JP3616414B2 - 本原稿画像処理装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は本原稿の画像読み取り、もしくは、本原稿の画像読み取り及び画像形成を行う本原稿画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、本原稿画像読み取り装置、もしくは本原稿画像形成装置には、本原稿の画像読み取りを行わずに本原稿の頁めくりのみを連続的に行うものはなく、本原稿の画像形成の頁や、非画像形成の頁、又はこれらの組み合わせからなる複数の頁群の指定や画像形成飛ばし頁の指定を行うものはない。
【0003】
また、見開き本原稿の画像を読み取る読み取り手段と、本原稿の頁をめくる頁めくり手段とを有する本原稿画像読み取り装置もしくは本原稿画像形成装置においては、一冊の本原稿内で、章や頁の構成により、複数頁群の画像読み取りもしくは画像形成を行ったり、画像読み取りもしくは画像形成を行うべき頁が飛んでいたりする場合がある。従来、本原稿画像形成装置においては、本原稿の画像形成を行う頁群毎に頁数を指定しており、最初の頁群の画像形成が終了すると、本原稿を取り出して次の2番目の頁群の画像形成開始頁を見開いて再セットし、2番目の頁群の頁数を指定して動作を開始させている。このように本原稿の複数頁群の画像形成を行う場合には頁群の画像形成開始頁を見開いてセットすること、及び、頁群の頁数を指定して動作を開始させることを各頁群毎にその画像形成動作前に行うことで、本原稿における各頁群の間の頁の画像を読み飛ばすマニュアル頁飛ばし方式が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記マニュアル頁飛ばし方式では、本原稿の複数頁群の画像形成を行う場合には頁群の画像形成開始頁を見開いてセットすること、及び、頁群の頁数を指定して動作を開始させることを各頁群毎にその画像形成動作前に行うので、本原稿の画像形成を行う頁群が多い場合には頁指定等に時間がかかり、操作が複雑である。そこで、本原稿画像形成装置において、本原稿の複数頁群の画像形成を行う場合に操作部で指定された各頁群の間の頁を自動的に頁めくり手段によりめくって各頁群の間の頁の画像を読み飛ばすようにすることが考えられる。
【0005】
しかし、このような本原稿画像形成装置では、頁めくり手段による頁めくりに時間が必要であるので、本原稿の多数の頁を頁めくり手段で読み飛ばす場合はかえって本原稿の頁をマニュアル頁飛ばし方式で読み飛ばす場合よりトータルの時間がかかって処理速度が低下し、本原稿が破損することがある。すなわち、本原稿の画像を出力しない頁範囲をめくる処理では、例えば本原稿の頁を頁めくり手段で読み飛ばす場合には1サイクルで約15秒を要するのに対して、マニュアル操作による本原稿の見開きセットと頁数の再セットには数十秒かかり、本原稿の多数の頁を頁めくり手段で読み飛ばす場合はかえって本原稿の頁をマニュアル頁飛ばし方式で読み飛ばす場合よりトータルの時間がかかって処理速度が低下し、本原稿が破損することがある。さらに、ユーザによって本原稿の種類が異なって本原稿の画像形成を行うべき頁群や頁範囲にばらつきがあり、破損し易い本原稿を多く使用する場合もあり、本原稿が破損する確率が高い場合がある。
【0006】
本発明は、処理時間を低減できて本原稿の破損を防止できる本原稿画像処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、見開き本原稿の画像を読み取る読み取り手段と、本原稿の頁をめくる頁めくり手段と、本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を開始すべき開始頁と画像読み取りもしくは画像形成を終了すべき終了頁とを指定することで本原稿の画像読み取りもしくは画像形成をすべき第1の頁範囲を指定し、または本原稿の見開き左右頁のうちの指定された一方の頁から画像読み取りもしくは画像形成をすべき頁数を指定することで本原稿の画像読み取りもしくは画像形成をすべき第1の頁範囲を指定する頁指定手段と、本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を開始すべき開始頁と画像読み取りもしくは画像形成を終了すべき終了頁とを指定することで前記第1の頁範囲に追加して本原稿の画像読み取りもしくは画像形成をすべき他の頁範囲を指定し、または前記第1の頁範囲内の画像読み取りもしくは画像形成をしない頁範囲の最初の頁及び最後の頁を指定することで前記第1の頁範囲内の画像読み取りもしくは画像形成をしない頁範囲を指定する頁範囲指定手段とを有する本原稿画像処理装置において、前記頁指定手段及び前記頁範囲指定手段により指定された本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を行う各頁範囲の間の画像読み取りもしくは画像形成を行わない頁数を演算する演算手段と、この演算手段で演算した画像読み取りもしくは画像形成を行わない頁数を所定の頁数以下に規制する規制手段とを備えたものである。
【0008】
請求項2記載の発明は、見開き本原稿の画像を読み取る読み取り手段と、本原稿の頁をめくる頁めくり手段と、本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を開始すべき開始頁と画像読み取りもしくは画像形成を終了すべき終了頁とを指定することで本原稿の画像読み取りもしくは画像形成をすべき第1の頁範囲を指定し、または本原稿の見開き左右頁のうちの指定された一方の頁から画像読み取りもしくは画像形成をすべき頁数を指定することで本原稿の画像読み取りもしくは画像形成をすべき第1の頁範囲を指定する頁指定手段と、本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を開始すべき開始頁と画像読み取りもしくは画像形成を終了すべき終了頁とを指定することで前記第1の頁範囲に追加して本原稿の画像読み取りもしくは画像形成をすべき他の頁範囲を指定し、または前記第1の頁範囲内の画像読み取りもしくは画像形成をしない頁範囲の最初の頁及び最後の頁を指定することで前記第1の頁範囲内の画像読み取りもしくは画像形成をしない頁範囲を指定する頁範囲指定手段とを有する本原稿画像処理装置において、前記頁指定手段及び前記頁範囲指定手段により指定された本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を行う各頁範囲の間の画像読み取りもしくは画像形成を行わない頁数の上限を設定し可変する上限手段を備えたものである。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の本原稿画像処理装置において、前記上限手段は前記頁指定手段及び前記頁範囲指定手段により指定された本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を行う各頁範囲の間の画像読み取りもしくは画像形成を行わない頁数の上限を10頁以上の範囲で設定し可変するものである。
【0013】
【作用】
請求項1記載の発明では、見開き本原稿の画像が読み取り手段により読み取られ、本原稿の頁が頁めくり手段によりめくられる。頁指定手段は本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を開始すべき開始頁と画像読み取りもしくは画像形成を終了すべき終了頁とを指定することで本原稿の画像読み取りもしくは画像形成をすべき第1の頁範囲を指定し、または本原稿の見開き左右頁のうちの指定された一方の頁から画像読み取りもしくは画像形成をすべき頁数を指定することで本原稿の画像読み取りもしくは画像形成をすべき第1の頁範囲を指定する。頁範囲指定手段は、本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を開始すべき開始頁と画像読み取りもしくは画像形成を終了すべき終了頁とを指定することで前記第1の頁範囲に追加して本原稿の画像読み取りもしくは画像形成をすべき他の頁範囲を指定し、または前記第1の頁範囲内の画像読み取りもしくは画像形成をしない頁範囲の最初の頁及び最後の頁を指定することで前記第1の頁範囲内の画像読み取りもしくは画像形成をしない頁範囲を指定する。頁指定手段及び頁範囲指定手段により指定された本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を行う各頁範囲の間の画像読み取りもしくは画像形成を行わない頁数が演算手段により演算され、この演算手段で演算した画像読み取りもしくは画像形成を行わない頁数が規制手段により所定の頁数以下に規制される。
【0014】
請求項2記載の発明では、見開き本原稿の画像が読み取り手段により読み取られ、本原稿の頁が頁めくり手段によりめくられる。頁指定手段は本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を開始すべき開始頁と画像読み取りもしくは画像形成を終了すべき終了頁とを指定することで本原稿の画像読み取りもしくは画像形成をすべき第1の頁範囲を指定し、または本原稿の見開き左右頁のうちの指定された一方の頁から画像読み取りもしくは画像形成をすべき頁数を指定することで本原稿の画像読み取りもしくは画像形成をすべき第1の頁範囲を指定する。頁範囲指定手段は、本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を開始すべき開始頁と画像読み取りもしくは画像形成を終了すべき終了頁とを指定することで前記第1の頁範囲に追加して本原稿の画像読み取りもしくは画像形成をすべき他の頁範囲を指定し、または前記第1の頁範囲内の画像読み取りもしくは画像形成をしない頁範囲の最初の頁及び最後の頁を指定することで前記第1の頁範囲内の画像読み取りもしくは画像形成をしない頁範囲を指定する。頁指定手段及び頁範囲指定手段により指定された本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を行う各頁範囲の間の画像読み取りもしくは画像形成を行わない頁数の上限が上限手段により設定され可変される。
【0015】
請求項3記載の発明では、請求項2記載の本原稿画像処理装置において、頁指定手段及び頁範囲指定手段により指定された本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を行う各頁範囲の間の画像読み取りもしくは画像形成を行わない頁数の上限が上限手段により10頁以上の範囲で設定され可変される。
【0016】
【実施例】
図1は請求項1〜3記載の発明を適用した本原稿画像形成装置の一実施例を示す。この本原稿画像形成装置は、本原稿・シート原稿画像読み取り装置(TPS:Turn the Page Scanner)の読み取り画像を電子写真方式のプリンタで出力する装置であって、原稿画像を読み取るスキャナ部500と、画像を形成するプリンタ501とを有し、スキャナ部500は原稿を走査してその画像を読み取るとともに頁めくりを行う走査ユニット200を有する。
【0017】
この走査ユニット200は、原稿画像を読み取るCCD(電荷結合素子)を有する画像読み取り板(SBC)101と、この画像読み取り板101からのアナログ画像信号の処理からA/D変換までを行うVPU(Video Processing Unit)102と、原稿を照明する蛍光灯及びそのインバータ電源、ヒータ、サーミスタ、ファン、ソレノイド等の走査ユニット200内の負荷系の信号線と電源ラインの配線を中継するキャリッジ502とを有する。このキャリッジ502とVPU102はそれぞれ独立のフレキシブルケーブルでIPU(Image Processnig Unit;画像処理装置)103と接続されている。
【0018】
IPU103は、コネクタにより着脱可能で、読み取り画像信号を記憶するためのDRAMモジュールからなるフレームメリ104を備え、IPU103内のマイクロコンピュータは走査ユニット200を走査するためのステッピングモータや原稿台駆動用DCモータ等の負荷をモータ駆動回路503を介して制御すると共にセンサを駆動する。
【0019】
プリンタ501は、複写のモード制御、操作部99のキー信号取り込み及び表示制御を行うメイン制御部(システム制御部)と、複写タイミング制御を行うシーケンス制御部とからなるメイン制御板107を有し、メイン制御部とIPU103、シーケンス制御部、操作部99の各マイクロコンピュータは互いにシリアル通信でコマンドの送受信を行う。メイン制御板107はプリンタ501の作像に係わるセンサ類の入力、モータ,ソレノイド,クラッチ等の制御を行って画像形成のシーケンス制御を行う。
【0020】
図2は、この装置のデータ処理フローブロックを示す。この装置は、TPSの画像読み取り部と、画像データ処理部と、画像形成部とに大きく分けられる。TPSの走査りユニット右端部に配置した画像読み取り板101はCCDを備えている。VPU102は、IPU103からの基準信号に基づきCCDに駆動信号を供給し、画像読み取り板(読み取りセンサ)101からのアナログ画像信号の補正からデジタル変換までを行って各ドット8ビットの読み取り画像データを得る。
【0021】
そして、VPU102は、その各ドット8ビットの読み取り画像データをクロック及び主走査方向のゲート信号に同期させて約7.5MHzの速度でIPU103に出力し、IPU103はVPU102からの画像データの変倍等の加工処理や電子写真の高画質処理を行う。IPU103は、画像データの最終処理では画像データのγ補正を含む階調処理を行い、画像データを書き込みに適した各ドット4ビットのビデオデータに変換してその処理後の画像データをフレームメモリ104に蓄積する。
【0022】
この装置では、本原稿の読み取り速度90mm/sec.、シート原稿の読み取り走査速度90mm/sec.、プリンタ501の作像速度180mm/sec.というように、その読み取り走査速度と作像速度とに差があり、その速度バッファ用にA3サイズ1頁分のフレームメモリ104を用いている。また、フレームメモリ104は、TPSが本原稿に接触して走査してその読み取りを行うために、リピートコピー時には画像データが複数回繰り返して読み出されることにより、リピートコピー時の原稿保護に対して有効である。さらに、本装置では、本原稿の見開き左右頁の画像を独立にプリントする頁連写時には1回の走査読み取りでフレームメモリ104を用いて左右頁の画像を分割して出力することができるため、TPSはレーザプリンタ501の画像書き込みとの同期走査や再度の助走がいらない。
【0023】
更に、IPU103の速度対応性により各ドット4ビット構成のフレームメモリ104をIPU103より後段に配置し、IPU103による画像処理後の画像データをフレームメモリ104に格納することにより、各ドット8ビットの読み取り画像データに対してフレームメモリ104の容量を半分にしている。フレームメモリ104の容量は400dpiの画像データでA3サイズ1頁分の128Mbitである。IPU103からフレームメモリ104への画像データ入力は、画像データの2ドット分をパラレルに行い、かつ、約3.8MHzの速度で順次に行う。一方、フレームメモリ104内の画像データは、同じく画像データの2ドット分がパラレルで出力され、約7.5MHzの速度でIPU103から送られるクロック及び主走査方向、副走査方向のゲート信号に同期してメイン制御板107に順次に出力される。
【0024】
メイン制御板107は、フレームメモリ104からレーザプリンタ501の画像形成速度に合わせて高速に出力された画像データを約15MHzのシリアル画像データとし、FIFO(First In First Out)メモリで更に主走査方向に高速化し、約18MHzの書き込みクロックに同期させる。この各ドット4ビットの画像データは、変調部でパルス幅変調されて発光時間データとなり、レーザ(LD)コントローラにPWMデータとして書き込みクロックに同期して送信される。LDコントローラは、そのPWMデータによりLDドライバを介して電子写真方式レーザプリンタ501のLD105を発光させて感光体を露光走査して作像する。
【0025】
IPU103は、TPSの走査ユニット200の走査制御も行い、シート原稿画像読み取り時および本原稿画像読み取り時には走査ユニット200を走査するためのステッピングモータからなるスキャナモータ106を駆動して走査ユニット200を走査速度90mm/sec.で等速で走査し、67%から141%までのズームを含む変倍時にはその1.41倍から0.67倍の線速で走査ユニット200を走査する。
【0026】
また、スキャナモータ106は、走査ユニット200を走査開始位置に戻すリターン時及び本原稿頁めくり時には120mm/sec.の速度で走査ユニット200を走査する。また、IPU103は読み取り画像データを他のシステム機器、例えばプリンタやワークステーションに転送するための汎用SCSIインターフェース98を備え、メイン制御板107は操作部99からのキー信号の取り込み及び操作部99への信号の出力を行う。
【0027】
IPU103内に配置された本原稿端部画像検出回路は、IPU103における主走査方向の画像変倍処理前の画素データをサンプリングしてその画素データから本原稿の端部を検出する。本原稿端部画像検出回路は、本原稿の端部検出の開始、終了がIPU103内のマイクロコンピュータにより指示される。IPU103内のマイクロコンピュータは、走査ユニット200の走査位置により本原稿端部画像検出回路の副走査方向の本原稿端部検出を管理し、主走査方向の画素カウンタを参照して本原稿端部画像検出回路の主走査方向の本原稿端部検出を管理する。そして、IPU103内のマイクロコンピュータは、本原稿端部画像検出回路により検出された本原稿の端部位置より本原稿の頁吸着位置、主走査方向画像範囲を算出する。
【0028】
図3は、TPSの全体構成を示す。このTPSは、その装置本体の上部にコンタクトガラスからなる原稿載置台206及びスケール207が配置されており、このコンタクトガラス206上にはシート原稿が載置されてその上に図示しない圧板が被せられる。このコンタクトガラス206上の原稿は走査ユニット200で走査されて画像が読み取られる。このTPSの装置本体の上半分はスキャナユニット30になっており、走査ユニット200はスキャナユニット30の内部で図3において左右方向に走行して原稿の走査を行う。
【0029】
図4は、本装置における走査ユニット200の頁めくり部を示す。本装置におけるめくりベルト208は、材質がPET、PC、PVCなどからなり、表面抵抗1014Ω以上の高抵抗フィルムからなる表面層と表面抵抗108Ω以下の低抵抗フィルムからなる裏面層との二重構造の樹脂フィルムで構成されている。また、めくりベルト駆動ローラ223は、表面に導電性ゴムを被覆した金属ローラで構成されて接地されおり、確実なめくりベルト208の駆動と接地を実現している。めくりベルト208はめくりベルト駆動ローラ223とめくりローラ224に張架されてめくりベルト駆動ローラ223により回転駆動される。
【0030】
