JP3686655B2 - 本原稿読み取り装置及び本原稿画像形成装置 - Google Patents

本原稿読み取り装置及び本原稿画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は本原稿読み取り装置及び本原稿画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本原稿読み取り装置は、本原稿の頁を頁めくり装置でめくり本原稿を読み取る装置であって、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置に用いられる。この本原稿読み取り装置の頁めくり装置としては、▲1▼下向きに見開かれて載置された本原稿を移動させながらその頁を吸引して分離することにより頁めくりを行うもの、▲2▼上向きに見開かれて載置された本原稿の頁を吸引移動して分離することにより頁めくりを行うもの、▲3▼上向きに見開かれて載置された本原稿の頁をローラ,アーム等でめくるものが知られている。
【0003】
しかし、頁めくり装置▲1▼にあっては、本原稿の自重の影響により頁めくりの信頼性に欠け、しかも、原稿面がこすられるという問題点を有する。また、頁めくり装置▲2▼,▲3▼にあっては、本原稿の上側空間を移動するので、大型の装置となることが避け難かった。
そこで、本発明者は、上述の問題点を解消し、装置を大型化することなく信頼性の高い本原稿の頁めくりを行う頁めくり装置を有する原稿読み取り装置を提案した。ここに、本原稿とは、複数頁が見開き可能に綴じられた原稿である。この原稿読み取り装置は、頁めくり装置により本原稿の頁を頁収納部に収納してから排出することにより本原稿の頁をめくり、本原稿を走査して読み取る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、見開き本原稿の頁は、その用紙が定型サイズであっても綴じ部により画像が縮み、定型サイズにはならない。また、本原稿はその用紙が定型サイズ外であるものが多い。さらに、製本後に端部を裁断して定型サイズ外とする本原稿もある。このため、上記原稿読み取り装置を用いた画像形成装置では、見開き本原稿を読み取って定型サイズの転写紙に形成することはできるが、本原稿の画像を読み取って定型サイズ外の転写紙上の所望の位置に形成することができず、転写紙に所望の余白を作成することができなくて複数の転写紙を綴じたりファイルしたり製本したりすることができない場合が多い。
【0005】
本発明は、上記欠点を改善し、本原稿の画像を転写紙上の所望の位置に形成することができる本原稿画像形成装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、本原稿を見開いて載置する原稿台と、この原稿台に見開いて載置された本原稿上を移動し該本原稿の原稿情報を読み取る読み取り手段と、上記本原稿上を上記読み取り手段と平行に移動し該本原稿の頁を1頁ずつ頁収納部に挿入し排出しながらめくる頁めくり手段とを有する本原稿読み取り装置において、上記頁めくり手段によりめくられた頁の端部の上記頁収納部への挿入を検知し、その検知情報から上記頁めくり手段の移動方向における上記本原稿の最上位頁の端部の位置を検出する検出手段と、上記検出手段により検出された上記位置に基づいて上記本原稿の最上位頁の有効画像領域を決定する制御手段とを有するものである。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の本原稿読み取り装置において、上記検出手段は、上記頁めくり手段によりめくられた頁の端部の上記頁収納部への挿入開始及び排出終了を検知し、その検知情報から上記頁めくり手段の移動方向における上記本原稿の最上位頁の頁めくり開始側端部及び頁めくり終了側端部の位置を検出し、上記制御手段は上記検出手段により検出された上記位置に基づいて上記本原稿の最上位頁の有効画像領域を決定するものである。
【0010】
請求項3記載の発明は、本原稿を見開いて載置する原稿台と、この原稿台に見開いて載置された本原稿上を移動し該本原稿の原稿情報を読み取る読み取り手段と、上記本原稿上を上記読み取り手段と平行に移動し該本原稿の頁を1頁ずつ頁収納部に挿入し排出しながらめくる頁めくり手段とを有する本原稿読み取り装置において、上記頁めくり手段によりめくられた頁の端部の上記頁収納部への挿入を検知し、その検知情報から、上記頁めくり手段の移動方向における上記本原稿の最上位頁の端部の位置を検出する検出手段と、上記検出手段により検出された上記位置に基づいて上記頁めくり手段による上記頁のめくり動作の開始を制御する制御手段とを有するものである。
【0011】
請求項記載の発明は、請求項1または2記載の本原稿読み取り装置と、上記読み取り手段により読み取った上記原稿情報から、上記本原稿の画像情報を転写紙に形成する画像形成手段とを備えたものである。
【0024】
【作用】
請求項1記載の発明では、上記検出手段は、頁めくり手段によりめくられた頁の端部の上記頁収納部への挿入を検知し、その検知情報から上記頁めくり手段の移動方向における上記本原稿の最上位頁の端部の位置を検出する。制御手段は、上記検出手段により検出された上記位置に基づいて上記本原稿の最上位頁の有効画像領域を決定する。
【0025】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の本原稿読み取り装置において、上記検出手段は、上記頁めくり手段によりめくられた頁の端部の上記頁収納部への挿入開始及び排出終了を検知し、その検知情報から上記頁めくり手段の移動方向における上記本原稿の最上位頁の頁めくり開始側端部及び頁めくり終了側端部の位置を検出し、上記制御手段は上記検出手段により検出された上記位置に基づいて上記本原稿の最上位頁の有効画像領域を決定する。
【0028】
請求項3記載の発明では、検出手段は、上記頁めくり手段によりめくられた頁の端部の上記頁収納部への挿入を検知し、その検知情報から、上記頁めくり手段の移動方向における上記本原稿の最上位頁の端部の位置を検出する。制御手段は、上記検出手段により検出された上記位置に基づいて上記頁めくり手段による上記頁のめくり動作の開始を制御する。
請求項4記載の発明では、画像形成手段は請求項1または2記載の本原稿読み取り装置の上記読み取り手段により読み取った上記原稿情報から、上記本原稿の画像情報を転写紙に形成する。
【0029】
【実施例】
図15は本発明を適用したシステムの一例を示す。
このシステムは、原稿を読み取るスキャナ部500と、画像を形成するプリンタ501とを有し、スキャナ部500は原稿をめくり走査して読み取る読み取りキャリッジ(走査ユニット)200を有する。この走査ユニット200は、原稿画像を読み取るCCD(電荷結合素子)を有する画像読み取り板(SBC)101と、この画像読み取り板101からのアナログ画像信号の処理からA/D変換までを行うVPU(Video Processing Unit)102と、蛍光灯及びそのインバータ電源、ヒータ、サーミスタ、ファン、ソレノイド等の負荷系の信号線と電源ラインの配線を中継する部分502とを有する。この部分502とVPU102はそれぞれ独立のフレキシブルケーブルでIPU103と接続されている。
【0030】
IPU(Image Processnig Unit;画像処理装置)103はコネクタにより着脱可能で読み取り画像信号を記憶するためのフレームメリ104を備え、IPU103内のマイクロコンピュータは走査ユニット200を走査するためのステッピングモータや原稿台駆動用DCモータ等の負荷をモータ駆動回路503を介して制御すると共にセンサからの信号を取り込む。プリンタ501は、複写のモード制御、操作パネル99のキー信号の取り込み及び表示制御を行うメイン制御部と、複写タイミング制御を行うシーケンス制御部とからなるメイン制御板107を有し、メイン制御部及びシーケンス制御部、操作パネル99の各マイクロコンピュータは互いにシリアル通信でコマンドの送受信を行う。メイン制御板107はプリンタ501の作像に係わるセンサ類の入力、モータ、ソレノイド、クラッチ等の制御を行って画像形成のシーケンス制御を行う。
【0031】
図1はこのシステムのデータ処理ブロックを示す。このシステムは、本及びシート原稿読み取り装置(以下、TPS:Turn the Page Scannerという)と、その原稿読み取り画像を出力する電子写真方式のレーザプリンタ501とを有するシステムである。このシステムは本原稿の画像読み取り機能と頁めくり機能とをそれぞれ独立させて構成することもできるが、ここでは、頁めくり機能と画像読み取り機能との両機能を1つのユニットに組み込んだ装置となっている。
【0032】
本システムは、TPSの画像読み取り部及び画像データ処理部と、レーザプリンタからなる画像形成部に大きく分けられる。TPSの走査ユニット右端部に配置した画像読み取り部は、CCDを有する読み取り板からなる読み取りセンサ101を備え、VPU102はIPU103からの基準信号に基づきCCDに駆動信号を供給し、読み取りセンサ101よりのアナログ出力信号の補正からデジタル信号変換までを行って各ドット8ビットの読み取り画像データを得る。
【0033】
そして、VPU102は、その各ドット8ビットの読み取り画像データをクロック及び主走査方向、副走査方向のゲート信号に同期させて約7.5MHzの速度でIPU103に出力し、このIPU103はVPU102からの画像データの変倍等の加工処理や電子写真の高画質処理を行う。IPU103は画像データを最終処理でγ補正を含む階調処理を行い、書き込みに適した各ドット4ビットのビデオデータに変換してその処理データをフレームメモリ104に蓄積する。
【0034】
このTPSでは、本原稿の読み取り速度90mm/sec.、シート原稿の読み取り走査速度120mm/sec.、作像速度180mm/sec.というように、その読み取り走査速度と作像速度とに差があるので、その速度バッファ用にA3サイズ1頁分のフレームメモリ104を用いている。また、このフレームメモリ104は、TPSが本原稿に接触して走査してその読み取りを行い、リピートコピー時には画像データが複数回繰り返して読み出されることにより、リピートコピー時の原稿保護に対して有効である。さらに、TPSが本原稿の見開き左右頁を独立にプリントする頁連写時には1回の走査読み取りでフレームメモリ104を用いて左右頁の画像を分割することができ、TPSは画像形成部を構成するレーザプリンタ501の画像書き込みとの同期走査や再度の助走がいらない。
【0035】
更に、IPU103の速度対応性により各ドット4ビット構成のフレームメモリ104をIPU103より後段に配置し、IPU103による画像処理後の書き込みデータをフレームメモリ104に格納することにより、各ドット8ビットの読み取り画像データに対してフレームメモリ104の容量を半分にしている。
【0036】
フレームメモリ104の容量は400DPIの画像データでA3サイズ1頁分の128Mビットであり、DRAMによって構成される。IPU103からフレームメモリ104への画像データ入力は画像データの2ドット分をパラレルに行い、かつ、約3.8MHzの速度で順次に行う。一方、フレームメモリ104からの画像データは、同じく画像データの2ドット分がパラレルで出力され、約7.5MHzの速度でIPU103から送られるクロック及び主走査方向、副走査方向のゲート信号に同期してメイン制御板107に順次に出力される。
【0037】
メイン制御板107は、フレームメモリ104からレーザプリンタ501の画像形成速度に合わせて高速に出力された画像データを約15MHzのシリアルデータとし、FIFO(First In First Out)メモリで更に主走査方向に高速化し、約18MHzの書き込みクロックに同期させる。この各ドット4ビットの画像データは変調部でパルス幅変調されて発光時間データとなり、レーザ(LD)コントローラにPWMデータとして書き込みクロックに同期して送信される。LDコントローラは、そのPWMデータによりLDドライバを介して電子写真方式のレーザプリンタのLD105を発光させて感光体を露光走査して作像する。電子写真方式のレーザプリンタ501は感光体を帯電器で均一に帯電させた後にLD105による露光走査で静電潜像を形成し、この静電潜像を現像装置で現像して転写装置により転写紙に転写する。
【0038】
IPU103は、TPSの読み取りキャリッジ(走査ユニット)200の走査制御も行い、読み取りキャリッジ200を走査するためのステッピングモータからなるスキャナモータ106を駆動する。スキャナモータ106はシート原稿読み取り時及び本原稿読み取り時には読み取りキャリッジ200を走査速度90mm/sec.で等速走査し、71%から141%までのズームを含む変倍時にはその1.41倍から0.71倍の線速で読み取りキャリッジ200を走査する。
【0039】
また、スキャナモータ106は、読み取りキャリッジ200を走査開始位置に戻すリターン時及び本原稿の頁めくり時には120mm/sec.の速度で読み取りキャリッジ200を走査する。メイン制御板107は、I/O100を介して作像に係わるセンサ類からの入力信号を取り込み、モータ、ソレノイド、クラッチ等へ出力信号を出力することにより、レーザプリンタ501の画像形成のシーケンス制御を行う。また、IPU103は読み取り画像データを他のシステム機器、例えばプリンタやワークステーションに転送するためのSCSIインターフェース98を備え、メイン制御板107は操作パネル99からの信号の取り込み及び操作パネル99への信号の出力を行う。
【0040】
次に、本システムにおける画像読み取り信号処理を説明する。
CCDを有する読み取りセンサ101は、約5000画素、400DPIの読み取りが可能で、原稿の主走査方向1ライン分の反射光像を同時に読み取って電気信号に変換する。読み取りセンサ101からの電気信号はVPU102でクランプ等の波形修正、増幅、A/D変換が行われ、8ビットのデジタル信号としてIPU103へ出力される。読み取りセンサ101はアナログ画像データを高速転送のためEVEN,ODDの2系統に分けてVPU102に出力し、VPU102においては、アナログスイッチで構成されるスイッチングICで読み取りセンサ101からのEVEN,ODDの画像データをシリアルのアナログ信号に合成して転送する。この場合、1画素の画像データ転送速度は、本原稿読み取りモード時では約7.5MHzであり、これに同期して上記合成後の画像データをA/Dコンバータで8ビット256階調のデジタル信号に変換する。一方、可変増幅器では蛍光灯の光量変動を補正するために、基準白板の読み取りデータによりその増幅度を適正値にするように調節する。
【0041】
図2はTPSにおける読み取りスキャナ部のデータ処理を示す。
読み取りセンサ101から読み出される主走査方向に連続するアナログ画像データは、VPU102においてクランプにより波形の基底レベルの調整が行われ、画素クロックに同期してサンプルホールドされる。次に、VPU102はその画像データを読み取り露光光量やそのデータレベルに合わせてデータの増幅率を可変するAGC(Auto Gain Control)処理を行い、A/D変換器によりアナログ画像データから8ビットのデジタル画像データに変換して読み取りセンサ101のCCDで読み取られる原稿反射濃度に対してリニアな読み取り画像データを得る。次に、VPU102はその読み取り画像データを視感度に合わせて効率よく階調を扱うように対数変換を行う。この対数変換は入出力8ビット/ドットのLUT(LOOK UP TABLE)で行う。
【0042】
VPU102からの画像濃度を示す1画素毎のデジタル画像信号はIPU103へ入力されて画像処理される。IPU103は、複数のLSIで構成され、VPU102からのデジタル画像信号の画像加工処理の他、高画質処理の制御を行い、その主なものを以下に説明する。
1.シェーディング補正
本システムのTPSは、蛍光灯の直線光源が用いられ、レンズの集光によりCCDの中央部で光量が最大となり、CCDの端部では光量が低下してしまう。また、CCDには、素子個々の感度にバラツキがある。そこで、IPU103は、デジタル画像信号に対してその両方のシェーディング補正を画素毎の基準白板読み取りデータにより行う。
【0043】
2.MTF補正
レンズなどを用いた光学系では、レンズなどの性能により周辺画素情報が影響を受けてCCDによる読み取り出力がなまったようになる。そこで、IPU103は、1つの画素データを求める際に、その画素データを周辺画素レベルで補正することにより、再現性の高い画像を得る。
【0044】
3.主走査方向変倍
本システムでは、画像の読み取りと書き込みの解像度が同一の400DPIであるが、フレームメモリ104の読み出し画素周波数が約15MHz、フレームメモリ104の書き込み画素周波数が約18MHzであってこれらが異なるため、IPU103は画像データの周波数変換を行い、また、画像データに対して50%から200%の主走査方向及び副走査方向の変倍処理を行う。IPU103はその変倍値を周辺画素データの演算で算出する。
【0045】
4.γ補正
電子写真方式のレーザプリンタは、濃度再現特性(プリンタのγ特性)がリニアでなく、スキャナ部からの画像データをそのまま用いても原稿濃度を忠実に再現できない。そこでIPU103は変換テーブルを用いて画像データをレーザプリンタのプリント特性に合わせた書き込み露光光量に変換する。また、IPU103はマニュアルの濃度調整時も、その変換値を変更することで濃度調整を実現する。
その他、IPU103は、マスキング、トリミング、ミラーリング、白黒反転等の画像変換、原稿サイズ、位置及び濃度検出、マーカー検出等の画像検出等も行っている。
【0046】
IPU103から送られてきた画像データは、LD105により光エネルギーに変換される。本システムにおける光書き込み方式のレーザプリンタ501は、LD105からのレーザビームをポリゴンミラーで偏向走査し、感光体上に露光して静電潜像を形成する方式が用いられている。また、LD105の変調方式は、主に1ドット内の露光時間を変調するパルス変調方式と、露光強度を変調するパワー変調方式とがあり、本システムでは前者の方式を採用している。これにより、解像性及び階調性を備えた高画質が得られる。
【0047】
次に、TPSの本原稿露光方式について説明する。
本システムは、本原稿の露光用光源としての2本の蛍光灯201,202と、シート原稿の露光用光源としての2本の蛍光灯203,204とを備えており、本原稿の露光用光源としての2本の蛍光灯201,202は、図27に示すように、走査ユニット(キャリッジ)200の走査方向と直交する方向の本原稿読み取りスリット位置に配置されたプラテンガラス205の両端上部にそれぞれ配置されている。
【0048】
これらの蛍光灯201,202は、プラテンガラス205を通して本原稿BOを左右両側から露光し、本原稿BOの読み取り時における左右の頁による濃度ムラや本原稿綴じ部BOaの陰影をなくしている。一方、シート原稿の露光用光源としての2本の蛍光灯203,204は、図27に示すように、走査ユニット200の上部の走査方向と直交する方向のシート原稿読み取りスリット位置にそれぞれ配置されており、これらの蛍光灯203,204は、本システムの上面のコンタクトガラス206を通して、このコンタクトガラス206上にスケール207に合わせてセットされたシート原稿SOを左右両側から露光し、本原稿BOと同じくシート原稿SOの読み取り時における濃度ムラや陰影をなくしている。
【0049】
次に、TPSの読み取り画像データ増幅回路を用いて濃度ムラを補正する方式について説明する。
図3は、上記読み取り画像データ増幅回路を示す。この読み取り画像データ増幅回路は、演算増幅器301、コンデンサC1、抵抗R1〜R9及びトランジスタQ1〜Q5により構成された非反転増幅回路であり、VPU102はCCD101からのアナログ画像信号に対してクランプ、サンプルホールド、EVEN/ODD画素合成等の波形補正を施した後に読み取り画像データ増幅回路で増幅し、A/D変換してデジタルデータとしてIPU103に転送する。
【0050】
読み取り画像データ増幅回路は、入力されたアナログ画像信号VINを演算増幅器301で増幅して出力信号VOUTとして出力する。データ増幅値を設定する5ビットの入力信号G1〜G5がトランジスタQ1〜Q5のベースに加えられてトランジスタQ1〜Q5がオン/オフすることにより抵抗R3〜R7が選択的に接続され、読み取り画像データ増幅回路のゲインが通常はVPU102でAGC処理により算出された適正ゲインにセットされる。
【0051】
この読み取り画像データ増幅回路の増幅率は、抵抗R1と、抵抗R2〜R7の並列抵抗で構成される抵抗値Rで決定され、
VOUT=VIN(1+R/R1)
で表される。従って、この読み取り画像データ増幅回路では、入力信号G1〜G5の設定値により、およそ6倍から450倍までの32段階の倍率の選択が可能である。
この例では読み取り画像データ増幅回路の増幅率を調整することによって、アナログ画像データの補正を行ったが、上記A/D変換後のデジタル画像データに対するデータシフトあるいは乗算によって同様な補正を行うようにしてもよい。
【0052】
ところで、本原稿綴じ部の彎曲や陰影は、一般に主走査方向の同一位置に発生する特性を有している。そこで、本原稿綴じ部による濃度ムラを改善するために、その主走査方向の画像データをサンプリングし、本原稿の地肌部である最低濃度値により、その主走査方向ラインの画像データをリアルタイムに補正するようにしてもよい。この補正では、主走査方向の前ラインの画像データのピーク値により、図3に示した読み取り画像データ増幅回路の増幅率を決定する。あるいは、FIFOメモリにより1ライン分の画像データを遅延させてサンプリングし、その主走査方向の画像データの本原稿地肌部である最低濃度値のピークを算出し、その値に基づいてデジタル画像データのシフトあるいは乗算を行うことによって、綴じ部付近の地肌濃度を頁部の地肌濃度と等しくなるように操作する。ここで、一般に本原稿の頁内の地肌濃度は一定であるので、頁部の画像濃度補正量は小さく、この本原稿の地肌部である最低濃度値を基準値としたことによる副作用は極めて少ない。
【0053】
