JP4890962B2 - 液体噴射記録ヘッド及びその製造方法 - Google Patents
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Description
前記吐出口として、インク吐出側の径Aと前記流路側の径BとがA>Bの関係にある第1の吐出口と、径が一定である第2の吐出口とを有し、
前記第1の吐出口の1液滴当たりのインク吐出量が、前記第2の吐出口の1液滴当たりのインク吐出量よりも大きい
ことを特徴とするインクジェット記録ヘッドである。
複数の吐出エネルギー発生素子が設けられている基板上に、各吐出エネルギー発生素子に対応してインクを吐出する吐出口と該吐出口に連通する流路とを有し、該吐出口が前記基板の前記吐出エネルギー発生素子が設けられた素子配置面に対して前記流路を介して対向した位置に設けられており、前記吐出口として、インク吐出側の径Aと前記流路側の径BとがA>Bの関係にある第1の吐出口と、径が一定である第2の吐出口とを有し、前記第1の吐出口の1液滴当たりのインク吐出量が、前記第2の吐出口の1液滴当たりのインク吐出量よりも大きいインクジェット記録ヘッドの製造方法であって、
基板の複数の吐出エネルギー発生素子が設置された素子設置面上に流路となる型材を設ける工程と、
前記型材を第1の流路形成部材で被覆する工程と、
前記第1の流路形成部材の前記素子設置面の各吐出エネルギー素子に対向する位置に径Bを有する吐出口を形成する工程と、
前記第1の流路形成部材の前記径Bを有する吐出口の複数が開口する面に第2の流路形成部材を積層する工程と、
前記第2の流路形成部材に、前記径Bを有する吐出口に接続し、径Bよりも大きな径Aを有する吐出口を形成し、径Bである部分と径Aである部分(A>B)を有する第1の吐出口を得る工程と、
前記第2の流路形成部材に、前記径Bを有する吐出口を基礎として前記第1及び第2の流路形成部材を貫通する径が一定である第2の吐出口を得る工程と、
前記型材を前記基板上から溶解除去する工程と、
を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法である。
複数の吐出エネルギー発生素子が設けられている基板上に、各吐出エネルギー発生素子に対応してインクを吐出する吐出口と該吐出口に連通する流路とを有し、該吐出口が前記基板の前記吐出エネルギー発生素子が設けられた素子配置面に対して前記流路を介して対向した位置に設けられており、前記吐出口として、インク吐出側の径Aと前記流路側の径BとがA>Bの関係にある第1の吐出口と、径が一定である第2の吐出口とを有し、前記第1の吐出口の1液滴当たりのインク吐出量が、前記第2の吐出口の1液滴当たりのインク吐出量よりも大きいインクジェット記録ヘッドの製造方法であって、
基板の複数の吐出エネルギー発生素子が設置された素子設置面上に流路となる型材を設ける工程と、
前記型材を流路形成部材で被覆する工程と、
前記流路形成部材の前記素子設置面の複数の吐出エネルギー発生素子のそれぞれに対向する位置に径Bを有する複数の吐出口を形成する工程と、
前記複数の吐出口の一部について、径Aの開口を有するマスクを介したエッチング処理によりインク吐出側の径を広げてAとすることにより、径Bである部分と径Aである部分(A>B)を有する第1の吐出口を形成し、該第1の吐出口以外を径Bを有する第2の吐出口として残す工程と、
前記型材を前記基板上から溶解除去する工程と、
を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法である。
(1)A>Bの吐出口を有するインクジェット記録ヘッド
図1は、A>Bの吐出口を複数有するインクジェット記録ヘッドの並列された2つの吐出口を通る線(図2のA−A’線)に沿った断面図であり、図2はかかる構造のインクジェット記録ヘッドの斜視図である。このインクジェット記録ヘッドは、吐出エネルギー発生素子(液体吐出圧発生素子)2が所定のピッチで2列並んで形成されたシリコン基板1を有している。シリコン基板1には、シリコンのエッチングによって形成された共通インク供給口(液体供給口)3が、インク吐出エネルギー発生素子2の2つの列の間に開口されている。シリコン基板1上には、流路形成部材15が設けられており、流路形成部材15の吐出エネルギー発生素子2に対応する上方の位置に吐出口が設けられている。吐出口は、それぞれの断面が円形の直管状の形状を有しており、直径Aである部分9(以下A部分という)と、直径がBである部分8(以下B部分という)とからなる。なお、これらの部分は同一中心軸を有する。A部分とB部分との直径の関係はA>Bとなっており、A部分の開口部がインクジェット記録ヘッドの外側に向けて開口した面が吐出面となっている。この吐出口面に対して紙などの記録媒体を配置し、吐出口からインクの液滴を付与することで記録が行われる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態にかかるインクジェット記録ヘッドは、A>Bの吐出口に、径に変化のない構造の吐出口を組み合わせた構造を有する。図5は、かかる構造における並列された2つの吐出口を通る線(図6のA−A’線)に沿った断面図であり、図6はその斜視図である。このインクジェット記録ヘッドは、吐出エネルギー発生素子2が所定のピッチで2列並んで形成されたシリコン基板1を有している。