JPH06306252A - 環状ポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

環状ポリオレフィン系樹脂組成物

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JPH06306252A
JPH06306252A JP12057093A JP12057093A JPH06306252A JP H06306252 A JPH06306252 A JP H06306252A JP 12057093 A JP12057093 A JP 12057093A JP 12057093 A JP12057093 A JP 12057093A JP H06306252 A JPH06306252 A JP H06306252A
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branched alkyl
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Keisuke Sakurai
敬祐 桜井
Tomio Nobe
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温での耐衝撃性、柔軟性、加工性及び耐ガ
ソリン性が良好で流動性の改善された新規有用な環状ポ
リオレフィン系樹脂組成物を提供する。 【構成】 環状ポリオレフィン系樹脂に対し、脂肪酸エ
ステル、安息香酸エステル、シクロヘキセン環又はシク
ロヘキサン環を有するエステルからなる群より選ばれた
少なくとも1種類以上のエステル系化合物を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成型材料として有用な
環状ポリオレフィン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】環状ポリオレフィン系樹脂は、透明性、
耐熱性、耐溶剤性、誘電特性及び種々の機械的特性等に
優れており、自動車部品、機械ハウジング、機械部品、
建材用ガスケット、土木又は建築用防水シート、工業用
ホース又はチューブ類、家電用ハウジング、鞄、スポー
ツ用品、事務用品等の各種用途に有用な素材として知ら
れている(特開平4−356554号等)。
【0003】しかしながら、当該樹脂は、低温での耐衝
撃性、柔軟性が低いため、特に寒冷地における使用にお
いて制限を受ける傾向があった。又、ポリ塩化ビニル樹
脂系エラストマーや軟質塩化ビニル樹脂のような特性を
具備していないため、特に自動車や車両等の内外装、電
線・家電機器、土木・建築・建材、ホース・チューブ等
のような用途における素材としては、尚、改善の余地が
認められたにも拘らず、これまでに有効な改善手段は知
られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低温での耐
衝撃性、柔軟性、加工性及び耐ガソリン性が良好で流動
性の改善された環状ポリオレフィン樹脂組成物を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討の結果、環状ポリオレフィン
系樹脂に対し、特定の構造を有するエステル化合物を配
合することにより所望の効果が得られることを見いだ
し、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明に係る環状ポリオレフィン系
樹脂組成物は、環状ポリオレフィン系樹脂に対し、一般
式(1)、一般式(2)、一般式(3)又は一般式
(4)で表される少なくとも1種以上のエステル化合物
(以下「本エステル」と総称する。)を配合してなるこ
とを特徴とする。
【0007】
【化5】 [式中、R1は炭素数5〜35の直鎖状若しくは分岐鎖
状のアルキル基又はアルケニル基を表す。R2は炭素数
6〜28の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はア
ルケニル基を表す。]
【0008】
【化6】 [式中、R3は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状若し
くは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数2〜10の直鎖状
若しくは分岐鎖状のアルケニル基を表す。R4は炭素数