一般に、公報等の見開き本原稿の左頁部分は、その頁めくり動作によって増加し、本原稿の左端部が本の表紙位置を基準として上方且つ右方向に移動していく。一方、本原稿の右頁部分は、その頁めくり動作によって減少し、本原稿右端部が下方且つ右方向に移動していく。このような、頁めくりの繰り返し枚数に対する本原稿左端部の遷移例を図4乃至図6に示す。図4乃至図6では、本原稿台に載置された本原稿の初期の見開き本原稿左端部の位置を“0”とし、その頁めくり動作により増加する本原稿左端部の右方向への移動量を変位量で表わしている。また、本原稿左端部の右方向への変位量をプラスとしてこれをミリ単位で表示している。
【0054】
図4は本原稿の厚み20mm,総頁数750頁の場合、図5は本原稿の厚み12mm,総頁数300頁の場合、図6は本原稿の厚み9mm,総頁数180頁の場合を示し、これらの本原稿のサイズは全て見開きB4サイズである。図4乃至図6から明らかなように、これらの本原稿左端部はその頁めくりによって右方向に変位するが、この変位により中央綴じ部の形状が変わり、本原稿左端部の変位量は必ずしも単調増加とはならない。また、本原稿はその頁めくりにより中央綴じ部が左右方向にスライドするため、図5及び図6に示すように、その頁めくり過程で変位量が逆に減少する地点も生じ、図6に示す薄手の本原稿に至っては、左方向(マイナス方向)へも変位している。更にこれらの変位量は、本原稿のサイズや厚さ、及び紙質等によっても左右される。本システムのように本原稿の表紙を加圧原稿台上に固定する場合には本原稿の背表紙のばたつきによる急激な変位は抑えられるが、見開き本原稿の最上位頁位置は頁めくりにより変化する。これは読み取り位置及び頁めくり位置のズレになる。
【0055】
そこで、本システムでは、本原稿の上下方向の変位は走査ユニット200の走査毎に加圧原稿台の規制を解除し、バネ性を持って走査ユニット200に押し当てて本原稿の最上位頁が均一平面になるように自動的に補正する。さらに、本原稿の端部の変位に係わらずに、画像の取り込みやプリントに適した画像有効範囲(見開かれた本の頁面)が得られるようにするために、読み取りセンサ101の画像読み取り情報により、この本原稿の見開かれた頁の端部位置を検出し、この本原稿端部位置を基準として本原稿の画像有効範囲を得るようにする。本システムにより検出された本原稿のエッジ部(表紙端部)は、見開きサイズがA3の場合、その読み取り位置で中央セット位置よりおよそ210mm、走査ユニット200のホームポジションからおよそ30mmの位置である。
【0056】
本システムにおける本原稿の端部検出は、読み取りセンサ101の特定画素による読み取り情報の副走査方向への変化により行う。読み取りセンサ101の読み取りデータは、本原稿エッジ部で図7に示したようになる。ここで、本原稿の左端部では、読み取り原稿面が読み取りセンサ101の結像点より下方に位置しているため焦点がずれ、僅かにぼやけた画像となる。また、読み取り位置が原稿に達していない時は、原稿台または本裏表紙部が読み取られ、黒画像と同じレベルとなる。
【0057】
読み取りセンサ101の読み取り位置が本原稿端部に達すると、本原稿の各頁のエッジ群による縞模様部分が検出される。一般に、ほとんどの本原稿は、その頁の地肌が白色で、本原稿端部から十数ミリの部分には文字や画像がない。そこで、この均一色(白色)が続いた時点で、本原稿端部と判断する。この本原稿の端部検出は、その頁めくり走査の最後に、上記の画像読み取り方向とは逆方向で検出する。
【0058】
上述のように、読み取りセンサ101の出力情報により原稿面を検出することによって、本原稿の端部の変位に係わらず、画像の取り込みやプリントに適した画像有効範囲が得られる。
一般に、見開き本原稿BOの原稿端部は、図8のように原稿頁のエッジ群が傾斜状に積み重なって構成され、端部の傾斜と逆方向からの照明に対して原稿頁の端部に陰を生じ、本原稿の各頁のエッジ群による縞模様が強調されて読み取られる。
【0059】
本システムでは、本原稿読み取り時はその左右頁を均一に読み取り、本原稿の綴じ部の彎曲部まで読み取るために、原稿面の左右から一対の蛍光灯201,202で露光照明を行っている。そして、本原稿端部検出時に、片方の蛍光灯を消灯または減光して本原稿端部の原稿頁のエッジ群による縞模様を強調し、原稿端部の位置検出の精度を向上させる。すなわち、IPU103内のマイクロコンピュータが走査ユニット200の右から左への頁めくり走査の後半で、右側の蛍光灯202のみを点灯させる。また、IPU103内のマイクロコンピュータは頁めくりのための右頁吸着のための見開き本原稿の右頁端部の検出では、原稿面の読み取り走査終了時に、右側の蛍光灯202のみを消灯して読み取る。
【0060】
ところで、上述のようにして本原稿の頁エッジ群により本原稿の頁端部を検出する方式では、本原稿の読み取り頁内に頁のエッジ群による縞模様に類似した画像がある場合、本原稿端部の検出を誤る可能性がある。そこで、本原稿端部を検出する場合には、一対の蛍光灯201,202の両側からの露光照明による画像と、一方のみの蛍光灯の片側からの露光照明による画像との比較により、本原稿端部の検知精度を高めるようにすることができる。
【0061】
この方式では、IPU103内のマイクロコンピュータは本原稿端部の検知時において、片方の蛍光灯を消灯または減光し、本原稿端部の頁のエッジ群による縞模様を強調して読み取る第1のモードと、両蛍光灯201,202により露光照明して本原稿端部の頁のエッジ群による縞模様を強調して読み取る第の2モードとを切り換え、この第1のモードと第2のモードとの画像読み取りデータを比較して、両者の画像読み取りデータに差が生じた場合の読み取りデータを本原稿端部の検出データとする。
【0062】
また、IPU103内のマイクロコンピュータは、第1のモードと第2のモードとの画像読み取りデータを比較して両者の画像読み取りデータの差が少なければ、この読み取りデータは平面上に構成されている画像の読み取りデータであると判断し、本原稿頁内のプリントされる画像の読み取りデータであると認識する。この方式は、本原稿端部の検出結果が疑わしい場合にのみ、その確認のために実施するようにしてもよい。このように、この方式によれば、本原稿端部の位置検出の精度をより向上させることができる。
【0063】
図9乃至図14は本システムの本原稿モードの複写動作タイミングを示す。 図9は操作パネル99のプリントキーの押下からの初期モードで画像による本原稿端部の検知を実施している場合を示し、図10〜図14は連続複写モードの途中で頁収納位置による本原稿端部の検知を実施している場合を示す。図10〜図14の場合は初回の本原稿読み取り動作及び画像による端部検知動作が図9の場合と同様である。
【0064】
図9乃至図14において、数字は本原稿の読み取り頁ナンバーを示しており、2頁と3頁、4頁と5頁が本原稿の見開き頁を構成している。また、フレームメモリ104の読出し信号メモリRの符号RP及びLPは、それぞれ読出し画像データの右頁(RP)及び左頁(LP)を表わしている。更に、各モードの本原稿の頁サイズはA4サイズで、本原稿の見開き2頁を走査ユニット200の1回の走査で連続して読み取ってその読み取り画像データをフレームメモリ104内にA3サイズ分の読み取りデータとして記憶し、各出力モードに応じてフレームメモリ104より画像データを読出してレーザプリンタ501により作像して転写紙に記録する。
【0065】
図9及び図10はA3サイズの転写紙に見開き状態の本原稿の画像を出力し、本原稿に対して1部の複写を行う1to1複写モードの場合を示し、図11はA4サイズの転写紙に本原稿の読み取り左右頁の各画像をそれぞれ別々に独立頁毎に出力し、同じく本原稿に対して1部の複写を行う1to1複写モードの場合を示す。図12は、図11と同様に独立頁の画像出力を行い、複写設定枚数が2枚で本原稿に対して2部の複写を行う2枚複写モードの場合を示す。
【0066】
図9の本原稿モード動作タイミングにおいて、操作パネル99の複写開始を指示するプリントキーがオンされると、IPU103内のマイクロコンピュータは、走査ユニット200を走査するためのスキャナモータ106を逆転方向へ回転させ、中央部に位置していた走査ユニット200を読み取り開始方向へ移動させる。IPU103内のマイクロコンピュータは、走査ユニット200が左側ホームポジションの読み取り開始位置へ移動すると、スキャナモータ106を正転方向へ駆動し、両方の蛍光灯201,202を点灯させて本原稿の読み取り走査を開始させる。
【0067】
IPU103内のマイクロコンピュータは、用紙サイズの情報(転写紙サイズ検知手段などからの転写紙長さ情報)と操作部99からの複写倍率情報より読み取り有効範囲を算出して(図80参照)見開き本原稿の左頁端部地点から原稿画像に対する読み取り副走査方向の有効画像領域信号SFGATEを発生する。また、IPU103内のマイクロコンピュータはその有効画像領域信号SFGATEによってフレームメモリ104のデータ書き込み信号メモリWを操作し、データ書き込み範囲を制御する。
【0068】
IPU103内のマイクロコンピュータは、キャシッジ200が見開き本原稿の右頁端部に達すると、本原稿右頁端部の検出を開始し、頁めくり時の頁吸着位置を算出する。キャシッジ200の読み取り走査が終了すると、キャシッジ200が復動の頁めくり走査に入り、初回はめくり頁の収納位置が検知されてその頁収納位置により画像有効範囲が確定された後にレーザプリンタが画像形成を開始する。また、2回目以降は前回検出の頁収納位置により算出した画像有効範囲で読み取り走査終了直後にレーザプリンタが画像形成を開始する。IPU103内のマイクロコンピュータはレーザプリンタ側の副走査方向の有効画像領域信号PFGATEによってフレームメモリ104のデータ読み出し信号メモリRを操作してレーザプリンタに同期して画像データを出力する。また、頁めくり時には見開き本原稿の頁端部が頁収納センサで繰り返して検出される。以上の行程の繰り返しにより、自動的に本原稿の頁をめくり本原稿の見開き頁複写を行う。
【0069】
図11は本原稿の独立頁毎に画像を出力する1TO1複写モードの場合を示す。この場合は、読み取りモード時には図10の場合と同様のタイミングで動作し、頁めくり時にはプリンタで連続して搬送される転写紙に合わせて二つのPFGATEによってフレームメモリ104のデータ読み出し信号メモリRが操作され、本原稿の頁毎の画像データが出力される。フレームメモリ104のアドレスカウンタがPFGATEによってマスクされて停止することにより、本原稿の左頁の第1の画像に連結した右頁の第2の画像のデータが第2のPFGATE信号によりレーザプリンタにおける転写紙間隔を持って読み出される。
【0070】
図12は図11の場合と同様に本原稿の独立頁の2枚複写を行うモードの場合を示す。この場合は、読み取りモード時には図10の場合と同様のタイミングで動作し、頁めくり時の画像出力ではレーザプリンタで連続して搬送される転写紙に合わせて複数のPFGATEによってフレームメモリ104のデータ読み出し信号メモリRが操作され、本原稿の頁毎の画像データが複数枚分出力される。本例では、始めに読み取り左頁の画像が2枚出力され、次に読み取り右頁の画像が2枚連続で出力される。レーザプリンタが複数枚の画像出力を行っている間にTPSが頁めくり走査を終了し、キャリッジ200は読み取り走査開始位置で停止して次の読み取り走査に備え待機している。
【0071】
図13及び図14は本原稿両面モードの動作タイミングを示す。この本原稿両面モードは転写紙の両面を本原稿の頁の表裏と同様の構成に複写するものである。図13は読み取り頁順に複写する場合を示す。これは見開き本原稿の右頁の画像データがフレームメモリ104より読み出されてレーザプリンタにより転写紙の表面に形成され、その転写紙が反転して両面搬送路を経由して両面スタック位置に搬送される。一方、TPSは、左方向の走査により1回の頁めくりを行い、本原稿の次の見開き頁を読み取り、その画像データがフレームメモリ104に記憶される。レーザプリンタで両面搬送路による搬送を終了した転写紙が再給紙され、見開き本原稿の左頁の画像データがフレームメモリ104より読み出されて転写紙の裏面に形成されてその転写紙が排出される。図13の場合は、転写紙の両面形成のための反転、搬送パスによる再給紙までの時間を有し、1TO1両面複写の生産性が低い。
【0072】
図14はフレームメモリ104を用いて本原稿をその読み取り頁順とは変えて複写する1TO1高速両面複写モードの場合を示す。この場合は、第1に、本原稿の見開き右側の1頁目の画像が第1の転写紙の表面に作像され、第1の転写紙が両面搬送路により搬送される。第2に、本原稿の次の見開きの2頁目及び3頁目が読み取られ、その画像データがフレームメモリ104に記憶される。第3に、3頁目の画像データがフレームメモリ104より読み出されて第2の転写紙の表面に作像され、第2の転写紙が両面搬送路により搬送される。
【0073】
第4に、両面スタック位置の第1の転写紙が再給紙され、2頁目の画像データがフレームメモリ104より読み出されて第1の転写紙の裏面に形成されて第1の転写紙が排出される。以下、本原稿の画像が読み取り見開き頁と逆順に出力されることにより、本原稿の両面複写が高速に行われる。すなわち、図9と図10の場合、転写紙の両面搬送路搬送期間は転写紙の両面画像形成のための反転、搬送パスによる再給紙までの時間で同じであるが、本システムでは両面搬送路搬送期間に次の転写紙の画像形成が実施されており、従来の1.5から2倍程度の複写生産性が得られる。
【0074】
本システムでは、両面複写モードにおいて、複写部数が2以上の多数枚複写時には図13に示すように本原稿の頁順の画像形成が行われ、操作パネル99による指示部数の転写紙の表面に画像が形成され、その転写紙は両面スタック位置に一旦格納された後に再給紙されて指示部数の裏面画像形成が行われた後に排出される。
本システムは吸着ローラの変位による本原稿頁の吸着、分離に対して安定した頁めくり動作を行う。これは、頁の先端部のみを吸着して上方に変位させ頁収納部へと導くために、その吸着位置が重要となる。
【0075】
以上の通り、本原稿の頁めくり走査時に頁収納センサで本原稿の頁端部が検出され、頁めくりの繰り返しにより変化する本原稿の頁端部に対する吸着、分離の動作位置が決定される。つまり、頁収納位置データより走査終了側の頁端部が検出されて頁めくり走査時の吸着ローラの上昇位置が決定され、常に頁の同一量が吸着、分離するように制御される。
以上により、本システムは、本原稿の画像範囲および本原稿端部を頁収納センサで検出するため、独立の検出手段を用いること無く、画像読み取り位置(レジスト)および安定した頁めくり動作を本原稿の始めから終わりまで連続して実現できる。
【0076】
本システムでは、図27に示すように、走査ユニット200内には、本原稿BOの頁を静電吸着によりめくり込むためのめくりベルト208があり、本原稿頁は、このめくりベルト208上に高圧電源により電荷パターンが形成されることにより、めくりベルト208上に静電吸着される。
【0077】
このめくりベルト208上に静電吸着された原稿頁のめくり込みは、めくりベルト上下ソレノイドによりめくりベルト208を上方に揺動させ、めくりベルト208に吸着された頁端部を走査ユニット200側に持ち上げることによって行われる。この時、頁収納センサによって、原稿頁がめくられたか否かが検知される。この頁めくり時に、頁収納センサの頁検知が所定のタイミングで行われなかった場合には、その頁めくり走査が再実行される。
【0078】
ミラー切り換えソレノイドは、本原稿専用の下読み取りの光路と、シート原稿等の一般的な上読み取りの光路との切り換えを行うソレノイドであってキープソレノイドが使用され、光路切り換え時のみ通電される。原稿画像は、各蛍光灯の照明によりミラー220,221及びレンズ216を通り、VPU102に接続されている読み取りセンサ101のCCDに結像される。VPU102は、CCDを駆動するクロックを発生し、CCDから出力されたアナログ画像信号をA/Dコンバータによりデジタル値に変換してIPU103とフレームメモリ104を通して上述のレーザプリンタからなるプリンタ部501に出力する。ここで、フレームメモリ104は、TPSの読み取り線速とプリンタ部112のプロセス線速のバッファに使用される。また、IPU103では画像データの処理が行われる。
【0079】
以下、TPSにおける原稿台ユニットの構成について説明する。
図16乃至図18に示すように原稿台1は、厚さが2mmの樹脂製の板で形成されており、その上側の表面には、極薄いゴムなどの摩擦係数の高い材料が貼り付けてある。この高摩擦係数材料は、ラミネートやコーティング、及び吹き付けなどにより、原稿台1の上面に形成してもよい。この例における原稿台1は、その原稿載置面(上面)の大きさがA4サイズに形成されており、装置本体中心2の左右に、それぞれ1つずつ配設されている。また、各原稿台1の下には、スライド板3がそれぞれ固定されている。各スライド板3は、その前後と外側面の3方が下方に曲げられた板金で構成されており、それぞれの前後の側面の装置本体中心2の近傍に、調整スタッド4がそれぞれ固定されている。各調整スタッド4の端部には、後述するスライダのピンが嵌合するための穴があいている。
【0080】
一方、スライド板3の下面は、上下台5の摩擦係数の低い上面と接している。ここで、上下台5の上面は、テフロン(登録商標)などの樹脂のリブが形成されていて、スライド板3とスムーズに左右に相対的に移動できる。また、スライド板3と上下台5は、後述するサイズストッパ27により相対的に固定される。上下台5の下側には、左右方向の長穴のあいたアングル7a,7bが前後左右4ヵ所に付いている。この原稿台ユニットのベース6には、固定回転軸を持つ他のアングル8、左右方向の長穴のあいた更に他のアングル9がそれぞれ固定されている。
【0081】
アングル8とアングル7bにはリンク板10が回転自在に軸支され、アングル9とアングル7aにはリンクアーム11が回転自在に軸支される。アングル7a,7a,9に対しては、リンク板10及びリンクアーム11がそれぞれ左右方向にスムーズにスライドできるようになっている。更に、原稿台ユニットの前面から見て、前後に各2個あるアーム板10とリンクアーム11は、X字状の交差部分でスタッド12により互いに回転自在に軸支されている。
【0082】
また、このスタッド12をねじり中心として、ねじりバネ13がリンク板10とリンクアーム11との間に掛けられており、このねじりバネ13により、図16において、上下台5を常時上方に押し上げる力が働いている。この上昇力による上下台5の上昇は、後述するように上下動の規制されている走査ユニット200に、原稿台ユニット上にセットされた本原稿の原稿面が当接することによって規制される。これにより、スキャナユニット30に対する加圧力が、本原稿の厚さの違いに係わらず略一定に維持される。
【0083】
また、左右2つの上下台5の装置本体中心2側の端部は、背支持板14により互いに連結されている。この背支持板14は、ゴムなどの弾性変形する材質で構成され、この背支持板14上に本原稿BOの背表紙がセットされる。また、背支持板14は、後述する引っ張りスプリング17の作用により左右方向に常に張力を掛けられている。すなわち、上下台5にはフック15が設けられており、このフック15とリンク板10のアングル16とが引っ張りスプリング17で繋がれることにより、左右一対の上下台5が互いに離間する方向に引っ張られている。これにより、背支持板14に対して常時張力がかけられ、弛むことなく本原稿の背表紙が支持される。
【0084】
ベース6の両サイドには、板金製の側板18が固定されており、各側板18には、後述するスキャナユニット30の開閉ロック爪32が掛る固定ピン19が付いている。また、一方の側板18には、スキャナユニット30が閉じた時にこれを上方に押し上げておくための板バネ21と、スキャナユニット30が閉じた状態を検知するための開閉ロックセンサ20が取付けられている。
【0085】
サイズストッパ27は、載置される本原稿の厚さに応じて左右の原稿台1の間隔を調整し、スライド板3(原稿台1)と上下台5を相対的に固定し、原稿台1と上下台5とが互いに一体となって動くようにするためのものである。図18及び図19はその概略構成図を示す。図17に示すように、上下台5の下側に一対のアングル22が所定の間隔をおいて取付けられている。これらのアングル22には、図18に示すように、ロッド23が横架されて固定されている。このロッド23には、摺動体24が自身の貫通孔を通してロッド23の長手方向にスムーズにスライドできるように装着されている。この摺動体24には、ロッド23と直交するように短軸26が植設されており、この短軸26にはストッパ25が回転自在に支持されている。ここで、ストッパ25は、その一方の端部に穿たれた係止穴25aがロッド23に緩く嵌合し、他端部が指で掴めるように延出されている。
【0086】
摺動体24は、ロッド23に対してストッパ25が傾くことにより、ロッド23とストッパ25の係止穴25aとが噛み合うことによって、ロッド23の任意の位置に固定される。すなわち、摺動体24は、通常はストッパ25が係止スプリング28によって傾き、ロッド23とストッパ25とが一体化されることによりロッド23に固定されているが、図19において係止スプリング28の弾力に抗する方向に、オペレータがストッパ25の延出端部を指で回転させることにより、ロッド23とストッパ25の係止穴25aとの噛み合いが外れて、このストッパ25と共にロッド23に沿って移動できる。また、この摺動体24はスライド板3に固定されている(図示せず)。従って、上述のようにして、この摺動体24をロッド23の所定位置に固定することによって、この摺動体24及びロッド23を介して、スライド板3(原稿台1)と上下台5とを相対的に任意の位置で固定できる。
【0087】
図20及び図21は原稿台ユニットの開閉ロック機構の概略構成を示す。TPSは、図20及び図21に示すように、原稿台ユニット35の上にスキャナユニット30が乗った構成になっている。これらの両ユニット30,35は、TPSの後側に配設されたヒンジ36によって互いに連結されており、TPSの前側が開放されるシェル型開閉構造になっている。このTPSにおける原稿台ユニットの開閉ロック機構は、両ユニット30,35の前方部分に配設されている。前述したように、側板18には固定ピン19が付いている。
【0088】
また、図20に示すように、スキャナユニット30側には左右側板に亘ってシャフト31が回転自在に軸支されており、このシャフト31の両端に固定された開閉ロック爪32がシャフト31の回転に合わせて回動するようになっている。また、シャフト31の中央付近には、開閉レバー33が固定されており、この開閉レバー33を回動させることにより、シャフト31を介して、原稿台ユニット35側の固定ピン19に対して各開閉ロック爪32を係脱させるようになっている。
