JPH06309640A - 回転磁気ヘッド装置用ドラムとロータリトランスとのアース構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な作業にて低コストで製造でき、しかも
アース性能に優れた、回転磁気ヘッド装置用ドラムとロ
ータリトランスとのアース構造を提供すること。 【構成】 回転磁気ヘッド装置用の固定ドラム１１と、
このドラムに装着されるロータリトランス１２とのアー
ス構造において、上記固定ドラム１１とロータリトラン
スの基板３１とを、座金３２を介してビス止め３３する
ようにしたこと。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、たとえばＶＴＲ用の記
録，再生に用いる回転磁気ヘッド装置用ドラムとロータ
リートランスとのアース構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば、ＶＴＲの録画，再生に用いる回
転磁気ヘッド装置は、図８に示すように、図示しない磁
気ヘッドが固定される円筒状の上ドラム８と、この上ド
ラム８とほぼ同径に形成された円筒形状の下ドラム１と
を備えている。

【０００３】上記上ドラム８は、回転軸７と固定されて
おり、この回転軸７が図示しない所定の駆動手段によっ
て回転されるのにともなって回転する回転ドラムであ
る。この回転ドラム８の下面には、外周にむかって僅か
に突出するように磁気ヘッド（図示せず）が固定されて
いる。

【０００４】これにより、この磁気ヘッドは、回転ドラ
ム８の外周に巻き付けられて、斜めに走行する磁気テー
プをヘリカルスキャンして情報信号の記録または再生を
おこなうようになっている。

【０００５】下ドラム１は、回転軸７に対して、図示省
略する回転軸受けにより支持されており、この回転軸７
が回転しても、それにともなって回転しない固定側ドラ
ムとして構成されている。

【０００６】この下ドラム１には、図示するように、円
盤状のロータリトランス用コア２（ステータ側）が、所
定の巻線を施されて装着されており、上ドラム８の下面
に装着された図示しないロータ側コアと所定のギャップ
をおいて対向されている。

【０００７】ここで、上ドラム８のロータコアは、上記
磁気ヘッドと、図示しないヘッドアンプを介して接続さ
れている。一方、下ドラム１のステータコア２は、機器
本体側の信号処理回路と接続されている。

【０００８】これにより、上記ロータコアとステータコ
ア２とでロータリトランスを構成し、磁気ヘッドと機器
本体側との間で非接触で記録または再生信号等のやりと
りをおこなうようになっている。

【０００９】このような磁気ヘッド装置では、再生信号
等にノイズが入ることを防止するクロストーク対策とし
て、下ドラム１とロータリートランスのコア２との間で
グランド（ＧＮＤ）を取っている。

【００１０】図９は、従来のアース構造の第１の例を拡
大して示している。図において、ロータリトランス用の
コア２（ステータ側）の下面に装着された基板３の図に
おいて右方に延長された領域には、スルーホール３ａが
設けられている。

【００１１】そして、下ドラム１の上記基板のスルーホ
ール３ａに対応した箇所に挿入孔を形成してコンタクト
ピン４を挿入し、その先端部４ａを基板３１のスルーホ
ール３ａに挿通させて半田付けし、これによりロータリ
トランスのコア２と下ドラム１のアースを取っている。

【００１２】図１０は、従来のアース構造の第２の例を
示している。このアース構造では、基板３に形成したス
ルーホール３ａに例えば歯つきのビス５を挿入し、ドラ
ム１側に形成したネジ孔に締めつけるようにして、ロー
タリトランスのコア２と下ドラム１のアースを取ってい
る。

【００１３】図１１は、従来のアース構造の第３の例を
示している。この場合、下ドラム１に図示するような孔
を設けて、アースブッシュ６を圧入している。一方、基
板３は片面基板で、裏面側に半田を付着させて、アース
ブッシュ６と接続させる。これにより、ロータリトラン
スのコア２と下ドラム１のアースを取っている。

【００１４】図１２は、従来のアース構造の第４の例を
示している。下ドラム１に形成した孔内にバネを挿入
し、その先端側に導電性材料で形成した接点７を配置す
る。この接点７は図において上方に付勢されており、基
板３の下面に当接している。これにより、ロータリトラ
ンスのコア２と下ドラム１のアースを取っている。