更に、帯電ローラ225は金属ローラまたは金属ローラの表面に導電性ゴムを被覆したローラで構成され、この帯電ローラ225には切り換えスイッチ253aを介して交流電源253から所定のタイミングで±2〜4kVの高電圧が印加される。交流電源253はパルス発生器253bからのパルスにより制御される。走査ユニット200が走行してめくりベルト208が駆動されながら後述するタイミングで切り換えスイッチ253aがオンして帯電ローラ225に高圧電源253によりパルス発生器253bの周波数に合った±2〜4kVの交流高電圧がかけられると、帯電ローラ225によりめくりベルト208の表面上に交番電界が生じ、この交番電界の作用によりめくりベルト208の表面に本原稿BOの最上位頁254を吸着させる吸着力が発生する。高圧電源253は走査ユニット200の中に配置されている。
【0031】
本原稿の読み取り走査が開始される時には、スキャナユニット30の左端の端部ホームポジションにいた走査ユニット200が図5において右方向に走行を始める。この時、めくりベルト208と頁送りローラ250は図4の実線で示す位置に図示しないソレノイドで移動させられる。そして、この走査ユニット200のプラテンガラス206下側の本原稿読み取り位置が本原稿BOの左頁にかかると、図5に示すように、走査ユニット200が本原稿BOの読み取り動作を始めて本原稿BOの原稿面を左頁から右頁へと読み取っていく。ここで、走査ユニット200の本原稿読み取り開始位置は、本原稿BOの大きさ(サイズ)によって変わる。
【0032】
このようにして走査ユニット200が本原稿BOの左頁から右頁へと原稿面を読み取っていく。図5に示すような走査ユニット200の画像読み取り動作中は、めくりベルト208と頁送りローラ250とが図4の実線で示す位置に保持されている。そして、走査ユニット200が本原稿の見開き右頁の端まで読み終えると、図6に示すように走査ユニット200の原稿走査方向が逆転される。
【0033】
このようにして走査ユニット200が本原稿BOの左頁から右頁へと原稿面を読み取っていく。図5に示すような走査ユニット200の画像読み取り動作中は、めくりベルト208と頁送りローラ250とが図4の実線で示す位置に保持されている。そして、走査ユニット200が本原稿の見開き右頁の端まで読み終えると、図6に示すように走査ユニット200の原稿走査方向が逆転される。
【0034】
この時、図6に示すようにめくりベルト208と頁送りローラ250が図4の破線で示す位置に図示しないソレノイドで移動させられる。また、これと略同時に切り換えスイッチ253aがオンしてパルス発生器253bと高圧電源253とにより切り換えスイッチ253aを介して帯電ローラ225に所定周波数の交流高電圧がかけられ、めくりベルト208の表面上に電荷パターンが形成される。
【0035】
本原稿BOの頁めくりを始めるときには、めくりベルト208と頁送りローラ250とが図4の破線で示す位置にあり、頁めくり動作に先行してめくりベルト208の表面上に形成された帯電パターン部が本原稿BOの最上位頁254の上に重なる。そして、最上位頁254の先端がめくりベルト208の下側の中央を越えたところで、図7に示すようにめくりベルト208と頁送りローラ250とが図示しないソレノイドの作用により図4の実線で示す位置に移動させられる。これにより、めくりベルト208の表面に形成された電荷パターンの不平等電界による吸着力で本原稿BOの最上位頁254だけがめくりベルト208の表面上に吸着され、この最上位頁254の端部がめくりベルト208と共に持ち上げられる。
【0036】
本原稿BOの最上位頁254がめくり上げられて再び走査ユニット200が図7に示すように端部ホームポジションに向けて移動し、本原稿BOの最上位頁254が図8に示すようにめくりローラ224と頁送りローラ250に挾まれて確実に搬送される。この最上位頁254は、走査ユニット200の右側部に配置された上下一対の頁ガイド227,228の間を通過して走査ユニット200の右外側にその先端側が送り出される。この時、この走査ユニット200の上方側に取付けられた頁センサ214が走査ユニット200の右外側に送り出される原稿頁を検出して原稿頁が正常に頁めくりされたことが検出される。
【0037】
次いで、図9に示すように本原稿BOの最上位頁254が本原稿の綴じ部までめくり上げられた時点でめくりベルト208と頁送りローラ250が元の位置(図4の破線位置)に戻る。この状態で、走査ユニット200が更に端部ホームポジションに向けて移動し、図10に示すようにめくり上げられた原稿頁が本原稿の綴じ部に引っ張られて一対の頁ガイド227,228の間を戻りながら、本原稿BOの左頁上に重ね合わされて走査ユニット200内から排出される。
【0038】
めくり上げられた原稿頁254が本原稿BOの左頁上に全て重ね合わされると、走査ユニット200の見開き本原稿に対する1回分の画像読み取り・頁めくり動作が終了する。ここで、本原稿BOに対する画像読み取り・頁めくり動作を繰り返し実行したり、画像読み取り及び頁めくり動作の何れか一方の動作のみを繰り返して実行する場合に、上述のようにめくり上げられた原稿頁254が本原稿BOの左頁上に全て重ね合わされると同時に走査ユニット200の移動方向が反転して本原稿の原稿面に対して最短コースで走査ユニット200の往復動作が繰り返される。なお、走査ユニット200は、本原稿BOの画像読み取り動作のみ、あるいは、頁めくり動作のみを行なう場合もある。
【0039】
めくりベルト208上に静電吸着された原稿頁254のめくり込みは、ソレノイドによりめくりベルト208が上方に揺動されてめくりベルト208に吸着された頁254の端部が走査ユニット200側に持ち上げられることによって行われる。この時、本原稿BOの頁がめくられたか否かが頁センサ214によって検出される。頁めくり時に頁センサ214の頁検出が所定のタイミングで行われなかった場合には、その頁めくり動作が再実行される。
【0040】
図11に示すようにミラー222はミラー切り換えソレノイドにより駆動され、ミラー切り換えソレノイドのオン/オフによるミラー222の光路への進退により本原稿専用の下読み取り光路とシート原稿用の一般的な上読み取り光路とが切り換えられる。原稿照明用の光源としては、走査ユニット200の上下の各読み取り部に配設された各2灯の蛍光灯201,202、203,204がそれぞれ使用されている。
【0041】
コンタクトガラス206上の原稿を読み取るときには、ミラー222が光路に進出してコンタクトガラス206上の原稿が蛍光灯203,204により照明され、その反射光がミラー222,220,221及びレンズ216を通して画像読み取り板101上のCCDに結像されて光電変換される。また、本原稿を読み取るときには、ミラー222が光路から退避して原稿台1上の本原稿がプラテンガラス205を通して原稿台1上の本原稿を照明し、その反射光がミラー219,220,221及びレンズ216を通して画像読み取り板101上のCCDに結像されて光電変換される。
【0042】
ところで、本装置における原稿台ユニット35には、図3に示すように、装置本体中心の左右にそれぞれ1つづつの原稿台1が配設されてリンク機構11によって上下動自在に支持されている。各原稿台1は、リンク機構11にかけられたバネ13によってそれぞれ上方に加圧されている。また、原稿台1の奥側には、図12に示すように、ヒンジ12を介して原稿押え板14が原稿台1に対して回動自在に支持されている。この原稿押え板14の先端にはストッパ爪15が設けられており、このストッパ爪15は図12において原稿台1の上に原稿押え板14を伏せたときに原稿台1の手前側に設けられたストッパ16に係止されるようになっている。このように、本装置の原稿台ユニット35では、原稿押え板14のストッパ機構が原稿台ユニット35の手前側にあるので、原稿押え板14の操作を容易に行える。
【0043】
一方、原稿台1の上面には複数個の穴1aが穿たれており、これらの穴1aから固定子17の一部が突出されている。また、これらの固定子17の上面には、本原稿BOの表紙を確実に加圧固定させるためのゴム板18がそれぞれ取付けられている。各固定子17は、原稿台1の装置中央側付近に固定された回転軸20(図13参照)にそれぞれ回動自在に支持されている。更に、各固定子17は、図示しないバネによって図12の矢印で示す方向にそれぞれ付勢されている。
【0044】
これにより、図13に示すように、本原稿BOの表表紙と裏表紙とを原稿押え板14と原稿台1との間に挾んで原稿押え板14のストッパ15をストッパ16に係止することによって本原稿BOが原稿台1上に確実に固定される。この場合、本装置では、各固定子17を原稿台1の装置中央側付近に配設することにより、これらの固定子17と原稿押え板14とで本原稿BOの綴じ部BOa寄りの表表紙及び裏表紙を加圧挾持して本原稿BOを原稿台1上により一層確実に固定することができる。
【0045】
ここで、本原稿BOが載置されていない状態で原稿押え板14を原稿台1上に固定したときには原稿押え板14と原稿台1との間に数mmの隙間ができるように設定されており、厚い表紙を有する本原稿も固定できるように構成されている。更に、本装置では、図3に示すように左側の原稿台1は上下移動のみが可能で、それに載置された本原稿BOのずれが起こらないようになっている。一方、右側の原稿台1は、上下移動だけでなく、スライド溝21によって図3において左右方向に移動可能に支持されている。この右側の原稿台1はバネ10により左方向への移動習性が付勢されており、リンク機構11に植設されたスライド軸22が原稿台1の側面のスライド溝21の端部に突き当たることによって原稿台1の移動が停止される。
【0046】
次に、本装置の原稿台加圧固定切り換え装置及び原稿台待避装置について説明する。
リンク機構11によって上下方向に移動可能に構成されている原稿台1には、バネ13により常に上昇しようとする力が付勢されている(図3参照)。これにより、本装置内に原稿台ユニット35がセットされて原稿台加圧動作モードに入った状態では原稿台1の上昇習性により原稿台1上に見開かれて載置された本原稿BOの原稿面をスキャナユニット30内の走査ユニット200の下部に押し付けるように常に上方に加圧している。
【0047】
この本原稿BOの原稿面の押圧力は、通常、走査ユニット200が受けているが、走査ユニット200が原稿台1上の本原稿から外れた位置に移動した状態では原稿台1の上昇習性によって原稿台1及び本原稿BOがスキャナユニット30内に食い込んで走査ユニット200のスムーズな移動が阻害されてしまう。従って、原稿台1が適切な位置まで上昇した状態で原稿台1を固定して原稿台1の上昇習性による原稿台1及び本原稿BOのスキャナユニット30内への余分な食い込みを阻止する必要がある。また、走査ユニット200内の走査光路をミラー222により切り換えてスキャナユニット30の上部に配置されたコンタクトガラス206上の原稿を読み取るときには、走査ユニット200の下部と原稿台1の上面とが接触しないように原稿台ユニット35の下方に原稿台1を待避させておく必要がある。
【0048】
原稿台加圧固定切り換え装置及び原稿台待避装置は、これらの必要性を満たすための装置であり、これらの両装置を1つの機構で兼用させる仕組の構成例を図14〜図18に示す。この機構の制御ワイヤ40は図14に示すように一端にフック41が固定される。制御ワイヤ40の他端には他のフック42が固定され、制御ワイヤ40の略中央部付近には球状の止め玉45が固定されている。
【0049】
フック41はリンク機構11の外側端部(原稿台1の上昇下降によって上下する側)に固定されている。フック41から延びた制御ワイヤ40は、プーリ46,プーリ47を介して方向を変換し、制御プーリ48に巻き付けられている。ここで、制御ワイヤ40は、図15及び図16に示すように、制御プーリ48の溝50に導かれてその中央部付近に固定された止め玉45が制御プーリ48の止め穴49にはめ込まれている。これにより、制御ワイヤ40の動きが制御プーリ48の回転運動に確実に変換される。
【0050】
制御プーリ48に巻かれて延出した制御ワイヤ40は、その一方の端部のフック42に掛けられた張架バネ43の一端によって常に引っ張られている。この張架バネ43の他端は、原稿台ユニット35のベース6に固定されたフック44に掛けられている。制御プーリ48は、図15に示すようにワンウエイクラッチ51を介してシャフト54に支持されている。このシャフト54は、一対の側板55に支持された滑り軸受52に対して両端がEリング53で抜け止めされることによって、滑り軸受52を介して側板55に対して回転自在に支持されている。
【0051】
これにより、制御プーリ48は、シャフト54に対して図16の矢印a方向には自由に回転できるが、この矢印aと反対の方向にはワンウエイクラッチ51の作用によってシャフト54と相対回転することができず、このシャフト54と一体となって回転する。従って、後述する機構によってシャフト54が固定されると、制御プーリ48は、図14において矢印a方向、すなわち、原稿台1が下降する際の回転方向にのみ回転可能な状態になる。
【0052】
次に、この原稿台加圧固定切り換え装置による原稿台1の下降・固定動作について説明する。
図14乃至図16において、シャフト54が固定された状態にあるとき、何らかの外力、例えば、本原稿BOの自重やめくり頁による加圧などによって原稿台1が押し下げられると、この原稿台1側に固定されている制御ワイヤ40のフック41側の端部が弛む。
【0053】
これと同時に制御プーリ48が張架バネ43に引っ張られて制御ワイヤ40のフック41側の弛みを吸収しながら矢印a方向に回転し、制御ワイヤ40が初期の張力を維持してフック44側に移動する。このとき、制御プーリ48はワンウエイクラッチ51の作用によって矢印aと反対の方向に回転することができないので、原稿台1の上昇力が原稿台1に対する押下力を上回っていても、原稿台1の上昇力によって制御プーリ48が矢印aと反対の方向に回転されることはなく、制御プーリ48は矢印a方向に回転した位置を維持して停止される。また、制御プーリ48の停止に伴って制御ワイヤ40の移動も停止し、これによって原稿台1は外力により押し下げられた位置まで下降して停止する。
【0054】
ここで、シャフト54の固定は、以下に述べる原稿台昇降機構によって行われる。
すなわち、シャフト54には、図17に示すようにギヤ56がシャフト54と一体となって回転するように固定されている。また、このギヤ56は、図18に示すように側板55に固定されたスタッド59に回転自在に支持されている他のギヤ57に噛み合っており、その回転がギヤ57に伝達されるように構成されている。
【0055】
更に、ギヤ57はウォームホイール58と一体成形されており、このウォームホイール58には原稿台昇降モータ61の出力軸に固定されたウォームギヤ60が噛み合うように構成されている。この構成により、原稿台昇降モータ61が停止しているときには、ウォームギヤ60とウォームホイール58との噛み合いによってウォームホイール58が回転できず、このウォームホイール58と一体のギヤ57に噛み合っているギヤ56を介して連結されたシャフト54が固定状態となる。
【0056】
次に、原稿台1の原稿台ユニット35下方への待避動作について説明する。図17及び図18において、ギヤ56が矢印b方向に回転するように原稿台昇降モータ61を駆動すると、ワンウエイクラッチ51により制御プーリ48とシャフト54とが一体となって回転し、制御プーリ48が矢印a方向に回転して制御ワイヤ40がフック44側に移動する。
【0057】
この制御ワイヤ40の移動により、図3及び図20において、左右の各原稿台1は下降して図19に示す左右の原稿台下限センサ304で検知される位置で原稿台昇降モータ61の停止により停止し、各原稿台1の上面(本装置では本原稿BOの原稿面)が走査ユニット200から離間した原稿台ユニット35の下方位置、すなわち、図19に示す位置に待避される。
この待避動作は、装置本体の電源オン時や読み取り走査を行わない待機時、スキャナユニット30の上部に配置されたコンタクトガラス206上の原稿の読み取り時及び原稿台ユニット35の引き出し時に実行される。
【0058】
次に、原稿台1の原稿台ユニット35上方への加圧動作について説明する。上述の待避動作時とは逆に、図17及び図18において、ギヤ56が矢印c方向に回転するように原稿台昇降モータ61を駆動すると、シャフト54が図14における矢印a方向と反対の方向に回転し、ワンウエイクラッチ51の作用によって制御プーリ48がシャフト54に対して自由回転可能な状態になる。ここで、本装置では、原稿台1を上方に押し上げるねじりバネ13の力が、制御ワイヤ40を下方に引っ張っている力よりも強く設定されている。
【0059】
従って、このように制御プーリ48が矢印a方向と反対の方向に自由回転できる状態では、原稿台1を上方に押し上げようとするねじりバネ13の力によって制御ワイヤ40がフック41側に移動する。この制御ワイヤ40の移動により、図3において、左右の各原稿台1が上昇し、各原稿台1の上面に見開いて載置された本原稿BOの原稿面が走査ユニット200に加圧される。
【0060】
このように左右の各原稿台1が上昇して各原稿台1上の原稿面が走査ユニット200に圧接した状態で原稿台昇降モータ61を駆動し続けると、ワンウエイクラッチ51の作用によって制御プーリ48に対してシャフト54が自由回転可能な状態になって原稿面の走査ユニット200への圧接状態が持続される。この加圧動作は、後述するように、原稿台1の上に走査ユニット200がある時だけ実行される。
【0061】
この原稿台加圧固定切り換え装置50A及び原稿台待避装置50Bは、図3及び図20に示すように左右一対の原稿台1に対してそれぞれ1組ずつ配設されており、走査ユニット200の移動位置に応じてそれぞれ独立して制御される。すなわち、原稿台加圧固定切り換え装置50A及び原稿台待避装置50Bの駆動源となる左右1組の原稿台昇降モータ61は、それぞれ独立して制御される。
【0062】
図20は上述した待避動作モード時における原稿台1の下方への待避動作を示し、図21はそのタイミングチャートを示す。
この待避動作モードでは、図21に示すように走査ユニット200の移動開始に先立って左右の原稿台昇降モータ61がそれぞれ左右の原稿台下限センサ304が各原稿台1を検知するまで逆転されて図19に示すように左右の原稿台1が下方へ下げられる。その後、スキャナモータ106が駆動されて走査ユニット200が所定の方向に走査され、必要であれば走査ユニット200の走査が何度も繰り返される。そして、この待避動作モード終了時に走査ユニット200が中央ホームポジションに戻り、左右の原稿台昇降モータ61が所定の回数だけ正転して左右の原稿台1が元の位置に戻る。
【0063】
一方、コンタクトガラス206上の原稿を読み取る時は、スケール207が原稿端面の載置基準となる。この基準は、本原稿の読み取り開始位置と異なり、構成が最小サイズになるようにしてある。これにより、原稿の読み取り開始ポイントが常に一定となり、制御も簡単となる。コンタクトガラス206上の原稿を読み取るシートモードに入ったときは、原稿台下方待機動作を行った後に、走査ユニット200が中央ホームポジションから左側に移動して端部HPセンサで検知される端部ホームポジション(図22に示す走査ユニット200の位置)まで来て停止し、操作部99により読み取り条件が入力されてスタートスイッチがオンされるのを待つ。ここで、スタートスイッチがオンされると、スキャナモータ106が駆動されて走査ユニット200が図3の右方向に走査され、コンタクトガラス206上の原稿が走査ユニット200により読み取られる。
