JP2006137065A - 液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】材料選択の幅が広く、経済性を悪化させることなく、インクの吐出面の平坦性を確保することができ、インクの吐出特性を安定的に維持できるようにしたインクジェットヘッドを製造できるようにする。
【解決手段】発熱抵抗体13を配した基板14上に、後工程で溶解可能な樹脂を積層してインク液室の形状パターンの溶解樹脂層21とし、この溶解樹脂層21上に、ドライフィルム化した樹脂を真空ラミネートして加圧することによって被覆樹脂層22とし、この被覆樹脂層22に、ノズルを形成してインク吐出部材とするとともに、溶解樹脂層21を溶出して、インク液室を形成する。
【選択図】図7
【解決手段】発熱抵抗体13を配した基板14上に、後工程で溶解可能な樹脂を積層してインク液室の形状パターンの溶解樹脂層21とし、この溶解樹脂層21上に、ドライフィルム化した樹脂を真空ラミネートして加圧することによって被覆樹脂層22とし、この被覆樹脂層22に、ノズルを形成してインク吐出部材とするとともに、溶解樹脂層21を溶出して、インク液室を形成する。
【選択図】図7
Description
本発明は、液室内の液体を吐出するためのノズルを形成した液体吐出部材を備える液体吐出ヘッドの製造方法に係るものであり、詳しくは、液体吐出部材における液体の吐出面の平坦性を確保し、液体の吐出特性を安定的に維持できるようにした技術に関するものである。
従来から、インクジェットプリンタのインクジェットヘッド(液体吐出ヘッドの一種)に関する技術として、エネルギー発生素子により、インク液室内のインクをノズルからインク液滴として吐出し、インクの吐出面に対向して配置された印画紙等の被記録媒体上に着弾させ、略円形のドットを縦横に形成することで点画とし、文字や画像等を表現する技術が知られている。
ここで、インクの吐出方式には、エネルギー発生素子として発熱抵抗体を使用し、熱エネルギーを用いてインクを吐出させるサーマル方式や、エネルギー発生素子としてピエゾ素子を使用し、振動板を変形させてインクを吐出させるピエゾ方式等が知られているが、いずれの方式であっても、インク液室内のインクは、インク吐出部材に形成されたノズルから吐出されることとなる。
そして、このようなインク吐出部材を備えるインクジェットヘッドの製造方法として、例えば、エネルギー発生素子を配した基板上に、後工程で溶解可能な樹脂を積層して溶解樹脂層とする工程と、この溶解樹脂層をインク液室の形状パターンに形成する工程と、インク液室の形状パターンに形成された溶解樹脂層上に、樹脂溶液を塗布して被覆樹脂層とする工程と、被覆樹脂層にノズルを形成してインク吐出部材とするとともに、被覆樹脂層の下の溶解樹脂層を溶出してインク液室を形成する工程とによって製造する技術が知られている。
図10は、このような従来のインクジェットヘッドの製造方法における1つの工程を示す図である。
すなわち、図10は、インク液室の形状パターンに形成された溶解樹脂層21上に樹脂溶液を塗布して被覆樹脂層24とする工程を示している。
すなわち、図10は、インク液室の形状パターンに形成された溶解樹脂層21上に樹脂溶液を塗布して被覆樹脂層24とする工程を示している。
ここで、溶解樹脂層21は、図10(a)に示すように、エネルギー発生素子として発熱抵抗体13を配した基板14上に、後工程で溶解可能な樹脂を積層してインク液室の形状パターンに形成したものである。また、基板14は、スピンコータの基板ホルダー34にセットされ、真空チャックや固定金具(いずれも図示せず)等で固定された状態となっている。
このような溶解樹脂層21上に樹脂溶液を塗布するには、最初に、基板ホルダー34を必要な回転数で回転させる。この際、基板ホルダー34の回転数は、被覆樹脂層24として必要な膜厚が得られるような回転数としておく。そして、基板ホルダー34を回転させながら、図10(a)に示すように、溶解樹脂層21上に、樹脂溶液を塗布(スピンコート)して被覆樹脂層24を形成する。
ところが、図10(b)に示すように、溶解樹脂層21は、基板14上の部分部分に複数形成されているので、樹脂溶液をスピンコートすると、形成された被覆樹脂層24の表面にうねりが発生するようになる。すなわち、溶解樹脂層21が形成された基板14上に樹脂溶液をスピンコートすると、下地である溶解樹脂層21の存在の有無が膜厚に影響を及ぼし、図10(b)に示すように、被覆樹脂層24の表面が凹凸状にうねってしまうのである。
そのため、形成された被覆樹脂層24において、隣接するそれぞれの溶解樹脂層21同士の距離が長い部分での膜厚t1と、その距離が短い部分での膜厚t2とが異なるようになる。すると、溶解樹脂層21上における被覆樹脂層24の厚さがばらつくだけでなく、被覆樹脂層24の表面が傾斜面となってしまう。そして、その結果、インクの吐出面の平坦性が確保されないこととなり、インクの吐出特性が安定しないという問題が生ずるようになる。
すなわち、図10に示すようにして被覆樹脂層24を形成した後は、被覆樹脂層24にノズルを形成してインク吐出部材とするとともに、溶解樹脂層21を溶出してインク液室を形成する。そして、基板14をダイシングブレードによって切り出す等の工程を経てインクジェットヘッドが製造される。そのため、被覆樹脂層24の表面の傾斜は、そのままインク吐出部材のノズルにおける吐出面の傾斜となり、インクの吐出特性に悪影響を及ぼすのである。
