JPH0630783Y2 - 高所作業車の充電装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （１）産業上の利用分野 本考案は、作業台に備えたバッテリ電源を車体側の電源
により充電する高所作業車の充電装置に関するものであ
る。

（２）従来の技術 伸縮ブームの先端に備えた電源を充電する充電装置は、
例えば実公昭５１−４６７７８号公報に記載されている
ように従来より公知であり、第４図に示すように、基ブ
ーム（４３）先端に車体（１）側の電源（１８）に連結
されたプラグ（３６）を設け、先端ブーム（４１）の先
端に伸縮ブーム（４）の先端に取付けられた作業台
（６）に備えた電源（３７）に連結されプラグ（３６）
に係脱可能なコンセント（３８）を装設し、伸縮ブーム
（４）を格納状態に縮小するとプラグ（３６）とコンセ
ント（３８）が係合して作業台（６）の電源（３７）が
車体（１）側の電源（１８）により充電されるものであ
る。

（３）考案が解決しようとする問題点 従来の充電装置は、伸縮ブームの縮小に連動してプラグ
とコンセントを係合するもので、伸縮ブームを全縮状態
にするとプラグとコンセントが係合して作業台に備えた
電源が車体側の電源により充電されるため、架線工事を
行う高所作業車においては、伸縮ブームを全縮状態にし
て作業を行うと伸縮ブーム内に電気が通るために、伸縮
ブームの絶縁性能が損われるという問題があった。

（４）問題点を解決するための手段 本考案は、上記の問題点を解決するために、絶縁された
伸縮ブームの先端に取付けられた作業台にバッテリ電源
を備え、作業台を格納した状態において作業台のバッテ
リ電源と車体側の電源を連結して充電するようにした高
所作業車の充電装置において、先端ブームの先端あるい
は作業台に備えられ作業台のバッテリ電源に連結した第
１接点と、基ブームの先端部に前方に伸縮自在に備えら
れ車体側の電源に連結され前方に伸長したときに前記第
１接点と嵌合する第２接点と、ブームレストに備えられ
伸縮ブームの格納を検出する格納検出器と、この格納検
出器からの信号により前記第２接点を伸縮させる駆動装
置とを備えたものである。

（５）作用 上記の構成により、伸縮ブームを全縮状態にするととも
に、伸縮ブームをブームレストに格納することにより、
格納検出器が伸縮ブームの格納を検出し、この格納検出
器からの信号により駆動装置が作動して第２接点を前方
に摺動させ、第１接点と第２接点を嵌合して作業台のバ
ッテリ電源と車体の電源を接続し、作業台のバッテリ電
源を充電する。この状態で、伸縮ブームをブームレスト
より離隔させると、格納検出器からの信号により駆動装
置が作動して第２接点を後方に摺動させ、第１接点と第
２接点の嵌合を解除するので、作業台のバッテリ電源と
車体の電源とは接続されず、伸縮ブームの絶縁性は保た
れる （６）実施例 以下、図面により本考案の実施例について説明する。

第２図に示すように、高所作業車は、アウトリガ（２）
により支持された車体（１）上にターンテーブル（３）
が載置され、ターンテーブル（３）には先端ブーム（４
１）がＦＲＰ等の絶縁材料で作られた伸縮ブーム（４）
の基端が枢支され、伸縮ブーム（４）は内蔵された伸縮
装置（図示せず）により伸縮するとともに、ターンテー
ブル（３）と伸縮ブーム（４）間に設けた起伏シリンダ
（５）の伸縮により起伏し、伸縮ブーム（４）の先端に
は作業者が搭乗する作業台（６）が平衡保持されてお
り、作業台（６）には操作装置（７）と操作装置（７）
等の電源であるバッテリ電源（８）が備えられ、このバ
ッテリ電源（８）は先端ブーム（４１）の先端部の側面
に備えられた第１接点（９）に連結されている。車体
（１）の前方上には伸縮ブーム（４）の格納時に伸縮ブ
ーム（４）が載置されるブームレスト（１０）が立設さ
れ、ブームレスト（１０）に伸縮ブーム（４）がブーム
レスト（１０）に格納されているか否かを検出する格納
検出器である検出スイッチ（１１）が備えられている。