【0089】
この開閉レバー33にはスプリング34が掛っており、このスプリング34は、平生、開閉ロック爪32が固定ピン19に係合(ロック)する方向に開閉レバー33を付勢している。これにより、スキャナユニット30は、図20に示すように閉じた状態で、開閉ロック爪32が固定ピン19に係合して、原稿台ユニット35に対してロックされる。また、この閉鎖状態において、スプリング34の付勢力に抗して開閉レバー33を持ち上げることにより、シャフト31が回転して原稿台ユニット35側の固定ピン19から各開閉ロック爪32が離脱され、図21に示すように、スキャナユニット30がヒンジ36を回転中心として上方に開いて、原稿台ユニット35の上部(原稿台1)が開放される。
【0090】
次に、本システムの原稿台加圧固定切り換え装置及び原稿台待避装置について説明する。
リンク板10とリンクアーム11とによって上下方向に移動可能に構成されている原稿台1には、ねじりバネ13により常に上昇しようとする力が付勢されている。これにより、原稿台ユニット35に対してスキャナユニット30が閉じられた状態では、この原稿台1の上昇習性により、原稿台1上に見開かれて載置された本原稿BOの原稿面をスキャナユニット30の下部に押し付けるように常に上方に加圧している。
【0091】
この本原稿BOの原稿面の押圧力は、通常、スキャナユニット30内の走査ユニット200が受けているが、この走査ユニット200が原稿台1上の本原稿から外れた位置に移動した状態では、原稿台1の上昇習性によって、原稿台1及び本原稿BOがスキャナユニット30内に食い込んで走査ユニット200のスムーズな移動が阻害されてしまう。従って、原稿台1が適切な位置まで上昇した状態で、この原稿台1を固定して、原稿台1の上昇習性による原稿台1及び本原稿BOのスキャナユニット30内への余分な食い込みを阻止する必要がある。
【0092】
また、後述するように走査ユニット200内の走査光路を切り換えて、スキャナユニット30の上部に配置されたコンタクトガラス206上の原稿を読み取るときには、走査ユニット200の下部と原稿台1の上面とが接触しないように、原稿台ユニット35の下方に原稿台1を待避させておく必要がある。
原稿台加圧固定切り換え装置及び原稿台待避装置は、これらの課題を解消するための装置であり、これらの両装置を1つの機構で兼用させる仕組の構成例を図22乃至図27に示す。
【0093】
この機構の構成部品の1つである制御ワイヤ40には、図22に示すように、その一端にフック41が固定されて他端に他のフック42が固定され、更に、その略中央部付近に球状の止め玉45が固定されている。フック41は、リンク板10の外側端部(原稿台1の上昇下降によって上下する側)に固定されている。このフック41から延びた制御ワイヤ40は、プーリ46,プーリ47を介して方向を変換し、制御プーリ48に巻き付けられている。
【0094】
制御ワイヤ40は、図23及び図24に示すように、制御プーリ48の溝50に導かれてその中央部付近に固定された止め玉45が制御プーリ48の止め穴49にはめ込まれている。これにより、この制御ワイヤ40の動きが制御プーリ48の回転運動に確実に変換される。この制御プーリ48に巻かれて延出した制御ワイヤ40は、その一方の端部のフック42に掛けられた張架バネ43の一端によって常に引っ張られている。この張架バネ43の他端は、原稿台ユニット35のベース6に固定されたフック44に掛けられている。
【0095】
制御プーリ48は、図23に示すように、ワンウエイクラッチ51を介してシャフト54に支持されている。このシャフト54は、一対の側板55に支持された滑り軸受52に、その両端がEリング53で抜け止めされることによって、滑り軸受52を介して側板55に対して回転自在に支持されている。これにより、制御プーリ48は、シャフト54に対して図24の矢印a方向には自由に回転できるが、この矢印aと反対の方向には、ワンウエイクラッチ51の作用によって、シャフト54と相対回転することができず、このシャフト54と一体となって回転する。従って、後述する機構によってシャフト54が固定されると、制御プーリ48は、図22において矢印a方向、すなわち、原稿台1が下降する際の回転方向にのみ回転可能な状態になる。
【0096】
次に、この原稿台加圧固定切り換え装置による原稿台1の下降・固定動作について説明する。
図22乃至図24において、シャフト54が固定された状態にあるとき、何らかの外力、例えば、本原稿BOの自重やめくられた頁による加圧などによって、原稿台1が押し下げられると、この原稿台1側に固定されている制御ワイヤ40のフック41側の端部が弛む。これと同時に制御プーリ48が張架バネ43に引っ張られて制御ワイヤ40のフック41側の弛みを吸収しながら矢印a方向に回転し、制御ワイヤ40が初期の張力を維持してフック44側に移動する。
【0097】
このとき、制御プーリ48は、ワンウエイクラッチ51の作用によって、矢印aと反対の方向に回転することができないので、原稿台1の上昇力が原稿台1に対する押下力を上回っていても、この原稿台1の上昇力によって制御プーリ48が矢印aと反対の方向に回転されることはなく、この制御プーリ48は矢印a方向に回転した位置を維持して停止される。また、この制御プーリ48の停止に伴って、制御ワイヤ40の移動も停止され、これによって、原稿台1は、外力により押し下げられた位置まで下降して停止する。
【0098】
ここで、シャフト54の固定は、以下に述べる原稿台昇降機構によって行われる。すなわち、シャフト54には、図25に示すように、ギヤ56がシャフト54と一体となって回転するように固定されている。また、このギヤ56は、図26に示すように、側板55に固定されたスタッド59に回転自在に支持されている他のギヤ57に噛み合っており、その回転がギヤ57に伝達されるように構成されている。
【0099】
更に、ギヤ57はウォームホイール58と一体に成形されており、このウォームホイール58には原稿台昇降モータ61の出力軸に固定されたウォームギヤ60が噛み合うように構成されている。この構成により、原稿台昇降モータ61が停止しているときには、ウォームギヤ60とウォームホイール58との噛み合いによって、ウォームホイール58が回転できず、このウォームホイール58と一体のギヤ57に噛み合っているギヤ56を介して連結されたシャフト54が固定状態となる。
【0100】
次に、原稿台1の原稿台ユニット35下方への待避動作について説明する。図25乃至図27において、ギヤ56が矢印b方向に回転するように原稿台昇降モータ61を駆動すると、ワンウエイクラッチ51により制御プーリ48とシャフト54とが一体となって回転し、この制御プーリ48が図22において矢印a方向に回転して制御ワイヤ40がフック44側に移動する。
【0101】
この制御ワイヤ40の移動により、図27において、左右の各原稿台1が下降し、各原稿台1の上面(この例では本原稿BOの原稿面)が、走査ユニット200から離間した、原稿台ユニット35の下方位置に待避される。この待避動作は、装置本体の電源オン時や読み取り走査を行わない待機時、及び、スキャナユニット30の上部に配置されたコンタクトガラス206上の原稿の読み取り時に実行される。
【0102】
次に、原稿台1の原稿台ユニット35上方への加圧動作について説明する。上述の待避動作時とは逆に、図25乃至図27において、ギヤ56が矢印c方向に回転するように原稿台昇降モータ61を駆動すると、シャフト54が図22における矢印a方向と反対の方向に回転し、ワンウエイクラッチ51の作用によって制御プーリ48がシャフト54に対してフリー回転可能な状態になる。ここに、原稿台1を上方に押し上げているねじりバネ13の力は、制御ワイヤ40を下方に引っ張っている力よりも強く設定されている。
【0103】
従って、このように制御プーリ48が矢印a方向と反対の方向にフリー回転できる状態では、原稿台1を上方に押し上げようとするねじりバネ13の力によって、制御ワイヤ40がフック41側に移動する。この制御ワイヤ40の移動により、図27において、左右の各原稿台1が上昇し、各原稿台1の上面に見開いて載置された本原稿BOの原稿面が走査ユニット200に加圧される。
【0104】
このように左右の各原稿台1が上昇して、各原稿台1上の原稿面が走査ユニット200に圧接した状態で、原稿台昇降モータ61を駆動し続けると、ワンウエイクラッチ51の作用によって制御プーリ48に対してシャフト54がフリー回転可能な状態になって原稿面の走査ユニット200への圧接状態が持続される。この加圧動作は、後述するように、原稿台1の上に走査ユニット200がある時だけ実行される。
【0105】
この原稿台加圧固定切り換え装置及び原稿台待避装置は、図27に示すように左右一対の原稿台1に対してそれぞれ1組ずつ配設されており、走査ユニット200の移動位置に応じてそれぞれ独立して制御される。すなわち、この原稿台加圧固定切り換え装置及び原稿台待避装置の駆動源となる左右1組の原稿台昇降モータ61は、図15に示すようにIPU103内のマイクロコンピュータにより、各原稿台昇降モータドライバを介してそれぞれ独立して制御される。
【0106】
上述した待避動作モード時における原稿台1の下方への待避動作を図28に示し、そのタイミングチャートを図29に示す。
この待避動作モードでは、IPU103内のマイクロコンピュータは図29に示すように走査ユニット200の移動開始に先立って、左右の原稿台昇降モータをそれぞれ所定の回転数だけ逆転させて図28に示すように左右の原稿台1を下方へ下げる。その後、IPU103内のマイクロコンピュータはスキャナモータ106を駆動し、走査ユニット200を所定の方向に移動させて走査を行う。ここで必要であれば、この走査を何度も繰り返す。そして、IPU103内のマイクロコンピュータはこの待避動作モード終了時に、左右の原稿台昇降モータを所定の回数だけ正転させて、左右の原稿台1を元の位置に戻す。
【0107】
次に、原稿台1の加圧・固定モードについて説明する。
このTPSに本原稿BOをセットするときは、図30に示すように、本原稿BOの背表紙を背支持板14に当てて、図18に示したサイズストッパ27を外してスライド板3を本原稿BOの厚さに合わせて移動させる。このスライド板3の移動により本原稿BOの背表紙を左右の原稿台1の内側の端部で挾み付け、この状態でそれぞれのスライド板3をサイズストッパ27で固定した後、本原稿BOの読み取り開始頁を開き、この見開き本原稿を左右の原稿台1上にセットしてスキャナユニット30を閉じる。これにより、図20に示したように、開閉ロック爪32が固定ピン19に係合して、原稿台ユニット35に対してスキャナユニット30が閉じた状態でロックされる。この時、開閉ロックセンサ20によってスキャナユニット30が閉じられたことが検知される。
【0108】
ところで、このTPSの動作終了時には、走査ユニット200が、図32に示す中央ホームポジション(セットされた本原稿BOの中心ポイント)に戻る。従って、このTPSに本原稿BOをセットする時も、その走査ユニット200が中央ホームポジションに位置している。これにより、本原稿BOがTPSの中央を基準としてセットされるので、そのスキャナユニット30を閉じた時に、どんな大きさの本原稿でも確実に押えることができ、その本原稿のセット性が向上される。
【0109】
また、このように中央基準として本原稿をセットすることにより、本原稿の読み取り頁めくりを原稿台1上で行うときの制御タイミング(読み取り開始;読み取り終了タイミング、頁めくり開始タイミング等)を比較的取り易くなる。更に、このように中央基準として本原稿をセットすることにより、本原稿のエッジ検出を行い易くなることもその利点としてあげられる。
【0110】
一方、スキャナユニット30のコンタクトガラス206上にセットした原稿を読み取る時は、図27に示すように、このコンタクトガラス206の左側に配置されたスケール207の右端部を原稿の基準セット位置とする端面基準となる。このように、この場合には、その基準セット位置が本原稿の読み取り開始位置と異なり、その構成が最小サイズになるようにしてある。すなわち、このように原稿の基準セット位置を端面基準とすることにより、コンタクトガラス206上にセットされた原稿の読み取り開始ポイントが常に一定となり、その制御が簡単となる。
【0111】
TPSがコンタクトガラス206上の原稿を読み取るシートモードに入ったときは、走査ユニット200は、中央ホームポジションから左側に移動して端部HPセンサで検知される端部ホームポジションで停止し(図30)、その読み取り条件が入力されてスタートボタンが押されるのを待つ。また、ここで、コンタクトガラス206の右側、すなわち、本原稿の頁めくり開始側にスケール207を配置し、原稿台1とコンタクトガラス206の両方に原稿を載せて走査ユニット200で走査することにより、原稿台1上の本原稿の頁めくりを行いながら、同時にコンタクトガラス206上の原稿の読み取りを行うことができる。
【0112】
この構成の場合には、本原稿の頁めくり走査時に、後述するように、走査ユニット200の読み取り光路の光路切り換えをしておく。このように構成すると、走査ユニット200の副走査方向の読み取り方向が、原稿台1上とコンタクトガラス206上とで同じになり、そのプリント時のシート排出方向が同一となるので、メモリの反転が不要となる。
【0113】
更に、本原稿BOを原稿台1上に、シート原稿SOをコンタクトガラス206上にセットし、走査ユニット200を端部ホームポジションから走査して原稿台1上の本原稿BOを読み取り、この走査ユニット200のリターン走査で本原稿BOの頁をめくりながら、コンタクトガラス206上のシート原稿SOを読み取るモードを設定することもできる。この場合には、本原稿BOの読み取り頁めくり動作中であっても、コンタクトガラス206上にシート原稿SOをセットして割込みモードを設定することにより、その本原稿BOの読み取り頁めくり動作を中断せずに両原稿を読み取ることができる。ここで、スケール207がコンタクトガラス206上のどちら側に配置されていても、このコンタクトガラス206上の原稿を読み取った画像は、主走査方向にミラー反転してフレームメモリ104に記憶しておく。
【0114】
この例では、原稿台1上及びコンタクトガラス206上の奥行き方向における原稿の基準セット位置を、装置本体の手前側が突き当て基準となるように構成して、その原稿台1上及びコンタクトガラス206に対する原稿セット操作をし易くしている。また、この例における走査ユニット200の動作開始時には、中央HPセンサにより、走査ユニット200が中央ホームポジションにあることをもう一度確認する。そして、操作パネル99からスタート信号が送られると、走査ユニット200は、中央ホームポジションから左側に移動して、端部HPセンサで検知される端部ホームポジションで停止する。
【0115】
図30乃至図34は原稿台1の加圧・固定モード時における走査ユニット200の遷移図を示し、図35はそのタイミングチャートを示す。
図30に示すように、走査ユニット200の端部ホームポジションは、本原稿BOに対する読み取り頁めくり動作開始ポイントであり、且つ、その動作終了ポイントである。また、この端部ホームポジションでは、走査ユニット200は原稿台1にかかっていない。
【0116】
この原稿台1の加圧・固定モードでは、先ず、IPU103内のマイクロコンピュータは走査ユニット200のスキャナモータ106を正転させて、走査ユニット200を図30の右方向へ移動させる。次いで、IPU103内のマイクロコンピュータは走査ユニット200の右側の原稿押えローラ281aが本原稿BOの左端にかかったとき(図31のAポイント)に、左側の原稿台昇降モータを正転させて左側の原稿台1を加圧状態にする。これにより、本原稿BOが走査ユニット200に押し付けられて、最適な読み取りが行われる。
【0117】
そして、図32に示すように、走査ユニット200が本原稿中心ポイントに到達する少し前に、右側の原稿押えローラ281aが右側の原稿台1の左端にかかる(図35のBポイント)。この時点でIPU103内のマイクロコンピュータは右側の原稿台昇降モータを正転させて、右側の原稿台1を加圧状態にする。次いで、走査ユニット200は、本原稿中心ポイントを通過して、本原稿BOの右側頁の読み取りを始める。
【0118】
その後に左側の原稿押えローラ281bが左側の原稿台1の右端にかかる(図35のCポイント)。この時点でIPU103内のマイクロコンピュータは左側の原稿台昇降モータを停止させ、左側の原稿台1を固定状態にする。これにより、本原稿BOは、スキャナユニット30に食い込むことなく原稿押えシート282bに押えられて固定され、次の走査ユニット200の通過時まで同じ高さを保ち続ける。
【0119】
図33は、本原稿右頁の読み取りまたは頁めくり中の走査ユニット200の動作状態を示している。IPU103内のマイクロコンピュータは本原稿右頁の読み取りを終えた走査ユニット200を、左側の原稿押えローラ281bが右側の原稿台1の右端にかかった状態(図34のDポイント)で停止させ、次いで、IPU103内のマイクロコンピュータはスキャナモータ106を逆転させて走査ユニット200を図34の左方向へ移動させる。これにより、走査ユニット200は、本原稿BOの右頁をめくり上げながら左方向へ進み、図32に示す本原稿中心ポイントに到達する少し前に、左側の原稿押えローラ281bが左側の原稿台1の右端にかかる(Cポイント)。この時点でIPU103内のマイクロコンピュータは左側の原稿台昇降モータを正転させて左側の原稿台1を加圧状態にする。
【0120】
次いで、走査ユニット200は本原稿中心ポイントを通過して本原稿BOの左側頁の上にめくり上げた右頁を重ね合せる動作を始める。その後に右側の原稿押えローラ281aが右側の原稿台1の左端にかかる(Bポイント)。この時点でIPU103内のマイクロコンピュータは右側の原稿台昇降モータを停止させ、右側の原稿台1を固定状態にする。これにより、本原稿BOは、スキャナユニット30に食い込むことなく原稿押えシート282aに押えられて固定され、次の走査ユニット200の通過時まで同じ高さを保ち続ける。その後、IPU103内のマイクロコンピュータは走査ユニット200を、図30に示す端部ホームポジションまで移動させて停止させる。
【0121】
次に、スキャナユニット30の構成について説明する。
【0122】
図27は、TPS(Turn the Page Scanner;頁めくり読み取り装置)の全体構成図を示す。このTPSは、その装置本体の上部にコンタクトガラス206が配置されており、このコンタクトガラス206上に、シート物や厚手の本原稿などの原稿を図示しない圧板によってセットし、後述する光路切り換えを行った走査ユニット200でこの原稿を走査することにより、このコンタクトガラス206上の原稿像を読み取ることができる。このTPSの装置本体の上半分はスキャナユニット30になっており、走査ユニット200は、このスキャナユニット30の内部を図27において左右方向に走行して原稿の走査を行う。この走査ユニット200の走査駆動系の構成図を図36に示す。
【0123】
図36は、装置本体の上部から見た走査ユニット200の走査駆動系を示す。装置本体の奥側にタイミングベルト312がプーリ304と3段プーリ302によって、装置本体の手前側にタイミングベルト313がプーリ305と2段プーリ306によって、それぞれ左右方向に張られている。プーリ304とプーリ305の回転軸は、それぞれバネ307とバネ308によって支持され、各タイミングベルト312,313に所定の張力を与えている。
【0124】
3段プーリ302は、タイミングベルト310でモータプーリ301と、また、タイミングベルト311で2段プーリ306とそれぞれ連結されている。タイミングベルト311は、アイドラ303をバネ309で外側に引くことで所定の張力を得ている。走査ユニット200は、その奥側と手前側とがクランプ315により各タイミングベルト312,313にそれぞれ固定され、モータプーリ301の回転軸を駆動するスキャナモータ106の回転により、各タイミングベルト312,313を介して駆動される。
【0125】
図37は走査ユニット200の構成を示す。走査ユニット200の下側の左右には原稿押えローラ281a,281bが、また、その外側にはシート巻き取りローラ280a,280bが、それぞれ回転自在に軸支されている。各シート巻き取りローラ280a,280bには、左右独立した原稿押えシート282a,282bのそれぞれの中央側の端部が巻き取られており、各原稿押えシート282a,282bのそれぞれの外側の端部は、スキャナユニット30の側板にそれぞれ固定されている。これらの原稿押えシート282a,282bは、テトロン糸で織ったクロス(布)に、ゴム系樹脂を両面から溶け込ませたシート状部材で構成されており、その表面に残留したクロスの凹凸跡により、帯電による吸着力が作用しにくい構造を有している。
【0126】
また、シート巻き取りローラ280a,280bは、図38にその一方の構造を示すように、二重構造になっていて、巻き取りローラ軸251a,251bと、筒状のシート巻き取りローラ280a,280bとの間に、ゼンマイバネ252a,252bが取り付けられている。これにより、その巻き取りローラ軸251a,251bを、原稿押えシート282a,282bを張った状態よりも更に回転させることによって、ゼンマイバネ252a,252bの作用により、原稿押えシート282a,282bにある程度の張力を掛けることができる。
【0127】
更に、図39に示すように、各巻き取りローラ軸251a,251bの外側端部には、シート巻き取りギヤ232a,232bが固定されており、これらのシート巻き取りギヤ232a,232bは、スキャナユニット30の側板に左右両端を固定され、略全長に亘って歯を有する駆動ラック231に、各アイドルギヤ233a,233bを介して、それぞれ噛み合っている。これにより、図39において走査ユニット200が走行すると、各アイドルギヤ233a,233bとともに各シート巻き取りギヤ232a,232bが回転し、各巻き取りローラ軸251a,251b、各ゼンマイバネ252a,252b、及び、各シート巻き取りローラ280a,280bを介して、各原稿押えシート282a,282bの引き出し及び巻き取りが行われ、左右のシート巻き取りローラ280a,280bの張力が、常時、略一定に維持される。
【0128】
