JPH07128933A - ブック原稿用画像読取・頁めくり装置 - Google Patents

ブック原稿用画像読取・頁めくり装置

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JPH07128933A
JPH07128933A JP27568293A JP27568293A JPH07128933A JP H07128933 A JPH07128933 A JP H07128933A JP 27568293 A JP27568293 A JP 27568293A JP 27568293 A JP27568293 A JP 27568293A JP H07128933 A JPH07128933 A JP H07128933A
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JP27568293A
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Inventor
Tetsuya Fujioka
哲弥 藤岡
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャリッジとブック原稿の接触状態を安定化
させ、良好な画像読み取り及び頁めくりを実現するブッ
ク原稿用の画像読取・頁めくり装置を提供する。 【構成】 原稿台付勢手段によって生じる付勢力Fと、
原稿載置台に載置されたブック原稿の頁量に応じて変化
する当該原稿載置台がブック原稿から受ける重量Wとの
差(F−W)が一定になるように、付勢力が制御され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機やファクシミリ
等の画像形成装置に適用される、特にブック原稿のため
の画像読取・頁めくり装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】画像形成装置における原稿搬送・読取装置
として知られた自動原稿給送装置(ADF)は、読取原
稿がシート状の場合には有効な装置であるが、原稿が書
籍あるいはノート状になっている場合には原稿搬送でき
ない。そのため、このような所謂ブック原稿の複数頁に
わたる複写作業の際には、オペレータが手作業で頁めく
りを行っている。
【0003】このように手間のかかるブック原稿の読み
取りを自動化するための方法や手段について、種々の提
案が従来からなされている。その中には、見開かれたブ
ック原稿の原稿情報面を上向きにして、ローラやアー
ム、あるいは吸引による負圧で頁めくりを行うように構
成された頁めくりもあるが、この種の従来の頁めくり装
置は比較的大型であり、そのような大型装置がブック原
稿の上部空間を移動するように構成されているため、画
像読取装置あるいは画像形成装置としてもかなり大型な
ものにならざるをえない。
【0004】そのような現状に鑑み、本出願人は先に、
ブック原稿を載置した原稿台を上方に押し上げ、上下方
向への移動を規制されたキャリッジ(走査ユニット)
で、この押し上げられたブック原稿の原稿面を受けるこ
とにより、小型で信頼性の高いブック原稿用の画像読取
・頁めくり装置を提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の画像読取・頁めくり装置においては、キャリッジに
ブック原稿の原稿面を押し付けた上で画像読み取りや頁
めくりの動作を行うので、キャリッジとブック原稿の接
触状態は、画像読み取りや頁めくりに大きな影響を与え
る。即ち、接触圧が変動すると、直ちに画像読み取りや
頁めくりの不良を生じることとなる。
【0006】またキャリッジの通過する時以外に、ブッ
ク原稿を押し上げていると、その押し上げ位置によって
は、キャリッジの走行を損ねたり、ブック原稿をキャリ
ッジによって破損するおそれがある一方で、キャリッジ
への押し付けが不完全では、画像読み取りや頁めくりに
好ましからざる影響がでる。
【0007】またブック原稿上を走行するキャリッジ
は、平坦でないブック原稿上を走行移動するゆえに、支
持状態が安定しにくい問題を抱えている。即ち、ブック
原稿上を走行する場合、原稿頁の端部では段差があり、
綴じ部を通過する際には隆起部と落ち込み部からの影響
を受けざるをえず、キャリッジに予期せぬ回転力がかか
ったりする。このような不安定さは、画像読み取りや頁
めくりの不良に結び付くものである。
【0008】更に、そのように走行するキャリッジに対
してブック原稿の原稿面をできるだけ水平に押圧するこ
とも、支障なく画像読み取りや頁めくりを行うために欠
かせぬ問題である。
【0009】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、キャリッジとブック原稿の接触状態を安定化さ
せ、良好な画像読み取り及び頁めくりを実現するブック
原稿用の画像読取・頁めくり装置を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に従い画像読取・頁めくり装置は、上向きに
見開かれたブック原稿を載置する二分割された原稿載置
台と、当該ブック原稿の原稿面上を移動して、画像読取
又は頁めくりを行う機構を有したキャリッジと、上記二
分割された原稿載置台をそれぞれ独立に上方へ付勢する
原稿台付勢手段と、キャリッジの鉛直方向位置を規制し
ながら水平移動自在に当該キャリッジを支持するキャリ
ッジ支持手段とを備え、原稿台付勢手段によって生じる
付勢力Fと、原稿載置台に載置されたブック原稿の頁量
に応じて変化する当該原稿載置台がブック原稿から受け
る重量Wとの差(F−W)が一定になるように、上記付
勢力を制御する。
【0011】また上向きに見開かれたブック原稿を載置
する二分割された原稿載置台と、当該ブック原稿の原稿
面上を移動して、画像読取又は頁めくりを行う機構を有
したキャリッジと、上記二分割された原稿載置台をそれ
ぞれ独立に上方へ付勢する原稿台付勢手段と、二分割さ
れた原稿載置台の上下位置をそれぞれ独立に固定する原
稿台固定手段と、キャリッジの鉛直方向位置を規制しな
がら水平移動自在に当該キャリッジを支持するキャリッ
ジ支持手段とを備える画像読取・頁めくり装置におい
て、キャリッジが上方に位置している時には原稿台付勢
手段により原稿載置台を当該キャリッジに押圧し、キャ
リッジが上方に位置していない時には原稿台固定手段に
よって原稿載置台をキャリッジ走行最下面以下に位置固
定するように、動作制御を各原稿載置台に対してそれぞ
れ独立に行っても、上記課題を解決できる。
【0012】あるいは上向きに見開かれたブック原稿を
載置する原稿載置台と、当該ブック原稿の原稿面上を移
動して、画像読取又は頁めくりを行う機構を有したキャ
リッジと、上記原稿載置台を上方へ付勢する原稿台付勢
手段と、キャリッジを水平移動自在に支持するキャリッ
ジ支持手段とを備える画像読取・頁めくり装置におい
て、キャリッジ支持手段を構成し原稿載置台に並行に横
架された複数のレール部材のそれぞれに対して、その下
端から当接し回転自在に軸支された位置決め回転部材並
びに上端から当接し上下動可能且つ回転自在に軸支さ
れ、キャリッジ全体に上昇習性を与えるように付勢する
加圧回転部材からなる回転部材対が複数組存在し、しか
も各回転部材対の位置決め回転部材と加圧回転部材とは
レール部材を挾んで上下に相対する位置に配設されてい
ても、上記課題を解決できる。
【0013】更には、上向きに見開かれたブック原稿を
載置する原稿載置台と、当該ブック原稿の原稿面上を移
動して、画像読取又は頁めくりを行う機構を有したキャ
リッジと、上記原稿載置台を上方へ付勢する原稿台付勢
手段とを備えたブック原稿用の画像読取・頁めくり装置
において、原稿載置台の2つの平行側面のそれぞれに備
えられる原稿台付勢手段が、原稿載置台に摺動可能にそ
の一端を取り付けられたリンク板と、当該リンク板と交
差し、且つ原稿載置台にその一端を回動自在に取り付け
られたリンクアームとを有し、リンク板とリンクアーム
がその交差部で相互回動自在に連結されてXリンクを形
成し、リンク板に一端を固定されたねじりバネが、交差
部を介して向きを変えそのリンク板の側面部を乗り越え
てリンクアームに他端を固定されていることも、上記課
題を解決する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて詳細に
説明する。
【0015】但し、本明細書の記述から明らかに想起し
得る範囲に構成・作用等については、煩雑化を避ける上
から、その説明を省略、もしくは簡略化する。
【0016】本発明は、ブック原稿の画像読み取り機能
と頁めくり機能とをそれぞれ独立させて構成することも
できるが、ここでは、説明の便宜上、頁めくり機能およ
び画像読み取り機能との両機能を1つのユニットに組み
込んだ装置をその実施例とした。また、本実施例は、原
理的には先に本出願人により提案されたブック原稿のペ
ージめくり読み取り装置と略同様な機能を有している。
【0017】以下、本発明の実施例の構成・動作につい
て説明する。
【0018】先ず、本実施例の本及びシート原稿読み取
り装置(以下、TPS:Turnthe Page S
canner.という)のデータフローを説明する。
【0019】図1にTPSの原稿読み取り画像を電子写
真方式のプリンタに複写出力する装置のデータ処理ブロ
ックを示す。本システムは、TPSの画像読み取り部と
画像データ処理部、及び画像形成部に大きく分けられ
る。TPSの走査キャリッジ右端部に配置された画像読
み取り部は、CCD(電荷結像素子)101を備え、V
PU(Video Processing Unit)
102でCCD101の駆動信号発生と、CCD101
のアナログデータ出力信号の補正からデジタル信号変換
までを行う。VPU102は、クロック及び主走査、副
走査方向のゲート信号に同期させ、各ドット8ビットの
読み取り画像データを約7.5MHzの速度でIPU
(Image Processing Unit;画像
処理ユニット)103に出力し、このIPU103で変
倍等の加工処理や電子写真の高画質処理を行う。IPU
103の最終処理ではγ補正を含む階調処理を行い、書
き込みに適した各ドット4ビットのビデオデータに変換
する。そして、その処理データをフレームメモリ104
に蓄積する。
【0020】このTPSでは、ブック原稿の読み取り速
度90mm/sec.、シート原稿の読み取り走査速度
120mm/sec.、作像速度180mm/sec.
とその読み取り走査速度と作像速度とに差があるので、
その速度バッファ用に、A3サイズ1頁分のフレームメ
モリを用いているのである。また、このフレームメモリ
104は、リピートコピー時の原稿保護に対して有効で
あり、副走査方向の変倍においてもこれを用いることに
より広範囲の変倍が可能となる。更に、このフレームメ
モリは、左右頁を独立してプリントするページ連写の走
査にも用いられる。すなわち、IPU103の速度対応
性により各ドット4ビット構成のフレームメモリ104
をIPUに後続し、画像処理後の書き込みデータをメモ
リすることにより、各ドット8ビットの読み取り画像デ
ータに対してフレームメモリ104のメモリ容量を半分
にする。
【0021】TPSのフレームメモリ容量は400DP
Iの画像データでA3サイズ1頁分の128Mビットで
あり、DRAMによって構成される。フレームメモリ1
04への画像データ入力は2ドット分をパラレルに行
い、約3.8MHzの速度で順次入力する。一方、フレ
ームメモリ104からの画像データ出力は、同じく2ド
ット分をパラレルに行い、約7.5MHzの速度でIP
U103から送られるクロック及び主走査、副走査方向
のゲート信号に同期させIPU103に順次出力する。
IPU103では、フレームメモリ104によりプリン
タの画像形成速度に高速出力されたデータを約15MH
zのシリアルデータに結合し、FIFO(First
In First Out)を用いて更に主走査方向に
高速化し、約18MHzの書き込みクロックに同期させ
る。その各ドット4ビットデータを発光時間データにパ
ルス幅変調し、LD(Laser Diode)コント
ローラにPWMデータで書き込みクロックに同期させ送
信する。LDコントローラは、LDドライバを備え、L
D105を発光させて感光体を露光走査して作像するも
のである。
【0022】IPU103は、読み取りキャリッジの走
査制御も行い、シート原稿読み取り時には当該キャリッ
ジを走査速度120mm/sec.で、ブック原稿読み
取り時はキャリッジを走査速度90mm/sec.で等
速走行し、キャリッジを走査開始位置に戻すリターン時
は180mm/sec.、ブック原稿の頁めくり時は1
20mm/sec.の速度でステッピングモータからな
るスキャナモータ106を駆動する。
【0023】図1に示されるメイン制御板107は、作
像に係わるセンサ類の入力、及びモータ、ソレノイド、
クラッチ等の出力により、画像形成のシーケンス制御を
行う。
【0024】次に、本実施例における画像読み取り信号
処理を説明する。
【0025】CCD101は、約5000画素、400
DPIの読み取りが可能で、原稿の主走査方向1ライン
分の反射光を同時に読み取る。CCD101で蓄積され
た光データを電気信号に変換し、クランプ等の波形修
正、増幅、A/D変換を行い、8ビットのデジタル信号
として、IPU103へ出力する。CCD101のアナ
ログデータ出力は、高速転送のためEVEN/ODDの
2系統に分かれて出力し、アナログスイッチで構成され
るスイッチングICでシリアルのアナログ信号に合成す
る。この合成後の1画素の画像転送速度は、ブック原稿
読み取りモード時では約7.5MHzで、これに同期し
てA/Dコンバータで8ビット256階調のデジタル信
号に変換する。一方、可変増幅器では露光蛍光灯の光量
変動を補正するために、基準白板の読み取りデータによ
りその増幅度を適正値にするように調節する。
【0026】TPSにおける読み取りスキャナのデータ
処理を図2に示す。
【0027】図2において、CCD101から読み出さ
れる主走査方向に連続するアナログデータは、クランプ
により波形の基底レベルの調整を行い、画素クロックに
同期してデータのサンプルホールドを行う。次に、その
読み取り露光光量やそのデータレベルに合わせてデータ
の増幅率を可変するAGC(Auto Gain Co
ntrol)処理を行う。そしてA/D変換器により、
アナログデータを8ビットのデジタルデータに変換す
る。
【0028】CCD101で読み取られる原稿反射濃度
に対してリニアな読み取りデータは、視感度に合わせて
効率よく階調を扱うように対数変換を行う。対数変換は
入出力8ビット/ドットのLUT(LOOK UP T
ABLE)で行う。
【0029】画像濃度を示す画素毎のデジタル信号は、
IPU103へ入力されて画像処理される。IPU10
3は複数のLSIで構成され、画像加工処理の他、高画
質処理の制御を行っている。その主な機能を以下に説明
する。
【0030】1.シェーディング補正 本実施例のスキャナは蛍光灯の直線光源を用い、またレ
ンズを用いて集光するため、CCD101の中央部で光
量が最大となり、端部では光量が低下してしまう。ま
た、CCD101には、素子個々の感度にバラツキがあ
る。そこで、IPU103では、画素毎の基準白板読み
取りデータにより、その両方をシェーディング補正して
読み取りデータを補正する。
【0031】2.MTF補正 レンズなどを用いた光学系では、レンズなどの性能によ
り周辺画素情報がその影響を受けて、CCD101によ
る読み取り出力がなまったように読み取られる。そこ
で、IPU103では、1つの画素データを求める際
に、その周辺画素レベルにより補正することで再現性の
高い画像を得る。
【0032】3.主走査方向変倍 本装置では、画像読み取りと書き込みの解像度が同一の
400DPIであるが、読み取りデータのフレームメモ
リ読み出し画素周波数は約15MHzで、書き込み画素
周波数は約18MHzと異なるため、その周波数変換を
行っている。また、50%から200%の主走査及び副
走査方向の変倍を行っている。この変倍は周辺画素デー
タの演算で算出している。
【0033】4.γ補正 電子写真方式を用いたレーザプリンタの濃度再現特性
(プリンタのγ特性)は、リニアでなく、そのままのデ
ータでは原稿濃度が忠実に再現されない。そこで本装置
では、変換テーブルを用いてプリント特性に合わせてた
書き込み露光光量に変換を行っている。また、マニュマ
ルの濃度調整時も、この値を変更することで実現され
る。
【0034】その他、IPU103は、マスキング、ト
リミング、ミラーリング、白黒反転等の画像変換、原稿
サイズ、位置及び濃度検出、マーク検出等の画像検出等
も行っている。
【0035】IPU103から送られてきた画像データ
は、LD105により光エネルギーに変換される。本装
置におけるプリンタ部の光書き込み方式には、レーザビ