6〜28の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はア
ルケニル基を表す。]
【0009】
【化7】 [式中、R5、R6、R7は同一又は異なって、水素原
子、炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル
基、炭素数2〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニ
ル基又はエンドメチレン基を表す。R8、R9は同一又は
異なって、炭素数6〜28の直鎖状若しくは分岐鎖状の
アルキル基又はアルケニル基を表す。]
【0010】
【化8】 [式中、R10、R11、R12は同一又は異なって、水素原
子、炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル
基、炭素数2〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニ
ル基又はエンドメチレン基を表す。R13、R14は同一又
は異なって、炭素数6〜28の直鎖状若しくは分岐鎖状
のアルキル基又はアルケニル基を表す。]
【0011】本エステルの製造方法は、特に限定される
ものではなく、従来公知の任意の操作を採用できるが、
一般的方法として、所定のモノ又はジカルボン酸若しく
はその酸無水物と所定の脂肪族アルコールとを無触媒又
は触媒の存在下で反応生成水を除去しながらエステル化
する方法が挙げられる。以下、各群毎に詳述する。
【0012】一般式(1)で表されるエステルは、所定
の脂肪族モノカルボン酸と脂肪族アルコールとを常法に
従ってエステル化反応することにより容易に合成され
る。
【0013】当該脂肪族モノカルボン酸としては、炭素
数6〜36の飽和又は不飽和脂肪酸が例示され、より好
ましくは炭素数8〜24の飽和又は不飽和脂肪酸が例示
される。炭素数が6未満の脂肪酸では環状ポリオレフィ
ン系樹脂への相溶性が低下してブリードし易くなり、逆
に炭素数が36を越える脂肪酸では耐ガソリン性が低下
するため好ましくない。
【0014】本発明に係る好ましい脂肪族モノカルボン
酸としては、オクチル酸、2−エチルヘキサン酸、ノナ
ン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン
酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、
ダイマー酸等が例示され、特に2−エチルヘキサン酸、
ノナン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリ
ン酸、オレイン酸等が推奨される。
【0015】一般式(2)で表されるエステルは、所定
の芳香族モノカルボン酸と脂肪族アルコールとを常法に
従ってエステル化反応することにより容易に合成され
る。
【0016】当該芳香族モノカルボン酸としては、安息
香酸、o−メチル安息香酸、m−メチル安息香酸、p−
メチル安息香酸、o−エチル安息香酸、m−エチル安息
香酸、p−エチル安息香酸等が例示される。
【0017】一般式(3)で表されるエステルは、所定
の脂環式不飽和ジカルボン酸又はその無水物と脂肪族ア
ルコールとを常法に従ってエステル化反応することによ
り容易に合成される。
【0018】当該脂環式不飽和ジカルボン酸又はその酸
無水物としては、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラ
ヒドロフタル酸、ジメチルブテニルテトラヒドロフタル
酸、ナジック酸、メチルナジック酸、メチルハイミック
酸及びそれらの酸無水物並びにそれらの異性体(幾何異
性体、構造異性体を含む。)、アロシメンやα−テルピ
ネン等のデカトリエン類と無水マレイン酸の反応により
得られる酸無水物及びその遊離カルボン酸等が例示され
る。
【0019】一般式(4)で表されるエステルは、所定
の脂環式飽和ジカルボン酸又はその酸無水物と脂肪族ア
ルコールとを常法に従ってエステル化反応することによ
り容易に合成される。又、一般式(3)で表されるエス
テルを核水素化することによっても得ることができる。
【0020】当該脂環式飽和ジカルボン酸又はその無水
物としては、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒド
ロフタル酸、ナジック酸水添物、メチルナジック酸水添
物及びこれらの酸無水物並びにそれらの異性体(幾何異