【0064】
次に、原稿台1の加圧・固定動作モードについて説明する。
本原稿画像読み取りモードでTPSの動作が終了した時には走査ユニット200が図3に示す中央ホームポジションに戻るので、TPSに本原稿BOをセットする時も走査ユニット200が中央ホームポジションに位置している。これは、本原稿BOをTPSの中央を基準としてセットするので、原稿台ユニット35をスライドさせて閉じた後に原稿台1を上昇させてセットする時にどんな大きさの本原稿でも確実に押えるられるようにするためである。この動作開始時には、もう一度、中央HPセンサで走査ユニット200が中央ホームポジションにあることを確認する。そして、走査ユニット200は、中央ホームポジションから左側に移動して端部HPセンサで検知される端部ホームポジション(図23参照)まで来て停止する。
【0065】
図22乃至図26に原稿台1の加圧・固定モード時における走査ユニット200の遷移図を示し、図27にそのタイミングチャートを示す。
走査ユニット200の端部ホームポジション(図22参照)は、画像読み取り頁めくり動作開始ポイント、且つ、動作終了ポイントである。この端部ホームポジションでは、走査ユニット200は原稿台1にかかっていない。この状態では、両側の原稿台昇降モータ61は停止しており、左右の原稿台1は共に固定状態にある。
【0066】
この原稿台1の加圧・固定モードでは、先ず、走査ユニット200の駆動モータであるスキャナモータ106が正転して走査ユニット200が図22の右方向へ移動する。そして、走査ユニット200の右側の原稿押えローラ281aが本原稿BOの左端にかかったとき(Aポイント;図23参照)に左側の原稿台昇降モータ61が正転し、左側の原稿台1が加圧状態になる。これにより、本原稿BOは走査ユニット200に押し付けられ、最適な画像読み取りが行われる。
【0067】
走査ユニット200が本原稿中心ポイント(図24参照)に到達する少し前に右側の原稿押えローラ281aが右側の原稿台1の左端にかかる(Bポイント;図27参照)。そのとき、右側の原稿台昇降モータ61が正転し、右側の原稿台1が加圧状態になる。次いで、走査ユニット200は、本原稿中心ポイントを通過し、本原稿BOの右側頁の画像読み取りを始める。その後に左側の原稿押えローラ281bが左側の原稿台1の右端にかかる(Cポイント;図27参照)。このとき、左側の原稿台昇降モータ61が停止し、左側の原稿台1が固定状態になる。これにより、本原稿BOは、固定されてスキャナユニット30に食い込むことなく原稿押えシート282bに押えられ、次に走査ユニット200が通過するのを同じ高さを保ちながら待つ。
【0068】
図25は、本原稿右頁の読み取り中または右頁めくり上げ中の走査ユニット200の動作状態を示している。本原稿右頁の読み取りを終えた走査ユニット200は、左側の原稿押えローラ281bが右側の原稿台1の右端にかかった状態(Dポイント;図26参照)で停止し、スキャナモータ106が逆転して走査ユニット200を左方向へ移動させる。これにより、走査ユニット200は、本原稿BOの右頁をめくり上げながら進み、本原稿中心ポイント(図24参照)に到達する少し前に左側の原稿押えローラ281bが左側の原稿台1の右端にかかる(Cポイント)。そのとき、左側の原稿台昇降モータ61が正転し、左側の原稿台1が加圧状態になる。
【0069】
次いで、走査ユニット200は、本原稿中心ポイントを通過し、本原稿左側頁の上に、めくり上げた右頁を重ね合せる動作を始める。その後に右側の原稿押えローラ281aが右側の原稿台1の左端にかかる(Bポイント)。このとき、右側の原稿台昇降モータ61が停止し、右側の原稿台1が固定状態になる。これにより、本原稿BOは、固定されてスキャナユニット30に食い込むことなく原稿押えシート282aに押えられ、次に走査ユニット200が通過するのを同じ高さを保ちながら待つ。
【0070】
その後、走査ユニット200は、本原稿の左側頁の上に、めくり上げた頁を重ね合せながら進み、この頁の重ね合わせが終了した後に右側の原稿押えローラ281aが左側の原稿台1左端にかかる(Aポイント;図23参照)。このとき、左側の原稿台昇降モータ61が停止し、左側の原稿台1が固定状態になる。これにより、本原稿BOは、固定されてスキャナユニット30に食い込むことなく原稿押えシート282bに押えられ、次に走査ユニット200が通過するのを同じ高さを保ちながら待つ。そして、走査ユニット200は、端部ホームポジション(図22参照)まで来て停止する。
【0071】
次に、原稿台前方引き出し機構について説明する。
図3及び図20に示すように、原稿台ユニット35の左右側面には、スライドレール300がスキャナユニット30内のレールブラケット301に対して装置本体の前後方向にスライド可能にそれぞれ連結されている。原稿台ユニット35がスキャナユニット30内に納まっている(セットされている)ときは、特別な指令が無い限り、図20に示す開閉ロック装置302が原稿台ユニット35を固定し、オペレータが原稿台ユニット35を引き出せない状態にある。この状態は、開閉ロックセンサ320によって検知されている。スライドレール300は、装置本体の前面から原稿台ユニット35上の原稿台1を充分手前側に引き出せるだけの伸縮能力を備えている。また、原稿台ユニット35の前面には、開閉スイッチ303と、図示しない原稿台引出し用の取手が付いている。
【0072】
次に、本原稿のセット動作について説明する。
オペレータが本原稿を原稿台1にセットするときには、操作部99で本原稿読み取りモードになっていることを確認した後、開閉スイッチ303を押す。ここで、もし本原稿読み取りモードになっていない場合は、操作部99の図示しない本原稿モードスイッチを押す。何れの場合も、原稿台1が下方退避位置になければ、原稿台下方退避動作が行われる。そして、走査ユニット200が中央ホームポジションになければ、走査ユニット200の中央ホームポジションへの移動動作が行われる。
【0073】
走査ユニット200が中央ホームポジションにあると、開閉ロック装置302が解除されて原稿台ユニット35が引き出し可能になる。このとき、操作部99には、原稿台ユニット35が引き出し可能な状態にあることが表示される。オペレータは、原稿台ユニット35の前面にある取手を持って原稿台ユニット35を装置本体の手前側に引き出し、次いで左右の原稿押え板14のストッパ爪15とストッパ爪16との係止を解除して原稿押え板14の前側を上に引き上げて開口させる(図12参照)。
【0074】
オペレータは、この状態で本原稿BOの表表紙及び裏表紙をそれぞれ原稿台1上に前側基準で合わせて置き、原稿押え板14を倒して表裏のそれぞれの表紙を各原稿押え板14と各原稿台1とで挾み込むように押え、原稿押え板14のストッパ15をストッパ16に掛けて固定する(図13参照)。
【0075】
その後、オペレータは、本原稿の画像読み取りを開始したい頁を開いて本原稿の綴じ部付近を片手で押えながら、原稿台ユニット35をスキャナユニット30内に押し込んで納める(セットする)。そして、開閉ロックセンサ320によって、原稿台ユニット35がスキャナユニット30内にセットされたことが検知されると、開閉ロック装置302によって原稿台ユニット35が装置本体の所定の位置に固定される。この後、原稿台昇降モータ61によって原稿台1が上昇され、本原稿BOが所定の読み取り位置にセットされる。
【0076】
図28は、本装置を示す斜視図である。図28において、506は原稿押え用の圧板である。また、図29は、本装置の本原稿セット時、もしくは、本原稿取り出し時に行う原稿台引き出し動作の状態を示しており、本原稿BOを見開いてセットしてある状態を示している。すなわち、本装置では、図29に示すように、原稿台ユニット35を装置本体から引き出した状態で本原稿BOのセット及び取り出しが行われる。
【0077】
次に、TPSの本原稿露光方式について説明する。
本装置は本原稿露光用光源としての2本の蛍光灯201,202と、シート原稿露光用光源としての2本の蛍光灯203,204とを備え、蛍光灯2灯分のインバータ回路は本原稿読み取り時とシート原稿読み取り時に本原稿露光用蛍光灯201,202とシート原稿露光用蛍光灯203,204とを制御信号によりリレーで切り換えて点灯させる。従って、本装置は、計4本の蛍光灯と2つのインバータ回路からなる蛍光灯発光回路を備えている。本原稿露光用光源としての2本の蛍光灯201,202は、走査ユニット200の走査方向と垂直な方向の本原稿読み取りスリット位置に配置されたプラテンガラス205の両端上部にそれぞれ配置されている。
【0078】
これらの蛍光灯201,202は、プラテンガラス205を通して本原稿BOを左右両側から露光し、読み取り画像の本原稿左右頁による濃度ムラや本原稿綴じ部の陰を無くしている。一方、シート原稿露光用光源としての2本の蛍光灯203,204は、走査ユニット200の上部の走査方向と垂直な方向のシート原稿読み取りスリット位置の下方にそれぞれ配置されており、これらの蛍光灯203,204は、本装置の上面のコンタクトガラス206を通してコンタクトガラス206上にスケール207に合わせてセットされたシート原稿SOを左右両側から露光する。蛍光灯201〜204はインバータ回路により読み取り濃度ムラが生じないようにCCDの読み取り画像サンプリングに同期して40kHzで駆動される。
【0079】
図30は本装置の画像形成手段たる画像形成部を示す。
この画像形成部はレーザプリンタからなるプリンタ本体701、その周辺機器としてのソータ702、反転ユニット703や、両面ユニットと大量給紙トレイ704を有するバンク705により構成される。
【0080】
プリンタ本体701においては感光体からなる像担持体、例えば感光体ドラム706が駆動部により回転駆動されて帯電器により均一に帯電された後にフレームメモリ104からの画像データに基づいて上記半導体レーザ105を含む露光手段による画像露光で原稿画像が書き込まれて静電潜像が形成され、この静電潜像が現像装置により現像されて可視像となる。また、用紙(転写紙)が給紙手段としての給紙トレイ707,708及び大量給紙トレイ704のうち選択されたものからレジストローラへ給紙され、または手差しテーブル709から用紙が手差しでレジストローラへ給紙され、その給紙された用紙はレジストローラにより感光体ドラム706上の可視像に合わせて送出されて転写手段としての転写用チャージャ710により感光体ドラム706の可視像が上側の面に転写され、分離手段としての分離用チャージャ711により感光体ドラム706から分離された後に定着装置712により可視像が定着されて反転ユニット703へ送られる。また、感光体ドラム706は用紙分離後にクリーニング装置により残留トナーが除去される。本装置は、上側排紙トレイに替えてソータ702をオプションとして装着することが可能である。
【0081】
反転ユニット703においては、通常モードでは定着装置712からの用紙は、画像面を上向きにして上側排紙トレイへ収容される。また、ソートモードでは定着装置712からの用紙は、ソータ702へ排出されてソータ702の各ビンに仕分けされる。また、両面複写モードでは定着装置712からの片面画像形成後の用紙は、バンク705内に垂直方向に設けられた両面反転部700へ送り込まれる。両面反転部700は送り込まれた用紙をスイッチバックして画像形成面が上側になるように両面トレイ720へ送出してスタックさせる。両面トレイ720はスタックされた用紙をレジストローラへ再給紙する。この用紙は、レジストローラにより送出され、裏面に上述と同様に画像が転写されて定着された後に反転ユニット703によりソータ702又は排紙トレイへ両面コピーとして排出される。
【0082】
また、反転モードでは、本原稿を頁順に読み取って画像形成を行うため、一般的な片面複写において、定着装置712からの用紙が一旦両面反転部700へ送り込まれる。両面反転部700は送り込まれた用紙をスイッチバックし、この用紙は上側へ搬送されて画像形成面を下側にして排出される。このとき、本原稿が頁順に読み取られてそれらの読み取り画像が用紙に形成されることにより、排出される用紙は頁順が保たれる。
【0083】
本装置は、上側の走査ユニット200を有するスキャナユニット30と,下側の見開き本原稿を加圧する本原稿台1を有する原稿台ユニット35とを備え、上述のように本原稿台1は引き出し可能なタイプで、装置手前側に本原稿台1を引き出してその上に本原稿のセットを行う。本原稿台1上には本原稿をその綴じ部左端と手前側を基準として合わせてセットする。そして、本原稿の表表紙を左原稿台1に固定して裏表紙を右原稿台1に固定し、本原稿の連続読み取り中の綴じ部の形状変位による最上位頁の変位を防止する。本原稿のセット手順は、以下の通りである。
【0084】
▲1▼原稿台ユニット35を引き出して原稿押え板14を開ける。
【0085】
▲2▼本原稿の左表紙を綴じ部左端及び手前側を基準として左原稿台1と原稿押え板14とで挟持する。
▲3▼本原稿の右表紙を右原稿台1と原稿押え板14とで挟持する。
▲4▼本原稿の読み取り開始頁を見開き、原稿押え板14のストッパ爪15をストッパ爪16に掛け、原稿台ユニット35をセットし、原稿台1を上昇させて見開き上位頁を平面状にする。
【0086】
図31(a)(b)は本装置における操作部99の全体及び一部を示し、図32は操作部99の本原稿基本操作パネルを示す。この本原稿基本操作パネルは、操作部99の左側に配置され、本原稿を複写する際の必須の入力を行う部分である。本原稿基本操作パネルによる入力手順としてはその左側から順次に操作キー601,628,634,618,631を操作して入力を行い、本原稿読み取りモードの選択、複写頁設定と追加頁設定、コピー形式を選択し、独立頁モードでは複写開始頁としての左右頁を選択する。これにより、本原稿読み取りモードの基本設定は終了し、複写開始可能状態となる。図33はビハインドの操作パネル部を示す。これは、ソート、両面複写、ズームをはじめとするシート原稿と本原稿の共通な編集機能と、消去、移動などの本原稿対象の加工、選択機能の操作表示部が配置され、開閉できるビハインドカバーが構成されている。
【0087】
具体的には、操作部99は、本原稿複写時の画像基準モードを指定する画像基準指定キー609と、その状態を表示する発光ダイオード610,611を備えている。画像基準位置は用紙中央、用紙左端(左合わせ)、用紙右端(右合わせ)があり、画像基準指定キー609の押下により画像基準モードが画像基準位置を転写紙の中央、左端、右端とする各モードに順次に切り替わり、発光ダイオード610は画像基準位置を左合わせとする画像基準モードで点灯し、発光ダイオード611は画像基準位置を右合わせとする画像基準モードで点灯する。画像基準位置を用紙中央とする基本の画像基準モードは表示しない。
【0088】
電源オン、モードクリア、本原稿読み取りモード選択等のデフォルト時の画像基準位置が用紙中央とされて優先的に選択されることにより、上記サイズ検出の誤差や画像形成自体のレジスト(位置)ズレが発生した場合の画像の欠落を防止すると共に、端部に画像を形成せずにその画像位置ズレ量を目立たなくする。また、両面モード選択時の画像基準位置が用紙左端または用紙右端とされて優先的に選択されることにより、標準的に綴じ代用の余白が作成される。
【0089】
また、操作部99には、コンタクトガラス206上のシート原稿を読み取って複写するシート原稿読み取りモードと、原稿台1上の本原稿を読み取って複写する本原稿読み取りモードとを選択的に設定するための本原稿キー601が設けられ、本原稿キー601が押下される度毎にシート原稿読み取りモードと本原稿読み取りモードとが交互に設定される。
【0090】
また、操作部99内には両面モードを指定するための両面モード指定キー602と、その指定モードを表示するための発光ダイオード603,604,605が備えられている。両面選択キー602の押下毎に片面原稿の両面モード、両面原稿の両面モード、見開き原稿の両面モード、片面複写モードが順次に繰り返して切り替わって指定され、その指定モードを表示するための各発光ダイオード603,604,605が順次に点灯する。
【0091】
操作部99は、図31に示すようにエンターキー640、プリントキー641、10キー642などの操作キー等が設けられ、表示パネルが各種表示を行う発光ダイオードからなる表示部を有する。さらに、図32及び図33に示すように操作部99はソータ702のソートモードと、スタックモードとを選択的に設定するためのキー606と、その設定モードを表示するための発光ダイオード607,608が設けられ、キー606の押下毎にソートモードとスタックモードとが交互に設定される。
【0092】
また、操作部99は、見開き本原稿の中央部を基準にして綴じ部指定幅の画像を消去するセンター消去モードを設定するためのキー612及びその設定状態の表示を行う発光ダイオード613と、本原稿基準で外枠指定幅の画像を消去する消去モードを設定するためのキー614及びその設定状態の表示を行う発光ダイオード615と、用紙をその画像面を上側にして排紙する表面排紙モードを設定するためのキー616及びその設定状態の表示を行う発光ダイオード617とを有する。
【0093】
また、操作部99は独立頁モードと見開き頁モードとを選択的に設定するためのコピー形式選択キー618及びその設定モードを表示するための発光ダイオード619,620を有し、コピー形式選択キー618の押下毎に独立頁モードと見開き頁モードとが交互に設定される。また、操作部99は本原稿の見開き右頁のみを複写する右頁限定モードと、見開き左頁のみを複写する左頁限定モードとを選択的に設定するための頁限定キー621及びその選択状態を表示するための発光ダイオード622,623を有し、頁限定キー621の押下毎に右頁限定モードと左頁限定モードと頁限定無しモードが順次に設定される。
【0094】
また、操作部99は、独立に変倍率を設定するためのキー624及びその設定状態を表示する発光ダイオードからなる表示部625と、ズーム倍率を増減させるためのキー626,627と、複写頁数を複写開始頁と複写終了頁の設定で設定するモードと,複写頁数を複写枚数で設定するモードとのいずれかを指定するための複写頁設定キー628及びその複写頁数設定モードを表示する発光ダイオード629,630と、見開き本原稿の複写開始頁を左頁、右頁にそれぞれ設定するための複写開始頁設定キー631及びその設定状態を表示する発光ダイオードからなる表示部632,633とを有する。さらに、操作部99は、本原稿の複写すべき頁を追加するための頁追加キー634と、本原稿のセンター消去幅及び枠消去幅をそれぞれ設定変更するためのキー635,636と、本原稿の複写画像位置(移動量)を設定変更するためのキー637と、原稿位置をマニュアルで入力するためのキー638,639とを有し、これらのキー635〜639の押下で設定変更する量の入力と確定はテンキー642及びエンターキー640により行われる。
【0095】