図11は、このような従来の方法によって製造されたインクジェットヘッドの一部を拡大して示す断面図である。
図11に示すインクジェットヘッド11は、図10に示すA部の被覆樹脂層24にノズル18を形成してインク吐出部材17とするとともに、溶解樹脂層21(図10参照)を溶出してインク液室12を形成し、基板14を切り出すことによってインクジェットヘッド11としたものである。
図11に示すインクジェットヘッド11は、図10に示すA部の被覆樹脂層24にノズル18を形成してインク吐出部材17とするとともに、溶解樹脂層21(図10参照)を溶出してインク液室12を形成し、基板14を切り出すことによってインクジェットヘッド11としたものである。
そして、このインクジェットヘッド11は、発熱抵抗体13によってインク液室12内のインクを急速に加熱すると、発熱抵抗体13上に気泡が発生し、インク液室12内のインクが微少量(例えば、数ピコリットル)だけインク液滴となり、インク吐出部材17に形成されたノズル18から吐出される。
ここで、インクジェットヘッド11によって高品位な画像を得るためには、ノズル18から吐出されるインク液滴が常に同じ体積であり、同じ速度で同じ方向に吐出されることが必要となる。そして、そのためには、発熱抵抗体13とノズル18との距離を短くすることが好ましい。また、この距離がインク液滴の体積を決定するため、この距離を正確で一定に設定する必要もある。
そこで、発熱抵抗体13による気泡の発生方向と、ノズル18からのインク液滴の吐出方向とがほぼ同じである、いわゆるフェースシュート型のインクジェットヘッド11においては、通常、図11に示すように、中間のインク液室12を介して、発熱抵抗体13の直上にノズル18を対向させて位置させることにより、発熱抵抗体13とノズル18との距離を短くしている。
ところが、図10に示す従来の製造方法では、インク液室12となる部分に溶解樹脂層21を形成するため、上記した通り、インク吐出部材17となる被覆樹脂層24の表面が傾斜面となってしまう。そして、この傾斜面にノズル18が形成されると、ノズル18の周囲におけるインク吐出部材17の厚みが異なるようになる。すなわち、図11に示すように、ノズル18の周辺にうねりが発生し、断面右側の高さH1と断面左側の高さH2とが異なるノズル18が形成されてしまうのである。
このような断面形状のノズル18であると、安定したインク液滴の吐出ができず、吐出されたインク液滴の飛翔方向が曲げられてしまう。すると、印画紙等における着弾位置にずれが生じることとなり、印画品質が悪化する。すなわち、図10に示す従来の方法で製造されたインクジェットヘッド11(図11参照)は、ノズル18の周辺にうねりが発生し、インクの吐出特性に悪影響を与えることが確認されているのである。なお、図10に示す製造方法では、ソルベントコートの1つ方法であるスピンコートで被覆樹脂層24を形成しているが、スピンコート以外のソルベントコートであっても同様の問題が発生することは言うまでもない。
そこで、上記のような問題点に鑑み、被覆樹脂層24の表面が傾斜面とならないようにするインクジェットヘッドの製造方法が知られている。すなわち、被覆樹脂層24となる樹脂溶液の溶媒に対する樹脂の濃度が被覆樹脂層24の平坦性を確保する上で重要なファクターとなっていることを見い出し、この樹脂の濃度を特定の範囲内に規定した技術である(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−286149号公報
上記の特許文献1に記載の技術は、被覆樹脂層24となる樹脂溶液の濃度を30〜70wt%とするものである。そして、インクジェットヘッドの製造方法としては、発熱抵抗体13を配した基板14上に、インク液室12の形状パターンの溶解樹脂層21を形成する工程と、エポキシ樹脂を主成分とする樹脂を溶媒に濃度が30〜70wt%となるように溶解し、この樹脂溶液を溶解樹脂層21上にソルベントコートすることによって被覆樹脂層24を形成する工程と、被覆樹脂層24にノズル18を形成する工程と、溶解樹脂層21を溶出する工程とを含んでいる。
上記の特許文献1に記載の技術によれば、樹脂溶液の濃度を30〜70wt%とすることにより、被覆樹脂層24の表面の平坦性が確保される。そのため、発熱抵抗体13とノズル18との距離を正確に形成することが可能で、製造上のばらつきもなく、高画質な印画を行うことができるとされている。
また、上記の特許文献1に記載の技術との関連で、被覆樹脂層24を形成する樹脂の溶媒として、キシレン等の非極性溶媒を採用することにより、樹脂溶液を溶解樹脂層21上にソルベントコートした際に、溶媒で溶解樹脂層21を溶解しないようにする技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平7−214783号公報
さらに、上記の特許文献1に記載の技術と同様に、被覆樹脂層24の表面の平坦性を確保する技術として、基板14上の部分部分に形成される溶解樹脂層21の他に、ダミー樹脂層を形成することにより、溶解樹脂層21及びダミー樹脂層上に形成される被覆樹脂層24を平坦化する技術も知られている(例えば、特許文献3、特許文献4及び特許文献5参照)。
特開平9−1809号公報
特開平10−157150号公報
特開平11−138817号公報