このとき、各原稿押えシート282a,282bの厚みによる各シート巻き取りローラ280a,280bの巻き太りによって走査ユニット200の位置により発生する、各シート巻き取りローラ280a,280bに巻き付いた各原稿押えシート282a,282bの外周差は、各ゼンマイバネ252a,252bにより吸収される。
【0129】
一方、図37に示すように、各原稿押えローラ281a,281bの間には、本原稿読み取り用のプラテンガラス205と、本原稿頁めくり用のめくりベルト208が配設されている。本原稿読み取り用のプラテンガラス205は、走査ユニット200の読み取りスキャン方向の上流側に、また、本原稿頁めくり用のめくりベルト208は、走査ユニット200の読み取りスキャン方向の下流側にそれぞれ配置されている。このように配置することにより、走査ユニット200の読み取り走査のための助走区間を長くでき、その走査を安定させることができる。また、この例では、同一ユニット内の下側に頁めくり機構を、上側に縮小光学系を配置して装置の小型化を実現させている。
【0130】
更に、このように構成することで、走査ユニット200が、左の原稿押えローラ281bと、めくりベルト駆動ローラ223とで加圧された本原稿(詳細は後述)を受けて、これらのローラ間で位置出しされた原稿面(読み取り面273)を読み取ることができるので、最適な画像が得られる。この時、プラテンガラス205の下面位置は、図40に示すように、原稿面の浮き上がりの余裕分を予め見込んで、左の原稿押えローラ281bの最下点と、めくりベルト駆動ローラ223の最下点とを結んでできる水平面(読み取り面273)よりも僅かな間隙αだけ上方に設定されている。この間隙αの値は、2αが光学系の焦点深度以下になるように設定され、光学系の縮小率に応じて決定される。
【0131】
このプラテンガラス205は、図41に示すように、その側部がガラスホルダ269で支持されている。また、プラテンガラス205の下面端部にはガラス面取り部271があり、ガラスホルダ269の外側下端部にはホルダ面取り部270がある。このとき、ガラス面取り部271の側方角部272の位置は、ガラスホルダ269の下面よりも僅かな高さβだけ上方に位置するように構成されていて、走査ユニット200の動作中に、プラテンガラス205の側部に本原稿の頁端部などが引っかからないようになっている。
【0132】
一方、プラテンガラス205の内側には、図37に示すように、本原稿照明用の2本の蛍光灯201,202が、本原稿読み取り部の左右にそれぞれ配置されている。これらの蛍光灯201,202によって照明された本原稿像は、図37において、第1ミラー219に反射した後、第2ミラー220と第3ミラー221に交互に反射し、最後にレンズ216を透過して、読み取りセンサ101のCCD上に縮小結像される。また、めくりベルト208は、めくりベルト駆動ローラ223とめくりローラ224とに掛け渡されており、このめくりベルト208の上側の、めくりベルト駆動ローラ224から少し離れた部位の外側には、帯電ローラ225が接触して配置されている。
【0133】
更に、めくりベルト駆動ローラ223の駆動軸端部には、図39に示すように、めくりベルト駆動ギヤ234が固定されており、このめくりベルト駆動ギヤ234は、アイドルギヤ235を介して、駆動ラック232に噛み合っている。これにより、走査ユニット200が走行すると、駆動ラック232に沿って、アイドルギヤ235と共にめくりベルト駆動ギヤ234が回転し、めくりベルト駆動ローラ223の回転により、走査ユニット200の移動速度と同じ速度でめくりベルト208が回転する。
【0134】
コンタクトガラス206上にセットされた原稿を読み取る場合には、図37に示すように走査ユニット200の読み取り光路から外れた位置に待避している切り換えミラー222が、図42に示すキープソレノイド255の作用によって、図43に示すように走査ユニット200の読み取り光路内に進出した位置まで移動される。この切り換えミラー222の移動により、図43に示すように、第1ミラー219と第2ミラー220との間の光路が、破線で示すプラテンガラス205側から、実線で示すコンタクトガラス206側に切り換えられ、2本の蛍光灯203,204によって照明されたコンタクトガラス206上の原稿像が、本原稿の場合と同様に、第2ミラー220と第3ミラー221に交互に反射し、レンズ216を透過して読み取りセンサ101のCCD上に縮小結像される。
【0135】
切り換えミラー222は、図42に示すように、切り換えミラーブラケット257に支持されており、この切り換えミラーブラケット257は、光路調整板259の上部支点258に、回転自在に軸支されている。キープソレノイド255は、この切り換えミラーブラケット257の、切り換えミラー222の支持側と反対側の端部に配設されており、このキープソレノイド255がオン/オフすることにより、切り換えミラーブラケット257が、光路調整板259の上部支点258を軸として、図42において破線で示す位置と実線で示す位置との間で揺動される。
【0136】
これにより、切り換えミラー222の位置が、前述したように、図37に示す走査ユニット200の読み取り光路から待避した本原稿読み取り位置と、図43に示す走査ユニット200の読み取り光路内に進出したシート物原稿読み取り位置とに選択移動される。ここで、切り換えミラー222の光路外への待避位置(図42における破線位置)は、キープソレノイド255の動きに任せて特には規制しないが、この切り換えミラー222の光路内への進出位置(図42における実線位置)は、切り換えミラーブラケット257の揺動を位置決めピン256で規制して、この切り換えミラー222の光路内での停止位置を規制する。
【0137】
切り換えミラー222は、切り換えた光路を調整できるように構成されている。すなわち、光路調整板259は、図42に示すように、走査ユニット200のユニット本体に対して、その下部が下支点262で回転自在に枢支されており、その上支点258と下支点262との間の両側部に当接して配設されたバネ260と調整ねじ261とによって略垂直に支持されている。
【0138】
この光路調整板259には、平生、その上支点258が切り換えミラー222がわに変位する方向への回動習性が、バネ260によって付勢されており、この回動習性による光路調整板259の回動位置は、バネ260と対向するがわに配置された調整ねじ261の頭部が光路調整板259の側部に当接することによって位置決めされている。従って、この光路調整板259は、調整ねじ261を回転させることにより、下支点262を軸として、その上支点258の位置を可変させて、この上支点258に支持された切り換えミラーブラケット257の位置を変位させ、切り換えミラー222の位置を移動させて、その切り換えた光路を調整できる。
【0139】
走査ユニット200の光学系は、切り換えミラー222以外の他のミラーには、上述のような光路調整機能はなく、プラテンガラス205側の本原稿を読み取る光路の調整は、読み取りセンサ101のCCDの位置を調整することで行い、コンタクトガラス206側の原稿を読み取る光路の調整は、上記の方法により切り換えミラー222の位置を調整することで行うように構成されている。これにより、光学系では、その調整個所を減らすことができ、その組み立て性や保守性を向上させることができる。また、この例の光学系は、上記のキープソレノイド255、及びその連結要素等が、走査ユニット200内に納められていて、この光学系要素の交換時に走査ユニット200ごと取り外すことにより、そのメンテナンス性を向上させている。
【0140】
上述の光路切り換え方式は図44に示すような切り換えミラー回転方式による光学系の構成としてもよい。この例では、切り換えミラー222を支持している切り換えミラーブラケット264が、走査ユニット200のユニット本体に対して、支点265で回転自在に軸支されている。ソレノイド263は、この切り換えミラーブラケット264の、切り換えミラー222の支持側と反対側の端部に配設されており、このソレノイド263がオン/オフと、このソレノイド263と反対の方向に切り換えミラーブラケット264を引くバネ266の作用により、切り換えミラーブラケット264が、支点265を軸として、図44において破線で示す位置と実線で示す位置との間で揺動される。
【0141】
これにより、切り換えミラー222の位置が、図44に破線で示す本原稿読み取り位置と、図44に実線で示すシート物原稿読み取り位置とに選択移動される。ここで、プラテンガラス205を通して本原稿を読み取る光路に切り換えミラー222の光路を切り換える場合には、この切り換えミラー222を位置決めピン268に付き当てて、この切り換えミラー222の停止位置を図44における破線位置となるように規制する。また、コンタクトガラス206を通してシート物原稿を読み取る光路に切り換えミラー222の光路を切り換える場合には、この切り換えミラー222を位置決めピン267に付き当てて、この切り換えミラー222の停止位置を図44における実線位置となるように規制する。
【0142】
次に、スキャナユニット30のめくり動作について説明する。
図45は走査ユニット200の頁めくり部の動作説明図を示す。めくりベルト208は、材質が、PET、PC、PVCなどからなり、その表面層が表面抵抗1014Ω以上の高抵抗フィルム、その裏面層が表面抵抗10Ω以下の低抵抗フィルムからなる二重構造の樹脂フィルムで構成されている。
【0143】
また、めくりベルト駆動ローラ223は、接地された金属ローラの表面に導電性ゴムを被覆したローラで構成されており、確実なベルト駆動とアースを実現している。更に、帯電ローラ225は、金属ローラで構成されており、この帯電ローラ225には、切り換えスイッチ253aを介して、交流電源253から所定のタイミングで、±2kVの高電圧が印加される。
【0144】
図45において、走査ユニット200を走行させ、めくりベルト208を駆動しながら、後述するタイミングに合わせて切り換えスイッチ253aをオンし、帯電ローラ225に交流電源253から±2kVの高電圧をかけると、めくりベルト208の表面上に交番電界が生じ、この交番電界の作用により、このめくりベルト208の表面に、接触した本原稿BOの最上位頁254を吸着させる吸着力が発生する。
【0145】
原稿の読み取り操作がスタートされると、図30に示したように、スキャナユニット30の左端の端部ホームポジションにいた走査ユニット200が、図30において右方向に走行を始める。そして、この走査ユニット200のプラテンガラス205の原稿読み取り位置が本原稿BOの左頁にかかると、図46に示すように、走査ユニット200の光学系が、この本原稿BOの読み取り動作を始め、この本原稿BOの原稿面を左頁から右頁へと読み取っていく。
【0146】
ここでの走査ユニット200の読み取り開始位置は、本原稿BOの大きさ(サイズ)によって変わり、また、コンタクトガラス206上の原稿の読み取り開始位置(スケール207の基準端)とも異なる。このようにして、走査ユニット200の光学系が本原稿BOの右頁の端まで読み終えると、図47に示すように、走査ユニット200の原稿走査方向が逆転され、図48に示すように、この読み取りを終えた本原稿BOの右頁の頁めくり動作が開始される。
【0147】
この本原稿BOの頁めくりを始めるときには、めくりベルト208と、後述する頁送りローラ250とが、図45の破線で示す位置にあって、この頁めくり動作に先行して、このめくりベルト208の表面上に形成された帯電パターン部が本原稿BOの最上位頁254の上に重なる。そして、この最上位頁254の先端が、めくりベルト208の下側の中央を越えたところで、図48に示すように、このめくりベルト208と頁送りローラ250とが、図示せぬソレノイドの作用により、図45の実線で示す位置に移動される。これにより、このめくりベルト208の表面に形成された電荷パターンの不平等電界による吸着力で、本原稿BOの最上位頁254だけが、めくりベルト208の表面上に吸着されて、この最上位頁254の端部がめくりベルト208と共に持ち上げられる。この不平等電界による吸着力は、この最上位頁254以外の頁を吸着させない特徴を有している。
【0148】
ここで、めくりベルト208への帯電のタイミングは、図52に示すように、本原稿BOの原稿面を読み終えたと同時にリターンする走査ユニット200のリターン動作と共に、めくりベルト208への帯電を開始するように設定されているので、走査ユニット200の動作に無駄がなく効率がよい。但し、図52に示すように、走査ユニット200の原稿読み取り位置からめくりベルト駆動ローラ223の最下点までの距離L1を、帯電ローラ225がめくりベルト208と接している接点からめくりベルト駆動ローラ223の最下点までの距離L2よりも大きく(L1≧L2)に設定した場合には、走査ユニット200がリターン動作を始めてから、後にめくりベルト208への帯電を開始するように設定してもよい。
【0149】
上述のように、本原稿BOの最上位頁254をめくり上げた後、この状態のまま走査ユニット200を、図48に示すように、その端部ホームポジションに向けて移動させると、この本原稿BOの最上位頁254は、図49に示すように、めくりローラ224と頁送りローラ250に挾まれて確実に搬送され、走査ユニット200の右側部に配置された上下一対の頁ガイド227,228(図37)の間を通過して、走査ユニット200の右外側にその先端側が送り出される。この時、この走査ユニット200の上方側の頁ガイド227上に取付けられた頁めくりセンサ214(図37)が、走査ユニット200の右外側に送り出された原稿頁を検知して、この原稿頁が正常に頁めくりされたことを判断する。
【0150】
ここで明らかなように、この例では、走査ユニット200の頁めくり動作によりめくり上げられた原稿頁が、丸められたり折り曲げられたりせずに自然な姿勢に保持されるので、このめくり上げた原稿頁を傷めることがなく、また、このめくり上げた原稿頁を収納するための頁収納手段を走査ユニット200内に配設する必要がないので、走査ユニット200を小型化できる。
【0151】
次いで、図50に示すように、本原稿BOの最上位頁254を本原稿の綴じ部までめくり上げた時点で、めくりベルト208と頁送りローラ250を元の位置(図45の破線位置)に戻す。この状態で、走査ユニット200を更にその端部ホームポジションに向けて移動させると、図51に示すように、このめくり上げた原稿頁が、本原稿の綴じ部に引っ張られて、一対の頁ガイド227,228の間を戻りながら、本原稿BOの左頁上に重ね合わされるようにして走査ユニット200内から排出される。
【0152】
このようにして、めくり上げられた原稿頁が本原稿BOの左頁上に全て重ね合わされると、走査ユニット200の見開き原稿に対する1回分の原稿読み取り・頁めくり動作が終了する。ここで、この本原稿BOに対する原稿読み取り・頁めくり動作を繰り返し実行したり、原稿読み取りまたは頁めくり動作の何れか一方の動作のみを繰り返し実行する場合には、上述のように、めくり上げられた原稿頁が本原稿BOの左頁上に全て重ね合わされると同時に走査ユニット200の移動方向を反転させて、本原稿の原稿面に対して最短コースで走査ユニット200の往復動作を繰り返す。
【0153】
次に、走査ユニット200の走査レールの構成について説明する。
走査ユニット200は、図53に示すように、前述の光学系が配設された走査光学系ユニット336が、スキャナユニット30の手前側と奥側に配置された一対の走査側板337a,337bに対して、手前側の2本の支持ロッド344aと、奥側の1本の支持ロッド344bとで、回動自在に支持されている。これにより、走査ユニット200は、その手前側と奥側に配置された一対の走査側板337a,337bの相対ねじれに追従して、その走査光学系ユニット336までねじれてしまわないように、走査光学系ユニット336が手前側に配置された走査側板337aに対してのみ習うように構成される。
【0154】
一方、スキャナユニット30の側板には、その手前側と奥側とに、互いに平行な2本の走査レール343a,343bが、それぞれの左右両端を固定して配設されている。これらの走査レール343a,343bは、断面形状が略L字型に構成されており、これらの走査レール343a,343bを取り囲むように、コロブラケット338a,338bが各走査側板337a,337bにそれぞれ取付けられている。
【0155】
これらのコロブラケット338a,338b内には、各走査レール343a,343bの水平部分を挾み込むように、位置決めコロ339a,339bと、押えコロ340a,340bとが、それぞれ回転自在に配設されている。ここで、各位置決めコロ339a,339bは、本原稿の読み取り時及び頁めくり時における走査ユニット200の上下方向の位置を決める機能を果たしており、各走査側板337a,337bにそれぞれ2個ずつ配置されている。これに対し、各押えコロ340a,340bは、各走査レール343a,343bの水平部分を、その上側から加圧するように構成されている。
【0156】
すなわち、これらの押えコロ340a,340bは、図54に示すように、略ベルクランク状に形成された押えコロブラケット346の自由端部に回転自在に軸支されている。この押えコロブラケット346は、その中央部が、各コロブラケット338a,338bに固定されたスタッド347に回転自在に軸支されている。また、この押えコロブラケット346の基端部と、各コロブラケット338a,338bとの間には、加圧バネ345が掛け渡されている。これにより、加圧バネ345の緊縮力によって各押えコロ340a,340bが、各走査レール343a,343bの水平部分をその上側から加圧する。
【0157】
この各走査レール343a,343bの水平部分に対する各押えコロ340a,340bの加圧によって、走査ユニット200に、スキャナユニット30の上方側への変位習性が与えられ、この変位習性により各走査レール343a,343bの水平部分の下面側に対して各位置決めコロ339a,339bが当接することにより、スキャナユニット30に対して走査ユニット200が位置決めされる。
【0158】
また、この走査ユニット200は、手前側のコロブラケット338aに回転自在に軸支された横押えコロ341と、上記の各押えコロ340a,340bと同様な加圧構造により奥側のコロブラケット338bを内側方向に加圧する横加圧コロ342とを、各走査レール343a,343bの水平部分を両外側から挾み込むようにそれぞれ配置することによって、その奥行き方向への位置決めがなされている。
【0159】
図55乃至図58に、頁送りローラ250の構成及び作用を示す。
頁送りローラ250は、図55及び図58に示すように、シャフト248の、めくりベルト208の幅に対応する部位に、所定の間隔をおいて複数個のローラを固定して構成されている。この頁送りローラ250は、発泡ポリウレタンのようなやわらかい樹脂またはゴム等の材質で形成されている。
【0160】
一方、めくりローラ224の幅は、めくりベルト208の幅よりも大きく形成されており、図55に示すように、このめくりローラ224の両端部がめくりベルト208の外側にそれぞれ延出している。シャフト248には、このめくりローラ224の両端の延出部に対応するように、頁送りローラ250の直径よりも僅かに小さな直径の駆動ローラ249がそれぞれ固定されている。この駆動ローラ249は、頁送りローラ250よりも高度の高いゴム等の材質で形成されている。
【0161】
この頁送りローラ250は、図45の破線で示す位置に待避している状態では、先端が櫛歯状に形成された下方の頁ガイド228の凹部にはまり込む(側方から見ると互いに重なり合う)ように位置している。また、めくりベルト208が図45の実線で示す位置に上昇した状態では、この頁送りローラ250も図70の実線で示す位置に移動し、各駆動ローラ249がめくりローラ224の両端延出部にそれぞれ当接して、この頁送りローラ250の周面の一部がめくりベルト208により少し加圧される位置まで移動する。
【0162】
これにより、頁送りローラ250が、図56に示すように、駆動ローラ249との直径差分だけ変形して、めくりベルト208によりめくり上げられた原稿頁に対する搬送力が、この頁送りローラ250に与えられる。また、この頁送りローラ250に対する回転力は、めくりローラ224の回転力が、これに当接した駆動ローラ249を介して伝達されることによって与えられる。このとき、駆動ローラ249は当接しているめくりローラ224と同じ周速で回転するが、頁送りローラ250は、その直径が駆動ローラ249よりも大きい分だけ、大きな周速で回転する。これによって、「頁送りローラの線速≧めくりベルトの線速」となり、めくり上げられた原稿頁に対する確実な頁搬送力が得られる。一方、図51に示したように、めくり上げた原稿頁を走査ユニット200から排出するときには、この頁送りローラ250及びめくりベルト208を、図45の破線で示す位置にそれぞれ待避させる。
【0163】
上述のように構成された頁送りローラ250の動作は、図57及び図58に示すトグルジョイント装置によって制御される。頁送りローラ250の回転中心であるシャフト248は、図57及び図58に示すように、ベルクランク状に形成されたトグルレバー274の一端に回転自在に軸支されている。このトグルレバー274は、走査ユニット200に対して、支点275で回転自在に軸支されている。また、走査ユニット200に植設された固定ピン276とシャフト248との間には、緊縮性のバネ279が掛け渡されており、これによって、この固定ピン276と支点275を通る直線を中立線278とするトグル機構が構成されている。
【0164】
このトグル機構は、平生、図57に示すように、めくりベルト208から頁送りローラ250を図45の破線で示す位置に待避させた状態にあり、めくりローラ224が図45の実線で示す位置に向けて上昇を開始すると、このめくりローラ224の回転軸224aが、トグルレバー274の他端部に係合し、このトグルレバー274を回転させながら更に上昇する。このとき、このトグルレバー274の回転により、シャフト248が中立線278を越えるまでは、バネ279の緊縮力が、頁送りローラ250を元の位置に戻そうとするが、このシャフト248が中立線278を越えると、このバネ279の緊縮力が、頁送りローラ250をめくりローラ224に当接させる向きに作用する。これにより、図58に示すように、めくりローラ224が図45の実線で示す位置に上昇し終えた状態で、このバネ279の緊縮力によって、各駆動ローラ249がめくりローラ224の両端延出部にそれぞれ当接して、この頁送りローラ250の周面の一部がめくりベルト208により少し加圧される位置まで移動する。
