JPH06309653A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH06309653A
JPH06309653A JP11929593A JP11929593A JPH06309653A JP H06309653 A JPH06309653 A JP H06309653A JP 11929593 A JP11929593 A JP 11929593A JP 11929593 A JP11929593 A JP 11929593A JP H06309653 A JPH06309653 A JP H06309653A
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JP
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magnetic layer
magnetic
recording medium
magnetic recording
resin
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JP11929593A
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English (en)
Inventor
Satoru Hayakawa
悟 早川
Toshio Kawamata
利夫 河俣
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電磁変換特性が良好で、且つ塵埃環境での信
頼性の優れた高密度磁気記録媒体を提供すること。 【構成】 非磁性支持体上に強磁性粉末及び結合剤樹脂
を主体とする磁性層を有する磁気記録媒体において、該
磁性層は、表面電気抵抗が5×109 Ω/sq以下であ
って、配向度比が0.85以上であって、該結合剤樹脂
は硬化剤として下記式(1)のポリメチレンポリフェニ
レンポリイシシアネートを含有することを特徴とする磁
気記録媒体。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度記録用磁気記録
媒体に関し、特に、データ記録用の磁気ディスクに適し
た磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録に対して高記録密度、信
頼性への要求が高まっている。そして、塗布型の磁気記
録媒体においては、強磁性粉末の粒子サイズを小さくし
たり、その分散性を向上させたり、その磁性層中での充
填度を高めたりする方策が種々提案されている一方この
様な方向は逆に媒体の信頼性に関しては好ましい方向で
はない。
【0003】また、OA機器としてのミニコン、パソコ
ンの普及にともない外部記憶媒体としての磁気記録ディ
スクの普及が著しく、磁気記録ディスクの使用環境が広
がって温湿度に関し幅広い環境条件で使用・保存され、
また使用環境の塵埃も多い場所で使用されるようになっ
てきた。特に、記録の大容量化、小型化を達成するため
に記録密度の向上が強く要望されており、また一方でい
かなる環境においても信頼のある磁気記録媒体が望まれ
るようになってきた。
【0004】サイズの小型化や磁気記録媒体の向上の要
求に答えるべく鋭意開発、実用化が検討されている。特
に高記録密度およびオーバーライト電磁変換特性の向上
として磁性層の薄層化、高出力化が望まれ、薄層化に伴
い信頼性の観点で走行耐久性の大幅劣化が懸念されてい
る。また、前述した如く、磁気記録媒体の使用環境は多
岐にわたっており、特に塵埃の多い環境では、磁気記録
媒体の走行時の帯電は、塵埃の付着によるドロップ・ア
ウト数の増大を招き特にデータ記録用の磁気記録ディス
クの場合はそれによるエラー・レートが致命的な欠陥と
なった。また、帯電による塵埃が付着した場合、あるい
は、フロッピーディスク媒体をカートリッジに組み込む
加工時に塵埃等のゴミ混入による磁気記録媒体への傷等
の影響がしばしば磁気記録媒体の信頼性低下の原因とな
った。
【0005】この帯電の問題を改良するために、磁性層
中に帯電を防止するための添加物を加える方法が通常取
られており、中でもカーボンブラックを添加する方法が
最も有効であり、ひろく採用されている。しかしなが
ら、前記の高密度記録用の磁気記録媒体にあっては、カ
ーボンブラックの添加は、磁性体充填度を下げ出力の低
下を招くので、その添加量に限界があり、帯電防止への
充分な対処ができなかった。また磁気記録媒体内蔵のカ
ートリッジ中に混在したゴミ等による媒体表面への傷付
きに関しては、磁性層表面の硬度をカレンダーにより向
上させる等試みられていたが、昨今のOA機器としての
ミニコン、パソコンの普及、特にハンディータイプの普
及にともない外部記憶媒体として磁気ディスクの普及が
著しく、磁気記録ディスクの使用環境が広がって塵埃の
場所で使用されるようになってきた現状では不十分の状
況である。
【0006】即ち、このような塵埃環境に対処するため
には、磁気記録媒体の電磁変換特性を良好に保持しつ
つ、 1)塵埃が付着しにくい磁気記録媒体にするために磁性
層表面の電気抵抗を低下させること、および、 2)たとえ塵埃が付着しても傷が付きにくい様にするた
めに磁性層の機械的強度を強くすること、 の2点の両立を計らねばならないことになる。
【0007】磁性層の機械的強度を向上させるための手
段としては、従来から結合剤樹脂として各種のポリイソ
シアネート化合物を使用することが提案されてきてい
る。具体的には、 1.特開昭58−222433号公報:磁性層の結合剤
