JPH0630674Y2 - 合成樹脂製の把手付壜 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、飲料液体や調味料液体などを収納する合成樹
脂製の把手付壜に関する。

〔従来の技術〕

従来、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の合成樹脂に
よる２軸延伸ブロー成形で製作された壜体の場合、壜体
が大型化するほどその取り扱いを容易にするために、、
胴部に取っ手を一体成形するか、もしくは胴部に単体成
形された取っ手を接合する方法が採られている。２軸延
伸ブロー成形による場合は、壜体の大型化に伴い種々の
問題点を生起せしめるため、単体の取っ手の接合形態が
多く採られている。

この取っ手の接合方法としては、接着剤を用いた接着手
段で取っ手を胴部に接合させるのが一般的である。この
接着剤を用いた接合方法では、接着初期に把手そのもの
が脱落し易く、これを防止することと相まって、所要の
接合強度で取っ手を胴部に接合させるためには、胴部に
対して取っ手を十分な押圧力で押圧しなければならな
い。そこで、この押圧力に耐えるだけの対抗手段を軟質
の胴部側に講じる必要がある。

こうした対抗手段を装置として設けることは面倒である
ことから、これを省略する考え方がある。即ち、把手の
接合初期時にあって単に接着剤のみに頼らず、取っ手側
と胴部側の双方に互いに係合組付力が得られるような構
造を施し、接着初期時の把手の脱落防止および所要の接
合強度を得るような把手付ボトルが知られている。

このような把手付ボトルには、例えば本願出願人によっ
て先に提案された第４図に示す実開昭５５−９８７３１
号公報に記載の合成樹脂製ボトルにおける把手がある。
これは、ボトルＢの胴部１に接合凹部２が設けられ、こ
の接合凹部２に把手３の座４を係合接着させると共に、
座４の裏側に接着剤を付着して、把手３を接着接合する
構造である。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、この本願出願人による把手の場合、ボト
ルＢ側の接合凹部２としては、凹部自体が平坦状で浅
く、形状的に把手３の座４との係合強度が十分ではな
い。この係合強度を高めるために接合凹部２を深くする
考え方もあるが、これに対応して座４の板厚を大きくす
ることには設計面などで限界がある。

本考案は、この先の提案の問題点を解消して、把手部材
の初期の保持手段を講じて、接合工程の能率化を図ると
共に、把手部材を強固にボトルの胴部に接着させた合成
樹脂製把手付壜の提供を目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するために、本考案は次なる構成とし
た。

この合成樹脂製の把手付壜は、合成樹脂製ボトルＢの本
体胴部10aに接合凹部10bを設け、この接合凹部10bに単
体成形品の把手部材20を組み込んで接着接合したもので
ある。

即ち、前記接合凹部10bにはこの輪郭に沿って環状凹溝1
0cが設けられている。また、把手部材20には、前記接合
凹部10bに係合して接着剤により接合される接合座20aが
設けられている。この接合座20aの周には、立ち上げに
より係合側縁20bが設けられ、係合側縁20bを接合時に前
記環状凹溝10cに嵌合させるようになっている。

そして、前記接合座20aは、係合側縁20bの内側全面が、
接着面に形成されて、前記接合凹部10bに接着してい
る。

そして、接合座20aの表面に取っ手20cが設けられた構造
である。

〔作用〕

本体胴部10aへの把手部材20の接合に際して、接合座20a
は、係合側縁20bの内側全面を接着面として接着剤を付
着処理し、この接合座20aを接合凹部10bに組み込むと同
時に、係合側縁20bを環状凹溝10cに強固に嵌合させる。
この係合側縁20bの嵌合によって、把手部材20全体の接
合凹部10bに対する初期の組み付け力を増し、接合座20a
の初期の接着力に加えて、把手部材20の接合初期の保持
および脱落防止をする。