しかし、上記の特許文献1に記載の技術では、被覆樹脂層24を形成する樹脂を適当な溶媒(有機溶剤)で樹脂溶液とし、これをソルベントコート等の方法で塗布するので、下地として溶解樹脂層21が存在する場合には、溶解樹脂層21を溶解することがないように、溶媒の選定が非常に限られるとともに、使用できる樹脂の種類も限定されてしまうという問題がある。
一方、上記の特許文献2に記載の技術は、ソルベントコートする際に、溶解樹脂層21を溶解しないように、非極性溶媒を採用することとしたものであるが、キシレン等の非極性溶媒は、環境汚染物質であり、人体に対する健康被害の影響も考えられることから、使用材料として問題がある。
また、上記の特許文献3、特許文献4及び特許文献5の技術は、平坦性が必要な部分に合わせて溶解可能な樹脂からなるダミー樹脂層を形成することにより、被覆樹脂層24の平坦化を達成しようとしているので、ダミー樹脂層の形成領域が必要となり、基板14となるシリコン・ウエハーが大きくなってしまう。そのため、シリコン・ウエハー1枚当たりで切り出すことができるインクジェットヘッドが少なくなり、コスト上昇を招いて経済性が悪化するという問題がある。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、被覆樹脂層の材料選択の幅が広く、しかも、経済性を悪化させることなく、液体の吐出面の平坦性を確保することができ、液体の吐出特性を安定的に維持できるようにした液体吐出ヘッドの製造方法を提供することである。
本発明は、以下の解決手段によって、上述の課題を解決する。
本発明の1つである請求項1に記載の発明は、ノズルから吐出すべき液体を収容する液室と、前記ノズルを形成した液体吐出部材と、前記液室中の液体にエネルギーを付与するエネルギー発生素子とを備え、前記エネルギー発生素子により、前記液室内の液体を前記ノズルから液滴として吐出する液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記エネルギー発生素子を配した基板上に、後工程で溶解可能な樹脂を積層して、溶解樹脂層とする第1工程と、前記エネルギー発生素子上で、前記溶解樹脂層を前記液室の形状パターンに形成する第2工程と、前記液室の形状パターンに形成された前記溶解樹脂層上に、ドライフィルム化した樹脂を積層して、被覆樹脂層とする第3工程と、前記被覆樹脂層に、前記ノズルを形成して、前記液体吐出部材とするとともに、前記溶解樹脂層を溶出して、前記液室を形成する第4工程とを含むことを特徴とする。
本発明の1つである請求項1に記載の発明は、ノズルから吐出すべき液体を収容する液室と、前記ノズルを形成した液体吐出部材と、前記液室中の液体にエネルギーを付与するエネルギー発生素子とを備え、前記エネルギー発生素子により、前記液室内の液体を前記ノズルから液滴として吐出する液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記エネルギー発生素子を配した基板上に、後工程で溶解可能な樹脂を積層して、溶解樹脂層とする第1工程と、前記エネルギー発生素子上で、前記溶解樹脂層を前記液室の形状パターンに形成する第2工程と、前記液室の形状パターンに形成された前記溶解樹脂層上に、ドライフィルム化した樹脂を積層して、被覆樹脂層とする第3工程と、前記被覆樹脂層に、前記ノズルを形成して、前記液体吐出部材とするとともに、前記溶解樹脂層を溶出して、前記液室を形成する第4工程とを含むことを特徴とする。
上記の発明においては、溶解樹脂層上に、ドライフィルム化した樹脂を積層して被覆樹脂層とするので、被覆樹脂層、ひいては液体吐出部材の平坦性が確保される。また、ドライフィルム化した樹脂を積層すれば、溶解樹脂層を溶解させることがないので、被覆樹脂層の材料選択の幅が広くなる。さらに、ダミー樹脂層を形成する必要がないので、製造工程を短縮化することができ、しかも、経済性に優れたものとなる。
そして特に、ドライフィルム化した樹脂を積層して真空ラミネートし、真空ラミネートした樹脂を加熱しながら加圧することにより、溶解樹脂層上に被覆樹脂層を高度に密着させることができる。すると、被覆樹脂層、ひいては液体吐出部材の平坦性が一層向上するだけでなく、エネルギー発生素子とノズルとの距離を極めて高い精度で、ばらつきなく短くすることができるようになる。
本発明の液体吐出ヘッドの製造方法によれば、溶解樹脂層を溶解させることがなく、溶解樹脂層に与えるダメージを最小限にすることができるので、被覆樹脂層の材料選択の幅が広くなり、最適な樹脂材料で液体吐出ヘッドを製造することができるようになる。しかも、安全上、環境上及び人体への影響上から問題視されるような溶媒の使用量を最小限とすることができるので、液体吐出ヘッドの製造時における環境及び人体に対するリスクを低減させることができる。
さらに、液体吐出部材の平坦性が確保されるとともに、エネルギー発生素子とノズルとの距離を極めて高い精度で、ばらつきなく短くすることができるので、液体の吐出特性を安定的に維持することができ、高品位な画像を得ることができる液体吐出ヘッドの製造が可能となる。さらにまた、ダミー樹脂層を形成する必要がないので、このような液体吐出ヘッドを経済的に製造することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