【0165】
一方、図51に示したように、めくり上げた原稿頁を走査ユニット200から排出するときには、めくりローラ224が図45の破線で示す位置に待避する動作により、このめくりローラ224が、図58に示す位置から、駆動ローラ249を押しながら下降する。これにより、シャフト248が中立線278を越えると、バネ279の緊縮力が、図45の破線で示す位置に頁送りローラ250を待避させる方向に作用して、頁送りローラ250が図57に示す位置まで待避し、めくりローラ224が元の位置に戻される。
【0166】
このように、頁送りローラ250は、その待避位置からめくりベルト208に当接する方向に、このめくりベルト208の上昇駆動に連動して移動するので、この頁送りローラ250の駆動機構を安価かつ小型に構成できる。また、この頁送りローラ250移動は、めくりベルト208が上昇を開始した後、ある程度の時間差を持って(めくりベルト208の上昇の後半に)開始されるので、このめくりベルト208の上昇によってめくり上げられた原稿頁の端部位置がめくりベルト208から突出している場合でも、このめくりベルト208と頁送りローラ250との間に、この原稿頁の端部を確実に挾み込むことができ、走査ユニット200の頁めくり動作の余裕度が向上する。
【0167】
この例では、上述のように走査ユニット200の走査毎に加圧原稿台の規制が解除されて加圧原稿台がバネ性を持って走査ユニット200に押し当てられ、本原稿の最上位頁が均一平面になるように本原稿の上下方向の変位が自動的に補正される。また、画像先端位置と後端位置、頁めくり位置が頁めくりの繰り返しによって変更されていくことで本原稿端部の左右方向への移動が補正される。
【0168】
図79は本システムの画像形成部を示す。
この画像形成部は上記レーザプリンタからなるプリンタ本体701、その周辺機器としてのソータ702、反転ユニット703や、両面ユニットと大量給紙トレイ704を有するバンク705により構成される。
【0169】
プリンタ本体701においては、感光体ドラム706が駆動部により回転駆動されて帯電器により均一に帯電された後に上記半導体レーザ105による画像露光で画像が書き込まれて静電潜像が形成され、この静電潜像が現像装置により現像されて可視像となる。また、用紙が給紙トレイ707,708及び大量給紙トレイ704のうち選択されたものから給紙され、または手差しテーブル709から用紙が手差しで給紙され、その給紙された用紙は転写用チャージャ710により感光体ドラム706上の可視像が上側の面に転写されて分離用チャージャ711により感光体ドラム706から分離された後に定着装置712により可視像が定着されて反転ユニット703へ送られる。また、感光体ドラム706は用紙分離後にクリーニング装置により残留トナーが除去される。
【0170】
反転ユニット703においては、通常モードでは定着装置712からの用紙は、画像面を上向きにして上側排紙トレイへ収容される。また、ソートモードでは定着装置712からの用紙は、ソータ702へ排出されてソータ702の各ビンに仕分けされる。また、両面複写モードでは定着装置712からの表面画像形成後の用紙は、バンク705内に垂直方向に設けられた両面反転部700へ送り込まれる。両面反転部700は送り込まれた用紙をスイッチバックして画像形成面が上側になるように両面トレイ720へ送出してスタックさせる。両面トレイ720はスタックされた用紙を再給紙し、この用紙は裏面に上述と同様に画像が転写されて定着された後に反転ユニット703によりソータ702又は排紙トレイへ両面コピーとして排出される。
【0171】
また、反転モードでは定着装置712からの用紙は、一旦両面反転部700へ送り込まれる。両面反転部700は送り込まれた用紙をスイッチバックし、この用紙は上側へ搬送されて画像形成面を下側にして排出される。このとき、本原稿が頁順に読み取られてそれらの読み取り画像が用紙に形成されることにより、排出される用紙は頁順が保たれる。
【0172】
次に、本原稿の副走査方向右端部検知について説明する。
図59は初回の頁めくり以前の画像読み取り方式での読み取りセンサ101による見開き本原稿の右端部検知のデータを示し、その検知された本原稿の右端部は見開き本原稿がサイズA3の場合読み取りセンサ101の位置としては中央セット位置よりおよそ210mmの位置である。図65は初回の頁めくり以前の画像読み取り方式での読み取りセンサ101による見開き本原稿の右端部検知のデータを示し、その検知された本原稿の右端部は見開き本原稿がサイズB4の場合副走査方向位置で中央セット位置よりおよそ180mmの位置である。
【0173】
画像読み取り走査後の頁めくり走査時に、原稿台外枠部位置から本原稿の端部検知が開始され、読み取りセンサ101は最初に原稿台外枠部を読み取り、次に黒色の原稿台を読み取る。読み取りセンサ101は本原稿において右表紙内側と頁端部との段差を読み取り、次に最上位頁の余白部である地肌濃度を読み取り、一般に十数ミリの余白の後に画像を読み取る。読み取りセンサ101からの副走査方向に連続するデータがサンプリングされてこれとしきい値とが比較され、最上位頁の余白部の始まりが検知されてその位置が頁端部と判別される。
【0174】
図60は本原稿右端部検知回路を示す。この本原稿右端部検知回路は本原稿の副走査方向右端部の検知を読み取りセンサ101の特定画素による読み取り情報の副走査方向への変化より行う。読み取りセンサ101の主走査方向の特定画素は手前側の本原稿載置基準および最小原稿サイズに対応するために、装置手前の読み取りセンサ101の基準より64mmの1024画素目とする。カウンタ401は読み取りセンサ101の主走査に同期した同期信号LSYNCによりリセットされ、読み取りセンサ101からの画素信号に同期したクロックCLOCKをカウントして読み取りセンサ101からの1024画素目の画素信号に同期して立ち上がる出力信号を出力する。
【0175】
データラッチ回路402はカウンタ401の出力信号の立ち上がりで読み取りセンサ101からの画像信号DATAにおける1024画素目の画素信号を主走査毎にラッチする。デジタルコンパレータ回路403はデータラッチ回路402でラッチした8ビットのデータの上位4ビット分をしきい値と比較する。このしきい値はIPU103内のマイクロコンピュータにより設定される。デジタルコンパレータ回路403からのデータはDフリップフロップ回路404,405で1主走査時間づつ遅延され、アンド回路406によりデジタルコンパレータ回路403からのデータ及びDフリップフロップ回路404,405からのデータのアンドがとられて読み取りセンサ101の特定画素のデータがしきい値より大きい値が副走査方向に3画素続いた場合に検知信号を発生してIPU103内のマイクロコンピュータに知らせる。
【0176】
この本原稿端部検出のための読み取りでは、IPU103内のマイクロコンピュータは、走査方向右端部の黒色の本原稿台1又はその外枠部より左方向へ走査ユニット200の走査を開始させ、データラッチ回路402及びDフリップフロップ回路404,405への検出開始のリセット信号RESETを解除する。そして、本原稿の表紙または紙のエッジによる主走査方向に連続する縞模様部分が読み取りセンサ101により検知され、本原稿最上位頁端部より右頁上の画像情報がランダムに検出される。
【0177】
ほとんどの本の地肌は白色で、一般に本原稿端部から十数ミリの枠部は文字や画像はない。そのため、デジタルコンパレータ回路403は読み取りセンサ101からの1024画素目の画素信号がしきい値以上に白い均一色のデータとなった時点で頁の余白部と判定して検知する。この判定は読み取りセンサ101の主走査方向の複数の画素のデータを用いれば精度が上がる。また、その判定の画素数はDフリップフロップ回路404,405及びアンド回路406により連続3画素としたが、これを増やしたり、システムや適応原稿に合わせてデジタルコンパレータ回路403のしきい値を変えても効果的である。
以上の結果、図59に示すような見開き本原稿がサイズA3の場合には本原稿端部はホームポジションから200mmの地点と検知され、図65に示すように見開き本原稿がサイズB4の場合には本原稿端部はホームポジションから180mmの地点と検知される。
【0178】
中央綴じ部基準でセットされた本原稿は、そのサイズにより画像先端位置が変化し、また、見開き頁により頁位置が変って綴じ部により頁長さも変化する。本原稿の副走査方向の端部検知結果はIPU103内のマイクロコンピュータにより頁めくりのための頁吸着位置及び頁上昇位置の算出に用いられる。また、他の例では本原稿の読み取り時に読み取りセンサ101の画像データの原稿台左側部分から上記本原稿右端部検知回路と同様な本原稿左端部検知回路により見開き本原稿の頁左端部が検知される。IPU103内のマイクロコンピュータは本原稿副走査方向端部の検出信号を本原稿における副走査方向の画像有効範囲を決定するのに用い、例えば複写に際してはその転写紙上の画像位置を決定するレジストに用い、さらに、副走査方向の画像有効範囲外の画像を自動的に消去して無駄な黒べた画像を防止する。また、ファイルシステム等に応用した場合は、IPU103内のマイクロコンピュータが本原稿副走査方向端部の検出信号により画像データを減らしてメモリ量を節約する。
【0179】
次に、本原稿主走査方向端部検知について説明する。
図61は本原稿主走査方向端部検知回路を示す。本原稿主走査方向端部検知は読み取りセンサ101の主走査1ラインの読み取りデータの変化より行う。図62に示すように見開き本原稿BOは本原稿台1上に綴じ部左端を基準として背支持板14の左端に合わせ、かつ、手前側を基準として合わせる。そして、本原稿の表表紙を左側の原稿台1に配置された固定板に固定して本原稿の裏表紙を右側の原稿台1に配置された固定板に固定し、本原稿の連続読み取り中の綴じ部の形状変位による最上位頁の変位を防止する。本原稿のセット手順は以下の通りである。
【0180】
▲1▼本原稿の左表紙を綴じ部左端と手前側を基準として左側の原稿台上の固定板で挾持する。
▲2▼本原稿の右表紙を右側の原稿台上の固定板で挾持する。
▲3▼本原稿の読み取り開始頁を見開き、その上に走査ユニット200を閉じて本原稿の見開き上位頁を平面状にする。
【0181】
このシステムでは、本原稿のサイズは最大サイズが見開きでA3サイズ、最小がB5サイズである。また、本原稿のサイズはA系列、B系列という定型サイズ以外のサイズもあり、本原稿は見開き方向に綴じ部の湾曲分の頁の縮みが頁の縦横比が一定とならない場合が多い。このシステムでは図62に示すように本原稿は、中央手前側基準で原稿台1上にセットされるので、見開き本原稿サイズにより頁の左端、右端、上端が異なる。つまり、副走査方向の画像先端位置と後端位置、主走査方向の後端位置が変化する。
【0182】
図62に示すように本原稿の画像読み取り後の頁めくり走査時に、見開き本原稿の副走査方向の最大原稿サイズより外側の黒色の原稿台外枠部位置から本原稿の端部検知が開始され、次に黒色の原稿台が読み取られて見開き本原稿側に端部検知が行われる。この端部検知では、読み取りセンサ101の特定画素副走査方向の読み取りデータが連続してサンプリングされ、そのデータとしきい値とが比較されて読み取りデータがしきい値よりも大きい画素が複数回繰り返した位置が本原稿の副走査方向の頁端部位置とされる。IPU103内のマイクロコンピュータは、その副走査方向の頁端部位置から頁めくりのための頁吸着・上昇位置を算出し、その位置まで走査ユニット200を走査して一旦停止させる。
【0183】
次に、IPU103内のマイクロコンピュータは、走査ユニット200をその一旦停止させた位置で主走査方向の端部検知を行う。見開き本原稿は中央手前側基準でセットされ、頁吸着・上昇位置すなわち画像読み取り位置が副走査方向で確実に見開き原稿上にある位置で主走査1ライン分の読み取りデータがサンプリングされる。その1ライン分のデータは最大本原稿サイズより奥側の黒色の原稿台外枠部の位置から始まり、次に黒色の原稿台、見開き本原稿になる。主走査方向の端部検知は主走査方向の連続したデータとしきい値とが比較されて行われ、読み取り画像データがしきい値より大きい画素が複数画素繰り返した位置が本原稿の主走査方向の頁端部位置とされる。
【0184】
図62に示す例では主走査方向、副走査方向とも矢印方向に読み取りが行われてそのデータから本原稿の端部位置が算出される。例えば見開き本原稿サイズがB4サイズである場合は、本原稿の左右端部は中央セット位置より約182mm、手前側端部から約257mmとなる。走査ユニット200は読み取り走査開始の左ホームポジションから走査が開始され、本原稿の端部位置より数mm手前から読み取り画像データがフレームメモリ104に蓄えられる。IPU103内のマイクロコンピュータは上記本原稿の端部を主走査方向、副走査方向の有効画像領域の開始位置としてフレームメモリ104からの画像データ出力を指示する。
【0185】
図66は読み取りセンサ101による見開き本原稿BOの上端部検知データを示す。読み取りセンサ101により検知される本原稿の上端部は見開き本原稿サイズがB4サイズの場合主走査方向位置で手前セット基準位置よりおよそ270mmの位置である。読み取りセンサ101は画像読み取り走査後の頁めくり走査停止時の頁吸着・上昇位置で原稿台外枠部位置から手前方向に検知を開始し、最初に黒色の原稿台外枠部を読み取り、次に黒色の原稿台を読み取る。読み取りセンサ101は本原稿においては右表紙の内側を読み取り、次に最上位頁の余白部である地肌濃度を読み取り、一般に十数ミリの余白の後に画像を読み取る。IPU103内のマイクロコンピュータは読み取りセンサ101からの主走査方向に連続するデータをしきい値と比較して最上位頁の余白部の始まりを検知し、その位置を頁上端部とする。
【0186】
図61に示す主走査方向端部検出回路は読み取りセンサ101の主走査1ラインの読み取りデータの変化により本原稿の主走査方向端部を検出する。図62に示すように見開き本原稿BOは本原稿台1上に綴じ部左端及び手前を基準としてセットされて固定される。本原稿載置基準は本原稿台1の手前側であって、本原稿台1の奥側より読み取りセンサ101の主走査1ラインの読み取りが行われるので、読み取りセンサ101からの主走査方向のデータが1ライン分のFILO(ファーストイン・ラストアウト)回路407により逆順に並び変えられる。
【0187】
FILO回路407からのデータはデータラッチ回路408でクロックCLOCKによりラッチされて主走査ライン毎にサンプリングされ、上位4ビット分がデジタルコンパレータ回路409によりしきい値と比較される。このしきい値はIPU103内のマイクロコンピュータにより設定される。デジタルコンパレータ回路408からのデータはDフリップフロップ回路410,411で遅延され、アンド回路412によりデジタルコンパレータ回路408からのデータ及びDフリップフロップ回路410,411からのデータのアンドがとられて読み取りセンサ101からのデータDATAがしきい値より大きい値が主走査方向に3画素続いた場合に検知信号を発生する。カウンタ413はオア回路414を通して入力されるクロックCLOCKをカウントすることにより主走査方向の画素を数えるが、アンド回路412からの検知信号がオア回路414に入力されることによりカウンタ413がマスクされて停止し、そのカウンタ413の値がIPU103内のマイクロコンピュータに知らされる。
【0188】
この本原稿主走査方向端部検出のための読み取りでは、読み取りセンサ101が奥側の黒色の本原稿台1またはその外枠部より手前方向へ行い、上記と同様に本原稿BOの頁地肌の発生が検出される。また、この本原稿主走査方向端部検出ではIPU103内のマイクロコンピュータが走査ユニット200の走査制御を行わず処理時間がとれ、頁吸着のための走査ユニット200の走査停止時に行われ、IPU103内のマイクロコンピュータは本原稿主走査方向端部検出時にデータラッチ回路408、Dフリップフロップ回路410,411及びカウンタ413へのリセット信号RESETを解除する。
【0189】
IPU103内のマイクロコンピュータは本原稿主走査方向端部の検出信号を比較的不定形サイズが多い本原稿における主走査方向の画像有効範囲を決定するのに用い、例えば複写に際してはその範囲外画像を自動で消去処理して無駄な黒べた画像を防止する。また、ファイルシステム等に応用した場合は、本原稿主走査方向端部の検出信号により画像データを減らしてメモリ量を節約する。
【0190】
次に、頁収納センサによる本原稿副走査方向後端部検知について説明する。 初回の頁めくり以降の本原稿頁端部検出は、めくり頁搬送路の透過型頁収納センサを用いて見開き本原稿の最上位頁の端部位置を正確かつ安定に算出する。本装置は原稿の表紙を本原稿台1に固定しているため本原稿の走査時のズレは少ない。また、本原稿は1頁の頁めくりによる位置の変位は極めて少ない傾向を持つ。
【0191】
本装置は頁の検出には図63に示すように透過型頁収納センサ415を用いている。透過型頁収納センサ415は上側の頁搬送ガイド416の上に発光素子として発光ダイオード415a、下側の頁搬送ガイド417の下に受光素子としてフォトダイオード415bを備える構成となっている。頁搬送路418を構成する頁搬送ガイド416,417には穴部416a,417aが設けられ、発光ダイオード415a及びフォトダイオード415bが頁搬送部の検出位置の鉛直方向に対して斜めに配置されることにより、本原稿のめくり頁収納により発生した紙粉は頁収納センサ415のめくり頁検知位置には溜まらずに下方に落ちる構造となっている。頁収納センサ415は頁搬送ガイド416,417を通して搬送される本原稿のめくり頁を1頁分離後に検知し、原稿を選ばなくて検知精度もばらちきで1mm以内と極めて高い。また、頁めくり時の未収納、未排出の頁のジャムを検知するセンサも頁収納センサ415を共用している。
【0192】
図27に示す走査ユニット200は、見開き本原稿BOの読み取り後に、左方向に走査されて本原稿BOの頁めくりを行う。本原稿の頁をめくる際のめくり頁軌跡はほぼ一定であってメカ的に決定される。本原稿BOの最上位の右頁端部がめくりベルト208に吸着され、走査ユニット200の走査が一旦停止するとともにめくりベルト208が上昇してめくり頁が頁搬送路の方向へと導かれる。走査ユニット200がさらに左方向に走査され、めくり頁が頁搬送路に収納されて頁先端が走査ユニット200の外に出る。めくり頁の軌跡は上昇しためくりベルト200に沿って常にほぼ一定であってそのメカレイアウトにより決定される。頁収納センサ415は、めくり頁を頁搬送路からなるめくり頁収納部の入り口近傍に配置され、本原稿のめくり頁を検知する。
【0193】
IPU103内のマイクロコンピュータは、図80に示すように搬送路センサ(頁収納センサ)415がめくり頁を検知するめくり頁収納開始検知タイミングIN、すなわち、めくり頁収納部のめくり頁収納検知位置での走査ユニット200の位置より、めくり頁が本原稿上にあった時のめくり頁の右端部位置を算出する。従って、本原稿の1頁をめくって分離した後にその頁端部(先端部)が頁収納センサ415で検知されることにより、見開き本原稿のめくり開始方向(本装置では右側)の頁端部位置が正確かつ確実に検知され、その頁収納センサ415の出力信号(頁収納開始検知タイミングOUT)からIPU103内のマイクロコンピュータが本原稿の画像有効範囲の後端、および次回の頁めくり位置(本原稿は1頁の頁めくりによる位置の変位が極めて少ないため)を算出して補正する。
【0194】
上記算出結果による頁吸着位置(頁めくり位置)の制御は以下のように行われる。本装置はめくりベルト208が本原稿の頁右端部に接触してこれを持ち上げる時の頁吸着幅を20mm程度としている。めくり頁収納部の本原稿めくり頁収納検知タイミングが目標タイミングより早い場合はその吸着幅が目標の20mmより大きいので、IPU103内のマイクロコンピュータが見開き本原稿のめくり開始方向の頁端部のめくりベルト208による吸着、上昇タイミングを早い方向に変位させる。例えば、IPU103内のマイクロコンピュータはめくり頁収納部の本原稿めくり頁収納検知タイミングが距離にして2mm分早い時には吸着幅を22mmと推定し、次回のめくりベルト208による頁吸着位置を2mm分だけ走査ユニット200のアドレスで右側に変更処理する。
【0195】
一方、IPU103内のマイクロコンピュータはめくり頁収納部の本原稿めくり頁収納検知タイミングが目標タイミングより遅い場合にはめくりベルト208の吸着幅が目標の20mmより小さいので、見開き本原稿のめくり開始方向の頁端部のめくりベルト208による吸着、上昇タイミングを遅い方向に変位させる。その結果、頁吸着幅が一定に制御され、不めくりや多数枚めくりのめくりミスや本原稿の破損が防止されて安定した繰り返し動作が行われる。
【0196】
次に、頁収納センサによる本原稿副走査方向先端部検知について説明する。
めくり頁収納部へのめくり頁収納終了後に、走査ユニット200がさらに左方向に走査されると、見開き本原稿は中央綴じ部でめくり頁が拘束されるため、めくり頁が綴じ部で引っ張られながらめくり頁搬送路からU字型の軌跡を描いて排出される。このめくり頁排出の軌跡もめくり頁搬送路と押さえローラ281aに沿って常にほぼ一定となる。IPU103内のマイクロコンピュータは頁収納センサ415によるめくり頁収納部の本原稿めくり頁排出終了検知タイミング、すなわちめくり頁収納部の本原稿めくり頁排出終了検知タイミング(後述のように本原稿の1頁をめくって分離した後にその頁端部を検出するタイミング)での走査ユニット200の位置より、めくり頁が本原稿左上に乗るべき左端部位置を頁収納センサ415の出力信号から算出する(図80参照)。従って、本原稿の1頁をめくって分離した後にその頁端部を検出することにより、見開き本原稿のめくり終了方向(本装置では左側)の頁端部位置が正確かつ確実に検出され、IPU103内のマイクロコンピュータがその見開き本原稿のめくり終了方向の頁端部位置(左端部位置)から本原稿の画像有効範囲の先端を算出して次回の読み取りレジストに用いる。
【0197】
IPU103内のマイクロコンピュータは、上記検出された本原稿の右端部と左端部との間の有効画像範囲の開始位置アドレスAと終了位置アドレスBより、その中央位置が本原稿の見開き頁の綴じ部となるので、その中央綴じ部アドレスCを以下のように算出する。
C=(A+B)/2
