JPH06308738A - 感光性樹脂の現像剤及びその現像方法 - Google Patents

感光性樹脂の現像剤及びその現像方法

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JPH06308738A
JPH06308738A JP9289093A JP9289093A JPH06308738A JP H06308738 A JPH06308738 A JP H06308738A JP 9289093 A JP9289093 A JP 9289093A JP 9289093 A JP9289093 A JP 9289093A JP H06308738 A JPH06308738 A JP H06308738A
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JP
Japan
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butyl acetate
alcohol
photosensitive resin
developer
developing
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Application number
JP9289093A
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English (en)
Inventor
Yuji Suzuki
祐治 鈴木
Yasushi Karasawa
康史 柄沢
Mitsuaki Atobe
光朗 跡部
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 感光性樹脂の現像工程において、1,1,1
−トリクロロエタンの代わりに、酢酸ブチルとアルコー
ルの混合液を用いることで、オゾン層破壊など環境問題
を起こさない現像剤、及び現像方法を提供する。 【構成】 酢酸ブチルと炭素数が1から9のアルコール
の混合液からなる現像剤を、スプレー11によって、紫
外線照射によりパターンを焼き付けられた被現像物12
に対して噴霧することにより、画像を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光性樹脂のパターン
形成に用いる現像剤及びその現像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】感光性樹脂の現像剤には、有機溶剤のほ
か、弱アルカリ水溶液が用いられている。特に耐薬品性
が要求される、インクジェット記録ヘッドのインク流路
構造などには、ベースポリマーの耐薬品性が高い、有機
溶剤現像タイプの感光性樹脂が使われている。
【0003】これら有機溶剤現像タイプ感光性樹脂の現
像剤として、1,1,1−トリクロロエタン(以下トリ
エタン)は優れており、良好なレジストパターンが得ら
れる。そのため、特公平2−42670号公報にみられ
るインクジェット記録ヘッドのように、微細パターンの
形成に用いられる。
【0004】そのうえトリエタンは、通常の有機溶剤と
比較して引火性が極めて小さく、安全に現像することが
可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし近年、トリエタ
ンはオゾン層破壊という環境問題を引き起こすことが明
らかとなった。そのためトリエタンを使い続けること
は、環境破壊を促進することにほかならない。
【0006】また、オゾン層破壊を抑制するため、将来
トリエタンの生産が禁止されることになっている。その
ためトリエタンによる現像方法を、今後恒久的に実施す
ることは不可能である。
【0007】本発明は、以上記した課題を解決するもの
であり、その目的は、トリエタンなどの環境破壊物質を
排出せずに現像可能な、感光性樹脂の現像剤、及びその
現像方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の感光性樹脂の現
像剤は、酢酸ブチルと炭素数が1から9のアルコールか
らなり、アルコール濃度が33.3〜75重量パーセン
トであることを特徴とする。
【0009】トリエタンの代わりに酢酸ブチル単独で現
像すると、パターンとして残る部分まで溶解することが
確認されている。そこで本発明では、酢酸ブチルとアル
コールの混合液を用いた。
【0010】この現像のメカニズムは、酢酸ブチルとア
ルコールを混合することによって互いに溶媒和し、酢酸
ブチル分子の周りにアルコール分子が引きつけられる。
そのため感光性樹脂に対する酢酸ブチルの影響力が、ア
ルコール分子によって緩和され、パターンとして残るべ
き部分が溶解し難くなるのである。
【0011】また、本発明の感光性樹脂の現像方法は、
感光性樹脂がフィルム状であり、露光によってパターン
を焼き付けた後、前記現像剤によってパターンを形成す
ることを特徴とする。本現像方法には、次の三つの方法
がある。
【0012】まず第一に、露光によって画像を焼き付け
た感光性樹脂を、前記現像剤に浸漬することによって、
画像を形成する浸漬法がある。この方法は、被現像物を
現像剤に浸漬するだけなので、操作が非常に簡便である
という特徴を持つ。
【0013】第二に、露光によって画像を焼き付けた感
光性樹脂を、前記現像剤に浸漬しながら、被現像物に適
度な揺動を加え、化学的作用と物理的作用によって現像
する浸漬揺動法がある。この方法は浸漬法に比べ、良好
なパターン形状が得られ易いという特徴を持つ。
【0014】第三に、露光によって画像を焼き付けた感
光性樹脂に対し、スプレーによって霧状にした前記現像
剤を吹き付け、より強力な物理的作用によって現像す
る、スプレー法がある。この方法は、浸漬揺動法と比べ
ても、良好なパターン形状が得られ易いという特徴を持
つ。
【0015】また、本発明の感光性樹脂の現像方法は、
