JPH06307471A - 鉄製摩擦ロータ - Google Patents

鉄製摩擦ロータ

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JPH06307471A
JPH06307471A JP9617593A JP9617593A JPH06307471A JP H06307471 A JPH06307471 A JP H06307471A JP 9617593 A JP9617593 A JP 9617593A JP 9617593 A JP9617593 A JP 9617593A JP H06307471 A JPH06307471 A JP H06307471A
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JP
Japan
Prior art keywords
rotor
compound layer
soft nitriding
iron
friction
Prior art date
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Pending
Application number
JP9617593A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahito Mizuno
雅仁 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Chemical Co Ltd
Original Assignee
Aisin Chemical Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Chemical Co Ltd filed Critical Aisin Chemical Co Ltd
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Publication of JPH06307471A publication Critical patent/JPH06307471A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D65/00Parts or details
    • F16D65/0006Noise or vibration control

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)
  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐摩耗性、耐食性に優れ、しかも軽量化が可
能な鉄製摩擦ロータを得る。 【構成】 鉄製摩擦ロータに、軟窒化処理を施こし、F
e−C−N系を主体とする化合物層を表面に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、産業機械のブ
レーキ、クラッチ等の摩擦係合装置における、デイスク
ロータ、ブレーキドラム等、摩擦材の摺動相手部材であ
る鉄製摩擦ロータに関するものであり、特に、その表面
の耐摩耗性、耐食性を向上させた鉄製摩擦ロータに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ブレーキ、クラッチ等におけ
る摩擦材の摩擦相手部材である摩擦ロータは、安価であ
ること、材料の信頼性が高いこと、製造が容易であるこ
となどの点から、鋼などの鉄製のものが一般的である。
【0003】しかし、上記のような鉄製の摩擦ロータ
は、重量が重い、錆易い、といった欠点があり、例え
ば、モータプールに長時間放置した場合に、ロータに多
量の錆が発生し、極端な場合には摩擦材がロータに食い
付きを生じるという問題があった。
【0004】また、特に近年では、自動車の高性能化、
品質の向上に伴ない、自動車部品の軽量化のみでなく、
ブレーキ振動、クラッチジャダー等の問題が重要視され
るようになってきた。このブレーキ振動、クラッチジャ
ダーは、摩擦ロータの摩耗、偏摩耗によって一般に生じ
るが、塩害地走行時等に発生した錆によっても生じる。
【0005】このために、従来では、主に耐摩耗性の観
点から、高周波焼入、浸炭焼入等によってロータ表面に
硬化層を形成することが一般的である。しかしこれらの
方法では、特に耐食性において十分ではなかった。
【0006】また、金属製摩擦ロータの防錆処理につい
ては、ブレーキディスクロータにダクロ処理を施すこと
がすでに一部で実施されている。しかし、このダクロ処
理による皮膜は、制動を繰り返すと剥がれるようになっ
ており、効果の持続性という観点では問題があった。
【0007】これらの方法とは別に、金属摩擦ロータの
表面に、硬質で不錆性の溶射層を形成したもの(例え
ば、特開昭62−88830号公報)、また、摩擦ロー
タを、セラミックス製摩擦部材を含む複合型ディスクと
して構成したもの(特開平4−224883号公報)、
などが提案されているが、これらはコスト面で問題があ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】こうした背景のもと
で、本発明者等は、鉄製摩擦ロータの表面処理に関して
種々の検討を重ねた結果、一般に広く知られた金属の処
理方法ではあるが、軟窒化処理を施すことが、鉄製摩擦
ロータに関する上記の諸問題に対しては、総合的に最も
有効であることを見出だした。
【0009】そこで、本発明は、耐摩耗性、耐食性に優
れ、また、薄肉化による軽量化の可能な鉄製摩擦ロータ
を提供することを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる鉄製摩擦
ロータは、軟窒化処理を施し、Fe−C−N系を主体と
する化合物層を表面に形成したものである。
【0011】ここで、軟窒化処理は、大別して、気相中
で行う方法と、塩浴中で行う方法とがあるが、本発明で
はこれらのいずれの方法も可能である。そして、これに
より形成されるFe−C−N系を主体とする化合物層の
厚さは、処理時間、加熱温度、及び、シアン化物濃度と
密接な関係があり、処理時間が長い程、また処理温度が