に硬化剤としてジフェニルメタンジイソシアネートを使
用する。 2.特開昭59−58624号公報:塩酢ビ樹脂とポリ
ウレタンとイソシアネート硬化剤を結合剤として使用す
る。 3.特開昭61−199221号公報:イソホロンジイ
ソシアネート系化合物を硬化剤として使用して、耐久
性、走行性を改良する。 4.特開昭63−261520号公報:バック層にイソ
シアヌール環を有するポリイソシアネートを使用して耐
久性、走行性を向上させる。 5.特開昭62−252520号公報:磁気記録媒体の
結合剤として、2個以上のイソシアネート基を有する低
分子量ポリイソシアネートを開示している。 6.特開昭63−122014号公報:磁性層中に2官
能のイソシアネート20〜80wt%、及び少なくとも
3官能のイソシアネート80〜20wt%有する樹脂組
成を開示している。
【0008】そして、これら従来例より更に優れた、上
記要請を満足する有力な手段が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の問題点に鑑みなされたものであって、電磁変換特性
が良好で、且つ塵埃環境での信頼性の優れた高密度磁気
記録媒体を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、非磁性
支持体上に強磁性粉末及び結合剤樹脂を主体とする磁性
層を有する磁気記録媒体において、該磁性層は、表面電
気抵抗が5×109 Ω/sq以下であって、配向度比が
0.85以上であって、該結合剤樹脂は硬化剤として下
記式(1)で表されるポリメチレンポリフェニレンポリ
イソシアネートを含有することを特徴とする磁気記録媒
体により達成できる。
【0011】
【化2】
【0012】(式中、nは1〜5の整数である。)本発
明は、結合剤樹脂の硬化剤として式(1)で表されるポ
リメチレンポリフェニレンポリイソシアネートを使用し
て、磁性層の硬化を向上せしめ、一方で磁性層の表面電
気抵抗を5×109 Ω/sq以下とすることにより、塵
埃を付着し難くして、塵埃の多い環境で磁気記録媒体の
ケースへの組み込み等を行っても塵埃の付着がなく、例
え付着しても磁性層の損傷が少なく、またジャケットや
カートリッジに組み込んでもそれらの内側に貼付されて
いるライナーによる磁性層の損傷がないフロッピーディ
スクが提供できる。また、配向度比を0.85以上にす
ることにより、特にディスク状磁気記録媒体の1周にお
ける再生出力も均一かつ安定したものとなる。
【0013】本発明においては、ポリメチレンポリフェ
ニレンポリイソシアネートは、単に磁性層の硬さを増大
しているだけでなく、ポリウレタン等と硬化反応した結
果、分子が大きくなるため磁性層の表面エネルギーを高
めて、塵埃を付着し難くする効果を奏するものと考えら
れる。即ち、本発明の効果は、ポリメチレンポリフェニ
レンポリイソシアネートが分子内に3〜7個のイソシア
ネート基(−NCO)を有していること、分子内に剛直
なフェニレン基を有すること、−NCOがフェニル基に
直結していること等の分子構造的な特徴が結合剤樹脂の
架橋密度を高めて磁性層の硬度を向上させると共に表面
エネルギーを高めると考えられる。
【0014】式(1)において、nは、1〜5、好まし
くは1〜3から選択され、本発明に使用されるポリメチ
レンポリフェニレンポリイソシアネートは、これらnが
1種の単一品でも2種以上の混合物でもよく、所望に選
択することができる。尚、式(1)の化合物の市販品は
通常、nが上記範囲の混合物である。市販品としては、
ミリオネートMR−100、MR−200、MR−30
0、MR−400(日本ポリウレタン(株))、モンジ
ュールMRS(モーベイケミカル社)、スミジュール4
4V−10、44V−20(住友バイエルウレタン
(株))等が例示できる。
【0015】式(1)の化合物は、通常、それ自体で液
状であるが所望により、他の有機溶媒等で希釈して使用
してもよい。また、式(1)の構造式において、芳香族
環に結合した水素は、例えば、−CH3 、−CH2 CH
3 、−CH(CH3 2 等の低級アルキル基で置換する
ことができる。
【0016】本発明においては、式(1)のポリイソシ
アネートの他に任意のポリイソシアネートを併用するこ
とができる。これら併用されるポリイソシアネートとし
ては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4′−
ジフエニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタ
レン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフエニ
ルメタントリイソシアネート等のイソシアネート、ま
た、これらのイソシアネート(所望により式(1)の化
合物を使用してもよい)とポリアルコールとの生成物、
また、該イソシアネートの縮合によって生成したポリイ
ソシアネート等を使用することができる。これらのイソ
シアネート類の市販されている商品名としては、日本ポ
リウレタン社製:コロネートL、コロネートHL、コロ
ネート2030、コロネート2031、ミリオネートM
R、ミリオネートMTL、武田薬品社製:タケネートD
−102、タケネートD−110N、タケネートD−2
00、タケネートD−202、住友バイエル社製:デス
モジュールL、デスモジュールIL、デスモジュール
N、デスモジュールHL等があり、これらを単独または
複数組み合わせて前記式(1)の化合物と併用すること
ができる。
【0017】ポリメチレンポリフェニレンポリイソシア
