の一構成部
を示す斜視図である。
【図35】上記原稿台加圧固定切り換え装置の駆動部を
示す概略斜視図である。
【図36】上記原稿台加圧固定切り換え装置を示す概略
平面図である。
【図37】上記TPSにおける装置本体の全体的な構成
を示す概略断面図である。
【図38】上記TPSにおける原稿台の下方待避動作時
を示す概略側面図である。
【図39】上記TPSにおける原稿台の下方待避動作を
示すタイミングチャートである。
【図40】上記原稿台の加圧・固定動作モード時におけ
る走査ユニットのホームポジションでの遷移図である。
【図41】上記原稿台の加圧・固定動作モード時におけ
る走査ユニットの画像読み取り開始位置での遷移図であ
る。
【図42】上記原稿台の加圧・固定動作モード時におけ
る走査ユニットの本原稿中心ポイントでの遷移図であ
る。
【図43】上記原稿台の加圧・固定動作モード時におけ
る走査ユニットの本原稿右頁の画像読み取り中または右
頁めくり上げ中の遷移図である。
【図44】上記原稿台の加圧・固定動作モード時におけ
る走査ユニットの画像読み取り完了位置または頁めくり
開始位置での遷移図である。
【図45】上記原稿台の加圧・固定動作モード時におけ
るスキャナモータ及び左右の原稿台昇降モータの動作を
示すタイミングチャートである。
【図46】上記スキャナユニットにおける走査ユニット
の駆動機構を示す概略平面図である。
【図47】上記スキャナユニットにおける走査ユニット
を示す概略断面図である。
【図48】上記走査ユニットのシート巻き取りローラの
構造を示す概略断面図である。
【図49】上記スキャナユニットにおける走査ユニット
のシート巻き取りローラ及びめくりローラの駆動機構を
示す概略側面図である。
【図50】上記走査ユニットにおける画像読み取り部の
原稿押えローラとプラテンガラスとの位置関係を示す概
略断面図である。
【図51】上記走査ユニットにおける画像読み取り部の
プラテンガラスとガラスホルダとの位置関係を示す概略
断面図である。
【図52】上記走査ユニットにおける走査光学系の光路
を本原稿走査側からシート物原稿走査側に切り替えるた
めの切り換えミラーの駆動手段及び光路調整手段を示す
概略側面図である。
【図53】上記切り換えミラーを駆動して上記走査ユニ
ットにおける走査光学系の光路を本原稿走査側からシー
ト物原稿走査側に切り替えた状態における走査ユニット
を示す概略断面図である。
【図54】上記切り換えミラーの他の駆動手段を示す概
略断面図である。
【図55】上記TPSにおける上記走査ユニットの頁め
くり上げ動作を示す走査ユニットの要部を示す概略断面
図である。
【図56】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時に
おける走査ユニットの左頁画像読み取り位置での遷移図
である。
【図57】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時に
おける走査ユニットの右頁画像読み取り完了位置での遷
移図である。
【図58】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時に
おける走査ユニットの右頁めくり上げ開始位置での遷移
図である。
【図59】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時に
おける走査ユニットの右頁めくり上げ途中の遷移図であ
る。
【図60】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時に
おける走査ユニットの右頁めくり上げ終了位置での遷移
図である。
【図61】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時に
おける走査ユニットの右頁排出途中の遷移図である。
【図62】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時に
おける走査ユニットの右頁画像読み取り完了位置での画
像読み取り部とめくりベルトへの帯電タイミングの説明
図である。
【図63】上記スキャナユニットに対する上記走査ユニ
ットの支持構造を示す概略側面図である。
【図64】上記スキャナユニットに対する上記走査ユニ
ットの支持機構の走査レールと押えコロとの関係を示す
概略側面図である。
【図65】上記走査ユニットにおけるめくりベルトと頁
送りローラとの位置関係を説明するための概略斜視図で
ある。
【図66】上記走査ユニットのめくりベルトに対する頁
送りローラの当接状態を示す概略側面図である。
【図67】上記走査ユニットにおけるめくりベルトの動
作に連動して上記頁送りローラを駆動させるトグルジョ
イント装置により上記めくりベルトから上記頁送りロー
ラを待避させた状態を示す概略側面図である。
【図68】上記トグルジョイント装置により上記めくり
ベルトに対して上記頁送りローラを当接させた状態を示
す概略側面図である。
【符号の説明】
120a,120b 蛍光灯ドライバ 201〜204 蛍光灯 201f〜204f サーミスタ 201h〜204h,405,406 ヒータドラ
イバ 407 インバータ 408 蛍光灯切替回路

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数箇所でそれぞれ原稿を露光する複数の
    蛍光灯と、この複数の蛍光灯を駆動する蛍光灯駆動回路
    とを有する画像読み取り装置において、前記複数の蛍光
    灯を選択的に切り替えて1つの蛍光灯駆動回路に駆動さ
    せる蛍光灯切り替え手段を備えたことを特徴とする画像
    読み取り装置。
  2. 【請求項2】複数箇所でそれぞれ原稿を露光する複数の
    蛍光灯を有する画像読み取り装置において、前記複数の
    蛍光灯をそれぞれ加熱する複数のヒータと、前記複数の
    蛍光灯の温度をそれぞれ検知する複数の温度センサと、
    この複数の温度センサの検知信号により前記複数のヒー
    タを同時にオンさせない制御手段とを備えたことを特徴
    とする画像読み取り装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の画像読み取り装置におい
    て、前記複数の蛍光灯を2箇所でそれぞれ原稿を露光す
    2組の蛍光灯とし、前記制御手段を、1本の制御線を
    用いた制御信号により前記2箇所で露光する2組の蛍光
    灯をそれぞれ加熱する2組のヒータの片方をオンさせた
    時に他方をオフさせ、この他方をオンさせた時に前記一
    方をオフさせる制御手段で構成したことを特徴とする画
    像読み取り装置。
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