【００１５】図１３は、従来のアース構造の第５の例を
示している。基板３と下ドラム１の間に導電性ラバーも
しくは導電性接着剤，あるいは半田層５１を介在させ
る。そして、ビス５を基板３を挟んで下ドラム１のビス
孔１ａに締めつける。これにより、ロータリトランスの
コア２と下ドラム１のアースを取っている。

【００１６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来のアース構造は、それぞれ以下のような欠点を有して
いた。

【００１７】第１の例（図９）では、アース性能は優れ
ていても、基板３に両面基板をや、アースピンを使用し
なければならないため、部品コストがかかり、半田付け
の手数もかかるという欠点がある。

【００１８】第２の例（図１０）は、構成が簡単な反
面、ビス５の締めつけに際して、このビス５には歯がつ
いていることから、基板３の上面を損傷してしまう欠点
がある。

【００１９】第３の例（図１１）では、アース性能は十
分としても、アースブッシュ６を使用する分部品コスト
がかかり、半田付けにも手数を要するものである。

【００２０】第４の例（図１２）は、接点７を使用する
ためにコスト面に降りがあるとともに、この接点７はバ
ネにより支持されていることから、抵抗が数百ｍΩ程度
あり、アース性能の点で劣るものである。

【００２１】この点、第５の例（図１３）でも同様で、
導電性ラバーもしくは導電性接着剤，あるいは半田層５
１が介在することから、抵抗が数百Ωから数Ωあること
から、アース性能の点で問題があった。

【００２２】本発明は上述した課題に鑑み、簡単な作業
にて低コストで製造でき、しかもアース性能に優れた、
回転磁気ヘッド装置用ドラムとロータリトランスとのア
ース構造を提供することを目的とする。

【００２３】

【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明にあ
っては、回転磁気ヘッド装置用の固定ドラムと、このド
ラムに装着されるロータリトランスとのアース構造にお
いて、上記固定ドラムとロータリトランスの基板とを、
座金を介してビス止めするようにした回転磁気ヘッド装
置用ドラムとロータリトランスとのアース構造により達
成される。

【００２４】好ましくは、前記座金の上面および下面に
は、この座金の中心付近から周囲の方向に向かって放射
状に形成された複数の鋸歯状の歯を有するように構成す
ることができる。

【００２５】また、好ましくは、前記座金の上面および
下面には、複数の微小突起が形成されている。

【００２６】

【作用】上記構成によれば、固定ドラムとロータリトラ
ンスの基板とを、座金を介在させてビス止めするように
しているので、半田付けする必要がない。また、この座
金を介して、ロータリトランスの基板と、固定ドラムと
の間で十分な導通が得られる。

【００２７】

【実施例】以下、本発明の好適な実施例を添付図面等に
基づいて詳細に説明する。尚、以下に述べる実施例は、
本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種
々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説
明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、
これらの態様に限られるものではない。

【００２８】図１は、本発明の好適な実施例を適用した
回転磁気ヘッド装置を示している。この回転磁気ヘッド
装置ドラム１０は、ＶＴＲテープ等の記録媒体への信号
の記録および記録媒体からの信号の再生の少なくとも一
方を行うためのものである。

【００２９】図において、回転磁気ヘッド装置１０は、
磁気ヘッド１４が固定される円筒状の上ドラム１３と、
この上ドラム１３とほぼ同径に形成された円筒形状の下
ドラム１１を備えている。

【００３０】上記上ドラム１０は、フランジ１５を介し
て回転軸１７と固定されており、この回転軸１７が、モ
ータ（マグネット）１８，１９の作用により回転される
のにともなって回転する回転ドラムである。この回転ド
ラム８の下面には、外周にむかって僅かに突出するよう
に上記磁気ヘッド１４が固定されている。

【００３１】これにより、この磁気ヘッド１４は、回転
ドラム１３の外周に所定角度巻き付けられて、斜めに走
行する磁気テープ（図示せず）をヘリカルスキャンして
情報信号の記録または再生をおこなうようになってい
る。