ネートの使用量は、全ポリイソシアネートの使用量に対
し30重量%以上、好ましくは50重量%、特に好まし
くは70重量%以上である。また、ポリメチレンポリフ
ェニレンポリイソシアネートの使用量は、全結合剤樹脂
(式(1)の化合物も含むものとする)に対し、1〜6
0重量%、好ましくは15〜50重量%、更に好ましく
は20〜45重量%である。
【0018】本発明において上記ポリメチレンポリフェ
ニレンポリイソシアネートと共に使用される結合剤樹脂
としては従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応
型樹脂やこれらの混合物が使用される。熱可塑系樹脂と
しては、ガラス転移温度が−100〜150℃、数平均
分子量が1000〜200000、好ましくは1000
0〜100000、重合度が約50〜1000程度のも
のである。
【0019】このような例としては、塩化ビニル、酢酸
ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、
アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリ
ル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、
ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセ
タール、ビニルエーテル、等を構成単位として含む重合
体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂
がある。
【0020】また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂とし
てはフエノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化
型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アク
リル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹
脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイ
ソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリ
オールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンと
ポリイソシアネートの混合物等があげられる。
【0021】これらの樹脂については朝倉書店発行の
「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されてい
る。また、公知の電子線硬化型樹脂を使用することも可
能である。これらの例とその製造方法については特開昭
62−256219号に詳細に記載されている。以上の
樹脂は単独または組合せて使用できるが、好ましいもの
として塩化ビニル共重合体樹脂および/またはポリウレ
タン樹脂等があげられる。
【0022】ポリウレタン樹脂の構造はポリエステルポ
リウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテル
ポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレ
タン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、ポ
リカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用で
きる。これら樹脂は、強磁性粉末の分散性を改善するた
めに従来公知の種々の極性基を有することが望ましく、
特に−SO3 M、−COOM、−PO3 M(Mは、H、
Na、K)および−NH2 から選ばれる少なくとも一つ
以上、なかでも−SO3 Na、−SO3 K、−COOH
を有することが望ましく、配向度比を0.85以上にす
るために寄与できる。
【0023】これら、極性基の導入方法としては、従来
公知の方法、例えば、共重合または付加反応で導入する
ことができる。このような極性基の含有量としては、
0.03〜2重量%、好ましくは0.05〜1.5重量
%、更に好ましくは0.08〜1.2重量%である。こ
の範囲を外れると、強磁性粉末の分散性が悪化し、好ま
しくない。
【0024】ポリウレタン樹脂の数平均分子量は、通
常、20000〜200000、好ましくは30000
〜150000、更に好ましくは40000〜1000
00である。この範囲を外れて分子量が小さくなると耐
久性が悪化し、分子量が大きくなると磁性塗膜の粘度が
高くなり過ぎて分散性が不良となる。ポリウレタン樹脂
の使用量は、全結合剤樹脂中において、10〜30重量
%、望ましくは15〜25重量%である。ポリウレタン
樹脂の量が結合剤樹脂中に占める割合が余り少ないと、
磁性層の力学的強度、特に破断エネルギーが小さくな
り、逆に多くなると弾性率が低下し、更に摩擦係数が増
大し、好ましくない。
【0025】塩化ビニル共重合体樹脂は、塩化ビニルと
重合可能な他のモノマー、例えば酢酸ビニル、塩化ビニ
リデン、アクリロニトリル、スチレン、アクリル酸エス
テルとの共重合体が挙げられる。最も好ましいのは酢酸
ビニルである。また、有し得る極性基としては、前記極
性基のうち、特に−SO3 Mが好ましい。極性基の導入
量としては、0.01〜5.0モル%、好ましくは0.