シリコン基板1には、シリコンのエッチングによって形成された共通インク供給口(液体供給口)3が、インク吐出エネルギー発生素子2の2つの列の間に開口されている。シリコン基板1上には、流路形成部材15が設けられており、流路形成部材15の吐出エネルギー発生素子2に対応する上方の位置に2種の吐出口がそれぞれ設けられている。2種の吐出口の一方はが、直径Aである部分9(以下A部分という)と、直径がBである部分8(以下B部分という)とからなる吐出口である。他方は直径Cのストレート状の吐出口18である。なお、A部分9とB部分8はそれぞれが直管状であり、同一中心軸を有する。A部分とB部分との直径の関係はA>Bとなっており、A部分の開口部がインクジェット記録ヘッドの外側に向けて開口した面が吐出面となっている。また、図5の構成では、吐出させたい吐出量に応じて吐出エネルギー発生素子2の大きさを変えている。
まず、吐出エネルギー発生素子としての電気熱変換素子2(材質HfB2から成るヒータ)を形成したシリコン基板1上にブラストマスクを設置し、サンドブラスト加工によりインク供給のための貫通口3を形成した。一方、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にポリメチルイソプロペニルケトン(東京応化工業(株)社製ODUR−1010)を用い、スピンコートで塗布して膜厚14.0μmのドライフィルムを得た。なお、ODUR−1010は、低粘度であり厚膜形成できないため濃縮して用いた。このドライフィルムを上記のシリコン基板1の表面に転写した。次いで、基板1上のドライフィルムを120℃にて30分間プリベークした後、キヤノン(株)製マスクアライナーPLA520(商品名コールドミラーCM290)にて、流路16のパターンでの露光を行った。露光は1.8分間、現像はメチルイソブチルケトン/キシレン=2/1(容量比)、リンスはIPAを用いた。こうして、流路16の形状を有する型材4を溶解可能な樹脂により形成した(図3(A))。なお、現像後の型材4の厚さは14.0μmであった。
参考例1と同様にして、基板1上に型材4及び第1の流路形成部材5を形成し、更に吐出口8を流路形成部材5の所定位置に設けた。本参考例の場合、第1の流路形成部材の厚さは5μmであった。また、吐出口8の径はφ8μmであった。次に、型材4形成用のドライフィルムを、吐出口8を設けた流路形成部材5上に転写積層した(図4(A))。次に、型材4の場合と同様にしてパターン露光及び現像を行い、吐出口9の形状のホールを有するマスク材層11を得た(図4(B)乃至(D))。更に、CF4を主ガスにO2を希釈ガスとして真空下でプラズマを励起させて行うドライエッチング処理を250秒間行い、吐出口8の上部の径を広げて吐出口9とした。吐出口9の径はφ12μmであり、長さは5μmであった。その後は、参考例1と同様な工程で、インクジェット記録ヘッドを完成させた。
まず、吐出エネルギー発生素子としての電気熱変換素子2(材質HfB2から成るヒータ)を形成したシリコン基板1上にブラストマスクを設置し、サンドブラスト加工によりインク供給のための貫通口3を形成した。なお、ストレート吐出口用の電気熱変換素子とA>Bである吐出口用の電気熱変換素子とでは、後述する吐出量に応じて面積の異なるものを配置した。
実施例1と同様にして、基板1上に型材4及び第1の流路形成部材5を形成し、更に吐出口8及び18を流路形成部材5の所定位置に設けた。本実施例の場合、第1の流路形成部材の厚さは2μmであった。吐出口8の径はφ8μmであり、吐出口18(小液滴量用)の径は、φ6μmであった。次に、型材4形成用のドライフィルムを、吐出口8及び18を設けた流路形成部材5上に転写積層した(図8(C))。次に、型材4の場合と同様にしてパターン露光及び現像を行い、吐出口9の形状のホールを有するマスク材層11を得た(図8(D)及び(F))。更に、CF4を主ガスにO2を希釈ガスとして真空下でプラズマを励起させて行うドライエッチング処理を250秒行い、吐出口8の上部の径を広げて吐出口9(大液滴量用)とした。吐出口9の直径はφ25μmであり、長さは3μmであった。その後は、参考例1と同様な工程で、インクジェット記録ヘッドを完成させた。
図8(B)の状態から型材4の溶解除去、流路形成部材の完全硬化などの処理を実施例1と同様に行ってインクジェット記録ヘッドを得た。このインクジェット記録ヘッドはφ8μmのストレート吐出口とφ6μmのストレート吐出口の2種の吐出口を有する。
このようにして作成した実施例1及び2、比較例1のインクジェット記録ヘッドを記録装置に装着してインクジェット記録を行った。インクとしては、純水/ジエチレングリコール/イソプロピルアルコール/酢酸リチウム/黒色染料フードブラック2=79.4/15/3/0.1/2.5(重量部)からなるインクを用いた。種々の駆動条件を用い、比較例1のインクジェット記録ヘッドにおけるφ6μmの吐出口からの液適(小液滴)とφ8μmの吐出口からの液滴(大液滴)の容量比を求めたところ、小液滴:大液滴=1:5を得ることができた。これに対して、実施例1及び2のインクジェット記録ヘッドでのこれらの容量比として小液滴:大液滴=1:9を得ることができた。すなわち、本発明によれば吐出量差の大きな駆動も可能であるインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