【００３２】下ドラム１１は、回転軸１７に対して、回
転軸受け２２により支持されており、この回転軸１７が
回転しても、それにともなって回転しない固定側ドラム
として構成されている。この下ドラム１１には、図示す
るように、円盤状のロータリトランス用コア１２（ステ
ータ側）が、所定の巻線を施されて装着されており、上
ドラム１３の下面に装着されたロータ側コア１６と所定
のギャップをおいて対向されている。

【００３３】ここで、上ドラム１３のロータコア１６
は、磁気ヘッド１４と図示しないヘッドアンプを介して
接続されている。一方、下ドラム１１のステータコア１
２は、機器本体側の信号処理回路と接続されている。

【００３４】これにより、上記ロータコア１６とステー
タコア１２とでロータリトランスを構成し、磁気ヘッド
１４と機器本体側との間で非接触で記録または再生信号
等のやりとりをおこなうようになっている。

【００３５】さらに、本実施例の回転磁気ヘッド装置１
０では、クロストーク対策として下ドラム１１とロータ
リートランスのコア１２の間で、以下のようなアース構
造３０により、グランド（ＧＮＤ）を取っている。

【００３６】図２は、図１のＡ部付近を拡大して示して
いる。図において、ステータコア１２の下面には、基板
３１が固定されている。この基板３１は、例えばガラス
エポキシ製の片面基板が好適に用いられる。この基板３
１には、ビス３３を通すための孔３１ａが設けられてい
る。

【００３７】下ドラム１１には、上記基板３１の孔３１
ａに対応した箇所に、ビス孔１１ａが設けられている。
そして、基板３１と下ドラム１１の間には、座金３２が
配置されている。

【００３８】この座金３２は、導電性が良く丈夫な適宜
の金属材料によって、例えば図３に示すように形成され
ている。図において、座金３２は、中心にビスを通すた
めの孔３２ａを有するリング状に形成されている。さら
に、この座金の、図において、上面および下面には、歯
３２ｂが一体に設けられている。

【００３９】この歯３２ｂは、座金の上下両面におい
て、中心部から外周の方向に向かって放射状に多数設け
られている。そして、この歯３２ｂは、本実施例にあっ
ては、例えば図４に示すように、矢印で示す締めつけ方
向に関して、傾斜角約３０度程度，高さ約０．１ｍｍ程
度の鋸歯状に形成されている。

【００４０】本実施例は、以上のように構成されている
ので、半田等の作業を必要とせずに、ビス３３を締結す
るだけの簡単な作業によって、ロータリトランス（用コ
ア）１２と下ドラム１１との間でアースをとることがで
きる。

【００４１】しかも、座金３２は、その上面の歯３２ｂ
により基板３１の下面に対して、座金の下面の歯３２ｂ
は下ドラム１１の上面に対して、それぞれ僅かに食い込
み、強固に固定されるので、アース構造３０が確実とな
る。このため、ビス３３を締結するさいに、強く締めつ
け過ぎることがなく、それため、このビス３３の頭部が
基板３１の上面に損傷を与えることもない。

【００４２】そして、この座金３２は、導電性に優れた
金属材料にて形成されているために、抵抗が１０数ｍΩ
程度と、優れたアース性能を備えることになる。また、
従来のようにアースブッシュ等の別部材を必要とせず、
基板３１は片面基板でよいことから、部品コストを低減
でき、しかも取り付けは、ビス３３の締めつけだけで行
えることから、メンテナンス性に優れている。

【００４３】図５は、アース構造の他の例を示してい
る。このアース構造４０において、図２と異なるのは、
座金４２の具体的構成である。この座金４２は、図６に
詳しく示されている。

【００４４】図において、この座金４２は、導電性が良
く丈夫な適宜の金属材料によって、例えば、図６に示す
ように、中心にビスを通すための孔４２ａを有するリン
グ状に形成されている。さらに、この座金４２の図にお
いて、上面および下面には、歯４２ｂが一体に設けられ
ている。