1〜4.0モル%、更に好ましくは0.5〜3.0モル
%である。更に、前記塩化ビニル共重合体にエポキシ基
を1.0〜30モル%の範囲で導入することにより、そ
の安定性を高めることができる。塩化ビニル共重合体の
数平均分子量は15000〜60000であることが望
ましい。塩化ビニル共重合体樹脂の量は全結合剤樹脂中
において、25〜55重量%、望ましくは30〜50重
量%である。全結合剤樹脂中の塩化ビニル共重合体樹脂
の占める割合が少ないと、磁性層の力学的強度である弾
性率が低下し、走行耐久性に対し好ましくない。また、
多くなり過ぎると磁性層が脆くなり好ましくない。
【0026】本発明に用いられる結合剤の具体的な市販
例としてはユニオンカーバイト社製:VAGH、VYH
H、VMCH、VAGF、VAGD、VROH、VYE
S、VYNC、VMCC、XYHL、XYSG、PKH
H、PKHJ、PKHC、PKFE、日信化学工業社
製:MPR−TA、MPR−TA5、MPR−TAL、
MPR−TSN、MPR−TMF、MPR−TS、MP
R−TM、MPR−TAO、電気化学社製:1000
W、DX80、DX81、DX82、DX83、100
FD、日本ゼオン社製:MR105、MR110、MR
100、400X110A、日本ポリウレタン社製:ニ
ッポランN2301、N2302、N2304、大日本
インキ社製:パンデックスT−5105、T−R308
0、T−5201、バーノックD−400、D−210
−80、クリスボン6109、7209、東洋紡社製:
バイロンUR8200、UR8300、UR8600、
UR5500、UR4300、RV530、RV28
0、大日精化社製:ダイフエラミン4020、502
0、5100、5300、9020、9022、702
0、三菱化成社製:MX5004、三洋化成社製:サン
プレンSP−150、旭化成社製:サランF310、F
210などがあげられる。
【0027】本発明に用いられる結合剤樹脂は、強磁性
粉末に対し、5〜50重量%の範囲、好ましくは10〜
30重量%の範囲で用いられる。本発明においては、磁
性層の表面電気抵抗は5×109 Ω/sq以下に制御さ
れるが、そのための手段は、特に制限されないが、一般
的には以下の方法が挙げられる。
【0028】 カーボンブラック等の導電性粒子を磁
性層に含有させること。 ポリアニリン、ポリチエニルアルカンスルホン酸エ
ステル等の導電性樹脂を含有させることもできる。 において、カーボンブラックを使用する場合は、強磁
性粉末に対し、0.1〜30重量%、好ましくは1.0
〜25重量%、特に好ましくは3〜10重量%の範囲で
用いられる。30重量%を超えると磁性層の強磁性粉末
充填密度が低下するので好ましくなく、0.1重量%未
満であると所期の効果が得られない。
【0029】本発明の上層に使用されるカーボンブラッ
クはゴム用フアーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラ
ック、アセチレンブラック等を用いることができる。比
表面積は5〜1500m2 /g、好ましくは100〜1
200m2 /g、DBP吸油量は10〜1500ml/
100g、好ましくは50〜500ml/100g、粒
子径は5mμ〜300mμ、好ましくは10〜100m
μ、pHは2〜10、好ましくは3〜8、含水率は0.
1〜10%、好ましくは0.3〜5%、タップ密度は
0.1〜1g/ccが好ましい。本発明に用いられるカ
ーボンブラックの具体的な例としてはキャボット社製:
BLACKPEARLS 2000、1300、100
0、900、800、700、VULCAN XC−7
2、旭カーボン社製:♯80、♯60、♯55、♯5
0、♯35、三菱化成工業社製:♯3950B、♯24
00B、♯2300、♯900、♯1000、♯30、
♯40、♯10B、コロンビアカーボン社製:COND
UCTEX SC、RAVEN150、50、40、1
5、ライオンアクゾ社製ケッチェンブラックEC、ケッ
チェンブラックECDJ−500、ケッチェンブラック
ECDJ−600などが挙げられる。カーボンブラック
を分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して
使用しても、表面の一部をグラフアイト化したものを使
用してもかまわない。
【0030】本発明においては、ライオンアクゾ社製ケ
ッチェンブラックEC、ケッチェンブラックECDJ−
500、ケッチェンブラックECDJ−600が特に好
ましい。これらは、極性基含有結合剤樹脂とポリメチレ
ンポリフェニレンポリイシシアネートと共に使用するこ
とにより、より高記録密度に適した高充填でかつ平滑な
塵埃の付着しにくい表面が得られる。
【0031】カーボンブラックは、上述したような帯電
防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働
きがあり、これらは用いるカーボンブラックによって異
なる。従って、本発明に使用されるカーボンブラック
は、その種類、量、組合せを変え、粒子サイズ、吸油
量、電導度、pHなどの先に示した諸特性をもとに目的
に応じて使い分けることはもちろん可能である。
【0032】本発明で使用できるカーボンブラックは例
えば(「カーボンブラック便覧」、カーボンブラック協
会編)を参考にすることができる。本発明の磁気記録媒
体の磁性層には、強磁性粉末が使用される。強磁性粉末
としては、γ−Fe2 3 、Co含有のγ−Fe
2 3 、Fe3 4 、Co含有のFe3 4 、γ−Fe
Ox、Co含有のγ−FeOx(x=1.33〜1.5
0)、CrO2 、Co−Ni−P合金、Co−Ni−F
e−B合金、Co−No−Zn合金、Co−Ni合金、
Co−Ni−Fe合金などの公知の強磁性粉末が使用で
きる。
【0033】これら強磁性粉末の粒子サイズは、約0.