図34及び図35は本装置の本原稿読み取りモードの複写動作タイミングを示す。図34及び図35は連続複写モードの途中で頁収納位置による本原稿端部検出を実施している場合を示す。図34及び図35においては、2頁と3頁、4頁と5頁が本原稿の見開き頁を構成している。また、フレームメモリ104の読出し信号メモリRの符号RP及びLPは、それぞれ読出し画像データが右頁(RP)及び左頁(LP)のものである場合を表わしている。更に、各モードの本原稿の頁サイズはA4サイズで、本原稿の見開き2頁を走査ユニット200の1回の走査で連続して読み取ってその読み取り画像データをフレームメモリ104内にA3サイズ分の読み取りデータとして記憶し、各出力モードに応じてフレームメモリ104より画像データを読出してレーザプリンタ501により作像して転写紙に記録する。
【0096】
図34はA3サイズの転写紙に見開き状態の本原稿の画像を出力し、本原稿に対して1部の複写を行う1対1複写モードの場合を示す。図35はA4サイズの転写紙に本原稿の読み取り左右頁の各画像をそれぞれ別々に独立頁毎に出力し、同じく本原稿に対して1部の複写を行う1対1複写モードの場合を示す。
初回の本原稿読み取りモード動作タイミングにおいて、操作パネル99の複写開始を指示するプリントキー641がオンされると、IPU103内のマイクロコンピュータは、走査ユニット200を走査するためのスキャナモータ106を逆転方向へ回転させ、中央部に位置していた走査ユニット200を読み取り開始方向へ移動させる。IPU103内のマイクロコンピュータは、走査ユニット200が左側ホームポジションの読み取り開始位置へ移動すると、スキャナモータ106を正転方向へ駆動し、両方の蛍光灯201,202を点灯させて本原稿の読み取り走査を開始させる。
【0097】
IPU103内のマイクロコンピュータは、VPU102からの画像データを見開き本原稿の左頁端部地点から読み取り画像データとして処理し、読み取り副走査方向の有効画像領域信号SFGATEを発生する。また、IPU103内のマイクロコンピュータはその有効画像領域信号SFGATEによってフレームメモリ104のデータ書き込み信号メモリWを操作し、データ書き込み範囲を制御する。IPU103内のマイクロコンピュータは、スキャナモータ106の制御アドレスから見開き本原稿の綴じ部中央地点を認識し、これを独立頁出力モード時の第2の画像の基準位置や見開き頁出力モード時で読み取り画像を転写紙の中央に形成する場合等に用いる。
【0098】
IPU103内のマイクロコンピュータは、走査ユニット200が見開き本原稿の右頁端部に達すると、本原稿右頁端部の検出を開始し、頁めくり時の頁吸着位置を算出する。走査ユニット200の読み取り走査が終了すると、走査ユニット200が復動の頁めくり走査に入り、初回はめくり頁の収納位置が検出されてその頁収納位置により画像有効範囲が確定された後にプリンタ501が画像形成を開始する。また、2回目以降は前回検出の頁収納位置により算出した画像有効範囲で読み取り走査終了直後にプリンタ501が画像形成を開始する。IPU103内のマイクロコンピュータはプリンタ501側の副走査方向の有効画像領域信号PFGATEによってフレームメモリ104のデータ読み出し信号メモリRを操作してプリンタ501に同期して画像データを出力する。また、頁めくり時には見開き本原稿の頁端部が頁センサ214で繰り返して検出される。以上の行程の繰り返しにより、自動的に本原稿の頁をめくり、本原稿の見開き頁複写を行う。
【0099】
図35は本原稿の独立頁毎に画像を出力する1対1複写モードの場合を示す。この場合は、読み取りモード時には図34の場合と同様のタイミングで動作し、頁めくり時にはプリンタ501で連続して搬送される転写紙に合わせて二つのPFGATEによってフレームメモリ104のデータ読み出し信号メモリRが操作され、本原稿の頁毎の画像データが出力される。フレームメモリ104のアドレスカウンタがPFGATEによってマスクされて停止することにより、本原稿の左頁の画像に連結した右頁の第2の画像のデータが第2のPFGATE信号によりプリンタ501における転写紙間隔を持って読み出される。
【0100】
本装置は、本原稿の頁めくり走査時に頁センサ214で本原稿の頁端部が検出され、頁めくりの繰り返しにより変化する本原稿の頁端部に対する吸着、分離の動作位置が決定される。つまり、頁収納位置のデータより走査終了側の頁端部が検出されて頁めくり走査時の頁吸着上昇位置が決定され、常に頁の同一量が吸着、分離するように制御される。
【0101】
次に、モード制御フローについて説明する。
図36〜図41は各モードにおける制御フローを示す。これらの制御は画像形成のモード制御を行うメインコントローラ(メイン制御部)が行い、その指令によりIPUコントローラ(IPU103のコントローラ)は原稿画像の読み取り、データ処理、頁めくりの制御を行う。また、シーケンスコントローラ(シーケンス制御部)は画像形成部の負荷のタイミング制御を行う。
図36は頁限定モード選択フロー、図37は開始左右頁の判別フロー、図38は複写頁数設定フロー、図39は最終頁の左右判別フロー、図40はコピー形式選択フロー、図41は読み取り選択フローを示す。
【0102】
まず、図38に示す複写頁数設定フローを参照して複写頁数の設定について説明する。
図32に示すように本装置の操作部99は複写頁数を設定するための複写頁設定キー628,複写開始頁設定キー631を備えている。複写頁数の設定は以下の2つの方法があり、それを各キーの押下により選択する。第1の開始〜終了ページ入力方法では、本原稿の複写開始頁と複写終了頁の2つの数値を入力し、システム制御部802が複写開始頁から複写終了頁までの頁数を演算し、その差分の頁の複写を行わせる。第2のページ枚数入力方法は、複写頁数を直接入力する方法であり、システム制御部802がその指定した左頁または右頁から指定頁数だけ複写動作を繰り返させる。後者は主に本原稿に頁数が付いていない場合や、複写すべき頁が飛んでいる場合に用いる。
【0103】
頁数の入力操作方法は、図31に示すように操作部99のガイダンス表示部643により表示される。また、この頁数入力は本原稿の画像読み取り・自動頁めくりの繰り返し動作には必須のものであり、本原稿読み取りモード(本原稿モード)時にはシステム制御部802が頁数入力が最優先で設定されるように第1にガイダンス表示部643による文字ガイダンス表示(または表示素子の点滅による表示)を行わせる。
【0104】
すなわち、システム制御部802は、画像形成モード設定時(本原稿読み取りモードにおけるモード設定時あるいはウォームアップ待機時)には、ガイダンス表示部643に頁数入力要求を表示し、複写頁設定キー628からの入力信号により開始〜終了ページ入力方法とページ枚数入力方法のいずれが指定されているかを判断して開始〜終了ページ入力方法が指定されている(開始・終了頁キーがオンされている)場合には、複写枚数の設定に用いられる10キー642、エンターキー640からの入力信号をチェックして10キー642により入力された複写開始頁をエンターキー640または複写頁設定キー628のオンで確定し、かつ、10キー642により入力された複写終了頁をエンターキー640または複写頁設定キー628のオンで確定する。
【0105】
次に、システム制御部802は、頁追加キー634からの入力信号をチェックして頁追加キー634がオンされれば、上述のような10キー642から入力された複写開始頁及び複写終了頁をエンターキー640または複写頁設定キー628のオンにより確定するという処理を繰り返して行う。なお、本原稿の複写開始頁・複写終了頁の入力要求表示はガイダンス表示部643で行う代りに表示素子の点滅で表示するようにしてもよい。
【0106】
また、システム制御部802は、ページ枚数入力方法が指定されている(開始・終了頁キーがオンされていない)場合には頁枚数キー628からの入力信号をチェックして頁枚数キー628がオンされれば、10キー642、エンターキー640、複写頁設定キー628からの入力信号をチェックして10キー642により入力された複写頁数をエンターキー640または複写頁設定キー628のオンで確定する。
【0107】
次に頁限定モードについて説明する。
頁限定モードは本原稿読み取りモード時に有効であり、図36は頁限定モード選択フローを示す。頁限定モードは(1)頁限定無しモード、(2)右頁限定モード、(3)左頁限定モードがあり、頁限定モードに優先順位を設けて第1の設定を(2)右頁限定モード、第2の設定を(3)左頁限定モードとしている。メインコントローラは、電源投入時に頁限定キーカウンタを1にセットして頁限定設定キー621の押下毎に頁限定キーカウンタをインクリメントし、頁限定キーカウンタが4より大きくなった場合には頁限定キーカウンタに1をセットする。そして、メインコントローラは、頁限定キーカウンタが1の場合には頁限定無しのモードに設定して発光ダイオード622,623を消灯させ、頁限定キーカウンタが2の場合には右頁限定モードに設定して発光ダイオード622のみを点灯させ、頁限定キーカウンタが3の場合には左頁限定モードに設定して発光ダイオード623のみを点灯させる。
【0108】
メインコントローラは、右頁限定モード時には見開き本原稿の右頁のみの読み取り画像を転写紙に形成させ、本原稿の頁をめくってさらにその見開き両頁のうちの右頁のみの画像を転写紙に形成させる。この画像形成は図42に示すように独立頁モードの一方の頁の画像情報のみフレームメモリ104より読み出して行う。その画像合わせは、前述のように本原稿の頁端部検出より頁画像位置を算出して転写紙内に配置する。逆に左頁限定モード時には、メインコントローラは、見開き本原稿の左頁のみの読み取り画像を転写紙に形成させ、頁をめくってさらに本原稿の見開き両頁のうちの左頁のみの画像を転写紙に形成させる。
【0109】
本の中には片面印刷物を綴じたものもあり、オフィスでは一般的なステープラー止めやファイル等の片面原稿を綴じた物も多い。それらの片面印刷物の綴じ物は、その頁数が画像面にだけ配番されている事が一般的であり、頁数が付記されてない場合でも、その頁枚数を数えるには原稿枚数を数えるものである。本装置では、頁限定モードにおいて設定された側の頁(左頁または右頁)のみの画像を形成する場合には、本原稿の複写頁は複写開始頁・複写終了頁の設定、または複写頁枚数の設定で、複写する頁数すなわち原稿枚数を設定する。
【0110】
メインコントローラは、本原稿の見開き両頁の画像をそれぞれ形成するモードでは操作部99からの複写頁数入力を受け付けて本原稿の頁毎に頁数をカウントし、頁限定モードにおいて設定された側の頁(左頁または右頁)のみの画像を形成するモードでは操作部99からの複写頁数入力の1/2を受け付けて本原稿の2頁毎に頁数をカウントする。従って、両モードにおいて頁数設定が簡単になり、頁数の読み取り、頁めくりおよび画像形成が確実に行われる。
【0111】
通常、本原稿の複写開始頁(左頁または右頁)を選択して複写を開始するが、その後、片方の頁のみしか複写しない頁限定モードが設定された場合には、メインコントローラが複写開始頁の選択結果を解除する。また、後に複写開始頁が頁限定モードの指定頁と異なって入力された場合には、メインコントローラは、図37の開始左右頁設定フローに示すように複写開始頁の選択結果を解除し、頁限定モードを優先させる。限定モード指定時は複写開始頁の選択は不要になり、その選択入力を促すガイダンス表示は行わない。
【0112】
次に、複写開始頁の選択について説明する。
本原稿の複写開始頁は本原稿の見開き両頁の(1)左頁、(2)右頁がある。また、メインコントローラは、図37の開始左右頁設定フローに示すように複写開始頁設定キー631からの入力信号により複写開始頁設定キー631で本原稿の複写開始頁として左頁が指定された(開始左頁キーがオンした)時には本原稿の複写開始頁を見開き両頁のうちの左頁に設定し、複写開始頁設定キー631により複写開始頁設定キー631で本原稿の複写開始頁として右頁が指定された(開始右頁キーがオンした)時には本原稿の複写開始頁を見開き両頁のうちの右頁に設定する。
【0113】
メインコントローラは、複写開始頁モードの右頁指定時には、見開き本原稿の右頁から読み取り画像を転写紙に形成させ、頁をめくってさらに頁毎の画像形成を行わせる。この画像形成は図42に示すように独立頁モードで画像情報を1頁分づつフレームメモリ104より読み出して行う。その画像合わせは、上述のように頁端部検出より頁画像位置を算出して転写紙内に配置する。逆に複写開始頁モードの左頁指定時は、見開き本原稿の左頁から読み取り画像を転写紙に形成させ、頁をめくってさらに頁毎の画像形成を行わせる。
【0114】
また、本原稿の見開き両頁を1枚の転写紙に複写する図42に示す見開き頁モードでも複写開始頁を入力する。これは、図39の最終頁左右判別フローに示すように複写開始頁と先に指定した複写頁数により、複写最終頁が見開き右頁か左頁かを判断し、最終頁の画像形成の方法決定のために用いる。さらに、メインコントローラは、図39の最終頁左右判別フローに示すように、複写開始頁と設定複写頁数により本原稿の画像読み取りおよび頁めくり走査の回数を算出する。この場合、メインコントローラは、複写開始頁が左頁で、設定複写頁数が偶数の場合には最終複写頁を右頁と判定し、かつ、設定複写頁数を2で割ってその整数部を走査ユニット200の走査回数とするが、それ以外の3通りの場合はその整数部の値に1を加えたものを走査ユニット200の走査回数とする。本装置は、本原稿の最終の画像読み取り走査の後も頁めくり走査を行って終了するため、画像読み取りおよび頁めくり走査の回数が等しくなる。メインコントローラは、複写開始頁が右頁で、設定複写頁数が奇数の場合には最終複写頁を右頁と判定し、他の2通りの場合(複写開始頁が右頁で設定複写頁数が偶数の場合と、複写開始頁が左頁で設定複写頁数が奇数の場合)は最終複写頁を左頁と判定する。以上のように読み取り走査の回数は、本原稿の頁配置により異なり、その制御にも用いる。複写開始頁を選択すれば、独立頁モードでその複写開始頁より画像形成を始め、不要な頁の複写をしない。
【0115】
次に、コピー形式モードについて説明する。
コピー形式モードは、本原稿読み取りモード時に有効であり、(1)独立頁モード、(2)見開き頁モードがある。本装置ではコピー形式モードに優先順位を設け、第1の設定は本原稿の1頁を転写紙1頁に形成する、使用頻度が高い(1)独立頁モードとしている。また、電源投入時や本原稿読み取りモードの選択時のコピー形式モードの初期設定は、(1)独立頁モードとしている。
【0116】
メインコントローラは、図40のコピー形式選択フローに示すように、電源投入時にコピー形式カウンタに1をセットしてコピー形式選択キー618の押下毎にコピー形式カウンタをインクリメントし、コピー形式カウンタが3より大きくなった時にコピー形式カウンタに1をセットする。そして、メインコントローラは、コピー形式カウンタが1の場合には独立頁モードに設定して発光ダイオード619のみを点灯させ、コピー形式カウンタが2の場合には見開き頁モードに設定して発光ダイオード620のみを点灯させる。
【0117】
メインコントローラは、独立頁モード指定時には、見開き本原稿の読み取り頁画像を図42に示すように頁毎にフレームメモリ104より読み出させて1頁の転写紙に形成させる。その画像合わせは、上述のように頁端部検出より頁画像位置を算出して転写紙内に配置する。一方、見開き頁モード指定時には、メインコントローラは、見開き本原稿の両頁の各読み取り画像情報をフレームメモリ104より連続して読み出させて1頁の転写紙に形成させる。
【0118】
一般に、本、書籍類は両面印刷物を綴じたものであり、オフィス文書のステープラー止めやファイル等にも両面原稿を綴じた物がある。本原稿を読み取って読み取り頁の画像を転写紙に形成し、本原稿の頁をめくる本装置においては、本原稿の頁毎の画像を用紙1頁に形成する独立頁モードと、本原稿の見開き両頁の画像を用紙1頁に形成する見開き頁モードとを備えていることにより、画像形成形態の違った複写が得られる。特に、独立頁モードは本原稿と頁構成が同じとなる。また、見開き頁モードは複写数が2分の1となり、グラビアなどの見開き頁に渡る画像を連続画像として形成する。
【0119】
また、本装置は、見開き本原稿の両頁画像を1回の走査で読み取ってその読み取り画像データをフレームメモリ104に書き込み、読み取り画像データを頁毎の画像範囲に分割してフレームメモリ104より読み出して用紙1頁に画像形成し、読み取り画像データを見開き両頁連続でフレームメモリ104より読み出して本原稿の見開き両頁の画像を用紙1頁に形成し、画像形成形態に関わらず画像読み取りを1回の片方向走査で同一に制御する。
【0120】
次に、読み取り選択について説明する。
本装置は本原稿の画像読み取り・自動頁めくり機能とシート原稿読み取り機能を備えている。本装置では、原稿読み取りモードに優先順位を設けて第1の設定を本原稿読み取りモードとし、電源投入時やモードクリア時のデフォルト設定を本原稿読み取りモードとしている。また、この初期設定のモードは画像形成部でプログラマブルに設定できてメイン制御板107のCPUがアクセス可能な不揮発のメモリ内に記憶可能であって用途に合わせてどちらかの原稿読み取りモードを選択できるようになっている。また、原稿読み取りモード選択の切り換え入力時に原稿読み取り開始の予備動作を行うことによって、本原稿読み取りモード選択時に走査ユニット200のホーミング、原稿台1移動により本原稿のセットが可能な状態で待機し、また、原稿読み取り動作開始の時間(走査ユニット200のホーミング、ミラー、蛍光灯の切り換えと予熱、原稿台1移動の時間)が短縮される。
【0121】
メインコントローラは、図41の読み取り選択フローに示すように、電源投入時には読み取り選択カウンタに不揮発メモリ内の初期設定値の1あるいは2をセットし、ウォームアップ待機後には本原稿キー(読み取り選択キー)601及び原稿台1上の本原稿の有無を検知する検知手段からの入力信号をチェツクして、読み取り選択キー601が押下された際に原稿台1上の本原稿の有無を判断して本原稿がある場合には読み取り選択キー601による読み取りモードの切り替えを禁止し、原稿載置の警告表示“原稿が残っています”を操作部99の表示パネルに行わせる事により、シート原稿読み取り時に本原稿が操作ユニット200の走査を阻害したり、本原稿が破損しないようにしている。また、本原稿は、原稿台上1にセットした状態では見えないため、本原稿の取り忘れがオペレータに知らせる。
【0122】
メインコントローラは、読み取り選択キー601の押下毎に読み取り選択カウンタをインクリメントして読み取り選択カウンタが3より大きくなった時には読み取り選択カウンタに1をセットする。そして、メインコントローラは、読み取り選択カウンタが1の場合には本原稿読み取りモードを設定してコンタクトガラス読み取り用(シート原稿読み取り用)発光ダイオードを消灯させ、走査ユニット200(キャリッジ)のホーミング、中央ミラー222の光路退避、蛍光灯201,202の点灯を行って本原稿のセットを受付ける。また、メインコントローラは、読み取り選択カウンタが2の場合にはシート原稿読み取りモードを設定し、キャリッジのホーミング、中央ミラー222の光路進出、蛍光灯203,204の点灯を行って本原稿のセットを受付ける。
【0123】
次に、画像メモリ範囲について説明する。