本発明の方法によって製造される液体吐出ヘッドは、下記の実施形態では、インクジェットプリンタ用のインクジェットヘッド10に相当する。そして、液体としてインクを使用し、インクを収容する液室がインク液室12である。また、下記実施形態では、エネルギー発生素子として発熱抵抗体13を使用しており、この発熱抵抗体13は、基板14上に配列される。なお、液体吐出ヘッドが下記の実施形態に限定されるものでないことは、言うまでもない。
本発明の方法によって製造される液体吐出ヘッドは、下記の実施形態では、インクジェットプリンタ用のインクジェットヘッド10に相当する。そして、液体としてインクを使用し、インクを収容する液室がインク液室12である。また、下記実施形態では、エネルギー発生素子として発熱抵抗体13を使用しており、この発熱抵抗体13は、基板14上に配列される。なお、液体吐出ヘッドが下記の実施形態に限定されるものでないことは、言うまでもない。
図1は、本発明の方法によって製造されたインクジェットヘッドを示す部分斜視図である。
図1に示すインクジェットヘッド10において、基板14は、ガラス、セラミックス、プラスチック、金属、シリコン材料等からなるものであり、基板14上には、複数の発熱抵抗体13が配列されている。そして、各発熱抵抗体13には、制御信号の入力用電極(図示せず)が配線15を介して接続されている。
図1に示すインクジェットヘッド10において、基板14は、ガラス、セラミックス、プラスチック、金属、シリコン材料等からなるものであり、基板14上には、複数の発熱抵抗体13が配列されている。そして、各発熱抵抗体13には、制御信号の入力用電極(図示せず)が配線15を介して接続されている。
また、基板14は、インクの流路を構成する部材の1つとなっている。すなわち、基板14には、インクカートリッジ(図示せず)から供給されるインクの流路として、開口部16が形成されている。この開口部16は、基板14を穴開けして形成したものであり、例えば、ドリル等の機械的手段、レーザ等の光エネルギーを使用した手段、基板14にレジストパターン等を形成して化学的にエッチングする手段等、基板14に穴を開けることができる各種の手段によって形成される。
さらに、基板14は、インク吐出部材17(本発明における液体吐出部材に相当するもの)の支持体となっている。すなわち、基板14上には、各発熱抵抗体13を取り囲むインク液室12を形成するとともに、インクが開口部16を通って各インク液室12に供給されるように、インク吐出部材17が積層されている。そして、このインク吐出部材17には、各発熱抵抗体13と対向するように、複数のノズル18が形成されている。
なお、基板14には、発熱抵抗体13の耐用性の向上等を目的として、保護層等の各種の機能層を設けることができる。また、基板14は、インクの流路を構成する部材の1つとなり、インク吐出部材17の支持体となり得るものであれば、その形状、材質等は、特に限定されない。さらに、インクの流路となる開口部16は、基板14に形成するのではなく、インク吐出部材17に形成することもできる。
図1に示す上記の構成のインクジェットヘッド10において、インクカートリッジ(図示せず)から供給されるインクは、開口部16を通って各インク液室12に供給される。そして、配線15を通して発熱抵抗体13に短時間(例えば、1〜3μsec)の間パルス電流を流すと、その発熱抵抗体13が急速に加熱され、発熱抵抗体13と接する部分のインクに気泡が発生し、その気泡の膨張によってある体積のインクが押しのけられるようになる。すると、押しのけられたインクと同等の体積のインクがノズル18からインク液滴として吐出され、印画紙上に着弾して画像を形成する。なお、エネルギー発生素子がピエゾ素子である場合には、ピエゾ素子の機械的振動によってインクを吐出する。
次に、このようなインクジェットヘッド10を製造する方法の一実施形態について説明する。
図2は、本実施形態のインクジェットヘッドの製造方法における第1工程を示す図である。
図2は、本実施形態のインクジェットヘッドの製造方法における第1工程を示す図である。
図2に示すように、第1工程では、最初の工程1−1として、発熱抵抗体13が作り込まれた基板14を準備する。この発熱抵抗体13は、先にも説明した通り、エネルギー発生素子であってインクに気泡を生じさせるものである。なお、発熱抵抗体13は、シリコン・ウエハーの基板14の上に、発熱抵抗体13の駆動用のトランジスタ及びトランジスタの駆動用のロジック回路とともに、半導体や電子デバイス製造技術用の微細加工技術を使用して作り込まれている。
次に、工程1−2では、基板14上に、後工程で溶解可能な感光性樹脂を塗布することにより、溶解樹脂層21を形成する。ここで使用する感光性樹脂としては、半導体・ディスプレイ製造用に多種上市されているフォトレジストや、感光性層間絶縁材料、メッキ用マスクとして上市されているドライフィルムレジスト、プリント基板用途等に上市されている各種の感光性材料、印刷用製版等に用いられる感光性材料等の様々な種類のものの中から、最適なものを選定することが可能である。なお、感光性樹脂は、本実施形態では、ポジ型レジストの感光性樹脂を使用している。
また、感光性樹脂の基板14への塗布方法としては、使用する基板14の形状によって様々な可能性が考えられるが、スピンコート、バーコート、カーテンコート、メニスカスコート、スプレイコート等の中から最適なものを選択すれば良い。なお、この場合、感光性樹脂を液体状態として供給する必要があることは言うまでもなく、感光性樹脂の塗布後に、しかるべき加熱(ベーキング)方式にて基板14を加熱することにより、樹脂溶液中に含まれる溶媒を揮散させる工程を導入しても差し支えない。