形成されるパターンがインクジェット記録ヘッドのイン
ク流路構造であることを特徴とする。
【0016】また、本発明の感光性樹脂の現像方法は、
フィルム状感光性樹脂がアクリル系樹脂であり、厚さが
25から60ミクロンであることを特徴とする。
【0017】
【実施例】以下実施例により、本発明を詳細に説明す
る。
【0018】(実施例1)図1及び図2は、本実施例の
感光性樹脂の現像方法における工程別の断面図である。
また、図3から図5は、本実施例の現像方法を示したも
のである。
【0019】まず図1のように、SUS、ガラスなどの
基板1に、トリエタン現像タイプで厚さ50ミクロンの
アクリル系ドライフィルム2をラミネーターによって熱
圧着し、温度が室温になるまで放置した。次に図2のよ
うに、マスクパターン3を通して紫外線4を照射し、露
光部5と未露光部6を形成した後、所定時間室温で放置
した。この被現像物を、酢酸ブチルとアルコールの混合
液によって現像した。現像方法は、図3のように現像剤
7に被現像物8を浸漬する浸漬法、図4のように現像剤
9に被現像物10を浸漬して揺動を加える浸漬揺動法、
図5のように現像剤をスプレー11によって被現像物1
2に対して噴霧するスプレー法の、3方式で行った。
【0020】表1から表8は、炭素数が1から9のアル
コール濃度を変化させた酢酸ブチル混合液によって現像
した場合の、評価結果である。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】
【0027】
【表7】
【0028】
【表8】
【0029】表9は、比較試料1から比較試料3がトリ
エタン、比較試料4から比較試料6が酢酸ブチル単独に
よって現像したときの評価結果である。
【0030】
【表9】
【0031】現像できない場合や、パターンは形成され
るがドライフィルムが基板から剥離するなど、問題があ
る場合に「×」、良好なパターン形状が得られる場合に
「○」、非常に良好なパターン形状が得られる場合に
「◎」とした。
【0032】酢酸ブチルと炭素数が1から9のアルコー
ルの混合液によって現像した場合は、アルコールの種
類、濃度によらず、良好なパターン形状が得られた。特
にエタノールと2−プロパノールを用いた現像剤の場合
には、浸漬法による現像でも、非常に良好なパターン形
状が得られた。
【0033】また、トリエタンによって現像した場合
は、酢酸ブチル+エタノールまたは酢酸ブチル+2−プ
ロパノールによって現像したときと同じく、非常に良好
なパターン形状が得られた。
【0034】一方、酢酸ブチル単独で現像した場合に
は、全ての方法でドライフィルムが基板から剥離した
り、パターンが形成されなかった。
【0035】(実施例2)図6から図12は、本実施例
の感光性樹脂の現像方法における製造工程別の斜視図で
ある。
【0036】図6のインクジェットヘッドのノズルプレ
ート13には、所定部にインク吐出孔14、及び接着時
の位置合わせマーク15が設けられる。また図7のイン
クジェットヘッドの振動板16には、接着時の位置合わ
せマーク17が設けられる。振動板16にはヘッド完成
後、インクに液滴発生、飛翔のエネルギーを与えるピエ
ゾ素子などの能動素子が取り付けられる。
【0037】このノズルプレート13及び振動板16上
に、図8、図9のようにトリエタン現像タイプの感光性
樹脂層18、19を形成する。本実施例の樹脂層は、ド
ライフィルムをラミネートすることによって形成した
が、トリエタン現像タイプの液状レジストをスピンコー
トするなど、他の適当な方法によって形成し得る。
【0038】次に感光性樹脂層18、19に、紫外線照
射によってインク流路パターンを焼き付けた後、酢酸ブ
チルとアルコールの混合液によって現像し、図10、図
11のように、ノズルプレート側と振動板側それぞれの
インク流路構造20、21、及びインク供給部22を形
成した。
【0039】表10と表11は、炭素数が1から9のア
ルコール濃度が50重量パーセントの酢酸ブチル混合液
によってパターンを形成したときの、パターン形状の評
価結果である。
【0040】
【表10】
【0041】
【表11】
【0042】また表12は、比較試料7から比較試料9
がトリエタン、比較試料10から比較試料12が酢酸ブ
チル単独によって現像したときの評価結果である。
【0043】
【表12】
【0044】現像できない場合や、パターンは形成され
るがドライフィルムが基板から剥離するなど、問題があ
る場合に「×」、良好なパターン形状が得られる場合に
「○」、非常に良好なパターン形状が得られる場合に
「◎」とした。
【0045】酢酸ブチルと炭素数が1から9のアルコー
ルの混合液によって現像した場合は、アルコールの種類
によらず、良好なパターン形状が得られた。特にエタノ
ール、2−プロパノールを用いた現像剤の場合は、現像
方法によらず非常に良好なパターン形状が得られた。
【0046】また、トリエタンによって現像した場合
は、酢酸ブチル+エタノールまたは酢酸ブチル+2−プ
ロパノールによって現像したときと同じく、非常に良好
なパターン形状が得られた。
【0047】一方、酢酸ブチル単独で現像した場合に
は、全ての方法でドライフィルムがノズルプレート及び
振動板から剥離したり、パターンが形成されなかった。
【0048】このようにして作製したノズルプレート
側、振動板側のパターンを、位置合わせマーク15及び
17を合わせ、図12のように接着した。
【0049】その結果、パターン形状不良のサンプルを
接着した場合は、接着不良やインクジェットヘッド組立
後のインク漏れなどが生じ、使用不可能であった。これ
に対し、酢酸ブチルと各種アルコールの混合液によって
パターンを形成したサンプルを接着した場合は、接着不
良やインク漏れなどは全く見られなかった。
【0050】
【発明の効果】以上記したように、本発明の感光性樹脂
の現像剤は、炭素数が1から9のアルコール濃度33.