性体を含む。)等が例示される。
【0021】本発明に係る上記各エステルのアルコール
成分として用いられる脂肪族アルコールは、炭素数6〜
28の飽和又は不飽和の脂肪族アルコールであり、より
好ましくは炭素数8〜24の脂肪族アルコールである。
炭素数が6未満のアルコールでは環状ポリオレフィン系
樹脂への相溶性が低下してブリードし易くなり、逆に炭
素数が28を越えるアルコールでは耐ガソリン性が低下
するため好ましくない。
【0022】本発明に係る好ましい脂肪族アルコールと
しては、ヘプタノール、2−エチルヘキサノール、n−
オクタノール、イソノナノール、3,5,5−トリメチ
ルヘキサノール、n−デカノール、イソデカノール、ウ
ンデカノール、ドデカノール、トリデシルアルコール、
アルフォール610(ビスタケミカル・ファーイースト
社製)、リネボール79、同911(シェル化学社
製)、ダイヤドール79、同911、同11、同113
(三菱化成社製)、ミリスチルアルコール、セチルアル
コール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、
オレイルアルコール及びこれらのアルコールのガーベッ
ト反応により得られる二量化アルコール等が例示され
る。
【0023】上記エステル化において選択して適用され
るエステル化触媒としては、硫酸、塩酸、リン酸、パラ
トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、アルキル硫酸
等の酸触媒、硫酸アルミニウム、フッ化リチウム、塩化
カリウム、塩化セシウム、塩化カルシウム、塩化鉄、リ
ン酸アルミニウム等の金属塩、ZnO2/C、SnO、
SiO2−TiO2、ZnO、Fe23、ヘテロポリ酸等
の金属酸化物、Al23−KOH−LiOH、Al23
−NaOH等のアルミナ−アルカリ複合系、モルデナイ
ト、脱カチオン化Yゼオライト等の天然及び合成のゼオ
ライト、SO4 2-/ZnO2、SO4 2-/TiO2等の固体
超酸、カチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂等のイオン
交換樹脂、テトラアルキルチタネート及びそのポリマ
ー、Bu2Sn(OBu)OB(OBu)2、シュウ酸第
1錫等の有機金属等が例示される。
【0024】エステル化反応完結後の後処理としては、
特に限定されるものではないが、例えば過剰のアルコー
ルを系内から留去し、中和、水洗行程を経て、最後にエ
ステルを精製する方法が挙げられる。又、特に精製をせ
ず、過剰のアルコールを系外に留去するだけで、本発明
に係るエステルに用いることも可能である。
【0025】環状ポリオレフィン系樹脂に配合される本
エステルの種類は、その目的とする特性に応じて適宜選
択される。例えば、耐寒性や耐衝撃性の改善を主目的と
する場合には、一般式(1)で表されるエステル化合物
が推奨され、樹脂との相溶性の改善を主目的とする場合
には、一般式(2)で表されるエステル化合物が推奨さ
れる。又、軟質製品としてのバランスのとれた性能と優
れた破断強度の具備を主目的とする場合には、一般式
(3)や一般式(4)で表されるエステル化合物が推奨
される。更に、耐候性の改善を主目的とする場合には、
一般式(1)又は一般式(4)で表されるエステル化合
物のうち、特に一般式(1)におけるR2や一般式
(4)におけるR13、R14がアルキル基である化合物が
推奨される。
【0026】本発明に係る環状ポリオレフィン系樹脂と
は、環内にエチレン性二重結合を有する重合性の環状オ
レフィンをモノマー単位として構成されるポリマーの総
称であり、具体的には、エチレン・環状オレフィン系共
重合体、環状オレフィンの開環重合体、2種以上の環状
オレフィンの開環重合体等及び上記重合体と各種ゴム状
ポリマー、アミド系ポリマー及びエステル系ポリマー、
弾性エラストマー等とのポリマーブレンド物が例示され
る。かかる重合体は、例えば、特開昭60−16870
8号、特開昭61−120816号、特開昭62−25
2406号、特開平2−167318号、特開平4−3
5653号等に開示されている。
【0027】上記の環状オレフィン開環重合体や環状オ
レフィン系共重合体を構成する代表的な環状オレフィン
としては、ノルボネン類とシクロペンタジエンとを縮合
することにより製造される1,4,5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン類、ヘキサシクロ[6.6.1.1.1.0.