【００４５】この歯４２ｂは、座金の上下両面におい
て、それぞれ上方もしくは下方に向かって突出する多数
の突起状の歯でなっており、放射状に複数づつ配され、
各歯の先端部は尖っている。そして、この歯４２ｂは、
本実施例にあっては、例えば図７に示すように、矢印で
示す締めつけ方向に関して、傾斜角約６０度程度，高さ
約０．０５乃至０．１ｍｍ程度突出している。

【００４６】したがって、このアース構造４０にあって
も、図２に示したアース構造３０と同様に、半田等の作
業を必要とせずに、ビス３３を締結するだけの簡単な作
業によって、ロータリトランス（用コア）１２と下ドラ
ム１１との間でアースをとることができる。

【００４７】しかも、座金３２は、その上面の歯３２ｂ
により基板３１の下面に対して、座金の下面の歯３２ｂ
は下ドラム１１の上面に対して、それぞれ僅かに食い込
み、強固に固定されるので、アース構造３０が確実とな
る等、アース構造３０と同様の作用を発揮する。

【００４８】なお、本発明は上述の実施例に限られな
い。例えば、本発明に利用される座金は、上述した形状
のものに限らず、基板３１とドラム１１との間に介在す
る導電性に優れたものであれば、種々のタイプのものが
適用できる。

【００４９】

【発明の効果】本発明によれば、低コストで、簡単に製
造でき、しかもアース性能に優れた、回転磁気ヘッド装
置用ドラムとロータリトランスとのアース構造を提供す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の好適な実施例を適用した回転磁気ヘッ
ド装置を示す概略斜視図。

【図２】図１の部分Ａを拡大して示す図。

【図３】図１のアース構造に適用される座金を示す
（ａ）斜視図，（ｂ）断面図。

【図４】図３の座金の歯の部分を拡大して示す図。

【図５】アース構造の他の例を示す図。

【図６】図５のアース構造に適用される座金を示す
（ａ）斜視図，（ｂ）断面図。

【図７】図６の座金の歯の部分を拡大して示す図。

【図８】従来の回転磁気ヘッド装置の下ドラム付近の概
略断面図。

【図９】従来の回転磁気ヘッド装置のロータリトランス
とドラムとのアース構造を示す概略断面図。

【符号の説明】

１０ 回転磁気ヘッド装置 １１ 下ドラム（固定） １２ ステータコア １３ 上ドラム １６ ステータコア ３１ 基板 ３２，４２ 座金 ３３ ビス

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【手続補正書】

【提出日】平成５年１１月１１日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図１０

【補正方法】追加

【補正内容】

【図１０】従来の他の回転磁気ヘッド装置のロータリト
ランスとドラムとのアース構造を示す部分拡大断面図。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図１１

【補正方法】追加

【補正内容】

【図１１】従来の他の回転磁気ヘッド装置のロータリト
ランスとドラムとのアース構造を示す部分拡大断面図。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図１２

【補正方法】追加

【補正内容】

【図１２】従来の他の回転磁気ヘッド装置のロータリト
ランスとドラムとのアース構造を示す部分拡大断面図。

【手続補正４】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図１３

【補正方法】追加

【補正内容】

【図１３】従来の他の回転磁気ヘッド装置のロータリト
ランスとドラムとのアース構造を示す部分拡大断面図。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転磁気ヘッド装置用の固定ドラムと、
   このドラムに装着されるロータリトランスとのアース構
   造において、 上記固定ドラムとロータリトランスの基板とを、座金を
   介してビス止めするようにしたことを特徴とする、回転
   磁気ヘッド装置用ドラムとロータリトランスとのアース
   構造。
2. 【請求項２】 前記座金の上面および下面には、この座
   金の中心付近から周囲の方向に向かって放射状に形成さ
   れた複数の鋸歯状の歯を有することを特徴とする、請求
   項１に記載の回転磁気ヘッド装置用ドラムとロータリト
   ランスとのアース構造。
3. 【請求項３】 前記座金の上面および下面には、複数の
   微小突起が形成されていることを特徴とする、請求項１
   に記載の回転磁気ヘッド装置用ドラムとロータリトラン
   スとのアース構造。