基ブーム（４３）の先端部の側面に取付けられたカバー
（１２）内には、第１図に示すように、駆動装置である
電動モータ（１３）と、電動モータ（１３）の作動によ
り前後に伸縮するラック（１４）と、このラック（１
４）に取付けられラック（１４）の伸縮に伴って伸縮す
るリニアベアリング（１５）と、リニアベアリング（１
５）の先端に取付けられリニアベアリング（１５）を前
方に伸長した状態で第１接点（９）と嵌合する第２接点
（１６）とが収納され、第１接点（９）は過充電防止器
（１７）を介してバッテリ電源（８）に連結され、第２
接点（１６）は車体（１）側の電源であるバッテリ（１
８）に連結され、バッテリ（１８）は車体（１）のエン
ジンによって駆動される発電機（１９）に連結されてい
る。

第３図は電動モータ（１３）の制御回路を示し、検出ス
イッチ（１１）のブームレスト（１０）に伸縮ブーム
（４）が格納されているときにＯＮとなる接点（ａ）及
びブームレスト（１０）に伸縮ブーム（４）が格納され
ていないときにＯＮとなる接点（ｂ）は、ソレノイド
（２３）あるいはソレノイド（２４）の励磁により同時
に切換わり、切換わった状態に保持されるスイッチ（２
１，２２）を備えたラッチングリレー（２０）のスイッ
チ（２１，２２）の接点（ｃ，ｆ）にそれぞれ接続さ
れ、ラッチングリレー（２０）のスイッチ（２１，２
２）はそれぞれリレー（２５，２６）に接続され、スイ
ッチ（２１，２２）とリレー（２５，２６）とを接続す
る配線にはラッチングリレー（２０）のソレノイド（２
３，２４）を励磁するスイッチ（２９，３０）を一定時
間後にスイッチ（２１，２２）が切換わるまでＯＮ状態
にするタイマリレー（２７，２８）がそれぞれ接続され
ている。リレー（２５）は作動することにより２つのス
イッチ（３１，３２）を同時に切換えるように構成さ
れ、リレー（２６）は作動することにより２つのスイッ
チ（３３，３４）を同時に切換えるように構成され、ス
イッチ（３１，３２）及びスイッチ（３３，３４）はリ
レー（２５）及びリレー（２６）の作動により切換わっ
たときにバッテリ（１８）及びアース（３５）と電動モ
ータ（１３）とを接続し、電動モータ（１３）を正逆回
転させる。

上記の構成により、第２図に示すように高所作業車の作
業状態においては、伸縮ブーム（４）が起伏シリンダ
（５）及び伸縮装置の伸長により格納状態から作業状態
になり、ブームレスト（１０）より伸縮ブーム（４）が
上がることにより検出スイッチ（１１）が切換わって検
出スイッチ（１１）の接点（ｂ）がＯＮ状態になり、ラ
ッチングリレー（２０）のスイッチ（２２）を介してタ
イマリレー（２８）及びリレー（２６）がバッテリ（１
８）と接続されて作動し、リレー（２６）がスイッチ
（３３，３４）を切換えて電動モータ（１３）を逆回転
させ、リニアベアリング（１５）をケース（１２）内に
縮小させ、バッテリ（１８）とバッテリ電源（８）との
連結を解除するので、バッテリ電源（８）は操作装置
（７）等の電源として使用される。ラッチングリレー
（２０）のスイッチ（２１，２２）は、タイマリレー
（２８）の作動によりリニアベアリング（１５）がケー
ス（１２）内に完全に収縮されるまでの一定時間後にス
イッチ（３０）がＯＮとなり励磁されるソレノイド（２
４）により接点（ｃ，ｅ）がＯＮとなるように切換わる
ので、電動モータ（１３）がリニアベアリング（１５）
をケース（１２）内に収納した後も回転し続けるのを防
止できる。