0]ヘプタデセン−4類、エチレンとシクロペンタジエ
ンから合成される6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン等が例記される。
【0028】上記環状ポリオレフィン系樹脂には、他の
樹脂をポリマーブレンドし、アロイ化して用いることも
可能である。
【0029】上記ブレンドできるポリマーは、特定され
るものではなく、具体例としては、天然ゴム、スチレン
ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エ
チレンプロピレンコポリマー、エチレンプロピレンジエ
ンターポリマー、ニトリルブタジエンゴム、クロロプレ
ンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等
のゴム状ポリマー、ナイロン6、ナイロン66、ナイロ
ン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン1
2、共重合ナイロン、ナイロンMXD6、変性ポリアミ
ド6T等のアミド系ポリマー、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリ
テトラメチレンセバケート、ポリプロピレンアジペート
等のエステル系ポリマー等が挙げられる。
【0030】更に、エチレンα−オレフィンゴム/ポリ
プロピレンを部分架橋したものに代表されるオレフィン
系エラストマー、ポリブタジエン又はポリイソプレン/
ポリスチレン系に代表されるスチレン系エラストマー、
ポリテトラメチレンオキサイドグリコール/ポリブチレ
ンテレフタレートの共重合体やポリカプロラクトン/ポ
リブチレンテレフタレート系で代表されるポリエステル
系エラストマー、ポリアミド樹脂/ポリアルキレングリ
コール共重合体で代表されるポリアミド系エラストマ
ー、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンのポ
リブタジエン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー
やポリウレタン系エラストマーやシリコーン系エラスト
マー等の熱硬化性エラストマー等で例記される弾性エラ
ストマーもブレンドすることが可能である。
【0031】環状ポリオレフィン系樹脂に対する本エス
テルの配合量は、所定の効果が得られる限り特に限定さ
れないものの、本エステルの構造やその主目的とする樹
脂特性に応じて以下の範囲が推奨される。即ち、当該樹
脂100重量部に対し、一般式(1)で表される鎖状エ
ステルを適用する場合には、6〜100重量部、より好
ましくは6〜60重量部程度であり、一般式(2)、
(3)及び(4)で表される6員環を有するエステルを
適用する場合には、0.2〜100重量部、より好まし
くは1〜60重量部程度である。上記各配合量未満では
所定の改質効果が得られにくく、逆に当該配合量を越え
て配合しても顕著な効果の増大は期待できず、返ってブ
リードが増加する等して好ましくない。
【0032】一方、主目的に応じた当該配合量の推奨例
を以下に示す。即ち、柔軟性、耐寒性、耐衝撃性の改良
を目的とする軟質配合においては5〜60重量部程度、
加工性と耐衝撃性の改良を目的とする硬質配合において
は、0.2〜5重量部程度である。
【0033】又、炭酸カルシウム、ガラスマット、酸化
チタン、クレー、カーボンブラック、タルク、酸化アン
チモン、水和アルミニウム、マグネシア、水酸化カルシ
ウム、珪酸、金属粉等の充填剤を配合した系において
は、1〜100重量部程度の配合量が選択される。
【0034】本エステルは、従来、可塑剤として知られ
ている各種のエステル化合物と併用して当該環状ポリオ
レフィン系樹脂に配合しても良い。かかる可塑剤として
は、エチレングリコールジベンゾエート、プロピレング
リコールジベンゾエート等の安息香酸エステル類、フタ
ル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジ(2−
エチルヘキシル)、フタル酸ジ(n−オクチル)、フタ
ル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジ
ウンデシル、フタル酸ジトリデシル、ダイヤドール7
9、同911のフタル酸エステル、リネボール79、同
911のフタル酸エステル、フタル酸ジブトキシエチ