ームをポリゴンミラーで偏向走査し、感光体上に露光し
て静電潜像を形成する方式が用いられている。また、L
D105の変調方式には、主に1ドット内の露光時間を
変調するパルス変調方式と、露光強度を変調するパワー
変調方式とがあり、本装置では前者の方式を採用してい
る。これにより、解像性及び階調性を備えた高画質が得
られる。
【0036】次に、TPSのブック原稿露光方式につい
て説明する。
【0037】図3及び図4に本装置の蛍光灯調光回路を
示す。本装置は、ブック原稿の露光用光源としての2本
の蛍光灯201,202と、シート原稿の露光用光源と
しての2本の蛍光灯203,204とを備えており、各
蛍光灯はそれぞれ同様の調光回路を備えている。すなわ
ち、本装置は、計4本の蛍光灯と、独立に制御可能な4
つの蛍光灯調光回路を備えている。ここで、ブック原稿
の露光用光源としての2本の蛍光灯201,202は、
後述の図34に示されるように、キャリッジ200の走
行方向と直交する方向のブック原稿読み取りスリット位
置に配置されたプラテンガラス205の両端上部にそれ
ぞれ配置されている。2本の蛍光灯201,202のこ
のような配置により、プラテンガラス205を通して左
右両側からブック原稿BOを露光し、ブック原稿BOの
読み取り時における左右の頁による濃度ムラやブック原
稿綴じ部BOaの陰影をなくすことができる。一方、シ
ート原稿の露光用光源としての2本の蛍光灯203,2
04は、同じく図34に示されるように、キャリッジ2
00の上部の走行方向と直交する方向のシート原稿読み
取りスリット位置にそれぞれ配置されており、これら2
本の蛍光灯203,204によって、本装置の上面のコ
ンタクトガラス206を通して、このコンタクトガラス
206上にスケール207によりセットされたシート原
稿SOを左右両側から露光し、ブック原稿BOと同じく
シート原稿SOの読み取り時における濃度ムラや陰影を
なくすことができる。図3及び図4に示されるブック原
稿BOの蛍光灯調光回路は、蛍光灯201,202と、
その発光光量を検出する光量センサ201a,202a
と、調光回路201b,202bとから構成されてい
る。光量センサ201a,202aは、フォトダイオー
ドで構成されており、各蛍光灯201,202の原稿露
光方向の裏側の読み取り走査方向の略中央部にそれぞれ
配置されている。これらの光量センサ201a,202
aは、温度により変化する各蛍光灯光量をそれぞれモニ
タして、各蛍光灯光量が一定の露光適正値になるように
フィードバック制御する。各調光回路201b,202
bは、各光量センサ201a,202aが検出したそれ
ぞれの蛍光灯の光量信号を各積分回路201c,202
cにより平均化し、各増幅回路201d,202dによ
りこれらの信号を増幅し、それぞれの蛍光灯の目標の露
光光量との差分を増減して、各点灯回路201e,20
2eにより各蛍光灯201,202をそれぞれ駆動す
る。この蛍光灯の駆動方式では、CCD101の読み取
りのサンプリングに同期して読み取り濃度ムラにならな
いよう、駆動電流の振幅を変化させて光量調節を行うリ
プルレス調光方式を用いている。ここで、蛍光灯20
1,202の駆動周波数は40kHz、調光周波数は約
1kHzである。
【0038】目標の露光光量の設定は、モードに応じて
マイクロコンピュータからの0〜255の設定信号をD
/A変換器でアナログ値に変換し、各調光回路201
b,202bのリモート電圧端子に、それぞれのリモー
ト電圧V1,V2をアナログレベルで入力する。これら
の蛍光灯の点灯開始は、同じくスキャナ部のシーケンス
制御を行うマイクロコンピュータからの露光走査開始タ
イミングで点灯信号S1,S2をオンし、走査終了でオ
フする。このように、本装置は、各蛍光灯毎に独立した
調光回路を備えているので、点灯信号S1,S2及びリ
モート電圧信号により各蛍光灯を独立に消灯、光量変化
させることが可能である。
【0039】ところで、シート原稿読み取り時のキャリ
ッジ200の走査速度は120mm/sec.、ブック
原稿読み取り時のキャリッジ200の走査速度は90m
m/sec.であり、またCCD101の蓄積電荷は受
光パワーと蓄積時間の積によって決定される。そこで、
上記の読み取り線速差による光蓄積時間の差を各調光回
路201b,202bで補正する。すなわち、ブック原
稿読み取り時の露光設定値Pに対し、シート原稿読み取
り時は、1.33Pの露光設定値で走査し、シート原稿
とブック原稿とを同等の濃度データとして扱う。更に、
後述の図10に示される読み取り画像データの増幅回路
を用いて、ブック原稿読み取り時の増幅ゲインに対し、
シート原稿読み取り時は、1.33倍の増幅ゲインにな
るように設定すれば、同様の調光効果が得られる。
【0040】図5乃至図9に上記の蛍光灯駆動方式を用
いた設定露光光量の例を示す。
【0041】図5は、ブック原稿BOの読み取り走査開
始時点から両蛍光灯201,202とも設定値を一定の
ままとして露光する例である。
【0042】図6は、リモート電圧信号を操作して、ブ
ック原稿BOの綴じ部BOaで蛍光灯露光光量を増加さ
せる例である。この蛍光灯露光光量の増加は、キャリッ
ジ200の走査開始位置からの走査制御位置により、リ
モート電圧信号を変化させることにより行う。具体的に
は、図6に示す例では、キャリッジ200の走査アドレ
ス210mm地点より230mm地点まで、リモート電
圧信号を徐々に増加させて蛍光灯露光光量を徐々に増加
させ、キャリッジ200の走査アドレス250mm地点
より270mm地点まで、リモート電圧信号を徐々に減
少させて蛍光灯露光光量を徐々に減少させて元に戻す。
または、後述するブック原稿端部検知結果により、頁め
くりによって左右に変位するブック原稿BOの綴じ部B
Oaを算出して、同様に光量制御を行う。これにより、
ブック原稿の綴じ部に発生する陰影による濃度上昇(光
量不足)が改善される。また、載置されたブック原稿の
厚さにより、図6に破線で示すように、その走査時の露
光光量値を一層増加させることによって、綴じ部BOa
の彎曲で発生する露光不足、読み取り焦点レンズによる
濃度ムラを補正できる。この補正は、後述するブック原
稿台のブック原稿綴じ部載置用の一対のスライド板の開
閉量(すなわち、ブック原稿綴じ部の厚さ)を不図示の
センサで検知し、図7に示されるように、ブック原稿の
厚さに応じて各蛍光灯光量をブック原稿綴じ部で増加さ
せることにより行われる。
【0043】図8は、2本の蛍光灯露光光量を左右非対
称に増加させ、ブック原稿BOの綴じ部BOaの濃度上
昇を補正する例である。図8において、実線は右側の蛍
光灯の光量設定値、破線は左側の蛍光灯の光量設定値で
ある。この例では、キャリッジ200の読み取り部がブ
ック原稿BOの綴じ部BOaにさしかかり、読み取り原
稿面が右側に傾く位置から右側の蛍光灯の光量設定値を
実線で示すように増加させ、蛍光灯が露光し易いように
原稿面と垂直右方向からの露光光量を大きくして、この
綴じ部の地肌濃度が原稿頁部の地肌濃度と同一濃度にな
るように調整する。次いで、読み取り部がブック原稿綴
じ部の中央に到達した時点で、この右側の蛍光灯の光量
設定値を元の値に戻し、今度は上述と逆に、読み取り原
稿面が左側に傾く位置から左側の蛍光灯の光量設定値を
破線で示すように増加させ、蛍光灯が露光し易いように
原稿面と垂直左方向からの露光光量を大きくして、この
綴じ部の地肌濃度が原稿頁部の地肌濃度と同一濃度にな
るように調整する。そして、読み取り部がブック原稿綴
じ部の右側彎曲部の終端に到達した時点で、この左側の
蛍光灯の光量設定値を元の値に戻し、その後、両蛍光灯
の光量をそれぞれ一定した光量に維持させる。
【0044】図9は、各蛍光灯の露光光量を走査方向に
対して徐々に変化させた時の各蛍光灯の光量設定値の遷
移を示したものであって、図8における左右の蛍光灯の
露光光量を独立に増加させた場合の露光光量の拡大図で
ある。このように、各蛍光灯の露光光量を徐々に変化さ
せることによって、ブック原稿綴じ部の彎曲に対して、
その傾斜に合った濃度補正が可能になり、この綴じ部で
の露光光量変化による副走査方向の濃度飛びによる帯状
ムラの発生が防止される。また、この例のように各蛍光
灯の露光光量の変化ステップを256段と充分に取っ
て、各蛍光灯の光量を徐々に変化させることは、図6に
示されるような両蛍光灯の露光光量をブック原稿綴じ部
で左右とも同じく増加させる場合でも同様に効果があ
る。
【0045】次に、TPSの読み取り画像データのデー
タ増幅回路を用いて濃度ムラを補正する方式について説
明する。
【0046】図10に、読み取り画像データの増幅回路
を示す。このデータ増幅回路では、図2に示したよう
に、CCD101の蓄積電荷を主走査方向に転送出力
し、クランプ、サンプルホールド、EVEN/ODD画
素合成等の波形補正を施したアナログ信号を可変の増幅
回路で増幅する。この増幅された信号は、A/D変換さ
れてデジタルデータでIPU103に転送される。図1
0に示されるデータ増幅回路は、非反転増幅回路で構成
され、画像アナログ信号をアンプ301のVINに入力
し、このアンプ301により増幅された増幅信号をV
OUTより出力する。図10において、G1〜G5は、デ
ータ増幅値を設定する5ビットの信号入力で、通常、シ
ェーディング補正により算出された適正ゲインをセット
して画像を読み取る。図10の非反転増幅回路の増幅率
は、抵抗R1と、R2〜R7の並列抵抗で構成される抵
抗値Rで決定され、次式
【0047】
【数1】
【0048】で表される。従って、このデータ増幅回路
では、入力信号G1〜G5の設定値により、およそ6か
ら450倍までの32段階の倍率の選択が可能である。
【0049】そこで、本発明の第2の実施例では、この
画像データ増幅ゲインを調整することによって、ブック
原稿綴じ部の彎曲や陰影による濃度ムラの発生を防止す
る。具体的には、キャリッジ200の走査開始位置から
の走査制御位置により、入力画像データの増幅ゲインを
加算する。すなわち、この第2の実施例では、画像読み
取り位置がブック原稿綴じ部にさしかかった時点で、画
像データを薄い側にシフトさせて、原稿地肌濃度を一定
に保つように動作させる。
【0050】本方式のデータ補正は、図6に示された露
光光量の可変例と同様に、その増幅設定値を操作して、
読み取り画像データをブック原稿綴じ部で増加させ、画
像濃度を薄くするものである。この補正は、キャリッジ
200の走査開始位置からの走査制御位置により変化さ
せ、具体的には、キャリッジ200の走査アドレス21
0mm地点より230mm地点まで、読み取り画像デー
タのデータ増幅値を徐々に増加させ、キャリッジ200
の走査アドレス250mm地点より270mm地点ま
で、読み取り画像データのデータ増幅値を徐々に減少さ
せて元に戻す。これにより、ブック原稿の綴じ部に発生
する陰影による濃度上昇が改善される。また、載置され
たブック原稿の厚さにより、データ増幅値を増加させる
ことによって、綴じ部BOaの彎曲により発生する露光
不足、読み取り焦点レンズによる濃度ムラを補正でき
る。この補正は、ブック原稿綴じ部載置用の一対のスラ
イド板の開閉量(すなわち、ブック原稿綴じ部の厚さ)
を不図示のセンサで検知し、図7に示された場合と同様
に、ブック原稿の厚さに応じてデータ増幅値をブック原
稿綴じ部で増加させることにより行われる。更に、走査
方向に対して読み取り画像データのデータ増幅値を徐々
に変化させることによって、ブック原稿綴じ部の彎曲に
対して、その傾斜に合った濃度補正が可能になり、この
綴じ部での露光光量変化による副走査方向の濃度飛びに
よる帯状ムラの発生が防止される。
【0051】ここで、本実施例では、読み取りアナログ
データの増幅値を変えて補正する方式を示したが、A/
D変換後のデジタルデータで減算によるシフトあるいは
乗算によって同様の処理を行っても構わない。
【0052】ところで、ブック原稿綴じ部の彎曲や陰影
は、一般に主走査方向の同一位置に発生する特性を有し
ている。そこで、本発明の第3の実施例では、ブック原
稿綴じ部による濃度ムラを改善するために、その主走査
方向の画像データをサンプリングし、ブック原稿の地肌
部である最低濃度値により、その主走査方向ラインの画
像データをリアルタイムに補正する。この補正方法は、
主走査方向の前ラインの画像データのピーク値により、
図10に示された増幅回路の増幅ゲインを決定する。あ
るいは、FIFOメモリにより1ライン分の画像データ
を遅延させ、サンプリングした主走査方向の画像データ
のブック原稿の地肌部である最低濃度値のピークを算出
し、その値に基づいてデジタルデータのシフトあるいは
乗算によって、綴じ部付近の地肌濃度が頁部の地肌濃度
と等しくなるように操作する。ここで、一般にブック原
稿の頁内の地肌濃度は一定であるので、本方式における
頁部の画像濃度補正量は小さく、このブック原稿の地肌
部である最低濃度値を基準値としたことによる副作用は
極めて少ない。
【0053】一般に、公報等の見開きブック原稿の左頁
部分は、その頁めくり動作によって増加して、このブッ
ク原稿左端部は、本の表紙位置を基準として上方且つ右
方向に移動していく。一方、ブック原稿の右頁部分は、
その頁めくり動作によって減少して、このブック原稿右
端部は、下方且つ右方向に移動していく。このような、
頁めくりの操り返し枚数に対するブック原稿左端部の遷
移例を図11乃至図13に示す。図11乃至図13で
は、載置されたブック原稿の初期の見開きブック原稿左
端部の位置を“0”として、その頁めくり動作により増
加するブック原稿左端部の右方向への移動量を変位量で
表わしている。また、図11乃至図13では、ブック原
稿左端部の右方向への変位量をプラスとして、この変位
量をミリ単位で表示した。ここで、図11は、本の厚み
20mm、総頁数750頁、図12は、本の厚み12m
m、総頁数300頁、図13は、本の厚み9mm、総頁
数180頁で、本のサイズは全て見開きB4サイズであ
る。図11乃至図13で明らかなように、これらのブッ
ク原稿左端部はその頁めくりによって右方向に変位する
が、この変位により中央綴じ部の形状が変わるため、ブ
ック原稿左端部の変位量は必ずしも単調増加とはならな
い。また、ブック原稿はその頁めくりにより中央綴じ部
が左右方向にスライドするため、図12及び図13に示
されるように、その頁めくり過程で逆に減少する地点も
生じ、図13に示される薄手のブック原稿に至っては、
左方向(マイナス方向)へも変位している。更にこれら
の変位量は、ブック原稿のサイズや厚さ、及び紙質等に
よっても左右される。
【0054】そこで、本実施例では、このようなブック
原稿の端部の変位に拘らずに、画像の取り込みやプリン
トに適した画像有効範囲(見開かれた本の頁面)が得ら
れるようにするために、読み取りセンサ(CCD10
1)の画像読み取り情報により、このブック原稿の見開
かれた頁の端部の位置を検出し、このブック原稿端部位
置を基準としてブック原稿の画像有効範囲を得るように
する。本実施例により検出されたブック原稿のエッジ部
(表紙端部)は、見開きサイズA3の場合、その読み取
り位置で中央セット位置よりおよそ210mm、キャリ
ッジ(頁めくり読み取りユニット)200のホームポジ
ションからおよそ30mmの位置である。
【0055】本実施例におけるブック原稿の端部の検出
は、読み取りセンサの特定画素による読み取り情報の副
走査方向への変化により行う。読み取りセンサの読み取
りデータは、ブック原稿エッジ部で図14に示されたよ
うになる。ここで、ブック原稿の左端部では、読み取り
原稿面がセンサ結像点より下方に位置しているため焦点
がずれ、僅かにぼやけた画像となる。また、読み取り位
置が原稿に達していない時は、原稿台または本裏表紙部
が読み取られ、黒画像と同じレベルとなる。センサ読み
取り位置がブック原稿端部に達すると、原稿頁のエッジ
群による縞模様部分が検出される。一般に、ほとんどの
本は、その頁の地肌が白色で、ブック原稿端部から十数
ミリの部分には文字や画像がない。そこで、この均一色
(白色)が続いた時点で、ブック原稿端部と判断する。
このブック原稿の端部検出は、その頁めくり走行の最後
に、上記の画像読み取り方向とは逆方向で検出する。
【0056】上述のように、読み取りセンサの出力情報
により原稿面を検出することによって、ブック原稿の端
部の変位に拘らず、画像の取り込みやプリントに適した
画像有効範囲が得られる。
【0057】一般に、見開きブック原稿BOの原稿端部
は、図15のように原稿頁のエッジ群が傾斜状に積み重
なって構成され、端部の傾斜と逆方向からの照明に対
し、原稿頁の端部に陰を生じ原稿頁のエッジ群による縞
模様を強調されて読み取られる。
【0058】本装置では、ブック原稿読み取り時はその
左右頁を均一に読み取り、ブック原稿の綴じ部の彎曲部
まで読み取るために、原稿面の左右から一対の蛍光灯で
露光照明を行っているが、上記のブック原稿端部の検出
時においては、片方の蛍光灯を消灯または減灯してブッ