01〜1μm、好ましくは0.05〜0.5μmであ
る。軸長/軸幅の比は1/1〜20/1であり、好まし
くは3/1〜15/1である。比表面積は1〜70m2
/gで、好ましくは20〜60m2 /gである。また強
磁性粉末として、六方晶バリウムフェライトも使用でき
る。粒子サイズは0.001〜2μmで、厚味/直径の
比が1/2〜1/15で、好ましくは1/3〜1/10
である。比表面積は1〜70m2 /gであり、好ましく
は15〜50m2 /gである。これら強磁性粉末の表面
に分散剤、潤滑剤、帯電防止剤等をそれぞれの目的のた
めに、分散に先だって溶剤中で含浸、吸着させても良
い。
【0034】さらに、本発明は、ディスク状記録媒体の
場合、円周均一で安定な再生出力がえられることが必要
とされ、そのために配向度比が少なくとも0.85以上
得る事により、円周均一な再生出力を達成した。配向度
0.85以上を達成するためには磁性層が未乾燥の状態
にあるところで特公平3−41895号公報の如く、永
久磁石を使用したランダム配向法もしくは特開昭62−
92132号公報の如く、交流磁場配向を印加する方法
等が挙げられる。
【0035】本発明の磁気記録媒体の厚味構成は、非磁
性支持体が1〜100μm、好ましくは20〜85μ
m、磁性層は0.1〜3μm、好ましくは0.2〜2μ
mである。また、非磁性支持体と磁性層の間に密着性向
上のための下塗り槽を設けてもかまわない。この厚味は
0.01〜2μm、好ましくは0.05〜0.5μmで
ある。また、非磁性支持体の磁性層側と反対側にバック
コート層を設けてもかまわない。この厚味は0.1〜2
μm、好ましくは0.3〜1.0μmである。これらの
中間層、バックコート層は公知のものが使用できる。円
盤状磁気記録媒体の場合、片面もしくは両面に上記層構
成を設けることができる。
【0036】本発明の磁性層に用いられる研磨剤として
は、一般に使用される材料で溶融アルミナ、炭化ケイ
素、酸化クロム(Cr2 3 )、コランダム、人造コラ
ンダム、ダイアモンド、人造ダイアモンド、ザクロ石、
エメリー(主成分:コランダムと磁鉄鉱)等が使用され
る。これらの研磨剤はモース硬度が5以上であり、平均
粒子径が0.05〜5μmの大きさのものが効果があ
り、好ましくは0.2〜1.0μmである。これら研磨
剤は結合剤樹脂100重量部に対して3〜20重量部の
範囲で添加される。3重量部より少ないと十分な耐久性
が得られず、また20重量部より多すぎると充填度が減
少し、十分な出力が得られない。
【0037】これらは、磁性層の研磨剤の種類、量およ
び組合せを変え、目的に応じて使い分けることはもちろ
ん可能である。これらの研磨剤はあらじめ結合剤樹脂で
分散処理したのち磁性塗料中に添加してもかまわない。
本発明に使用される、添加剤としては潤滑効果、帯電防
止効果、分散効果、可塑効果、などをもつものが使用さ
れる。
【0038】本発明に使用する分散剤(顔料湿潤剤)と
しては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレ
イン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステ
アロール酸等の炭素数12〜18個の脂肪酸(R1 CO
OH、R1 は炭素数11〜17個のアルキルまたはアル
ケニル基);前記の脂肪酸のアルカリ金属(Li、N
a、K等)またはアルカリ土類金属(Mg、Ca、B
a)からなる金属石鹸;前記の脂肪酸エステルの弗素を
含有した化合物;前記脂肪酸のアミド;ポリアリキレン
オキサイドアルキルリン酸エステル;レシチン;トリア
ルキルポリオレフィンオキシ第4級アンモニウム塩(ア
ルキルは炭素数1〜5個、オレフィンはエチレン、プロ
ピレン等);等が使用される。この他に炭素数12以上
の高級アルコール、及びこれらの他に硫酸エステル等も
使用可能である。これらの分散剤は縮合剤樹脂100重
量部に対して0.5〜20重量部の範囲で添加される。
【0039】本発明に用いられる潤滑剤としては、公知
の脂肪酸エステルに加え、更に以下の化合物を使用する
こともできる。即ち、脂肪酸、シリコンオイル、グラフ
ァイト、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、
ポリオレフイン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステ
ル、二硫化タングステン等である。また本発明で用いら
れる添加剤のすべてまたはその一部は、磁性塗料製造の
どの工程で添加してもかまわない、例えば、混練工程前
に強磁性粉末と混合する場合、強磁性粉末と結合剤と溶
剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する
場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合
などがある。
【0040】本発明に用いられる非磁性支持体は、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リアラミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリサル
ホン、ポリエーテルサルホン、シンジオタクチックポリ
スチレン等の各種合成樹脂のフィルム、およびアルミニ
ウム箔、ステンレス箔などの金属箔を挙げることができ
る。非磁性支持体は一般には1〜100μm、好ましく
は25〜85μmの厚さのものが使用される。
【0041】本発明で用いられる有機溶媒は任意の比率
でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホ
ロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロ
ヘキサノール、などのアルコール類、酢酸メチル、酢酸
ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチ
ル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチ
ルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサ
ン、などのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、などの芳
香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロラ
イド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒド
リン、ジクロルベンゼン、等の塩素化炭化水素類、N,
N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等のものが使用で
きる。これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではな
く、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解
物、酸化物、水分等の不純分がふくまれてもかまわな
い。これらの不純分は30重量%以下が好ましく、さら
に好ましくは10重量%以下である。
【0042】本発明で用いる有機溶媒は必要ならば磁性
層と所望により磁性層と非磁性支持体の間に設けること
ができる非磁性層でその種類、量を変えてもかまわな
い。磁性層に揮発性の高い溶媒を用い表面性を向上させ
る、非磁性層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノ
ン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性をあげる、磁
性層に溶解性パラメータの高い溶媒を用い充填度を上げ
るなどがその例として挙げられるが、これらの例に限ら
れたものではないことは無論である。
【0043】本発明の磁気記録媒体は、前記強磁性粉末
と結合剤樹脂、及び必要ならば他の添加剤と共に有機溶
媒を用いて混練分散し、磁性塗料を非磁性支持体上に塗
布し、必要に応じて配向、乾燥して得られる。本発明の
磁気記録媒体の磁性塗料を製造する工程は、少なくとも
混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要
に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞ
れ2段階以上にわかれていてもかまわない。本発明に使
用する強磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨
剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの
工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、
個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかま
わない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、
分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入して
もよい。
【0044】磁性塗料の混練分散に当たっては、各種の
混練機が使用される。例えば、二本ロールミル、三本ロ
ールミル、ボールミル、ペブルミル、トロンミル、サン
ドグラインダー、ゼグバリ(Szegvari)、アト
ライター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、
高速衝撃ミル、ディスパー、ニーダー、高速ミキサー、
ホモジナイザー、超音波分散機などを用いることができ
る。
【0045】本発明の目的を達成するためには、従来の
公知の製造技術を一部の工程として用いることができる
ことはもちろんであるが、混練工程では連続ニーダや加
圧ニーダなど強い混練力をもつものを使用することによ
り本発明の磁気記録媒体の高いBrを得ることができ
る。連続ニーダまたは加圧ニーダを用いる場合は強磁性
粉末と結合剤のすべてまたはその一部(ただし全結合剤
の30重量%以上が好ましい)および強磁性粉末100
部に対し15〜500部の範囲で混練処理される。これ
らの混練処理の詳細については特開平1−106338
号、特開昭64−79274号に記載されている。本発
明では、多層構成とする場合、特開昭62−21293
3号に示されるような同時重層塗布方式を用いることに
より、より効率的に生産することができる。
【0046】さらに、カレンダ処理ロールとしてエポキ
シ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐
熱性のあるプラスチックロールを使用する。また、金属
ロール同志で処理することもできる。処理温度は、好ま
しくは70℃以上、さらに好ましくは80℃以上であ
る。線圧力は好ましくは200Kg/cm、さらに好ま
しくは300Kg/cm以上である。
【0047】本発明の磁気記録媒体の磁性層中に含まれ
る残留溶媒は好ましくは100mg/m2 以下、さらに
好ましくは10mg/m2 以下である。磁性層が有する
空隙率は、好ましくは30容量%以下、さらに好ましく
は10容量%以下である。非磁性層を設ける場合、非磁
性層の空隙率が磁性層の空隙率より大きいほうが好まし
いが、非磁性層の空隙率が5%以上であれば小さくても
かまわない。
【0048】このような方法により、非磁性支持体上に
塗布された磁性層は、必要により層中の強磁性粉末を配
向させる処理を施したのち、形成した磁性層を乾燥す
る。又、必要により表面平滑化加工を施したり、所望の
