JPH06307049A - ベランダ手摺壁パネルの取付け用部材及び取付け工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 建築物の室外に設けられるベランダに、ＡＬ
Ｃパネル等を手摺壁として取り付ける場合に、取り付け
が容易で、仕上げ作業の必要もない取り付け工法と、そ
れに使用する取り付け部材を提供する。 【構成】 ベランダ手摺壁パネルの取付け工法は、建築
物の梁の上フランジの外側に上向き定規アングルを固着
し、下フランジには外側に水平に突出するアングルを固
着してから、所望間隔で垂直部材の突起を上向き定規ア
ングルに懸架して溶接し、下端部を下側アングルに当接
させて溶接し、パネルを下側アングルと垂直部材の張出
し部との間に吊り込み、このパネル面を上向き定規アン
グルに取り付けてから上端部に水平部材を配設し、垂直
部材の張出し部に固着するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は建築物の室外に設けら
れるベランダに、ＡＬＣパネル等を手摺壁として取り付
ける場合に使用される取り付け用部材と、この部材を使
用してベランダ手摺壁を形成するパネルの取付け工法に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来建築物の室外に設けられるベランダ
に、ＡＬＣパネル等を手摺壁として取り付ける場合に
は、図３、４のように梁２の上下のフランジの外側に上
向き定規アングル３と下向き定規アングル４を固着し、
断面がＴ字状の垂直部材５を所望間隔で配設して上下の
定規アングル３、４に溶接する。そして垂直部材５の下
端部にＬ字形の水平部材６を溶接し、垂直部材５の頂部
には逆Ｌ字形の水平部材７を溶接し、これら垂直部材５
と水平部材６、７で枠を形成する。それから、パネル１
をこの枠の中に吊り込み、上向き定規アングル３及び上
下の水平部材６、７に夫々溶接されているフックボルト
８をパネル１の座繰孔に貫通させてナット９で締着して
いる。そして垂直部材５に接しないパネル１の目地には
目地鉄筋１０を挿入してモルタル１１を充填する。その
後パネル外面の座繰孔を補修するとともに、建屋側のパ
ネル面にモルタル１２を塗布し、外装材１３で仕上げ、
パネルの頂部には水平部材７に笠木１４を取り付けて完
成させている。

【０００３】しかし この方法では取り付け部材を全て
建築現場で加工組み立てするので、手数と時間がかかる
ばかりでなく、パネル１を取り付ける際に上部水平部材
７があるために作業がし難い問題があった。またこの手
摺壁の室側面には垂直部材５や水平部材６が露出するの
で、モルタル塗布などの仕上げ作業が必要であり、手数
と費用がかかる問題もあった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この発明は建築物の室
外に設けられるベランダに、ＡＬＣパネル等を手摺壁と
して取り付ける場合に、取り付けが容易で、仕上げ作業
の必要もない取り付け工法と、それに使用する取り付け
部材を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明の取り付け部材
は垂直部材と上部水平部材とからなり、垂直部材は手摺
壁パネルの長さとほぼ等しい長さで、パネル厚さよりも
やや小さい寸法の条材の頂部に直角方向に張出し部を設
け、幅方向のベランダの床面近辺位置には上向き定規ア
ングルに懸架可能な突起を設けられたものである。また
上部水平部材は逆Ｌ字形で水平部には所望間隔で透孔を
穿設したものである。

【０００６】またこの発明のベランダ手摺壁パネルの取
付け工法は、建築物の梁の上フランジの外側に上向き定
規アングルを固着し、下フランジには外側に水平に突出
するアングルを固着してから、所望間隔で前記垂直材の
突起を上向き定規アングルに懸架して溶接し、下端部を
下側アングルに当接させて溶接し、パネルを下側アング
ルと垂直部材の張出し部との間に吊り込み、このパネル
面を上向き定規アングルに取り付けてから上端部に前記
水平部材を配設し、垂直部材の張出し部に固着するよう
にしたものである。

【０００７】

【作用】本発明の取り付け用部材は予め工場で加工して
おくので現場で加工の必要がなく、取り付けも容易であ
る。またこの手摺壁の室側面には垂直部材や水平部材が
露出しないので、モルタル塗布などの仕上げ作業が必要
ない。

【０００８】本発明の取り付け工法は、パネルを取り付
けてから上端部に水平部材を取り付けるのでパネルの吊
り込みや取り付け作業が容易であり、前述の作用と併せ
て作業時間を大巾に短縮することができる。

