JPH0637299U - 作業車の上部バッテリ充電装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 上部バッテリの充電が行われていないときに
は、上部側および下部側コネクタにおける端子電圧を遮
断し、端子部での電蝕の発生を抑える。 【構成】 先端に上部側コネクタ１２を有して上部バッ
テリ６と繋がる上部側充電ライン１１と、上部側コネク
タ１２と接続可能な下部側コネクタ１６を有し車体側バ
ッテリ１０に繋がれた下部側充電ライン１５と、両充電
ライン１１，１５のすくなくとも一方に配設されてこれ
を断接可能な充電オンオフスイッチ２２と、両充電ライ
ン１１，１５のいずれか一方に配設され、この充電ライ
ンを流れる電流を検出する充電電流検出器２１と、充電
電流検出器２１により充電ラインを流れる電流が存在し
ないことが検出されたときに、充電オンオフスイッチ２
２をオフにして充電ラインを遮断するコントローラ３０
とから上部バッテリ充電装置が構成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、起伏自在なブームの先端に作業台を有してなる高所作業車において 、作業台に搭載された上部バッテリの充電を行わせる上部バッテリ充電装置に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

車体上に起伏等が自在なブームを取り付け、このブームの先端に作業者が搭乗 する作業台を取り付けてなる高所作業車は、従来から電線の架線工事などに多用 されている。このような高所作業車においては、作業者の安全等を考慮し、ブー ムを部分的に絶縁化し、車体に対して作業台を絶縁することも多い。 このような高所作業車にはこの絶縁部に光通信システムを設け、作業台上の操 作装置を作業者が操作したときにはこの操作信号を光信号として車体側に送り、 ブーム等の作動制御を行わせるようになっている。この場合、作業台には操作装 置の作動を光信号に変換して車体側に送信するための装置が搭載され、この装置 を作動するための電力を供給する上部バッテリも作業台に搭載される。

【０００３】 このような高所作業車において、上部バッテリは少なくとも作業中においては 車体側から充電が行うことができない。このため、上部バッテリに上部側充電ラ インを取り付け、車体側バッテリに下部側充電ラインを取り付け、作業が完了し て作業台が格納されたときに、両充電ラインの先端の上部側および下部側コネク タを繋げて上部側充電ラインと下部側充電ラインを接続し、車体側バッテリによ り上部バッテリの充電を行うようにしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、下部側充電ラインは常時車体側バッテリに接続されており、上部側 充電ラインは常時上部バッテリに接続されているため、両充電ラインの先端のコ ネクタの接続を外したときにも、両コネクタの端子には常にバッテリからの端子 電圧が加わる。この端子電圧により、コネクタ端子に錆の発生（電蝕）が誘発さ れ、コネクタが導通不良になり、上部バッテリの充電を行えなくなり、次の作業 時に支障をきたすことがあるという問題がある。

【０００５】 本考案はこのような問題に鑑み、上部バッテリの充電が行われていないときに は、上部側および下部側コネクタにおける端子電圧を遮断し、電蝕の発生を抑え 、充電ライン先端のコネクタを保護できるような構成の高所作業車の上部バッテ リ充電装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

このような目的達成のため、本考案の上部バッテリ充電装置は、上部バッテリ と繋がるとともに先端に上部側コネクタを有してなる上部側充電ラインと、車体 上に配設された充電手段に繋がれるとともに上部側コネクタと接続可能な下部側 コネクタを有してなる下部側充電ラインと、上部側および下部側充電ラインのす くなくとも一方に配設され、この充電ラインを断接可能な充電オンオフスイッチ と、上部側および下部側充電ラインのいずれか一方に配設され、この充電ライン を流れる電流を検出する充電電流検出器と、この充電電流検出器により充電ライ ンを流れる電流が存在しないことが検出されたときに、充電オンオフスイッチを オフにして充電ラインを遮断するコントローラとから構成されている。