ル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル類、
【0035】アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、ア
ジピン酸ジn−オクチル、アジピン酸ジイソノニル、ア
ジピン酸ジイソデシル、アルフォール610のアジピン
酸エステル、ダイヤドール79のアジピン酸エステル、
リネボール79のアジピン酸エステル、アジピン酸ジブ
トキシエチル、アジピン酸ジブトキシエトキシエチル、
アゼライン酸ジオクチル、セバシン酸ジ(2−エチルヘ
キシル)等の脂肪族系エステル類、
【0036】トリメリット酸トリ(2−エチルヘキシ
ル)、トリメリット酸トリn−オクチル、トリメリット
酸トリイソノニル、トリメリット酸トリイソデシル、ダ
イヤドール79のトリメリット酸エステル、リネボール
79のトリメリット酸エステル、トリメリット酸トリブ
トキシエチル等のトリメリット酸エステル類、
【0037】リン酸トリクレジル、リン酸−2−エチル
ヘキシルジフェニル、リン酸トリブトキシエチル等のリ
ン酸エステル類、
【0038】プロピレングリコール・アジピン酸系、プ
ロピレングリコール・フタル酸系、ブチレングリコール
・アジピン酸系、プロピレングリコール・セバシン酸系
等のポリエステル系可塑剤、
【0039】エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、
エポキシステアリン酸オクチル、4,5−エポキシヘキ
サヒドロフタル酸ジオクチル、4,5−エポキシヘキサ
ヒドロフタル酸ビス(9,10−エポキシステアリル)
等のエポキシ系可塑剤、塩素化パラフィン等が例示され
る。
【0040】所望により併用される上記可塑剤の配合量
は、所定の効果が得られる限り特に限定されるものでは
ないが、通常、環状ポリオレフィン系樹脂100重量部
に対し、1〜30重量部程度である。
【0041】本発明に係る環状ポリオレフィン樹脂組成
物には、必要に応じて安定剤、安定化助剤、加工性改良
樹脂、紫外線吸収剤、充填剤、着色剤、発泡剤、滑剤、
樹脂強化剤、架橋剤、防菌剤、防黴剤、難燃剤、離型
剤、防虫剤、忌避剤、プレートアウト防止剤、帯電防止
剤等の各種添加剤等を配合することができる。
【0042】本発明に係る環状ポリオレフィン樹脂組成
物の加工方法は、特に限定されるものでない。例えば、
環状ポリオレフィン系樹脂、本エステル及び必要に応じ
て配合した添加剤を予備混練して得た環状ポリオレフィ
ン樹脂組成物を各種成形機に通すことにより製品を得る
方法や、当該樹脂組成物を直接成形機に供給し成形する
方法が可能である。
【0043】環状ポリオレフィン樹脂組成物の予備混練
は、所定量の各種成分をバンバリーミキサー、ヘンシェ
ルミキサー、リボンブレンダー等の従来公知の混錬機を
用いて混錬することにより調製され、その添加順序は問
わない。
【0044】かくして得られた環状ポリオレフィン樹脂
組成物は、カレンダー成型、押出成型、射出成型、ペー
スト加工等、従来、各分野において用いられている方法
により成型され、レザー、フィルム、ストレッチフィル
ム、農業用フィルム、シート、発泡品、床剤、壁紙、履
き物、ホース、チューブ、電線、ペーストゾル成型品、
包装剤、屋根材、パイプ、継ぎ手、プレート、波板、床
材、容器、玩具、屋根材、テント類、バンパー、トリ
ム、燃料用チューブ、インパネ、ヘッドレスト表皮、グ
リップ等の自動車及び車両用部品、冷蔵庫部品、バッテ
リーケース、コンクリートの可撓性付与剤、多孔性フィ
ルム、接着剤組成物等に適用される軟質、半硬質、硬
質、ゾル及びゲル組成物として有用である。
【0045】中でも、熱可塑性エラストマーの用途であ
る自動車及び車両、電線・家電機器、土木・建築、建
材、ホース・チューブの素材として有用である。
【0046】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を詳しく説明す
る。尚、各例における樹脂組成物の特性は、以下の方法
により測定し、評価した。
【0047】試験片の調製:環状ポリオレフィン系樹脂
と所定のエステルとをラボプラストミルを使用して20
0〜230℃で混合して環状ポリオレフィン系樹脂組成
物を得る。
【0048】次に200℃に昇温した30トンプレスを
用いて予熱(3分)、加圧(2分、100kg/cm2)の条