形状に裁断したりして、本発明の磁気記録媒体を製造す
る。本発明の磁気記録媒体は、ビデオ用途、オーディオ
用途などのテープであってもデータ記録用途のフロッピ
ーディスクや磁気ディスクであってもよいが、高記録密
度でドロップアウトの発生による信号の欠落が致命的と
なるデータ記録用途のディスク状媒体に対しては特に有
効である。
【0049】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明する。ここで示す成分、割合、操作順序等は本発明の
精神から逸脱しない範囲において変更しうるものである
ことは本業界に携わるものにとっては容易に理解される
ことである。従って、本発明は、下記の実施例に限定さ
れるべきではない。尚、「部」とあるのはすべて「重量
部」のことである。
【0050】実施例1 磁性層 強磁性Co添加Fe2 3 粉末 100部 Hc 7200Oe、比表面積 25m2 /g 飽和磁化( σS ) 78emu/g 粒子サイズ(長軸長) 0.37μm、針状比 10 塩化ビニル系共重合体 14部 −SO3 Na基 1×10-4eq/g含有 ポリエステルポリウレタン樹脂 3部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1 −SO3 Na基 1×10-4eq/g含有 α−アルミナ(平均粒径 0.3μm) 4部 カーボンブラック(平均粒径 0.28μm) 1部 カーボンブラック(平均粒径 20mμ) 8部 ケッチェンブラックEC(ライオンアクゾ社製) オレイン酸オレイル 10部 イソヘキサデシルステアレート 2部 メチルエチルケトン 200部 上記の塗料について、各成分を連続ニーダーで混練した
のち、サンドミルを用いて分散させた。得られた分散液
にポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートであ
るミリオネートMR−400を9部を加え、さらに酢酸
ブチル40部を加え、1μmの平均孔径を有するフィル
ターを用いて濾過し、磁性層形成用塗布液を調製した。
【0051】得られた塗布液を磁性層の厚さが0.95
μmになるように厚さ72μmで中心平均表面粗さが
0.015μmのポリエチレンテレフタレート支持体上
に塗布を行い、層がまだ湿潤状態にあるうちに周波数5
0Hz、磁場強度200ガウスまた周波数50Hz、1
20ガウスの2つの交流磁場発生装置の中を通過させ、
ランダム配向処理をおこない、乾燥後、7段のカレンダ
ーで温度60℃、線圧300Kg/cmにて処理を行
い、3.5吋に打ち抜き表面研磨処理を施した後、ライ
ナーが内側に設置済の3.5吋カートリッジに入れ、所
定の機構部品を付加し、3.5吋フロッピーディスクを
得た。
【0052】実施例2 実施例1で使用したポリメチレンポリフェニレンポリイ
ソシアネートであるミリオネートMR−400を同じポ
リメチレンポリフェニレンポリイソシアネートであるモ
ンジュールMRSに変更した。その他は、実施例1と同
様にしてサンプルを作成した。
【0053】実施例3 磁性層 強磁性六方晶バリウムフェライト粉末 100部 Hc 1400Oe、比表面積 45m2 /g σS 65emu/g 粒子サイズ(幅) 0.06μm、板状比 5.2 塩化ビニル系共重合体 12部 −SO3 Na基 1×10-4eq/g含有 ポリエステルポリウレタン樹脂 3部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1 −SO3 Na基 1×10-4eq/g含有 α−アルミナ(住友化学社製AKP−30) 10部 平均粒径 0.2μm、比表面積 7.5m2 /g カーボンブラック(平均粒径 0.28μm) 1部 カーボンブラック(平均粒径 20mμ) 2部 ケッチェンブラックEC(ライオンアクゾ社製) オレイン酸オレイル 10部 イソヘキサデシルステアレート 2部 メチルエチルケトン 200部 上記の塗料について、各成分を連続ニーダーで混練した
のち、サンドミルを用いて分散させた。得られた分散液
にポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートであ
るミリオネートMR−400を9部を加え、さらに酢酸
ブチル40部を加え、1μmの平均孔径を有するフィル
ターを用いて濾過し、磁性層形成用塗布液を調製した。
【0054】得られた塗布液を磁性層の厚さが0.95
μmになるように厚さ72μmで中心平均表面粗さが
0.015μmのポリエチレンテレフタレート支持体上
に塗布を行い、層がまだ湿潤状態にあるうちに塗布面に
対し垂直方向に、垂直面上で3000Gになるように永
久磁石を上下に設置し、その間を通過させ垂直配向を行
った。乾燥後、7段のカレンダーで温度90℃、線圧3
00Kg/cmにて処理を行い、3.5吋に打ち抜き表
面研磨処理を施した後、ライナーが内側に設置済の3.
5吋カートリッジに入れ、所定の機構部品を付加し、
3.5吋フロッピーディスクを得た。
【0055】比較例1 実施例1において交流磁場配向装置の電源をとめランダ
ム配向処理を行わなかったほかは、実施例1と同様にし
てサンプルを作成した。 比較例2 実施例1での磁性層に使用したカーボンブラック(平均
粒径 20mμ)ケッチェンブラックEC(ライオンア
クゾ社製)を使用しなかった。それ以外は実施例1と同
様にしてサンプルを作成した。
【0056】比較例3 実施例1で使用したポリメチレンポリフェニレンポリイ
ソシアネートであるミリオネートMR−400をコロネ
ートL(トルエンジイソシアネート、日本ポリウレタン
(株)製)に変更した。その他は実施例1と同様にサン
プルを作成した。
【0057】比較例4 実施例1で使用した塩化ビニル系共重合体(−SO3
a含有量:1×10-4eq/g)を塩化ビニル系共重合
体MPR−TA(−OH基含有量:130×1×10-5
eq/g、日信化学社製)に、ポリエステルポリウレタ