【０００７】

【作用】

高所作業車による作業を行うときにはジャッキ装置により車体を支持し、次に 、ブームを起伏作動等させて高所作業を行うようになっている。一方、この高所 作業を終了するときには、作業台およびブームを所定格納位置に位置せしめ、上 部バッテリを充電するために、上部側充電ラインと下部側充電ラインを接続し、 ジャッキ装置による車体の支持を解除するようになっている。 ここで、本考案の上部バッテリ充電装置は、上部バッテリが非充電時（上部側 および下部側充電ラインに電流が存在していないとき）には、上部側および下部 側充電ラインの少なくとも一方に配設された断接可能な充電オンオフスイッチを オフにして、充電ラインを遮断し、コネクタ部分に端子電圧が生じせしめないよ うになっている。これにより、電蝕の発生を抑制してコネクタを保護することが でき、上部バッテリの充電を常に確実に行うことができる。

【０００８】

【実施例】

以下、図面に基づいて本考案の好ましい実施例について説明する。 図１に本考案に係わる上部バッテリ充電装置を備えた高所作業車を示している 。この高所作業車は、車体１上に旋回自在に取り付けられた旋回台２に、起伏お よび伸縮が自在なブーム３が取り付けられており、このブーム３の先端に作業台 ５が取り付けられている。ブーム３は、旋回台２に取り付けられた基部ブーム３ ａと、この基部ブーム３ａに対して伸縮自在な先端ブーム３ｂとからなり、先端 ブーム３ｂはＦＲＰ等のような絶縁材料から作られている。 車体１上にはブーム３ｂおよび作業台５を格納位置（図１において実線で示す 位置）に格納したときに、ブーム３を支持するブーム受け７が設けられている。 さらに、車体１の前後左右４箇所には、作業時に図示のように伸長して車体１ を支持するジャッキ装置８が取り付けられている。

【０００９】 このような構成の高所作業車において、旋回台２を旋回させる旋回モータ（図 示せず）、ブーム３を起伏作動させる起伏シリンダ４およびブーム３を伸縮作動 させる伸縮シリンダ（ブーム３内に配設）の作動制御を行うことにより、作業台 ５を所望の高所に移動させ、この作業台５に搭乗した作業者が高所作業を行うよ うになっている。 この作動制御は、車体１側に配設された操作装置（図示せず）の操作によって 行ったり、作業台５に配設された操作装置（図示せず）の操作によって行ったり する。

【００１０】 ここで、先端ブーム３ｂは絶縁材料から作られ、この部分において作業台５は 車体１側から絶縁されるようになっているため、作業台５の操作装置信号を電線 を介して車体側に伝達するように構成することはできない。このため、この高所 作業車においては、ブーム３内に光通信システムを配設し、作業台５に配設され た操作信号を光信号に変換して車体側に伝達し、操作装置の操作に応じた作動制 御を行うようになっている。 このため、作業台５には、操作装置の操作信号を光信号に変換して車体側に送 信するための装置が配設され、さらにこの装置に駆動電力を供給する上部バッテ リ６が配設されている。

【００１１】 以上のような構成の高所作業車において、高所作業を行うときは、まず、車体 １を所定位置に移動し、ジャッキ装置８のポスト８ａを伸長して、図１に示すよ うにジャッキ装置８により車体１を支持する。次いで、作業台５に作業者が搭乗 し、この作業者が作業台５の操作装置を操作して、図において鎖線が示すように 、作業台５を所定位置まで移動させる。この状態で、架線作業等の高所作業が行 われる。

【００１２】 高所作業を終了させるときには、作業者は再び操作装置を操作して、ブーム３ および作業台５を図において実線で示すように、格納位置まで移動させる。次い で、上部側充電ライン１１と下部側充電ライン１５とを、両ライン１１、１５の 先端にそれぞれ取り付けられたコネクタ１２、１６を繋いで接続する。 下部充電ライン１５は車体上に配設された車体バッテリ１０に常時繋がり、上 部充電ライン１１は作業台上の上部バッテリ６に常時繋がっている。このため、 車体側バッテリ１０からの電力供給を受けて上部バッテリ６が充電される。