ク原稿端部の原稿頁のエッジ群による縞模様を強調し、
原稿端部の位置検出の精度を向上させる。すなわち、キ
ャリッジ200右から左への頁めくり走行の後半で、図
3の蛍光灯調光回路の点灯信号S1とリモート電圧V1
を操作し、右側の蛍光灯202のみを点灯する。また、
頁めくりのための右頁吸着のための見開きブック原稿の
右頁端部の検出においては、原稿面の読み取り走査終了
時に、図4の蛍光灯調光回路の点灯信号S2とリモート
電圧V2を操作し、右側の蛍光灯202のみを消灯して
読み取る。
【0059】ところで、上述のようにしてブック原稿の
エッジ群によりブック原稿の端部を検出する方法では、
ブック原稿の読み取り頁内に頁のエッジ群による縞模様
に類似した画像がある場合、ブック原稿端部の検出を誤
る可能性がある。そこで、ブック原稿端部を検出する第
2の方式としては、一対の蛍光灯の両側からの露光照明
による画像と、一方のみの蛍光灯の片側からの露光照明
による画像との比較により、ブック原稿端部の検出精度
を高めるようにする。
【0060】すなわち、この方法では、ブック原稿端部
の検出時において、片方の蛍光灯を消灯または減光し、
ブック原稿端部の頁のエッジ群による縞模様を強調して
読み取る第1のモードと、両蛍光灯により露光照明して
ブック原稿端部の頁のエッジ群による縞模様を強調して
読み取る第2のモードとを切り換え、この第1のモード
と第2のモードとの画像読み取りデータを比較して、両
者の画像読み取りデータに差が生じた場合の読み取りデ
ータをブック原稿端部の検出データとする。一方、第1
のモードと第2のモードとの画像読み取りデータを比較
して、両者の画像読み取りデータの差が殆んどなけれ
ば、この読み取りデータは平面上に構成されている画像
の読み取りデータであると判断し、ブック原稿頁内にプ
リントされた画像であると認識する。具体的には、キャ
リッジ200右から左への頁めくり走行の後半で、図
3、図4の蛍光灯調光回路の点灯信号S1,S2とリモ
ート電圧V1,V2を操作し、蛍光灯の点灯を切り換え
る。この蛍光灯の点灯切り換えタイミングは、主走査1
ライン毎に行うか、2回走査しそれをメモリして比較し
てもよい。また、この第2の方式は、ブック原稿端部の
検出結果が疑わしい場合にのみ、その確認のために実施
するようにしてもよい。このように、この第2の方式に
よれば、ブック原稿端部の位置検出の精度をより向上さ
せることができる。
【0061】本装置のブック原稿モードの複写動作タイ
ミングを図16乃至図20に示す。
【0062】ここで、これらの図中における数字はブッ
ク原稿の読み取り頁ナンバーを示しており、2頁と3
頁、4頁と5頁が原稿の見開き頁を構成しているとす
る。また、フレームメモリの104の読み出し信号メモ
リRの符号R及びLは、それぞれ読み出し画像データの
右頁及び左頁を表わしている。更に、各モードのブック
原稿の頁サイズはA4サイズで、ブック原稿の見開き2
頁をキャリッジ200の1回の走査で連続して読み取
り、前記フレームメモリ104内にA3サイズ分の読み
取りデータを記憶し、各出力モードに応じてこのフレー
ムメモリ104より記憶データを読み出して感光体に作
像して転写紙に記録する。
【0063】図16は、A3サイズの転写紙に見開き状
態の画像を出力し、ブック原稿に対し1部の複写を行う
1対1複写モードである。図17は、左右の読み取るベ
き頁の各画像をそれぞれ別々のA4サイズの転写紙に独
立頁毎に出力し、同じくブック原稿に対し1部の複写を
行う1対1複写モードである。図18は、図17と同様
に独立頁出力で、複写設定枚数2枚においてブック原稿
に対し2部の複写を行う2枚複写モードである。
【0064】図16のブック原稿モード動作タイミング
において、複写開始を指示するプリントキーをオンする
と、キャリッジ200を走行するスキャナモータ106
(図1)が逆転方向へ駆動され、中央部に位置していた
キャリッジ200が読み取り開始方向へ移動される。こ
のキャリッジ200の移動途中で、右側の蛍光灯202
を点灯し、読み取りセンサ(CCD101)を駆動し
て、前述のように、見開きブック原稿の左頁端部を走査
しながらブック原稿端部を検出する。そして、キャリッ
ジ200が見開きブック原稿の左頁端部より約30mm
地点の読み取り開始位置へ移動した時点で、スキャナモ
ータ106を正転方向へ駆動させ、両方の蛍光灯20
1,202を点灯させて読み取り走査を開始する。この
走査による読み取りデータを、上述のようにして検出し
た見開きブック原稿の左頁端部地点から原稿画像として
処理し、読み取り副走査方向の有効画像領域信号SF
GATEを発生させる。そして、この領域信号によって
フレームメモリ104のデータ書き込み信号メモリWを
操作し、データ書き込み範囲を制御する。また、スキャ
ナモータ106の制御アドレスから、見開きブック原稿
綴じ部の中央地点を認識し、これを、独立頁出力モード
時の第2の画像の基準位置や、見開き出力モード時で読
み取り画像を転写紙の中央に形成する場合等に用いる。
次いで、キャリッジ200が見開きブック原稿の右頁端
部に達した時点で、前述のように右側の蛍光灯202を
消灯して読み取り、ブック原稿の右頁端部を検出して、
次の頁めくり時の頁吸着位置を算出する。上述のように
して読み取り走査をすると復動の頁めくり走行に入り、
画像形成を開始する。これにより、プリンタ側の副走査
方向の有効画像領域信号PF GATEによってフレー
ムメモリ104のデータ読み出し信号メモリRを操作
し、プリンタの動作に同期させなからデータを画像出力
する。また、この頁めくり時に、見開きブック原稿の左
頁端部を走査しながらブック原稿端部位置を検出する。
以上の工程を繰り返し実行することにより、ブック原稿
の頁を自動でめくりながらブック原稿の見開き頁の複写
を行う。
【0065】図17は、読み取りデータを独立頁毎に出
力する1対1複写モードで、読み取りモード時は図16
と同様のタイミングで動作し、頁めくり時の画像出力
は、連続して搬送される転写紙に合わせて2つのPF
GATEによってフレームメモリ104のデータ読み出
し信号メモリRを操作し、頁毎のデータを画像出力す
る。ここで、ブック原稿右頁の画像データは、フレーム
メモリ104のアドレスカウンタをPF GATEによ
ってマスクして停止させることにより、左頁の第1の画
像に連結した画像データを第2のPF GATE信号に
より転写紙間隔を持って読み出す。
【0066】図18は、図17と同様に独立頁の2枚複
写モードで、読み取りモード時は図16と同様のタイミ
ングで動作し、頁めくり時の画像出力は、連続して搬送
される転写紙に合わせて複数のPF GATEによって
フレームメモリ104のデータ読み出し信号メモリRを
操作し、頁毎のデータを複数枚画像出力する。本例で
は、始めに左の読み取り頁の画像を2枚出力し、次に右
の読み取り頁の画像を2枚連続で出力する。ここで、キ
ャリッジ200は、プリンタ部が画像出力を行っている
間に、頁めくり走行を終了しており、その読み取り走査
開始位置で停止して、次の読み取り走査に備えて待機し
ている。
【0067】図19、図20は、ブック原稿両面モード
の動作タイミングで、転写紙両面にブック原稿の頁の表
裏と同様の構成の画像を複写するものである。図19
は、従来からの方式で、読み取り頁順に複写するモード
である。このモードでは、見開きブック原稿の右頁デー
タをフレームメモリ104から読み出して転写紙の表面
に形成し、次いでこの転写紙を反転させ、両面搬送路を
経由させてこの転写紙を両面スタック位置に搬送する。
一方、TPSでは左方向の走行により1回の頁めくりを
行い、次の見開き頁を読み取り、この読み取りデータを
フレームメモリ104に記憶する。そして、両面搬送を
終了した転写紙を再給紙して見開きブック原稿の左頁デ
ータをフレームメモリ104から読み出し、このデータ
を転写紙の裏面に形成して排出する。しかし図19に示
された従来方式では、転写紙の両面への画像形成のため
の反転や搬送パスにより、転写紙の再給紙までに時間が
かかり、その両面複写の生産性を低下させていた。
【0068】図20は、上述の課題に鑑みてなされたも
のであって、フレームメモリ104を用いて読み取り頁
順とは異ならせて画像形成することを特徴とする本発明
による1対1高速両面モードである。この方式では、第
1に、見開き右側の1頁の画像を第1の転写紙の表面に
作像して両面搬送する。第2に、見開き2,3頁を読み
取り、フレーム104に記憶する。第3に、先に3頁の
画像データをフレームメモリ104から読み出し、第2
の転写紙の表面に作像して両面搬送しておく。第4に、
両面スタック位置の第1の転写紙を再給紙し、2頁の画
像データをフレームメモリ104から読み出して、この
データを第1の転写紙の裏面に形成して排出する。以
下、読み取り見開き頁と逆順に順次出力することによ
り、ブック原稿の両面複写が高速に行われる。すなわ
ち、転写紙両面への画像形成のための反転や搬送パスに
よる、転写紙の再給紙までに要する両面搬送所要時間
は、図19と図20とでそれぞれ同じであるが、本発明
による方式では、第1の転写紙の両面搬送期間中に、次
の第2の転写紙への画像形成を実施するようにしている
ので、転写紙の反転再給紙のための待ち時間を解消した
連続複写ができ、従来の1.5から2倍程度の複写生産
性を得ることができる。
【0069】図21に本発明によるTPSの電装ブロッ
ク図を示す。図21において、TPS制御ボード110
は、ワンチップCPU、外部ROM、RAM、I/O、
タイマ、及びシリアルインターフェースからなり、TP
S全体の制御を行っている。このTPS制御ボード11
0は、シリアルインターフェースにより操作表示制御部
111とプリンタ部112に接続されており、それぞれ
の間でコマンド及びデータのやり取りが行われている。
読み取りユニット駆動ドライバ113は、キャリッジ2
00のスキャナモータ106を正逆転駆動させて原稿を
走査している。この原稿走査に先立って、中央HPセン
サ114と端部HPセンサ115との2つのセンサによ
り、キャリッジ200のホームポジションが検出され
る。ここで、ブック原稿読み取り時は、中央HPセンサ
114の検出位置がキャリッジ200のスタート位置と
なっている。図34に示されるように、キャリッジ20
0内には、ブック原稿BOの頁を静電吸着によりめくり
込むためのめくりベルト208があり、ブック原稿頁
は、このめくりベルト208上に高圧電源116で電荷
パターンを形成することにより、めくりベルト208上
に静電吸着される。そして、このめくりベルト208上
に静電吸着された原稿頁のめくり込みは、めくりベルト
上下ソレノイド117(図21)によりめくりベルト2
08を上方に揺動させて、吸着された頁端部をキャリッ
ジ200側に持ち上げることによって行われる。この
時、頁めくりセンサ118によって、原稿頁がめくられ
たか否かが検知される。この頁めくり時に、頁めくりセ
ンサ118の検知が所定のタイミングで行われなかった
場合には、その頁めくり走行が再実行される。
【0070】ミラー切り換えソレノイド119は、ブッ
ク原稿専用の下読み取りの光路と、シート原稿等の一般
的な上読み取りの光路との切り換えを行うソレノイドで
あって、キープソレノイドを使用することにより、光路
切り換え時のみソレノイドに通電するようになってい
る。原稿照明用の光源としては、前述したように、キャ
リッジ200の上下の各読み取り部に配設された各2灯
の蛍光灯201,202、及び203,204がそれぞ
れ使用されている。各蛍光灯201,202,203,
204には、光量センサ201a,202a,203
a,204aがそれぞれ取り付けられており、各蛍光灯
の光量は、フィードバックにより蛍光灯ドライバを介し
て、それぞれ一定光量に制御されている。また、各蛍光
灯201,202,203,204には、ヒータ201
f,202f,203f,204fと、サーミスタ20
1g,202g,203g,204gとがそれぞれ取り
付けられており、これらのヒータとサーミスタによって
各蛍光灯の温度制御が行われている。この電装ブロック
では、4灯の蛍光灯が1つの蛍光灯ドライバ120に接
続されているが、各蛍光灯の点灯装置は2回路のみであ
り、TPS制御ボード110からの切り換え信号により
上下の各蛍光灯の接続を切り換える回路が蛍光灯ドライ
バ120の内部に備わっている。
【0071】原稿画像は、各蛍光灯の照明によりミラー
及びレンズを通り、VPU102に接続されているCC
D101に結像される(詳細は後述)。VPU102
は、CCD101を駆動するクロックを発生し、CCD
101から出力されたアナログの画像信号をA/Dコン
バータによりデジタル値に変換して、フレームメモリ1
04とIPU103を通し画像信号をプリンタ部112
に出力する。ここで、フレームメモリ104は、TPS
の読み取り線速とプリンタ部112のプロセス線速のバ
ッファに使用される。また、IPU103では、画像デ
ータの画像処理が行われる。
【0072】以下、本発明のTPSにおける原稿台ユニ
ットの構成について説明する。
【0073】図22乃至図24に示される実施例の原稿
台1は、厚さが2mmの樹脂製の板で形成されており、
その上側の表面には、極薄いゴムなどの摩擦係数の高い
材料が貼り付けてある。この高摩擦係数材料は、ラミネ
ートやコーティング、あるいは吹き付けなどにより、原
稿台1の上面に形成してもよい。本実施例における原稿
台1はその原稿載置面(上面)の大きさがA4サイズに
形成されており、装置本体中心2の左右に、それぞれ1
つずつ配設されている。また、各原稿台1の下には、ス
ライド板3がそれぞれ固定されている。各スライド板3
は、その前後と外側面の三方が下方に曲げられた板金で
構成されており、それぞれ前後の側面の装置本体中心2
の近傍に、調整スタッド4がそれぞれ固定されている。
各調整スタッド4の端部には、後述するスライダのピン
を嵌合するための穴が開けられている。
【0074】一方、スライド板3の下面は、上下台5の
摩擦係数の低い上面と接している。ここで、上下台5の
上面は、テフロンなどの樹脂のリブが形成されていて、
スライド板3とスムーズに左右に相対移動できる。ま
た、スライド板3と上下台5は、後述するサイズストッ
パにより相対的に固定される。上下台5の下側には、左
右方向に延びる長穴のあいたアングル7a,7bが前後
左右4カ所に付いている。この原稿台ユニットのベース
6には、固定回転軸を持ち他のアングル8、左右方向に
延びる長穴のあいた更に他のアングル9がそれぞれ固定
されている。
【0075】ここで、アングル8とアングル7bにはリ
ンク板10が、アングル9とアングル7aにはリンクア
ーム11が、それぞれ回転自在に軸支されており、且
つ、アングル7a,7b,9に対しては、リンク板10
及びリンクアーム11が、それぞれ左右方向にスムーズ
にスライドできるようになっている。更に、原稿台ユニ
ットの前面から見て、前後に各1個あるリンク板10及
びリンクアーム11は、X字状の交差部分でリンク板に
固定されたスタッド12により互いに回転自在に軸支さ
れている。また、このスタッド12をねじリ中心とし
て、ねじりバネ13がリンク板10とリンクアーム11
との間に掛けられて、リンク板10の内側でねじりバネ
13の一端を支持し、且つリンク板10の側面部をのり
こえてリンクアーム11でバネ13の他端を支持するよ
うになっている。このような構成により、図22におい
て、上下台5を常時上方に押し上げる力が働くと共に、
バネ13がリンク板10の内側に配置されるのでコンパ
クトな構成となり、全体としても小型の原稿台が提供さ
れる。この上昇力による上下台5の上昇は、後述するよ
うに上下動の規制されているキャリッジ200に、原稿
台ユニット上にセットされたブック原稿の原稿面が当接
することによって規制される。これにより、スキャナユ
ニット30に対する加圧力が、ブック原稿の厚さの違い
に拘わらず略一定に維持される。
【0076】更に詳しく説明すると、ねじりバネ13の
バネ定数Kxを次の条件から決定している。
【0077】各原稿台上に置かれる、例えばA4版のブ
ック原稿の紙質を45kg紙と仮定し、紙厚を0.1m
mとして、原稿台が、載置される頁数によって下降する
量をHxと、そのときのねじりバネの反力をFxと、載
置された頁が原稿台に加える力(荷重)をWxとする
と、そのときの加圧力Pxは、Px=Fx−Wx=Kx
・Hx−Wxとなる。このPxが載置される頁数によら
ず略一定になるように、Kxを決定する。すると加圧力
が変化せず、読み取り性能が向上する。
【0078】また、左右2つの上下台5の装置本体中心
2側の端部は、背支持板14により互いに連結されてい
る。この背支持板14は、ゴムなどの弾性変形する材質
で構成されていて、この背支持板14上にブック原稿B
Oの背表紙がセットされる。また、背支持板14は、後
述する引っ張りスプリングの作用により左右方向に常に
張力を掛けられている。すなわち、上下台5にはフック