〔実施例〕

以下、本考案による合成樹脂製の把手付壜の一実施例に
ついて図面を参照しつつ説明する。

第１図〜第３図において、ポリエチレンテレフタレート
等の合成樹脂によって、飲料水や調味料用の比較的大型
のボトルＢが２軸延伸ブロー成形などの成形手段で製作
されている。このボトルＢの本体胴部10aの上方肩部
は、その周囲の一部が把手部材20を接合する部分として
容器外形から陥没するがごとく平坦状に成形されてい
る。ここには、接合凹部10bが形成され、この接合凹部1
0bの周に沿って環状凹溝10cが設けられている。

一方、第３図に示すように、把手部材20が単体として別
に成形され、この把手部材20にはボトルＢ側に設けた接
合凹部10bにほぼ同形状の例えば楕円形状の接合座20aが
形成されている。この接合座20aには、周縁に沿って立
ち上がる係合側縁20bが設けられ、この係合側縁20bがボ
トルＢ側の環状凹溝10cに強固に嵌合するようになって
いる。そして、前記接合座20aは、係合側縁20bの内側全
面が、接着面に形成されて、前記接合凹部10bに接着し
ている。また、接合座20aの表側にはこの長手方向に架
橋のごとき形状の取っ手20cが設けられている。

次に、以上のような把手付壜の製作に際しては、単体成
形品で予め用意された把手部材20の接合座20aの裏側全
面に接着剤が付着され、この接合座20aをボトルＢ側の
接合凹部10bに係合させて組み込む。この時、接合座20a
側の係合側縁20bを接合凹部10b側の環状凹溝10cに強固
に嵌合させる。この嵌合強度によって、接合座20aの係
合側縁20bの内側全面が、接合凹部10bに接着剤による接
着力に加えて、把手部材20を接合凹部10bに強固に保持
すると共に、脱落などを防止する。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案による合成樹脂製の把手付
壜は、ボトルＢ側の接合凹部10bに対して把手部材20の
組み付けに際し、接合座20aに設けた係合側縁20bが接合
凹部10b側の環状凹溝10cに強固に嵌合すると共に、把手
部材20の接合座20aは、係合側縁20bの内側全面が、接着
面に形成されて、前記接合凹部10bに強固に接着し、外
径の小さな接合座20aでも接着面は大きくなり接合凹部1
0bに強固に接着し、把手部材20の全体を接合凹部10bに
確実に保持させることができ、接合初期の把手部材の脱
落を防止するなどして、組み付け作業を能率的に行うこ
とができる。これによって、接合時の押圧力に対抗すべ
く装置や手段をボトルＢ側に特に設ける必要がない。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は、本考案による合成樹脂製の把手付壜
の一実施例を示し、第１図は正面図、第２図(a)、(b)は
側面図およびこのX1−X1線による要部の平断面図、第３
図(a)、(b)は把手部材の斜視図およびX2−X2線による断
面図である。また、第４図は本願出願人によって先に提
案された把手付ボトルの斜視図を示す。 10b……接合凹部、10c……環状凹溝、20……把手部材、
20a……接合座、20b……係合側縁、20c……取っ手、Ｂ
……ボトル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】合成樹脂製ボトルＢの本体胴部10aに接合
   凹部10bを設け、この接合凹部10bに単体成形品の把手部
   材20を組み込んで接着接合した把手付壜であって、 前記接合凹部10bにはこの輪郭に沿って環状凹溝10cが設
   けてあり、把手部材20には前記接合凹部10bに係合して
   接着接合される接合座20aを設けると共に、この接合座2
   0aの周に沿って接合時に前記環状凹溝10cに嵌合する係
   合側縁20bを立上げて設け、そして、前記接合座20aは、
   係合側縁20bの内側全面が、接着面に形成されて、前記
   接合凹部10bに接着し、且つ、接合座20aの表面に取っ手
   20cを設けたことを特徴とする合成樹脂製の把手付壜。