ただし、図1に示すインクジェットヘッド10のように、基板14に開口部16が形成されている場合には、適当な溶媒に溶解した感光性樹脂をPET(ポリエステル)等のフィルム上に塗布した後に乾燥させてドライフィルムを作製し、このドライフィルムをラミネートすることによって溶解樹脂層21を形成することが好ましい。なお、他の方法として、開口部16に後工程で除去可能な充填物を充填した後で、上記したスピンコート等によって溶解樹脂層21を形成することもできる。また、スクリーン印刷等の手段によっても形成可能である。
図3は、本実施形態のインクジェットヘッドの製造方法における第2工程を示す図である。
第2工程は、溶解樹脂層21をインク液室12(図1参照)の形状パターンに形成する工程である。そして、最初の工程2−1では、しかるべき形状のパターンを描いたマスク31を介して、露光機(図示せず)により、ポジ型レジストの感光性樹脂を感光するために最適な波長帯のUV光(紫外線)等の活性エネルギー線32を溶解樹脂層21に照射する。
第2工程は、溶解樹脂層21をインク液室12(図1参照)の形状パターンに形成する工程である。そして、最初の工程2−1では、しかるべき形状のパターンを描いたマスク31を介して、露光機(図示せず)により、ポジ型レジストの感光性樹脂を感光するために最適な波長帯のUV光(紫外線)等の活性エネルギー線32を溶解樹脂層21に照射する。
この露光機には、マスク31と形成されるパターンとが1:1になるコンタクトアライナーや、ミラープロジェクションアライナー等を用いても良いし、マスク31が実際に形成されるパターンよりも大きく、同じパターンを溶解樹脂層21に複数回繰り返して露光(ステップ&リピート露光)するステッパー等を用いても良い。なお、露光後に露光された部分のパターニング特性を向上させる場合や、感光性樹脂が酸発生剤を利用してパターニングしたりするものである場合には、露光後にベークする工程を追加しても差し支えない。
このように、マスク31を介した活性エネルギー線32の照射によって溶解樹脂層21が部分的に露光され、露光部である溶解樹脂層21’が形成される。一方、露光されていない溶解樹脂層21は、マスク31のパターンに対応することとなる。そして、その結果として、溶解樹脂層21がインク液室12(図1参照)の形状パターンに形成されることとなる。
次に、工程2−2では、溶解樹脂層21を所定の現像液33によって現像する。すなわち、基板14を基板ホルダー34にセットし、パドル現像、ディップ現像、スプレイ現像等の中から溶解樹脂層21の樹脂材料に合った方法で現像することにより、露光部である溶解樹脂層21’を除去し、露光されていない溶解樹脂層21のみが残るようにする。なお、現像液33も、溶解樹脂層21の樹脂材料に合せて選択する。
また、現像後には、必要に応じ、残留現像液の置換や表面洗浄を目的として、所定のリンス液や水(純水やイオン交換水)でリンスすることも可能である。さらにその後、基板14の表面に残った水分や溶媒を揮散させるための加熱や、スピンナーを使用した振り切り乾燥、真空チャンバーによる真空乾燥、大気中や窒素雰囲気中での自然放置を行っても良い。
図4は、本実施形態のインクジェットヘッドの製造方法における第3工程中の工程3−1を示す図である。
第3工程は、インク液室12(図1参照)の形状パターンに形成された溶解樹脂層21上に、ドライフィルム化した樹脂を積層して、被覆樹脂層22とする工程であり、その最初の工程が工程3−1である。
第3工程は、インク液室12(図1参照)の形状パターンに形成された溶解樹脂層21上に、ドライフィルム化した樹脂を積層して、被覆樹脂層22とする工程であり、その最初の工程が工程3−1である。
ここで、被覆樹脂層22は、あらかじめ所望の感光性樹脂(溶媒可溶型の常温で固体状の樹脂)を適当な溶媒に溶解し、PET(ポリエステル)等のフィルムからなる剥離シート23上に塗布して乾燥させてドライフィルム化したものである。なお、ドライフィルム化した際に残留溶媒が多いと、下地となる溶解樹脂層21のパターンを変形させてしまう場合がある。特に、ドライフィルム化する際に極性の強い溶媒を使用し、本実施形態のように、ポジ型レジストの感光性樹脂によって溶解樹脂層21を形成した場合等は、溶解樹脂層21が容易に溶解し、変形してしまう。そのため、残留溶媒は、できるだけ少ない方が好ましい。
一方、被覆樹脂層22の樹脂材料によっては、残留溶媒が極端に少なくなると材料の硬化が促進され、この後の工程である被覆樹脂層22のラミネート時に、被覆樹脂層22にクラックが発生したり、剥離シート23をきれいに剥離させることができなかったりする場合がある。そのため、残留溶媒の管理は、使用する樹脂材料の種類、溶解樹脂層21に対する溶解性の程度等を十分に見極めた上で決定する必要がある。
具体的には、ドライフィルム化した樹脂中の残留溶媒は、0〜10wt%とすることが好ましく、特に、0〜5wt%とすることが好ましい。すなわち、残留溶媒をこの範囲内とすることにより、溶解樹脂層21に対する影響を排除しつつ、クラックの発生等がない被覆樹脂層22を形成することができるようになる。