ン樹脂(ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリ
オール/MDI=0.9/2.6/1、−SO3 Na基
1×10-4eq/g含有)をニッポラン2301(ブ
タンジオール/ネオペンチルグリコール/アジピン酸/
MDI=1.7/0.6/1.3/1.0(モル比)、
日本ポリウレタン社製)に変更した。その他は実施例1
と同様にしてサンプルを作成した。
【0058】比較例5 実施例3において、垂直配向磁石を除き、配向処理を行
わなかったほかは実施例3と同様にしてサンプルを作成
した。 比較例6 実施例3での磁性層に使用したカーボンブラック(平均
粒径 20mμ)ケッチェンブラックEC(ライオンア
クゾ社製)を使用しなかった。それ以外は実施例3と同
様にしてサンプルを作成した。
【0059】比較例7 実施例3で使用したポリメチレンポリフェニレンポリイ
シシアネートであるミリオネートMR−400をコロネ
ートL(日本ポリウレタン(株)製)に変更した。その
他は実施例3と同様にサンプルを作成した。 比較例8 実施例3で使用した塩化ビニル系共重合体(−SO3
a含有量:1×10-4eq/g)をMPR−TA(日信
化学社製)に、ポリエステルポリウレタン樹脂(ネオペ
ンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI
=0.9/2.6/1、−SO3 Na基 1×10-4
q/g含有)をニッポラン2301(日本ポリウレタン
社製)に変更した。その他は実施例3と同様にしてサン
プルを作成した。
【0060】このようにして得られたフロッピーディス
クの各試料は、下記の評価方法で測定した。 配向度比:振動試料型磁束計(東英工業社製)を使用
し、Hm10KOeの磁場をかけ測定サンプルを10度
おきに0度〜360度まで磁場を回転させ角型比を求
め、その角型比を最小値を最大値で割った値を算出し配
向度とした。
【0061】再生出力の測定:再生出力の測定は、東京
エンジニアリング製ディスク試験装置SK606B型を
用いギャップ長0.45μmのメタルインギャップヘッ
ドを用い、それぞれ記録周波数625kHzで半径2
4.6mmの位置において記録した後、ヘッド増幅機の
再生出力をテクトロニクス社製オシロスコープ7633
型で測定した。再生出力は実施例2、比較例1〜4は実
施例1の出力を100として相対値で示した。また比較
例5〜8は実施例3の出力を100として相対値で示し
た。
【0062】モジュレーション:再生出力の測定と同様
の条件、装置を使用し、再生波形の1周における最大値
Vmaxと最小値Vminから(Vmax−Vmin)
/(Vmax+Vmin)で求めた。 走行耐久性:日本電気社製フロッピーディスクドライブ
FD1331型を用い、記録周波数625kHzで全2
40トラックに記録した後、半径が中心から37.25
mmの位置において表1に記載のサーモサイクルフロー
を1サイクルとするサーモサイクル試験を実施した。こ
のサーモ条件下において、パス回数で1200万回まで
走行させたときの走行状態をもって、走行耐久性を評価
した。
【0063】
【表1】
【0064】テスト1:FD1331型ドライブ(1
2.5MB)で実施例、比較例の各サンプルそれぞれ2
0枚の全トラックを記録し、その後ディスクをドライブ
より取り出し、シャッターを開け、シェルヘッドウイン
ド開口部のディスク媒体中央部上に平均粒径が15μm
のシリカの粒子を0.1mgのせ、再度FD−1331
ドライブ(12.5MB)に挿入し、ヘッドでシリカ粒
子を噛み込ませた。噛み込み前各トラックの再生出力を
100%として、噛み込み後の再生出力が20%以下の
部分を含むトラックの本数をカウントし、各サンプルに
ついてフレキシブルディスク媒体1枚当たりの平均トラ
ック本数を算出した。
【0065】磁性層表面電気抵抗はJISX6101の
9.4項に示す方法で測定した。以下に以上の評価方法
で得られた実施例、比較例のそれぞれの物性値の評価結
果を表2に示した。
【0066】
【表2】
【0067】本発明の実施例1〜3は、再生出力、モジ
ュレーション、電磁変換特性において優れた特性を示
し、サイクル耐久性、テスト1においても安定した結果
を示している。一方ランダム配向処理を施さない比較例
1、5では配向度比が低下し、モジュレーションが劣
り、出力も劣っている。
【0068】表面電気抵抗が高い比較例2、6は、テス
ト1において最もおとり、耐久性も不十分である。また
本発明以外の硬化剤を使用した比較例3,7は、テスト
1の塵埃の多い環境を想定したテストでは劣る結果を示
す。また比較例4、8はテスト1も劣り、表面電気抵抗
も高く、出力、耐久性共に不十分である。
【0069】
【発明の効果】非磁性支持体上に強磁性粉末及び結合剤
樹脂を主体とする磁性層を有する磁気記録媒体におい
て、該磁性層は、表面電気抵抗が5×109 Ω/sq以
下であって、配向度比が0.85以上であって、該結合
剤樹脂は硬化剤として式(1)のポリメチレンポリフェ
ニレンポリイシシアネートを含有することにより、走行
耐久性に優れ、塵埃環境での使用に適した高密度記録の
良好な電磁変換特性に優れたディスク状磁気記録媒体が
得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に強磁性粉末及び結合剤
    樹脂を主体とする磁性層を有する磁気記録媒体におい
    て、該磁性層は、表面電気抵抗が5×109 Ω/sq以
    下であって、配向度比が0.85以上であって、該結合
    剤樹脂は硬化剤として下記式(1)で表されるポリメチ
    レンポリフェニレンポリイソシアネートを含有すること
    を特徴とする磁気記録媒体。 【化1】 (式中、nは1〜5の整数である。)
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