これにより、一度に読み取った見開き本原稿画像の複写の際の頁振分の基準位置が得られる。また、見開き本原稿の中央綴じ部画像は陰や歪みが起こり易いので、IPU103内のマイクロコンピュータはその位置の画像を確実に消去する。さらに、IPU103内のマイクロコンピュータは頁独立出力時の右頁レジストをその算出した中央綴じ部アドレスCを用いて行う。
【0198】
以上のように見開き本原稿の頁めくりの繰り返しによって最上位の見開き頁位置の変位は、1頁の頁めくりでは極めて小さい。また、10頁のめくりの繰り返しによる最上位見開き頁位置の位置ズレは1mm以下であり、画像位置(複写レジスト)のズレが少ない。従って、IPU103内のマイクロコンピュータは、本原稿頁吸着位置の算出を複数回の頁めくり走査の繰り返し、例えば10頁のめくり動作に対して1回行い、その位置データを更新することにより、本原稿頁端部の算出処理と時間を低減する。
【0199】
次に、本原稿端部入力(頁めくり位置)について説明する。
前述のように初回の頁めくりでは画像読み取り方式での読み取りデータにより見開き本原稿の右端部検出を行う。しかし、グラビヤ本等の本原稿の頁端部が検出されなかったり、誤検出されたりする場合もまれにある。それは、頁めくり走査中におけるめくり頁搬送路へのめくり頁未挿入で行われ、その原因として頁めくり位置の不良、具体的には頁吸着幅が少なすぎたり、頁が吸着ベルト208よりはみ出して上昇できなかったりしたものと、本原稿の紙種により頁吸着ができないもの等がある。前者の場合には、頁吸着幅が正しく設定されれば頁が確実にめくられる。
【0200】
本装置は図64に示すように原稿台1の右手前側の外装部に右頁端部入力用のスケール419を備えている。このスケール419は副走査方向に対して平行に設けられて等間隔に目盛がふられている。初回の頁不めくりにより装置が停止した場合は、操作部99に”ページミギハシノスケールイチヲイレテクダサイ”という誘導表示がなされ、オペレータはスキャナ部をあけて頁右端部位置のスケール419で頁右端部の値を読み、操作部99のテンキーより入力する。図64の例では、最上位頁の右端部位置のスケール値”12”と入力し、続いて操作部99のエンターキーにより確定の入力をする。その後、操作部99のプリントキーの押下によりIPU103内のマイクロコンピュータが読み取り走査を同様に開始させ、今度はその頁右端部の入力位置情報により頁吸着・上昇位置を算出してこの位置でめくりベルト208によるりの吸着・上昇を行わせる。その結果、本原稿頁画像の種類に関わらず適切な吸着幅で頁めくりが開始される。その後2回目以降の頁めくりはIPU103内のマイクロコンピュータにより前述と同様に頁収納センサ415の頁右端部検知位置により算出されたタイミングで制御される。
【0201】
次に、頁めくり位置入力方式について説明する。
この例では本原稿端部位置の入力はスケール419の数値をテンキーで入力するようにしたが、他の第1の例では原稿台1の右手前側の外装部の右頁端部入力用のスケール419と同位置に本原稿端部位置を合わせるスライドボリュウムを設けてその抵抗値または変換した電圧値をIPU103内のマイクロコンピュータで読み取るようにしている。
【0202】
また、他の第2の例では、走査ユニット200にセンサが設けられ、原稿台1の右手前側の外装部に右頁端部入力用のスケール419と同位置にそのセンサで検知される遮蔽板が横方向にスライド可能に設けられる。その遮蔽板は、本原稿端部位置に合わせられ、走査ユニット200の走査時にそのセンサにより検知されて頁吸着上昇のタイミングとされる。この場合、そのセンサと遮蔽板の位置を逆にしてセンサをスライド可能にしても良い。
【0203】
他の第3の例では、読み取りセンサ101の読み取り画像データが用いられる。読み取りセンサ101は主走査方向へ手前側から読み取りを行い、主走査方向の読み取り画素の開始位置への投影位置を原稿台1の手前側の外装部に掛かるように光学系が配置される。スケール419と同位置に外装部の黒色とコントラストが明らかでスライド可能な白色のマーク部材が配置され、走査読み取り時にその主走査方向の定位置にあるマークが読み取りセンサ101により読み取られて読み取りセンサ101からのデータから図60の本原稿端部検知回路と同様なマーク検知回路でマークが検知され、IPU103内のマイクロコンピュータがそのマーク検知回路からのデータにより頁の吸着、上昇のタイミング(位置)を算出して頁吸着位置を制御する。
【0204】
上記本原稿副走査方向端部検知回路及び本原稿主走査方向端部検知回路は、IPU103に配置されて主走査方向の画像変倍処理前の画素データをサンプリングして本原稿の副走査方向端部及び主走査方向端部を検知し、その検知の開始及び終了がIPU103内のマイクロコンピュータにより指示される。本原稿副走査方向端部検知回路で検知された本原稿副走査方向端部はIPU103内のマイクロコンピュータが走査ユニット200の走査位置により管理し、IPU103内のマイクロコンピュータは主走査方向の画素をカウントするカウンタを参照して本原稿主走査方向端部検知回路で検知された本原稿主走査方向端部を管理する。そして、IPU103内のマイクロコンピュータはそれらの本原稿副走査方向端部及び本原稿主走査方向端部により頁吸着位置、主走査方向の有効画像範囲を算出する。
【0205】
次に、本システムの動作について説明する。
TPS動作モード
(1)読み取りモード
(a)本原稿読み取り
サブ第1ミラー222が解除されて下側蛍光灯201,202が点灯し、左ホームポジションにてシェーディング補正後にキャリジ200が右方向に走査されて見開き本原稿が一度に読み取られ、その画像データがフレームメモリ104に格納される。
【0206】
(b)シート原稿読み取り
サブ第1ミラー222が挿入されて上側蛍光灯203,204が点灯し、左ホームポジションにてシェーディング補正後にキャリジ200が右方向に走査されてシート原稿が読み取られ、その画像データがフレームメモリ104に格納される。
【0207】
(2)リターンモード
(a)頁めくり
本原稿読み取りモードで、高圧のバイアスが高圧電源116によりめくりベルト208に印加され、キャリジ200が左方向に走査されてめくりローラ208が見開き本原稿の右端部に達した時点で停止し、めくりローラ208が上昇し、0.5sec.後にキャリジ200が左方向に走査される。上記端部検出回路はVPU102からの画像データより見開き本原稿の右端部及び左端部を検出し、IPU103内のマイクロコンピュータがそれらと頁収納センサ415の出力信号より頁吸着位置と読み取り画像の主走査方向の画像有効範囲を算出する。
【0208】
(b)ユニットリターン
シート原稿読み取りモードで、キャリジ200が左方向に走査される。
(3)ホーミングモード
電源投入時、キャリジ200が走査されて中央ホームポジションにセットされ、原稿台1が上昇した後に一定量下降してキャリジ200から退避する。
【0209】
(4)前走査モード
キャリジ200が左ホームポジションに走査されてシェーディング補正、読み取り開始に備える。
(5)後走査モード
キャリジ200のリターン動作終了後、キャリジ200が走査されて中央ホームポジションにセットされ、原稿台1が上昇した後に一定量下降してキャリジ200から退避する。
【0210】
次に、TPS基本動作を詳細に説明する。
(1)本原稿読み取りモード
(a)操作部99のBOOKキーの押下により、本原稿読み取りモードが指定される。
(b)操作部99のプリントキーの押下により、原稿台1が上昇し、本原稿がキャリッジ200に付き当てられて固定される。
【0211】
(c)サブ第1ミラー222が解除され、下側蛍光灯201,202が点灯する。(d)キャリッジ200が左方向に走査され、左ホームポジションに到達した後、シェーディング補正、AGCが行われる。
(e)キャリッジ200が右方向に走査されて見開き本原稿の画像が読み取られ、その画像処理したデータがフレームメモリ104に格納される。
【0212】
(f)キャリッジ200が最も右方向まで走査された後、めくりベルト208の帯電が開始され、キャリッジ200が左方向に走査される。
(g)キャリッジ200が左方向に走査されて本原稿の画像が読み取られ、IPU103内のマイクロコンピュータがVPU102からの画像データにより原稿台1と本原稿頁の濃度差から本原稿右端部を検知する。
(h)IPU103内のマイクロコンピュータはその検知した本原稿右端部の位置にめくりベルト208が達するとキャリッジ200を一旦停止させた後に、めくりベルト200を上昇させ、それから一定時間後にキャリッジ200を左方向に走査する。
【0213】
(i)IPU103内のマイクロコンピュータがキャリッジ200の一旦停止時に上記本原稿主走査方向端部検知回路により検知された本原稿頁上端部により本原稿の主走査方向範囲を算出して上下方向の自動イレース位置を算出し、その後、下側蛍光灯201,202を消灯させる。
(j)IPU103内のマイクロコンピュータがめくりベルト200の頁吸着上昇から一定時間後にキャリッジ200を左方向に走査する。
(k)頁収納センサ415によりめくり頁搬送路に収納される頁が検知され、IPU103内のマイクロコンピュータがその頁収納開始検知タイミング(位置)から頁右端部位置を正確に算出し、かつ、頁の不めくり検知を行う。
【0214】
(l)キャリッジ200が中央位置に達した地点で左右の本原稿台1の上下、右の本原稿台1の左右の固定が一旦解除され、本の見開き形状が決定される。
(m)めくりベルト208が本原稿中央地点に達すると、めくりベルト208の帯電が停止する。
(n)キャリッジ200が左方向に走査されて頁収納センサ415によりめくり頁搬送路に収納された頁の排出が検知され、IPU103内のマイクロコンピュータがその頁排出終了検知タイミング(位置)から頁左端部の位置を正確に算出し、また、算出した頁左右端部位置より、見開き本原稿の中央部位置、見開き頁の長さを算出する。
【0215】
(o)IPU103内のマイクロコンピュータがその算出の終了後、上記頁左右端部と画像出力形態、上記イレース位置によりフレームメモリ104のアドレスを指定し、プリンタからの同期信号によりフレームメモリ104の指定アドレスから画像データを読み出してプリンタへ転送する。
【0216】
(p)キャリッジ200が左ホームポジションに到達後に、下側蛍光灯201,202が点灯し、シェーディング補正、AGCが行われる。
【0217】
(q)キャリッジ200が右方向に走査され、見開き本原稿の画像が読み取られ、その画像処理したデータがフレームメモリ104に格納される。
(r)本原稿の右端部までが読み取られて下側蛍光灯201,202が消灯し、フレームメモリ104へのデータ格納終了直後にIPU103内のマイクロコンピュータが上記検知した頁左右端部の位置と画像出力形態、上記イレース位置によりフレームメモリ104のアドレスを指定し、プリンタからの同期信号によりフレームメモリ104の指定アドレスから画像データを読み出してプリンタへ転送する。
【0218】
(s)以下、連続動作中、(f)、(h)、(j)から(n)の頁めくり、(p)から(r)の読み取りが繰り返される。なお、2回目以降は、(g)、(i)の端部画像検知、及び(o)頁めくり終了後のプリント出力は実施しない。
(t)連続動作の終了は、(p)のキャリッジ200が左ホームポジションに到達した後、キャリッジ200が右方向に走査されて中央ホームポジションで停止する。
【0219】
(2)シート原稿読み取りモード
(a)BOOKキーの押下により、シート読み取りモードを指定する。
【0220】
(b)プリントキーの押下により、原稿台1が下降し、本原稿台1がキャリッジから退避する。
(c)サブ第1ミラー222が挿入され、上側蛍光灯203,204が点灯する。(d)キャリッジ200が左方向に走査され、左ホームポジションに到達した後、上側蛍光灯203,204が点灯し、シェーディング補正、AGCが行われる。
【0221】
(e)キャリッジ200が右方向に走査されてシート原稿が読み取られ、その画像処理したデータがフレームメモリ104に格納される。
(f)キャリッジ200が転写紙サイズと変倍率で定まる位置まで走査された後、上側蛍光灯203,204が消灯し、キャリッジ200が左方向に走査される。(g)フレームメモリ104へのデータ格納終了直後に、フレームメモリ104の指定アドレスからプリンタよりの同期信号によりデータが読み出されて転送される。
【0222】
(h)以下、連続動作中、(d)から(g)の読み取りとリターン、フレームメモリ104の書き込みと読出しが繰り返される。
(i)連続動作の終了は、(d)のキャリッジ200が左ホームポジションに到達した後、キャリッジ200が右方向に走査されて中央ホームポジションで停止する。
【0223】
次に、画像基準の選択について説明する。
図67及び図68は本装置の操作部99の一部を示す。操作部99はシート原稿読み取りモードとブック原稿(本原稿)読み取りモードとを切り換えて指定する操作釦601を有し、本原稿読み取りモードでは以下のモードが有効である。操作部99は本原稿複写時の画像基準モードを指定する画像基準指定キー602と、その状態を表示する発光ダイオード603,604を備えている。画像基準位置は用紙(転写紙)中央、用紙左端、用紙右端があり、画像基準指定キー602の押下により画像基準モードが画像基準位置を転写紙の中央、左端、右端とする各モードに順次に切り替わり、発光ダイオード603は画像基準位置を用紙左端とする画像基準モードで点灯し、発光ダイオード604は画像基準位置を用紙右端とする画像基準モードで点灯する。画像基準位置を用紙中央とする基本の画像基準モードは表示しない。
【0224】
メイン制御板107は、図83に示すように電源投入時には基準キーカウンタを1にセットして画像基準位置を用紙中央とし、発光ダイオード603,604を消灯させる。また、メイン制御板107は、画像基準指定キー602がオンされる毎に基準キーカウンタをインクリメントして基準キーカウンタが4以上になると基準キーカウンタに1をセットする。そして、メイン制御板107は、基準キーカウンタが1の時には画像基準位置を用紙中央として発光ダイオード603,604を消灯させ、基準キーカウンタが2の時には画像基準位置を転写紙左端(左合わせ)として発光ダイオード603を点灯させ、基準キーカウンタが3の時には画像基準位置を転写紙右端(右合わせ)として発光ダイオード604を点灯させる。
【0225】
電源オン、モードクリア、本原稿読み取りモード選択等のデフォルト時は画像基準位置を用紙中央とする基本の画像基準モードがメイン制御板107により優先的に選択される。これにより、基本の画像基準モード以外の画像基準モードが優先的に選択されて転写紙サイズ検知の誤差や画像形成自体のレジスト(位置)ズレが発生した場合に画像の欠落が生ずることを防止すると共に、転写紙の端部に画像を形成せずにその画像位置ズレ量を目立たなくしている。また、転写紙の両面に画像を形成する両面複写モードの選択時は画像基準位置を用紙左端または用紙右端とする画像基準モードがメイン制御板107により優先的に選択され、転写紙に標準的に綴じ代用の余白を作成する。
【0226】
また、操作部99は画像位置を本原稿複写時の画像基準位置から移動させる量を設定するための移動量設定キー605,606と、その状態を表示する発光ダイオード607,608を備える。画像移動量の設定は左基準シフトと右基準シフトがあり、画像基準モードが画像基準位置を用紙左端または用紙右端とする画像基準モードの場合のみ画像移動量の設定が有効であって(図81参照)、それぞれ画像を転写紙上に画像基準位置からシフトして形成する。画像移動量は操作部99のテンキー入力とエンターキー入力により、0から20mmまで1mm単位で設定でき、デフォルトの画像移動量の設定値は0mmである。
【0227】
また、操作部99は、本原稿の独立頁を複写するか見開き頁を複写するかを選択する操作釦609と、その状態を表示する発光ダイオード610,611とを有し、メイン制御板107は操作釦609の押下毎に本原稿の独立頁を複写するモードと、見開き頁を複写するモードとを交互に選択して設定する。また、操作部99は、オリジナル(本原稿の1枚)両面複写モード、見開き頁両面複写モード、オート両面複写モードを選択的に指定する操作釦612と、その状態を表示する発光ダイオード613,614,615を有し、メイン制御板107は操作釦612の押下毎にオリジナル(本原稿の1枚)の両面複写を行うモード、見開き頁の両面複写を行うモード、これら2つのモードを本原稿の各頁の画像が最初の用紙の表面から詰めて形成されるように自動的に切り換えて両面複写を行うモードを順次に設定する。さらに、操作部99は、本原稿を左頁から複写するか右頁から複写するかを選択する操作釦616,617を有し、メイン制御板107は操作釦616,617の押下に応じて本原稿を左頁から複写するモードと、本原稿を右頁から複写するモードとを選択的に設定する。
【0228】
次に、本原稿画像基準について説明する。
図69は読み取り見開き本原稿の頁画像範囲を示し、図70から図73は各本原稿画像基準モードにおける頁画像の配置を示し、図84はメイン制御板107の画像基準モード処理フローを示す。
図69は表紙がA4サイズで本厚が約30mmの本原稿の中央付近を見開いた例である。本原稿の頁端部から中央綴じ部までの平面方向の頁長さは約200mmに縮んでいる。一般に、見開き本原稿の頁はその用紙が定型サイズであってもその綴じ部により画像が縮み、定型サイズにはならない。この画像縮み量は本原稿の厚さおよびその綴じ方法により異なる。また、本原稿はその用紙が定型サイズ外のものも多い。さらに、製本後に端部を裁断したことにより本原稿が定型サイズ外となるのものある。
【0229】
図70(a)〜(c)は見開き本原稿複写モードの用紙画像を示す。見開き本原稿複写モードの画像基準位置は用紙左端、用紙中央、用紙右端が有る。
図70(a)に示すように画像基準位置が用紙左端である場合は、見開き本原稿の走査開始方向の頁端部位置が検出され、IPU103のマイクロコンピュータがその頁左端部位置とレーザプリンタで給紙された転写紙の長さ情報(転写紙サイズ検知手段などからの転写紙長さ情報)からフレームメモリ104の読み出しアドレス操作を行うことにより本原稿の左端部が転写紙の搬送方向先端位置に合わせられて本原稿の見開き両頁の画像が1枚の転写紙に形成されることにより、見開き両頁の画像が転写紙上に左詰めで、従来のスケール基準の複写機と同様に形成される。
【0230】
図70(b)に示すように画像基準位置が用紙中央の場合は、上述のように見開き本原稿の走査開始方向と走査終了方向の両頁端部位置が検出され、IPU103のマイクロコンピュータがその検出位置から算出した見開き本原稿の走査方向長さ情報と、レーザプリンタで給紙された転写紙の長さ情報(転写紙サイズ検知手段などからの転写紙長さ情報)からフレームメモリ104の読み出しアドレスを操作することにより、本原稿の見開き両頁画像が転写紙の中央に形成される。従って、転写紙左右には原稿縮み分により均一な余白ができる。
【0231】
図70(c)に示すように画像基準位置が用紙右端の場合は、見開き本原稿の走査終了方向の頁端部位置が上述のように検出され、IPU103のマイクロコンピュータがその検出された頁端部位置とレーザプリンタで給紙された転写紙の長さ情報(転写紙サイズ検知手段などからの転写紙長さ情報)からフレームメモリ104の読み出しアドレスを操作することにより、本原稿の右端部検出位置が転写紙の搬送方向後端位置に合わせられて本原稿の見開き両頁が1枚の転写紙に形成される。その結果、見開き両頁の画像が転写紙上に右詰めで形成されて原稿縮み分により転写紙左に余白ができ、複写後の転写紙を左綴じにする場合の綴じ代ができる。
【0232】
図71(a)〜(d)は独立頁複写モードの用紙画像を示す。本原稿の各頁の画像をそれぞれ転写紙に複写する独立頁複写モードの画像基準位置は用紙左端、用紙中央、用紙右端、頁両端、頁中央が有る。但し、本装置において、頁両端、頁中央の指定手段は図示していない。
図71(a)に示すように画像基準位置が用紙左端の場合は、上述のように見開き本原稿の左頁と右頁の頁端部位置が検出されて中央綴じ部位置が算出され、IPU103のマイクロコンピュータがその左頁の頁端部位置と中央綴じ部位置からフレームメモリ104の読み出しアドレスを操作することにより見開き本原稿の走査開始方向の左頁の頁端部位置が第1の転写紙の搬送方向先端位置に合わせられて中央綴じ部位置が第2の転写紙の搬送方向先端位置に合わせられ、本原稿の見開き両頁がそれぞれ独立の転写紙に形成される。また、それぞれの頁の画像がそれぞれの転写紙上に左詰めで従来のスケール基準の複写機と同様に形成される。
【0233】
図71(b)に示すように画像基準位置が用紙中央基準の場合は、上述のように見開き本原稿の左頁と右頁の頁端部位置が検出されて中央綴じ部位置が算出され、IPU103のマイクロコンピュータがその頁端部位置及び中央綴じ部位置とレーザプリンタで給紙された転写紙の長さ情報(転写紙サイズ検知手段などからの転写紙長さ情報)からフレームメモリ104の読み出しアドレスを操作することにより、見開き本原稿の走査開始方向の左頁の頁端部位置と中央綴じ部位置が第1の転写紙の両端部に合わせられて中央綴じ部位置と右頁の頁端部位置が第2の転写紙の両端部に合わせられ、本原稿の見開き両頁が独立の転写紙の中央にそれぞれ形成される。従って、転写紙の左右には原稿縮み分により均一な余白ができる。
【0234】
図71(c)に示すように画像基準位置が用紙右端基準の場合は、上述のように見開き本原稿の左頁と右頁の頁端部位置が検出されて中央綴じ部位置が算出され、IPU103のマイクロコンピュータがその右頁の頁端部位置及び中央綴じ部位置とレーザプリンタで給紙された転写紙の長さ情報(転写紙サイズ検知手段などからの転写紙長さ情報)からフレームメモリ104の読み出しアドレスを操作することにより、見開き本原稿の走査開始方向の中央綴じ部位置が第1の転写紙の後端に合わせられて右頁の頁端部位置が第2の転写紙の搬送方向後端位置に合わせられ、各頁の画像が転写紙上に右詰めで形成される。その結果、転写紙の左には原稿縮み分で余白ができ、複写後の転写紙を左綴じする場合や製本する場合の綴じ代が作られる。
【0235】