15が設けられており、このフック15とリンク板10
のアングル16とが引っ張りスプリング17で繋がれる
ことにより、左右一対の上下台5が互いに離間する方向
に引っ張られる。これにより、背支持板14に対して常
時張力がかけられ、弛むことなくブック原稿の背表紙が
支持される。
【0079】ベース6の両サイドには、板金製の側板1
8が固定されており、各側板18には、後述するスキャ
ナユニットの開閉ロック爪と係合する固定ピン19が付
いている。また、一方の側板18には、スキャナユニッ
トが閉じた時にこれを上方に押し上げておくための板バ
ネ21と、スキャナユニットが閉じた状態を検知するた
めの開閉ロックセンサ20が取り付けられている。
【0080】次に、サイズストッパ27について説明す
る。このサイズストッパ27は、載置されるブック原稿
の厚さに応じて、左右の原稿台1の間隔を調整し、スラ
イド板3(原稿台1)と上下台5を相対的に固定し、原
稿台1と上下台5とが互いに一体となって動くようにす
るための装置である(図25及び図26参照)。図23
に示されるように、上下台5の下側に一対のアングル2
2が所定の間隔をおいて取り付けられている。これらの
アングル22には、図25に示されるように、ロッド2
3が横架されて固定されている。このロッド23には、
摺動体24が自身の貫通孔を通して、ロッド23の長手
方向にスムーズにスライドできるように装着されてい
る。この摺動体24には、ロッド23と直交するように
短軸26が植設されており、この短軸26にはストッパ
25が回転自在に支持されている。ここで、ストッパ2
5は、その一方の端部に穿たれた係止穴25aがロッド
23に緩く嵌合し、他端部が指で掴めるように延出され
ている。
【0081】摺動体24は、ロッド23に対してストッ
パ25が傾き、ロッド23とストッパ25の係止穴25
aとが噛み合うことによって、ロッド23の任意の位置
に固定される。すなわち、摺動体24は、通常はストッ
パ25が係止スプリング28によって傾き、ロッド23
とストッパ25とが一体化されることによりロッド23
に固定されているが、図26において係止スプリング2
8の弾力に抗する方向に、オペレータがストッパ25の
延出端部を指で回転させることにより、ロッド23とス
トッパ25の係止穴25aとの噛み合いが外れて、この
ストッパ25と共にロッド23に沿って移動できる。ま
た、この摺動体24はスライド板3に固定されている
(図示せず)。従って、上述のようにして、この摺動体
24をロッド23の所定位置に固定することによって、
この摺動体24及びロッド23を介して、スライド板3
(原稿台1)と上下台5とを、相対的に任意の位置で固
定できる。
【0082】次に、原稿台ユニットの開閉ロック機構に
ついて説明する。この開閉ロック機構の概略構成図を図
27及び図28に示す。本実施例のTPSは、図27及
び図28に示されるように、原稿台ユニット35の上に
スキャナユニット30が載った構成になっている。これ
らの両ユニット30,35は、TPSの後側に配設され
たヒンジ36によって互いに連結されており(図2
8)、TPSの前側が開放されるシェル型開閉構造にな
っている。このTPSにおける原稿台ユニットの開閉ロ
ック機構は、両ユニット30,35の前方部分に配設さ
れている。前述したように、側板18には、固定ピン1
9が付いている。また、図27に示されるように、スキ
ャナユニット30側には、左右側板に亘ってシャフト3
1が回転自在に軸支されており、このシャフト31の両
端に固定された開閉ロック爪32が、このシャフト31
の回転に合わせて回動するようになっている。また、シ
ャフト31の中央付近には、開閉レバー33が固定され
ており、この開閉レバー33を回動させることにより、
シャフト31を介して、原稿台ユニット35側の固定ピ
ン19に対して各開閉ロック爪32を係脱させるように
なっている。この開閉レバー33にはスプリング34が
掛っており、このスプリング34は、平生、開閉ロック
爪32が固定ピン19に係合(ロック)する方向に開閉
レバー33を付勢している。これにより、スキャナユニ
ット30は、図27に示されるように閉じた状態で、開
閉ロック爪32が固定ピン19に係合して、原稿台ユニ
ット35に対してロックされる。また、この閉鎖状態に
おいて、スプリング34の付勢力に抗して開閉レバー3
3を持ち上げることにより、シャフト31が回転して原
稿台ユニット35側の固定ピン19から各開閉ロック爪
32が離脱され、図28に示されるように、スキャナユ
ニット30がヒンジ36を回転中心として上方に開い
て、原稿台ユニット35の上部(原稿台1)が開放され
る。
【0083】次に、本実施例の原稿台加圧固定切り換え
装置、及び原稿台待避装置について説明する。
【0084】前述したように、リンク板10とリンクア
ーム11とによって上下方向に移動可能に構成されてい
る原稿台1には、ねじりバネ13により常に上昇しよう
とする力が付勢されている。これにより、原稿台ユニッ
ト35に対してスキャナユニット30が閉じられた状態
では、この原稿台1の上昇習性により、原稿台1上に見
開かれて載置されたブック原稿BOの原稿面を、スキャ
ナユニット30の下部に押し付けるように常に上方に加
圧する。このブック原稿BOの原稿面の押圧力は、通
常、スキャナユニット30内のキャリッジ200が受け
ているが、このキャリッジ200が原稿台1上のブック
原稿から外れた位置に移動した状態では、原稿台1の上
昇習性によって、原稿台1及びブック原稿BOがスキャ
ナユニット30内に食い込んで、キャリッジ200のス
ムーズな移動が阻害されてしまう。従って、原稿台1が
適切な位置まで上昇した状態で、この原稿台1を固定
し、原稿台1の上昇習性による原稿台1及びブック原稿
BOのスキャナユニット30内への余分な食い込みを阻
止する必要がある。また、後述するようにキャリッジ2
00内の走査光路を切り換えて、スキャナユニット30
の上部に配置されたコンタクトガラス206上の原稿を
読み取るときには、キャリッジ200の下部と原稿台の
上面とが接触しないように、原稿台ユニット35の下方
に原稿台1を待避させておく必要がある。
【0085】原稿台加圧固定切り換え装置及び原稿台待
避装置は、これらの課題を解消するための装置であり、
これらの両装置を1つの機構で兼用させる仕組の構成例
を図29乃至図34に示す。
【0086】この機構の構成部品の1つである制御ワイ
ヤ40には、図29に示されるように、その一端にフッ
ク41が、また、その他端に他のフック42が、更に、
その略中央部付近に球状の止め玉45がそれぞれ固定さ
れている。フック41は、リンク板10の外側端部(原
稿台1の上昇下降によって上下する側)に固定されてい
る。このフック41から延びた制御ワイヤ40は、プー
リ46、プーリ47を介して方向を変換し、制御プーリ
48に巻き付けられている。ここで、制御ワイヤ40
は、図30及び図31に示されるように、制御プーリ4
8の溝50に導かれて、その中央部付近に固定された止
め玉45が制御プーリ48の止め穴49にはめ込まれて
いる。これにより、この制御ワイヤ40の動きが、制御
プーリ48の回転運動に確実に変換される。この制御プ
ーリ48に巻かれて延出した制御ワイヤ40は、その一
方の端部のフック42に掛けられた張架バネ43の一端
によって常に引っ張られている。この張架バネ43の他
端は、原稿台ユニット35のベース6に固定されたフッ
ク44に掛けられている。
【0087】制御プーリ48は、図30に示されるよう
に、ワンウエイクラッチ51を介してシャフト54に支
持されている。このシャフト54は、一対の側板55に
支持された滑り軸受52に、その両端がEリング53で
抜け止めされることによって、滑り軸受52を介して側
板55に対して回転自在に支持されている。これによ
り、制御プーリ48は、シャフト54に対して図31の
矢印a方向には自由に回転できるが、この矢印aと反対
の方向には、ワンウエイクラッチ51の作用によって、
シャフト54と相対回転することができず、このシャフ
ト54と一体となって回転する。従って、後述する機構
によってシャフト54が固定されると、制御プーリ48
は、図29において矢印a方向、すなわち、原稿台1が
下降する際の回転方向にのみ回転可能な状態になる。
【0088】次に、この原稿台加圧固定切り換え装置に
よる原稿台1の下降・固定動作について説明する。
【0089】図29乃至図31において、シャフト54
が固定された状態にあるとき、何らかの外力、例えば、
ブック原稿Bの自重やめくられた頁による加圧などによ
って、原稿台1が押し上げられると、この原稿台1側に
固定されている制御ワイヤ40のフック41側の端部が
弛む。これと同時に制御プーリ48が、張架バネ43に
引っ張られて、この制御ワイヤ40のフック41側の弛
みを吸収しながら矢印a方向に回転し、制御ワイヤ40
が初期の張力を維持してフック44側に移動する。この
とき、制御プーリ48は、ワンウエイクラッチ51の作
用によって、矢印aと反対の方向に回転することができ
ないので、原稿台1の上昇力が原稿台1に対する押下力
を上回っていても、この原稿台1の上昇力によって制御
プーリ48が矢印aと反対の方向に回転されることはな
く、この制御プーリ48は矢印a方向に回転した位置を
維持して停止する。また、この制御プーリ48の停止に
伴って、制御ワイヤ40の移動も停止され、これによっ
て、原稿台1は、外力により押し上げられた位置まで下
降して停止する。
【0090】ここで、シャフト54の固定は、以下に延
べる原稿台昇降機構によって行われる。すなわち、シャ
フト54には、図32に示されるように、ギヤ56がシ
ャフト54と一体となって回転するように固定されてい
る。また、このギヤ56は、図33に示されるように、
側板55に固定されたスタッド59に回転自在に支持さ
れている他のギヤに噛み合っており、その回転がギヤ5
7に伝達されるように構成されている。更に、ギヤ57
はウォームホイール58と一体成形されており、このウ
ォームホイール58には、原稿台昇降モータ61の出力
軸に固定されたウォームギヤ60が噛み合うように構成
されている。この構成により、原稿台昇降モータ61が
停止しているときには、ウォームギヤ60とウォームホ
イール58との噛み合いによって、ウォームホイール5
8が回転できず、このウォームホイール58と一体のギ
ヤ57に噛み合っているギヤ56を介して連結されたシ
ャフト54が固定状態となる。
【0091】次に、原稿台1の原稿台ユニット35下方
への待避動作について説明する。
【0092】図32乃至図34において、ギヤ56が矢
印b方向に回転するように原稿台昇降モータ61を駆動
すると、ワンウエイクラッチ51により制御プーリ48
とシャフト54とが一体となって回転し、この制御プー
リ48が図29において矢印a方向に回転して、制御ワ
イヤ40がフック44側に移動する。この制御ワイヤ4
0の移動により、図34において、左右の各原稿台1が
下降し、各原稿台1の上面(本実施例ではブック原稿B
Oの原稿面)が、キャリッジ200から離間した、原稿
台ユニット35の下方位置に待避される。この待避動作
は、装置本体の電源オン時や読み取り走査を行わない待
機時、及びスキャナユニット30の上部に配置されたコ
ンタクトガラス206上の原稿の読み取り時に実行され
る。
【0093】次に、原稿台1の原稿台ユニット35の上
方への加圧動作について説明する。
【0094】上述の待避動作時とは逆に、図32乃至図
34において、ギヤ56が矢印c方向に回転するように
原稿台昇降モータ61を駆動すると、シャフト54が図
29における矢印a方向と反対の方向に回転し、ワンウ
エイクラッチ51の作用によって制御プーリ48がシャ
フト54に対してフリー回転可能な状態になる。ここ
で、本実施例では、原稿台1を上方に押し上げているね
じりバネ13の力が、制御ワイヤ40を下方に引っ張っ
ている力よりも強く設定されている。従って、このよう
に制御プーリ48が矢印a方向と反対の方向にフリー回
転できる状態では、原稿台1を上方に押し上げようとす
るねじりバネ13の力によって、制御ワイヤ40がフッ
ク41側に移動する。この制御ワイヤ40の移動によ
り、図34において、左右の各原稿台1が上昇し、各原
稿台1の上面に見開いて載置されたブック原稿BOの原
稿面が、キャリッジ200に加圧される。このように左
右の各原稿台1が上昇して、各原稿台1の原稿面がキャ
リッジ200に圧接した状態で、原稿台昇降モータ61
を駆動し続けると、ワンウエイクラッチ51の作用によ
って制御プーリ48に対してシャフト54がフリー回転
可能な状態になって、原稿面のキャリッジ200への圧
接状態が持続される。この加圧動作は、後述するよう
に、原稿台1の上にキャリッジ200がある時だけ実行
される。
【0095】この原稿台加圧固定切り換え装置及び原稿
台待避装置は、図34に示されるように、左右一対の原
稿台1に対してそれぞれ1組ずつ配設されており、キャ
リッジ200の移動位置に応じて、それぞれ独立して制
御される。すなわち、この原稿台加圧固定切り換え装置
及び原稿台待避装置の駆動源となる左右1組の原稿台昇
降モータ61は、図21に示されるように、TPS制御
ボード110により、各原稿台昇降モータドライバ12
1を介して、それぞれ独立して制御される。
【0096】上述した待避動作モード時における原稿台
1の下方への待避動作図を図35に、タイミングチャー
トを図36に示す。
【0097】この待避動作モードでは、図36に示され
るように、キャリッジ200の移動開始に先立って、左
右の原稿台昇降モータ61をそれぞれ所定の回転数だけ
逆転させて、図35に示されるように、左右の原稿台1
を下方へ下げる。その後、スキャナモータ106を駆動
し、キャリッジ200を所定の方向に移動させて走査を
行う。ここで必要であれば、この走査を何度も繰り返
す。そして、この待避動作モード終了時に、左右の原稿
台昇降モータ61を所定の回数だけ正転させて、左右の
原稿台1を元の位置に戻す。
【0098】次に、原稿台1の加圧・固定モードについ
て説明する。
【0099】このTPSにブック原稿BOをセットする
ときは、図37に示されるように、ブック原稿BOの背
表紙を背支持板14に当てて、図25に示されたサイズ
ストッパ27を外してスライド板3をブック原稿BOの
厚さに合わせて移動させる。このスライド板3の移動に
よりブック原稿BOの背表紙を左右の原稿台1の内側の
端部で挾み付け、この状態でそれぞれのスライド板3を
サイズストッパ27で固定した後、ブック原稿BOの読
み取り開始頁を開き、この見開きブック原稿を左右の原
稿台1上にセットしてスキャナユニット30を閉じる。
これにより、図27に示されたように、開閉ロック爪3
2が固定ピン19に係合して、原稿台ユニット35に対
してスキャナユニット30が閉じた状態でロックされ
る。この時、開閉ロックセンサ20によってスキャナユ
ニツト30が閉じられたことが検知される。
【0100】ところで、このTPSの動作終了時には、
キャリッジ200が、図39に示される中央ホームポジ
ション(セットされたブック原稿BOの中心ポイント)
に戻る。従って、このTPSにブック原稿BOをセット
する時も、そのキャリッジ200が中央ホームポジショ
ンに位置している。これにより、ブック原稿BOがTP
Sの中央を基準としてセットされるので、そのスキャナ
ユニット30を閉じたときに、どんな大きさのブック原
稿でも確実に押さえることができ、そのブック原稿のセ
ット性が向上する。また、このように中央基準としてセ
ットすることにより、ブック原稿の読み取り頁めくりを
原稿台1上で行うときの制御タイミング(読み取り開
始;読み取り終了タイミング、頁めくり開始タイミング
等)を比較的取り易くなる。更に、このように中央基準
としてブック原稿をセットすることにより、ブック原稿
のエッジ検出を行い易くなることもその利点としてあげ
られる。
【0101】一方、スキャナユニット30のコンタクト
ガラス206上にセットされた原稿を読み取る時は、図
34に示されるように、このコンタクトガラス206の
左側に配置されたスケール207の右端部を原稿の基準
セット位置とする端面基準となる。このように、この場
合には、その基準セット位置がブック原稿の読み取り開
始位置と異なり、その構成が最小サイズになるようにし
てある。すなわち、このように原稿の基準セット位置を
端面基準とすることにより、コンタクトガラス206上
にセットされた原稿の読み取り開始ポイントが常に一定
となり、その制御が簡単となる。
【0102】TPSがコンタクトガラス206上の原稿
を読み取るシートモードに入ったときは、キャリッジ2
00は、中央ホームポジションから左側に移動して端部
HPセンサ115で検知される端部ホームポジションで
停止し(図37)、その読み取り条件が入力されてスタ
ートボタンが押されるのを待つ。
【0103】また、ここで、コンタクトガラス206の
右側、すなわち、ブック原稿の頁めくり開始側にスケー