【００１３】 ところで、格納状態であっても上部バッテリ６の充電を行っていないときや、 上述のようにして高所作業を行っておりコネクタ１２，１６が外されているとき には、両コネクタ１２，１６を流れる電流はないのであるが、両充電ライン１１ ，１５を介して接続されたバッテリ６，１０から両コネクタ１２，１６の端子に は常時所定の電圧が加わっている。このため、この端子電圧によって、コネクタ 端子部に錆の発生（電蝕）が誘発され、コネクタ１２、１６が導通不良となり、 車体側バッテリ１０による上部バッテリ６の充電が不十分となり、次回の作業時 に支障をきたすことがある。

【００１４】 そこで、本例においては、上部バッテリ６の充電が行われていないときには、 下部側充電ライン１５のコネクタ１６の端子にバッテリ１０からの端子電圧が加 わるのを遮断し、コネクタ１６の端子部での電蝕の発生を抑えるようになってい る。これについて、図２、図３を参照して説明する。

【００１５】 図２に示すように、下部側充電ライン１５に、この充電ライン１５を断接可能 な充電オンオフスイッチ２２と、充電ライン１５を流れる電流を検出する充電電 流検出器２１とが設けられている。充電オンオフスイッチ２２は、コントローラ ３０によりリレーコイル２２ａへの通電制御を行いスイッチ体２２ｂによる下部 側充電ライン１５のオンオフ制御を行うリレースイッチから構成される。このた め、コントローラ３０により充電オンオフスイッチ２２の作動制御を行うことが でき、これにより下部充電ライン１５の断接制御を行う。

【００１６】 コントローラ３０は、図３に示すように、充電オンオフスイッチ２２のリレー コイル２２ａへの通電制御を行うリレー制御回路３２と、タイマー回路３１と、 リセット回路３３とから構成される。 リレー制御回路３２は、基本的には、充電電流検出器２１により下部充電ライ ン１５を充電電流が流れていることが検出されているときにはリレーコイル２２ ａに通電して、充電オンオフスイッチ２２をオンにする（下部充電ライン１５を 接続する）。但し、この充電電流が流れていない場合でも、リセット回路３３か らリセット信号が出力されたときには、リレー制御回路３２が作動し、充電オン オフスイッチ２２をオンにする。

【００１７】 このリセット回路３３にはエンジンスイッチ２５およびリセットスイッチ２６ が繋がれており、作業者がエンジンスイッチ２５をオンにしたとき、もしくはリ セットスイッチ２６をオンにしたときに、このオン信号を受けてリセット回路３ ３からリレー制御回路３２にリセット信号が出力される。すなわち、エンジンス イッチ２５もしくはリセットスイッチ２６がオン操作されると、充電オンオフス イッチ２２がオンとなる。

【００１８】 一方、タイマー回路３１は充電電流検出器２１からの検出信号を受けるように なっており、充電電流検出器２１により充電電流が流れていない状態が所定時間 継続したときには、タイマー回路３１が働いて、タイマー回路３１からリレー制 御回路３２にオフ信号が出力される。リレー制御回路３２はこのオフ信号を受け るとリレーコイル２２ａへの通電を停止し、充電オンオフスイッチ２２をオフに する。 このため、上記のようにエンジンスイッチ２５もしくはリセットスイッチ２６ がオン操作されて、充電オンオフスイッチ２２がオンとなっても、例えば、コネ クタ１２，１６の接続が外されており、充電電流が流れないときには、上記所定 時間経過時にタイマー回路３１が働いて、充電オンオフスイッチ２２は再びオフ となる。

【００１９】 この充電装置において、ブーム３が格納された状態で、上部バッテリ６の充電 を行うときには、コネクタ１２，１６を接続し、上部側および下部側充電ライン １１，１５を接続する。この状態では、充電オンオフスイッチ２２はオフである ので、次いで、例えばリセットスイッチ２６を押す。これにより、充電オンオフ スイッチ２２がオンとなり、車体側バッテリ１０により両充電ライン１１，１５ を介して上部バッテリ６の充電がなされる。