本装置は、上述のように画像データを記憶する画像メモリとしてフレームメモリ104を備え、この画像メモリ104を以下の用途に用いている。
画像メモリ104は、第1に原稿の読み取りと画像形成の速度バッファとして本原稿の走査ユニット200による接触読み取りの安定性と原稿保護を行っている。画像メモリ104は、第2に1回の原稿読み取りによる複写繰り返しで原稿の保護と複写生産性の向上に用いている。画像メモリ104は、第3にコピーの頁配置として初回の頁位置の確定と独立頁の切り出しに用いている。
【0124】
図42に示すように画像メモリ104の本原稿画像データを格納する範囲は、本原稿の綴じ部を中心に配置され、等倍以下の複写倍率では本原稿の見開き最大A3サイズの画像データを格納するエリアとなる。画像メモリ104は、そのエリアのわずか手前からVPU102よりの画像データの格納がIPU103により開始され、画像メモリ104の余剰分が右方向に配置される。画像メモリ104は、16MByte(128Mbit:正確には134,217,728bit)の記憶容量を有し、VPU102からの画像処理後の4bit/dotの画像データを多値で記憶する。従って、画像メモリ104の画像データ格納範囲はA3サイズ分強となる。
【0125】
次に、複写モードと機能について説明する。
以下に本装置の複写モード、入力キーおよびその機能を図31〜図33に基づき説明する。
1.本原稿操作部基本モード
(1)読み取り選択
〇シート原稿(デフォルト)
(機能)上側コンタクトガラス206上の原稿の画像読み取りで、シート原稿の読み取りを行う。シート原稿や本原稿の表紙(ハードカバー)等を複写するときに指定する。シート原稿モードは、右合わせ(読み取りスケール207左奥コーナー)で、本原稿との共通の加工機能では変倍、両面以外には使用できない。
【0126】
(操作)デフォルトまたは本原稿複写終了で自動的に復帰する。
▲1▼本原稿
(機能)下側読み取りで、本原稿の画像読み取り、自動頁めくりを行う。本原稿読み取りモードでの手差し、および割込みは不可とする。
(操作)本原稿キー601の押下による本原稿読み取りモードの選択で本原稿の操作入力を開始する。本原稿読み取りモードでの本原稿キー601の押下または本原稿の取り出し後の本原稿台セットでシート原稿読み取りモードに戻る。
【0127】
(2)複写頁設定
▲1▼開始〜終了頁(本原稿読み取りモード・デフォルト)
(機能)複写開始頁から複写終了頁までの頁数を演算し、その差分の頁を複写する。
(操作)複写頁数設定方法は、ガイダンス表示に従い、1.テンキー642で複写開始頁の数値を入力し、2.エンターキー640で複写開始頁を定確し、3.テンキー642で複写終了頁の数値を入力し、4.エンターキー640で複写終了頁を確定する。
【0128】
▲2▼頁枚数
(機能)本原稿の指定左右頁から指定頁数だけ複写を繰り返す。この場合、複写開始頁〜複写終了頁の入力は不要である。本原稿に頁数が付いていない場合、頁が飛んでいる場合に用いる。
(操作)複写頁数設定方法は、ガイダンス表示に従い、1.テンキー642で複写頁数の数値を入力し、2.エンターキー640でその複写頁数を確定する。
【0129】
※通常、見開き頁モードも本原稿の片頁を1頁として数え、右頁あるいは左頁のみの頁限定モードの場合は片面原稿と見なし、その複写頁を1頁として数える。(3)頁追加設定
▲1▼頁追加
(機能)本原稿の最大3箇所までの頁を指定し、頁を飛ばして指定頁群のみを連続して複写する。飛ばし頁数は制限しないが、多数頁の場合は効率が悪くなる場合もある。頁数が振られ、頁が連続している原稿を対象とし、複写頁設定は複写開始頁〜複写終了頁の設定のみを有効とし、後ジョブの左右頁は第1ジョブの開始左右頁より判断する。複写開始頁〜複写終了頁設定以外のモード設定は、全てのジョブで同一とする。
【0130】
(操作)複写開始頁〜複写終了頁の入力後に頁追加キー634を押下し、ガイダンス表示に従い次ジョブの複写開始頁〜複写終了頁を入力する。頁追加キー634の押下により、各ジョブの頁数の確認、修正、解除を行う。
(4)コピー形式モード
▲1▼独立頁(本原稿読み取りモード・デフォルト)
(機能)本原稿の見開き頁を頁毎に分けて複写する。
【0131】
(操作)コピー形式キー618の押下により、見開き左右頁のいずれかを選択する。
▲2▼見開き頁
(機能)本原稿の見開き両頁を転写紙の片面にそのまま複写する。見開き頁モードは、複写開始頁は左頁に固定する。第1の見開き両頁を転写紙表面に形成し、第2の見開き両頁を転写紙裏面に形成する見開き頁の両面は、▲2▼見開き頁モードで両面モード▲3▼の見開き原稿で選択する。
【0132】
(操作)コピー形式キー618の押下により、独立頁のいずれかを選択する。(5)複写開始頁入力
▲1▼左頁
(機能)独立頁で原稿(載置)の左頁より複写を開始する。
【0133】
(操作)独立頁モードで、複写開始頁キー631の押下により左頁を選択する。
▲2▼右頁
(機能)独立頁で原稿の右頁より複写を開始する。
(操作)独立頁モードで、複写開始頁キー631の押下により右頁を選択する。
【0134】
※各両面モード選択時も指定する。両面モード時、複写開始頁と頁数設定により最初と最終の頁を自動的に白紙で排出する。見開き頁モードで入力頁数が奇数でも最終頁は両頁のコピーとなり、最初と最終の片頁指定(半面消去)はできない。
2.ビハインド部モード(本原稿関連モードのみ)
(1)消去モード
▲1▼センター消去(本原稿読み取りモード・デフォルト:あり)
(機能)原稿位置を検知して、見開き本原稿の中央部を基準にして綴じ部指定幅の画像を中央振分で消去する。独立頁モードの場合、見開き左頁の右端、右頁の左端はセンター消去で指定する。
【0135】
(操作)センター消去キー635の押下により、綴じ部の消去を解除する。
▲2▼枠消去(本原稿読み取りモード・デフォルト:あり)
(機能)原稿のサイズと位置を検知して、本原稿基準で外枠部(上、下、左右) の内側の指定幅の画像を消去する。枠消去解除時も本原稿サイズ外の 画像は通常自動で消去し、転写紙周囲に大きな黒枠を形成しない。
【0136】
(操作)枠消去キー636の押下により、本原稿の見開き外枠部の消去を解除する。上、下、左右の消去設定を独立に解除するには、消去幅設定値を“0”とする。
【0137】
※原稿位置基準のため、上:シート読み取りモードで消去機能はできない。
(2)移動モード
○中央(本原稿読み取りモード・デフォルト)
(機能)転写紙基準で副走査方向の転写紙中央に複写する。副走査方向の画像シフトは、本原稿の頁長さを検知し、転写紙に配置する。本原稿の綴じ部による縮み分、不定型サイズ原稿による余り分は、転写紙の両端に配分し、画像の欠落を防ぎ、レジスト誤差の影響を回避する。
【0138】
(操作)移動キー609の押下により、左右合わせを解除する。
▲1▼右合わせ
(機能)転写紙基準で副走査方向の転写紙右側に、設定した移動量位置に複写する。綴じ代を設けるときに有効で、綴じ部の縮み分で転写紙左側に綴じ代部が作られる。シート原稿読み取りモードは右合わせ固定で、従来装置と同様の先端基準となる。シート原稿読み取りモードの綴じ代作成は従来装置と同様にSP(サービスプログラム)モードで対応する。
【0139】
(操作)移動キー609の押下により、右合わせを選択する。
▲2▼左合わせ
(機能)転写紙基準で副走査方向の転写紙左側に、設定した移動量位置に複写する。綴じ部の縮み分以上の綴じ代を設けるとき、固定幅の綴じ代を設けるときは、左合わせを移動量変更とともに指定する。右綴じ原稿(縦書き本原稿)の場合に転写紙右側に綴じ代部が作られる。
【0140】
(操作)移動キー609の押下により、左合わせを選択する。
※見開き頁出力時も同様に有効で、見開き本原稿の両頁の長さにより転写紙に配置する。両面モードの右合わせ、左合わせ時は、表裏で同方向に合わせ、コピー束を表方向から見て右合わせは右端部を合わせ、左合わせは左端部を合わせる。(3)頁限定モード
○両頁(本原稿読み取りモード・デフォルト)
(機能)左右の頁共に複写する。大多数の本原稿は両面印刷であるため、頁限定は用いない。
【0141】
(操作)頁限定キー621の押下により、頁限定を解除する。
▲1▼右頁
(機能)見開き本原稿の右頁のみ複写する。ホチキス止め、ファイル等の片面原稿の時に用いる。
(操作)頁限定キー621の押下により、右頁を選択する。
【0142】
▲2▼左頁
(機能)見開き本原稿の左頁のみ複写する。右綴じ(縦書き本原稿)の片面原稿の時に用いる。
(操作)頁限定キー621の押下により、左頁を選択する。
※頁限定モードは独立頁モード時に有効で、複写開始頁左右の指定は無効となる。
【0143】
(4)両面モード
○片面複写(デフォルト)
(機能)原稿画像を転写紙片面に複写する。本原稿読み取りモード、シート原稿読み取りモードとも有効である。
(操作)両面キー602の押下により、両面モードを解除する。
【0144】
○片面原稿
(機能)シート原稿画像を転写紙両面に複写する。両面モードの綴じ代振分は従来装置と同様にSPモードで対応する。本原稿は頁限定モード(片面の本原稿)のみ片面原稿の両面モードを選択する。
【0145】
(操作)両面キー602の押下により、片面原稿の両面モードを選択する。シート原稿は通常の複写機と同様に、原稿セット毎にプリントキー64
1を押下する。
【0146】
▲2▼両面原稿
(機能)本原稿と表裏を同じく両面コピーを形成する。複写開始頁が見開き左頁、複写終了頁が見開き右頁の場合、最初と最終の転写紙の片面は白紙となる。
【0147】
☆高速両面(従来機の約2倍の両面コピー生産性)
1対1両面モードに限り、フレームメモリを用いて出力頁順を入れ換え、右頁の画像を第1の転写紙表面に形成して両面トレイに搬送しておき、頁をめくり、右頁の画像を第2の転写紙表面に形成してそれを両面トレイに搬送し、第1の転写紙を再給紙して裏面に左頁の画像を形成し排出する。置数“2”以上は転写紙を両面トレイに一旦スタックさせ、高速両面モードは行わない。
【0148】
(操作)本原稿読み取りモードで両面キー602の押下により、両面原稿の両面モードを選択する。
▲3▼見開き原稿
(機能)本原稿の見開き左右頁を転写紙の表裏に複写する。複写開始頁、複写終了頁が見開き左頁の場合、最初と最終の転写紙の片面は白紙となる。フレームメモリの頁毎のアクセスが必要となるので、両面高速モードは実施しない。見開き2頁の両面複写は見開き頁モードで▲3▼見開き原稿の両面モードを選択する。
【0149】
(操作)本原稿読み取りモードで両面キー602の押下により、見開き原稿の両面モードを選択する。
※本原稿の両面モードの綴じ代振分は右合わせ、左合わせで行い、表裏で片方向にする。
(5)排紙選択
○裏面排紙モード(本原稿読み取りモード・デフォルト)
(機能)本原稿は頁順読み取りのため、通常の片面複写時はコピーを反転してその画像面を下向きに排紙する。両面モードは裏面排紙モードを設定し、転写紙を反転せずに頁順に排紙する。シート原稿読み取りモード選択時も指定できる。
【0150】
(操作)表面排紙キー616の押下により、表面排紙モードを解除する。
▲1▼表面排紙モード(シート原稿読み取りモード・デフォルト)
(機能)シート原稿は表面排紙モードを標準とする。本原稿は少数原稿や画像確認の時に指定し、転写紙を反転せずに排紙する。
(操作)表面排紙キー616の押下により、表面排紙モードを選択する。
【0151】
(6)消去幅変更モード
▲1▼センター消去モード(出荷デフォルト:10mm)
(機能)原稿基準の綴じ部振分でセンター消去幅を設定する。
(操作)センター消去キー635の押下により、ガイダンス表示に従い1.テンキー642で消去幅の数値を入力し、2.エンターキー640でそれを確定する。0mmから40mmまで1mm単位で消去幅を設定する。独立頁モードは、各頁の綴じ部消去幅は設定値の半分となる。
▲2▼枠消去モード(出荷デフォルト:上・下・左右各5mm)
(機能)原稿基準で頁の上・下・左右の各消去幅を設定する。
(操作)枠消去キー636の押下により、ガイダンス表示に従い1.テンキー642で消去幅の数値を入力し又はエンターキー640で次に移行し、 2.エンターキー640でその確定を上・下・左右の順に繰り返す。 各々0mmから30mmまで、1mm単位で消去幅を設定する。主走 査方向の画像シフトは、手前から25mm以内開けて本原稿をセット し、シフト幅に合わせて下方向の消去幅を大きく設定する。
【0152】
(7)移動量変更モード
▲1▼移動量(デフォルト:0mm)
(機能)右合わせモード、左合わせモードにおける副走査方向の画像シフト量を設定する。転写紙右端、左端部に適当な綴じ代、余白を作るのに用いる。設定した移動量は右合わせモード、左合わせモードともに同一
とする。
【0153】
(操作)移動量変更キー637の押下により、ガイダンス表示に従い1.テンキー642で移動量の数値を入力し、2.エンターキー640でそれを確定する。0mmから20mmまで1mm単位で位置を設定する。
(8)原稿位置マニュアル入力
▲1▼上端
(機能)見開き本原稿の頁上端部位置をスケール値で入力する。同一本原稿内は指示した位置と上消去量で画像上側を消去する。頁上端部検出エラー時に頁上端位置をマニュアルで入力する。頁上端部不検出時に頁上端位置設定モードをガイダンス表示で入力警告する。
【0154】
(操作)上端キー638の押下により、ガイダンス表示に従い1.テンキー642で上端位置の数値を入力し、2.エンターキー640でそれを確定する。本原稿の頁上端部位置を確認し、上端部スケール値で0から20まで、1単位で位置を入力する。
▲2▼右端
(機能)見開き本原稿の最上位の頁右端部位置をスケール値で入力する。初回の頁めくりの頁吸着、上昇位置を指示した位置より算出する。頁右端部不検出あるいは頁めくりエラー時に頁右端位置をマニュアルで入力し、連続動作をスタートさせる。
【0155】
(操作)右端キー639の押下により、ガイダンス表示に従い1.テンキー642で右端位置の数値を入力し、2.エンターキー640でそれを確定する。本原稿の頁右端部位置を確認し、右端部スケール値で0から20まで、1単位で位置を入力する。
3.複写モード(従来からの複写機能)
(1)ソート/スタック
(2)用紙選択
(3)テンキー・小数点キー
(4)プログラム
(5)モードクリア/余熱
(6)クリア/ストップ
(7)置数確認/エンター
(8)割り込み
(9)スタート
4.複写モード(複写仕様変更機能)
(1)独立変倍
独立変倍範囲は主走査方向、副走査方向とも67%〜141%の範囲においてテンキー642内の1キーにより1%ピッチでガイダンス表示に従い設定し、ガイダンス表示により縦横の倍率を入力する。
【0156】
(2)ズーム
ズーム範囲は67%〜141%の範囲において1%ピッチで設定する。
(3)縮小/拡大/等倍
固定変倍時の複写倍率は71、82、87、93、115、122、141%に設定する。
【0157】
(4)文字/写真/文字写真
多値バージョン(128MB)のフレームメモリに格納される画像データは文字/写真/文字写真の各モードの切り換えで多値処理がなされ、2値バージョン(32MB)のフレームメモリに格納される画像データは文字/写真/文字写真の各モードの切り換えでファクシミリ、ODの2値疑似中間処理がなされる。
【0158】
(5)自動濃度・複写濃度
裏写り防止のため本原稿読み取りモードの複写濃度は、現流機同等のシート原稿読み取りモードに対して1ノッチ分低濃度側にシフトする。
次に、TPSシステム動作を説明する。
A.TPS動作モード
(1)読み取りモード
▲1▼本原稿読み取りモード
ミラー222を解除し、下側蛍光灯201,202を点灯し、左ホームポジションにてシェーディング補正後に走査ユニット200を右方向に走査して見開き本原稿を一度に読み取り、読み取り画像データをフレームメモリ104に格納する。
【0159】
▲2▼シート原稿読み取りモード
ミラー222を光路に挿入し、上側蛍光灯203,204を点灯し、左ホームポジションにてシェーディング補正後に走査ユニット200を右方向に走査してシート原稿を読み取り、読み取り画像データをフレームメモリ104に格納する。
【0160】
(2)リターンモード
▲1▼頁めくり
本原稿読み取りモードで、高圧のバイアスをめくりベルト208に印加し、走査ユニット200を左方向に走査してめくりベルト208が見開き本原稿の右端部に達した時点で停止させ、めくりベルト208を上昇させ、0.5sec.後に走査ユニット200を左方向に走査する。
読み取りセンサ(CCD)の読み取り画像より見開き本原稿の右端部と上端部を検出し、初回の頁吸着位置と主走査方向の画像有効範囲を算出する。また、頁めくり時に頁搬送路の頁センサ214により見開き本原稿の右端部と左端部の位置を検出し、副走査方向の画像有効範囲を算出する。
▲2▼走査ユニットリターン
シート原稿読み取りモードで、走査ユニット200を左方向に走査する。
【0161】
(3)ホーミングモード
通常の電源投入時に原稿台1を下降させて走査ユニット200から退避させる。走査ユニット200を走査して左ホームポジションにセットし、シート原稿読み取りに備える。
(4)前走査モード
左ホームポジションに走査ユニット200を走査してシェーディング補正、読み取り開始に備える。
(5)後走査モード
リターン動作終了後、走査ユニット200を走査して中央ホームポジションにセットし、原稿台を下降させて走査ユニット200から退避させ、本原稿の取り出しを可能とする。
【0162】
次に、追加頁設定について説明する。
一冊の本原稿内で、章や頁の構成により、複数頁群の画像を取り込んだり複写したい頁が飛んでいたりする場合がある。本装置は、後述するように、複数箇所の頁範囲を追加する追加頁モードを備えている。本原稿内の複数の頁範囲は一連の頁数指定動作で初期設定する。
【0163】
本原稿は通常頁数が振られており、また、その頁数は最初の頁から連続しており、各々の頁範囲は上述のように複写開始頁と複写終了頁の入力で指定する。頁数の設定方法は、本原稿の各頁範囲を第1の頁範囲から順次に入力し、頁確定と頁追加を繰り返して行う。本装置は、追加頁を入力してエンターキーで確定すれば、追加頁入力のガイダンスに代って図43(b)に示すような待機モードのガイダンスをガイダンス表示部643で表示し、スタートキー(プリントキー)641のオンで図43(c)に示すように第1の頁範囲(ブック1)をガイダンス表示部643で表示し、その画像の読み取りと出力を開始する。
【0164】
また、本原稿内で、章や頁の構成により、複数頁群の画像を取り込んだり複写したい頁が飛んでいたりする場合がある。また、頁画像として白紙あるいは複写不要の頁が挟まっていることがある。第2の頁数設定方法は、本原稿の出力(複写)頁範囲を指定し、その頁範囲内の出力しない(複写しない)頁範囲、すなわち、出力不要の本原稿内の飛ばし頁を指定する。例えば、はじめに頁範囲を上述のように本原稿の第10頁から第55頁までと入力して確定し、次に、操作部99の図示しない頁飛ばし頁キーを押下して飛ばし頁範囲を10キー642、エンターキー640により例えば第20頁から第45頁までと入力して確定する。その結果、後述するシステム制御部802(図46参照)は、第1に第10頁から第19頁までの頁範囲の画像を出力させ、第2に第46頁から第54頁までの頁範囲の画像を出力させ、第20頁から第45頁までの飛ばし頁範囲の画像を出力しないようにする。