ル207を配置し、原稿台1とコンタクトガラス206
の両方に原稿を載せてキャリッジ200で走査すること
により、原稿台1上のブック原稿の頁めくりを行いなが
ら、同時にコンタクトガラス206上の原稿の読み取り
を行うこともできる。この構成の場合には、ブック原稿
の頁めくり走行時に、後述するように、キャリッジ20
0の読み取り光路の光路切り換えをしておく。このよう
に構成すると、キャリッジ200の副走査方向の読み取
り方向が、原稿台1上とコンタクトガラス206上とで
同じになり、そのプリント時のシート排出方向が同一と
なるので、メモリの反転が不要となる。
【0104】更に、ブック原稿BOを原稿台1上に、シ
ート原稿SOをコンタクトガラス206上にセットしキ
ャリッジ200を端部ホームポジションから走行して原
稿台1上のブック原稿BOを読み取り、このキャリッジ
200のリターン走行でブック原稿BOの頁をめくなが
ら、コンタクトガラス206上のシート原稿SOを読み
取るモードを設定することもできる。この場合には、ブ
ック原稿BOの読み取り頁めくり動作であっても、コン
タクトガラス206上にシート原稿SOをセットして割
込みモードを設定することにより、そのブック原稿BO
の読み取り頁めくり動作を中断せずに両原稿を読み取る
ことができる。
【0105】ここで、スケール207ガコンタクトガラ
ス206上のどちら側に配置されていても、このコンタ
クトガラス206上の原稿を読み取った画像は、主走査
方向にミラー反転してフレームメモリ104に記憶して
おく。
【0106】本実施例では、原稿台1上及びコンタクト
ガラス206上の奥行き方向における原稿の基準セット
位置を、装置本体の手前側が突き当て基準となるように
構成して、その原稿台1上及びコンタクトガラス206
に対する原稿セット操作をし易くしている。
【0107】また、本実施例におけるキャリッジ200
の動作開始時には、中央HPセンサ114により、キャ
リッジ200が中央ホームポジションにあることをもう
一度確認する。
【0108】そして、図21に示された操作表示制御部
111からスタート信号が送られると、キャリッジ20
0は、中央ホームポジションから左側に移動して、端部
HPセンサ115で検知される端部ホームポジションで
停止する。
【0109】図37乃至図41に原稿台1の加圧・固定
モード時におけるキャリッジ200の遷移図を、図42
にそのタイミングチャートを示す。
【0110】図37に示されるように、キャリッジ20
0の端部ホームポジションは、ブック原稿BOに対する
読み取り頁めくり動作開始ポイントであり、且つ、その
動作終了ポイントである。また、この端部ホームポジシ
ョンでは、キャリッジ200は原稿台1にかかっていな
い。この状態では、両側の原稿台上昇モータ61は停止
しており、右左の原稿台は共に固定状態にある。この原
稿台1の加圧・固定モードでは、先ず、キャリッジ20
0のスキャナモータ106を正転させて、キャリッジ2
00を図37の右方向へ移動させる。次いで、このキャ
リッジ200の右側の原稿押えローラ281aがブック
原稿BOの左端にかかったとき(図38のAポイント)
に、左側の原稿台昇降モータ61を正転させて、左側の
原稿台1を加圧状態にする。これにより、ブック原稿B
Oがキャリッジ200に押し付けられて、最適な読み取
りが行われる。図39に示されるように、キャリッジ2
00がブック原稿中心ポイントに到達する少し前に、右
側の原稿押えローラ281aが右側の原稿台1の左端に
かかる(図42のBポイント)。この時点で右側の原稿
台昇降モータ61を正転させて、右側の原稿台1を加圧
状態にする。次いで、キャリッジ200は、ブック原稿
中心ポイントを通過して、ブック原稿BOの右側頁の読
み取りを始める。その後に左側の原稿押えローラ281
bが左側の原稿台1の右端にかかる(図42のCポイン
ト)。この時点で左側の原稿台昇降モータ61を停止さ
せ、左側の原稿台1を固定状態にする。これにより、ブ
ック原稿BOは、スキャナユニット30に食い込むこと
なく原稿押えシート282bに押えられて固定され、次
のキャリッジ200の通過時まで同じ高さを保ち続け
る。
【0111】図40は、ブック原稿右頁の読み取りまた
は頁めくり中のキャリッジ200の動作状態を示してい
る。ブック原稿右頁の読み取りを終えたキャリッジ20
0は、左側の原稿押えローラ281bが右側の原稿台1
の右端にかかった状態(図41のDポイント)で停止
し、次いで、スキャナモータ106が逆転してキャリッ
ジ200を図41の左方向へ移動させる。これにより、
キャリッジ200は、ブック原稿BOの右頁をめくり上
げながら左方向へ進み、図39に示されるブック原稿中
心ポイントに到達する少し前に、左側の原稿押えローラ
281bが左側の原稿台1の右端にかかる(Cポイン
ト)。この時点で左側の原稿台昇降モータ61を正転さ
せて、左側の原稿台1を加圧状態にする。次いで、キャ
リッジ200は、ブック原稿中心ポイントを通過して、
ブック原稿BOの左側頁の上に、めくり上げた右頁を重
ね合せる動作を始める。その後に右側の原稿押えローラ
281aが右側の原稿台1の左端にかかる(Bポイン
ト)。この時点で右側の原稿台昇降モータ61を停止さ
せ、右側の原稿台1を固定状態にする。これにより、ブ
ック原稿BOは、スキャナユニット30に食い込むこと
なく原稿押えシート282aに押えられて固定され、次
のキャリッジ200の通過時まで同じ高さを保ち続け
る。その後、キャリッジ200は、図37に示される端
部ホームポジションまで移動して停止する。
【0112】次に、本実施例におけるスライダの構成に
ついて説明する。
【0113】図43に、このスライダの構成の分解斜視
図を示す。ブック原稿の厚さ検知入力部であり、見開い
たブック原稿の左右頁差の検知入力部である一対のピン
62は、一対のラック63のスライド方向と直角な方向
に移動可能に、各ラック63にそれぞれ取付けられてい
る。これらのピン62とラック63は、図44に示され
るように、2段ピニオンギヤ65の小歯車65aを挾む
ように、互いに対向して配置され、この小歯車65aに
各ラック63がそれぞれ噛み合っている。これにより、
図44において、各ピン62が互いに接近したり離れた
りして、そのピン間隔が変化することによって、各ラッ
ク63が互いに違った方向に移動して、2段ピニオンギ
ヤ65が回転する。
【0114】ここで、各ピン62は、それぞれのラック
63と共に、図44においてY方向に移動でき、各ラッ
ク63と小歯車65aとの噛み合いにより、2段ピニオ
ンギヤ65の中心に対して常に対称の位置にある。ま
た、図44におけるX方向への各ピン62の移動は、各
ピン62の基部が、不図示のカバーに穿たれた規制溝8
3に嵌合することによって、図45に示されるように、
各ピン62が離れているときにはX方向に移動できず、
また、各ピン62が接近したときにはX方向に移動可能
となるように規制されている。
【0115】また、各ラック63は、図46に示される
ように、大歯車64の側面上をスライドするように、大
歯車64の一対のガイド84によってガイドされてい
る。
【0116】図47に、このスライダ78と原稿台1と
の連結部の断面図を示す。図47に示されるように、大
歯車64の中心には穴が穿たれており、この穴に2段ピ
ニオンギヤ65がその裏側から嵌合して、その表側でこ
の2段ピニオンギヤ65の小歯車65aが各ラック63
と噛み合っている。また、各ピン62は、図47及び図
48に示されるように、各原稿台1のスライド板3に固
定された各調整スタッド4の穴にそれぞれ嵌合してい
る。
【0117】大歯車64は、図49に示されるように、
スライド出力ギヤ66に噛み合っており、この大歯車6
4とスライド出力ギヤ66とは、支持板79にそれぞれ
回転自在に支持されている。また、この大歯車64とス
ライド出力ギヤ66とのギヤ比は2:1に設定されてい
る。
【0118】2段ピニオンギヤ65の大ギヤ65bは、
図50に示されるように、一対の2段ギヤ67の小ギヤ
67aと噛み合っており、それらのギヤ比は2:1に設
定されている。これらの2段ギヤ67の大ギヤ67b
は、アイドルギヤ68を介して、一対のカムギヤ69に
それぞれ噛み合っている。これらの2段ピニオンギヤ6
5、2段ギヤ67、及びアイドルギヤ68は、スライド
側板70に固定されている各スタッド(図示せず)に、
それぞれ回転自在に支持されている。また、一対のカム
ギヤ69は、支持板79(図49)にそれぞれ回転自在
に支持されている。
【0119】スライド出力ギヤ66には、図51に示さ
れるように、そのボス部の端から中心を越える部位まで
に調整溝58が形成されている。また、各カムギヤ69
は、図52及び図53に示されるように、それぞれ筒状
に形成されており、それらの一方の口に、渦巻状のピン
移動溝86の穿たれた面がそれぞれ設けられている。こ
れらの筒状のカムギヤ69の筒部内には、図52及び図
53に示されるように、スライド出力ギヤ66がそれぞ
れ嵌合し、スライドギヤ66の調整溝85とカムギヤ6
9のピン移動溝85とが交差してできる開口に、後述す
る出力ピン75がそれぞれ嵌合している。このスライド
ギヤ66の調整溝85とカムギヤ69のピン移動溝85
とが交差してできる開口の位置は、カムギヤ69とスラ
イド出力ギヤ66との相対回転によって変化し、この開
口位置の変化に合わせて出力ピン75の位置が移動す
る。この出力ピン75の移動量は、ピン62の移動量の
1/2だけ移動するように設定されている。また、この
開口は、カムギヤ69とスライドギヤ66が同時に回転
すると、両ギヤの中心と出力ピン75の距離を半径とし
て円運動をする。この開口の円運動の半径は、大歯車6
4が回転したときのピン62の円運動の半径の1/2に
なるように設定されている。
【0120】一方、スライド側板70の外側には、図4
3に示されるように、3つの縦スライドピン71が固定
されており、これらの縦スライドピン71は、図54に
示されるように、横スライダ板72に穿たれた3つの縦
長穴72aにそれぞれスライド可能に支持されている。
これにより、スライド側板70は、横スライダ板72に
対して上下方向に移動可能となる。また、横スライド板
72の外側には、3つの横スライドピン73が固定され
ており、これらの横スライドピン73は、固定板74に
穿たれた2つの横長穴74aにそれぞれスライド可能に
支持されている。(図55)。これにより、横スライド
板72は、固定板74に対して左右方向に移動可能とな
る。
【0121】一対の出力ピン75は、図43及び図55
に示されるように、各2つの縦ガイドピン76と共に各
ピンホルダ77にそれぞれ固定されている。これらの縦
ガイドピン76は固定板74に穿たれた2つの縦長穴7
4bにそれぞれスライド可能に支持されており、また、
各出力ピン75は、固定板74に穿たれた2つの縦ガイ
ド穴74cを貫通して、前述したスライドギヤ66の調
整溝85とカムギヤ69のピン移動溝85とが交差して
できる開口にそれぞれ嵌合している。これにより、各ピ
ンホルダ77は、固定板74に対して上下方向に移動可
能となり、各出力ピン75が前述のギヤ群と共に上下移
動可能となる。
【0122】上述のように構成されたスライダ78は、
一対のピン62を入力部として、ブック原稿BOの厚さ
と、その見開いたときの左右頁の頁差を検知し、この見
開きブック原稿の読み取り中心(ブック原稿の綴じ部に
できる谷部)が常に原稿台1の所定の位置に臨むよう
に、各出力ピン75を出力部として原稿台1と共にブッ
ク原稿BOを移動させることができる。
【0123】次に、ブック原稿の動きと上記のスライダ
78の作用について説明する。
【0124】図56に示されるように、ブック原稿BO
を上向きに見開いて、その頁内容を読み取る際、ブック
原稿BOの左右頁の表面(読み取り面89)を同一平面
状にすべく、ブック原稿BOの表紙90と裏表紙91と
にその下側から力を加えると、その左右の頁差によって
ブック原稿BOの背表紙88が傾斜する。これにより、
ブック原稿の読み取り面側から見ると、見開きブック原
稿の読み取り中心S点(ブック原稿の綴じ部BOaでき
る谷部)が、背表紙88の中央のP点から水平方向に距
離X1だけずれる。
【0125】ところで、本実施例のように、キャリッジ
200の読み取り範囲を予め特定範囲に設定しておくこ
とにより、キャリッジ200の読み取り制御を簡略化で
きる。しかしながら、このようにキャリッジ200の読
み取り範囲を予め特定範囲に設定した場合には、キャリ
ッジ200の読み取り範囲の中心点が、常にブック原稿
の背表紙88の中央のP点に位置するため、上述のよう
に、見開きブック原稿の読み取り中心S点がこの背表紙
88の中央のP点からずれると、キャリッジ200の読
み取り画像が、この見開きブック原稿の読み取り中心S
点のずれ量(距離X1)だれずれてしまう。そこで、本
実施例では、この見開きブック原稿の読み取り中心S点
のずれ量を補正する手段として、前述のスライダ78に
より、このブック原稿の読み取り中心S点のずれた方向
と逆方向、すなわち、このS点と背表紙88の中央のP
点とが一致する方向に、読み取り中心S点のずれ量に見
合う距離X1だけ、原稿台1ごとブック原稿BOを移動
させる。
【0126】図56において、背表紙88の傾きをTH
1、ブック原稿の全厚さBFの1/2の厚さをR1、見
開きブック原稿の読み取り中心S点と背表紙88の中央
のP点との水平方向のずれ量をX1とすると、
【0127】
【数2】
【0128】となる。
【0129】従って、ブック原稿の全厚さBFの1/2
の厚さR1と、背表紙88の傾きTH1とをスライダ7
8により検出して、上記の式より見開きブック原稿の読
み取り中心S点と背表紙88の中央のP点との水平方向
のずれ量X1を算出し、このブック原稿の読み取り中心
S点のずれた方向と逆方向に、読み取り中心S点のずれ
量X1だけ、原稿台1ごとブック原稿BOを移動させる
ことにより、キャリッジ200の読み取り範囲を常時一
定範囲に設定でき、キャリッジ200の読み取り制御を
簡略化できる。
【0130】本実施例におけるスライダ78では、図5
7及び図58に示されるような動作により上述の読み取
り中心S点のずれ量X1の補正を実現している。ここ
で、図57は、ブック原稿の頁を左右均等に見開いた場
合のピン62と出力ピン75の位置関係を示している。
【0131】図57及び図58において、大歯車64に
支持された2本のピン62の間隔は、ブック原稿BOの
全厚さBFに設定される。すなわち、ブック原稿BOを
左右一対の原稿台1にセットするときに、サイズストッ
パ27を解除し、原稿台1の装置本体中心側端部でブッ
ク原稿BOの背表紙88の部分を挾み込んで、このサイ
ズストツパ27を止めると、各原稿台1のスライド板3
に固定された各調整スタッド4中心間距離が、丁度、ブ
ック原稿BOの全厚さBFとなる。これにより、後述す
るカムギヤ69の作用により、各スライド出力ギヤ66
の中心と、これらのスライド出力ギヤ66に嵌合してい
る各出力ピン75との距離R2が、ブック原稿BOの全
厚さBFの1/4(R2=R1/2)になる。ところ
で、大歯車64と各スライド出力ギヤ66とは、前述し
たように、そのギヤ比により回転角比が1:2になるの
で、図58に示されるように、大歯車64がTH1の角
度だけ回転すると、各スライド出力ギヤ66は、それぞ
れ大歯車64の2倍の角度THだけ回転する。また、こ
の時の大歯車64と各スライド出力ギヤ66との回転方
向は互いに逆方向である。従って、これらのスライド出
力ギヤ66の中心と、これらのスライド出力ギヤ66に
嵌合している各出力ピン75との水平距離{R2×Si
n(TH2)}が、前式の(R1/2)×Sin(2×
TH1)となり、見開きブック原稿の読み取り中心S点
と背表紙88の中央のP点との水平方向のずれ量X1と
なる。ここで、各出力ピン75は、図55に示されるよ
うに、ピンホルダ77と固定板74によってその水平方
向への移動が規制されているので、これらの出力ピン7
5の回動により、スライダ78自体が、各原稿台1及び
ブック原稿BOと共に、その水平距離すなわちずれ量X
1だけ、そのずれ方向と逆に相対移動する。
【0132】図59に、各ピン2と各出力ピン75との
移動量の関係を説明するための機構図を示す。各ピン6
2は、図47及び図48に示されるように、各原稿台1
のスライド板3に固定された各調整スタッド4の穴にそ
れぞれ嵌合している。また、一方のピン62が距離Fだ
け装置本体の中心方向に移動すると、各ラック63及び
2段ピニオンギヤ65の作用により、他方のピン62も
同じ距離Fだけ装置本体の中心方向に移動する。このと
き、この2段ピニオンギヤ65の回転は、前述したギヤ
群によって各カムギヤ69に伝達され、各カムギヤ69
が2段ピニオンギヤ65の回転の2倍の回転角だけ、そ
れぞれ逆方向に回転する。これにより、各カムギヤ69
の渦巻状のピン移動溝86が、停止している各スライド
出力ギヤ66の調整溝75に対してそれぞれ相対回転