図4に示す第3工程の最初の工程3−1は、溶解樹脂層21上に、ドライフィルム化した樹脂(被覆樹脂層22)を積層して、真空ラミネートする工程の準備段階である。すなわち、図4に示すように、工程3−1では、真空チャンバー35の内部に基板14をセットするとともに、チャンバー蓋36の下面に被覆樹脂層22をセットする。なお、被覆樹脂層22のセットに際しては、剥離シート23を上側にしておく。
ここで、真空チャンバー35及びチャンバー蓋36は、被覆樹脂層22のラミネート時に、基板14及び溶解樹脂層21と被覆樹脂層22との間に、エアーが入り込まないように、全体を真空に引いた上でラミネートする装置である。そのため、真空ポンプ37及びバルブ38を備えている。なお、真空チャンバー35の底部にはヒーター35aが設置され、チャンバー蓋36の内部にもヒーター36aが設置されている。
図5は、本実施形態のインクジェットヘッドの製造方法における第3工程中の工程3−2を示す図である。
図5に示す工程3−2は、被覆樹脂層22を実際に真空ラミネートする工程であり、図5は、真空ラミネートしている状態を示している。
図5に示す工程3−2は、被覆樹脂層22を実際に真空ラミネートする工程であり、図5は、真空ラミネートしている状態を示している。
図5に示すように、真空ポンプ37によって真空チャンバー35の内部を減圧すると、可撓性の材料からなるチャンバー蓋36が大気圧によって内側に撓む。そして、真空チャンバー35の内部が真空に近くなる(真空度1.33〜1330Paとする)と、被覆樹脂層22が基板14及び溶解樹脂層21に密着し、溶解樹脂層21の段差を埋め込むべくラミネートされる。なお、この際、ヒーター35a及びヒーター36aにより、加熱しながらラミネートすることも有効である。
ところで、工程3−2によってラミネートされた被覆樹脂層22は、基板14及び溶解樹脂層21に密着するが、被覆樹脂層22の表面は、比較的凹凸ができやすい。これは、下地である溶解樹脂層21の凸形状が被覆樹脂層22の表面に反映されて出てしまうからである。そして、このような表面の凹凸が最終的に残った場合には、インク吐出部材17(図1参照)の表面の平坦性が確保されないこととなる。
また、溶解樹脂層21によって被覆樹脂層22の流動性が阻害されるので、複数の溶解樹脂層21が密集している部分や、溶解樹脂層21の付け根の部分では、被覆樹脂層22の埋め込み不良が発生し、それがボイドとなってしまう。すると、インクジェットヘッド10(図1参照)において、ボイドとなっていた部分からインク漏れが発生したり、その部分に気泡がたまったりして、ノズル18(図1参照)からの正常なインク液滴の吐出ができなくなることがある。
そこで、次の工程において、被覆樹脂層22を機械的に加圧することにより、被覆樹脂層22の表面の凹凸を解消するとともに、被覆樹脂層22の埋め込み不良であるボイドの発生を防止している。
図6は、本実施形態のインクジェットヘッドの製造方法における第3工程中の工程3−3を示す図である。
図6に示す工程3−3は、真空ラミネートした樹脂(被覆樹脂層22)を加圧する工程の準備段階である。すなわち、図6に示すように、工程3−3では、基板14を台座39の上にセットし、プレス板40の下側に位置させる。
図6に示す工程3−3は、真空ラミネートした樹脂(被覆樹脂層22)を加圧する工程の準備段階である。すなわち、図6に示すように、工程3−3では、基板14を台座39の上にセットし、プレス板40の下側に位置させる。
ここで、プレス板40は、外部のシリンダー(図示せず)に接続されている。そして、プレス板40を下降させることにより、台座39との間に被覆樹脂層22等を挟んで加圧するものである。そのため、台座39とプレス板40との面間平行度、台座39及びプレス板40の各表面の平坦度等は、十分配慮されたものとなっている。なお、台座39の内部にはヒーター39aが設置され、プレス板40の内部にもヒーター40aが設置されている。
図7は、本実施形態のインクジェットヘッドの製造方法における第3工程中の工程3−4を示す図である。
図7に示す工程3−4は、真空ラミネートした樹脂(被覆樹脂層22)を実際に加圧する工程であり、図7は、プレス板40によって加圧している状態を示している。
図7に示す工程3−4は、真空ラミネートした樹脂(被覆樹脂層22)を実際に加圧する工程であり、図7は、プレス板40によって加圧している状態を示している。
図7に示すように、外部のシリンダー(図示せず)によってプレス板40を下降させると、台座39とプレス板40との間に基板14、溶解樹脂層21、被覆樹脂層22及び剥離シート23が挟まれ、これらが強制的にプレスされる。すると、被覆樹脂層22の表面がプレス板40の加圧力(圧力0.1〜5MPa)によって平坦になるとともに、被覆樹脂層22が溶解樹脂層21の付け根の部分にまで流動して隙間なく埋め込まれる。なお、この際、ヒーター39a及びヒーター40aにより、例えば、温度35〜150℃で加熱しながら加圧することによって被覆樹脂層22の表面の平坦性等を一層改善することができる。なお、上記した本実施形態では、被覆樹脂層22を真空ラミネートする工程と、真空ラミネートした樹脂(被覆樹脂層22)を加圧する工程とを順次行っているが、無論、これらを同時に行うことも可能である。
図8は、本実施形態のインクジェットヘッドの製造方法における第3工程中の工程3−5を示す図である。