図71(d)に示すように画像基準位置が頁両端の場合は、読み取り左右頁で画像基準位置を用紙左端、用紙右端とする複写が上述の場合と同様に切り換えて行われ、本原稿の見開き両頁が独立の転写紙の両端側に形成されて転写紙の中央側に原稿縮み分で余白ができる。また、図71(e)に示すように画像基準位置が頁中央の場合は、読み取り左右頁で画像基準位置を用紙右端、用紙左端とする複写が上述の場合と同様に切り換えて行われ、すなわち、見開き本原稿の中央綴じ部位置が上述のように算出されてIPU103のマイクロコンピュータがその算出された見開き本原稿の中央綴じ部位置により見開き本原稿の中央綴じ部位置を第1の転写紙の搬送方向後端部位置と第2の転写紙の搬送方向先端位置に合わせて本原稿の見開き両頁画像を2枚の独立の転写紙に形成させる。したがって、本原稿の見開き両頁が独立の転写紙の中央側に形成されて転写紙の両端側に原稿縮み分で余白ができる。
【0236】
図72(a)〜(d)は両面見開き複写モードの用紙画像を示す。両面見開き複写モードの画像基準は用紙表・右端/用紙裏・左端、用紙中央が有る。
図72(a)に示すように画像基準が用紙表・右端/用紙裏・左端の場合は、IPU103のマイクロコンピュータが走査方向の本原稿の頁長さと転写紙長さ情報(転写紙サイズ検知手段などからの転写紙長さ情報)からフレームメモリ104の読み出しアドレスを操作することにより、転写紙の表面の画像基準位置を読み取り走査方向で用紙後端とすると共に転写紙の裏面の画像基準位置を読み取り走査方向で用紙先端として転写紙の両面に画像が形成されることにより、転写紙表裏の画像は片方に寄り、両面画像形成の転写紙を綴じる場合の綴じ代が頁画像縮み分によりできる。
【0237】
図72(b)に示すように画像基準が用紙中央基準の場合は、図70(b)に示すように見開き複写モードで画像基準位置を用紙中央とする場合と同様に転写紙の表裏に画像が形成される。
図73(a)〜(c)は両面独立頁複写モードの用紙画像を示す。両面独立頁複写モードの画像基準には用紙表・右端/用紙裏・左端、用紙中央がある。画像基準が用紙表・右端/用紙裏・左端基準の場合にはA.オリジナルと同じに転写紙表裏に画像を形成する場合と、B.オリジナルと逆に転写紙表裏に画像を形成する場合が有る。
【0238】
前者Aは、IPU103のマイクロコンピュータが本原稿の見開き右頁の頁右端部及び左頁の頁左端部と転写紙長さ情報(転写紙サイズ検知手段などからの転写紙長さ情報)からフレームメモリ104の読み出しアドレスを操作することにより図73(a)に示すように本原稿の見開き右頁の頁右端部が転写紙の後端位置に合わせられて右頁の画像が転写紙の表面に形成され、本原稿の見開き左頁の頁左端部が転写紙の先端位置に合わせられて左頁の画像が転写紙の裏面に形成され、その転写紙両面の画像は頁の両端部基準で原稿と同一位置に形成される。
【0239】
後者Bは、IPU103のマイクロコンピュータが図73(b)に示すように本原稿の中央綴じ部と転写紙長さ情報(転写紙サイズ検知手段などからの転写紙長さ情報)からフレームメモリ104の読み出しアドレスを操作することにより本原稿の中央綴じ部が転写紙の後端位置に合わせられて転写紙の表面に画像が形成され、本原稿の中央綴じ部が転写紙の先端位置に合わせられて転写紙の裏面に画像が形成することにより、本原稿の見開き頁の画像が転写紙の表裏に形成される。この場合、転写紙は綴じ部基準で綴じ代幅が大きくできる。
【0240】
図73(c)に示すように画像基準が用紙中央基準の場合は、図71(b)に示すような独立頁複写モードで画像基準位置を用紙中央とする場合と同様に転写紙の表裏に画像が形成される。
本装置では設定の画像基準位置が転写紙の端部(先端または後端)、すなわち用紙左端、用紙右端の場合は、画像基準が用紙表・右端/用紙裏・左端でA.オリジナルと同じに転写紙表裏に画像を形成するモードを標準として、転写紙の表面と裏面に画像を形成するときの画像基準位置をそれぞれ走査方向の転写紙の後端と先端とに切り換えて転写紙の両面に画像を形成する。
【0241】
次に、本原稿動作タイミングについて説明する。
図74は本装置の本原稿複写モードの複写動作タイミングを示す。この本原稿複写モードではプリントキーの押下からの初期モードで、画像による本原稿端部検知を実施している。各モードの本原稿の頁サイズはA4サイズであり、本原稿の見開き2頁が走査ユニット200の1回の走査で連続して読み取られてフレームメモリ104内にA3サイズ分の読み取りデータが記憶され、各出力モードに応じてフレームメモリ1104よりデータが読み出されてレーザプリンタで作像されて転写紙に記録される。
【0242】
図74は見開きA3サイズの本原稿画像をA3サイズの転写紙に複写し、本原稿に対して1部の複写を行う1TO1複写モードの複写動作タイミングを示す。この1TO1複写モードの複写動作タイミングにおいては、IPU103内のマイクロコンピュータは、複写開始を指示するプリントキーがオンされると、走査ユニット200を走査するスキャナモータ106をモータ駆動回路503を介して逆転方向へ駆動し、中央部にある走査ユニット200を読み取り開始方向へ移動させる。走査ユニット200が左側ホームポジションの読み取り開始位置へ移動すると、IPU103内のマイクロコンピュータは、スキャナモータ106を正転方向へ駆動し、蛍光灯201,202を点灯させて本原稿BOの読み取り走査を開始させる。
【0243】
IPU103内のマイクロコンピュータは、VPU102からの画像データを見開き本原稿の左頁端部地点から原稿画像として処理し、読み取り副走査方向の有効画像領域信号SFGATEを発生する。そして、IPU103内のマイクロコンピュータは、有効画像領域信号SFGATEによってフレームメモリ104のデータ書き込み信号メモリWを操作し、データ書き込み範囲を制御する。また、IPU103内のマイクロコンピュータは、スキャナモータ106の制御アドレスから、見開き本原稿綴じ部中央地点を認識し、独立頁複写モード時の第2の画像の基準位置や見開き頁複写モード時で読み取り画像を転写紙の中央に形成する場合等に用いる。
【0244】
IPU103内のマイクロコンピュータは、走査ユニット200が見開き本原稿の右頁端部に達すると、本原稿の右頁端部の検出を頁収納センサ415の出力信号から開始し、その検出した右頁端部から頁めくり時の頁吸着位置を算出する。走査ユニット200は、読み取り走査を終了すると、復動の頁めくり走査に入り、前述のように初回はIPU103内のマイクロコンピュータが頁収納センサ415の出力信号から頁収納位置による画像有効範囲を確定した後にフレームメモリ104からその画像有効範囲の画像データを読み出してプリンタに送って画像形成を開始させる。
【0245】
すなわち、IPU103内のマイクロコンピュータは、頁収納センサ415の出力信号に基づいてめくり頁の収納検知開始時点の走査ユニット200の走査位置より、装置のめくり頁収納形状からめくり頁の本原稿上の右端部位置を算出する。そして、IPU103内のマイクロコンピュータは、頁収納センサ415の出力信号に基づいてめくり頁の排出検知時点の走査ユニット200走査位置より、装置のめくり頁排出形状からめくり頁の本原稿上の左端部位置を算出する。
【0246】
また、IPU103内のマイクロコンピュータは、2回目以降では前回頁収納センサ415の出力信号に基づいて検出した頁収納位置により算出した画像有効範囲で読み取り走査終了直後にフレームメモリ104から画像データを読み出してプリンタに送ることでプリンタに画像形成を開始させる。IPU103内のマイクロコンピュータは、プリンタ側の副走査方向の有効画像領域信号PFGATEによってフレームメモリ104のデータ読み出し信号メモリRを操作し、プリンタに同期してフレームメモリ104から画像有効範囲の画像データを読み出してプリンタに送ることで画像形成を行わせる。また、頁めくり時には見開き本原稿の頁端部が頁収納センサ415で繰り返し検出される。以上の行程の繰り返しにより、自動で本原稿の頁をめくりながらその見開き頁の複写を行う。
【0247】
本装置は本原稿の吸着ローラ変位による頁吸着、分離方式に対して安定した頁めくり動作を行う。この方式は、頁先端部のみを吸着して上方に変位させ頁収納部へと導くため、その吸着位置が重要となる。以上の通り、本原稿の頁端部を検出し、頁めくりの繰り返しにより変化する本原稿端部に対する吸着、分離の動作位置を決定し、頁の指定幅を吸着、分離するように制御する。
【0248】
次に、本原稿の画像範囲について説明する。
本原稿画像の読み取り副走査方向範囲とその配置方法を図75から図78のタイムチャートを用いて説明する。図75〜図78において、副走査方向の読み取り範囲と画像形成範囲はその走査ライン数で示し、その画像位置を表している。
【0249】
前述のように、本装置は見開き本原稿の両頁を1回の走査で読み取り、その画像データをフレームメモリ104に蓄え、次に画像データをフレームメモリ104から読み出してプリンタで画像を形成する。本装置において、副走査方向の読み取り画像データをフレームメモリ104に蓄える範囲(SFGATEにより決まる)は本原稿の許容最大サイズA3の420mmに対してフレームメモリ104の容量から約455mm分、7174ライン有る。通常、前述の通り見開き本原稿の頁位置が変わるため、本装置の副走査方向の読み取り画像データをフレームメモリ104に蓄える範囲は本原稿の最大サイズの左原稿台の左端部より開始する。
【0250】
図75の本原稿見開き複写モードは、表紙サイズA4の見開き頁の有効画像範囲(VFGATEにより決まる)は見開き本原稿の端部検出結果により、フレームメモリ104の読み取り画像データ格納範囲に対して図示のような位置関係にある。IPU103内のマイクロコンピュータは、VFGATEを見開き本原稿の端部検出結果に基づいて本原稿の綴じ部の縮みによりA3サイズの6614ラインに対して6400ラインと算出する。PFGATE1、2、3はその算出した有効範囲内の画像データをフレームメモリ104から読み出してプリンタでA3定型サイズの転写紙に記録する場合の転写紙の有効画像範囲を示すPFGATEの例である。IPU103内のマイクロコンピュータは、各PFGATEの範囲をプリンタで給紙される転写紙のサイズによって決定し、A3サイズでは6614ラインとする。プリンタはPFGATEの立ち上がりをトリガとして給紙のレジストクラッチをオンにしてレジストローラで給紙装置からの転写紙を送出し、PFGATEの立ち上がりの画像先端と転写紙の先端を合わせるように画像を形成する。IPU103内のマイクロコンピュータは、VFGATEの範囲外の各画像データを余白として白データのFHをプリンタに送信する。
【0251】
PFGATE1は画像基準位置を用紙左端とするモードの場合のPFGATEであり、IPU103内のマイクロコンピュータは、フレームメモリ104からプリンタへ画像データを本原稿の頁左端が転写紙の先端に合わせられて転写紙の後端に余白が作られるように送る。この場合の画像配置としては、IPU103内のマイクロコンピュータは、画像ライン数をカウントするカウンタの値から、頁範囲(VFGATE)の6400ライン終了後の画像データを白とする。
【0252】
PFGATE2は画像基準を用紙中央とするモードの場合であり、IPU103内のマイクロコンピュータは、フレームメモリ104からプリンタへ画像データを頁中央が転写紙の中央に合わせられて転写紙の先後端に均一の余白が作られるように送る。この場合の画像配置としては、IPU103内のマイクロコンピュータは、画像ライン数をカウントするカウンタの値から、頁範囲(VFGATE)の6400ラインと転写紙の画像範囲(PFGATE2)の6614ラインとの差分214ラインの半分の107ライン分をVFGATEの前に余白部として設け、また、VFGATEの6400ラインの終了地点から余白部を設け、6614ラインでPFGATE2が終了する。
【0253】
PFGATE3は画像基準を用紙右端とするモードの場合のPFGATEであり、IPU103内のマイクロコンピュータは、フレームメモリ104からプリンタへ画像データを頁左端が転写紙の後端に合わせられて転写紙の先端に余白が作られるように送る。画像配置としては、IPU103内のマイクロコンピュータは、画像ライン数をカウントするカウンタの値から、頁範囲(VFGATE)の6400ラインと転写紙の画像範囲(PFGATE2)の6614ラインとの差分514ラインをVFGATEの前に余白部として設ける。
【0254】
図76は独立頁複写モードの画像範囲を示し、図81及び図82はIPU103内のマイクロコンピュータの独立頁複写モード処理フローを示す。図75と同様に表紙サイズA4の見開き頁の有効画像範囲(VFGATE)はその端部検出結果により、フレームメモリ104の読み取り画像データ格納範囲に対して図示のような位置関係にある。
【0255】
IPU103内のマイクロコンピュータは、本原稿の頁長さQを算出して転写紙長さ検知手段などからの用紙長さPとQから剰り幅(P−Q)を算出し、画像基準位置が用紙中央の場合には先端レジスト量を(P−Q)/2に設定し、画像基準位置が用紙左端の場合には先端レジスト量を操作部99により設定された画像基準位置又は左シフト量に対応した左シフト量Lに設定し、画像基準位置が用紙右端の場合には先端レジスト量を操作部99により設定された画像基準位置又は右シフト量に対応した右シフト量Rと(P−Q)との差(P−Q)−Rに設定する。IPU103内のマイクロコンピュータは、見開き本原稿の端部検出結果に基づいてVFGATEを本原稿の綴じ部の縮みにより6400ラインと算出し、片方の頁をその半分の3200ライン、中央綴じ部位置をVFGATEの範囲の中間と算出する。
【0256】
また、IPU103内のマイクロコンピュータは、画像基準を用紙左端とするモードの場合には見開き左頁画像を、A4サイズ3307ラインの転写紙画像範囲{PFGATE1(L)}に配置し、フレームメモリ104からプリンタへ画像データを左頁の左端部が転写紙の先端に合わせられて転写紙の後端に余白が作られるように送る。この場合の画像配置としては、IPU103内のマイクロコンピュータは、画像ライン数をカウントするカウンタの値から、頁範囲(VFGATE)の半分の3200ライン終了後の画像データを白とする。また、IPU103内のマイクロコンピュータは、見開き右頁画像をA4サイズ3307ラインの転写紙画像範囲{PFGATE1(R)}に配置し、フレームメモリ104からプリンタへ画像データを綴じ部位置が第2の転写紙の先端に合わせられて転写紙の後端に同様に余白が作られるように送る。
【0257】
画像基準を用紙中央とするモードの場合には、IPU103内のマイクロコンピュータは、見開き各頁画像をA4サイズ3307ラインの転写紙画像範囲{PFGATE2(L)、PFGATE2(R)}に配置し、フレームメモリ104からプリンタへ画像データを頁中央が転写紙の中央に合わせられて転写紙の先後端に均一の余白が作られるように送る。この場合の画像配置としては、IPU103内のマイクロコンピュータは、画像ライン数をカウントするカウンタの値から、頁範囲(VFGATE)の半分の3200ラインと転写紙の画像範囲(PFGATE2)の3307ラインとの差分107ラインの半分の53ラインを頁画像前の余白部として設け、フレームメモリ104からプリンタへ画像データを3200ラインの終了地点から余白部が設けられて3307ラインでPFGATE2が終了するように送る。
【0258】
画像基準を用紙右端とするモードの場合には、IPU103内のマイクロコンピュータは、見開き左頁画像をA4サイズ3307ラインの転写紙画像範囲{PFGATE3(L)}に配置し、フレームメモリ104からプリンタへ画像データを頁綴じ部が転写紙の後端に合わせられて転写紙先端に余白が作られるように送る。この場合の画像配置としては、IPU103内のマイクロコンピュータは、画像ライン数をカウントするカウンタの値から、頁範囲(VFGATE)の3200ラインと転写紙の画像範囲{PFGATE3(L)}の3307ラインとの差分107ラインをVFGATEの前に余白部として設け、それ以降にVFGATEの左頁の画像データを読み出す。また、IPU103内のマイクロコンピュータは、見開き右頁画像をA4サイズ3307ラインの転写紙画像範囲{PFGATE3(R)}に配置し、フレームメモリ104からプリンタへ画像データを右頁端部位置が第2の転写紙の後端に合わせられて転写紙の先端に同様に余白が作られるように送る。IPU103内のマイクロコンピュータは、メイン制御痛107からのデータ出力命令により先端部白データをプリンタへ送り、先端レジスト量だけ遅れてフレームメモリ104から画像データを読み出し、これをプリンタへ送った後に後端部白データをプリンタへ出力する。
【0259】
図77の両面・見開き複写モードでは、図75の見開き複写モードと同様に見開き2頁の画像を転写紙の両面に配置する。本装置は転写紙両面に画像を形成するモードにおいて画像基準位置を用紙端部とする場合、転写紙の表裏によりその画像基準位置を形成する。両面複写の転写紙はその用途から、さらに綴じたり、ファイル、製本したりする場合がほとんどである。IPU103内のマイクロコンピュータは、図85に示すようにその転写紙の設定画像基準位置が転写紙の端部(先端または後端)の場合、転写紙の表面と裏面に画像を形成するときの画像基準位置をそれぞれ走査方向の転写紙の後端と先端とに切り換えて転写紙の両面に画像を形成する。画像基準位置を用紙端部とする場合の画像範囲は転写紙の表裏でPFGATE表、PFGATE裏に相当し、IPU103内のマイクロコンピュータは、図75の見開き複写モードでのPFGATE3、PFGATE1の繰り返しにより、フレームメモリ104からプリンタへ画像データを優先的に転写紙の余白が片側(先端または後端)に寄せられて綴じ代部が形成されるように送る。
【0260】
一方、画像基準位置を用紙中央とする場合には、IPU103内のマイクロコンピュータは、図75の見開き複写モードのPFGATE2のようにフレームメモリ104からプリンタへ画像データを転写紙の両面に画像が形成されて転写紙両端に余白部が作られるように送る。
【0261】
図78の両面・独立頁複写モードでは、図76の独立頁複写モードと同様に頁毎に画像を転写紙の両面に配置し、図86はIPU103内のマイクロコンピュータの両面・独立頁複写モード画像基準選択フローを示す。本装置は転写紙の両面に画像を形成するモードにおいて画像基準位置を用紙端部とする場合には、転写紙の表裏毎にその基準を形成する。その設定画像基準位置が転写紙の端部(先端または後端)でオリジナル両面または見開き両面を複写する場合には、IPU103内のマイクロコンピュータは、転写紙の表面と裏面に画像を形成するときの画像基準位置をそれぞれ走査方向の転写紙の後端と先端とに切り換えて転写紙の両面に画像を形成させ、すなわち、フレームメモリ104からプリンタへ画像データを転写紙の余白が片側(先端または後端)に寄せられて優先的に綴じ代部が形成されるように送る。
【0262】
オリジナル両面を複写する場合には、IPU103内のマイクロコンピュータは、転写紙に画像を本原稿と表裏を同じく形成させ、フレームメモリ104からプリンタへ画像データを画像基準位置を頁端部として本原稿の右頁が転写紙の表の画像範囲{PFGATE(R→表)}に、左頁が転写紙の裏の画像範囲{PFGATE(L→裏)}に配置されるように送り、この画像範囲は図76のPFGATE3(R)とPFGATE1(L)に相当する。この転写紙により製本した場合は、本原稿と頁端部からの位置関係が等しい本が得られる。
【0263】
本原稿の見開き2頁を転写紙の表裏に複写する場合には、IPU103内のマイクロコンピュータは、フレームメモリ104からプリンタへ画像データを画像基準位置を頁綴じ部として左頁が転写紙の表の画像範囲{PFGATE(L→表)}、右頁が転写紙の裏の画像範囲{PFGATE(R→裏)}に配置されるように送り、この画像範囲は図101のPFGATE3(L)とPFGATE1(R)に相当する。
【0264】
一方、画像基準位置を用紙中央とする場合には、IPU103内のマイクロコンピュータは、図76の見開き複写モードのPFGATE2のように転写紙の両面に画像を形成して転写紙両端に余白部を作らせる。
【0265】
以上のように、IPU103内のマイクロコンピュータは、画像データを一旦格納したフレームメモリ104の読み出しアドレス操作により転写紙の書き込み位置を制御する。また、全ての複写モードにおいて、プリンタは各PFGATEの立ち上がりをトリガとしてタイマーをカウントし、給紙用レジストクラッチをオンしてPFGATE信号の立ち上がりの画像先端と転写紙の先端を合わせて画像を形成する。
【0266】
本装置によれば、読み取り本原稿画像情報を設定画像基準位置を画像基準位置とする画像情報に変換して転写紙に形成するので、本原稿の画像を転写紙上の所望の位置に形成することができる。また、画像基準位置を読み取り走査方向の転写紙先端に設定した場合には、転写紙上に左詰めで従来のスケール基準の複写機と同様に転写紙上に画像を形成することができ、画像基準位置を転写紙中央に設定した場合には原稿縮み分により転写紙の左右に均一な余白を作ることができ、画像基準位置を転写紙後端に設定した場合には原稿縮み分により転写紙上に右詰めで余白を作って綴じ代とすることができる。
【0267】
また、デフォルトの画像基準位置を転写紙中央とすることにより、転写紙サイズ検知の誤差や画像形成自体のレジスト(位置)ズレが発生した場合に画像の欠落が生ずることを防止することができると共に、転写紙の端部に画像を形成せずにその画像位置ズレ量を目立たなくすることができる。また、見開き本原稿読み取り画像情報を所望の量だけ転写紙の画像基準位置より移動させて転写紙に形成させることにより、本原稿の画像を転写紙上の所望の位置に形成することができ、転写紙に自在に余白を作成してこの余白を綴じ処理や製本処理に用いることができる。
【0268】
また、転写紙画像基準位置の移動量をミリ単位で可変して設定し、見開き本原稿読み取り画像情報をその設定移動量だけ転写紙の画像基準位置より移動させて転写紙に形成することにより、転写紙上の画像形成位置を細かく設定することができ、オペレータにとって転写紙画像基準位置の移動量設定が分かり易くてなって転写紙画像基準位置の移動量をミリ単位で微細に調整することができる。
【0269】
また、見開き本原稿の走査開始方向の頁端部位置を検出し、この検出した頁端部位置と転写紙の搬送方向先端位置を合わせて本原稿の見開き両頁を1枚の転写紙に形成することにより、本原稿の見開き両頁の画像を転写紙上に左詰めで従来のスケール基準の複写機と同様に画像を形成することができる。また、一般に見開き本原稿の頁は定型サイズであってもその綴じ部により画像が縮み、見開き本原稿の頁長さは定型サイズにならない。しかも、本原稿は定型サイズ外のものが多い。そこで、見開き本原稿の走査開始方向と走査終了方向の頁端部位置を検出して見開き本原稿の走査方向長さ情報を得、この見開き本原稿の走査方向長さ情報と転写紙の長さ情報により、本原稿の見開き両頁画像を転写紙の中央に形成することによって、原稿縮み分により転写紙左右に均一な余白ができ、頁サイズ検知の誤差や画像形成自体のレジスト(位置)ズレが発生した場合の画像の欠落を防止できる。