2、2−1、2−2 電気熱変換素子(インク吐出圧発生素子)
3 インク供給口
4 型材
5 第1の流路形成部材
6 第2の流路形成部材
7 ネガ型マスク
8 吐出口(A部分)
9 吐出口(B部分)
10 ネガ型マスク
11 マスク材層
12 ポジ型マスク
14 吐出口
15 流路形成部材
16 流路
17 ホール
18 吐出口
Claims (7)
- 複数の吐出エネルギー発生素子が設けられている基板上に、各吐出エネルギー発生素子に対応してインクを吐出する吐出口と該吐出口に連通する流路とを有し、該吐出口が前記基板の前記吐出エネルギー発生素子が設けられた素子配置面に対して前記流路を介して対向した位置に設けられているインクジェット記録ヘッドにおいて、
前記吐出口として、インク吐出側の径Aと前記流路側の径BとがA>Bの関係にある第1の吐出口と、径が一定である第2の吐出口とを有し、
前記第1の吐出口の1液滴当たりのインク吐出量が、前記第2の吐出口の1液滴当たりのインク吐出量よりも大きい
ことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。 - 複数の吐出エネルギー発生素子が設けられている基板上に、各吐出エネルギー発生素子に対応してインクを吐出する吐出口と該吐出口に連通する流路とを有し、該吐出口が前記基板の前記吐出エネルギー発生素子が設けられた素子配置面に対して前記流路を介して対向した位置に設けられており、前記吐出口として、インク吐出側の径Aと前記流路側の径BとがA>Bの関係にある第1の吐出口と、径が一定である第2の吐出口とを有し、前記第1の吐出口の1液滴当たりのインク吐出量が、前記第2の吐出口の1液滴当たりのインク吐出量よりも大きいインクジェット記録ヘッドの製造方法であって、
基板の複数の吐出エネルギー発生素子が設置された素子設置面上に流路となる型材を設ける工程と、
前記型材を第1の流路形成部材で被覆する工程と、
前記第1の流路形成部材の前記素子設置面の各吐出エネルギー素子に対向する位置に径Bを有する吐出口を形成する工程と、
前記第1の流路形成部材の前記径Bを有する吐出口の複数が開口する面に第2の流路形成部材を積層する工程と、
前記第2の流路形成部材に、前記径Bを有する吐出口に接続し、径Bよりも大きな径Aを有する吐出口を形成し、径Bである部分と径Aである部分(A>B)を有する第1の吐出口を得る工程と、
前記第2の流路形成部材に、前記径Bを有する吐出口を基礎として前記第1及び第2の流路形成部材を貫通する径が一定である第2の吐出口を得る工程と、
前記型材を前記基板上から溶解除去する工程と、
を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。 - 前記第1及び第2の流路形成部材が同一のネガ型感光性樹脂組成物からなる請求項2に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
- 前記第1の流路形成部材の前記型材への被覆を、スピンコート法により行う請求項2または3に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
- 前記第2の流路形成部材の前記第1の流路形成部材の前記径Bを有する吐出口の複数が開口する面への積層を、スピンコート法により行う請求項2乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
- 複数の吐出エネルギー発生素子が設けられている基板上に、各吐出エネルギー発生素子に対応してインクを吐出する吐出口と該吐出口に連通する流路とを有し、該吐出口が前記基板の前記吐出エネルギー発生素子が設けられた素子配置面に対して前記流路を介して対向した位置に設けられており、前記吐出口として、インク吐出側の径Aと前記流路側の径BとがA>Bの関係にある第1の吐出口と、径が一定である第2の吐出口とを有し、前記第1の吐出口の1液滴当たりのインク吐出量が、前記第2の吐出口の1液滴当たりのインク吐出量よりも大きいインクジェット記録ヘッドの製造方法であって、
基板の複数の吐出エネルギー発生素子が設置された素子設置面上に流路となる型材を設ける工程と、
前記型材を流路形成部材で被覆する工程と、
前記流路形成部材の前記素子設置面の複数の吐出エネルギー発生素子のそれぞれに対向する位置に径Bを有する複数の吐出口を形成する工程と、
前記複数の吐出口の一部について、径Aの開口を有するマスクを介したエッチング処理によりインク吐出側の径を広げてAとすることにより、径Bである部分と径Aである部分(A>B)を有する第1の吐出口を形成し、該第1の吐出口以外を径Bを有する第2の吐出口として残す工程と、
前記型材を前記基板上から溶解除去する工程と、
を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。 - 前記流路形成部材の前記型材への被覆を、スピンコート法により行う請求項6に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
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