3〜75重量パーセントの酢酸ブチル混合液によって、
感光性樹脂を現像することによりオゾン層の破壊を防止
できる効果を示した。
【0051】また、本発明の感光性樹脂の現像方法は、
酢酸ブチルと炭素数が1から9のアルコールの混合液に
よって、厚さが25から60ミクロンのアクリル系フィ
ルム状感光性樹脂を非常に高精度で現像できる効果を示
した。
【0052】また、本発明の感光性樹脂の現像方法は、
耐薬品性が要求されるインクジェット記録ヘッドのイン
ク流路構造などを、トリエタン現像タイプの感光性樹脂
によって製造できるという効果を示した。
【0053】また、本発明の感光性樹脂の現像方法は、
トリエタンが生産中止となっても、継続して実施できる
という効果を示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における、ラミネート後の基
板とドライフィルムの断面図。
【図2】本発明の実施例1における、露光後の基板とド
ライフィルムの断面図。
【図3】本発明の実施例1における、浸漬現像法の概略
図。
【図4】本発明の実施例1における、浸漬揺動現像法の
概略図。
【図5】本発明の実施例1における、スプレー現像法の
概略図。
【図6】本発明の実施例2における、ノズルプレートの
斜視図。
【図7】本発明の実施例2における、振動板の斜視図。
【図8】本発明の実施例2における、ノズルプレート上
に1,1,1−トリクロロエタン現像タイプの感光性樹
脂層を形成した後の斜視図。
【図9】本発明の実施例2における、振動板上に1,
1,1−トリクロロエタン現像タイプの感光性樹脂層を
形成した後の斜視図。
【図10】本発明の実施例2における、ノズルプレート
上の感光性樹脂層現像後の斜視図。
【図11】本発明の実施例2における、振動板上の感光
性樹脂層現像後の斜視図。
【図12】本発明の実施例2における、ノズルプレート
上、及び振動板上の感光性樹脂層接着後の斜視図。
【符号の説明】
1 基板 2 ドライフィルム 3 フォトマスク 4 紫外線 5 露光部 6 未露光部 7 現像剤 8 被現像物 9 現像剤 10 被現像物 11 スプレーノズル 12 被現像物 13 ノズルプレート 14 インク吐出孔 15 位置合わせマーク 16 振動板 17 位置合わせマーク 18 1,1,1−トリクロロエタン現像タイプ感光
性樹脂層 19 1,1,1−トリクロロエタン現像タイプ感光
性樹脂層 20 ノズルプレート側インク流路構造 21 振動板側インク流路構造 22 インク供給部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酢酸ブチルと炭素数が1から9のアルコ
    ールからなり、アルコール濃度が33.3〜75重量パ
    ーセントであることを特徴とする感光性樹脂の現像剤。
  2. 【請求項2】 感光性樹脂がフィルム状であり、露光に
    よってパターンを焼き付けた後、請求項1記載の現像剤
    によって、パターンを形成することを特徴とする感光性
    樹脂の現像方法。
  3. 【請求項3】 形成されるパターンが、インクジェット
    記録ヘッドのインク流路構造であることを特徴とする請
    求項2記載の感光性樹脂の現像方法。
  4. 【請求項4】 フィルム状感光性樹脂がアクリル系樹脂
    であり、厚さが25ミクロンから60ミクロンであるこ
    とを特徴とする請求項2記載の感光性樹脂の現像方法。
JP9289093A 1993-04-20 1993-04-20 感光性樹脂の現像剤及びその現像方法 Pending JPH06308738A (ja)

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