件下で、厚さ約1mmのシートを作成する。得られたシー
トを所定の大きさに裁断し、各々の試験に供する。
【0049】耐ブリード性:プレスシートを室温下で1
週間放置した後、ブリードの有無を目視にて観察し、以
下の3段階で評価した。 ブリードが無い場合 ◎ ブリードが僅かにある場合 ○ ブリードが顕著にある場合 ×
【0050】透明性:プレスシートを室温下で1週間放
置した後、ヘイズ値(透過光の拡散する光の割合)を測
定することにより、その程度を評価した。
【0051】引張試験:JIS K 6723に準拠し、
25℃において引張試験を行い、破断伸びを測定するこ
とにより可塑化効率を評価した。
【0052】耐寒性:JIS K 6745に準拠し、ク
ラッシュベルグの柔軟温度を測定した。
【0053】実施例1 エチレン・環状オレフィン共重合体[商品名「APEL
−LTMA」、MFR(2.16kg荷重、230℃)=
39.0g/10分、三井石油化学社製]100重量部
に対し、ステアリン酸トリデシル(以下「ST/TD
A」と略記する。)25重量部配合し、プレスシートを
調製した後、そのシート物性を測定した。得られた結果
を第1表に示す。
【0054】実施例2 ST/TDAの配合量を40phrとした他は、実施例
1に準じてシート物性を測定した。得られた結果を第1
表に示す。
【0055】実施例3 ST/TDAの配合量を3phrとした他は、実施例1
に準じてシート物性を測定した。得られた結果を第1表
に示す。
【0056】実施例4 本エステルとして、イソステアリン酸−2−ヘキシルデ
シル(以下「IST/160」と略記する。)を用いた
他は、実施例1に準じてシート物性を測定した。得られ
た結果を第1表に示す。
【0057】実施例5 本エステルとして、オレイン酸−2−ヘキシルデシル
(以下「D100/160」と略記する。)を用いた他
は、実施例1に準じてシート物性を測定した。得られた
結果を第1表に示す。
【0058】実施例6 本エステルとして、オレイン酸オレイル(以下「OL
O」と略記する。)を用いた他は、実施例1に準じてシ
ート物性を測定した。得られた結果を第1表に示す。
【0059】実施例7 本エステルとして、安息香酸−2−ヘキシルデシル(以
下「BA/160」と略記する。)を用いた他は、実施
例1に準じてシート物性を測定した。得られた結果を第
1表に示す。
【0060】実施例8 本エステルとして、テトラヒドロフタル酸ジ(2−エチ
ルヘキシル)(以下「DOTP」と略記する。)を用い
た他は、実施例1に準じてシート物性を測定した。得ら
れた結果を第1表に示す。
【0061】実施例9 本エステルとして、テトラヒドロフタル酸ジウンデシル
(以下「DUTP」と略記する。)を用いた他は、実施
例1に準じてシート物性を測定した。得られた結果を第
1表に示す。
【0062】実施例10 本エステルとして、テトラヒドロフタル酸ジ(2−ヘキ
シルデシル)(以下「TH/160」と略記する。)を
用いた他は、実施例1に準じてシート物性を測定した。
得られた結果を第1表に示す。
【0063】実施例11 TH/160の配合量を40phrとした他は、実施例
9に準じてシート物性を測定した。得られた結果を第1
表に示す。
【0064】実施例12 本エステルとして、4−メチルテトラヒドロフタル酸ジ
(2−ヘキシルデシル)(以下「MT/160」と略記
する。)を用いた他は、実施例1に準じてシート物性を
測定した。得られた結果を第1表に示す。
【0065】実施例13 本エステルとして、3,6−エンドメチレンテトラヒド
ロフタル酸ジ(2−エチルヘキシル)(以下「NA/1
60」と略記する。)を用いた他は、実施例1に準じて
シート物性を測定した。得られた結果を第1表に示す。
【0066】実施例14 本エステルとして、ヘキサヒドロフタル酸ジ(n−オク
チル)(以下「HH/nOct」と略記する。)を用い
た他は、実施例1に準じてシート物性を測定した。得ら
れた結果を第1表に示す。
【0067】実施例15 本エステルとして、ヘキサヒドロフタル酸ジイソノニル
(以下「HH/INA」と略記する。)を用いた他は、
実施例1に準じてシート物性を測定した。得られた結果
を第1表に示す。
【0068】実施例16 本エステルとして、ヘキサヒドロフタル酸ジ(n−デシ
ル)(以下「HH/C10」と略記する。)を用いた他
は、実施例1に準じてシート物性を測定した。得られた
結果を第1表に示す。