【0165】
システム制御部802は、追加頁の設定後や別の頁群の複写中に、各頁範囲の順序と、指定した頁範囲を操作部99のガイダンス表示部643に表示させ、その表示形態を図43に示す複写動作中あるいは待機中のガイダンス表示と同様とする。システム制御部802は、ガイダンス表示部643の表示を、頁追加キー634の押下により、ブック1からブック2(第2の頁範囲)、ブック3(第3の頁範囲)と移行させ、その設定頁数の表示を頁追加キー634の押下毎に繰り返させる。また、システム制御部802は、複写動作中には、頁追加キー634の押下により、次の頁範囲をガイダンス表示部643で表示させる。
【0166】
システム制御部802は、複数の頁群の頁数入力後に、頁追加キー634の指定により、各頁群の頁範囲を読み出してガイダンス表示部643に表示させる。そして、システム制御部802は、その読み出し表示状態で、複写頁設定キー628により複写開始頁〜複写終了頁入力モードを選択し、頁数が上述のように再入力されることで頁範囲をその再入力の頁範囲に修正する。従って、システム制御部802及び複写頁設定キー628、10キー642、エンターキー640は頁数を修正する修正手段を構成する。さらに、システム制御部802は、頁追加キー634の指定により各頁群の頁範囲を読み出してガイダンス表示部643で表示する状態とし、この状態で複写頁設定キー628で複写開始頁〜複写終了頁入力モードが選択されて頁数が入力されずにエンターキー640が押下されることにより追加頁モードとその頁数を解除する。従って、システム制御部802及び複写頁設定キー628、エンターキー640は頁数を解除する解除手段を構成する。
【0167】
次に、ガイダンス表示について説明する。
本装置の操作ガイド及び警告の表示は、操作部99に配置された20桁2行のキャラクタ表示が可能な液晶表示パネルからなるガイダンス表示部643で行っている。図43はガイダンス表示部643の各表示例である。ガイダンス表示部643において、左上は読み取りモードの選択状態を表示し、右上は複写倍率を表示し、左下は設定頁数を表示し、右下は複写中頁数を表示する。
【0168】
図43(a)はガイダンス表示部643の本原稿複写中の一般的な表示例である。その表示内容は、読み取りモードが本原稿読み取りモードであって複写倍率が等倍であり、設定頁数が本原稿の見開き右頁の第15頁から第48頁までの設定であって第24頁複写中であることを表示している。図43(b)はガイダンス表示部643の本原稿複写待機中の一般的な表示例ある。その表示内容は、読み取りモードが本原稿読み取りモードであって複写倍率が等倍であり、設定頁数が見開き頁モードの総頁数40頁の設定であることを表示しており、複写開始前のために右下の複写中頁数は表示していない。
【0169】
以上のように本装置では、見開き本原稿の複写開始頁と複写終了頁、あるいは総頁数による画像形成枚数(複写枚数)を指示する頁入力を行い、その設定内容を表示し、設定頁数の確認及び修正が可能である。又、本原稿の複写開始頁を見開いてセットする場合にも、頁数設定後にガイダンス表示部643の表示を見て本原稿を開く。設定頁数は動作開始前の待機時と本原稿の読み取り終了時にガイダンス表示部643で表示する。本原稿の読み取り時と複写時には設定頁数と複写中頁数をガイダンス表示部643で表示する。
【0170】
本原稿を読み取り、その読み取り頁の画像を形成し、本原稿の頁をめくる本装置は、動作開始後に自動的に連続して動作する。システム制御部802は、設定頁数と本原稿の読み取りあるいは複写の実行中の頁数をガイダンス表示部643で表示させ、動作の状況と経過をオペレータに知らせる。また、操作部99のストップキーの押下にて読み取りあるいは複写の実行中の頁で動作を途中にて中断あるいは停止する。
【0171】
図43(c)はガイダンス表示部643のシート原稿複写中の一般的な表示例である。その表示内容は、読み取りモードがシート原稿読み取りモードであって複写倍率が等倍であることを表示している。図43(d)は、複数頁群を自動で読み取る追加頁モードの最初の頁群であるジョブ1の複写中におけるガイダンス表示部643の表示例を示す。その表示内容は、読み取りモードが本原稿の第1の頁範囲(ブック1)の読み取りモードであって複写倍率が等倍であり、設定頁数が本原稿の見開き右頁の第15頁から第48頁までの設定であって第24頁複写中であることを表示している。
【0172】
図43(e)は追加頁モードの次の頁群であるジョブ2についての複写中におけるガイダンス表示部643の表示例を示す。その表示内容は、読み取りモードが本原稿の第2の頁範囲(ブック2)の読み取りモードであって複写倍率が等倍であり、設定頁数が本原稿の見開き左頁の第52頁から第58頁までの設定であって第55頁複写中であることを表示している。第1ジョブの入力された複写開始頁は第15頁で右頁であるため、本原稿の連続する複写頁は奇数頁が右頁で偶数頁が左頁に配置される。従って、第2ジョブの入力された複写開始頁である第52頁は左頁と判定され、第2ジョブに移行した時点でガイダンス表示部643の表示も複写開始頁が左頁と変更される。
【0173】
図43(f)は追加頁モードのその次の頁群であるジョブ3についての複写中におけるガイダンス表示部643の表示例を示す。その表示内容は、読み取りモードが本原稿の第3の頁範囲(ブック3)の読み取りモードであって複写倍率が等倍であり、設定頁数が本原稿の見開き右頁の第65頁から第99頁までの設定であって第99頁複写中であることを表示している。第3ジョブの入力された複写開始頁の第65頁は右頁と判定され、第3ジョブに移行した時点でガイダンス表示部643の表示も複写開始頁が右頁と変更される。
【0174】
図43(g)は追加頁モードでジョブ2からジョブ3へと移る頁飛ばし中におけるガイダンス表示部643の表示例を示す。その表示内容は、読み取りモードがブック3の読み取りモードであって複写倍率が等倍であり、設定頁数が本原稿の見開き右頁の第65頁から第99頁までの設定であって第63頁の頁めくり動作中であることを表示している。
【0175】
図44はガイダンス表示部643の警告表示例を示す。システム制御部802は、頁めくり走査のみ実行する飛ばし頁数のあらかじめ入力できる上限値を図示しない飛ばし頁数上限値設定部により設定された10頁、5回のめくり走査回数に限定している。したがって、システム制御部802は、飛ばし頁数のあらかじめ入力できる上限値を飛ばし頁数上限値設定部により設定された10頁、5回のめくり走査回数以下に規制する規制手段を構成している。また、システム制御部802は、10キー642,エンターキー640からなる頁指定手段及び複写頁設定キー628,頁追加キー634,10キー642,エンターキー640からなる頁範囲指定手段により指定された頁範囲の間の画像を出力しない頁数を演算する演算手段を構成している。
【0176】
例えば、ジョブ1の頁数設定が第15頁から第48頁までであって、追加頁のジョブ2の頁数設定が第82頁から第98頁までである場合はその頁数設定がシステム制御部802により禁止される。システム制御部802は、その飛ばし頁数をジョブ2の開始頁とジョブ1の終了頁との差を演算して求め、自動とマニュアル操作とを比較した場合のトータルの処理時間を低減させる。また、システム制御部802は、飛ばし頁数を上限値以下に制限することにより、出力頁範囲外のめくり走査回数を減らし、本原稿の破壊を防止し、その確率も低減させる。この場合、システム制御部802は、飛ばし頁数が上限値を越えたことを判別してガイダンス表示部643に“飛ばし頁範囲オーバー”の警告表示を行わせ、入力された追加頁を無効としてキャンセルする。したがって、システム制御部802及びガイダンス表示部643は、“飛ばし頁範囲オーバー”の警告表示を行う警告手段を構成している。
【0177】
ユーザによって本原稿の種類が異なり、複写頁の範囲や箇所にばらつきがあるため、飛ばし頁数の上限(上記10頁の上限値)は飛ばし頁数上限値設定部にてユーザに合わせてプログラマブルに設定可能になっており、SPモードで飛ばし頁数の上限値を飛ばし頁数上限値設定部で無限大まで可変設定できる。したがって、飛ばし頁数上限値設定部は、10キー642,エンターキー640からなる頁指定手段及び複写頁設定キー628,頁追加キー634,10キー642,エンターキー640からなる頁範囲指定手段により指定された頁範囲の間の画像を出力しない頁数を設定し可変する上限手段を構成している。
【0178】
画像出力をしない頁のめくり操作は、1サイクルで約15秒を要するのに対し、マニュアルによる本原稿の見開きセットと頁数の再設には数十秒を要する。本装置は、頁範囲内の頁画像を出力しない頁数の上限を初期値で10頁としている。ユーザが意識することなく、自動的に頁めくりとマニュアル操作とを比較したときに一般的な場合で処理速度が向上する。
【0179】
図45は複写頁設定中のガイダンス表示部643の表示例を示す。図45(a)は通常の複写開始頁〜複写終了頁設定のガイダンス表示を示し、これは追加頁がある場合も第1の頁範囲の入力時と同様となる。複写開始頁〜複写終了頁設定は、上述のように複写開始頁をテンキー642で入力してエンターキー640で確定し、複写終了頁をテンキー642で入力してエンターキー640で確定する。図45(b)は追加頁モードにおける頁数設定のガイダンス表示を示し、この頁数設定はブック2の頁数設定である。この頁数設定は、上述のように複写開始頁をテンキー642で入力してエンターキー640で確定し、複写終了頁をテンキー642で入力してエンターキー640で確定する。
【0180】
本装置では、追加頁モートで設定できる頁範囲群の数を3群に制限している。一般的に1つの本原稿の複数箇所の複写では、その箇所が多くなるにつれて操作と表示がわかりやすくなる。また、コピーを出力する出力箇所が1箇所の場合は多数の頁群のコピーを出力する出力箇所が1箇所になってしまい、頁群数の制限が必要となる。
【0181】
次に、追加頁モードについて説明する。
本装置では、見開き本原稿を読み取り、頁をめくり、読み取り頁の画像を出力する。また、上述のように本原稿の複数箇所の頁範囲を指定する本原稿頁範囲指定手段を備え、頁数の設定に基づいて指定の複数の頁範囲の画像を連続で形成出力することにより、本原稿内の所望の頁のみ複写する。また、指定の複数の頁範囲外の頁は頁めくり走査のみ行い、連続動作をしながら画像読み取り処理を省く。
【0182】
また、本装置は、上述のように複数箇所の頁範囲を指定する本原稿頁範囲指定手段と、複写開始頁が見開き左右頁のうちの右頁か左頁かを入力する入力手段とを備え、追加頁の見開き左右頁を第1の複写開始頁の左右より判別する。これは、システム制御部802が図39に示す最終頁左右判断フローと同様なフローで第1の複写開始頁が左頁であるか右頁であるかということと、入力された複写開始頁が奇数であるか偶数であるかということから求める。追加頁モードでは、第2の頁範囲と第3の頁範囲を追加入力する。第2の頁範囲と第3の頁範囲とそれ以外とは複写モード設定が同一である。
【0183】
本装置では、オプションでソータ702の設置が可能である。ソータ702は、出力ビンが10ビン有り、通常、複数部数を複写する際の一部毎の仕分けに用いられる。追加頁モードでは複数箇所の頁範囲を連続複写して頁群毎に転写紙に画像形成し、この各頁群の転写紙をソータ702にビン毎に分けて出力する。従って、転写紙はソータ702の各ビンに頁群毎に収納される。また、本装置は、ソータ702やドギーテールのように複数箇所の排紙口を設置した場合、追加頁モードにおいて標準的に仕分け排紙を行う。
【0184】
ほとんどの本原稿は両面印刷であり、その複写を行う場合に転写紙の両面に複写する機械が多い。本装置は、複数箇所の頁範囲を転写紙の両面に複写する時、指定した複数の頁範囲を詰めて転写紙の表裏に複写し、空き頁を作らずに一連のコピーを形成するモードを有する。連続頁モードが操作部99により指定されれば、初めの頁群の最終頁の複写が転写紙の表面で終了した場合、次の頁群の最初の頁からの複写はその転写紙の裏面から連続するように行われる。
【0185】
本装置では、画像を出力しない頁に対する走査ユニット200の往動走査は、頁画像の読み取りを行わない。すなわち、スキャナ制御部801(図46参照)は、本原稿を照明するランプ201,202を非点灯とし、本原稿読み取りのためのCCDの駆動信号を停止して画像信号の処理、画像信号のフレームメモリ104への格納等を停止した状態とする。さらに、システム制御部802は、頁とばし期間にはプリンタ501に画像形成のための作像プロセスおよび駆動を停止させる。
【0186】
次に頁飛ばしモードについて説明する。
図46は本装置のシステム構成を示す。スキャナ制御手段としてのスキャナ制御部801はIPU103により構成され、システム制御手段としてのシステム制御部802及びプロッタ制御手段としてのプロッタ制御部803はメイン制御板107により構成される。スキャナ制御部801はスキャナ部500を制御し、プロッタ制御部803は上記プリンタ(プロッタ)501を制御する。操作制御手段としての操作制御部804は、操作部99の制御を行い、操作部99において上述した追加頁設定で用いるモード入力キーを含む各操作キーの操作状態をシステム制御部802に通達する。システム制御部802は、操作制御部804からのキー情報を基にブザーのオン/オフ、操作部99の各発光ダイオードのオン/オフ、ガイダンス表示部643の表示すべき内容を操作制御部804に通達すると共にキー操作に対応したモードの確定を行う。操作制御部804はシステム制御部802からの通達に従ってブザーのオン/オフ、操作部99の各発光ダイオードのオン/オフ、ガイダンス表示部643の表示内容を制御する。
【0187】
このようにシステム制御部802が操作制御部804との情報のやりとりにて上述のように複写可能となるモードの基本設定を行ってそれが完了すると、システム制御部802は操作制御部804に複写可能状態であることを操作部99の発光ダイオードやガイダンス表示部643等で表示させ、操作者からの複写開始指令(プリントキー641の押下等)を待つ。
【0188】
システム制御部802は、プリントキー641が押下されると、設定されているモードをチェックしてスキャナ制御部801及びプロッタ制御部803にそのモードを実現するために必要なデータを通達する。以下、このようにシステム制御部802がスキャナ制御部801及びプロッタ制御部803の同期をとることをふまえて追加頁モードの動作を説明する。
【0189】
図47〜図49はシステム制御部802の頁飛ばしモード動作フローを示す。システム制御部802は、頁飛ばしモードの設定時に操作者によりプリントキー641が押下されると、スキャナ制御部801に対し、画像に関するパラメータ(濃度、白抜け量、移動量等)を通達し、スキャンスタート指令を出す。スキャナ制御部801は、システム制御部802からスキャンスタート指令を受けると、走査ユニット200を走査させて原稿画像の読み取りを開始し、その読み取り画像データをフレームメモリ104に書き込む。
【0190】
システム制御部802は、このスキャンスタート指令発行時の設定複写開始頁が左頁であるか否かを判断して複写開始頁が左頁であれば頁管理カウンタ(page count)に2をセットしてフレームメモリ104の画像データ格納を左頁画像データから開始するように設定し、複写開始頁が右頁であれば頁管理カウンタに1をセットしてフレームメモリ104の画像データ格納を右頁画像データ格納位置から開始するように設定する。
【0191】
スキャナ制御部801は、スキャナ部500の原稿画像の読み取りが終了すると、リターンモードとなり、スキャナ部500の頁めくり処理を行わせる。また、スキャナ制御部801はスキャナ部500の頁めくり処理が失敗した場合にはスキャナ部500に頁めくり処理を繰り返して行わせ、その成否をシステム制御部802に通達する。システム制御部802は、スキャナ制御部801からの通達でスキャナ部500の頁めくり処理の繰り返し回数(リトライ回数)をカウントし、その回数が所定の頁めくりエラー回数以上になった場合には頁めくりエラーが発生したと判定してEMERGENCYモードに移行して頁めくりエラーに対する緊急処理を行う。
【0192】
また、スキャナ制御部801は、頁めくり処理が終了すると、‘頁めくり成功’をシステム制御部802に通達する。システム制御部802は、スキャナ制御部801からの‘頁めくり成功’の通達を受けると、頁管理カウンタに2を加算する。このようにすることにより、頁管理カウンタのカウント値はこれからスキャナ部500で走査する(画像を読み取る)頁数を表わすことになる。
【0193】
さらに、システム制御部802は、スキャンスタート指令発行時にプロッタ制御部803にプリントパラメータ(給紙段、排紙口、プロセス条件等)を発行する。この場合、システム制御部802は、設定されているモードの管理を行っていてプリンタ501における各頁毎の給紙段(給紙装置)、ソータ702などへの排紙口を認識し、プロッタ制御部803に複数(N)頁分のプリントパラメータを発行する。
【0194】
プロッタ制御部803は、システム制御部802からのN頁分のプリントパラメータを受け取ると、これを一旦バッファに蓄え、先ず1頁目のプリントパラメータに基づいてプリンタ501を制御して1頁目の給紙を開始させる。プリンタ501の2頁目以降の給紙動作は、プロッタ制御部803により前の搬送紙のFゲートアサートタイミング(搬送紙に画像を転写するタイミング)を基に制御され、最短の用紙間隔で紙搬送処理を行うことができる。
【0195】
システム制御部802は、レジストローラのところで搬送紙を検知するレジストセンサからの入力信号により、給紙装置からの搬送紙がレジストローラに達したか否かを判断し、搬送紙がレジストローラに達してプロッタ501とスキャナ部500との同期がとれた時に(Fゲートアサートタイミングで)スキャナ制御部801にページメモリスタート要求を発行する。この場合、システム制御部802は、プロッタで右頁の画像データをプリントするか左頁の画像データをプリントするかを判断してその結果によりスキャナ制御部801にページメモリ(フレームメモリ104)に対する右頁又は左頁のページメモリスタート要求を発行する。
【0196】
スキャナ制御部801はフレームメモリ104内においてページメモリスタート要求により要求された右頁又は左頁の画像データをプリンタ501に同期させて出力する。プリンタ501は、上述のようにフレームメモリ104から出力された画像データに基づく露光手段による画像露光で感光体ドラム706上に画像が書き込まれてレジストローラからの搬送紙に感光体ドラム706上の画像が転写され、その搬送紙が外部または両面トレイ720に排出される。この場合、プリンタ501は、外部または両面トレイ720に排出される搬送紙を排紙センサにより検出し、この排紙センサからの紙検出信号をシステム制御部802に通達する。
【0197】