【0270】
また、見開き本原稿の走査終了方向の頁端部位置を検出し、この検出した頁端部位置と前記転写紙の長さ情報により、前記頁端部位置を転写紙の搬送方向後端位置に合わせて1枚の転写紙に形成することにより、転写紙上に右詰めで原稿縮み分による余白ができ、画像形成後の転写紙を左綴じにする場合の綴じ代を作ることができる。
【0271】
また、見開き本原稿の左頁の頁端部位置を第1の転写紙の搬送方向先端位置に合わせ、かつ、見開き本原稿の中央綴じ部位置を第2の転写紙の搬送方向先端位置に合わせて本原稿の見開き両頁画像を2枚の独立の転写紙に形成することにより、本原稿の見開き両頁の画像をそれぞれ独立の転写紙に形成することができ、本原稿の見開き両頁の画像を転写紙上に左詰めで従来のスケール基準の複写機と同様に画像を形成することができる。
【0272】
また、見開き本原稿の左頁及び右頁の頁端部位置と中央綴じ部位置を検出し、この検出した見開き本原稿の左頁及び右頁の頁端部位置と中央綴じ部位置と前記転写紙の長さ情報により、見開き本原稿の走査開始方向の左頁の頁端部位置と中央綴じ部位置を第1の転写紙の両端部に合わせ、かつ、見開き本原稿の中央綴じ部位置と右頁の頁端部位置を第2の転写紙の両端部に合わせて本原稿の見開き両頁画像を2枚の独立の転写紙に形成することによって、原稿縮み分により転写紙左右に均一な余白ができ、頁サイズ検知の誤差や画像形成自体のレジスト(位置)ズレが発生した場合の画像の欠落を防止できる。特に、厚さが30mm以上の本原稿において、頁画像がその綴じ部の湾曲部付近まで達している場合に有効であり、頁画像を転写紙端部によらないようにバランス良く配置することができる。
【0273】
また、見開き本原稿の右頁の頁端部位置と中央綴じ部位置を検出し、この検出した見開き本原稿の右頁の頁端部位置と中央綴じ部位置と前記転写紙の長さ情報により、見開き本原稿の走査開始方向の中央綴じ部位置を第1の転写紙の後端部に合わせ、かつ、見開き本原稿の右頁の頁端部位置を第2の転写紙の搬送方向後端位置に合わせて本原稿の見開き両頁画像を2枚の独立の転写紙に形成することによって、各頁の画像を転写紙上に右詰めで形成することができ、原稿縮み分により転写紙左に余白ができて画像形成後の転写紙を左綴じにする場合や製本する場合の綴じ代を作ることができる。
【0274】
また、見開き本原稿の左頁及び右頁の頁端部位置を検出し、この検出した見開き本原稿の左頁及び右頁の頁端部位置と前記転写紙の長さ情報により、見開き本原稿の左頁の頁端部位置を第1の転写紙の搬送方向先端部位置に合わせ、かつ、見開き本原稿の右頁の頁端部位置を第2の転写紙の搬送方向後端位置に合わせて本原稿の見開き両頁画像を2枚の独立の転写紙に形成することによって、本原稿の頁端部が同じ画像形成物が得られ、本原稿の綴じ部の開き具合によらずに画像を各転写紙に対称に配置することができて画像の左右寄りが起こらない。
【0275】
また、見開き本原稿の中央綴じ部位置を検出し、この検出した見開き本原稿の中央綴じ部位置により、見開き本原稿の中央綴じ部位置を第1の転写紙の搬送方向後端部位置と第2の転写紙の搬送方向先端位置に合わせて本原稿の見開き両頁画像を2枚の独立の転写紙に形成することによって、本原稿の綴じ部基準で画像を転写紙に形成することができ、本原稿の見開き両頁にわたる画像形成に適して画像形成後の転写紙を並べた場合に両頁の画像が連続になる。
【0276】
また、走査方向の本原稿の頁長さと転写紙長さから、転写紙表面の画像基準位置を読み取り走査方向の転写紙後端とするとともに、転写紙裏面の画像基準位置を読み取り走査方向の転写紙先端とすることにより、転写紙表裏の画像を片方に寄せて頁画像縮み分により転写紙に綴じ代を作ることができる。また、本原稿の見開き右頁の頁右端部を転写紙の後端位置に合わせて本原稿の見開き右頁の画像情報を転写紙の表面に形成し、本原稿の見開き左頁の頁左端部を転写紙の先端位置に合わせて本原稿の見開き左頁の画像情報を転写紙の裏面に形成することにより、見開き原稿の1枚の表裏と同じ転写紙表裏の画像を得ることができ、その転写紙表裏の画像を頁両端部基準で原稿と同一位置に形成することができて原稿縮み分をそのまま転写紙の余白部とすることができ、その転写紙は綴じるのに適する。
【0277】
また、本原稿の中央綴じ部を転写紙の後端位置に合わせて本原稿の見開き左頁の画像情報を転写紙の表面に形成し、本原稿の中央綴じ部を転写紙の先端位置に合わせて本原稿の見開き右頁の画像情報を転写紙の裏面に形成することにより、本原稿の見開き頁を表裏とする転写紙両面の画像を得ることができ、本原稿の綴じ部基準で綴じ代を大きくとることができる。
【0278】
また、画像基準位置を読み取り走査方向の転写紙先端、転写紙中央、転写紙後端のいずれかに選択的に設定し、本原稿の読み取り本原稿画像情報をその設定した画像基準位置を画像基準位置とする画像情報に変換して転写紙の表裏に形成し、画像基準位置が読み取り走査方向の転写紙端部に設定された場合には転写紙の表面と裏面にそれぞれ画像を形成する時の各画像基準位置を転写紙後端と転写紙先端にそれぞれ切り換えることによって、オペレータの操作を惑わすこと無く転写紙の表裏の綴じ代位置を自動的に振り分けることができ、製本に適する。
【0279】
また、画像基準位置を読み取り走査方向の転写紙先端、転写紙中央、転写紙後端のいずれかに選択的に設定し、本原稿の読み取り本原稿画像情報をその設定した画像基準位置を画像基準位置とする画像情報に変換して転写紙に形成し、両面複写モード指定時には画像基準位置を転写紙端部とすることによって、両面複写モード指定時に標準的に綴じ代用の余白部を作ることができる。
【0280】
なお、本装置は、比較的比率の高い横書きで左めくり(左表紙)の本原稿を対象として表記しているが、縦書きで右めくりの本原稿もある。その場合、本装置を左右対称に配置すれば良く、右左頁が上記説明とは逆になる。従って、各請求項の発明には上記システムの左右の頁および端部等が違うものも含まれる。
【0281】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、本原稿を見開いて載置する原稿台と、この原稿台に見開いて載置された本原稿上を移動し該本原稿の原稿情報を読み取る読み取り手段と、上記本原稿上を上記読み取り手段と平行に移動し該本原稿の頁を1頁ずつ頁収納部に挿入し排出しながらめくる頁めくり手段とを有する本原稿読み取り装置において、上記頁めくり手段によりめくられた頁の端部の上記頁収納部への挿入を検知し、その検知情報から上記頁めくり手段の移動方向における上記本原稿の最上位頁の端部の位置を検出する検出手段と、上記検出手段により検出された上記位置に基づいて上記本原稿の最上位頁の有効画像領域を決定する制御手段とを有するので、本原稿の頁端部位置を正確かつ確実に検知して本原稿の最上位頁の有効画像領域を正確かつ確実に制御正確かつ確実に検出することができる。
【0282】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の本原稿読み取り装置において、上記検出手段は、上記頁めくり手段によりめくられた頁の端部の上記頁収納部への挿入開始及び排出終了を検知し、その検知情報から上記頁めくり手段の移動方向における上記本原稿の最上位頁の頁めくり開始側端部及び頁めくり終了側端部の位置を検出し、上記制御手段は上記検出手段により検出された上記位置に基づいて上記本原稿の最上位頁の有効画像領域を決定するので、本原稿の頁端部位置を正確かつ確実に検知して本原稿の最上位頁の有効画像領域を正確かつ確実に検出することができる。
【0285】
請求項3記載の発明によれば、本原稿を見開いて載置する原稿台と、この原稿台に見開いて載置された本原稿上を移動し該本原稿の原稿情報を読み取る読み取り手段と、上記本原稿上を上記読み取り手段と平行に移動し該本原稿の頁を1頁ずつ頁収納部に挿入し排出しながらめくる頁めくり手段とを有する本原稿読み取り装置において、上記頁めくり手段によりめくられた頁の端部の上記頁収納部への挿入を検知し、その検知情報から、上記頁めくり手段の移動方向における上記本原稿の最上位頁の端部の位置を検出する検出手段と、上記検出手段により検出された上記位置に基づいて上記頁めくり手段による上記頁のめくり動作の開始を制御する制御手段とを有するので、本原稿の頁端部位置を正確かつ確実に検知して頁めくり手段による頁のめくり動作の開始を正確かつ確実に検出することができる。
【0286】
請求項記載の発明によれば、請求項1または2記載の本原稿読み取り装置と、上記読み取り手段により読み取った上記原稿情報から、上記本原稿の画像情報を転写紙に形成する画像形成手段とを備えたので、本原稿の画像を転写紙上の所望の位置に正確かつ確実に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したシステムの一例のデータ処理ブロックを示すブロック図である。
【図2】同システムのTPSにおける読み取り画像データ処理フローを示すフローチャートである。
【図3】同TPSにおける読み取り画像データ増幅回路を示す回路図である。
【図4】同TPSにおける走査ユニットの頁めくりにより変位する本原稿左端部の遷移を示す図である。
【図5】本原稿綴じ部が移動した場合の同TPSにおける走査ユニットの頁めくりにより変位する本原稿左端部の遷移を示す図である。
【図6】本原稿綴じ部が薄い場合の同TPSにおける走査ユニットの頁めくりにより変位する本原稿左端部の遷移を示す図である。
【図7】上記走査ユニットの本原稿端部の読み取りデータを示す波形図である。
【図8】上記本原稿端部の部分拡大側面図である。
【図9】上記TPSにおける見開き出力・1to1複写モード1回目走査時の本原稿モード動作のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図10】同TPSにおける見開き出力・1to1複写モード連続走査時の本原稿モード動作のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図11】同TPSにおける独立頁出力・1to1複写モード時の本原稿モード動作のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図12】同TPSにおける独立頁出力・2枚複写モード時の本原稿モード動作のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図13】同TPSにおける本原稿両面モード動作のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図14】同TPSにおける1to1高速両面モード時の本原稿モード動作のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図15】上記システムの回路構成を示すブロック図である。
【図16】上記TPSにおける原稿台ユニットの概略を示す側面図である。
【図17】同TPSにおける本原稿載置台の概略を示す平面図である。
【図18】上記原稿台ユニットにおける左右の原稿台の位置を本原稿サイズに応じて位置決めするサイズストッパの概略を示す斜視図である。
【図19】上記サイズストッパの概略を示す平面図である。
【図20】上記TPSの原稿台ユニットに対してスキャナユニットを開閉するためのユニット開閉ロック機構の概略を示す斜視図である。
【図21】上記ユニット開閉ロック機構の概略を示す側面図である。
【図22】上記原稿台ユニットにおける原稿台加圧固定切り換え装置を示す斜視図である。
【図23】上記原稿台加圧固定切り換え装置の概略を示す断面図である。
【図24】上記原稿台加圧固定切り換え装置の一構成部を示す斜視図である。
【図25】上記原稿台加圧固定切り換え装置の駆動部の概略を示す斜視図である。
【図26】上記原稿台加圧固定切り換え装置の概略を示す平面図である。
【図27】上記TPSにおける装置本体の全体的な構成を示す概略断面図である。
【図28】上記TPSにおける原稿台の下方待避動作時の概略を示す側面図である。
【図29】上記TPSにおける原稿台の下方待避動作時のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図30】上記原稿台の加圧・固定動作モード時における走査ユニットのホームポジションでの遷移を示す図である。
【図31】上記原稿台の加圧・固定動作モード時における走査ユニットの画像読み取り開始位置での遷移を示す図である。
【図32】上記原稿台の加圧・固定動作モード時における走査ユニットの本原稿中心ポイントでの遷移を示す図である。
【図33】上記原稿台の加圧・固定動作モード時における走査ユニットの本原稿右頁の画像読み取り中または右頁めくり上げ中の遷移を示す図である。
【図34】上記原稿台の加圧・固定動作モード時における走査ユニットの画像読み取り完了位置または頁めくり開始位置での遷移を示す図である。
【図35】上記原稿台の加圧・固定動作モード時におけるスキャナモータ及び左右の原稿台昇降モータの動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【図36】上記スキャナユニットにおける走査ユニットの駆動機構を示す概略平面図である。
【図37】上記スキャナユニットにおける走査ユニットの概略を示す断面図である。
【図38】上記走査ユニットのシート巻き取りローラの構造を示す概略断面図である。
【図39】上記スキャナユニットにおける走査ユニットのシート巻き取りローラ及びめくりローラの駆動機構を示す概略側面図である。
【図40】上記走査ユニットにおける画像読み取り部の原稿押えローラとプラテンガラスとの位置関係を示す概略断面図である。
【図41】上記走査ユニットにおける画像読み取り部のプラテンガラスとガラスホルダとの位置関係を示す概略断面図である。
【図42】上記走査ユニットにおける走査光学系の光路を本原稿走査側からシート物原稿走査側に切り替えるための切り換えミラーの駆動手段及び光路調整手段の概略を示す側面図である。
【図43】上記切り換えミラーを駆動して上記走査ユニットにおける走査光学系の光路を本原稿走査側からシート物原稿走査側に切り替えた状態における走査ユニットの概略を示す断面図である。
【図44】上記切り換えミラーの他の駆動手段を示す走査ユニットの概略を示す断面図である。
【図45】上記TPSにおける上記走査ユニットの頁めくり上げ動作を示す走査ユニットの要部の概略を示す断面図である。
【図46】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時における走査ユニットの左頁画像読み取り位置での遷移を示す図である。
【図47】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時における走査ユニットの右頁画像読み取り完了位置での遷移を示す図である。
【図48】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時における走査ユニットの右頁めくり上げ開始位置での遷移を示す図である。
【図49】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時における走査ユニットの右頁めくり上げ途中の遷移を示す図である。
【図50】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時における走査ユニットの右頁めくり上げ終了位置での遷移を示す図である。
【図51】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時における走査ユニットの右頁排出途中の遷移を示す図である。
【図52】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時における走査ユニットの右頁画像読み取り完了位置での画像読み取り部とめくりベルトへの帯電タイミングの説明図である。
【図53】上記スキャナユニットに対する上記走査ユニットの支持構造を示す概略側面図である。
【図54】上記スキャナユニットに対する上記走査ユニットの支持機構の走査レールと押えコロとの関係を示す概略側面図である。
【図55】上記走査ユニットにおけるめくりベルトと頁送りローラとの位置関係を説明するための概略斜視図である。
【図56】上記走査ユニットのめくりベルトに対する頁送りローラの当接状態を示す概略側面図である。
【図57】上記走査ユニットにおけるめくりベルトの動作に連動して上記頁送りローラを駆動させるトグルジョイント装置により上記めくりベルトから上記頁送りローラを待避させた状態を示す概略側面図である。
【図58】上記トグルジョイント装置により上記めくりベルトに対して上記頁送りローラを当接させた状態を示す概略側面図である。
【図59】上記TPSにおける読み取りセンサの本原稿に対する読み取りデータを示す図である。
【図60】上記TPSの本原稿副走査方向端部画像検知回路を示すブロック図である。
【図61】上記TPSの本原稿主走査方向端部画像検知回路を示すブロック図である。
【図62】上記TPSの本原稿セット例を示す平面図である。
【図63】上記TPSの本原稿頁収納検知部を示す側面図である。
【図64】上記TPSの本原稿セット状態の一部を示す平面図である。
【図65】上記読み取りセンサの本原稿に対する読み取りデータを示す図である。
【図66】上記読み取りセンサの本原稿に対する読み取りデータを示す図である。
【図67】上記システムにおける操作部の一部を示す平面図である。
【図68】上記システムにおける操作部の他の一部を示す平面図である。
【図69】上記システムの読み取り見開き本原稿の頁画像範囲を示す図である。
【図70】上記システムの本原稿画像基準モードにおける頁画像配置を示す図である。
【図71】上記システムの本原稿画像基準モードにおける他の頁画像配置を示す図である。
【図72】上記システムの本原稿画像基準モードにおける他の頁画像配置を示す図である。
【図73】上記システムの本原稿画像基準モードにおける他の頁画像配置を示す図である。
【図74】上記システムの本原稿複写モードの複写動作タイミングを示すタイムチャートである。
【図75】上記システムの本原稿画像の読み取り副走査方向範囲とその配置方法を説明するためのタイムチャートである。
【図76】上記システムの本原稿画像の読み取り副走査方向範囲とその配置方法を説明するためのタイムチャートである。
【図77】上記システムの本原稿画像の読み取り副走査方向範囲とその配置方法を説明するためのタイムチャートである。
【図78】上記システムの本原稿画像の読み取り副走査方向範囲とその配置方法を説明するためのタイムチャートである。
【図79】上記システムの画像形成部を示す断面図出ある。
【図80】上記システムの読み取り走査フローを示すフローチャートである。
【図81】上記システムのプリント動作フローの一部を示すフローチャートである。
【図82】同プリント動作フローの他の一部を示すフローチャートである。
【図83】上記システムの画像基準選択フローを示すフローチャートである。
【図84】上記システムの画像基準モードフローを示すフローチャートである。
【図85】上記システムの両面時画像形成時基準選択フローを示すフローチャートである。
【図86】上記システムの他の両面時画像形成時基準選択フローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
101 読み取りセンサ
102 VPU
103 IPU
104 フレームメモリ
200 走査ユニット
208 めくりベルト
401,413 カウンタ
402,408 データラッチ回路
403,409 デジタルコンパレータ
404,405,410,411 Dフリップフロップ
406,412 アンド回路
407 FILO回路
414 オア回路

Claims (4)

  1. 本原稿を見開いて載置する原稿台と、
    この原稿台に見開いて載置された本原稿上を移動し該本原稿の原稿情報を読み取る読み取り手段と、
    上記本原稿上を上記読み取り手段と平行に移動し該本原稿の頁を1頁ずつ頁収納部に挿入し排出しながらめくる頁めくり手段とを有する本原稿読み取り装置において、
    上記頁めくり手段によりめくられた頁の端部の上記頁収納部への挿入を検知し、その検知情報から上記頁めくり手段の移動方向における上記本原稿の最上位頁の端部の位置を検出する検出手段と、
    上記検出手段により検出された上記位置に基づいて上記本原稿の最上位頁の有効画像領域を決定する制御手段とを有することを特徴とする本原稿読み取り装置。
  2. 請求項1記載の本原稿読み取り装置において、上記検出手段は、上記頁めくり手段によりめくられた頁の端部の上記頁収納部への挿入開始及び排出終了を検知し、その検知情報から上記頁めくり手段の移動方向における上記本原稿の最上位頁の頁めくり開始側端部及び頁めくり終了側端部の位置を検出し、上記制御手段は上記検出手段により検出された上記位置に基づいて上記本原稿の最上位頁の有効画像領域を決定することを特徴とする本原稿読み取り装置。
  3. 本原稿を見開いて載置する原稿台と、
    この原稿台に見開いて載置された本原稿上を移動し該本原稿の原稿情報を読み取る読み取り手段と、
    上記本原稿上を上記読み取り手段と平行に移動し該本原稿の頁を1頁ずつ頁収納部に挿入し排出しながらめくる頁めくり手段とを有する本原稿読み取り装置において、
    上記頁めくり手段によりめくられた頁の端部の上記頁収納部への挿入を検知し、その検知情報から、上記頁めくり手段の移動方向における上記本原稿の最上位頁の端部の位置を検出する検出手段と、
    上記検出手段により検出された上記位置に基づいて上記頁めくり手段による上記頁のめくり動作の開始を制御する制御手段とを有することを特徴とする本原稿読み取り装置。
  4. 請求項1または2記載の本原稿読み取り装置と、
    上記読み取り手段により読み取った上記原稿情報から、上記本原稿の画像情報を転写紙に形成する画像形成手段とを備えたことを特徴とする本原稿画像形成装置。
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