し、これらの両溝の互いに交差する位置、すなわち、各
出力ピン75の位置が、それぞれ中心方向にピン62の
移動距離Fの1/2の量だけ移動する。ここで、各ラッ
ク63及び各ギヤの大きさや各ピン移動溝86の渦巻形
状は、上述の条件を満足するように設定されている。
【0133】これらの設定により、各ピン62の間隔が
変わらずに大歯車64が回転して、2段ピニオンギヤ6
5も一体となって回転したときに、各スライド出力ギヤ
66とカムギヤ69は、互いに同じ方向に同じ回転角だ
け回転するので、カムギヤ69のピン移動溝96とスラ
イド出力ギヤ66の調整溝85とが互いに交差する開口
の位置、すなわち、この開口に嵌合している出力ピン7
5の位置は、スライド出力ギヤ66の半径方向に移動す
ることなく(R2が変化することなく)回転し、その設
定値が動作中にずれることなく見開きブック原稿の読み
取り中心(S点)を常に一定の位置(P点)に補正でき
る。
【0134】また、本実施例におけるスライダ78は、
図45に破線で示されるように、一対のピン62の間隔
が小さくなるような薄いブック原稿の場合には、上述し
た見開きブック原稿の読み取り中心(S点)の補正動作
による負荷が大きくなるので、両原稿台1がそれぞれ補
正動作を行わずに自由に上下動できるように、各ピン6
2の規制溝83が、その中心部で大きく形成されてい
る。
【0135】この上述した見開きブック原稿の読み取り
中心(S点)の補正は、上述したスライダ78とは別の
方法でも実現できる。例えば、ブック原稿BOの厚さ入
力装置または検出装置、原稿台位置検出装置または背表
紙傾き検知装置、原稿台横移動駆動装置(例えば、図6
0に示されるように、エンコーダ付きモータ92によ
り、原稿台1の移動方向に沿って横架した送りねじ93
を回転させ、この送りねじ93に螺合する送り雌ねじ9
4を移動させて、この送り雌ねじ94と一体の原稿台1
を横移動させる直線送り装置)などの構成により、前記
の算定式に基づいてずれ量X1を割り出し、このずれ量
X1だけ原稿台1を移動してそれぞれのずれを解消すれ
ばよい。但し、本実施例のスライダ78の方が、電気的
な装置を使用しないので、そのランニングコストが不要
となり、このずれ量の補正装置を安価に提供できる。
【0136】次に、本実施例における、スキャナユニッ
ト30の構成について説明する。
【0137】図34に、TPS(Turn the P
age Scanner;頁めくり読み取り装置)の全
体構成図を示す。このTPSは、その装置本体の上部に
コンタクトガラス206が配置されており、このコンタ
クトガラス206上に、シート物や厚手のブック原稿な
どの原稿を不図示の圧板によってセットし、後述する光
路切り換えを行ったキャリッジ200でこの原稿を走査
することにより、このコンタクトガラス206上の原稿
像を読み取ることができる。
【0138】このTPSの装置本体の上半分はスキャナ
ユニット30になっており、キャリッジ200は、この
スキャナユニット30の内部を図34において左右方向
に走行して原稿の走査を行う。このキャリッジ200の
走査駆動系の構成図を図61に示す。
【0139】図61は、装置本体の上部から見たキャリ
ッジ200の走査駆動系であり、図61において、装置
本体の奥側にタイミングベルト312がプーリ304と
3段プーリ302によって、装置本体の手前側にタイミ
ングベルト313がプーリ305と2段プーリ306に
よって、それぞれ左右方向に張られている。
【0140】ここで、プーリ304とプーリ305の回
転軸は、それぞれバネ307とバネ308によって支持
され、各タイミングベルト312、313に所定の張力
を与えている。3段プーリ302は、タイミングベルト
310でモータプーリ301と、また、タイミングベル
ト311で2段プーリ306とそれぞれ連結されてい
る。タイミングベルト311は、アイドラ303をバネ
309で外側に引くことで所定の張力を得ている。キャ
リッジ200は、その奥側と手前側とがクランプ315
により各タイミングベルト312,313にそれぞれ固
定され、モータプーリ301の回転軸を駆動するスキャ
ナモータ106の回転により、各タイミングベルト31
2,313を介して駆動される。
【0141】本実施例におけるキャリッジ200の構成
を図62に示す。図62において、キャリッジ200の
下側の左右には原稿押えローラ281a,281bが、
また、その外側にはシート巻き取りローラ280a,2
80bがそれぞれ回転自在に軸支されている。各シート
巻き取りローラ280a,280bには、左右独立した
原稿押えシート282a,282bのそれぞれの中央側
の端部が巻き取られており、各原稿押えシート282
a,282bのそれぞれの外側の端部は、スキャナユニ
ット30の側板にそれぞれ固定されている。これらの原
稿押えシート282a,282bは、テトロン商標系で
織ったクロス(布)に、ゴム系樹脂を両面から溶け込ま
せたシート状部材で構成されており、その表面に残留し
たクロスの凹凸跡により、帯電による吸着力が作用しに
くい構造を有している。
【0142】また、シート巻き取りローラ280a,2
80bは、図63にその一方の構造を示されるように、
二重構造になっていて、巻き取りローラ軸251a,2
51bと、筒状のシート巻き取りローラ280a,28
0bとの間に、ゼンマイバネ252a,252bが取り
付けられている。これにより、その巻き取りローラ軸2
51a,251bを、原稿押えシート282a,282
bを張った状態よりも更に回転させることによって、ゼ
ンマイバネ252a,252bの作用により、原稿押え
シート282a、282bにある程度の張力を掛けるこ
とができる。
【0143】更に、図64に示されるように、各巻き取
りローラ軸251a,251bの外側端部には、シート
巻き取りギヤ232a,232bが固定されており、こ
れらのシート巻き取りギヤ232a,232bは、スキ
ャナユニット30の側板に左右両端を固定され、略全長
に亘って歯を有する駆動ラック231に、各アイドルギ
ヤ233a,233bを介して、それぞれ噛み合ってい
る。これにより、図64においてキャリッジ200が走
行すると、各アイドルギヤ233a,233bとともに
各シート巻き取りギヤ232a,232bが回転し、各
巻き取りローラ軸251a,251b、各ゼンマイバネ
252a,252b、及び、各シート巻き取りローラ2
80a,280bを介して、各原稿押えシート282
a,282bの引き出し及び巻き取りが行われ、左右の
シート巻き取りローラ280a,280bの張力が、常
時、略一定に維持される。このとき、各原稿押えシート
282a,282bの厚みによる各シート巻き取りロー
ラ280a,280bの巻き太りによってキャリッジ2
00の位置により発生する、各シート巻き取りローラ2
80a,280bに巻き付いた各原稿押えシート282
a,282bの外周差は、各ゼンマイバネ252a,2
52bにより吸収される。
【0144】一方、図62に示されるように、各原稿押
えローラ281a,281bの間には、ブック原稿読み
取り用のプラテンガラス205と、ブック原稿頁めくり
用のめくりベルト208が配設されている。本実施例に
おけるブック原稿読み取り用のプラテンガラス205
は、キャリッジ200の読み取りスキャン方向の上流側
に、またブック原稿頁めくり用のめくりベルト208
は、キャリッジ200の読み取りスキャン方向の下流側
にそれぞれ配置されている。このように配置することに
より、キャリッジ200の読み取り走査のための助走区
間を長くでき、その走査を安定させることができる。ま
た、本実施例では、同一ユニット内の下側に頁めくり機
構を、上側に縮小光学系を配置させて、装置の小型化を
実現させている。
【0145】更に、このように構成することで、キャリ
ッジ200が、左の原稿押えローラ281bとめくりベ
ルト駆動ローラ223とで加圧されたブック原稿(詳細
は後述)を受けて、これらのローラ間で位置出しされた
原稿面(読み取り面273)を読み取ることができるの
で、最適な画像が得られる。この時、プラテンガラス2
05の下面位置は、図65に示されるように、原稿面の
浮き上がりの余裕分を予め見込んで、左の原稿押えロー
ラ281bの最下点とめくりベルト駆動ローラ223の
最下点とを結んでできる水平面(読み取り面273)よ
りも僅かな間隙αだけ上方に設定されている。この間隙
αの値は、2αが光学系の焦点深度以下になるように設
定され、光学系の縮小率に応じて決定される。
【0146】このプラテンガラス205は、図66に示
されるように、その側部がガラスホルダ269で支持さ
れている。また、プラテンガラス205の下面端部には
ガラス面取り部271があり、ガラスホルダ269の外
側下端部にはホルダ面取り部270がある。このとき、
ガラス面取り部271の側方角部272の位置は、ガラ
スホルダ269の下面よりも僅かな高さβだけ上方に位
置するように構成されていて、キャリッジ200の動作
中に、プラテンガラス205の側部にブック原稿の頁端
部などが引っかからないようになっている。
【0147】一方、プラテンガラス205の内側には、
図62に示されるように、ブック原稿照明用の2本の蛍
光灯201,202が、ブック原稿読み取り部の左右に
それぞれ配置されている。これらの蛍光灯201,20
2によって照明されたブック原稿像は、図62におい
て、第1ミラー219に反射した後、第2ミラー220
と第3ミラー221に交互に反射し、最後にレンズ21
6を透過して、CCD101上に縮小結像される。
【0148】また、めくりベルト208は、めくりベル
ト駆動ローラ223とめくりローラ224とに掛け渡さ
れており、このめくりベルト208の上側の、めくりベ
ルト駆動ローラ224から少し離れた部位の外側には、
帯電ローラ225が接触して配置されている。
【0149】更に、めくりベルト駆動ローラ223の駆
動軸端部には、図64に示されるように、めくりベルト
駆動ギヤ234が固定されており、このめくりベルト駆
動ギヤ234は、アイドルギヤ235を介して、駆動ラ
ック232に噛み合っている。これにより、キャリッジ
200が走行すると、駆動ラック232に沿って、アイ
ドルギヤ235と共にめくりベルト駆動ギヤ234が回
転し、めくりベルト駆動ローラ223の回転により、キ
ャリッジ200の移動速度と同じ速度でめくりベルト2
08が回転する。
【0150】前述のコンタクトガラス206上にセット
された原稿を読み取る場合には、図62に示されるよう
にキャリッジ200の読み取り光路から外れた位置に待
避している切り換えミラー222が、図67に示される
キープソレノイド255の作用によって、図68に示さ
れるようにキャリッジ200の読み取り光路内に進出し
た位置まで移動される。この切り換えミラー222の移
動により、図68に示されるように、第1ミラー219
と第2ミラー220との間の光路が、破線で示されるプ
ラテンガラス205側から、実線で示されるコンタクト
ガラス206側に切り換えられ、2本の蛍光灯203,
204によって、照明されたコンタクトガラス206上
の原稿像が、ブック原稿の場合と同様に、第ミラー22
0と第3ミラー221に交互に反射し、レンズ216を
透過してCCD101上に縮小結像される。
【0151】切り換えミラー222は、図67に示され
るように、切り換えミラーブラケット257に支持され
ており、この切り換えミラーブラケット257は、光路
調整板259の上部支点258に、回転自在に軸支され
ている。キープソレノイド255は、この切り換えミラ
ーブラケット257の、切り換えミラー222の支持側
と反対側の端部に配設されており、このキープソレノイ
ド255がオン/オフすることにより、切り換えミラー
ブラケット257が、光路調整板259の上部支点25
8を軸として、図67において破線で示される位置と実
線で示される位置との間で揺動される。これにより、切
り換えミラー222の位置が、前述したように、図62
に示されるキャリッジ200の読み取り光路から待避し
たブック原稿読み取り位置と、図68に示されるキャリ
ッジ200の読み取り光路内に進出したシート物原稿読
み取り位置とに選択移動される。ここで、切り換えミラ
ー222の光路外への待避位置(図67における破線位
置)は、キープソレノイド255の動きに任せて特には
規制しないが、この切り換えミラー222の光路内への
進出位置(図67における実線位置)は、切り換えミラ
ーブラケット257の揺動を位置決めピン256で規制
して、この切り換えミラー222の光路内での停止位置
を規制する。
【0152】本実施例における切り換えミラー222
は、切り換えた光路を調整できるように構成されてい
る。
【0153】すなわち、本実施例における光路調整板2
59は、図67に示されるように、キャリッジ200の
ユニット本体に対して、その下部が下支点262で回転
自在に枢支されており、その上支点258と下支点26
2との間の両側部に当接して配設されたバネ260と調
整ねじ261とによって略垂直に支持されている。
【0154】この光路調整板259には、平生、その上
支点258が切り換えミラー222側に変位する方向へ
の回動習性が、バネ260によって付勢されており、こ
の回動習性による光路調整板259の回動位置は、バネ
260と対向する側に配置された調整ねじ261の頭部
が光路調整板259の側部に当接することによって位置
決めされている。従って、この光路調整板259は、調
整ねじ261を回転させることにより、下支点262を
軸として、その上支点258の位置を可変させて、この
上支点258に支持された切り換えミラーブラケット2
57の位置を変位させ、切り換えミラー222の位置を
移動させて、その切り換えた光路を調整できる。
【0155】本実施例におけるキャリッジ200の光学
系においては、切り換えミラー222以外の他のミラー
に上述のような光路調整機能はなく、プラテンガラス2
05側のブック原稿を読み取る光路の調整はCCD10
1の位置を調整することで行い、コンタクトガラス20
6側の原稿を読み取る光路の調整は、上記の方法により
切り換えミラー222の位置を調整することで行うよう
に構成されている。これにより、本実施例の光学系で
は、その調整個所を減らすことができ、その組み立て性
や保守性を向上させることができる。
【0156】また本実施例の光学系では、上記のキープ
ソレノイド255及びその連結要素等が、キャリッジ2
00内に納められていて、この光学系要素の交換時にキ
ャリッジ200ごと取り外すことにより、そのメンテナ
ンス性を向上させている。
【0157】上述の光路切り換え方式の第2の実施例と
して、切り換えミラー回転方式による光学系の構成を図
69に示す。
【0158】この実施例では、切り換えミラー222を
支持している切り換えミラーブラケット264がキャリ
ッジ200のユニット本体に対して、支点265で回転
自在に軸支されている。ソレノイド263は、この切り
換えミラーブラケット264の、切り換えミラー222
の支持側と反対側の端部に配設されており、このソレノ
イド263がオン/オフと、このソレノイド263と反
対の方向に切り換えミラーブラケット264を引くバネ
266の作用により、切り換えミラーブラケット264
が、支点265を軸として、図69において破線で示さ
れる位置と実線で示される位置との間で揺動される。こ
れにより、切り換えミラー222の位置が、図69に破
線で示されるブック原稿読み取り位置と実線で示される
シート物原稿読み取り位置とに選択移動される。ここ
で、プラテンガラス205を通してブック原稿を読み取
る光路に切り換えミラー222の光路を切り換える場合
には、この切り換えミラー222を位置決めピン268
に付き当てて、この切り換えミラー222の停止位置を
図69における破線位置となるように規制する。また、
コンタクトガラス206を通してシート物原稿を読み取
る光路に、切り換えミラー222の光路を切り換える場
合には、この切り換えミラー222を位置決めピン26
7に付き当てて、この切り換えミラー222の停止位置
を図69における実線位置となるように規制する。
【0159】次に、スキャナユニット30のめくり動作
について説明する。
【0160】図70に、本実施例におけるキャリッジ2
00の頁めくり部の動作説明図を示す。本実施例におけ
るめくりベルト208は、PET、PC、PVCなどの
材質からなり、その表面層が表面抵抗1014Ω以上の高
抵抗フィルム、その裏面層が表面抵抗108Ω以下の低
抵抗フィルムからなる二重構造の樹脂フィルムで構成さ
れている。
【0161】また、めくりベルト駆動ローラ223は、
接地された金属ローラの表面に導電性ゴムを被覆したロ
ーラで構成されており、確実なベルト駆動とアースを実
現している。
【0162】更に、帯電ローラ225は、金属ローラで
構成されており、この帯電ローラ225には、切り換え
スイッチ253aを介して、交流電源253から所定の
タイミングで、±2kVの高電圧が印加される。