図8に示す工程3−5は、剥離シート23を剥離させ、被覆樹脂層22とする工程であり、図8は、剥離シート23の剥離中の状態を示している。
図8に示す工程3−5は、剥離シート23を剥離させ、被覆樹脂層22とする工程であり、図8は、剥離シート23の剥離中の状態を示している。
図8に示すように、被覆樹脂層22の表面は平坦であり、しかも、溶解樹脂層21は変形していない。そのため、発熱抵抗体13と被覆樹脂層22の表面との距離や、溶解樹脂層21の位置精度が厳密に制御されることとなり、インクジェットヘッド10(図1参照)において、インクの吐出特性が安定的に維持される。
図9は、本実施形態のインクジェットヘッドの製造方法における第4工程を示す図である。
第4工程は、被覆樹脂層22にフォトリソグラフィーを用いてノズル18を形成して、液体吐出部材17とするとともに、溶解樹脂層21を溶出して、インク液室12を形成する工程であり、工程4−1でノズル18等のパターニングを行う。
第4工程は、被覆樹脂層22にフォトリソグラフィーを用いてノズル18を形成して、液体吐出部材17とするとともに、溶解樹脂層21を溶出して、インク液室12を形成する工程であり、工程4−1でノズル18等のパターニングを行う。
すなわち、第4工程の最初の工程4−1では、露光機(図示せず)に基板14をセットし、マスク41を介して、UV光(紫外線)等の活性エネルギー線32を照射し、被覆樹脂層22に、ノズル18やその他必要に応じたパターニングを行う。なお、本実施形態では、被覆樹脂層22がネガ型レジストの感光性樹脂(活性エネルギー線32が放射された部分が硬化するタイプ)であるが、ポジ型レジストの感光性樹脂の場合には、明暗逆のパターンが形成されたマスクを使用する。
次に、最後の工程4−2では、有機溶剤やアルカリ現像液等の必要に応じた薬液を使用することにより、露光されていない被覆樹脂層22及び溶解樹脂層21の溶出・除去を行い、露光部である被覆樹脂層22’をノズル18が形成された液体吐出部材17とするとともに、インク液室12を形成する。
なお、このようにして基板14上に液体吐出部材17を形成した後は、基板14をダイサー(図示せず)のステージ上にセットし、切削水を適宜流しながらダイシングブレードを高速で回転させ、カットラインに沿って基板14を切断することにより、インクジェットヘッド10(図1参照)を製造する。
以上、インクジェットヘッドの製造方法における実施形態について説明したが、本実施形態のインクジェットヘッドの製造方法によれば、ドライフィルム化した感光性樹脂を用いることにより、被覆樹脂層22の溶媒が下地である溶解樹脂層21を変形等させることがなくなる。そのため、高精度なインク液室を形成することができるようになるだけでなく、被覆樹脂層22の樹脂材料の選択幅が広がり、経済的なインクジェットヘッド10を提供することができるようになる。
また、ドライフィルム化した感光性樹脂を用い、これを真空ラミネートした後に、若しくは同時に加熱しながら加圧することにより、液体吐出部材17の表面の平坦性が確保でき、しかも、発熱抵抗体13とノズル18との距離や位置精度を厳密に制御することができるようになる。そのため、インク液滴の吐出特性が安定的に維持され、美麗な印字・印画能力が継続的に発揮されることとなる。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、以下のような種々の変形等が可能である。すなわち、
(1)上記の実施形態では、インクジェットヘッドを例示しているが、これに限られるものではない。例えば、吐出する液体はインクに限らず、各種の液体を吐出する液体吐出ヘッドに適用することができる。
(1)上記の実施形態では、インクジェットヘッドを例示しているが、これに限られるものではない。例えば、吐出する液体はインクに限らず、各種の液体を吐出する液体吐出ヘッドに適用することができる。
(2)上記の実施形態では、エネルギー発生素子として発熱抵抗体を用いたサーマル方式のインクジェットヘッドを例示しているが、これに限られるものではない。すなわち、エネルギー発生素子は発熱抵抗体に限らず、他の発熱素子(抵抗以外のもの)であっても良く、さらに、エネルギー発生素子としてピエゾ素子を用いたピエゾ方式等のインクジェットヘッドについても適用可能である。
(3)上記の実施形態では、フォトリソグラフィーを用いてノズルを形成しているが、これに限られるものではない。例えば、硬化させた被覆樹脂層に対し、エキシマレーザー等によってノズルを加工しても良い。
本発明の液体吐出ヘッドの製造方法は、インクジェットヘッドに適用して特に好適なものであるが、染め物に対して染料を吐出する液体吐出ヘッド等に適用することもできる。また、生体試料を検出するためのDNA含有溶液を吐出するための液体吐出ヘッド等に適用することも可能である。
10 インクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)
12 インク液室(液室)
13 発熱抵抗体(エネルギー発生素子)
14 基板
17 インク吐出部材(液体吐出部材)
18 ノズル
21 溶解樹脂層
22 被覆樹脂層
12 インク液室(液室)
13 発熱抵抗体(エネルギー発生素子)
14 基板
17 インク吐出部材(液体吐出部材)
18 ノズル
21 溶解樹脂層
22 被覆樹脂層
Claims (10)
- ノズルから吐出すべき液体を収容する液室と、
前記ノズルを形成した液体吐出部材と、