高い程、さらにシアン化物濃度が高い程、より厚い化合
物層が形成されることになる。ただしこのように形成さ
れる層の厚さには限界があることはもちろんであるが、
本発明において、この化合物層の厚さは、実用上一般
に、5μm〜40μmが好ましい。
【0012】
【作用】本発明においては、軟窒化処理によって、鉄製
摩擦ロータの表面にFe−C−N系を主体とした化合物
層が形成される。この化合物層は硬度も高く、また優れ
た耐摩耗性、耐食性を有する。しかもこの化合物層は、
鉄系ロータ素材に一体に形成されたものであるため、剥
がれ落ちることはない。そのため、鉄製摩擦ロータの耐
摩耗性、耐食性は良好に向上される。
【0013】また、この化合物層は高い靭性をも有し、
ロータの曲げ強度も向上することから、ロータの薄肉化
が可能になり、より軽量なロータを得ることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の鉄製摩擦ロータを、鋼製のデ
ィスクブレーキロータに適用した実施例について説明す
る。
【0015】本実施例のディスクブレーキロータは、厚
さ18mmのベンチレーテッドタイプのものであり、その
表面に、前述したような軟窒化処理を施し、Fe−C−
N系を主体とする化合物層を形成したものである。
【0016】ここで行った軟窒化処理は、一般に塩浴法
と呼ばれるものであり、融解シアン化物の塩浴中にロー
タを浸漬して行った。なお、本発明の各実施例において
は、温度及びシアン化物濃度は一定とし、浸漬時間を任
意に変化させて行った。
【0017】このディスクブレーキロータについて、摩
擦試験、耐食性試験を行い、評価を行った。
【0018】まず、摩擦試験について説明する。
【0019】ここでの実施例は、実施例1として、60
分間塩浴に浸漬して軟窒化処理を施したロータを用い、
また、比較対象としては、同じロータを用い、軟窒化処
理を行わない素地のままのロータを比較例1とした。
【0020】摩擦試験は、次に示すような条件で評価を
行った。
【0021】キャリパ型式:PD51 イナーシャ:5.0kg・f ・S2 初速度:50km/h ,減速度:0.15G,温度:80
℃ その測定結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】以上の結果から分かるとおり、軟窒化処理
を施したことにより、ディスクブレーキロータは、優れ
た耐摩耗性を有するようになることが分かる。特に、制
動操作を5000回以上行っても、摩耗量の絶対値を低
く維持できることから、優れた耐久性も兼ね備えている
ことが分かる。
【0024】次に、耐食性試験について説明する。
【0025】なお、ここでの実施例は、前述した実施例
1を用いている。また、比較例としては、比較例1とし
て、前述した、軟窒化処理をしない無処理ロータ、比較
例2として、ダクロ処理を施したロータを用いている。
【0026】本試験は、JIS Z 2371に基づく
5%塩水噴霧テストにより実施したもので、その擦合せ
条件は、次のとおりである。
【0027】初速度:80km/h ,減速度:0.3G,
温度:80℃ 擦合回数:400回 その測定結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】以上の結果から、実施例の軟窒化処理を施
した鉄製摩擦ロータは、まず、比較例1の無処理ロータ
と比較すると、無処理ロータは、新品ロータの状態にお
いても耐食性に乏しいことから、軟窒化処理を施すこと
により耐食性が向上していることが分かる。また、比較
例2のダクロ処理を施したロータと比較すると、ダクロ
処理ロータは新品の状態では良好な耐食性を有するが、
擦合せ後の耐食性が、無処理の比較例1同様に耐食性が
悪いことから、ダクロ処理は耐久性には欠けることが分
かる。
【0030】また、軟窒化処理が曲げ降伏強度に及ぼす
影響に関して、評価試験を行った。これについて、合わ
せて説明する。
【0031】ここでは、試験片として、100mm×25
mmの大きさ寸法で、板厚が7.5mm,9.5mm及び1
1.0mmの3種類の鉄板を用意した。そして、これらに
ついてそれぞれ、塩浴中に30分、及び90分浸漬して
軟窒化処理を行い、無処理のものと比較した。
【0032】曲げ降伏強度は、各試験片を曲げ試験機に
装着して徐々に荷重を掛け、永久歪の現われた時点の荷
重を降伏点とみなし、そのときの荷重を曲げ降伏強度と
して測定した。
【0033】表3にその測定結果を示す。
【0034】
【表3】
【0035】この結果より、軟窒化処理を施すことによ
り、曲げ降伏強度が著しく向上することが分かる。ま
た、塩浴への浸漬時間が長いもの程、言換えれば、形成
される皮膜が厚い程、曲げ降伏強度が大きくなる傾向が
あることが分かる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の鉄製摩擦
ロータは、軟窒化処理を施し、その表面にFe−C−N
系を主体とする化合物層を形成したことにより、耐摩耗
性が向上され、また、新品時はもとより、摩耗後におい
ても、良好な防食性を有する。したがってこれにより、
ロータの摩耗、偏摩耗、発錆に基づく、ブレーキ振動、
クラッチジャダー等の発生を軽減することができる。
【0037】また、本発明の鉄製摩擦ロータによれば、
曲げに対する降伏荷重が増大することから、ロータの薄
肉化が可能になり、より軽量なロータを得ることができ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟窒化処理を施し、Fe−C−N系を主
    体とする化合物層を表面に形成したことを特徴とする鉄
    製摩擦ロータ。
JP9617593A 1993-04-22 1993-04-22 鉄製摩擦ロータ Pending JPH06307471A (ja)

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JP9617593A Pending JPH06307471A (ja) 1993-04-22 1993-04-22 鉄製摩擦ロータ

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