【0163】図70において、キャリッジ200を走行
させ、めくりベルト208を駆動しながら、後述するタ
イミングに合わせて切り換えスイッチ253aをオン
し、帯電ローラ225に交流電源253から±2kVの
高電圧をかけると、めくりベルト208の表面上に交番
電界が生じ、この交番電界の作用により、このめくりベ
ルト208の表面に、接触したブック原稿BOの最上位
頁254を吸着させる吸着力が発生する。
【0164】原稿の読み取り走査がスタートすると、図
37に示されたように、スキャナユニット30の左端の
端部ホームポジションにいたキャリッジ200が、図3
7において右方向に走行を始める。そして、このキャリ
ッジ200のプラテンガラス205の原稿読み取り位置
がブック原稿BOの左頁にかかると、図71に示される
ように、キャリッジ200の光学系が、このブック原稿
BOの読み取り動作を始め、このブック原稿BOの原稿
面を左頁から右頁へと読み取っていく。ここでのキャリ
ッジ200の読み取り開始位置は、ブック原稿BOの大
きさ(サイズ)によって変わり、また、コンタクトガラ
ス206上の原稿読み取り開始位置(スケール207の
基準端)とも異なる。このようにして、キャリッジ20
0の光学系がブック原稿BOの右頁の端まで読み終える
と、図72に示されるように、キャリッジ200の原稿
走査方向が逆転され、図73に示されるように、この読
み取りを終えたブック原稿BOの右頁の頁めくり動作が
開始される。
【0165】このブック原稿BOの頁めくりを始めると
きには、めくりベルト208と後述する頁送りローラ2
50とが、図70の破線で示される位置にあって、この
頁めくり動作に先行して、このめくりベルト208の表
面上に形成された帯電パターン部がブック原稿BOの最
上位頁254の上に重なる。そして、この最上位頁25
4の先端が、めくりベルト208の下側の中央を越えた
ところで、図73に示されるように、このめくりベルト
208と頁送りローラ250とが、不図示のソレノイド
の作用により、図70の実線で示される位置に移動され
る。これにより、このめくりベルト208の表面に形成
された電荷パターンの不平等電界による吸着力で、ブッ
ク原稿BOの最上位頁254だけが、めくりベルト20
8の表面上に吸着されて、この最上位頁254の端部が
めくりベルト208と共に持ち上げられる。この不平等
電界による吸着力は、この最上位頁254以外の頁を吸
着させない特徴を有している。
【0166】ここで、本実施例におけるめくりベルト2
08への帯電のタイミングは、図77に示されるよう
に、ブック原稿BOの原稿面を読み終えたと同時にリタ
ーンするキャリッジ200のリターン動作と共に、めく
りベルト208への帯電を開始するように設定されてい
るので、キャリッジ200の動作に無駄がなく効率がよ
い。
【0167】但し、図77に示されるように、キャリッ
ジ200の原稿読み取り位置からめくりベルト駆動ロー
ラ223の最下点までの距離L1を、帯電ローラ225
がめくりベルト208と接している接点からめくりベル
ト駆動ローラ223の最下点までの距離L2よりも大き
く(L1≧L2)設定した場合には、キャリッジ200
がリターン動作を始めてから、後にめくりベルト208
への帯電を開始するように設定してもよい。
【0168】上述のように、ブック原稿BOの最上位頁
254をめくり上げた後、この状態のままキャリッジ2
00を図73に示されるように、その端部ホームポジシ
ョンに向けて移動させると、このブック原稿BOの最上
位頁254は、図74に示されるように、めくりローラ
224と頁送りローラ250に挾まれて確実に搬送さ
れ、キャリッジ200の右側部に配置された上下一対の
頁ガイド227、228(図62)の間を通過して、キ
ャリッジ200の右外側にその先端側が送り出される。
この時、このキャリッジ200の上方側の頁ガイド22
7上に取付けられた頁めくりセンサ214(図62)
が、キャリッジ200の右外側に送り出された原稿頁を
検知して、この原稿頁が正常に頁めくりされたことを判
断する。
【0169】ここで明らかなように、本実施例では、キ
ャリッジ200の頁めくり動作によりめくり上げられた
原稿頁が、丸められたり折り曲げられたりせずに自然な
姿勢に保持されるので、このめくり上げた原稿頁を傷め
ることがなく、またこのめくり上げた原稿頁を収納する
ための頁収納手段をキャリッジ200内に配設する必要
がないので、キャリッジ200を小型化できる。
【0170】次いで、図75に示されるように、ブック
原稿BOの最上位頁254をブック原稿の綴じ部までめ
くり上げた時点で、めくりベルト208と頁送りローラ
250を元の位置(図70の破線位置)に戻す。この状
態で、キャリッジ200を更にその端部ホームポジショ
ンに向けて移動させると、図76に示されるように、こ
のめくり上げられた原稿頁が、ブック原稿の綴じ部に引
っ張られて、一対の頁ガイド227、228の間を戻り
ながら、ブック原稿BOの左頁上に重ね合わされるよう
にしてキャリッジ200内から排出される。
【0171】このようにして、めくり上げられた原稿頁
がブック原稿BOの左頁上に全て重ね合わされると、キ
ャリッジ200の見開き原稿に対する1回分の原稿読み
取り・頁めくり動作が終了する。ここで、この原稿BO
に対する原稿読み取り・頁めくり動作を繰り返し実行し
たり、原稿読み取りまたは頁めくり動作の何れか一方の
動作のみを繰り返し実行する場合には、上述のように、
めくり上げられた原稿頁がブック原稿BOの左頁上に全
て重ね合わされると同時にキャリッジ200の移動方向
を反転させて、ブック原稿の原稿面に対して最短コース
でキャリッジ200の往復動作を繰り返す。
【0172】次に、本実施例におけるキャリッジ200
の走査レールの構成について説明する。
【0173】キャリッジ200においては、図78に示
されるように前述の光学系を配設した走査光学系ユニッ
ト336が、スキャナユニット30の手前側と奥側に配
置された一対の走査側板337a、337bに対して、
手前側の2本の支持ロッド344aと奥側の1本の支持
ロッド344bとで、回転自在に支持されている。これ
により、キャリッジ200は、その手前側と奥側に配置
された一対の走査側板337a、337bの相対ねじれ
に追従して、その走査光学系ユニット336までねじれ
てしまわないように、走査光学系ユニット336が手前
側に配置された走査側板337aに対してのみ習うよう
に構成される。
【0174】一方、スキャナユニット30の側板には、
その手前側と奥側とに、互いに平行な2本の走査レール
343a、343bが、それぞれの左右両端を固定して
配設されている。これらの走査レール343a、343
bは、断面形状が略L字形に構成されており、これらの
走査レール343a、343bを取り囲むように、コロ
ブラケット338a、338bが各走査側板337a、
337bにそれぞれ取り付けられている。
【0175】これらのコロブラケット338a、338
b内には、各走査レール343a、343bの水平部分
を挾みこむように、位置決めコロ339a、339bと
押えコロ340a、340bとが、それぞれ回転自在に
配設されている。
【0176】ここで各位置決めコロ339a、339b
は、ブック原稿の読み取り時及び頁めくり時におけるキ
ャリッジ200の上下方向の位置を決める機能を果たし
ており、各走査側板337a、337bにそれぞれ2個
ずつ配置されている。
【0177】これに対し、各押えコロ340a、340
bは、各走査レール343a、343bの水平部分を、
その上側から加圧するように構成されている。すなわ
ち、これらの押えコロ340a、340bは、図79に
示すように、略ベルクランク状に形成された押えコロブ
ラケット346の自由端部に回転自在に軸支されてい
る。この押えコロブラケット346は、その中央部が、
各コロブラケット338a、338bに固定されたスタ
ッド347に回転自在に軸支されている。また、この押
えコロブラケット346の基端部と各コロブラケット3
38a、338bとの間には、加圧バネ345が掛け渡
されている。これにより、加圧バネ345の緊縮力によ
って各押えコロ340a、340bが、各走査レール3
43a、343bの水平部分をその上側から加圧する。
各押えコロ340a、340bは上記各位置決めコロ3
39a、339bの走査レールをはさんで上下に相対す
る位置に同じ数だけ配置されている(図84)。
【0178】この各走査レール343a、343bの水
平部分に対する各押えコロ340a、340bの加圧に
よって、キャリッジ200に、スキャナユニット30の
上方側への変位習性が与えられ、この変位習性により各
走査レール343a、343bの水平部分の下面側に対
して各位置決めコロ339a、339bが当接すること
で、スキャナユニット30に対してキャリッジ200が
位置決めされる。これまでの例を図85に示す。位置決
めコロ2つのほぼ中央に、押えコロがあり、三点支持を
行なっていたが、これはコストダウンにはなるが、ユニ
ットの回転に対して耐向力が弱く、それをおぎなうため
に加圧バネを強くしていたが、これは組立性が悪くな
り、悪循環をもたらしていた。各押えコロを位置決めコ
ロに対して相対する位置に配置することにより、これら
の不具合を一挙に解決できる。
【0179】また、このキャリッジ200は、手前側の
コロブラケット338aに回転自在に軸支された横押え
コロ341と、上記各押えコロ340a、340bと同
様な加圧構造により奥側のコロブラケット338bを内
側方向に加圧する横加圧コロ342とを、各走査レール
343a、343bの水平部分を両外側から挾み込むよ
うにそれぞれ配置することによって、その奥行き方向へ
の位置決めがなされている。
【0180】図80乃至図83に、頁送りローラ250
の構成及び作用を示す。
【0181】頁送りローラ250は、図80及び図81
に示されるように、シャフト248の、めくりベルト2
08の幅に対応する部位に、所定の間隔をおいて複数個
のローラを固定して構成されている。この頁送りローラ
250は、発泡ポリウレタンのようなやわらかい樹脂ま
たはゴム等の材質で形成されている。
【0182】一方、めくりローラ224の幅は、めくり
ベルト208の幅よりも大きく形成されており、図80
に示されるように、このめくりローラ224の両端部が
めくりベルト208の外側にそれぞれ延出している。シ
ャフト248には、このめくりローラ224の両端の延
出部に対応するように、頁送りローラ250の直径より
も僅かに小さな直径の駆動ローラ249がそれぞれ固定
されている。この駆動ローラ249は、頁送りローラ2
50よりも硬度の高いゴム等の材質で形成されている。
【0183】この頁送りローラ250は、図70の破線
で示される位置に待避している状態では、先端が櫛歯状
に形成された下方の頁ガイド228の凹部にはまり込む
(側方から見ると互いに重なり合う)ように位置してい
る。また、めくりベルト208が図70の実線で示され
る位置に上昇した状態では、この頁送りローラ250も
図70の実線で示される位置に移動し、各駆動ローラ2
49がめくりローラ224の両端延出部にそれぞれ当接
して、この頁送りローラ250の周面の一部がめくりベ
ルト208により少し加圧される位置まで移動する。
【0184】これにより、頁送りローラ250が、図8
1に示されるように、駆動ローラ249との直径差分だ
け変形して、めくりベルト208によりめくり上げられ
た原稿頁に対する搬送力が、この頁送りローラ250に
与えられる。また、この頁送りローラ250に対する回
転力は、めくりローラ224の回転力が、これに当接し
た駆動ローラ249を介して伝達されることによって与
えられる。このとき、駆動ローラ249は当接している
めくりローラ224と同じ周速で回転するが、頁送りロ
ーラ250は、その直径が駆動ローラ249よりも大き
い分だけ、大きな周速で回転する。これによって、「頁
送りローラの線速≧めくりベルトの線速」となり、めく
り上げられた原稿頁に対する確実な頁搬送力が得られ
る。
【0185】一方、図76に示されたように、めくり上
げた原稿頁をキャリッジ200から排出するときには、
この頁送りローラ250及びめくりベルト208を、図
70の破線で示された位置にそれぞれ待避させる。
【0186】上述のように構成された頁送りローラ25
0の動作は、図82及び図83に示されるトグルジョイ
ント装置によって制御される。頁送りローラ250の回
転中心であるシャフト248は、図82及び図83に示
されるように、ベルクランク状に形成されたトグルレバ
ー274の一端に回転自在に軸支されている。このトグ
ルレバー274は、キャリッジ200に対して、支点2
75で回転自在に軸支されている。また、キャリッジ2
00に植設された固定ピン276とシャフト248との
間には、緊縮性のバネ279が掛け渡されており、これ
によって、この固定ピン276と支点275を通る直線
を中立線278とするトグル機構が構成される。
【0187】このトグル機構は、平生、図82に示され
るように、めくりベルト208から頁送りローラ250
を図70の破線で示された位置に待避させた状態にあ
り、めくりローラ224が図70の実線で示される位置
に向けて上昇を開始すると、このめくりローラ224の
回転軸224aが、トグルレバー274の他端部に係合
し、このトグルレバー274を回転させながら更に上昇
する。このとき、このトグルレバー274の回転によ
り、シャフト248が中立線278を超えるまでは、バ
ネ279の緊縮力が、頁送りローラ250を元の位置に
戻そうとするが、このシャフト248が中立線278を
越えると、このバネ279の緊縮力が、頁送りローラ2
50をめくりローラ224に当接させる向きに作用す
る。これにより、図83に示されるように、めくりロー
ラ224が図70の実線で示される位置に上昇し終えた
状態で、このバネ279の緊縮力によって、各駆動ロー
ラ249がめくりローラ224の両端延出部にそれぞれ
当接して、この頁送りローラ250の周面の一部がめく
りベルト208により少し加圧される位置まで移動す
る。
【0188】一方、図76に示されたように、めくり上
げた原稿頁をキャリッジ200から排出するときには、
めくりローラ224が図70の破線で示される位置に待
避する動作により、このめくりローラ224が、図83
に示された位置から、駆動ローラ249を押しながら下
降する。これにより、シャフト248が中立線278を
越えると、バネ279の緊縮力が、図70の破線で示さ
れた位置に頁送りローラ250を待避させる方向に作用
して、頁送りローラ250が図82に示された位置まで
待避し、めくりローラ224が元の位置に戻される。
【0189】このように、本実施例における頁送りロー
ラ250は、その待避位置からめくりベルト208に当
接する方向に、このめくりベルト208の上昇駆動に連
動して移動するので、この頁送りローラ250の駆動機
構を安価かつ小型に構成できる。また、この頁送りロー
ラ250移動は、めくりベルト208が上昇を開始した
後、ある程度の時間差を持って(めくりベルト208の
上昇の後半に)開始されるので、このめくりベルト20
8の上昇によってめくり上げられた原稿頁の端部位置が
めくりゲルト208から突出している場合でも、このめ
くりベルト208と頁送りローラ250との間に、この
原稿頁の端部を確実に挾み込むことができ、キャリッジ
200の頁めくり動作の余裕度が向上する。
【0190】
【発明の効果】請求項1にかかる装置においては、原稿
台付勢手段によって生じる付勢力Fと、原稿載置台に載
置されたブック原稿の頁量に応じて変化する当該原稿載
置台がブック原稿から受ける重量Wとの差(F−W)が
一定になるように、付勢力が制御されているので、各原
稿載置台の沈み具合が変わっても、ブック原稿の最上面
からキャリッジに加えられる接触圧がほぼ一定に保た
れ、連続的に画像読み取り、頁めくりの動作を行って、
ブック原稿の左右頁に差がでても、変動なくキャリッジ
の走査移動を行うことができ、画像読み取りの画質を安
定させ、頁めくりの動作に対する信頼性を向上させる。
【0191】請求項2にかかる装置においては、キャリ
ッジが上方に位置している時には原稿台付勢手段により
原稿載置台を当該キャリッジに押圧し、キャリッジが上
方に位置していない時には原稿台固定手段によって原稿
載置台をキャリッジ走行最下面以下に位置固定するよう
に、動作制御を各原稿載置台に対してそれぞれ独立に行
っているので、ブック原稿の左右の頁差のために原稿面
の傾きや段差を生じても、読取動作や頁めくり動作への
影響を低減できるとともに、連続作動時でのキャリッジ
の走行性が保証される。
【0192】請求項3にかかる装置においては、キャリ
ッジ支持手段を構成し原稿載置台に並行に横架された複
数のレール部材のそれぞれに対して、その下端から当接
し回転自在に軸支された位置決め回転部材並びに上端か
ら当接し上下動可能且つ回転自在に軸支され、キャリッ
