JPH0630860Y2 - 紡機におけるスライバーガイド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本願は、コーマー、ラップホーマ（コーマ準備機）、練
条機等の紡機（以下紡機等と称す）におけるスライバー
ガイドの改良に係り、スライバープレート上に複数本の
スライバーと整然と整列させんとするものである。

従来の技術とその問題点 第１図は上記紡機等中コーマー１の概略説明図で、各ヘ
ッド２からスライバープレート４上に送り出されるスラ
イバー３は、スライバープレート４に植設したスライバ
ーガイド５により略９０°方向変換され、各スライバー
３は平行状態にスライバープレート４上に整列してドラ
フトパート６に供給される。而してスライバープレート
４上におけるスライバー３の整列は、平行度の乱れはも
とよりスライバー３同志が重合したりすることなく整然
と行なわれなくてはならず、これが行なわれないと、ド
ラフト班が生じて品質の低下を来たす。

以上の如くにおいて、第４図に示した従来使用されてい
るスライバーガイド５０，６０，７０は次のような形状
をしている。即ちスライバーガイド５０は円柱状で、円
周部分がスライバー３の案内面５０Ａとなっており、又
スライバーガイド６０は平面形状が半円形で、円弧状の
案内面６０Ａを有しており、更に７０で示すスライバー
ガイドは平面形状が円形で、凹面状の案内面７０Ａを有
しており、これ等はスライバープレート４上にＰ点を取
付点とし偏芯して取付けられている。然しながらこれ等
従来のスライバーガイド５０，６０，７０によってスラ
イバー３を案内させると、スライバー３に付与されるテ
ンションの大小空調のわずかな変化により、案内面５０
Ａ，６０Ａ，７０Ａとスライバー３との接触部分が上下
に移動して一定せず、不安定であるので平行度を乱すば
かりでなく、第５図に示すように接触部分が上方側に移
動すると、上流側（第１図において右側）から流れて来
たスライバー３の上より飛びだすようになり、ドラフト
を行なう場合にこの部分が重合する欠点を有し、従来は
送り出されて来るスライバー３の状態を見ながら作業車
の勘により、スライバーガイドの偏芯方向を変えたり張
力を変化させたり等の調整を行なっているが、労が多い
割合には実効が得られない現状である。

問題点を解決するための手段 以上に鑑み本願は、スライバーガイドにおけるスライバ
ーの案内面を、上方側からスライバープレートと接する
下方側に向け、半径が略直線状に漸減する斜面とするこ
とにより、スライバーと案内面との接触部分を、常にス
ライバーガイドとスライバープレートとの接点とするこ
とにより、上記従来の欠点を除いたものである。

実施例 次に本願実施例を、図面に依って詳細に説明する。第１
図は上記したようにコーマー１の概略説明図で、各ヘッ
ド２で所定の工程でコーミングされたフリースはトラン
ペットで収束され、カレンダーローラ７を経てスライバ
ー３としてスライバーテーブル４に送り出され、スライ
バーテーブル４の所定の位置に取付けたスライバーガイ
ド５によって略９０°方向変換され、各ヘッドからのス
ライバー３はスライバーテーブル４上に平行状態に整列
してドラフトパート６に至り、ドラフトを行なった後再
び収束されてスライバー３Ａとなる。以上の如きコーマ
ー１において、本願実施例のスライバーガイド５は第２
図の如く形成されている。まず第２図Ａに示したスライ
バーガイド５は、平面形状が円形で、その外周面を上端
部側からスライバーテーブル４に接する下方側に向け、
半径が漸減する直線状の斜面とし該斜面を案内面５Ａと
したものであり、又第２図Ｂに示したスライバーガイド
５は、平面形状は同様に円形であるが、上部側に傾斜を
有しないストレート部分を有し、その下方側を上記同様
に傾斜させて案内面５Ａとしたもので、案内面５Ａの傾
斜度合は、スライバー３の送り出し速度等の諸条件を勘
案して決定し、上記本願実施例のスライバーガイド５
も、Ｐ点を取付点とし偏芯シてスライバーテーブル４に
取付けられる。

このように形成された本願実施例のスライバーガイド５
で案内させると、案内されるスライバー３は展開長即ち
カレンダーローラ７のニップ点８（第３図）から、スラ
イバーガイド５を経てドラフトパート６に至るスライバ
ー３の全長が短い方に移動する性質を有しているので、
本実施例では半径の小さな下方側に移行して、常にスラ
イバーガイド５とスライバーテーブル４との交点９に沿
って案内され（第３図）この接触部分は変化することが
ないので、平行度の乱れやスラバー３同志重合が発生せ
ず、最良の状態でドラフトパート６に供給される。尚上
記で説明したスライバーガイド５は平面形状が円形につ
いてのみ述べたが、堅に二つ割にした半円状のものでも
可であり、又案内面５Ａは弧状を含め近似的な直線でも
よい。又上記の説明から明らかなように、スライバーガ
イド５の有する案内面５Ａの斜面は、案内するスライバ
ー３を下方に押し下げスライバーテーブル４との接点９
に沿って案内するためのものであるから、第６図に示す
ようにスライバーガイド５の案内面５Ａの下方部分を、
スライバー３の太さより狭い範囲内であれば直線状にし
ても同様の効果が得られるので、この実施例でも本願の
実施を阻げない。

考案の効果 本願は以上詳記したようにしてスライバーの平行度の乱
れと重合を防止して品質の向上を期し、従来の調整作業
の繁雑さを省いて省力化を図り、極めて簡単な構成で従
来の欠点を除き、生産性の向上に資する処極めて大なる
考案である。

【図面の簡単な説明】

図面は本願の実施例を示し、第１図はコーマーの概略説
明図、第２図は本願のスライバーガイドを示し、第３図
は作用説明図、第４図は従来のスライバーガイドを示
し、第５図は従来のスライバーガイドによる作用説明
図、第６図は他の実施例を示すものである。 １……コーマー、３……スライバー、４……スライバー
テーブル、５……スライバーガイド、５Ａ……案内面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】スライバープレート上に植設され、送り出
   されて来る複数本のスライバーの夫々をガイドして方向
   を変換させ、平行状態にスライバープレート上に整列さ
   せるスライバーガイドにおいて、該スライバーガイドに
   おけるスライバーの案内面を、上方側からスライバープ
   レートと接する下方側に向け、半径が略直線状に漸減す
   る斜面とした紡機におけるスライバーガイド。