前記液室中の液体にエネルギーを付与するエネルギー発生素子と
を備え、
前記エネルギー発生素子により、前記液室内の液体を前記ノズルから液滴として吐出する液体吐出ヘッドの製造方法であって、
前記エネルギー発生素子を配した基板上に、後工程で溶解可能な樹脂を積層して、溶解樹脂層とする第1工程と、
前記エネルギー発生素子上で、前記溶解樹脂層を前記液室の形状パターンに形成する第2工程と、
前記液室の形状パターンに形成された前記溶解樹脂層上に、ドライフィルム化した樹脂を積層して、被覆樹脂層とする第3工程と、
前記被覆樹脂層に、前記ノズルを形成して、前記液体吐出部材とするとともに、前記溶解樹脂層を溶出して、前記液室を形成する第4工程と
を含むことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。 - 請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、
前記第1工程は、前記エネルギー発生素子を配した基板上に、後工程で溶解可能なポジ型レジストの感光性樹脂を積層して、前記溶解樹脂層とする
ことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。 - 請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、
前記第3工程は、前記液室の形状パターンに形成された前記溶解樹脂層上に、ドライフィルム化した感光性樹脂を積層して、前記被覆樹脂層とする
ことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。 - 請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、
前記第3工程で積層するドライフィルム化した樹脂は、溶媒可溶型の常温で固体状の樹脂であり、ドライフィルム化した樹脂中の残留溶媒が0〜10wt%である
ことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。 - 請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、
前記第3工程は、前記液室の形状パターンに形成された前記溶解樹脂層上に、ドライフィルム化した樹脂を積層して、真空ラミネートする工程と、真空ラミネートした樹脂を加圧する工程と
を含むことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。 - 請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、
前記第3工程は、前記液室の形状パターンに形成された前記溶解樹脂層上に、ドライフィルム化した樹脂を積層して、真空度1.33〜1330Paで真空ラミネートする工程と、真空ラミネートした樹脂を圧力0.1〜5MPaで加圧する工程と
を含むことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。 - 請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、
前記第3工程は、前記液室の形状パターンに形成された前記溶解樹脂層上に、ドライフィルム化した樹脂を積層して、真空ラミネートする工程と、真空ラミネートした樹脂を加熱しながら加圧する工程と
を含むことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。 - 請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、
前記第3工程は、前記液室の形状パターンに形成された前記溶解樹脂層上に、ドライフィルム化した樹脂を積層して、真空ラミネートする工程と、真空ラミネートした樹脂を温度35〜150℃で加熱しながら加圧する工程と
を含むことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。 - 請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、
前記第3工程は、前記液室の形状パターンに形成された前記溶解樹脂層上に、ドライフィルム化した樹脂を積層して、真空度1.33〜1330Paで真空ラミネートする工程と、真空ラミネートした樹脂を温度35〜150℃で加熱しながら圧力0.1〜5MPaで加圧する工程と
を含むことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。 - 請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、
前記第3工程は、前記液室の形状パターンに形成された前記溶解樹脂層上に、ドライフィルム化した感光性樹脂を積層して、前記被覆樹脂層とし、
前記第4工程は、前記被覆樹脂層に、フォトリソグラフィーを用いて前記ノズルを形成して、前記液体吐出部材とするとともに、前記溶解樹脂層を溶出して、前記液室を形成する
ことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
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