ジ全体に上昇習性を与えるように付勢する加圧回転部材
からなる回転部材対が複数組存在し、しかも各回転部材
対の位置決め回転部材と加圧回転部材とはレール部材を
挾んで上下に相対する位置に配設されているので、キャ
リッジに予期せぬ回転力が加わっても、キャリッジの保
持性が維持され、画像読み取り不良や頁めくり不良を防
止できる。更に加圧バネの強さもこれまでのものに比べ
て小さくできるので、バネセットが簡単にできることと
なった。
【0193】請求項4にかかる装置においては、原稿載
置台の2つの平行側面のそれぞれに備えられる原稿台付
勢手段が、原稿載置台に摺動可能にその一端を取り付け
られたリンク板と、当該リンク板と交差し、且つ原稿載
置台にその一端を回動自在に取り付けられたリンクアー
ムとを有し、リンク板とリンクアームがその交差部で相
互回動自在に連結されてXリンクを形成し、リンク板に
一端を固定されたねじりバネが、交差部を介して向きを
変えそのリンク板の側面部を乗り越えてリンクアームに
他端を固定されているので、小型で軽量且つ性能確かな
原稿台付勢手段が実現でき、画像読み取りの画質を安定
させ、頁めくりの動作に対する信頼性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したTPSにシステムにおけるデ
ータフローブロック図である。
【図2】上記TPSにおけるスキャナデータ処理のフロ
ーチャートである。
【図3】上記TPSにおけるキャリッジの蛍光灯調光回
路図である。
【図4】上記TPSにおけるキャリッジの他の蛍光灯調
光回路図である。
【図5】上記TPSにおけるキャリッジの通常時の蛍光
灯の露光光量を示す線図である。
【図6】上記TPSにおけるキャリッジの綴じ部光量増
加時の蛍光灯の露光光量を示す線図である。
【図7】上記TPSにおけるキャリッジのブック原稿に
対する蛍光灯露光光量変化を示す線図である。
【図8】上記TPSにおけるブック原稿綴じ部で左右非
対称に光量増加させたときのキャリッジの露光光量を示
す線図である。
【図9】上記TPSにおけるブック原稿綴じ部で左右非
対称に徐々に光量変化させたときのキャリッジの露光光
量を示す線図である。
【図10】上記TPSにおけるスキャナデータの増幅回
路である。
【図11】上記TPSにおけるキャリッジの頁めくりに
より変位するブック原稿左端部の遷移図である。
【図12】ブック原稿綴じ部が移動した場合の上記TP
Sにおけるキャリッジの頁めくりにより変位するブック
原稿左端部の遷移図である。
【図13】ブック原稿綴じ部が薄い場合の上記TPSに
おけるキャリッジの頁めくりにより変位するブック原稿
左端部の遷移図である。
【図14】上記キャリッジのブック原稿端部の読み取り
データの線図である。
【図15】上記ブック原稿端部の部分拡大側面図であ
る。
【図16】上記TPSにおける見開き出力・1対1複写
モード時のブック原稿モード動作のタイミングチャート
である。
【図17】上記TPSにおける独立頁出力・1対1複写
モード時のブック原稿モード動作のタイミングチャート
である。
【図18】上記TPSにおける独立頁出力・2枚複写モ
ード時のブック原稿モード動作のタイミングチャートで
ある。
【図19】上記TPSにおけるブック原稿モード動作と
比較するための先行のブック原稿モード動作のタイミン
グチャートである。
【図20】上記TPSにおける1対1高速両面モード時
のブック原稿モード動作のタイミングチャートである。
【図21】上記TPSの駆動制御手段のブロック図であ
る。
【図22】上記TPSにおける原稿台ユニットの概略側
面図である。
【図23】上記TPSにおけるブック原稿載置台の概略
平面図である。
【図24】上記TPSにおける原稿台ユニットの概略平
面図である。
【図25】上記原稿台ユニットにおける左右の原稿台の
位置をブック原稿サイズに応じて位置決めするサイズス
トッパの概略斜視図である。
【図26】上記サイズストッパの概略平面図である。
【図27】上記TPSの原稿台ユニットに対してスキャ
ナユニットを開閉するためのユニット開閉ロック機構の
概略斜視図である。
【図28】上記ユニット開閉ロック機構の概略側面図で
ある。
【図29】上記原稿台ユニットにおける原稿台加圧固定
切り換え装置の概略斜視図である。
【図30】上記原稿台加圧固定切り換え装置の概略断面
図である。
【図31】上記原稿台加圧固定切り換え装置の一構成部
の斜視図である。
【図32】上記原稿台加圧固定切り換え装置の駆動部の
概略斜視図である。
【図33】上記原稿台加圧固定切り換え装置の概略平面
図である。
【図34】上記TPSにおける装置本体の全体的な構成
を示す概略断面図である。
【図35】上記TPSにおける原稿台の下方待避動作時
の概略側面図である。
【図36】上記TPSにおける原稿台の下方待避動作時
のタイミングチャートである。
【図37】上記原稿台の加圧・固定動作モード時におけ
るキャリッジのホームポジションでの遷移図である。
【図38】上記原稿台の加圧・固定動作モード時におけ
るキャリッジの画像読み取り開始位置での遷移図であ
る。
【図39】上記原稿台の加圧・固定動作モード時におけ
るキャリッジのブック原稿中心ポイントでの遷移図であ
る。
【図40】上記原稿台の加圧・固定動作モード時におけ
るキャリッジのブック原稿右頁の画像読み取り中または
右頁めくり上げ中の遷移図である。
【図41】上記原稿台の加圧・固定動作モード時におけ
るキャリッジの画像読み取り完了位置または頁めくり開
始位置での遷移図である。
【図42】上記原稿台の加圧・固定動作モード時におけ
るスキャナモータ及び左右の原稿台昇降モータの動作タ
イミングチャートである。
【図43】上記原稿台上に載置されたブック原稿の厚さ
及び見開かれた左右頁の頁差を検知するためのスライダ
の構成を示す分解斜視図である。
【図44】上記スライダにおける検知入力部のピン及び
ラック等の構成を示す概略斜視図である。
【図45】上記スライダにおける検知入力部のピンの駆
動説明図である。
【図46】上記スライダにおける上記ラックと大歯車と
の位置関係を示す概略斜視図である。
【図47】上記スライダにおける検知入力部のピン及び
ラック等の構成を示す概略断面図である。
【図48】上記スライダにおける上記ピン及びラック等
と左右の原稿台との位置関係を示す概略側面図である。
【図49】上記スライダにおける大歯車とスライド出力
ギヤとの位置関係を示す概略側面図である。
【図50】上記スライダにおける2段ピニオンギヤとカ
ムギヤとの位置関係を示す概略側面図である。
【図51】上記スライダにおける大歯車とスライド出力
ギヤとの位置関係を示す概略斜視図である。
【図52】上記スライダにおけるスライド出力ギヤとカ
ムギヤと出力ピンとの位置関係を示す概略平面図であ
る。
【図53】上記スライダにおけるスライド出力ギヤとカ
ムギヤと出力ピンとの位置関係を示す概略斜視図であ
る。
【図54】上記スライダにおけるスライド側板に対する
横スライド板の取り付け位置を示す概略側面図である。
【図55】上記スライダにおける固定板に対する横スラ
イド板及びピンホルダの取り付け位置を示す概略側面図
である。
【図56】上記原稿台にセットされたブック原稿の綴じ
部の概略側面図である。
【図57】上記原稿台にセットされたブック原稿の背表
紙が水平な場合における上記スライダのピンと大歯車と
スライド出力ギヤと出力ピンとの位置関係を示す概略側
面図である。
【図58】上記原稿台にセットされたブック原稿の背表
紙が傾斜した場合における上記スライダのピンと大歯車
とスライド出力ギヤと出力ピンとの位置関係を示す概略
側面図である。
【図59】上記スライダの検知入力部と出力部との動作
伝達機構の構成を示す概略側面図である。
【図60】上記原稿台の他の移動手段を示す概略斜視図
である。
【図61】上記スキャナユニットにおけるキャリッジの
駆動機構を示す概略平面図である。
【図62】上記スキャナユニットにおけるキャリッジの
概略断面図である。
【図63】上記キャリッジのシート巻き取りローラの構
造を示す概略断面図である。
【図64】上記スキャナユニットにおけるキャリッジの
シート巻き取りローラ及びめくりローラの駆動機構を示
す概略側面図である。
【図65】上記ユニットにおける画像読み取り部の原稿
押えローラとプラテンガラスとの位置関係を示す概略断
面図である。
【図66】上記キャリッジにおける画像読み取り部のプ
ラテンガラスとガラスホルダとの位置関係を示す概略断
面図である。
【図67】上記キャリッジにおける走査光学系の光路を
ブック原稿走査側からシート物原稿走査側に切り替える
ための切り換えミラーの駆動手段及び光路調整手段の概
略側面図である。
【図68】上記切り換えミラーを駆動して上記キャリッ
ジにおける走査光学系の光路をブック原稿走査側からシ
ート物原稿走査側に切り替えた状態におけるキャリッジ
の概略断面図である。
【図69】上記切り換えミラーの他の駆動手段を示すキ
ャリッジの概略断面図である。
【図70】上記TPSにおける上記キャリッジの頁めく
り上げ動作を示すキャリッジの要部の概略断面図であ
る。
【図71】上記キャリッジの頁めくり動作モード時にお
けるキャリッジの左頁画像読み取り位置での遷移図であ
る。
【図72】上記キャリッジの頁めくり動作モード時にお
けるキャリッジの右頁画像読み取り完了位置での遷移図
である。
【図73】上記キャリッジの頁めくり動作モード時にお
けるキャリッジの右頁めくり上げ開始位置での遷移図で
ある。
【図74】上記キャリッジの頁めくり動作モード時にお
けるキャリッジの右頁めくり上げ途中の遷移図である。
【図75】上記キャリッジの頁めくり動作モード時にお
けるキャリッジの右頁めくり上げ終了位置での遷移図で
ある。
【図76】上記キャリッジの頁めくり動作モード時にお
けるキャリッジの右頁排出途中の遷移図である。
【図77】上記キャリッジの頁めくり動作モード時にお
けるキャリッジの右頁画像読み取り完了位置での画像読
み取り部のめくりベルトへの帯電タイミングの説明図で
ある。
【図78】上記スキャナユニットに対する上記キャリッ
ジの支持構造を示す概略側面図である。
【図79】上記スキャナユニットに対する上記キャリッ
ジの支持機構の走査レールと押えコロとの関係を示す概
略側面図である。
【図80】上記キャリッジにおけるめくりベルトと頁送
りローラとの位置関係を説明するための概略斜視図であ
る。
【図81】上記キャリッジにおけるめくりベルトと頁送
りローラの当接状態を示す概略側面図である。
【図82】上記キャリッジにおけるめくりベルトの動作
に連動して上記頁送りローラを駆動させるトグルジョイ
ント装置により上記めくりベルトから上記頁送りローラ
を待避させた状態を示す概略側面図である。
【図83】上記トグルジョイント装置により上記めくり
ベルトに対して上記頁送りローラを当接させた状態を示
す概略側面図である。
【図84】キャリッジの支持機構の走査レールをはさん
で押えコロが上下に相対する位置に同数だけ配置されて
いることを示す図である。
【図85】位置決めコロと押えコロとによる三点支持の
先行例を示す図である。
【符号の説明】
1 原稿台 4 調整スタッド 5 上下台 6 ベース 7a、7b、8、9、16 アングル 10 リンク板 11 リンクアーム 12 スタッド 13 ねじりバネ 14 背支持板 17 引っ張りスプリング 30 スキャナユニット 35 原稿台ユニット 40 ワイヤ 41、42、44 フック 43 張架バネ 45 止め玉 46、47 プーリ 48 制御プーリ 49 止め穴 50 溝 51 ワンウエイクラッチ 52 滑り軸受 56、57 ギヤ 58 ウォームホイール 60 ウォームギヤ 61 原稿台昇降モータ 101 CCD 102 VPU 103 IPU 104 フレームメモリ 105 LD 106 スキャナモータ 107 メイン制御板 110 TPS制御ボード 111 操作表示制御部 113 読み取りユニット駆動モータドライバ 116 高圧電源 117 めくりベルト上下ソレノイド 118 頁めくりセンサ 120 蛍光灯ドライバ 121 原稿台昇降モータドライバ 200 キャリッジ 201、202 蛍光灯 205 プラテンガラス 208 めくりベルト 281a、281b 原稿押えローラ 336 走査光学系ユニット 337a、337b 走査側板 339a、339b 位置決めコロ 340a、340b 押えコロ 343a、343b 走査レール 344a、344b 支持ロッド 345 加圧バネ 346 押えコロブラケット BO ブック原稿 BOa ブック原稿綴じ部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上向きに見開かれたブック原稿を載置す
    る二分割された原稿載置台と、当該ブック原稿の原稿面
    上を移動して、画像読取又は頁めくりを行う機構を有し
    たキャリッジと、上記二分割された原稿載置台をそれぞ
    れ独立に上方へ付勢する原稿台付勢手段と、キャリッジ
    の鉛直方向位置を規制しながら水平移動自在に当該キャ
    リッジを支持するキャリッジ支持手段とを備え、前記原
    稿台付勢手段によって生じる付勢力Fと、前記原稿載置
    台に載置されたブック原稿の頁量に応じて変化する当該
    原稿載置台がブック原稿から受ける重量Wとの差(F−
    W)が一定になるように、上記付勢力を制御することを
    特徴とするブック原稿用の画像読取・頁めくり装置。
  2. 【請求項2】 上向きに見開かれたブック原稿を載置す
    る二分割された原稿載置台と、当該ブック原稿の原稿面
    上を移動して、画像読取又は頁めくりを行う機構を有し
    たキャリッジと、上記二分割された原稿載置台をそれぞ
    れ独立に上方へ付勢する原稿台付勢手段と、二分割され
    た原稿載置台の上下位置をそれぞれ独立に固定する原稿
    台固定手段と、キャリッジの鉛直方向位置を規制しなが
    ら水平移動自在に当該キャリッジを支持するキャリッジ
    支持手段とを備え、前記キャリッジが上方に位置してい
    る時には原稿台付勢手段により原稿載置台を当該キャリ
    ッジに押圧し、キャリッジが上方に位置していない時に
    は原稿台固定手段によって原稿載置台をキャリッジ走行
    最下面以下に位置固定するように、動作制御を各原稿載
    置台に対してそれぞれ独立に行うことを特徴とするブッ
    ク原稿用の画像読取・頁めくり装置。
  3. 【請求項3】 上向きに見開かれたブック原稿を載置す
    る原稿載置台と、当該ブック原稿の原稿面上を移動し
    て、画像読取又は頁めくりを行う機構を有したキャリッ
    ジと、上記原稿載置台を上方へ付勢する原稿台付勢手段
    と、キャリッジを水平移動自在に支持するキャリッジ支
    持手段とを備え、その際、キャリッジ支持手段を構成し
    原稿載置台に並行に横架された複数のレール部材のそれ
    ぞれに対して、その下端から当接し回転自在に軸支され
    た位置決め回転部材並びに上端から当接し上下動可能且
    つ回転自在に軸支され、キャリッジ全体に上昇習性を与
    えるように付勢する加圧回転部材からなる回転部材対が
    複数組存在し、しかも各回転部材対の位置決め回転部材
    と加圧回転部材とはレール部材を挾んで上下に相対する
    位置に配設されていることを特徴とするブック原稿用の
    画像読取・頁めくり装置。
  4. 【請求項4】 上向きに見開かれたブック原稿を載置す
    る原稿載置台と、当該ブック原稿の原稿面上を移動し
    て、画像読取又は頁めくりを行う機構を有したキャリッ
    ジと、上記原稿載置台を上方へ付勢する原稿台付勢手段
    とを備えたブック原稿用の画像読取・頁めくり装置にお
    いて、原稿載置台の2つの平行側面のそれぞれに備えら
    れる前記原稿台付勢手段が、原稿載置台に摺動可能にそ
    の一端を取り付けられたリンク板と、当該リンク板と交
    差し、且つ原稿載置台にその一端を回動自在に取り付け
    られたリンクアームとを有し、リンク板とリンクアーム
    がその交差部で相互回動自在に連結されてXリンクを形
    成し、リンク板に一端を固定されたねじりバネが、交差
    部を介して向きを変えそのリンク板の側面部を乗り越え
    てリンクアームに他端を固定されたことを特徴とする画
    像読取・頁めくり装置。
JP27568293A 1993-11-04 1993-11-04 ブック原稿用画像読取・頁めくり装置 Pending JPH07128933A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019167167A1 (ja) * 2018-02-28 2019-09-06 株式会社Pfu 載置台

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