また、作業状態において伸縮装置を全縮小することによ
り伸縮ブーム（４）を全縮させても、伸縮ブーム（４）
がブームレスト（１０）に格納されていないので、検出
スイッチ（１１）が切換わらず、電動モータ（１３）を
作動させないので、リニアベアリング（１５）をケース
（１２）内に収納保持し、第１接点（９）に第２接点
（１６）を嵌合させず、先端ブーム（４１）の絶縁を保
持する。

次に、高所作業車の格納状態においては、伸縮ブーム
（４）が起伏シリンダ（５）及び伸縮装置の最縮小によ
り作業状態から格納状態になり、ブームレスト（１０）
に伸縮ブーム（４）が格納されることにより、検出スイ
ッチ（１１）が切換わって検出スイッチ（１１）の接点
（ａ）がＯＮ状態になり、ラッチングリレー（２０）の
スイッチ（２１）を介してタイマリレー（２７）及びリ
レー（２５）がバッテリ（１８）と接続されて作動し、
リレー（２５）がスイッチ（３１，３２）を切換えて電
動モータ（１３）を正回転させ、リニアベアリング（１
５）をケース（１２）より前方に伸長させて第２接点
（１６）を第１接点（９）に嵌合させ、バッテリ（１
８）とバッテリ電源（８）とを連結して充電回路を構成
するので、バッテリ電源（８）は充電される。ラッチン
グリレー（２０）のスイッチ（２１，２２）は、タイマ
リレー（２７）の作動によりリニアベアリング（１５）
がケース（１２）より伸長して第２接点（１６）が第１
接点（９）に勘合されるまでの一定時間後にスイッチ
（２９）がＯＮとなり励磁されるソレノイド（２３）に
より接点（ｄ，ｆ）がＯＮとなるように切換わるので、
電動モータ（１３）がリニアベアリング（１５）をケー
ス（１２）より伸長して第２接点（１６）を第１接点
（９）に勘合した後も回転し続けるのを防止できる。

（７）考案の効果 以上のように、本考案によれば、ブームを最縮小してブ
ームレストに格納したときにのみ作業台に備えたバッテ
リ電源と車体に備えた電源あるいは発電機とを連結して
バッテリ電源を充電するので、作業時のブームの絶縁性
が保持されるとともに、バッテリ電源の交換等を行う必
要のない高所作業車の充電装置が提供され、本考案は高
所作業車の安全性及び作業性の向上に多大な効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例及び従来例を示し、第１図は充電
装置の説明図、第２図は高所作業車の作業状態を示す側
面図、第３図は電動モータの制御回路図、第４図は従来
の充電装置を備えた高所作業車の作業状態を示す側面図
である。 ４…伸縮ブーム、６…作業台、８…バッテリ電源、９…
第１接点、１０…ブームレスト、１１…検出スイッチ、
１３…電動モータ、１４…ラック、１５…リニアベアリ
ング、１６…第２接点、１８…バッテリ、４１…先端ブ
ーム、４３…基ブーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】絶縁された伸縮ブームの先端に取付けられ
   た作業台にバッテリ電源を備え、作業台を格納した状態
   において作業台のバッテリ電源と車体側の電源を連結し
   て充電するようにした高所作業車の充電装置において、
   先端ブームの先端あるいは作業台に備えられ作業台のバ
   ッテリ電源に連結した第１接点と、基ブームの先端部に
   前方に伸縮自在に備えられ車体側の電源に連結され前方
   に伸長したときに前記第１接点と嵌合する第２接点と、
   ブームレストに備えられ伸縮ブームの格納を検出する格
   納検出器と、この格納検出器からの信号により前記第２
   接点を伸縮させる駆動装置とを備えたことを特徴とする
   高所作業車の充電装置。