【００２０】 この充電が行われているときには、充電電流検出器２１により充電電流が検出 されるため、充電オンオフスイッチ２２はオンであり、充電が継続される。そし て、上部バッテリ６がフル充電されると、両充電ライン１１，１５を流れる充電 電流がほぼ零となる。このように充電電流がほぼ零になったことが充電電流検出 器２１により検出され、この状態が所定時間以上継続すると、タイマー回路３１ が働き、リレー制御回路３２により充電オンオフスイッチ２２がオフとされる。 このように、本装置によれば、コネクタ１１，１６を接続した状態でリセットス イッチ２６（もしくはエンジンスイッチ２５）を押せば、車体側バッテリ１０に よる上部バッテリ６の充電が開始され、上部バッテリ６がフル充電されると、自 動的に充電オンオフスイッチ２２がオフとなって充電が停止する。

【００２１】 また、以上の構成から分かるように、充電電流検出器２１において、充電電流 が検出されていないときには、リレー制御回路３２により充電オンオフスイッチ ２２がオフにされる。すなわち、コネクタ１２，１６が接続されていても充電電 流が流れていないとき（充電がなされていないとき）や、高所作業時のようにコ ネクタ１２，１６の接続が外されているときには、充電オンオフスイッチ２２は オフとなる。このため、このときには、下部充電ライン１５に繋がるコネクタ１ ６の端子には車体側バッテリ１０からの電圧が加わることがなく、このコネタク １６の端子に電蝕が誘発されることがない。

【００２２】 なお、本例においては、下部充電ライン１５に電流検出器２１および充電オン オフスイッチ２２を配設しているが、本考案はこれに限られるものではなく、上 部充電ライン１１に同様の構成を用いても良く、このようにすれば、上部充電ラ イン１１のコネクタ１２の端子での電蝕を抑えることができる。

【００２３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、充電電流検出器により充電ラインを流 れる電流が存在しないことが検出されたときに、充電オンオフスイッチをオフに して充電ラインを遮断するようになっているので、高所作業車の上部バッテリの 充電が行われない状態では、上部バッテリに繋がる上部側充電ラインと、上部バ ッテリ充電用電源に繋がる下部側充電ラインを接続するコネクタの端子部に不必 要な電圧を与えないため、錆（電蝕）の発生を防止でき、コネクタを保護するこ とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る上部バッテリ充電装置を備えた高
所作業車の正面図である。

【図２】この上部バッテリ充電装置の構成を示す電気回
路図である。

【図３】この上部バッテリ充電装置の構成を示すブロッ
ク図である。

【符号の説明】

３ ブーム ５ 作業台 ６ 上部バッテリ １０ 車体側バッテリ １１ 上部側充電ライン １２ 上部側コネクタ １５ 下部側充電ライン １６ 下部側コネクタ ２１ 充電電流検出器 ２２ 充電オンオフスイッチ ３０ コントローラ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体上に配設された作業装置と、この作
   業装置上に配設された上部バッテリと、前記車体上に配
   設された充電用電源とを有してなる作業車の上部バッテ
   リ充電装置であって、 前記上部バッテリに繋がるとともに先端に上部側コネク
   タを有してなる上部側充電ラインと、 前記充電用電源に繋がるとともに先端に前記上部側コネ
   クタと接続可能な下部側コネクタを有してなる下部側充
   電ラインと、 前記上部側および下部側充電ラインの少なくとも一方に
   配設され、この充電ラインを断接可能な充電オンオフス
   イッチと、 前記上側および下部側充電ラインのいずれか一方に配設
   され、この充電ラインを流れる電流を検出する充電電流
   検出器と、 この充電電流検出器により前記充電ラインを流れる電流
   が存在しないことが検出されたときに、前記充電オンオ
   フスイッチをオフにして前記充電ラインを遮断するコン
   トローラとからなることを特徴とする作業車の上部バッ
   テリ充電装置。