【0069】実施例17 HH/C10の配合量を40phrとした他は、実施例
15に準じてシート物性を測定した。得られた結果を第
1表に示す。
【0070】実施例18 本エステルとして、ヘキサヒドロフタル酸ジ(2−ヘキ
シルデシル)(以下「HH/160」と略記する。)を
用いた他は、実施例1に準じてシート物性を測定した。
得られた結果を第1表に示す。
【0071】実施例19 本エステルとして、4−メチルヘキサヒドロフタル酸ジ
(2−ヘキシルデシル)(以下「MH/160」と略記
する。)を用いた他は、実施例1に準じてシート物性を
測定した。得られた結果を第1表に示す。
【0072】比較例1 本エステルの代わりにフタル酸ジ(2−エチルヘキシ
ル)(以下「DOP」と略記する。)を用いた他は、実
施例1に準じて調製して樹脂組成物のシート物性を測定
した。得られた結果を第1表に示す。
【0073】比較例2 DOPの配合量を40phrとした他は、実施例1に準
じて調製して樹脂組成物のシート物性を測定した。得ら
れた結果を第1表に示す。
【0074】比較例3 エステル系化合物を配合しないAPEL−LTMAのプ
レスシートを調製し、実施例1に準じてそのシート物性
を測定した。得られた結果を第1表に示す。
【0075】
【発明の効果】本発明に係るエステル系化合物を配合す
ることにより、相溶性、可塑化効率、耐寒性、耐衝撃
性、流動性及び耐ガソリン性に優れ、熱可塑性で各種成
形方法により容易に成形加工ができ、成形材料として有
用な環状ポリオレフィン樹脂組成物を得ることができ
る。
【表1】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正内容】
【0074】 比較例3 エステル系化合物を配合しないAPEL−LTMAのプ
レスシートを調製し、実施例1に準じてそのシート物性
を測定した。得られた結果を第1表に示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状ポリオレフィン系樹脂に対し、一般
    式(1)、一般式(2)、一般式(3)又は一般式
    (4)で表される少なくとも1種類以上のエステル系化
    合物を配合してなることを特徴とする環状ポリオレフィ
    ン系樹脂組成物。 【化1】 [式中、R1は炭素数5〜35の直鎖状若しくは分岐鎖
    状のアルキル基又はアルケニル基を表す。R2は炭素数
    6〜28の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はア
    ルケニル基を表す。] 【化2】 [式中、R3は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状若し
    くは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数2〜10の直鎖状
    若しくは分岐鎖状のアルケニル基を表す。R4は炭素数
    6〜28の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はア
    ルケニル基を表す。] 【化3】 [式中、R5、R6、R7は同一又は異なって、水素原
    子、炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル
    基、炭素数2〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニ
    ル基又はエンドメチレン基を表す。R8、R9は同一又は
    異なって、炭素数6〜28の直鎖状若しくは分岐鎖状の
    アルキル基又はアルケニル基を表す。] 【化4】 [式中、R10、R11、R12は同一又は異なって、水素原
    子、炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル
    基、炭素数2〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニ
    ル基又はエンドメチレン基を表す。R13、R14は同一又
    は異なって、炭素数6〜28の直鎖状若しくは分岐鎖状
    のアルキル基又はアルケニル基を表す。]
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