システム制御部802は、排紙センサからの紙検出信号によりプリンタ501で転写紙が外部および両面トレイ720のいずれかに排出されたか否かを判断して転写紙が外部および両面トレイ720のいずれかに排出された時には排出カウンタに1を加算する。また、プリンタ501で転写紙が外部および両面トレイ720のいずれかに排出されると、プリントパラメータバッファに1枚分の空きが生ずるため、システム制御部802は、排出カウンタの値が現在複写中の第I回目の頁範囲の総数に達したか否かを判断して排出カウンタの値が現在複写中の第I回目の頁範囲の総数に達しない場合にはプロッタ制御部803に(N+排出カウンタの値)番目のプリントパラメータを発行する。こうすることにより、プロッタ制御部803のプリントパラメータバッファには常にN枚分のプリントパラメータが存在するため、最後まで最短の用紙間隔が保たれる。
【0198】
システム制御部802は、排出カウンタの値が現在複写中の第I回目の頁範囲の総数に達した場合には排出カウンタの値に1を加算して次の頁設定がされているか否かを判断し、つまり、第I回目の頁範囲が設定されているか否かを判断し、次の頁範囲が設定されていない場合にはそれを確認して複写動作を終了させる。この場合、プロッタ制御部803は、第I回目の頁範囲が設定されていないから最終頁の給紙時にプリントパラメータバッファが空になるため、プリンタ501は最終頁の画像が形成された用紙が排出された後に動作を停止する。システム制御部802は、第I回目の頁範囲が設定されている場合には頁飛ばしモードをオンさせてスキャナ制御部801に頁飛ばしモードであることを知らせ、かつ、スキャナ制御部801にスキャンスタート指令を発行する。
【0199】
例えば、頁範囲が第10頁から第54頁のうち第10頁から第19頁までと、第46頁から第54頁までを出力し、第20頁から第45頁までを出力しないというように設定されている場合には、排出カウンタの値が第10頁から第19頁までの総頁数10頁に等しくなるまで上記制御が繰り返される。排出カウンタの値が10頁に等しくなると、システム制御部802は、次の頁設定がされているか否かを判断する。この頁数設定例では次に第46頁から第54頁までを出力するように設定されているため、システム制御部802は、頁飛ばしモードをオンさせてスキャナ制御部801に頁飛ばしモードであることを知らせ、かつ、スキャナ制御部801にスキャンスタート指令を発行する。
【0200】
スキャナ制御部801は、システム制御部802からのスキャンスタート指令を受けて走査ユニット200を走査させて頁めくり処理を行わせる。頁飛ばしモード時には、スキャナ部500が本原稿画像を読み取る必要はなく、スキャナ制御部801がシステム制御部802へ‘頁めくり成功’と‘次のスキャンスタート指令に対するスキャナレディ’を通達すればよい。
【0201】
スキャナ制御部801は、システム制御部802から頁飛ばしモードの通達を受けると、走査ユニット200の走査速度を本原稿画像読み取り時より高速の走査速度に設定し、かつ、本原稿の読み取りに必要なランプ200,201等の負荷をオフさせる。スキャナ制御部801は、このような処理によりスキャナ部500に本原稿の読み取りを行わせずに図54に示すように走査ユニット200の高速走査による本原稿の頁めくり及び空走査を行わせ、これをシステム制御部802から頁飛ばしモードが終了したという通達を受けるまで行う。
【0202】
また、スキャナ制御部801は、スキャナ部500の頁めくり処理が失敗した場合にはスキャナ部500に頁めくり処理を繰り返して行わせ、その結果をシステム制御部802に通達する。システム制御部802は、スキャナ制御部801からの通達でスキャナ部500の頁めくり処理の繰り返し回数(リトライ回数)をカウントし、その回数が所定の頁めくりエラー回数以上になった場合には頁めくりエラーが発生したと判定してEMERGENCYモードに移行して頁めくりエラーに対する緊急処理を行う。
【0203】
スキャナ制御部801は、頁めくり処理が終了すると、‘頁めくり成功’を通達する。システム制御部802は、スキャナ制御部801からの‘頁めくり成功’の通達を受けると、頁管理カウンタに2を加算する。スキャナ制御部801は頁めくり処理が終了してから次のスキャンスタート指令に対するスキャナレディをシステム制御部802に発行する。頁飛ばしモード時には、スキャナ制御部801はシステム制御部802からのスキャンスタート指令により走査ユニット200を走査させて頁めくり処理を行わせる。しかし、頁飛ばしモード時はプロッタ501が動作していないためにFゲートアサートタイミングが発生せず、システム制御部802にはスキャナ制御部801からの‘頁めくり成功’と次のスキャンスタート指令に対するスキャナレディのみが発行されることになる。
【0204】
システム制御部802はスキャナ制御部801からの‘頁めくり成功’と次のスキャンスタート指令に対するスキャナレディの通達により頁飛ばしモード時に頁管理カウンタによる頁カウントとスキャンスタート指令の発行を行う。頁管理カウンタはこれからスキャナ部500で走査する頁数を表わしており、見開き本原稿の左頁は(頁管理カウンタの値−1)頁となり、見開き本原稿の右頁は(頁管理カウンタの値)頁となる。
【0205】
このことから、(頁管理カウンタの値−1)≧46の条件で頁飛ばしモードが終了することになる。システム制御部802は、(頁管理カウンタの値−1)が第I回目の頁範囲の複写開始頁に等しくなったか否かを判断することにより頁飛ばしモードが終了したか否かを判断し、上記頁数設定例では(頁管理カウンタの値−1)≧46の条件で頁飛ばしモードが終了したか否かを判断する。
【0206】
システム制御部802は、(頁管理カウンタの値−1)≧46の条件が成立しなければスキャナ制御部801からの‘頁めくり成功’と次のスキャンスタート指令に対するスキャナレディの通達により頁管理カウンタによる頁カウントとスキャンスタート指令の発行を行い、(頁管理カウンタの値−1)≧46の条件が成立すれば頁飛ばしモードが終了したと判定する。
【0207】
システム制御部802は、頁飛ばしモードが終了すると、(頁管理カウンタの値−1)と第I回目の頁範囲の複写開始頁とが等しいか否かを判別することによりその複写開始頁が左頁であるか右頁であるかを判別する。例えば、上述の頁数設定例においては、システム制御部802は、本原稿の第46頁から第54頁までの複写動作に対して(頁管理カウンタの値−1)=46ならば複写開始頁が左頁であって(頁管理カウンタの値)=46ならば複写開始頁が右頁であると判別する。
【0208】
また、システム制御部802は、頁飛ばしモードが終了すると、スキャナ制御部801に頁飛ばしモードが終了したことを通達し、次の第46頁から第54頁までのプリントパラメータをプロッタ501に通達するために、次の走査ユニット200の走査開始が最初のスキャンスタートであることを示すスキャンスタートフラグをオンし、スキャナ制御部801に対する画像に関するパラメータの通達を行うステップに戻る。
【0209】
上述の頁数設定例では、システム制御部802は、同様に、プロッタ501が第46頁から第54頁までのコピーを排出すると、排出カウンタの値が現在複写中の第I回目の頁範囲の総数に達したか否かを判断して排出カウンタの値が現在複写中の第I回目の頁範囲の総数に達した場合には排出カウンタに1を加算して次の頁設定がされているか否かを判断し、次の頁範囲が設定されていない場合にはそれを確認して複写動作を終了させる。この場合、プロッタ制御部803は、次の頁範囲が設定されていないから最終頁の給紙時にプリントパラメータバッファが空になり、プリンタ501で最終頁の紙が排出された後に動作を停止する。
【0210】
システム制御部802は、図47(b)に示すように複写動作中には常時スキャナ部500の次の走査開始タイミング、スキャナレディ、フレームメモリ104のメモリレディという3つの条件が成立したか否かをチェックし、これらの条件の成立時にはスキャナ制御部801に対する画像に関するパラメータの通達を行うステップに戻る。
【0211】
次に、追加頁モードに関する応用モードについて説明する。
上述のように、操作制御部804は、操作部99において追加頁設定で用いるモード入力キーを含む各操作キーの操作状態をシステム制御部802に通達する。システム制御部802は、操作制御部804からのキー情報を基にブザーのオン/オフ、操作部99の各発光ダイオードのオン/オフ、ガイダンス表示部643の表示すべき内容を操作制御部804に通達すると共にキー操作に対応したモードの確定を行う。操作制御部804はシステム制御部802からの通達に従ってブザーのオン/オフ、操作部99の各発光ダイオードのオン/オフ、ガイダンス表示部643の表示内容を制御する。
【0212】
このようにシステム制御部802が操作制御部804との情報のやりとりにて上述のように複写可能となるモードの基本設定を完了すると、システム制御部802は操作制御部804に複写可能状態であることを操作部99の発光ダイオードやガイダンス表示部643等で表示させ、操作者からの複写開始指令(プリントキー641の押下等)を待つ。
【0213】
システム制御部802は、プリントキー641が押下されると、設定されているモードをチェックしてスキャナ制御部801及びプロッタ制御部803にそのモードを実現するために必要なデータを通達する。以下、このようにシステム制御部802がスキャナ制御部801及びプロッタ制御部803の同期をとることをふまえて応用モードの動作を説明する。
【0214】
図50〜図52はシステム制御部802の応用モード動作フローを示す。システム制御部802は、応用モードの設定時に操作者によりプリントキー641が押下されると、スキャナ制御部801に対し、画像に関するパラメータ(濃度、白抜け量、移動量等)を通達し、スキャンスタート指令を出す。スキャナ制御部801は、システム制御部802からスキャンスタート指令を受けると、走査ユニット200を走査させて原稿画像の読み取りを開始し、その読み取り画像データをフレームメモリ104に書き込む。
【0215】
システム制御部802は、このスキャンスタート指令発行時の複写開始頁が左頁であるか否かを判断して複写開始頁が左頁であれば頁管理カウンタに2をセットしてフレームメモリ104の画像格納を左頁画像データから開始するように設定し、複写開始頁が右頁であれば頁管理カウンタに1をセットしてフレームメモリ104の画像格納を右頁から開始するように設定する。
【0216】
スキャナ制御部801は、スキャナ部500の原稿画像の読み取りが終了すると、リターンモードとなり、スキャナ部500の頁めくり処理を行わせる。
【0217】
また、スキャナ制御部801はスキャナ部500の頁めくり処理が失敗した場合にはスキャナ部500に頁めくり処理を繰り返して行わせ、その結果をシステム制御部802に通達する。システム制御部802は、スキャナ制御部801からの通達でスキャナ部500の頁めくり処理の繰り返し回数(リトライ回数)をカウントし、その回数が所定の頁めくりエラー回数以上になった場合には頁めくりエラーが発生したと判定してEMERGENCYモードに移行して頁めくりエラーに対する緊急処理を行う。
【0218】
また、スキャナ制御部801は、頁めくり処理が終了すると、‘頁めくり成功’をシステム制御部802に通達する。システム制御部802は、スキャナ制御部801からの‘頁めくり成功’の通達を受けると、頁管理カウンタに2を加算する。こうすることにより、頁管理カウンタのカウント値はこれからスキャナ部500で走査する(画像を読み取る)頁数を表わすことになる。
【0219】
さらに、システム制御部802は、スキャンスタート指令発行時にプロッタ制御部803にプリントパラメータ(給紙段、排紙口、プロセス条件等)を発行する。この場合、システム制御部802は、設定されているモードの管理を行っていてプリンタ501における各頁毎の給紙段、ソータ702などへの排紙口を認識し、プロッタ制御部803にN頁分のプリントパラメータを発行する。
【0220】
プロッタ制御部803は、システム制御部802からのN頁分のプリントパラメータを受け取ると、これを一旦バッファに蓄え、先ず1頁目のプリントパラメータに基づいてプリンタ501を制御して1頁目の給紙を開始させる。プリンタ501の2頁目以降の給紙動作は、プロッタ制御部803により前の搬送紙のFゲートアサートタイミング(搬送紙に画像を転写するタイミング)を基に制御され、最短の用紙間隔で紙搬送処理を行うことができる。
【0221】
システム制御部802は、レジストローラのところで搬送紙を検知するレジストセンサからの入力信号により、給紙装置からの搬送紙がレジストローラに達したか否かを判断し、搬送紙がレジストローラに達してプロッタ501とスキャナ部500との同期がとれた時に(Fゲートアサートタイミングで)スキャナ制御部801にページメモリスタート要求を発行する。この場合、システム制御部802は、プロッタで右頁の画像データをプリントするか左頁の画像データをプリントするかを判断してその結果によりスキャナ制御部801にページメモリ(フレームメモリ104)に対する右頁又は左頁のページメモリスタート要求を発行する。
【0222】
スキャナ制御部801はフレームメモリ104内においてページメモリスタート要求により要求された右頁又は左頁の画像データをプリンタ501に同期させて出力する。プリンタ501は、上述のようにフレームメモリ104から出力された画像データに基づく露光手段による画像露光で感光体ドラム706上に画像が書き込まれてレジストローラからの搬送紙に感光体ドラム706上の画像が転写され、その搬送紙が外部または両面トレイ720に排出される。この場合、プリンタ501は、外部及び両面トレイ720に排出される搬送紙を排紙センサにより検出し、この排紙センサからの紙検出信号をシステム制御部802に通達する。
【0223】
システム制御部802は、排紙センサからの紙検出信号によりプリンタ501で転写紙が外部に排出されたか否かを判断して転写紙が外部に排出された時には現在行っている複写動作が何番目の頁設定モードの複写動作であるかをチェックし、その頁設定モード(第I回目の頁設定モード)に対応する排紙口を指定する。また、システム制御部802は、排紙センサからの紙検出信号によりプリンタ501で転写紙が外部および両面トレイ720のいずれかに排出されたか否かを判断して転写紙が外部および両面トレイ720のいずれかに排出された時には排出カウンタに1を加算する。
【0224】
また、プリンタ501で転写紙が外部または両面トレイ720に排出されると、プリントパラメータバッファに1枚分の空きが生ずるため、システム制御部802は、排出カウンタが現在複写中の第I回目の頁範囲の総数に達したか否かを判断して排出カウンタが現在複写中の第I回目の頁範囲の総数に達しない場合にはプロッタ制御部803に(N+排出カウンタの値)番目のプリントパラメータを発行する。こうすることにより、プロッタ制御部803のプリントパラメータバッファには常にN枚分のプリントパラメータが存在するため、最後まで最短の用紙間隔が保たれる。
【0225】
システム制御部802は、排出カウンタの値が現在複写中の第I回目の頁範囲の総数に達した場合には排出カウンタの値に1を加算して次の頁設定がされているか否かを判断し、つまり、第I回目の頁範囲が設定されているか否かを判断し、次の頁範囲が設定されていない場合にはそれを確認して複写動作を終了させる。この場合、プロッタ制御部803は、第I回目の頁範囲が設定されていないから最終頁の給紙時にプリントパラメータバッファが空になるため、プリンタ501で最終頁の紙が排出された後に動作を停止する。システム制御部802は、第I回目の頁範囲が設定されている場合には頁飛ばしモードをオンさせてスキャナ制御部801に頁飛ばしモードであることを知らせ、かつ、スキャナ制御部801にスキャンスタート指令を発行する。
【0226】
例えば、頁範囲が第10頁から第54頁のうち第10頁から第19頁までと、第46頁から第54頁までを出力し、第20頁から第45頁までを出力しないというように設定されている場合には、排出カウンタが第10頁から第19頁までの総頁数10頁に等しくなるまで上記制御が繰り返される。排出カウンタが10頁に等しくなると、システム制御部802は、次の頁設定がされているか否かを判断する。この頁数設定例では次に第46頁から第54頁までを出力するように設定されているため、システム制御部802は、頁飛ばしモードをオンさせてスキャナ制御部801に頁飛ばしモードであることを知らせ、かつ、スキャナ制御部801にスキャンスタート指令を発行する。
【0227】
スキャナ制御部801は、システム制御部802からのスキャンスタート指令を受けて走査ユニット200を走査させて頁めくり処理を行わせる。頁飛ばしモード時には、スキャナ部500が本原稿画像を読み取る必要はなく、スキャナ制御部801がシステム制御部802へ‘頁めくり成功’と‘次のスキャンスタート指令に対するスキャナレディ’を通達すればよい。
【0228】
スキャナ制御部801は、システム制御部802から頁飛ばしモードの通達を受けると、走査ユニット200の走査速度を画像読み取り時より高速の走査速度に設定し、かつ、本原稿の読み取りに必要なランプ等の負荷をオフさせる。スキャナ制御部801は、このような処理によりスキャナ部500に本原稿の読み取りを行わせずに走査ユニット200の高速走査による本原稿の頁めくり及び空走査を行わせ、これをシステム制御部802から頁飛ばしモードが終了したという通達を受けるまで行う。
【0229】
また、スキャナ制御部801は、スキャナ部500の頁めくり処理が失敗した場合にはスキャナ部500に頁めくり処理を繰り返して行わせ、その結果をシステム制御部802に通達する。システム制御部802は、スキャナ制御部801からの通達でスキャナ部500の頁めくり処理の繰り返し回数(リトライ回数)をカウントし、その回数が所定の頁めくりエラー回数以上になった場合には頁めくりエラーが発生したと判定してEMERGENCYモードに移行して頁めくりエラーに対する緊急処理を行う。
【0230】
スキャナ制御部801は、頁めくり処理が終了すると、‘頁めくり成功’と‘次のスキャンスタート指令に対するスキャナレディ’を通達する。システム制御部802は、スキャナ制御部801からの‘頁めくり成功’の通達を受けると、頁管理カウンタに2を加算する。頁飛ばしモード時には、スキャナ制御部801はシステム制御部802からのスキャンスタート指令により走査ユニット200を走査させて頁めくり処理を行わせる。しかし、頁飛ばしモード時はプロッタ501が動作していないためにFゲートアサートタイミングが発生せず、システム制御部802にはスキャナ制御部801からの‘頁めくり成功’と‘次のスキャンスタート指令に対するスキャナレディ’のみが発行されることになる。
【0231】
システム制御部802はスキャナ制御部801からの‘頁めくり成功’と‘次のスキャンスタート指令に対するスキャナレディ’の通達により頁飛ばしモード時に頁管理カウンタによる頁カウントとスキャンスタート指令の発行を行う。頁管理カウンタはこれからスキャナ部500で走査する頁数を表わしており、見開き本原稿の左頁は(頁管理カウンタの値−1)頁となり、見開き本原稿の右頁は(頁管理カウンタの値)頁となる。
【0232】
このことから、(頁管理カウンタの値−1)が第I回目の頁範囲の複写開始頁に等しくなることにより頁飛ばしモードが終了することになり、上記頁数設定例では(頁管理カウンタの値−1)≧46の条件で頁飛ばしモードが終了することになる。システム制御部802は、(頁管理カウンタの値−1)と第I回目の頁範囲の複写開始頁とを比較することにより頁飛ばしモードが終了したか否かを判断し、上記頁数設定例では(頁管理カウンタの値−1)と46とを比較することにより頁飛ばしモードが終了したか否かを判断する。