【０００９】

【実施例】以下本発明の一実施例を図面によって説明す
る。図１（Ａ、Ｂ、Ｃ）は夫々本発明の垂直部材と水平
部材及び躯体に取付けた状況を示す斜視図であり、図２
は本発明の工法で形成した手摺壁の縦断面図である。本
発明の垂直部材１５の長さは手摺壁パネル１の長さとほ
ぼ等しい寸法で、幅はパネル厚さよりもやや小さい条材
の上端部両面には直角方向に張出し部１５ａが固着され
ている。また ベランダの床面近辺位置に相当する下端
部からやや離れた位置の両面には上向き定規アングル３
に懸架可能な切り込み１５ｃを有する突起１５ｂが固着
されている。また上部水平部材１６は逆Ｌ字形で，水平
部には所定の間隔で透孔１６ａが穿設されている。尚こ
れらの部材の寸法は設計仕様により適宣選定すればよ
い。

【００１０】これらの部材を使用してベランダ手摺壁を
形成する工法について以下に説明する。先ずベランダ用
の梁２の上面に上向き定規アングル３を固着し、下面に
固着された下向き定規アングル１７には受けアングル１
８を水平に溶接しておく。次に前記垂直部材１５を所定
の間隔で平行に配設するが、その際突起１５ｂの切り込
み１５ｃで上向き定規アングル３に懸架して溶接し、下
端部は受けアングル１８に溶接固定する。また、手摺壁
を形成する各パネル面にはフックボルト８を挿通する座
繰孔を穿孔しておき、垂直部材１５に接するパネル１の
側面は切削し、垂直部材１５に接しないパネル１の頂部
小口面には穿孔しておく。

【００１１】このパネル１を垂直部材１５の間に吊り込
み、座繰孔にフックボルト８を挿通して定規アングル３
に溶接しナット９で締着する。順次パネル１を取り付け
終わったら水平部材１６を取り付けるが、このとき垂直
部材１５の張出し部１５ａを水平部材１６の透孔１６ａ
を溶接し、パネルの頂部小口面には丸棒１９を挿入し水
平部材１６の透孔１６ａに溶接する。その後座繰孔を補
修し、水平部材１６に笠木１４を取り付ければ手摺壁が
完成する。また座繰孔にフックボルトを挿通する代わり
にパネルに係止具を埋設し、イナヅマプレートなどの取
り付け金具でパネルを定規アングルに固定すれば、乾式
で施工することもできる。

【００１２】

【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明の取り
付け用部材は予め工場で加工しておくので現場で加工の
必要がなく、取り付けも容易である。またこの手摺壁の
室側面には垂直部材や水平部材が露出しないので、モル
タル塗布などの仕上げ作業が必要ない。更に本発明の取
り付け工法は、パネルを取り付けてから上端部に水平部
材を取り付けるのでパネルの吊り込みや取り付け作業が
容易であり、前述の作用と併せて作業時間を大巾に短縮
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ、Ｂ、Ｃ）は本発明の垂直部材と水平部材
及び躯体に取付けた状況を示す斜視図である。

【図２】本発明の取り付け用部材を使用し、本発明の工
法で施工した手摺壁の縦断面図である。

【図３】従来の手摺壁の縦断面図である。

【図４】（Ａ、Ｂ）は図３のａａ面の断面図である。

【符号の説明】

１ パネル ２ 梁 ３、４ 定規アングル ５、１５ 垂直部材 ６、７、１６ 水平部材 ８ フックボルト ９ ナット １０ 目地筋 １１、１２ モルタル １３ 外装材 １４ 笠木 １７ 下向きアングル １８ 受けアングル

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベランダ手摺壁パネルの長さとほぼ等し
   い長さで、パネル厚さよりもやや小さい寸法の条材の頂
   部には直角方向に張出し部が設けられており、幅方向の
   ベランダの床面近辺位置には上向き定規アングルに懸架
   可能な突起が設けられている垂直部材と、逆Ｌ字形で水
   平部には所望間隔で透孔が穿設されている上部水平部材
   とからなるベランダ手摺壁パネルの取付け用部材。
2. 【請求項２】 建築物の梁の上フランジの外側に上向き
   定規アングルを固着し、下フランジには外側に水平に突
   出するアングルを固着してから、所望間隔で前記垂直部
   材の突起を上向き定規アングルに懸架して溶接し、下端
   部を下側アングルに当接させて溶接し、パネルを下側ア
   ングルと垂直部材の張出し部との間に吊り込み、このパ
   ネル面を上向き定規アングルに取り付けてから上端部に
   前記水平部材を配設し、垂直部材の張出し部に固着する
   ことを特徴とするベランダ手摺壁パネルの取付け工法。