【0233】
システム制御部802は、(頁管理カウンタの値−1)≧46の条件が成立しなければスキャナ制御部801からの‘頁めくり成功’と‘次のスキャンスタート指令に対するスキャナレディ’の通達により頁管理カウンタによる頁カウントとスキャンスタート指令の発行を行い、(頁管理カウンタの値−1)≧46の条件が成立すれば頁飛ばしモードが終了したと判定する。
【0234】
システム制御部802は、頁飛ばしモードが終了すると、(頁管理カウンタの値−1)と第I回目の頁範囲の複写開始頁とが等しいか否かを判別することによりその複写開始頁が左頁であるか右頁であるかを判別する。例えば、上述の頁数設定例においては、システム制御部802は、本原稿の第46頁から第54頁までの複写動作に対して(頁管理カウンタの値−1)=46ならば複写開始頁が左頁であって(頁管理カウンタの値)=46ならば複写開始頁が右頁であると判別する。
【0235】
また、システム制御部802は、頁飛ばしモードが終了すると、スキャナ制御部801に頁飛ばしモードが終了したことを通達し、次の第46頁から第54頁までのプリントパラメータをプロッタ501に通達するために、次の走査ユニット200の走査開始が最初のスキャンスタートであることを示すスキャンスタートフラグをオンし、スキャナ制御部801に対する画像に関するパラメータの通達を行うステップに戻る。
【0236】
この時、システム制御部802は、前のジョブの転写紙が両面ユニット720に残っているかどうかを判断するとともに、両面詰めモードが設定されているかどうかを判断する。そして、システム制御部802は、前のジョブの転写紙が両面ユニット720に残っており、かつ、両面詰めモードが設定されている場合には、次のジョブの最初の頁の画像を両面ユニット720に残っている転写紙の裏面に転写するようにプリントパラメータを設定する。
【0237】
上述の頁数設定例では、同様に、システム制御部802は、プロッタ501が第46頁から第54頁までのコピーを排出すると、排出カウンタが現在複写中の第I回目の頁範囲の総数に達したか否かを判断して排出カウンタが現在複写中の第I回目の頁範囲の総数に達した場合には排出カウンタに1を加算して次の頁設定がされているか否かを判断し、次の頁範囲が設定されていない場合にはそれを確認して複写動作を終了させる。この場合、プロッタ制御部803は、次の頁範囲が設定されていないから最終頁の給紙時にプリントパラメータバッファが空になり、プリンタ501で最終頁の紙が排出された後に動作を停止する。
【0238】
システム制御部802は、図50(b)に示すように複写動作中には常時スキャナ部500の次の走査開始タイミング、スキャナレディ状態、フレームメモリ104のメモリレディ状態という3つの条件が成立したか否かをチェックし、これらの条件の成立時にはスキャナ制御部801に対する画像に関するパラメータの通達を行うステップに戻る。
【0239】
図53はスキャナ制御部801の応用モードでの処理フローを示す。
スキャナ制御部801は、システム制御部802から頁飛ばしモードの通達を受けたか否かを判断して頁飛ばしモードの通達を受けない場合にはスキャナ部500に通常の動作(本原稿画像の読み取り及び本原稿の頁めくり)を実行させ、頁飛ばしモードの通達を受けた時にはシステム制御部802からスキャンスタート指令の通達を受けると、スキャナ部500の走査速度を画像読み取り時より高速の頁飛ばしモード用高速走査速度に設定し、スキャナ部500をランプ201,202を消灯させて本原稿の読み取りを行わない読み取り無しモードに設定し、スキャナ部500の走査を開始させる。従って、スキャナ部500は、走査ユニット200を走査させて本原稿の頁めくりを行い、ランプ201,202を消灯させたままで本原稿の読み取りを行わない。
【0240】
また、スキャナ制御部801は、システム制御部802から頁飛ばしモード解除の通達を受けたか否かを判断して頁飛ばしモード解除の通達を受けない場合には上述のようにスキャナ部500に本原稿の頁めくりを行わせ、システム制御部802から頁飛ばしモード解除の通達を受けた場合にはスキャナ部500に通常の動作を実行させる。
【0247】
本発明を適用した本原稿画像形成装置の他の実施例では、上述の例において、飛ばし頁の頁めくり時間を低減している。見開き本原稿を走査ユニット200の往方向の走査で読み取り、本原稿の頁めくりを走査ユニット200の復方向の走査で行い、走査ユニット200の往復走査の繰り返しで複数箇所の頁範囲の頁画像を連続的に出力する。通常、等倍複写時での頁画像読み取り時の往動走査線速は90mm/sec.であり、画像を出力しない飛ばし頁に対する走査ユニット200の往動走査は180mm/sec.である。その結果、頁飛ばし時の走査時間は7秒から3.5秒と約半分になり、1サイクルの頁めくり時間が15秒から11.5秒となり、追加頁モードでの生産性は約23%上がる。
【0248】
なお、本発明を本原稿画像形成装置に適用した実施例について説明したが、本発明は見開きの本原稿を読み取る読み取り手段と、本原稿の頁をめくる頁めくり手段とを有する本原稿画像読み取り装置に同様に適用し、本発明を本原稿画像形成装置に適用した場合と略同様な効果を得ることができる。
【0249】
また、上述した本原稿画像形成装置の例は比較的比率の高い横書きで左めくり(左表紙)の本原稿を対象としているが、縦書きで右めくりの本原稿もある。上述した本原稿画像形成装置の例は、縦書きで右めくりの本原稿を対象とする場合には左右対称に配置すればよく、左右頁が上述と逆になる。従って、上述した本原稿画像形成装置の例において、左右の頁および端部等が違うものは本発明に含まれる。
【0250】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、見開き本原稿の画像を読み取る読み取り手段と、本原稿の頁をめくる頁めくり手段と、本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を開始すべき開始頁と画像読み取りもしくは画像形成を終了すべき終了頁とを指定することで本原稿の画像読み取りもしくは画像形成をすべき第1の頁範囲を指定し、または本原稿の見開き左右頁のうちの指定された一方の頁から画像読み取りもしくは画像形成をすべき頁数を指定することで本原稿の画像読み取りもしくは画像形成をすべき第1の頁範囲を指定する頁指定手段と、本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を開始すべき開始頁と画像読み取りもしくは画像形成を終了すべき終了頁とを指定することで前記第1の頁範囲に追加して本原稿の画像読み取りもしくは画像形成をすべき他の頁範囲を指定し、または前記第1の頁範囲内の画像読み取りもしくは画像形成をしない頁範囲の最初の頁及び最後の頁を指定することで前記第1の頁範囲内の画像読み取りもしくは画像形成をしない頁範囲を指定する頁範囲指定手段とを有する本原稿画像処理装置において、前記頁指定手段及び前記頁範囲指定手段により指定された本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を行う各頁範囲の間の画像読み取りもしくは画像形成を行わない頁数を演算する演算手段と、この演算手段で演算した画像読み取りもしくは画像形成を行わない頁数を所定の頁数以下に規制する規制手段とを備えたので、マニュアル頁飛ばし方式で画像読み取りもしくは画像形成を行わない頁数を飛ばす場合に比べてトータルの処理時間を低減できて処理速度を向上させることができ、本原稿が破損する確率を低減することができる。
【0251】
請求項2記載の発明によれば、見開き本原稿の画像を読み取る読み取り手段と、本原稿の頁をめくる頁めくり手段と、本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を開始すべき開始頁と画像読み取りもしくは画像形成を終了すべき終了頁とを指定することで本原稿の画像読み取りもしくは画像形成をすべき第1の頁範囲を指定し、または本原稿の見開き左右頁のうちの指定された一方の頁から画像読み取りもしくは画像形成をすべき頁数を指定することで本原稿の画像読み取りもしくは画像形成をすべき第1の頁範囲を指定する頁指定手段と、本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を開始すべき開始頁と画像読み取りもしくは画像形成を終了すべき終了頁とを指定することで前記第1の頁範囲に追加して本原稿の画像読み取りもしくは画像形成をすべき他の頁範囲を指定し、または前記第1の頁範囲内の画像読み取りもしくは画像形成をしない頁範囲の最初の頁及び最後の頁を指定することで前記第1の頁範囲内の画像読み取りもしくは画像形成をしない頁範囲を指定する頁範囲指定手段とを有する本原稿画像処理装置において、前記頁指定手段及び前記頁範囲指定手段により指定された本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を行う各頁範囲の間の画像読み取りもしくは画像形成を行わない頁数の上限を設定し可変する上限手段を備えたので、ユーザによって本原稿の種類が異なって本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を行うべき頁群や頁範囲にばらつきがあっても、画像の読み取りもしくは画像形成を行わない頁数の上限をユーザに合わせてプログラマブルに設定することができ、本原稿の破損を防止することができて処理速度を向上させることができる。また、複数の頁範囲の画像読み取りもしくは画像形成を行うとともに多数の頁範囲を飛ばすように設定されている場合にユーザが機械の前から離れても複数の頁範囲の初期設定でその読み取りもしくは画像形成を一度に行うことが可能となり、多様なユーザに対応できる。
【0252】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の本原稿画像処理装置において、前記上限手段は前記頁指定手段及び前記頁範囲指定手段により指定された本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を行う各頁範囲の間の画像読み取りもしくは画像形成を行わない頁数の上限を10頁以上の範囲で設定し可変するので、マニュアル操作により本原稿の見開きセットと頁数の再セットを行う場合に比較して一般的な場合で処理速度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した本原稿画像形成装置の一実施例の回路構成を示すブロック図である。
【図2】同装置のデータ処理フローブロックを示すブロック図である。
【図3】同装置の画像読み取り部を示す断面図である。
【図4】同装置の頁めくり部を示す断面図である。
【図5】同装置における走査ユニットの本原稿読み取り走査状態を示す概略図である。
【図6】同装置における走査ユニットの走査方向逆転時の状態を示す概略図である。
【図7】同装置における走査ユニットの頁めくり走査時の状態を示す概略図である。
【図8】同装置における走査ユニットの他の本原稿読み取り走査状態を示す概略図である。
【図9】同装置における走査ユニットの頁めくり走査状態を示す概略図である。
【図10】同装置における走査ユニットの他の頁めくり走査状態を示す概略図である。
【図11】同走査ユニットの概略を示す断面図である。
【図12】上記装置の原稿台ユニットを示す斜視図である。
【図13】上記装置の本原稿載置部分を示す断面図である。
【図14】上記装置における原稿台加圧固定切り換え装置及び原稿台待避装置を示す斜視図である。
【図15】同原稿台加圧固定切り換え装置及び原稿台待避装置を示す断面図である。
【図16】上記装置の制御プーリを示す斜視図である。
【図17】上記原稿台加圧固定切り換え装置及び原稿台待避装置の一部を示す斜視図である。
【図18】上記原稿台加圧固定切り換え装置及び原稿台待避装置の他の一部を示す側面図である。
【図19】上記装置の原稿台待避状態を示す断面図である。
【図20】上記装置の原稿台待避状態を示す平面図である。
【図21】上記装置の原稿台待避動作を示すタイミングチャートである。
【図22】上記走査ユニットの走査開始・終了時の状態を示す概略図である。
【図23】上記走査ユニットの本原稿走査開始状態を示す概略図である。
【図24】上記走査ユニットの本原稿中央走査状態を示す概略図である。
【図25】上記走査ユニットの本原稿右頁上の状態を示す概略図である。
【図26】上記走査ユニットの走査方向逆転時の状態を示す概略図である。
【図27】上記走査ユニットの動作を示すタイミングチャートである。
【図28】上記装置の原稿台セット状態を示す斜視図である。
【図29】上記装置の原稿台引出状態を示す斜視図である。
【図30】上記装置を示す断面図である。
【図31】上記装置の操作部の全体及びその一部を示す平面図である。
【図32】同操作部の一部を示す平面図である。
【図33】同操作部の他の一部を示す平面図である。
【図34】上記装置の本原稿読み取りモードの複写動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【図35】上記装置の本原稿読み取りモードの複写動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【図36】上記装置の頁限定モード選択フローを示すフローチャートである。
【図37】上記装置の開始左右頁の判別フローを示すフローチャートである。
【図38】上記装置の複写頁数設定フローを示すフローチャートである。
【図39】上記装置の最終頁左右判別フローを示すフローチャートである。
【図40】上記装置のコピー形式選択フローを示すフローチャートである。
【図41】上記装置の読み取り選択フローを示すフローチャートである。
【図42】上記装置の出力画像配置を示す平面図である。
【図43】上記装置におけるガイダンス表示部の各表示例を示す平面図である。
【図44】上記装置におけるガイダンス表示部の他の表示例を示す平面図である。
【図45】上記装置におけるガイダンス表示部の他の各表示例を示す平面図である。
【図46】上記装置の回路構成を示すブロック図である。
【図47】上記装置におけるシステム制御部の頁飛ばしモード動作フローの一部を示すフローチャートである。
【図48】同頁飛ばしモード動作フローの他の一部を示すフローチャートである。
【図49】同頁飛ばしモード動作フローの他の一部を示すフローチャートである。
【図50】上記装置におけるシステム制御部の応用モード動作フローの一部を示すフローチャートである。
【図51】同応用モード動作フローの他の一部を示すフローチャートである。
【図52】同応用モード動作フローの他の一部を示すフローチャートである。
【図53】上記装置におけるスキャナ制御部の応用モード動作フローを示すフローチャートである。
【図54】上記装置の頁飛ばしモード動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
99 操作部
103 IPU
107 メイン制御板
200 走査ユニット
500 スキャナ部
501 プリンタ
628 複写頁設定キー
634 頁追加キー
640 エンターキー
642 10キー
801 スキャナ制御部
802 システム制御部
803 プロッタ制御部
804 操作制御部
Claims (3)
- 見開き本原稿の画像を読み取る読み取り手段と、本原稿の頁をめくる頁めくり手段と、本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を開始すべき開始頁と画像読み取りもしくは画像形成を終了すべき終了頁とを指定することで本原稿の画像読み取りもしくは画像形成をすべき第1の頁範囲を指定し、または本原稿の見開き左右頁のうちの指定された一方の頁から画像読み取りもしくは画像形成をすべき頁数を指定することで本原稿の画像読み取りもしくは画像形成をすべき第1の頁範囲を指定する頁指定手段と、本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を開始すべき開始頁と画像読み取りもしくは画像形成を終了すべき終了頁とを指定することで前記第1の頁範囲に追加して本原稿の画像読み取りもしくは画像形成をすべき他の頁範囲を指定し、または前記第1の頁範囲内の画像読み取りもしくは画像形成をしない頁範囲の最初の頁及び最後の頁を指定することで前記第1の頁範囲内の画像読み取りもしくは画像形成をしない頁範囲を指定する頁範囲指定手段とを有する本原稿画像処理装置において、前記頁指定手段及び前記頁範囲指定手段により指定された本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を行う各頁範囲の間の画像読み取りもしくは画像形成を行わない頁数を演算する演算手段と、この演算手段で演算した画像読み取りもしくは画像形成を行わない頁数を所定の頁数以下に規制する規制手段とを備えたことを特徴とする本原稿画像処理装置。
- 見開き本原稿の画像を読み取る読み取り手段と、本原稿の頁をめくる頁めくり手段と、本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を開始すべき開始頁と画像読み取りもしくは画像形成を終了すべき終了頁とを指定することで本原稿の画像読み取りもしくは画像形成をすべき第1の頁範囲を指定し、または本原稿の見開き左右頁のうちの指定された一方の頁から画像読み取りもしくは画像形成をすべき頁数を指定することで本原稿の画像読み取りもしくは画像形成をすべき第1の頁範囲を指定する頁指定手段と、本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を開始すべき開始頁と画像読み取りもしくは画像形成を終了すべき終了頁とを指定することで前記第1の頁範囲に追加して本原稿の画像読み取りもしくは画像形成をすべき他の頁範囲を指定し、または前記第1の頁範囲内の画像読み取りもしくは画像形成をしない頁範囲の最初の頁及び最後の頁を指定することで前記第1の頁範囲内の画像読み取りもしくは画像形成をしない頁範囲を指定する頁範囲指定手段とを有する本原稿画像処理装置において、前記頁指定手段及び前記頁範囲指定手段により指定された本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を行う各頁範囲の間の画像読み取りもしくは画像形成を行わない頁数の上限を設定し可変する上限手段を備えたことを特徴とする本原稿画像処理装置。
- 請求項2記載の本原稿画像処理装置において、前記上限手段は前記頁指定手段及び前記頁範囲指定手段により指定された本原稿の画像読み取りもしくは画像形成を行う各頁範囲の間の画像読み取りもしくは画像形成を行わない頁数の上限を10頁以上の範囲で設定し可変することを特徴とする本原稿画像処理装置。
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